第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注)1.第98期、第100期、第101期及び第102期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。第99期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失であり、また、潜在株式が存在しないため記載していません。
2.従業員数は、就業人員数を記載しています。
3.当社は「株式給付信託(BBT)」を導入しており、当該信託が保有する当社株式を連結財務諸表において自己株式として計上しています。これに伴い、1株当たり純資産額の算定上、当該信託が保有する当社株式を期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めています。また、1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失の算定上、当該信託が保有する当社株式を期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めています。
4.「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日。以下、「2022年改正会計基準」といいます。)等を第101期の期首から適用しており、第100期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっています。なお、2022年改正会計基準については第20-3項ただし書きに定める経過的な取扱いを適用し、「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号 2022年10月28日)については第65-2項(2)ただし書きに定める経過的な取扱いを適用しています。この結果、第101期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
(2) 提出会社の経営指標等
(注)1.第102期の1株当たり配当額15円のうち、期末配当額10円については、2026年6月26日開催予定の定時株主総会の決議事項となっています。
2.第100期、第101期及び第102期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。第98期及び第99期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失であり、また、潜在株式が存在しないため記載していません。
3.第98期及び第99期の株価収益率については、当期純損失のため記載していません。
4.第98期の配当性向については、当期純損失のため記載していません。第99期の配当性向については、当期純損失であり、また、無配のため記載していません。
5.従業員数は、就業人員数を記載しています。
6.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものです。
7.当社は「株式給付信託(BBT)」を導入しており、当該信託が保有する当社株式を財務諸表において自己株式として計上しています。これに伴い、1株当たり純資産額の算定上、当該信託が保有する当社株式を期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めています。また、1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失の算定上、当該信託が保有する当社株式を期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めています。
8.「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日。以下、「2022年改正会計基準」といいます。)等を第101期の期首から適用しており、第100期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっています。なお、2022年改正会計基準については第20-3項ただし書きに定める経過的な取扱いを適用しています。この結果、第101期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
2 【沿革】
当社は1949年8月1日、過度経済力集中排除法にもとづく決定整備計画で解体された旧王子製紙株式会社の第二会社の一つである十條製紙株式会社として、資本金2億8千万円をもって発足しました。
当社及び当社グループの設立後の主要事項は次のとおりです。
3 【事業の内容】
当社グループは、当社、子会社120社及び関連会社29社で構成され、その主な事業内容と、主要な会社の当社グループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりです。
以下に示す区分は、セグメントと同一の区分です。
[紙・板紙事業]
洋紙、板紙、特殊紙、パルプ等の製造販売を行っています。
・洋紙は、当社が製造販売、当社及び日本紙通商㈱他が仕入販売を行っています。十條サーマル社が欧州市場を中心に感熱紙等の製造販売を行っています。
・板紙は、当社他が製造販売、日本東海インダストリアルペーパーサプライ㈱他が販売を行っています。
・特殊紙は、日本製紙パピリア㈱他が製造販売を行っています。
・パルプは、当社他が製造仕入、販売を行っています。
[生活関連事業]
家庭紙、雑種紙、紙加工品、段ボール、化成品等の製造販売を行っています。
・家庭紙は、日本製紙クレシア㈱他が製造販売を行っています。
・紙加工品では、当社他が紙容器等の製造販売を行っています。Opal社が豪州市場を中心に紙器の製造販売を行っています。日本ダイナウェーブパッケージング社が北米市場を中心に液体用紙容器原紙の製造販売を行っています。リンテック㈱が粘着関連製品の製造販売を行っています。
・段ボールは、Opal社及び日本トーカンパッケージ㈱が製造販売を行っています。
・化成品は当社が製造し、㈱フローリック、日本紙通商㈱他が販売しています。
[エネルギー事業]
当社が発電設備の運転・管理、日本製紙石巻エネルギーセンター㈱、勇払エネルギーセンター合同会社他が電力の卸供給販売を行っています。
[木材・建材・土木建設関連事業]
日本製紙木材㈱他が木材の仕入販売、日本製紙木材㈱が建材の仕入販売、エヌ・アンド・イー㈱他が建材の製造販売を行っています。また、日本製紙ユニテック㈱他が土木建設事業を行っています。
[その他]
日本製紙物流㈱他が物流事業、日本製紙総合開発㈱他がレジャーその他の事業を行っています。
事業系統図
2026年3月31日付の事業系統図は、次のとおりです。

4 【関係会社の状況】
(注)1.主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しています。
2.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数です。
3.役員の兼任等には出向者及び転籍者を含んでいます。
4.特定子会社です。
5.有価証券報告書の提出会社です。
6.日本東海インダストリアルペーパーサプライ㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えています。
7.日本紙通商㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えています。
8.日本製紙クレシア㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えています。
9.Оpal社については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えています。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであり、達成を保証するものではありません。
(1) 会社の経営の基本方針
2026年5月、当社グループは、2026年度から2030年度までの経営計画として「中期経営計画2030」(中計2030)を策定しました。中期経営計画2025の成果・課題や、株主・投資家の皆さまからの様々なご意見などを勘案し、中計2030では、B/S(バランスシート)の最適化・構造改革の断行・収益性の向上の3点を基本戦略としました。有利子負債の削減、不採算事業の抜本的改革、森林・木材関連事業の拡大、生活関連事業の収益力強化などの重点課題に取り組み、資本効率の向上と持続的な成長を目指します。
(2) 目標とする経営指標
<中期経営計画2030 財務目標>
・ROIC 4%以上
・ROE 8%以上
・ネットD/Eレシオ(自己資本ベース) 1.0倍以下
・木材・建材・土木建設関連事業および生活関連事業の売上高比率 55.0%
・営業利益 600億円以上
・売上高営業利益率 5%以上
・EBITDA 1,400億円以上
(3) 会社の対処すべき課題
①中期経営計画2025(2021年度~2025年度)の振り返り
当社は、2021年度に「中期経営計画2025」を策定し、新型コロナウイルスによる需要低迷や、ロシアのウクライナ侵攻に伴う原燃料価格高騰、円安など経営環境が激変する中、「事業構造転換の加速」をテーマに掲げ、各種施策に取り組みました。
国内事業は、コスト削減と価格改定により、原燃料価格高騰などのコストアップを吸収し、2023年度以降の営業利益は概ね計画を達成しました。一方で、海外事業、特に豪州Opal社の収益低迷が続き、グループ全体の営業利益などの業績目標は未達となりました。
主な取り組みと課題
紙事業から成長事業である生活関連事業へ経営資源のシフトを進めた結果、売上高に占める生活関連事業の比率は、2020年度の32%から、2025年度には40%となり、事業構造転換が着実に進みました。
国内事業では、需要減少が続くグラフィック用紙の生産能力を約30%削減し、稼働率90%を維持することで、紙・板紙事業の競争力強化に努めました。原燃料費や固定費の上昇に対しては、グループを挙げてコスト削減を進めるとともに、各事業において複数回にわたる価格改定を行い、2023年度以降は目標とした収益水準を概ね維持しました。
一方、海外事業は業績が低迷しました。特に豪州Opal社は、ビクトリア州有林からの原木供給停止を受け、2023年にグラフィック用紙事業からの撤退を余儀なくされるなど厳しい事業環境が続きました。生産体制の最適化と固定費削減、パッケージング加工事業の生産性向上など収益改善を進めたものの赤字が継続しており、引き続き立て直しに全力を挙げています。
財務面では、資本効率向上のため資産売却と有利子負債削減に取り組みました。東京都北区の土地などの資産売却を進め、政策保有株式については原則として全廃する方針を2025年に公表し、計画を上回るペースで縮減しました。これらの結果、株主資本ベースでのネットD/Eレシオ1.7倍台、純有利子負債7,100億円以下など、2023年に設定した財務目標を達成しましたが、いずれもさらなる改善が必要です。営業利益率の低迷と構造改革に伴う特別損失の発生により、ROEも低水準にとどまりました。
温室効果ガス(GHG)排出量については、2025年度に、2013年度比43%(暫定値)の削減を達成し、2030年度目標の同54%削減に向けて順調に進捗しています。
以上のとおり、事業構造転換、既存事業の基盤強化、GHG排出量の削減については一定の成果を得たものの、グラフィック用紙の需要減少への対応、海外事業の収益力強化、資本効率の改善が引き続き課題と認識しています。
②中期経営計画2030(2026年度~2030年度)の取り組み
本年5月、中期経営計画2030を発表しました。主な課題は資本効率の向上と収益力の強化であり、基本戦略として「B/S(バランスシート)の最適化」「構造改革の断行」「収益性の向上」を掲げました。財務目標としてROIC4%以上、ROE8%以上、ネットD/Eレシオ1.0倍以下、営業利益600億円以上を設定し、資本市場との積極的な対話と情報開示に努め、資本コストや株価を意識した経営を実践していきます。
(イ)重点課題
a. B/S(バランスシート)の最適化
財務基盤の健全化・効率化のため、政策保有株式の売却など資産のスリム化と有利子負債の削減を優先的に進め、2026年3月末において自己資本ベースで1.20倍となっているネットD/Eレシオを同1.0倍以下まで引き下げます。
b. 構造改革の断行
基盤事業を強靭化し競争優位性を確立するとともに、低収益事業の整理を進めます。
国内グラフィック用紙事業は、需要減少に対応し、早期に石巻・岩沼・岩国への生産拠点集約の検討を進め、競争力の向上と稼働率90%以上の維持を図り、利益率を向上させます。
豪州Opal社は、段ボール一貫事業への経営資源集中、一段の生産体制の最適化と固定費削減、低収益事業の検証、組織・人員体制の見直しなど抜本的改革を行い、成長軌道への回復を加速させます。
c. 収益性の向上
利益率・資本効率の高い森林・木材関連事業、生活関連事業を注力事業と位置付け、収益力を強化し拡大します。合わせて、パッケージング事業の川下戦略、新規バイオマス素材事業の早期戦力化などを進め、グループ全体の収益性向上を目指します。
(ロ)個別事業の取り組み
a. 森林・木材関連事業
世界トップクラスの育種・増殖技術、国内外の木質資源サプライチェーン、自社森林資源などを活用し、森林・木材関連事業の拡大と社会課題解決への貢献を同時に目指すグリーン戦略を展開します。具体的には、国産材・海外材流通事業の拡大、育種・増殖技術を活用した海外植林事業・エリートツリー苗木事業の拡大、カーボン市場・自然資本市場における森林資源の価値化などに取り組みます。
b. パッケージング用紙事業
グループ内外の加工会社との連携・協業による川下戦略を進め、原紙・加工の垂直事業モデルによるシナジー発現を目指します。段ボール原紙においては、2026年4月に当社グループ、段ボール業界大手トーモク、特種東海製紙の間で協業検討に関する覚書を締結し、取り組みを加速させています。
c. パッケージング加工事業(紙パック事業)
国内では、グループ製造原紙を活用した高付加価値・差別化パッケージの開発と、充填機メーカーの四国化工機との協業による原紙から加工・充填機にわたる一貫サービスの提供により市場シェアの拡大を目指します。海外では、Elopak社などパートナー企業と連携し、環太平洋地域を中心に事業拡大を図ります。
d. 家庭紙・ヘルスケア事業
高齢化など社会構造の変化に対応した高付加価値製品の開発・拡販を進めます。家庭用品は石巻・八代の新型抄紙機のフル活用により、また、需要が増加するヘルスケア製品は生産能力の増強により、それぞれ差別化製品の販売拡大を図ります。ビジネスパートナーと連携し、アジア・オセアニア、北米などへの輸出を拡大するとともに、e-コマース・D2C(Direct to Consumer)など新たなチャネルでの販売も強化します。
e. ケミカル事業
自動車用塗料などに使用される機能性コーティング樹脂は海外市場での拡販を進め、機能性フィルムは有機ELディスプレイ向けの採用拡大を図るなど、ともに成長市場での一段の収益拡大を目指します。また、ケミカル事業の中核生産拠点である江津工場の生産基盤強化・競争力改善を進め、主力製品である溶解パルプ、機能性セルロース、リグニンなど、バイオマス素材の販売拡大と収益力強化を図ります。
f. 新規バイオマス素材事業
バイオマスの高付加価値化技術を活用し、脱炭素社会・循環型社会で求められる新規バイオマス製品の開発と早期戦力化を図ります。既に開発が進んでいるセルロースナノファイバーやバイオエタノールなどの本格的な社会実装を急ぐとともに、農林水産・食、ライフスタイル、社会インフラ・環境、先端機能材料など、今後当社が注力する活動領域で、オープンイノベーションも積極的に活用しながら、「低GHG」「リサイクル性」などの付加価値を付与した新規バイオマス素材を幅広く社会に提供していきます。
(ハ)非財務戦略
a. 人的資本戦略
社員一人ひとりが持つ「高度な操業技術・木質資源に関する専門性」「誠実さ」「連携力」といった強みを基盤に、社員の成長をグループの成長につなげる人材マネジメントを推進していきます。これを通じて、多様な人材の確保、スキル・知識・技術の向上、エンゲージメント向上を図り、目指す企業像である「社員が誇りを持って明るく仕事に取り組む」ことを追求することで、グループの持続的な成長を実現していきます。
b. 自然資本戦略
事業活動が環境に与える影響を最小にする「ミニマム・インパクト」の実現を目指し、カーボンニュートラル(脱炭素の推進)、サーキュラーエコノミー(資源循環の拡大)、ネイチャーポジティブ(生物多様性の保全・回復)に取り組みます。
GHG排出量削減については、2030年度目標の2013年度比54%削減に向けて2025年度までに43%(暫定値)の削減を達成し順調に進捗していることから、今回新たな目標として「2035年度60%削減、2040年度65%削減」を設定しました。2050年カーボンニュートラルに向けて取り組みを強化していきます。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1) 全般情報
当社グループは、財務報告書の主要な利用者が、中長期的な企業価値を評価するうえで有用な情報を提供することを目的として、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する情報を開示しています。但し、将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが入手可能な情報に基づき判断したものであり、将来の実績、施策の実現又は目標の達成を保証するものではありません。
(2) 当社グループのサステナビリティ経営
当社グループは、2004年に「国連グローバル・コンパクト」に署名・参加し、「人権・労働・環境・腐敗防止」の4分野に関わる10原則に基づき、企業グループ理念「日本製紙グループは世界の人々の豊かな暮らしと文化の発展に貢献します」と、これを実現するための行動指針としてVision(目指す企業像)を掲げています。2021年には、Vision(目指す企業像)の4要件を満たすためのマテリアリティを定め、「木とともに未来を拓く総合バイオマス企業」として、森林資源の力を引き出し、企業価値向上と持続可能な社会の構築をともに追求するサステナビリティ経営を推進しています。

(3) ガバナンス
当社グループは、サステナビリティ関連のリスク及び機会を経営戦略及び全社的なリスク管理と一体で捉えています。ガバナンスの概略は、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
① ガバナンス機関又は個人
(イ) 監督に責任を負うガバナンス機関の名称又は個人の役職名
当社グループでは、取締役会が、サステナビリティ経営の監督に責任を負っています。取締役会は、経営の公正性及び透明性の確保のもと、サステナビリティに関する基本方針、重要な目標、重要な投資、資本配分、リスク・機会の管理の方向性その他の重要事項について報告を受け、審議することにより、業務執行側の取組状況を監督しています。
(ロ) 役割、権限及び義務等並びに関連方針への反映
当社グループは、取締役会の監督のもと、代表取締役社長をサステナビリティ関連事項に関する業務執行上の最終責任者としています。代表取締役社長は、経営執行会議及びグループ経営戦略会議を通じて、サステナビリティ関連のリスク及び機会を、事業戦略、投資判断、構造改革、原燃料調達、研究開発、人材戦略その他の重要な経営課題と統合して審議し、業務執行部門及びグループ各社を所管する部門と協議、必要な指示を行っています。
また、代表取締役社長の下にSX推進本部を設置し、サステナビリティに関する全社横断的な企画、統括及び推進を担わせています。SX推進本部は、ESG関連情報の集約、サステナビリティ関連のリスク及び機会の整理、主要KPIの進捗管理、情報開示対応の統括並びにステークホルダーとの対話の推進等を所管しています。
リスク管理については、「3 事業等のリスク」に記載のとおり、全社的なリスク統括機能として代表取締役社長を委員長とするリスクマネジメント委員会を設置し、サステナビリティ関連リスクを含む重要リスクの識別、評価、優先順位付け、対応方針の検討及びモニタリングを行っています。同委員会の下には、専門委員会として製品リスク委員会、原材料委員会、環境委員会、安全防災委員会を配置し、各分野におけるリスク評価、管理状況のモニタリング及び重大事案の上申を行っています。
サステナビリティ関連の機会については、SX推進本部並びに業務部門が連携し、環境配慮製品、脱炭素、資源循環、自然資本、木質資源の多面的活用、サプライチェーン強靭化等に関する事業機会を整理し、経営執行会議、グループ経営戦略会議及び取締役会に報告しています。
リスクや機会の管理の状況、各課題についての検討結果は、取締役会に報告され、業務執行側に対する監督のもと継続的な改善が行われています。
サステナビリティ経営の実行体制

(ハ) 取締役会のサステナビリティスキル
取締役会の構成においては、各担当業務における業績とマネジメント能力に秀でた社内取締役と専門的な知識や経験を有する社外取締役で構成することにより、取締役会全体として知識、経験、能力のバランス及び多様性を確保するとともに、企業グループ理念、2030ビジョン、マテリアリティを踏まえて、取締役会が備えるべきスキルを特定し、スキル・マトリックスとして可視化しています。
当社グループは、サステナビリティ関連の規制、気候変動、自然資本、資源循環、人的資本、サプライチェーン管理等を含むサステナビリティに関連する経営環境の変化に対応するため、社内外の研修、有識者との対話、外部専門家からの助言、投資家との対話等を通じて、スキルの継続的な向上を図っています。
取締役のスキル・マトリックス
(ニ) 情報の入手方法・頻度
SX推進本部、リスクマネジメント委員会、各専門委員会及び業務部門は、サステナビリティ関連のリスク及び機会、主要KPIの進捗、重要な制度変更、外部評価、重大事案、ステークホルダーからの要請、その他の重要情報等を収集し、代表取締役社長、経営執行会議、グループ経営戦略会議及び取締役会に報告しています。
取締役会への報告は、四半期毎の定期報告に加え、重大なリスク、重要な投資、重要な規制対応、重大な事故・不祥事等については適時に報告しています。2025年度は、13回開催された取締役会のうち、気候変動関連、人権リスク等のサステナビリティに関する報告を5回実施しました。
(ホ) 戦略等の意思決定・リスク管理の監督における考慮
取締役会は、中期経営計画、事業ポートフォリオ、重要な投資、新規事業、設備更新、原燃料調達、供給体制など、その他の主要な経営判断にあたり、サステナビリティに関連する事項を考慮しています。具体的には、2030ビジョン及びマテリアリティとの整合性、規制対応、環境負荷低減、自然資本への依存及びインパクト、人的資本の強化等が考慮事項に該当します。
重大な不確実性を伴う事項については、必要に応じてシナリオ分析、感応度分析、代替案の比較、リスク低減策の検討等を活用し、前提条件、制約及びトレードオフを踏まえて判断しています。取締役会は、リスクへの対応又は機会の収益化に向けた方針が不十分であると判断した場合には、主管部門に対し、追加的な分析、対応策の見直し、実行計画の再検討又は再審議を求めています。
(ヘ) 目標設定の監督と進捗モニタリング(報酬との関係を含む)
取締役会は、サステナビリティ関連の目標及び主要KPIの設定並びにその進捗状況について、代表取締役社長、経営執行会議、グループ経営戦略会議、リスクマネジメント委員会並びにSX推進本部から報告・上申を受け、監督しています。サステナビリティ経営において対象となる主な目標及びKPIには、気候変動、資源循環、生物多様性、環境負荷、人的資本、労働安全衛生、製品安全その他の重要課題に関するものが含まれます。
モニタリングの結果、進捗の遅れ、前提条件の変化、新たな重要課題又はリスクの顕在化が認められた場合には、取締役会は、代表取締役社長、各会議体及びSX推進本部に要因分析、対策の策定、資源配分、投資方針、実施時期、KPI又は目標水準の見直し等について必要な検討を指示しています。
当社グループにおける社内取締役の報酬制度は、固定報酬、業績連動報酬及び株式報酬で構成されています。社内取締役がより中長期的な視点でサステナビリティ経営を推進するよう、非財務指標として2030ビジョンにおける温室効果ガス排出量削減目標の達成度及び従業員エンゲージメントに関する目標の達成度を組み入れています。
社内取締役の報酬制度
② 経営者の役割
(イ) 経営者等又は委員会その他の機関への役割の委任
当社グループでは、サステナビリティ関連のリスク及び機会をモニタリングし、管理し、監督するための業務執行上の役割を、代表取締役社長、SX推進本部、経営執行会議、グループ経営戦略会議、リスクマネジメント委員会及び各専門委員会に委任しています。
代表取締役社長は、サステナビリティ関連事項に関する業務執行上の最終責任者として、SX推進本部、経営執行会議、グループ経営戦略会議及びリスクマネジメント委員会等から報告を受け、重要事項について審議し、必要に応じて追加の分析、対応方針の見直し、個別案件の付議又は取締役会への報告を指示しています。
SX推進本部は、サステナビリティに関する取組の企画、統括及び推進を担い、サステナビリティ関連のリスク及び機会の整理、主要KPIの進捗管理、関係する業務部門との調整、情報開示対応、ステークホルダーとの対話等を行っています。
リスクマネジメント委員会は、全社的なリスク管理プロセスの中で、サステナビリティ関連リスクを含む重要リスクの識別、評価、優先順位付け及び対応方針の検討を行っています。各専門委員会は、製品安全、原材料、環境、安全防災その他の専門領域におけるリスクの兆候の把握、対応状況のモニタリング及び重大事案の報告・上申を担っています。
(4) 戦略
① 戦略の概要と意義
当社グループは、企業価値向上と持続可能な社会の構築をともに追求するサステナビリティ経営の基本として、ネイチャーポジティブ、カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーの3つを挙げています。
これに基づき、当社グループは、再生可能な森林資源を事業基盤とし、「持続可能な森林資源の循環」「製品とエネルギーの循環」「積極的なリサイクル」の3つの循環を基本とする循環型事業を拡大しています。
紙・板紙の製造・販売に加え、森林、木材事業の拡大・強化、家庭紙、ケミカル製品など生活関連事業の高収益化、新たなバイオマス素材事業の拡大、リサイクル技術の高度化を進めることで、森林資源の力を引き出し、企業価値向上と持続可能な社会の構築をともに追求していきます。
当社グループは、戦略に影響が生じると合理的に見込み得る時間軸を、短期、中期、長期に区分しています。これらの時間軸は、当社グループの中期経営計画並びに2030ビジョンでの意思決定に用いる計画期間と整合しています。
企業価値向上と持続可能な社会の構築を追求する循環型事業モデル「3つの循環」

② 目指す姿とマテリアリティ
2004年に「国連グローバル・コンパクト」に署名・参加以来、当社グループは「人権・労働・環境・腐敗防止」の4分野に関わる10原則に基づき、企業グループ理念「日本製紙グループは世界の人々の豊かな暮らしと文化の発展に貢献します」の実現に向けてサステナビリティ経営を推進しています。
当社グループは、この理念を経営戦略へと具現化するため、2021年には、10年後の目指す姿を定義した「2030ビジョン」を策定し、その実現に向けたマテリアリティ(重要課題)を特定しています。特定したマテリアリティに2030ビジョンの基本方針及び具体的なKPI・目標を紐づけることで、マテリアリティへの取り組みを日常の事業運営と一致させています。
目指す企業像・マテリアリティ・2030ビジョンの関係
③ サステナビリティ関連のリスク及び機会の識別
(イ) 全社横断的なリスク調査による識別
サステナビリティ関連のリスクの識別については、当社グループ全体のリスク管理プロセスに統合されています。「3 事業等のリスク」をご参照ください。一方、機会の識別については、事業戦略、投資判断、商品・技術開発、研究開発、調達、生産、物流、販売及び情報開示の各プロセスと連携しています。これにより、サステナビリティ関連のリスク及び機会は、個別の環境・社会施策としてではなく、当社グループの中長期的な企業価値向上に関わる経営の管理事項として扱われています。
(ロ) 事業部門ごとの識別
各事業部門では、全社横断的に識別したリスク及び機会を、各事業の市場構造、競争環境、顧客ニーズ、原材料調達、物流、技術・商品開発の状況に照らして具体化しています。事業部門ごとの検討では、リスクを回避するだけでなく、需要構造の変化や環境配慮ニーズを収益機会として取り込む観点から、設備投資、研究開発、調達戦略、販売戦略への反映を進めています。
事業部門別のリスク及び機会(2025年3月末時点の評価)
④ サステナビリティ関連のリスク及び機会が集中している部分
当社グループでは、識別したリスク及び機会をバリューチェーン上の段階ごとに次のとおり整理しています。
バリューチェーンにおけるサステナビリティ関連リスク及び機会
⑤ サステナビリティ関連のリスク及び機会が現在与えている影響
「3 事業等のリスク」をご参照ください。
⑥ サステナビリティ関連のリスク及び機会が将来与えると予想される影響
「3 事業等のリスク」をご参照ください。
⑦ レジリエンス
当社グループの戦略は、現時点で一定のレジリエンスを有していると評価しています。各事業リスクに対するレジリエンスは、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
(5) リスク管理
当社グループは、リスクを物理的、経済的又は信用上の損失若しくは不利益を生じさせる可能性として捉え、「人命・安全を最優先すること」及び「事業を継続すること」を基本方針としてリスクを管理しています。サステナビリティ関連のリスク及び機会についても、当社グループの見通しに影響を与える可能性のある重要な経営課題として捉え、全社的なリスク管理、事業戦略、投資判断、研究開発、商品開発及び情報開示の各プロセスと連携して、識別、評価、優先順位付け及びモニタリングを行っています。
① サステナビリティ関連のリスクの識別等及びモニタリングを行うためのプロセス及び関連する方針
(イ) 基本方針及び対象範囲
当社グループでは、サステナビリティ関連のリスクを、全社的なリスク管理の枠組みの中で識別し、評価し、モニタリングしています。サステナビリティ関連のリスクについては、当社及び連結子会社を含む当社グループ全体を対象としています。
(ロ) リスクを識別するために用いるインプット及び識別プロセス
「3 事業等のリスク」をご参照ください。識別に用いる主なインプットは、各事業部門及びグループ各社からのリスク情報、各専門委員会の検討結果、事故・トラブル・ヒヤリハット情報、内部監査及び内部統制に関する情報、政策・規制動向、市場環境、顧客ニーズ、地政学情勢、供給制約、原燃料価格、為替、物流環境、技術動向、外部評価、ステークホルダーからの要請等です。
(ハ) 評価及び優先順位付けのプロセス
「3 事業等のリスク」をご参照ください。
(ニ) モニタリング及び対応策の見直し
「3 事業等のリスク」をご参照ください。
(ホ) プロセスの変更
当報告期間において、サステナビリティ関連リスクを識別し、評価し、優先順位付けし、モニタリングするために用いるプロセスについて、前報告期間から重要な変更はありません。
② サステナビリティ関連の機会の識別等及びモニタリングを行うためのプロセス
当社グループは、サステナビリティ関連の機会について、事業戦略の策定、商品・技術開発、営業活動、調達戦略、研究開発、設備投資及び資源配分に関する検討を通じて、識別、評価、優先順位付け及びモニタリングを行っています。
③ 上記プロセスと全体的なリスク管理プロセスとの関連性等
(イ) 全体的なリスク管理プロセスへの統合
当社グループにおけるサステナビリティ関連のリスク及び機会の管理プロセスは、全体的なリスク管理、事業戦略、投資判断、商品・技術開発、研究開発、調達、生産、物流、販売及び情報開示の各プロセスと連携しています。これにより、サステナビリティ関連のリスク及び機会は、個別の環境・社会施策としてではなく、企業価値向上に関わる経営管理事項として扱われています。
(ロ) 推進体制
サステナビリティ関連リスクについては、全社的なリスク管理の枠組みの中で対応を推進しています。「3 事業等のリスク」をご参照ください。
サステナビリティ関連の機会については、事業部門、研究開発部門、営業部門、調達部門及びSX推進本部が連携し、管理しています。重要な機会については、経営執行会議、グループ経営戦略会議又は取締役会において審議し、成長投資及び事業ポートフォリオの見直しに反映しています。
(6) 指標と目標
① 社内における管理
当社グループは、サステナビリティ経営の推進を目的として、サステナビリティ関連のリスク及び機会を管理するための指標及び達成するべき目標を設定しています。
これらの指標及び目標は、2030ビジョン、マテリアリティ及び中期経営計画2025への対応、達成状況をモニタリングするために用いており、取締役会による監督、各会議体による進捗管理、事業戦略への反映及び一部の業績連動報酬の評価にも活用しています。なお、当連結会計年度に係る指標及び目標の実績値については、グループ各社からのデータ収集、算定及び内部確認を経て、統合報告書及びESGデータブックにおいて開示する予定です。
サステナビリティ関連の指標・目標及び2024年度実績
② 社外からの評価
当社グループは、サステナビリティ経営推進の指標として、社外の評価結果も取り入れています。
サステナビリティ関連の社外評価結果(2026年6月15日時点)
(注)1.SDGs経営編
2.ブロンズ:評価企業中、上位35%の企業(https://recognition.ecovadis.com/-UUWlHKITkW9VzLyYeYDLg)
(7) 気候変動問題への対応
① ガバナンス
当社グループにおける気候関連のリスク及び機会をモニタリングし、管理し、監督するためのガバナンス体制は、「(3)ガバナンス」をご参照ください。本項では、気候変動対応に固有の体制、役割及び監督プロセスを補足します。
(イ) ガバナンス機関又は個人
当社グループでは、取締役会が、気候関連のリスク及び機会の監督に責任を負っています。取締役会は、2030ビジョンの基本方針の下、温室効果ガス(GHG)排出量削減目標、非化石エネルギー比率の目標等の達成に向けたリスク管理の状況について報告を受け、審議することにより、業務執行側の取組状況を監督しています。
当社グループは、気候関連の業務執行を推進するため、代表取締役社長の下に、GHG排出削減担当役員及び環境経営推進担当役員を配置しています。これらの担当役員は、関連政策・規制への対応、GHG削減施策の実施、GHG排出量および削減目標の進捗管理、環境経営の推進に関する業務執行上の責任を担い、各事業・工場・関係部門における取組の進捗及び課題を集約し、各会議体及び取締役会に報告しています。
取締役会は、GHG排出削減担当役員及び環境経営推進担当役員から、関連政策・規制への対応、GHG削減施策の実施状況、GHG排出量及び削減目標の進捗、非化石エネルギー比率の状況、気候関連のリスク及び機会の評価結果、並びに必要な対応方針について、年4回以上報告を受け、業務執行の状況を監督しています。
(ロ)気候関連の目標及び指標の進捗管理、並びに報酬との関係
「(3)ガバナンス (ヘ)目標設定の監督と進捗モニタリング」をご参照ください。
(ハ)経営者の役割
代表取締役社長は、気候関連リスク及び機会の管理を統括しています。
環境経営推進担当役員は、GHG排出量実績の算定・管理、気候関連のリスク及び機会の識別、シナリオ分析、移行計画及び関連する指標・目標の整理、気候関連情報開示への対応を所管しています。
GHG排出削減担当役員は、燃料転換、省エネルギー、再生可能エネルギー導入等のGHG排出削減施策の実行を所管し、各事業・工場における進捗、課題及び追加対応を所管しています。
② 戦略
(イ) 概要
当社グループは、気候変動問題への対応を経営の重要課題の一つと位置付けています。2023年5月には、2030年度におけるGHG排出量削減目標(エネルギー事業分野を除く製品製造に関わるScope1及びScope2)を、2013年度比45%から54%削減に引き上げました。また、2050年度カーボンニュートラルを宣言し、省エネルギー、燃料転換、非化石エネルギーの利用拡大、森林によるCO₂吸収・固定、並びに木質資源を活用し、かつ低炭素な製品を提供する事業の拡大に取り組んでいます。
当社グループのGHG排出量削減は、「燃料転換」「生産・物流工程での省エネルギー」「生産効率の向上」「自社林の適切な管理によるCO₂吸収・固定」を柱としています。具体的には、黒液(紙の原料となるパルプ製造時に副生)、建築廃材、未利用材などのバイオマス燃料及びRPF等の廃棄物由来燃料の活用、省エネルギー設備の導入、モーダルシフトを含む物流効率化、国内森林の管理による森林吸収J-クレジットの創出等を進めています。これらの主要な背景には、炭素価格の上昇、非化石燃料及び再生可能エネルギーの調達可能性、持続可能な木質バイオマスの確保、生産設備更新の実行可能性、将来技術の利用可能性、並びに政策・制度の継続性があり、これらへの対応として前述の取組を進めています。
一方で、リスクとなり得るこれらの背景を投資の増大や費用の増加としてのみ捉えるのではなく、社会が脱化石燃料に移行する、バイオマス素材やリサイクル素材の利用が推進される環境配慮型製品市場が拡大するなどの動きを機会と捉え、森林資源を起点とした循環型事業の拡大を進めています。
気候変動対応に関する移行計画の概要
移行計画における主要施策と時間軸

(ロ) 企業の見通しに影響を与えると合理的に見込み得る気候関連のリスク及び機会の識別
当社グループは、ESG課題に関する意識の高まりを背景とした社会像を描き、1.5℃シナリオ及び4℃シナリオを用いて、2030年及び2050年時点での気候変動リスク・機会が財務計画に与える影響について、定性・定量評価を実施しています。
<リスク>
1.5℃シナリオでは、炭素賦課金、排出量取引制度、石炭火力発電の使用禁止などの政策導入が想定され、炭素価格、エネルギー調達コスト、燃料転換・省エネ設備投資費用、原材料調達コストの増加が財務に影響を与えます。これに対し当社グループは、省エネルギーの継続・強化、バイオマス・廃棄物燃料等への転換、生産体制再編成による生産効率の向上、国産材の活用等により財務影響の低減を図ります。なお、2026年3月末時点での評価では、炭素価格、エネルギー調達コストの増加が与える影響については「中」となる見込みです。
4℃シナリオでは、政策導入が限定的である一方、気温上昇、降水パターンの変化、台風・豪雨等の激甚災害の増加、森林火災、原材料供給不安、物流寸断等の物理的要因が主要なリスクとなります。当社グループは、国内に生産拠点が分散していること、複数の木質資源調達国及び調達先を有していること、国産材や古紙を活用できる事業基盤を有していること等を踏まえ、供給継続性の維持・強化に取り組んでいます。
<機会>
両シナリオを通じて、バイオマス燃料の需要増、環境配慮型製品市場の拡大、新たなバイオマス素材の上市、森林吸収クレジットの創出、国産材・古紙、木質由来CO₂の利活用、気候変動対応製品・災害対応製品の需要増等を主要な機会として認識しています。
2030年度時点の主要な気候関連リスク(2025年3月末時点の評価)
影響額 大:500億円以上、中:100億円以上500億円未満、小:100億円未満
2030年度時点の主要な気候関連の機会(2025年3月末時点の評価)
(ハ) 気候関連のリスク及び機会が集中している部分
当社グループでは、気候関連のリスク及び機会をバリューチェーン上の段階ごとに次のとおり整理しています。
バリューチェーンにおける気候関連リスク及び機会
(ニ) 気候関連のリスク及び機会が現在与えている影響
当報告期間においては、原燃料価格の上昇、物流費の上昇等が、当社グループの操業及び収益に影響を及ぼしています。
これに対し、当社グループは、省エネルギー対策の継続・強化、黒液を含むバイオマス燃料及び廃棄物燃料等への転換の加速、生産体制再編成による生産効率の向上に取り組んでいます。当社グループのGHG削減目標は、2030年まで、2013年度比で54%削減であり、2024年度は41%、2025年度は暫定値で43%まで削減が進んでいます。物流面では、鉄道や船舶を活用したモーダルシフト、共同輸送等により、物流工程におけるGHG排出量削減と供給体制の効率化に取り組んでいます。さらに、国内外の森林管理を通じて、自社林の適切な管理によるCO₂吸収・固定の取組を進めています。
一方、GHG排出削減の取組を通じて、製造時のGHG排出量が少ない低炭素なバイオマス素材・製品の販売拡大を進め、気候関連の機会を確実に獲得しています。
(ホ) 気候関連のリスク及び機会が将来与えると予想される影響
将来において、1.5℃シナリオでは、炭素価格及びエネルギー調達コストの増加、燃料転換・省エネ設備投資費用の増加、原材料調達コストの増加、認証材チップの調達コスト増加等が財務に影響を与える可能性があります。一方、バイオマス燃料を含む再生可能エネルギー、RPF・廃タイヤ等の廃棄物燃料、CNF・CMC等の新素材、森林吸収クレジット、国産材・古紙、木質由来CO₂の利活用、持続可能な航空燃料、環境配慮型製品等の需要拡大は、事業拡大の機会になると見込んでいます。
4℃シナリオでは、激甚災害の増加、気温上昇・降水パターンの変化、森林火災、原材料供給不安、取水する河川等の濁度上昇、品質維持の困難化及び物流寸断等が、調達、生産、物流及び供給継続性に影響を及ぼす可能性があります。一方、防災・災害対応製品、長期保存可能なアセプティック紙パック等の需要拡大は、事業機会になると見込んでいます。
(ヘ) 気候レジリエンス
当社グループは、2024年に実施した気候関連シナリオ分析を基礎として、2030年及び2050年の時間軸で気候レジリエンスを1.5℃シナリオ及び4℃シナリオを用いて評価しています。当該評価において考慮した重大な不確実性の領域は、炭素価格の水準、非化石燃料及び再生可能エネルギーの調達可能性、木質バイオマスの安定確保、将来技術の実装可能性、激甚災害の発生頻度・規模、水資源への影響、物流網への影響、並びに環境配慮型製品及び新素材の市場成長速度です。
1.5℃シナリオでは、炭素価格及びエネルギー調達コストの増加、燃料転換・省エネ設備投資費用の増加、原材料調達コストの増加等の移行要因が主要なリスクとなりますが、これらの影響を踏まえ、省エネルギーの継続・強化、非化石燃料への転換、国産材の活用、サプライヤーとの協働、生産効率の向上、BCP強化、持続可能な森林経営及び育種・増殖技術の活用により、移行リスク及び物理的リスクへの対応力を高めます。
当社グループは、移行リスクへの対応とGHG排出量削減の実効性を高めるため、省エネルギー設備の導入・更新やバイオマス燃料及び廃棄物燃料への転換を進めています。具体的には、日本製紙株式会社石巻工場において、高効率黒液回収ボイラー及び蒸気タービン・発電機を導入する設備投資を決定しており、既存の石炭ボイラーの停機を含め、約50万t-CO₂(製造に関わるGHG排出量)の削減を図る計画です。新設するボイラーは2028年度第4四半期より稼働を予定しています。
当社グループは移行リスクを認識していますが、バイオマス燃料や廃棄物燃料の需要増加、CNF・CMC等の新しいバイオマス素材や森林吸収クレジットの拡大、国産材・古紙、木質由来CO₂の利活用、環境配慮型製品等の機会が拡大すると捉えており、前述のリスク低減対策とともに実行することで、財務影響を抑制する能力を有していると評価しています。
4℃シナリオでは、激甚災害、原材料供給不安、物流寸断、森林火災、気温上昇・降水パターンの変化、取水水質の悪化等の物理的要因が主要なリスクとなる一方、防災・災害対応製品、長期保存可能なアセプティック紙パック、柔軟なBCP体制が確立したサプライヤーからの購入ニーズ等の需要拡大が機会になると評価しています。当社グループは、調達先の多様化、BCP強化等により事業継続への影響を低減し、一定のレジリエンスを有していると評価しています。
③ リスク及び機会の管理
当社グループにおける気候関連のリスク及び機会の管理プロセスは、代表取締役社長を委員長とするリスクマネジメント委員会を中核とした全社的なリスク管理プロセスの中に統合されています。全社的なリスク管理体制及び基本的なプロセスについては、「(5)リスク管理」をご参照ください。
本項では、気候関連のリスク及び機会に固有の識別、評価、モニタリングのプロセスについて補足します。なお、当報告期間において、気候関連のリスク及び機会を識別し、評価し、優先順位付けし、モニタリングするために用いるプロセスについて、前報告期間から重要な変更はありません。
(イ) 気候関連のリスクを識別し、評価し、モニタリングするためのプロセス
当社グループは、気候関連のリスクを、全社的なリスクマネジメント体制の中で識別し、評価し、モニタリングしています。具体的には、リスクマネジメント委員会のもとに設置した日本製紙グループ環境委員会において、気候変動に関連する政策・規制動向、炭素価格、エネルギー需給、燃料価格、原材料調達、自然災害、物流、顧客ニーズ及び市場動向等に関する情報を収集・分析し、気候関連リスクの抽出及び対応策の検討を行っています。
気候関連リスクの評価にあたっては、影響の性質、発生可能性、影響規模、発生時期、影響が及ぶ範囲、対応状況及び管理可能性を踏まえています。特に、炭素価格及びエネルギー調達コストの増加、燃料転換・省エネ設備投資費用の増加、原材料調達コストの増加、激甚災害の増加、取水水質の悪化、物流寸断等については、財務影響、操業継続、供給責任及び中長期的な競争力への影響を踏まえて評価しています。評価結果は、日本製紙グループ環境委員会及びSX推進本部での検討を経て、リスクマネジメント委員会並びに取締役会に報告しています。
(ロ) 気候関連の機会を識別し、評価し、モニタリングするためのプロセス
気候関連の機会については、日本製紙グループ環境委員会及びSX推進本部における情報収集・分析に加え、事業部門、研究開発部門、営業部門、調達部門及びSX推進本部が事業戦略、商品開発、研究開発、調達戦略及び投資計画の検討を通じて識別しています。
識別にあたっては、脱炭素、脱プラスチック、再生可能エネルギーの導入拡大、バイオマス燃料需要、環境配慮型製品の需要、CNF・CMC等の新しいバイオマス素材の需要、森林吸収クレジット市場、国産材・古紙需要、木質由来CO₂の利活用、気候変動対応製品・災害対応製品の需要等を主なインプットとしています。
識別した機会は、市場性、実現可能性、当社グループの技術・設備・原材料調達基盤との適合性、収益性、環境価値及び中長期的な企業価値向上への寄与度を踏まえて評価しています。重要な機会については、事業計画、研究開発計画、商品開発、設備投資及び資源配分に反映し、関係部門及び各会議体において進捗をモニタリングしています。
(ハ) 上記プロセスと全体的な管理プロセスとの関連性等
当社グループにおける気候関連のリスク及び機会の識別、評価、優先順位付け及びモニタリングのプロセスは、全社的なリスク管理プロセスに統合されています。
気候関連リスクについては、日本製紙グループ環境委員会及びSX推進本部が情報収集、分析、リスク抽出、リスク予測及び対応策の検討を行い、その結果をリスクマネジメント委員会に報告しています。リスクマネジメント委員会では、気候関連リスクを、自然災害、原材料調達、設備、生産、物流、法令対応、財務影響等の他の全社的リスクと関連付けて評価し、必要な対応方針を確認しています。
気候関連の機会については、日本製紙グループ環境委員会が把握した外部環境や市場変化に関する情報を、事業部門、研究開発部門、営業部門、調達部門及びSX推進本部に共有し、事業戦略、商品開発、研究開発、投資判断及び資源配分の検討に反映しています。
また、GHG排出量削減目標の達成に向けた省エネルギー対策、バイオマス燃料、廃棄物燃料への転換、物流時の排出削減、適切な森林管理によるCO₂吸収・固定、カーボンリサイクル等の取組については、気候関連リスクの低減策であると同時に、当社グループの事業機会の創出にもつながるものとして、戦略、指標及び目標、並びに設備投資・事業計画と連動して管理しています。
このように、当社グループは、気候関連のリスク及び機会を全社的なリスクマネジメント、事業戦略、投資判断、研究開発、商品開発及び情報開示の各プロセスと連携させています。
④ 指標と目標
当社グループは、気候関連のリスク及び機会に関するパフォーマンス並びに目標達成に向けた進捗をモニタリングするため、GHG排出量、GHG排出量削減率、非化石エネルギー使用比率等関連する非財務指標等を用いています。
気候関連における指標と実績
(注)1.暫定値
2.日本製紙㈱、日本製紙クレシア㈱、日本製紙パピリア㈱、Opal社、日本ダイナウェーブパッケージング社
気候関連の目標と実績
(注)1.製品製造に関わるScope1及び2排出量
2.2025年度 暫定値
3.2024年度 実績値
GHG排出量と削減目標に対する実績の推移

(8) 自然関連開示(生物多様性保全への取組)
① 戦略
(イ) 概要
当社グループは、森林、水、土地その他の自然資本を基盤として事業活動を行っており、生物多様性の保全及び自然資本の持続可能な利用を、中長期的な企業価値の維持・向上に関わる重要課題と認識しています。
当社グループは、「生物多様性に配慮した企業活動」の理念のもと、森林資源を活用し、持続可能な社会づくりに貢献するバイオマス製品を社会に提供しています。また、水資源、木質資源、土壌の健全性等の自然の恵みに依存していることを踏まえ、自然への依存及び影響を把握し、持続可能な森林経営、生物多様性に配慮した森林管理、水資源管理、木質資源の有効活用及び環境負荷低減を通じて、自然資本の維持・回復・向上と事業の持続的な発展の両立を図っています。
自然関連のリスク及び機会に関するガバナンス及びリスク管理の基本的な考え方は、前節「(3)ガバナンス」及び「(5)リスク管理」に記載のとおりです。本節では、当社グループの見通しに重要な影響を与える自然関連の戦略事項を中心に記載します。
(ロ) 企業の見通しに影響を与えると合理的に見込み得る自然関連のリスク及び機会の識別
当社グループは、TNFD最終提言v1.0を参照し、LEAPアプローチを用いて自然関連のリスク及び機会の評価に取り組んでいます。2024年度は、直接操業である紙製品の製造、並びに上流サプライチェーンである石炭、植林及びチップ生産を対象に、自然への依存及び影響を分析しました。
分析の結果、当社グループの事業活動においては、水資源及び木質資源への依存が相対的に大きいことを確認しました。これを踏まえ、水資源及び木質資源に係る自然関連のリスク及び機会について、地域特性やサプライチェーン上の影響を含めて調査を行っています。この調査を通じて、一部の海外チップサプライヤー及び海外植林会社が、自然への依存及び影響が相対的に大きい地域に所在しており、自然関連のリスク管理上重要な対象であることを確認しました。
当社グループが認識する主な自然関連リスクは、異常気象及び森林火災による木材生産性の低下、水質汚染又は水不足による木材生産性の低下、生態系劣化による樹木の生長低下、保護地域の拡大による植林可能地の制約等です。これらは、木質資源の安定確保、原材料調達コスト、植林資産の価値、操業継続性及び将来の資源確保に影響を与える可能性があります。
一方、主な機会としては、森林の多面的機能に対する経済的価値の向上、持続可能な木質資源への引き合い増加、森林の生産性向上技術によるビジネス展開、木質資源を原料とした環境配慮型製品の需要増加、森林認証制度等を活用した持続可能な原材料調達、国産木材及び由来製品への需要増加等を認識しています。
優先地域における自然関連リスクと当社グループの取組
自然関連の機会と当社グループの取組
(ハ) 自然関連のリスク及び機会が集中している部分
自然関連のリスク及び機会は、当社グループのバリューチェーンのうち、特に、上流の原材料調達、森林・植林地の管理、生産拠点における水利用及び排水、並びに下流の持続可能な製品供給に集中しています。
上流では、森林火災、異常気象、水不足、水質汚染、生態系劣化、保護地域の拡大等が、木質資源の安定確保及び調達コストに影響を及ぼす可能性があります。これに対し、当社グループは、国内外の社有林及び植林地の管理、樹齢構成の平準化、育種・増殖技術の活用、国産材流通網の強化、サプライヤーとの協働等により、原材料調達基盤の強化に取り組んでいます。
生産段階では、紙・パルプ製造が水資源に依存する事業であることから、水資源の利用可能性及び水質への影響が重要です。当社グループは、国内42拠点、海外47拠点、合計89拠点を対象に水リスク評価を実施しており、国内拠点ではHigh又はExtremely Highに該当する極端な水リスクは確認されていません。海外では一部地域に高い水リスクが見られるものの、地域特性に応じた水資源管理を進めています。
下流では、持続可能な木質資源を原料とした環境配慮型製品への需要増加や、森林認証を活用した原材料調達及びサプライチェーンマネジメントを通じた環境価値向上が、製品差別化及び顧客への価値提案につながると認識しています。
(ニ) レジリエンス及び今後の対応
当社グループは、森林、水及び木質資源を基盤とする事業構造を踏まえ、自然関連リスクに対するレジリエンスの向上を図っています。
当社グループが一定のレジリエンスを有していると評価する主な根拠は、国内外の社有林及び植林事業を含む森林資源基盤、国内最大級の国産材流通網、持続可能な森林経営及び森林認証の活用、育種・増殖技術、複数の調達先及び地域に分散したサプライチェーン、並びに水リスク評価に基づく拠点管理にあります。
今後は、優先地域以外の調達地についても順次分析を拡大するとともに、水リスク評価、森林認証、合法性確認、サプライヤーへのアンケート及び現地確認を含むDDSの高度化を進めます。また、自然関連リスク及び機会に関するデータ整備を進め、自然関連の財務影響、自然資本価値、森林由来クレジット及び製品機会との関係について、より定量的な把握を進めていきます。
② 指標及び目標
当社グループは、自然関連のリスク及び機会に関する取組の進捗を管理するため、前節「(6)指標及び目標」に記載した指標に加え、自然への依存及び影響に係る主要な指標及び目標を以下のとおり整理しています。
なお、当連結会計年度の実績については、グループ各社からのデータ収集、算定及び確認を経て、統合報告書及びESGデータブックにおいて開示する予定です。
グローバル中核指標
当社グループは、今後、優先地域以外の調達地への分析範囲の拡大、サプライチェーンにおける自然への依存及び影響の把握、総空間フットプリントの精緻化、水リスク評価の継続、森林認証及び合法性確認の維持、DDSの高度化等を通じて、自然関連指標の管理精度を高めていきます。
(9) 人的資本戦略
① 基本方針
当社グループの人的資本戦略の基本方針は、社員一人ひとりが持つ「高度な操業技術・木質資源に関する専門性」「誠実さ」「連携力」といった強みをもとに、社員の成長を当社グループの成長につなげる人材マネジメントを推進することです。これを通じて、多様な人材の確保、スキル・知識・技術の向上及びエンゲージメント向上を図ります。目指す企業像である「社員が誇りを持って明るく仕事に取り組む」姿を実現し、当社グループの持続的な成長につなげていきます。
社員の成長を日本製紙グループの成長につなげる人材マネジメント

② これまでの人材マネジメントの取り組み
当社の人材マネジメントは、「採用」「育成」「定着」「配置」の4つの視点から構成されています。これらの取り組みはそれぞれが独立したものではなく、有機的に連携しながら、個々の社員の成長・キャリア形成に一貫して寄り添うものです。こうした取り組みを通じて、人材が持つ潜在能力を最大限に引き出し、中期経営計画の目標達成に資する行動変容を促します。構造改革の断行において求められるスキル・マインドのアップデートや、収益性の拡大に必要な知見の獲得といった、成果創出につながる人材マネジメントを展開しています。
人材マネジメント施策
(注)1.ビジネスリーダー:キャリアパスを通じて多様な分野で幅広い業務を担いながら、会社全体を牽引する 役割を期待する、いわゆる総合職としてのキャリアコース
2.エキスパート:本社・営業支社・工場・事業所が立地している各地域での採用者を中心とした、当社の事業運営において不可欠な各種業務(三交替オペレーター、設備メンテナンス、他)に専門家として従事する、いわゆる一般職としてのキャリアコース
③ 中期経営計画2030に対応した人的資本戦略テーマ
これまでの人材マネジメント施策に加えて、中期経営計画2030の基本戦略に連動した形で、3つの人的資本戦略テーマを設定しました。「構造改革の断行」に対しては「最適人材配置の実行」、「収益性の向上」に対しては「イノベーション人材の創出」、その両方を支える取り組みとして「人材基盤の強化」を掲げています。
人的資本戦略テーマと主要な取り組み内容

「人材基盤の強化」として、人材要件の明確化、採用ブランドの向上、重要ポストのサクセッションプラン構築、職場環境改善、交替勤務の見直し実現及び更なるエンゲージメント向上などを進めていきます。特に人材要件の明確化については、人材の流動化が一層進む中でも工場・事業所の安定操業を維持するために不可欠です。単なる要員数確保にとどまらず「誰がどのようなスキルを有しているか」・「そのスキルを最も効果的に活用できる職場はどこか」を重視した人材マネジメントを行ううえで重要な取り組みと考えています。
それらを土台として、「最適人材配置の実行」については、工場地元人材の更なる積極登用、転勤制度の見直しによる総合職の定着強化及び協力会社とのパートナーシップ強化などを通じて、構造改革後の事業運営を支える人材の安定確保を図ります。「イノベーション人材の創出」については、専門人材の採用と育成を進めていくほか、主要グループ会社間での労働条件を出来る限り標準化していくことで、グループ間の人材交流を活性化し、収益性の高い事業を担う人材の確保を進めます。
また、採用力強化と併せて省人化投資にも取り組むことで、生産年齢人口の減少による人材獲得リスクの増加に耐えうる体制を構築します。
④ 事業拠点別の基本戦略
中期経営計画2025では、事業構造転換の加速と既存事業の基盤強化を実現するため、国内グラフィック用紙の生産能力を削減して稼働率を維持しつつ、生活関連事業へ人材をシフトするなど、事業構造転換に対応した人材の適正配置を進めてきました。
中期経営計画2030では、グラフィック用紙事業の拠点を石巻工場、岩沼工場、岩国工場へ集約する一方、他の工場・事業所ではリソースを最大限に活用して事業構造転換を推進していく方針です。今後は、それぞれの事業の方向性に応じた基本的な人的資本戦略を整理したうえで、各工場・事業所の将来構想に基づいた人材確保を進めていきます。
⑤ エンゲージメント向上の取り組み
当社はエンゲージメント調査を2019年度から定期的に実施しています。当社は本調査を「“社員と企業の双方が成長していける関係”をより強固にするための重要な調査」と位置付けています。調査結果を経営層・役職者に報告するとともに、外部コンサルタントのアドバイスも踏まえながら、職場内コミュニケーションの増進、教育・研修の充実及び労働環境の改善を継続的に図っています。エンゲージメント向上に取り組むことで人材基盤を強化し、人的資本戦略の実効性を高めていきます。

⑥ 人材育成及び人材定着(社内環境整備)に関する指標と目標
当社は、人材育成や人材定着(社内環境整備)の進捗状況をモニタリングするため、中期経営計画2025において以下のとおり指標と目標を設定し、取り組みを進めてきました。今回の実績を検証したうえで、中期経営計画2030の達成及び新しいマテリアリティの実現に向けて、より相応しい新たな指標と目標を検討していきます。
人材育成及び人材定着(社内環境整備)に係る指標と目標(注)1
(注)1.指標に関する目標及び実績は、制度の異なる連結会社の状況等を一体的に進捗管理することが困難なため、提出会社のものを記載しています。
2.ダイバーシティを推進する制度(フレックスタイム制度、時間単位年休制度及び在宅勤務制度)を当年度中に利用したことがある本社部門従業員の比率です。
(5か年平均値が未達となった目標に関する分析)
・入社10年後在籍率:当該指標を設定した2021年当時に比べて、社会全体の人材の流動性が高まっていることが影響
していると考えています。社内コミュニケーション機会の創出・充実と、各種制度整備を進めていくことでエン
ゲージメントを向上し、人材の定着を図っていきます。
・年間総労働時間:毎年、着実に削減を進めてきており、特に日勤部門では目標を達成していますが、さらなる業務
効率化・削減に取り組んでいきます。一方で交替部門では目標に対して未達となっており、採用活動を強化し人員
を充足することで総労働時間の削減を図っていきます。
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。ただし、これらはすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外も存在し、それらのリスクが影響を与える可能性があります。また文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(リスク管理体制)
当社は、取締役会の監督のもと、代表取締役社長を責任者とするリスクマネジメント委員会を設置しています。当社グループの経営におけるリスク発生防止と実際にリスクが発生した場合の影響を最小限にとどめることを目的として、リスクマネジメント規程と危機対策規程を定め、平常時と緊急時の両面で対応することとしています。
■ リスクマネジメント体制図

■ リスクマネジメントプロセス
平常時の対応として、リスクマネジメント委員会では、当社グループのリスクを網羅的に抽出し、評価、防止対策
及び発生時の対策を検討・審議し、取締役会に報告します。

(1) 経営戦略に関する重要なリスク
当社グループに与える負のインパクトが大きく、中長期的に経営目標の達成を阻害し、企業価値の毀損や事業機会の喪失につながる可能性のあるリスクを「経営戦略に関する重要なリスク」と位置付けています。
① 人材確保のリスク
当社グループは、人材の確保を事業活動における重要課題の一つと認識しています。必要な人材の確保が計画通りに進まない場合、中期経営計画2030の基本戦略である構造改革の断行や収益性の向上が妨げられ、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
このリスクに対応するため、社員の成長をグループの成長につなげる人材マネジメントを推進し、多様な人材の確保、スキル・知識の向上、並びにエンゲージメント向上に取り組んでいます。具体的には、リスキリングを支援するプログラムやキャリア採用者の定着を支援するための研修の導入、工場・事業所の幹部候補者の早期抜擢を目的とした選抜型教育等を実施しています。
また、柔軟な働き方を支える各種制度や職場環境の整備を進め、多様な人材が最大限能力を発揮できる組織づくりに注力しています。2025年度には、ライフイベントにおける課題を持つ社員を支援する「ウェルネス休暇」及び「ライフサポート休業」を新設した他、工場における暑熱対策等、就業環境の改善も進めています。
さらに、従業員エンゲージメント調査を定期的に実施し、その結果を経営層及び役職者へ共有しています。外部コンサルタントの助言も踏まえながら、職場内コミュニケーションの活性化、教育・研修の充実、労働環境の改善を継続的に図っています。
加えて、すでに顕在化している少子高齢化に伴う労働力人口の減少に対しては、操業現場の自動化・省人化や、物流分野におけるIoT技術の導入等も検討しています。
これらの取り組みを通じて適切な人材の確保を進め、社員の成長をグループの持続的な成長へとつなげていきます。
② Opal社収益改善の遅延に関するリスク
当社グループの連結子会社である豪州のOpal社の立て直しは非常に重要な経営課題と認識しており、早期の黒字化に向けて事業の選択と集中を進めます。しかしながら、これらの取り組みが予定通り進捗しない場合、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
需要拡大が見込まれる段ボール事業では、経営資源を集中することで収益性を向上させます。販売面では、Opal社の強みである原紙から加工までの一貫体制を活かし、高付加価値・差別化製品の開発と拡販を推進するとともに、納期管理など徹底した顧客サービスの提供や豪州で拡大する紙化需要を確実に取り込むことで販売を拡大していきます。競争力強化策としては、前中期経営計画で実施した加工機の新設、更新の効果を最大限に発現させ、加工事業の生産性をさらに高めます。併せて、組織・人員体制の抜本的な見直しや調達・物流の効率化を実施します。課題となっているメアリーベール工場については、もう一段の生産体制の最適化と固定費削減により速やかにEBITDAの黒字化を目指します。その他の収益性が低い事業についても整理を進め、早急にOpal社の営業利益黒字化を実現します。
③ グラフィック製品の需要減少に関するリスク
当社グループの主力事業の1つであるグラフィック用紙事業は、デジタル化の進展や、新型コロナウイルス感染症を契機とした働き方や生活様式の変化を受けて市場縮小の傾向が続いています。そのため、当社は成長事業である生活関連事業への経営資源のシフトとともに、グラフィック用紙事業については生産体制の最適化を進めることで、稼働率の維持と強靭化による利益率の向上を図っています。しかしながら、これらの検討・取り組みが予定通り進捗しない場合、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
当社グループは、グラフィック用紙事業の基盤強化のため、操業安定化及び継続的なコストダウン、労務費や物流費等のコストアップの吸収が難しい場合には安定供給を実現する適正価格の確保等、採算性改善策を講じています。また、顧客と連携した環境配慮型製品の開発・ラインアップ拡充による販売数量の維持・拡大に取り組んでいます。
グラフィック用紙の生産体制最適化についても、温室効果ガス(GHG)排出量削減と連動して進めることで競争力を高めつつ、人材、原材料の調達力、パルプ、ユーティリティ等のグラフィック用紙事業の既存リソースは、森林・木材関連事業、生活関連事業、新規バイオマス素材事業等の成長分野の拡大に活用します。
このように、リスク低減のために多数の対応手段を持つことで、市場の変化に対するレジリエンスを高め、安定した収益の確保に努めます。
④ 成長分野(森林木材関連事業、生活関連事業及び新規バイオマス素材事業)の成長鈍化に関するリスク
当社グループは、木質資源を最大限に活用する「総合バイオマス企業」として持続的に成長することを目指しており、グラフィック製品の需要減少へ対応するため、成長分野である森林・木材関連事業、生活関連事業(液体用紙容器事業、家庭紙・ヘルスケア事業、ケミカル事業が主要事業です。)への経営資源シフト及び新規バイオマス素材事業の拡大への取り組みを進めています。しかしながら、森林・木材関連事業、生活関連事業及び新規バイオマス素材事業の成長が計画通り進捗しない場合、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
当社グループは、グリーン戦略による森林・木材関連事業の拡大を推進しています。世界トップクラスの育種・増殖・育苗技術、国内外の強固な木質資源サプライチェーン及び国内外16万haの自社森林を活用し、森林経営及び木質資源の流通事業の拡大を進めます。国内では、林業・木材産業界と連携してサプライチェーンを強化し、国産材原木取扱量の拡大及びエリートツリー苗木生産体制の拡大を進め、低LCA国産材原料の安定供給を行います。海外では、独自育種・増殖技術等の高度利用による森林資源の価値化を推進し、優良クローン開発による海外植林事業の収益拡大を進めるとともに、植林サービス事業の展開や木材チップ、バイオマス燃料の取扱量の拡大を進めます。
また、当社グループは生活関連事業の収益力強化のため、新製品開発・設備投資・パートナーとの協業等による販売の拡大を推進しています。液体用紙容器事業ではトータルパッケージングソリューションを提供する体制を構築し、グループ原紙を活用した差別化容器を開発・上市するとともに、ビジネスパートナーとの協業によるアジア・オセアニア地区での事業拡大を進めます。家庭紙・ヘルスケア事業においては、高齢化等、社会構造の変化に対応した高付加価値製品の開発と成長市場での拡販、グローバルパートナーと連携した輸出拡大を進めるとともに、e-コマース等販売チャネルの多様化と拡大を行います。ケミカル事業においては自動車・ディスプレイ等の成長市場向け製品で収益を拡大し、新製品・新用途の開発と各事業の成長を支える生産体制・能力の整備を行うとともに、海外市場での積極的な販売拡大を進めます。
さらに、当社グループは脱炭素・循環型社会の構築に寄与する新規バイオマス素材事業の拡大を進めます。持続可能な森林経営・管理で木質資源を生み出し、当社独自技術とオープンイノベーションの活用により環境価値と優れた機能特性を併せ持つ新規バイオマス素材を開発し、農林水産・食、社会インフラ・資源、ライフスタイル、先端機能材料を注力する活動領域と定めて事業展開を進めます。
環境配慮性等の市場要望をタイムリーに実現していくためには、十分な技術力、販売力、ネットワークを備えておくことが必須です。当社は、成長分野への投資や人材の再配置を積極的に進めることで、既存事業とのシナジーも生み出していますが、同時にオープンイノベーションを推進するための「産・官・学・金」のネットワーク構築にも取り組み、その研究成果を製品・サービスとして市場に提供することで、市場の変化に対応するレジリエンスを高めていきます。
当社グループは、成長分野である森林・木材関連事業及び生活関連事業、新規バイオマス素材事業の拡大を通じて、サプライチェーン全体でのGHG排出量の削減や、リサイクルによる資源循環・資源自律、国内森林の活用による林業の活性化等を実現することで、持続可能な社会の構築への貢献と、グループ全体の持続的な成長を追求していきます。
⑤ 気候変動に関するリスク
エネルギー多消費型の紙・パルプを主要事業とする当社グループは、気候変動への包括的な対応を、企業グループ理念の実現における重要な課題と位置づけ、2050年までのカーボンニュートラル達成を目指し、GHG排出量削減に積極的に取り組んでいます。日本においても排出量取引制度が導入される等、脱炭素化への動きが加速する中、当社グループの対応が遅れた場合、カーボンプライシング政策強化等の規制リスク、クレジット購入費用の発生やGHG排出量削減投資の増大による財務リスク、さらに顧客や投資家からの信頼低下によるレピュテーションリスク等に直面する可能性があります。また、異常気象の激甚化や水資源の枯渇等の「物理的リスク」により、当社グループの生産拠点の操業停止や、原材料である木材チップの調達難・価格高騰、サプライチェーンの寸断等が発生する懸念があります。これらの気候変動リスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態等に重大な影響を与える可能性があります。
当社グループは、これらのリスクに関わる財務影響を適切に評価し、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の推奨する枠組みに基づき、透明性の高い開示を行っています。また移行リスク低減のため、2030年度までに2013年度比でGHG排出量(Scope1と2の合計)を54%削減する目標を掲げ、高効率設備の導入や製造プロセスの最適化による省エネルギー対策や再生可能・廃棄物エネルギーへの転換を進めています。加えてさらなる削減を図るため、2028年度中に石巻工場において高効率な黒液回収ボイラー1基を新設し、あわせて既存の石炭ボイラー1基の運転を停止することでGHG排出量の削減を一層加速していきます。
気候変動のリスクに対しては、中長期的な視野に立った移行計画の策定と実行が必要です。当社グループは、水素・アンモニアなどの次世代燃料技術の開発動向や社会実装時期を想定した移行計画に基づき、GHG排出量(Scope1と2の合計)を2013年度比で2035年までに60%、2040年までに65%削減する中期目標を新たに策定し、GHG排出量削減施策の確実な実行を進めています。
また、当社グループは、物流におけるGHG排出についても、取引先のみならず同業や異業種企業等ステークホルダーとの連携を強化し、ラウンド輸送やモーダルシフト化、輸送距離の短縮等の協働を通じて、サプライチェーン全体での排出量削減に取り組んでいます。さらに、適切な森林管理による森林吸収やカーボンリサイクル等の取り組みも積極的に行っており、多面的にGHG排出量の削減を推進し、2050年カーボンニュートラル達成への取り組みを強化しています。
2026年度から本格的に導入される排出量取引制度に対しては、石炭など化石燃料使用量の削減を加速すると同時に、カーボンクレジット市場のモニタリングや調達体制等カーボンマネジメント体制を整備し、同制度に適切に対応することで、財務影響リスクを管理、低減していきます。
気候変動問題への対応は、リスク管理にとどまらず、新たなビジネスチャンスの創出にもつながります。当社グループは、GHG排出量の削減投資を通じて、低GHGで環境価値の高いバイオマス素材を生み出すことができます。当社グループは、幅広いステークホルダーとの連携をより一層強化しながら、多様なバイオマス素材をグリーン製品市場に先駆けて投入していくことで、企業の成長と持続可能な社会づくりの同時実現を目指していきます。
⑥ サプライチェーンマネジメントに関するリスク
当社グループは、原燃料であるチップ、古紙、重油、石炭、薬品等を調達して、製品の製造・販売を行っています。原燃料の価格は、国内外の市況に大きく影響を受け、また脱化石燃料の気運の高まりやグラフィック用紙生産量の減少に伴い、原燃料サプライヤーの事業縮小や事業撤退に起因した調達の不安定性や価格変動が顕在化する可能性があり、それらが当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、物流従事者不足(荷役作業者・港湾労働者・輸送力)、地政学的緊張の高まりによるグローバルサプライチェーンにおける輸送網での遅延、気候変動対応による脱炭素政策を主要因とした原燃料価格上昇に起因する輸送費の上昇は今後も継続すると予想され、当社の経営成績及び財政状態等にさらなる影響を与える可能性があります。
主な対策として、原燃料の一部について、リスクヘッジのため予約購入の設定・運用等の施策を講じている他、特に製紙用木材チップについては、国内外に16万haの森林資源を保有するとともに、国内外のチップサプライヤーとの長きにわたる取引実績に基づく信頼関係の強化や、近距離での安価な資源の開発・採用により、原材料確保と購入価格の安定化を図っています。安定調達のためサプライヤーや物流会社との良好な関係を強化するとともに、海外を含む複数地域、複数ソースからの調達、代替品への切り替え、グループ横連携強化による融通及び調達網拡大等や在庫水準の見直し等、適正在庫の管理強化による財務状況の適正化も進めています。こうした対策を取ったうえで、吸収しきれない輸送コスト上昇分については、適正な水準での価格転嫁を行っていきます。
物流問題に対しては、製品販売及び原燃料調達においてグループ横断での会議体にて、法規制の遵守とコストアップ抑制の両立に取り組んでいます。取引先とも協働し、計画的な納入時間や輸送体制の変更、積載率の向上や消費地近隣に在庫拠点を新設する等の対策を実行しています。トラック荷役待機時間の削減対策としては、各工場でトラック受付予約システムを導入し、待機時間の短縮を図っています。さらに、他社との共同輸送を実現し、GHG排出量の削減に取り組むとともに、人手不足への対応として物流DXの取り組みを促進していきます。
⑦ 自然災害のリスク
当社グループの生産及び販売拠点が位置する地域において、地震や台風、洪水、山火事といった大規模な自然災害の他、渇水、猛暑等の災害が発生した場合、事業の継続性に大きな影響を及ぼす可能性があります。生産活動の停止、設備復旧のための費用増加、製品や原材料の損害等が発生し、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。なお、自然災害に対する保険を付保していますが、当社が負う可能性がある損害賠償責任を補償するには十分ではない可能性があります。
このため当社グループでは、危機対策規程に基づき、緊急時には危機対策本部を迅速に立ち上げ、従業員及び家族の安否確認、被災状況の把握、供給継続のための対策を実施します。また緊急事態への対応のためBCM(事業継続マネジメント)を強化し、複数工場での供給体制構築の検討や、災害想定に基づく避難訓練や安否確認訓練を定期的に行っています。
これらの取り組みにより、予期せぬ事態にも柔軟に対応し、従業員の安全を守る体制と事業の継続性を構築・維持しています。今後も、リスク対策の継続的な見直しと強化を通じて、変化する社会情勢に対応していきます。
⑧ 情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、原材料仕入れから受注、生産、出荷過程において様々なシステムを利用して業務管理を行っており、外部からのサイバー攻撃等による不正アクセスや情報漏えいが生じた場合、当社グループの社会的信頼の喪失、事業活動の停止、設備復旧のための費用増加等が発生し、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
このため当社グループは、情報システムに関するセキュリティを徹底・強化し、時流に合わせた防衛システムを導入しています。急速に普及した在宅勤務環境においても十分な情報セキュリティ対策を講じており、定期的な情報セキュリティ教育により従業員のリテラシーを高めるとともに、セキュリティインシデントが発生した際の連絡ルートを整備する等、管理体制を強化しています。また、社内での運用検証及び外部専門業者による脆弱性診断を定期的に実施し、システムの脆弱性を発見・修正することで、セキュリティインシデントの予防に努めています。
(2) 事業環境及び事業活動に関するリスク
日々の事業活動の円滑な遂行を阻害し、当社グループの短期的な目標達成に悪影響をもたらす可能性のあるリスクを「事業環境及び事業活動に関するリスク」と位置付けています。
① 生産設備に関するリスク
当社グループは、市場需要と既存設備の能力を考慮した計画生産を基本として事業活動を行っています。しかし、設備の故障や火災、自然災害による設備事故等により生産設備の稼働率が低下すると、製品の供給能力が不足し、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。また、このような設備の故障や事故が発生した場合には、従業員が巻き込まれることによる労働災害が発生する可能性や、周辺環境に悪影響を及ぼす可能性もあります。これらのリスクに対応するため、定期的な設備点検とメンテナンス、脆弱箇所の計画的な更新を含む老朽化対策工事の実施、複数工場での供給体制構築の検討、在庫の適正化等を行っています。
② 製造物責任に基づくリスク
当社グループは、製品について製造物責任に基づく損害賠償を請求される対象であり、現在のところ重大な損害賠償請求を受けていませんが、将来的には直面する可能性があります。製造物責任にかかる保険(生産物賠償責任保険)を付保していますが、当社グループが負う可能性がある損害賠償責任を補償するには十分でない場合があります。当社グループではグループ製品リスク委員会を設置し、グループ各社の製品安全リスクの監督、支援を行っています。また、主要製造会社はそれぞれに製品リスク委員会を設置するとともに、製品リスク管理規程の整備を進め、製品安全事故の防止に努めています。
③ 環境法令関連のリスク
当社グループは、事業活動において、環境関連の法規制の適用を受けています。これらの規制の変更や改正により、生産活動が制限される、あるいは新たな対策のための費用が発生する可能性があり、これらは経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
また、法規制値の超過や工場や事業所の周辺環境に影響を与えた場合は、行政指導による事業の停止や信用失墜等のリスクがあります。
これらのリスクに対応するため、環境関連の法改正状況等を定期的にモニタリングし、また社外からの情報収集や、日々の操業を監視し設備を適切に維持管理することで、環境法令を遵守し、工場や事業所の周辺環境への負の影響を可能な限り最小にする体制を整えています。
④ コンプライアンスに関するリスク
当社グループが展開する紙・板紙事業、生活関連事業、エネルギー事業、木材・建材・土木建設関連事業等の幅広い分野において、関連する法令や規制は常に変化しており、新たなコンプライアンスの課題が生じています。特に、デジタル化の進展、グローバル化の加速、環境保護や人権尊重への関心の高まり等、社会情勢の変化に合わせた、コンプライアンス違反のリスクはさらに複雑化しています。
その対策として、当社グループでは、社会情勢の変化に応じたコンプライアンス研修の実施や、コンプライアンスに関する意識調査を行い、従業員のコンプライアンス意識の向上に努めています。また、法令、社会規範、企業倫理、行動憲章、行動規範及びグループ各社の社内規則に抵触するおそれのある行為等について、日常の指示系統を離れて直接通報・相談できる「日本製紙グループヘルプライン」を設置し、コンプライアンス違反の懸念があるものについては事実調査を行っています。事案の重要性に鑑み、社内処分や注意・指導、教育による従業員への意識啓発等の是正措置・再発防止策を実施しています。
また、当社グループは、取引先や自社だけでは遂行が難しい業務については様々な委託協力会社の協力のもとで事業活動を展開しているため、取引先や委託協力会社との関係においても、公正かつ健全な業務実施を重視しています。独占禁止法や中小受託取引適正化法(取適法)の遵守はもちろんのこと、社会的な価値観の変化を反映した公正な取引慣行を目指していますが、違反があった場合には、訴訟リスクや社会的信頼の喪失等、経営上の大きなリスクとなることが予想されます。
これらに対応するため、「パートナーシップ構築宣言」に基づき、委託事業者と中小受託事業者との望ましい取引慣行を遵守し、取引先とのパートナーシップ構築の妨げとなる取引慣行や商慣行の是正に積極的に取り組んでいます。また、2023年11月に公表された「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を踏まえ、グループ全体でのリスク評価と対策の実施を進めています。
これらの取り組みにより、社会情勢の変化にも柔軟に対応し、コンプライアンス違反のリスクを最小限に抑えることを目指しています。
⑤ 労働者の安全衛生に関するリスク
当社グループは、全事業所で安全最優先での操業に努めていますが、労働災害の発生は、労働者の健康や人命が失われる重大なリスクです。災害内容によっては貴重な人材を失う可能性や、安全を確保し、再発防止策を講じるために生産設備を停止しなければならなくなる可能性があり、さらには企業としての管理責任を問われ信用を失うリスクもあります。これらリスクへの対策として、当社では労働災害を防ぐため独自の労働安全衛生マネジメントシステムを運用し、事業所ごとに具体的、継続的かつ自主的な活動を安全衛生計画として組み込み、労働災害の防止と労働者の健康増進、快適な職場環境づくり等の安全衛生水準向上に努めています。また、生産設備について、定期的な設備点検とメンテナンス、脆弱箇所の計画的な更新を含む老朽化対策工事の実施等を行っています。
これらの取り組みを、当社グループ各社と共有し、労働災害の防止を推進することで、グループ全体で安全な職場環境の確保に努めています。
⑥ インターネットにおける批判・中傷に関するリスク
当社グループは、SNS等の普及により、インターネット上での批判・中傷を受けるリスクも増大しています。これにより、企業ブランドの失墜、取引停止、人材の離職等、深刻なレピュテーションリスクを引き起こす可能性があり、これらは経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
このリスクに対応するため、SNSをはじめとするインターネット上の当社グループの情報について定期的なモニタリング及び情報収集を行い、不測の事態が発生した際に迅速かつ適切に対応できる体制を整備しています。
(3) 財務・会計リスク
① 株価の変動リスク
当社グループは、取引先や関連会社等を中心に市場性のある株式を保有しており、株価の変動により経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。このため保有株式の定期的な株価のモニタリングを行うことにより、財政状態に重要な影響を及ぼす可能性を注視しています。
② 金利の変動リスク
当社グループは、有利子負債等について金利の変動リスクを負っており、その変動により経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。当社では、長期借入金の固定金利借入の比率を一定水準以上に保っています。また、返済年限の分散化、調達の多様化に加えて金利スワップ等の金融商品の利用により、金利変動リスクへの対応を行っています。
③ 信用リスク
当社グループは与信管理規程に従い、取引先の財務情報等を継続的に評価した与信限度の設定等により、信用リスクに備えていますが、取引先の経営悪化や破綻等の結果、債権回収に支障をきたす事象が発生した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
④ 固定資産の減損リスク
当社グループは、生産設備や土地をはじめとする固定資産を保有しています。事業環境等の変化により当該資産から得られる将来キャッシュ・フローが著しく減少した場合、減損損失が発生し、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
⑤ 退職給付債務に関するリスク
当社グループの退職給付費用及び債務は、年金資産の運用収益率や割引率等の数理計算上の前提に基づいて算出していますが、数理計算上の前提を変更する必要が生じた場合や株式市場の低迷等により年金資産が毀損した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。このため年金資産の運用については、外部コンサルタントの助言をもとに、リスク・リターン特性の異なる複数の資産クラス・運用スタイルへの分散投資を行っており、年金資産全体のリスク・リターンの分析を定期的に実施することで、分散効果の有効性について評価を実施しています。
⑥ 繰延税金資産の取崩しリスク
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の課税所得を見積った上で回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上しています。しかし、事業環境等の変化による課税所得の減少や税制改正等により回収可能性を見直した結果、繰延税金資産の取崩しが発生し、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 経営成績
当期におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善により、緩やかな回復基調となりました。一方で、中東情勢の影響や継続的な物価上昇、米国の通商政策を巡る動向、金融資本市場の変動の影響などにより、景気の先行きは不透明な状況が続いています。
このような状況の中、当社グループの当期の売上高は、洋紙の輸出販売数量が減少したものの、2024年度に稼働したクレシア宮城工場の売上高が全期間にわたり寄与したことや、前期に日本ダイナウェーブパッケージング(NDP)社で実施された例年に比べ大規模な製造設備のメンテナンス休転の影響が解消されたことなどにより、前期に比べ増収となりました。営業利益では、海外事業において、NDP社が通常操業に戻ったことや、Opal社のメアリーベール工場における操業効率改善によるコストダウン及び増産が寄与し、前期比で増益となりました。一方、国内事業では、継続的な人件費や物流費の上昇を受け、原価改善や価格修正に取り組みました。結果は、以下のとおりです。
セグメントの状況は、以下のとおりです。
(紙・板紙事業)
洋紙の国内販売数量は、需要の減少は継続しているものの、他社の事業撤退などもあり、前期を上回りました。一方で、洋紙の輸出販売数量は、市況悪化の影響などにより前期を下回りました。
(生活関連事業)
家庭紙は、2024年度に稼働したクレシア宮城工場の売上高が、全期間において寄与したことなどにより、売上高は前期を上回りました。液体用紙容器は、食品価格全般の値上がりによる生活防衛意識の高まりなどで依然として需要が減少しているものの、販売数量は前期並みで推移しました。機能性フィルムは、モバイル端末の買替需要等により堅調に推移し、販売数量は前期を上回りました。海外事業では、Opal社メアリーベール工場の労使協定を改定する過程で生じた、約1か月にわたる労働争議に伴う操業停止や、円高による為替換算の影響がありましたが、NDP社の前期の大規模な製造設備のメンテナンス休転の影響が解消されたことなどにより、売上高は前期を上回りました。
(エネルギー事業)
エネルギー事業は、石炭価格の下落に伴う販売電力価格の低下などにより、売上高は前期を下回りました。
(木材・建材・土木建設関連事業)
木材・建材において、バイオマス燃料の需要は増加したものの、新設住宅着工戸数の減少に加え、海外植林会社における為替換算の影響などにより、売上高は前期を下回りました。
(その他)
(2) 財政状態
総資産は、前期末の1,703,308百万円から35,171百万円増加し、1,738,479百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が増加したことや、円安の影響により在外子会社の資産が増加したことによるものです。
負債は、前期末の1,192,873百万円から5,098百万円増加し、1,197,971百万円となりました。この主な要因は、円安の影響により在外子会社の負債が増加したことによるものです。
純資産は、前期末の510,435百万円から30,072百万円増加し、540,507百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が増加したことや、円安の影響により為替換算調整勘定が増加したことによるものです。
以上の結果、自己資本比率は、前期末の28.3%から29.2%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、207,411百万円となり、前期末に比べ21,470百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得た資金は、前期に比べ2,195百万円増加し、74,986百万円となりました。この主な内訳は、税金等調整前当期純利益24,460百万円、減価償却費63,213百万円、運転資金の増減(売上債権、棚卸資産及び仕入債務の増減合計額)による支出9,377百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前期に比べ10,145百万円増加し、43,581百万円となりました。この主な内訳は、固定資産の取得による支出54,287百万円、投資有価証券の売却による収入10,106百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前期に比べ10,410百万円減少し、7,863百万円となりました。この主な内訳は、有利子負債の返済による支出です。
(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための原材料や燃料購入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用です。また設備投資資金の主なものは、新規事業への投融資及び設備投資、既存事業の収益向上や操業安定化等を目的としたものです。
今後も引き続き成長分野や新規事業へ投資を行っていく予定であり、その必要資金については、自己資金と外部調達との適切なバランスを検討しながら調達していきます。
なお、長期借入金、社債等の長期の資金調達については、事業計画に基づく資金需要や既存借入の返済時期、金利動向等を考慮し、調達規模や調達手段を適宜判断し、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)により当社グループ内での余剰資金の有効活用を図り、有利子負債の圧縮や金利負担の軽減に努めています。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しています。
(6) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.木材・建材・土木建設関連事業、その他は、生産高が僅少であるため、記載を省略しています。
2.当連結会計年度において、エネルギー事業における生産実績に著しい変動がありました。その内容については、「(1) 経営成績」をご参照ください。
② 受注実績
当社グループは主として需要と現有設備を勘案した見込生産のため、記載を省略しています。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しています。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しています。
3.当連結会計年度において、エネルギー事業における販売実績に著しい変動がありました。その内容については、「(1) 経営成績」をご参照ください。
5 【重要な契約等】
該当事項はありません。
6 【研究開発活動】
当社グループでは事業を通じて、循環型社会の構築、GHG排出量削減、食料自給率の向上等の社会課題解決への貢献に取り組みます。そのため、製紙業を起点に蓄積した技術力を基盤として、紙・板紙、液体用紙容器や家庭紙等の既存分野に加え、燃料用途、プラスチック代替用途、エレクトロニクス部材、モビリティ部材、農・水産・畜産、土木分野等、幅広い分野で木質資源の用途拡大を図るための研究開発を進めています。今後、グループ内の研究資源を最大限に活用し、国内外の企業・研究機関やグループ企業との連携を密にすることでオープンイノベーションを推進します。また、マテリアルインフォマティックス(MI)や人工知能(AI)の活用により、研究開発そのものの効率化を進め、研究成果の最大化を図ります。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は、5,802百万円(人件費を含む)であり、各事業部門別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は以下のとおりです。
(1) 紙・板紙事業
国内市場の成熟化と海外市場の成長、深刻化する地球環境問題等の様々な課題への対峙、国内での炭素賦課金の導入を見据えて、基盤技術研究所、富士革新素材研究所及びパッケージング研究所が中心となり、以下のような取り組みを行っています。当事業に係る研究開発費は3,418百万円です。
① 植林事業に関する技術開発
事業活動の基幹となる原材料確保のため、自社植林木の生産性向上を目指し、技術開発を積極的に進めています。特にブラジルにおいては、ユーカリの育種と植林地の管理技術向上により、単位面積当たりの収穫量は年々増加しています。更なる生産性向上を目指し、DNAマーカー選抜を始めとする最新技術の導入も推進しています。また、2026年2月にはマレーシアの植林・農業事業大手PLS Plantations Berhadと戦略的パートナーシップ契約を締結しました。当社の独自技術を活用し、マレーシアにおけるユーカリ植林事業の開始を目標に、今後3年間を目途に、共同調査および評価を実施します。一方、国内においては、CO₂吸収能力が高く成長に優れ、花粉量が少ない等の特徴を持つエリートツリーの苗木生産事業を全国で展開しています。2016年の熊本県に続き、2022年には静岡県、広島県、鳥取県、大分県、2023年には秋田県において「特定増殖事業者」の認定を受け、エリートツリーの苗生産に必要な種子や穂木を生産するため、採種園・採穂園の造成を進めました。特に2026年1月には、当社秋田工場内に国内最大の閉鎖型採種園を開設しました。また、苗生産事業の推進体制強化を図るため、2023年10月には当社原材料本部内にエリートツリー推進室を設置し、全国各地で苗木の生産、出荷を進めています。さらに、2025年3月には鳥取県等と共同で「新時代の森林資源造成及び循環利用」の取組に関する共同宣言に署名し、地域関係者と連携しながらエリートツリー生産を推進しています。
② 品質とコストの更なる改善
洋紙及び板紙の競争力強化のため、新製品開発や需要家のニーズに応えた品質改善を継続します。また、生産現場とより密接に連携を図りながら製造工程の操業性改善、品質向上とコストダウンの技術開発を迅速に進めています。収益改善に資する技術開発として、安価材料の利用技術の開発、自製填料の高度利用技術の開発等の独自技術開発も推進しています。
③ 将来に資する技術開発等
「総合バイオマス企業」としての新規事業創出については、木材をベースとした新素材、パッケージ等のプラスチック代替新規紙材料の開発やセルロースナノファイバー(以下、「CNF」といいます。)、バイオリファイナリー等に関する研究開発に取り組んでいます。
新素材としては、無機物の特徴・特性を備えた機能性材料ミネラルハイブリッドファイバー「ミネルパ®」の事業化に向けた本格的なサンプル供給を行い、更なる用途開発を推進し、商品化を進めています。「消臭抗菌」、「難燃」、「X線遮蔽(造影)」等の各機能を持つミネルパ®の採用拡大を目指して、事業分野の探索とサンプルワークを進めており、システムトイレ用猫砂と高機能吸湿剤で「消臭抗菌」の機能を持つミネルパ®が採用となりました。直近では、建設会社と共同で工事濁水中の浮遊物質を捕集するフィルターとしての有効性を新たに確認し、ニュースリリースを行いました。今後も、ミネルパ®の幅広い産業用途への開発を進めていきます。
木材を原料とする養牛用飼料「元気森森®」(高消化性セルロース)については、民間の牧場で乳牛の乳量増加効果、繁殖成績の向上に加え、和牛の繁殖用母牛でも健康増進効果が確認され始めました。2021年度からは、パルプを牧草と同様に「ロールベール形態」へ加工する装置を岩沼工場に設置し、牧場側で扱いやすい形態でのサンプル提供体制を整え、有償サンプルワークの展開を加速しています。
パッケージ等のプラスチック代替となる新しい紙素材として、紙製バリア素材「シールドプラス®」と、プラスチックを貼合せずにパッケージ化が可能なヒートシール紙「ラミナ®」の用途開発を推進しています。これらの製品は、環境負荷低減を目指すお客様へ新たな選択肢を提供する環境配慮素材として開発・上市しました。その後も、お客様のニーズや使用状況に合わせた印刷適性や加工適性等の改良、バイオマス材料使用によるバイオマス度の向上、またそれらを反映させたラインナップ拡充を継続し、現在も多くのお客様に幅広い用途で評価・検討が進められています。採用実績も増えており、メインターゲットの食品用途に加え、日用品や産業用途等、多岐にわたる分野での実績を上げています。本技術はカップや紙器等の用途にも展開し、お客様の環境対応への貢献をさらに拡大していきます。また、防水性、防湿性、耐油性を有し、かつ通常の段ボールと同様に古紙回収可能な多機能段ボール原紙「防水ライナ」を開発しました。防水ライナを用いて製造した段ボールケースは防水性等を活かし、箱の形状を工夫することで、発泡スチロールと同様に氷詰めした水産・青果物の輸送や、耐油性を活かした機械部品などの輸送を可能にしました。現在、各段ボールメーカー、代理店と協力し、魚箱用途をはじめとしたユーザーへの展開を図るとともに、ユーザーでの加工効率向上に向けた生産体制拡充を進めています。
長年培ってきたセルロースパウダー技術を活用し、従来の製品よりも強度と成形性に優れたバイオコンポジットを開発しました。加えて、プラスチック使用量を5割以上削減し、GHG排出量の削減にも寄与するバイオコンポジットも開発しています。これらの製品は、他社との連携を通じて、日用品、容器、建材、家電製品、自動車部材等、幅広い分野への展開を目指し、製品開発と早期の市場投入を計画しています。
CNF「セレンピア®」については、2017年度に設置した量産設備(石巻、江津)及び実証生産設備(富士)の稼働により、用途に応じた製造技術と本格的な供給体制を確立し、市場創出を推進しています。化粧品や食品用途分野で採用が大幅に増えており、2023年度は化粧品向けに新規に開発した高透明品の採用が決まり、今後は量産設備(江津)でのフル生産を予定しています。また、金属イオンを担持させた変性セルロースを用いた抗ウイルス・消臭・抗菌性を有する衛生薄葉紙、不織布、印刷用紙等、様々な製品開発を行っています。さらに、銅イオンをプラスした変性セルロース「Cu-TOP(シーユートップ)」を配合した紙糸を開発し、新たな用途展開を行っています。また、CNF派生製品であるミクロフィブリルセルロース(MFC)「セレンピア®ミュー」についてモルタル養生材用途で共同開発先と技術を確立しました。2024年10月に国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録し、本技術による施工の展開を進めています。また、GHG排出削減に有効な蓄電デバイスを、持続可能な資源から製造する取り組みとして、CNFを用いた次世代蓄電デバイスの開発を進め、2025年6月に大阪・関西万博で試作品展示を行いました。
熱可塑性樹脂中にCNFを強化剤として均一分散・配合するCNF強化樹脂「セレンピア®プラス」は、実証生産設備(富士)によるサンプルワークを進め、自動車をはじめとするモビリティ部品や住設機器の部材用への採用を目指し、研究開発を進めています。その研究活動を通じて、2023年8月、共同研究先が発売した水上オートバイのエンジン部材として採用されました。本部材の採用はCNF強化樹脂を用いた輸送機器部品の量産化として世界初の事例となります。本取り組みは現在も継続し、マリン品部材に加え二輪部材への採用を目指し、検討を進めています。
また、2025年7月に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)先導研究プログラム「低コスト・高耐衝撃セルロース構造材料の研究開発」の共同研究をスタートしました。この研究は、木材等から得られる植物由来のCNFを活用した低コスト、高耐衝撃、軽量・高剛性かつカーボンニュートラルな構造材料の実用化を目指すものであり、自動車部品メーカーが主幹となり、CNFの原料であるパルプに対する製造技術を有する当社と、CNFの樹脂複合化における学術的知見を有する大学・公設試験研究機関が連携し、開発を進めています。
(2) 生活関連事業
液体用紙容器については当社が、各種化成品については当社及び株式会社フローリックが中心となって研究開発を行っています。当事業に係る研究開発費は2,363百万円です。
液体用紙容器の分野については、キャップ付き新形状紙容器「NP-Smart®」を開発し、2026年3月より発売しました。NP-Smart®は消費者ニーズに応えるために設計された900ml及び450ml用の口栓付きチルド容器で、トップの傾斜パネルが大きいため、口栓が握りやすく、緩やかな傾きで内溶液を注ぎ始められるため脈動が少なく、注ぎ易さを追求したユニバーサルデザインになっています。また、2014年に国内で初めてアルミ箔を使用せず、常温で、飲料の長期保存を可能にする無菌充填包装システム「ノンアルミフジパック」を導入し、2025年度の売上高を大きく伸ばしました(前年比約150%)。ノンアルミフジパックは屋根型紙パックと同様に回収でき、「紙パック」マークを表記できる環境に配慮した容器で、更なる拡販に向けて容器バリエーションの拡充を進めていきます。
化成品の分野につきましては、自動車プラスチック部材用プライマー、接着剤等の機能性コーティング樹脂の新製品開発・製品化を進めています。また、リグニン製品の農業分野への拡販支援、新規リグニン誘導体の開発・用途開拓、飼料用酵母の免疫機能向上データ拡充、ステビア甘味料の健康食品向け拡販支援等を行っています。機能性フィルムではスマートフォン、タブレット端末等の中小型ディスプレイ用途や車載ディスプレイ用途向けに環境対応設計(PFASレス)のハードコートフィルムを開発し、製品化しました。さらに、クリーン精密塗工及びハードコート技術を応用した新製品開発に取り組んでいます。
(3) エネルギー事業
エネルギー事業に係る技術開発として、木質バイオマスを半炭化(トレファクション)して得られる新規固形燃料について事業化を検討しています。また、紙の製造工程で発生する廃棄物を使用した燃料の利用及び当事業のGHG削減についても検討しています。当事業に係る研究開発費は8百万円です。
(4) 木材・建材・土木建設関連事業
該当事項はありません。
(5) その他
金額が僅少であるため、記載を省略しています。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社グループの2025年度の設備投資額は60,578百万円で、前連結会計年度の設備投資額に比べ15.6%増加しました。
各セグメントごとの設備投資額は、以下のとおりです。
紙・板紙事業においては、バイオマス燃料への燃料転換投資工事の他、収益改善対策工事、操業安定化工事、生産性向上のための省力化工事、省エネルギー工事などを中心に24,576百万円の設備投資を実施しています。
生活関連事業においては、国内における家庭紙の増産対策工事、海外における生産性向上のための設備更新工事などを中心に33,491百万円の設備投資を実施しています。
エネルギー事業においては、139百万円の設備投資を実施しています。
木材・建材・土木建設関連事業においては、設備の更新工事などを中心に1,161百万円の設備投資を実施しています。
その他においては、1,208百万円の設備投資を実施しています。
2 【主要な設備の状況】
当社グループにおける主要な設備は、以下のとおりです。
(1) 提出会社
2026年3月31日現在
(注)1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品及びリース資産です。
2.土地の面積で< >内は、連結会社以外への賃貸資産で内数です。
3.土地の面積で[ ]内は、連結会社以外からの賃借資産で外数です。
4.全ての設備を子会社である日本製紙リキッドパッケージプロダクト㈱に貸与しています。
5.本店事務所他には、各営業支社・営業所・厚生施設等を含みます。
6.土地にはこのほかに山林用地921,355千㎡、簿価13,932百万円を所有しています。
(2) 国内子会社
2026年3月31日現在
(注)1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品及びリース資産です。
2.土地の面積で< >内は、連結会社以外への賃貸資産で内数です。
3.土地の面積で[ ]内は、連結会社以外からの賃借資産で外数です。
(3) 在外子会社
2026年3月31日現在
(注)1.Opal社に記載されている数値は、オーストラリアン・ペーパー社及びその子会社15社の連結決算数値です。
2.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品及びリース資産です。
3.土地の面積で[ ]内は、連結会社以外からの賃借資産で外数です。
3 【設備の新設、除却等の計画】
当社グループの設備投資については、今後の生産計画、需要予測等を総合的に勘案して計画しており、設備投資は原則的に各社が個別に策定し、重要な投資については当社のグループ経営戦略会議及び取締役会にて最終的に審議の上、決定しています。
重要な設備の新設、除却等の計画は、以下のとおりです。
(1) 重要な設備の新設等
(2) 重要な設備の除却等
該当事項はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注)2013年4月1日付の当社と㈱日本製紙グループ本社との合併によるものです。
(5) 【所有者別状況】
2026年3月31日現在
(注)1.「金融機関」には、「株式給付信託(BBT)」の信託財産として信託が保有する当社株式3,848単元が含まれています。
2.自己株式385,753株は「個人その他」に3,857単元及び「単元未満株式の状況」に53株含めて記載しています。
3.証券保管振替機構名義株式507株は「その他の法人」に5単元及び「単元未満株式の状況」に7株含めて記載しています。
(6) 【大株主の状況】
2026年3月31日現在
(注)1.上記の日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)及び株式会社日本カストディ銀行(信託口)の所有株式数については、信託業務に係る株式数を記載しています。
2.2025年12月19日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、三井住友信託銀行株式会社及びその共同保有者である三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社、アモーヴァ・アセットマネジメント株式会社が2025年12月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めていません。
なお、大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりです。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2026年3月31日現在
(注)1.単元未満株式には、次の自己株式等が含まれています。
日本製紙パピリア㈱ 98株 リンテック㈱ 50株
吉川紙商事㈱ 84株 千代田スバック㈱ 29株
日本製紙㈱ 53株
2.完全議決権株式(その他)及び単元未満株式には、証券保管振替機構名義の株式がそれぞれ500株(議決権
5個)及び7株含まれています。
3.完全議決権株式(その他)欄の普通株式には、「株式給付信託(BBT)」の信託財産として信託が保有する当社株式384,800株(議決権3,848個)が含まれています。なお、「株式給付信託(BBT)」の信託財産として信託が保有する当社株式に係る議決権の数3,848個は、議決権不行使となっています。
② 【自己株式等】
2026年3月31日現在
(注)「株式給付信託(BBT)」の信託財産として信託が保有する当社株式384,800株は、上記自己保有株式には含まれていません。
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
当社は、2019年5月15日開催の取締役会及び2019年6月27日開催の第95回定時株主総会の決議により、株式報酬制度「株式給付信託(BBT(=Board Benefit Trust))」(以下、「本制度」といいます。)を導入しています。
本制度は、取締役等の報酬と当社の株式価値との連動性をより明確にし、取締役等が株価上昇によるメリットのみならず、株価下落リスクまでも株主の皆様と共有することで、当社の中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的としています。
① 本制度の概要
本制度は、当社が拠出する金銭を原資として当社株式が信託(以下、本制度に基づき設定される信託を「本信託」といいます。)を通じて取得され、取締役等に対して、当社が定める役員株式給付規程に従って、当社株式及び当社株式を時価で換算した金額相当の金銭(以下、「当社株式等」といいます。)が本信託を通じて給付される株式報酬制度です。なお、取締役等が当社株式等の給付を受ける時期は、原則として取締役等の退任時です。
② 対象者に取得させる予定の株式総数
提出日現在における本信託が所有する当社株式は384,800株です。
③ 本制度による受益者その他の権利を受けることができる者の範囲
当社取締役(社外取締役を除きます。)及び取締役を兼務しない執行役員等です。
2 【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】 会社法第155条第7号に該当する普通株式の取得
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 当期間における取得自己株式には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数・価額は含めていません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注)1. 当期間におけるその他(単元未満株式の売渡し)及び保有自己株式数には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取り・売渡しによる株式数及び処分価額は含めていません。
2.保有自己株式数には、「株式給付信託(BBT)」が所有する当社株式(当事業年度においては384,800株、当期間においては384,800株)は含まれていません。
3 【配当政策】
配当につきましては、グループの業績状況や内部留保の充実等を総合的に勘案した上で、株主の皆様へ可能な限り安定した配当を継続して実施することを基本方針としています。また、会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨を定款に定めており、配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会です。
これらを踏まえ、当事業年度は、1株当たり15円(うち中間配当5円)の配当を決議して実施する予定です。
内部留保金につきましては、今後の事業展開並びに経営基盤の強化、拡充に役立てることとし、企業価値向上に努めてまいります。
当事業年度に係る剰余金の配当は次のとおりです。
(注)1.2025年11月6日取締役会決議による配当金の総額には、「株式給付信託(BBT)」の信託財産として信託が保有する当社株式に対する配当金0百万円が含まれます。
2.2026年6月26日定時株主総会で決議予定の配当金の総額には、「株式給付信託(BBT)」の信託財産として信託が保有する当社株式に対する配当金3百万円が含まれます。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、株主をはじめとするステークホルダーに対する経営の透明性を一層高め、公正な経営を実現することを経営の最重要課題とします。業務執行と経営の監督の分離を確保するため、執行役員制度を採用するとともに、取締役会の監督機能の強化に努めます。また、当社はグループの経営の司令塔として、成長戦略を推進し、傘下事業をモニタリングし、コンプライアンスを推進します。当社は、以下の方針を定め、より一層コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいきます。
イ.当社は、株主の権利を尊重し、株主が権利を適切に行使することができる環境の整備と株主の実質的な平等性の確保に取り組んでいきます。
ロ.当社は、社会的責任と公共的使命の重要性を認識し、株主、従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会をはじめとしたさまざまなステークホルダーとの適切な協働に努め、厳しい自己規律に基づき健全に業務を運営する企業文化・風土を醸成していきます。
ハ.当社は、ディスクロージャーポリシーを別途定め、非財務情報を含む会社情報の適切な開示を行い、企業経営の透明性の確保に努めていきます。
ニ.当社は、株主に対する受託者責任・説明責任を踏まえ、取締役会の機能強化に取り組んでいきます。独立社外取締役の活用を進め、特に役員の人事・報酬に関する手続きの透明性を確保するため、任意の委員会を設置し、独立社外取締役をその主要な構成員とします。取締役会全体としての実効性に関する分析・評価を行い、取締役会の機能の向上に努めていきます。
ホ.当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう、株主との間で建設的な対話を行います。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
(企業統治体制の概要)
当社は監査役会設置会社です。取締役会において、5名の独立性のある社外役員を含め、各取締役及び各監査役が忌憚のない意見を述べて議論することで、相互牽制機能を有効に働かせています。
また、執行役員制度を導入し、取締役会による経営全般の監督機能及び意思決定機能と執行役員による個々の部門の業務執行を切り分けて、責任と権限の所在を明確化し、経営監視機能のさらなる向上を図っています。
(当該体制を採用する理由)
取締役会の相互牽制機能、監督機能及び意思決定機能、並びに監査役会による取締役の業務執行についての厳正な監視及び会社業務全般にわたる厳しい監査により、適正なコーポレート・ガバナンスを確保できるものと判断し、当該体制を採用しています。
③ 企業統治に関するその他の事項
イ.会社の機関の基本説明
a.取締役会は、当社及びグループ経営の基本方針及び法令・定款で定められた事項、その他経営に関する重要事項を決定するとともに、業務執行状況を監督する機関として位置付けています。
また、サステナビリティ(持続可能性)を巡る環境・社会的な課題の重要性に鑑み、当社グループ各社が果たすべき社会的責任に関する各種の理念及び基本方針を定め、役員及び従業員の意識を高めるとともに、ステークホルダーに配慮しながら課題解決に向け積極的な取り組みを推進することを通じ、社会の持続可能な発展と当社グループの企業価値の向上を図っています。
2025年度においては、定例的な付議事項・四半期業務報告に加え、当社グループの重要事項を付議しました。最終年度となった中期経営計画2025の達成に向けた取り組みを監督するとともに、中期経営計画2030の策定に向け、各部門が設定したKPIの進捗状況を四半期ごとに取締役会に報告し、資本効率管理体制の導入に向けた議論を行いました。
取締役会で議論したポイントとして、以下の事項が挙げられます。
提出日2026年6月25日現在、取締役は9名で、そのうち3名が社外取締役です。社外取締役は、1名が官僚出身の企業経営経験者、1名が会計事務所・税理士法人の実務経験者、もう1名が企業経営経験者であり、それぞれの専門的な知識・経験などや、幅広い見識と国際感覚を活かし、当社及びグループ会社の出身者以外から選任しています。なお、当社の取締役は12名以内とする旨、また取締役の選任決議について、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨、累積投票によらない旨を定款で定めています。
(提出日2026年6月25日現在の取締役会構成員の氏名等)
議 長:代表取締役会長 野沢徹
構成員:代表取締役社長 瀬邊明、代表取締役副社長 杉野光広、代表取締役副社長 村上泰人、
取締役 安永敦美、取締役 渡邊惠子、社外取締役 藤岡誠、社外取締役 八田陽子、
社外取締役 救仁郷豊
なお、当社は、2026年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役9名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されますと、取締役は9名で、そのうち3名が社外取締役となる予定です。また、当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会において代表取締役の選定、役付取締役の選定及び取締役の順序決定を決議する予定です。これらが承認可決された場合の取締役会の構成員については、次のとおりです。
(2026年6月26日以降の取締役会構成員の氏名等)
議 長:代表取締役会長 野沢徹
構成員:代表取締役社長 瀬邊明、代表取締役副社長 杉野光広、代表取締役副社長 村上泰人、
取締役 渡邊惠子、 取締役 藤原隆史、社外取締役 藤岡誠、社外取締役 八田陽子、
社外取締役 救仁郷豊
取締役会は、2025年度は13回開催され、議長及び各構成員の出席率は次のとおりです。
(注)瀬邊明氏、村上泰人氏及び渡邊惠子氏は、2025年6月27日開催の第101回定時株主総会において
新たに取締役に選任され就任しましたので、就任後の取締役会出席回数を記載しています。
b.提出日2026年6月25日現在、監査役会は4名で構成されており、うち3名は財務会計に関する知見を有する監査役です。監査役は、取締役会、月次経営執行会議、グループ経営戦略会議などの重要な会議に出席し、加えて常勤監査役は月次以外の経営執行会議に出席するなど、取締役の業務執行について厳正な監視を行うほか、会社業務が全般にわたり適法・適正に行われているかを厳しく監査しています。また、「日本製紙グループ監査役連絡会」を主宰し、主要グループ各社の監査役と監査方針・監査方法などを定期的に協議するほか、お互いに情報交換を実施するなど連携強化を図り、グループ監査の充実に努めています。
(提出日2026年6月25日現在の監査役会構成員の氏名等)
議 長:常任監査役(常勤)板倉智康
構成員:監査役(常勤)西本智美、社外監査役 奥田隆文、社外監査役 青野奈々子
監査役会は、2025年度は14回開催され、議長及び各構成員の出席率は100%です。詳細については、「(3) 監査の状況」をご参照ください。
c.業務執行体制については、執行役員制度を採用することにより、責任と権限の明確化及び執行の迅速化を図っています。また、社長の業務執行を補佐するために週1回、経営執行会議を開催し、重要な業務執行の審議を行っています。このほか、当社グループ全体の発展を期するため、グループ経営戦略会議を必要に応じて開催し、事業分野ごとの経営戦略などグループに関する重要事項について審議を行っています。
d.経営内容の透明性を確保するため、経営企画部にてIR業務を担当し、迅速かつ公正な情報開示を通じて、当社グループの経営・活動に関して、株主はじめステークホルダーへのご理解促進に努めています。
e.当社は、コーポレート・ガバナンスの一層の充実を図るため、取締役会の諮問機関として、人事・報酬諮問委員会を設置しています。人事・報酬諮問委員会は、取締役及び監査役候補者の選任プロセス、資質及び指名理由、独立社外役員にかかる独立性判断基準等並びに役員報酬体系等に関して、取締役会から諮問を受けて、その適切性などについて検討し、会社の業績などの評価も踏まえ、答申を行います。同委員会は、代表取締役社長、総務・人事本部長及び独立社外取締役で構成され、委員長は代表取締役社長が務めています。議長は原則として委員長が務めますが、独立性と客観性の確保が特に必要な審議事項については、独立社外取締役が議長を務めています。
(提出日2026年6月25日現在の人事・報酬諮問委員会構成員の氏名等)
委員長:代表取締役社長 瀬邊明
構成員:総務・人事本部長 高橋孝一郎、社外取締役 藤岡誠、社外取締役 八田陽子、
社外取締役 救仁郷豊
人事・報酬諮問委員会は、2025年度は4回開催されており、委員長及び各委員の出席率は
次のとおりです。
(注)瀬邊明氏は、2025年6月27日開催の第101回定時株主総会において新たに取締役に選任され
就任しましたので、就任後の人事・報酬諮問委員会出席回数を記載しています。
ロ.会社の機関・内部統制の関係

(注)上記の図表は、提出日2026年6月25日現在の状況を表示しています。
当社は、2026年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役9名選任の件」を
提案しており、当該議案が承認可決された場合の状況も同様です。
ハ.内部統制システムの整備の状況
当社は、2006年5月25日開催の取締役会において、内部統制システムの構築に関する基本方針を決議し、適宜これを改定しています。基本方針は次のとおりです。
ニ.自己株式の取得
当社は、機動的な資本政策の遂行を可能とするため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨を定款で定めています。
ホ.中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元を可能とするため、取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として、中間配当をすることができる旨を定款で定めています。
ヘ.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
a.基本方針について
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資する者が望ましいと考えています。
もっとも、当社は、株式を上場して市場での自由な取引に委ねているため、会社を支配する者の在り方は、最終的には株主の皆さま全体の意思に基づき決定されるべきであり、会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるか否かの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えます。しかしながら、当社株式等に対する大規模買付行為や買付提案の中には、買付目的や買付後の経営方針等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、株主が買付けの条件等について検討したり、当社の取締役会が代替案を提案するための充分な時間や情報を提供しないもの、買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との交渉を必要とするもの等、株主共同の利益を毀損するものもあり得ます。
当社は、このような大規模買付行為や買付提案を行う者は、例外的に当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと判断します。
b.基本方針の実現に資する取組みについて
(a) 中期経営計画について
当社グループは再生可能な木材資源の活用を通じて、豊かな暮らしと地球環境の両立を支える企業活動を実践しています。
この持続的成長をさらに確かなものにするため、2021年4月からは5か年の中期経営計画2025を推進しました。同時に策定した長期ビジョン「2030ビジョン」の前半5年間を中期経営計画2025と位置付け、成長分野の各事業においてスピード感を重視した投資を進めるとともに、洋紙事業の各生産拠点に有するリソースをフル活用することで、事業構造転換を図ってきました。また森林資源を基盤とした循環型の事業を通じて暮らしと文化に貢献し、企業価値・株主共同の利益の確保・向上に努めてきました。
本年5月、中期経営計画2030を発表しました。主な課題は資本効率の向上と収益力の強化であり、基本戦略として「B/S(バランスシート)の最適化」「構造改革の断行」「収益性の向上」を掲げました。財務目標としてROIC4%以上、ROE8%以上、ネットD/Eレシオ1.0倍以下、営業利益600億円以上を設定し、資本市場との積極的な対話と情報開示に努め、資本コストや株価を意識した経営を実践していきます。
(b) コーポレート・ガバナンスの取組み
当社は、株主をはじめとするステークホルダーに対する経営の透明性を一層高め、公正な経営を実現することを経営の最重要課題とします。業務執行と経営の監督の分離を確保するため、執行役員制度を採用するとともに、取締役会の監督機能の強化に努めます。また、当社はグループの経営の司令塔として、成長戦略を推進し、傘下事業をモニタリングし、コンプライアンスを推進します。
このような取組みにより、当社は、今後もより一層コーポレート・ガバナンスの強化に努めていきます。
株式会社の支配に関する基本方針は以上のとおりですが、当社は、当社の企業価値ひいては株主全体の利益の向上に向けた取り組みに努めるとともに、当社株式に対する大規模買付行為が行われる場合には、大規模買付行為の是非を株主の皆さまが適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見を開示する等、金融商品取引法、会社法その他関係法令に基づき、適切な措置を講じていきます。
ト.責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項に基づき、社外取締役及び社外監査役との間で、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づく損害賠償責任限度額は、法令が定める額としています。なお、当該責任限定が認められるのは、当該社外取締役及び社外監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
チ.役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、当社の取締役、監査役及び執行役員等並びに日本製紙クレシア㈱、日本製紙パピリア㈱及び日本東海インダストリアルペーパーサプライ㈱の取締役及び監査役を被保険者とした、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しており、2026年8月に当該保険契約を更新する予定です。当該契約の内容の概要は、以下のとおりです。
a.被保険者が自らの業務行為に起因し、株主や取引先などの第三者から損害賠償請求を受けた場合に被保険者が負担することとなった争訟費用や法律上の損害賠償金等を填補の対象としています。
b.被保険者が法令違反を認識して行った行為に起因する損害賠償請求等は填補の対象外としています。
c.当該保険契約の保険料は全額会社が負担しています。
リ.株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うため、会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めています。
④ リスク管理体制の整備の状況
企業活動にあたっての様々なリスクを適切に管理することが、企業の継続的かつ安定的な発展に寄与し、企業価値を向上させるために重要であると考えており、当社グループは、リスク管理の強化に積極的に取り組んでいます。
重要な事業運営・業務執行案件につきましては、グループ各社において経営会議・常務会などで実質的な審議を行い、さらに各社の取締役会においても充分に審議し、決定することで経営リスクに対応しています。また、グループ経営の基本方針に関わる重要な業務執行案件などにつきましても、各社の経営会議などにおいて審議を経た後、当社の経営執行会議などにて最終的に審議の上、決定を下すことで、リスクの確実な管理を行っています。
また、当社グループは、サステナビリティ経営の一環としてSX推進本部により、リスク管理の強化に取り組んでいます。また、法令遵守、企業倫理、安全防災、製品・サービス、環境保全、原材料調達に関し、それぞれ理念と基本方針を定め、グループ各社への周知徹底と実践を図っており、企業活動におけるこれらのリスク管理の強化を推進しています。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
1.2026年6月25日(有価証券報告書提出日)現在の当社の役員の状況は、次のとおりです。
男性10名 女性3名 (役員のうち女性の比率23.1%)
(注)1.取締役のうち、藤岡誠、八田陽子及び救仁郷豊は、社外取締役です。
2.監査役のうち、奥田隆文及び青野奈々子は、社外監査役です。
3.取締役の任期は、2025年3月期に係る定時株主総会終結の時から2026年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
4.監査役のうち、青野奈々子の任期は、2023年3月期に係る定時株主総会終結の時から2027年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
5.監査役のうち、板倉智康及び西本智美の任期は、2025年3月期に係る定時株主総会終結の時から2029年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
6.監査役のうち、奥田隆文の任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2028年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
7.当社は法令に定める監査役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定める補欠監査役1名を選出しています。補欠監査役の略歴は次のとおりです。
(注)補欠監査役の任期は、就任した時から退任した監査役の任期の満了の時までです。
(参考)提出日現在の執行役員は次のとおりです。
2.2026年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役9名選任の件」及び「監査役2名選任の件」を提案しており、当該決議が承認可決されますと、当社の役員の状況は次のとおりとなる予定です。なお、役員の役職等につきましては、当該定時株主総会の直後に開催が予定される取締役会の決議事項の内容(役職等)を含めて記載しています。
男性10名 女性3名 (役員のうち女性の比率23.1%)
(注)1.取締役のうち、藤岡誠、八田陽子及び救仁郷豊は、社外取締役です。
2.監査役のうち、奥田隆文及び青野奈々子は、社外監査役です。
3.取締役の任期は、2026年3月期に係る定時株主総会終結の時から2027年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
4.監査役のうち、青野奈々子の任期は、2023年3月期に係る定時株主総会終結の時から2027年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
5.監査役のうち、板倉智康及び西本智美の任期は、2025年3月期に係る定時株主総会終結の時から2029年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
6.監査役のうち、奥田隆文の任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2028年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
7.当社は法令に定める監査役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定める補欠監査役1名を選出しています。補欠監査役の略歴は次のとおりです。
(注)補欠監査役の任期は、就任した時から退任した監査役の任期の満了の時までです。
(参考)2026年6月26日予定の執行役員は次のとおりです。
② 社外役員の状況
当社の社外取締役は3名であり、社外取締役の藤岡誠氏は、2019年6月まで公益社団法人新化学技術推進協会の専務理事を務めており、当社は同協会にセミナー費を支払っていますが、その金額は僅少(年間10万円未満)です。また、同氏は、2023年6月までイーグル工業株式会社の社外取締役を務めており、当社は同社との間に設備関連の仕入取引がありますが、その取引額は僅少(当社の仕入金額が、同社の売上高に占める割合は、1%未満)です。なお、同氏は、当社の株式1千株を所有しています。当社と同氏の間にはそれ以外に人的関係、資本的関係又は重要な取引関係その他の利害関係はありません。
社外取締役の八田陽子氏は、2020年6月まで株式会社IHIの社外監査役を務めており、当社は同社との間に設備関連の仕入取引がありますが、その取引額は僅少(当社の仕入金額が、同社の売上高に占める割合は、1%未満)です。また、同氏は、現在、味の素株式会社の社外取締役を務めており、当社は同社との間にケミカル事業での販売取引がありますが、その取引額は僅少(販売金額が、当社の売上高に占める割合は、1%未満)です。当社と同氏の間にはそれ以外に人的関係、資本的関係又は重要な取引関係その他の利害関係はありません。
社外取締役の救仁郷豊氏は、2017年3月まで東京ガス株式会社の取締役を務めており、当社は同社との間に燃料等の仕入取引がありますが、その取引額は僅少(当社の仕入金額が、同社の売上高に占める割合は、1%未満)です。また、同氏は、2020年3月まで東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社の取締役を務めており、当社は同社との間に設備関連の支払い取引がありますが、その取引額は僅少(当社の仕入金額が、同社の売上高に占める割合は、1%未満)です。当社と同氏の間にはそれ以外に人的関係、資本的関係又は重要な取引関係その他の利害関係はありません。
当社の社外監査役は2名であり、社外監査役の奥田隆文氏は、現在、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業客員弁護士を務めており、当社は同事務所との間に弁護士費用の支払がありますが、顧問契約等は締結しておらず、その支払額は僅少(年間200万円未満)です。当社と同氏の間にはそれ以外に人的関係、資本的関係又は重要な取引関係その他の利害関係はありません。また、社外監査役の青野奈々子氏は、現在、株式会社ミスミグループ本社の社外監査役を務めており、当社は同社との間に設備関連の仕入取引がありますが、その取引額は僅少(当社の仕入金額が、同社の売上高に占める割合は、1%未満)です。当社と同氏の間にはそれ以外に人的関係、資本的関係又は重要な取引関係その他の利害関係はありません。
当社は、社外取締役及び社外監査役の候補者を決定する際に、法令に定める社外性の要件(過去に当社及び当社の子会社の取締役、使用人等となったことがないこと)に加え、東京証券取引所が定める独立性判断基準を満たし、一般株主との間で利益相反が生ずるおそれがないことも加味して、その独立性を判断しています。
当社は、上記の基準を踏まえて、社外取締役及び社外監査役が独立性を有すると判断しています。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統 制部門との関係
社外取締役及び社外監査役は、常勤監査役とともに原則毎月社外役員懇談会を開催し、情報交換を行っています。
社外監査役は常勤監査役とともに、会計監査人と年4回の定期会合のほか必要に応じ会合をもち、監査計画や監査報告について協議することにより、連携を図っています。
社外取締役及び社外監査役は、常勤監査役とともに経営監査室から監査結果等の報告を受けています。
社外監査役は常勤監査役とともに半期ごとに経理部から決算の状況を聴取しています。
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査の状況
有価証券報告書提出日現在、当社は監査役会を常勤監査役2名及び非常勤監査役2名(社外監査役)の4名で構成しており、財務・会計・法務に関する相当程度の知見を有する者が監査役に就任しています。
監査役は監査役会規則及び期初に策定する監査方針と役割分担に基づき、業務の適正を確保するための体制の整備・運用状況及び取締役の職務執行についての適法性・妥当性を監視・検証するため、取締役会その他重要な会議に出席し、取締役及び使用人等からその職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求め、重要な決裁書類等を閲覧し、本社及び主要な事業所において業務及び財産の状況を調査します。また、関係会社の取締役及び監査役等と意思疎通及び情報の交換を図り、必要に応じて関係会社に赴き業務の報告を受けます。監査結果についてはフィードバックのうえ、指摘事項の改善を促し、重要事項については当社取締役に報告します。
当事業年度における監査役会の開催及び監査役の出席状況は次のとおりです。
(注)板倉智康氏は、2025年6月27日開催の第101回定時株主総会において新たに常任監査役に
選任され就任しましたので、就任後の監査役会出席回数を記載しています。
監査役会においては、監査方針・監査計画及び業務分担、会計監査人の選解任又は不再任に関する事項(会計監査人に関する評価を含む)、会計監査人の報酬等に対する同意等の監査役会決議による事項について検討・確認を行いました。また、会計監査人からは期初に監査計画の説明を受け、期中に適宜監査状況を聴取し、期末に監査結果の報告を受けるなど、監査役会として密接な連携を図りました。このほかに、代表取締役社長との定期的な意見交換を実施するとともに、重要会議(取締役会・経営執行会議・グループ経営戦略会議等)に出席しました。
常勤監査役は、当社及び関係会社に対して情報の収集に努め、内部統制システムの整備・運用状況を日常的に監視検証するとともに、社外監査役と意思の疎通を図りました。
② 内部監査の状況
a.内部監査の組織、人員
社長直属の経営監査室(12名)が当社及びグループ会社の内部監査(業務監査)及び財務報告に係る内部統制の整備・運用状況評価を担当しています。なお、経営監査室のメンバーは、多様な部門での実務経験者を配置しています。
b.内部監査の手続き
内部監査は「内部監査規則」に基づき、社長の承認を得た年度監査計画に従って当社及びグループ会社を対象として、法令の遵守状況、内部統制システムの整備・運用状況を監査しています。2025年度は、当社の本社部門・工場及び子会社(合計13拠点)を対象として実施しました。監査結果を監査先にフィードバックするとともに、当社関係部門と連携を図りながら、必要に応じて外部専門家を紹介するなど、改善のための支援を行っています。個々の内部監査結果については、経営監査室長より、当社代表取締役社長以下経営層、社外取締役、常勤監査役及び社外監査役に対して適宜報告しています。
財務報告に係る内部統制の整備・運用状況評価は、「財務報告に係る内部統制に関する規則」に基づき、対象部門のモニタリング結果を取りまとめ、会計監査人と協議の上、評価結果を対象部門へフィードバックしています。2025年度は、当社並びに連結子会社22社及び持分法適用関連会社7社を対象として全社的な評価を行い、内5社を対象として業務プロセスの評価を実施しました。
内部監査結果及び財務報告に係る内部統制の評価結果の概要については、年1回、定期的に取締役会に報告しています。
監査役と経営監査室は、毎月1回、定期的に情報交換会を実施しています。また、監査役と会計監査人のミーティングに経営監査室長も適宜出席し、監査計画・監査実績について情報を共有して連携を図っています。経営監査室と会計監査人は、財務報告に係る内部統制の整備・運用状況評価に関するミーティングを適宜実施し、情報を共有して連携を図っています。
③ 会計監査の状況
a.監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
b.継続監査期間
1951年以降
c.業務を執行した公認会計士
市川 亮悟
櫛田 達也
大貫 一紀
d.監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士18名、その他25名です。
(注)その他は、公認会計士試験合格者、システム監査担当者等です。
e.監査法人の選定方針とその理由
当社における会計監査人の選定及び評価に際しては、当社の広範な業務内容に対応して効率的な監査業務を実施することができる一定の規模があり、世界的なネットワークを持ち、海外の会計や監査への知見のある人材が豊富であることから選定しました。
監査役会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号のいずれかに該当すると認められる場合には、同条の規定に従い、監査役の全員の同意によって、会計監査人を解任します。
また、監査役会は、関連する法令又は基準等が定める会計監査人の独立性及び適格性を勘案し、解任又は不再任に関する株主総会の議案の内容を決定します。
f.監査役及び監査役会による監査法人の評価
当社の監査役会は監査法人に対して毎期評価を行っています。監査役会は、監査役監査の状況に記載のとおりEY新日本有限責任監査法人との緊密なコミュニケーションをとっており、適時かつ適切に意見交換や監査状況を把握しています。その結果、監査法人が有効に機能し、監査品質に相対的優位性があるものと判断しています。
④ 監査報酬の内容等
a.監査公認会計士等に対する報酬
当社における前連結会計年度の非監査業務の内容は、「リースに関する会計基準」の適用に関する支援業務、当連結会計年度の非監査業務の内容は、社債の発行に係るコンフォート・レターの作成業務です。
また、連結子会社における当連結会計年度の非監査業務の内容は、「再生エネルギー賦課金減免制度」の適用に関する支援業務です。
b.監査公認会計士等と同一のネットワーク(アーンスト・アンド・ヤング)に対する報酬(a.を除く)
当社における前連結会計年度及び当連結会計年度の非監査業務の内容は、税務関係業務等です。
連結子会社における前連結会計年度及び当連結会計年度の非監査業務の内容は、コンサルティング業務等です。
c.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
(前連結会計年度)
当社の一部の連結子会社は、当社の監査公認会計士等と同一のネットワークに属さない組織に対して、法定監査報酬として71百万円を支払っています。
(当連結会計年度)
当社の一部の連結子会社は、当社の監査公認会計士等と同一のネットワークに属さない組織に対して、法定監査報酬として73百万円を支払っています。
d.監査報酬の決定方針
該当事項はありませんが、会計監査人に対する報酬の額は、代表取締役が監査役会の同意を得て決定しています。
e.監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、会計監査人から説明を受けた当連結会計年度の会計監査計画の監査日数や人員配置等の内容、前連結会計年度の監査実績の検証と評価、会計監査人の職務監査の遂行状況の相当性、報酬の前提となる見積りの算出根拠等を精査した結果、会計監査人の報酬等の額について同意しました。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
a.報酬体系
(a) 取締役の月次報酬は、当社における職責に応じて基準額を定め、そのうち70%を固定的に支給し、30%については、原則として前事業年度業績に応じて増減した上で支給します。基準額は、外部の客観的な調査データを活用し、当社の業績、事業規模、経営環境等を考慮して決定します。業績指標は、業績目標達成の動機づけとして有効に機能するように設定し、適宜、環境の変化に応じて見直しを行います。また、月次報酬のうち一定額を、役員持株会への拠出により当社株式の取得に充てます。取得した株式は在任中継続して保有します。なお、賞与、退職慰労金はありません。
(b) 取締役については、取締役の報酬と当社の株式価値との連動性をより明確にし、株価上昇によるメリットのみならず、株価下落リスクまでも株主と共有することで、当社の中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めるため、株式給付信託による株式報酬を支給します。株式報酬は、当社が拠出する金銭を原資として信託を通じて取得する当社株式及び当社株式を時価で換算した金額相当の金銭を、当該信託を通じて取締役に給付するものです。給付する株式数は、職責に応じたポイント数に基づき算出します。株式報酬の支給時期は、原則として取締役の退任時とします。なお取締役の固定報酬、業績連動報酬、株式報酬の構成割合については、各報酬の目的を踏まえて適切に設定します。
(c) 社外取締役及び監査役については、月次報酬を固定的に支給します。なお、その職責に鑑み、役員持株会への拠出は任意とします。
b.月次報酬
(a) 取締役の月次報酬に関する業績連動に係る指標
(イ) 業績評価の基準は、70%が連結業績、30%が当社業績です。
(ロ) 指標は、連結業績・当社業績(※)における売上高及び営業利益の対中期経営計画達成度、2030ビジョンにおけるGHG排出量削減目標達成度、従業員エンゲージメントに関する目標達成度です。
(※)日本東海インダストリアルペーパーサプライ㈱の業績を加味した金額を使用しています。
(b) 当該業績連動に係る指標を選択した理由
(イ) 当社は、事業持株会社として当社及び連結経営に係る重要意思決定を担っていることに鑑みて、連結業績と当社業績(いずれも対中期経営計画達成度)を複合的に評価します。
(ロ) 売上高を選択した理由は、トップラインの拡大を推進するためです。特に成長事業の売上高拡大を後押しすることがねらいです。
(ハ) 営業利益を選択した理由は、当社の中期経営計画2025(2021年4月~2026年3月)において、営業利益を「早期に400億円以上」とすることを掲げているためです。
(ニ) 2030ビジョンにおけるGHG排出量削減目標達成度、従業員エンゲージメントに関する目標達成度を選択した理由は、2030ビジョン達成に向けて当社が取り組むべきテーマを改めて明確化し、その実現をコミットするためです。
(c) 当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容が決定方針に沿うものであると取締役会が判断した理由
当社では、人事・報酬諮問委員会において、当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容が決定方針に沿うものであることを確認しています。報酬決定の手続きは以下のとおりです。
(イ) 当社は、コーポレート・ガバナンスの一層の充実を図るため、取締役会の諮問機関として、独立社外取締役を主要な構成員とする人事・報酬諮問委員会を設置します。
(ロ) 人事・報酬諮問委員会は、当社の役員報酬体系等に関して、取締役会から諮問を受けて、その適切性等について検討し、会社の業績等の評価も踏まえ、答申を行います。
(ハ) 人事・報酬諮問委員会は、その委員を代表取締役社長、総務・人事本部長及び独立社外取締役で構成し、事務局は人事部長とします。
(ニ) 人事・報酬諮問委員会は、同委員会の委員である独立社外取締役の適切な関与・助言を得ながら、検討を進めます。
(ホ) 取締役会は、人事・報酬諮問委員会の答申を得て、取締役の報酬等の決定を行います。
(d) 当事業年度における当該業績連動報酬に係る指標の目標、実績
当社の当事業年度における業績連動報酬に係る指標の目標は中期経営計画であり、2024年度の実績は、連結業績は売上1,182,431百万円、営業利益19,706百万円、当社業績は売上高590,531百万円、営業利益11,482百万円です。
(e) 報酬限度額
(イ) 取締役の報酬限度額は、2019年6月27日開催の第95回定時株主総会において、年額700百万円以内(うち社外取締役分として年額60百万円以内)と決議しています。なお、当該定時株主総会終結時点の取締役の員数は9名(うち社外取締役は3名)です。
(ロ) 監査役の報酬限度額は、2007年6月22日開催の第83回定時株主総会において、年額120百万円以内と決議しています。なお、当該定時株主総会終結時点の監査役の員数は4名です。
c.株式報酬
(a) 本制度の概要
本制度は、当社が拠出する金銭を原資として当社株式が信託(以下、本制度に基づき設定される信託を「本信託」といいます。)を通じて取得され、取締役等に対して、当社が定める役員株式給付規程に従って、当社株式及び当社株式を時価で換算した金額相当の金銭(以下、「当社株式等」といいます。)が本信託を通じて給付される株式報酬制度です。なお、取締役等が当社株式等の給付を受ける時期は、原則として取締役等の退任時です。
(b) 本制度の対象者
取締役(社外取締役を除きます。)及び取締役を兼務しない執行役員等です。本制度の対象となる取締役の 員数は、社外取締役を除く6名です。なお、海外居住者については、株式報酬分を金銭にて支給します。
(c) 信託期間
2019年11月から本信託が終了するまで(なお、本信託の信託期間について、特定の終了期日は定めず、本制度が継続する限り本信託は継続します。本制度は、当社株式の上場廃止、役員株式給付規程の廃止等により終了します。)
(d) 信託金額
当社は、2020年3月末日で終了する事業年度から2022年3月末日で終了する事業年度までの3事業年度(以下、当該3事業年度の期間を「当初対象期間」といい、当初対象期間及び当初対象期間の経過後に開始する3事業年度ごとの期間を、それぞれ「対象期間」といいます。)及びその後の各対象期間を対象として本制度を導入し、取締役等への当社株式等の給付を行うため、本信託による当社株式の取得の原資として、以下の金銭を本信託に拠出します。
まず、当社は、本信託設定(2019年11月)時に、当初対象期間に対応する必要資金として見込まれる相当額の金銭を拠出し、本信託を設定します。本制度に基づき取締役等に対して付与するポイントの上限数は、下記(f)のとおり、1事業年度当たり80,000ポイント(うち取締役分として25,000ポイント)であり、本信託設定時には、直前の東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の終値を考慮して、合理的に見込まれる必要資金を本信託に拠出します。
また、当初対象期間経過後も、本制度が終了するまでの間、当社は、原則として対象期間ごとに、本制度に基づく取締役等への給付を行うために必要な株式数を合理的に見込み、本信託が先行して取得するために必要と認める資金を、本信託に追加拠出することとします。ただし、かかる追加拠出を行う場合において、信託財産内に残存する当社株式(直前までの各対象期間に関して取締役等に付与されたポイント数に相当する当社株式で、取締役等に対する給付が未了であるものを除きます。)及び金銭(以下、「残存株式等」といいます。)があるときは、残存株式等は次期対象期間における本制度に基づく給付の原資に充当し、残存株式等を勘案した上で、次期対象期間に関する追加拠出額を算出します。なお、当社が追加拠出を決定したときは、適時適切に開示します。
(e) 当社株式の取得方法
本信託による当社株式の取得は、上記(d)により拠出された資金を原資として、取引市場を通じて又は当社の自己株式処分を引き受ける方法によりこれを実施します。
なお、提出日現在における本信託が所有する当社株式は384,800株です。
(f) 取締役等に給付される当社株式等の数の具体的な算定方法
取締役等には、各事業年度に関して、役員株式給付規程に基づき役位に応じて定まる数のポイントが付与されます。取締役等に付与される1事業年度当たりのポイント数の合計は、80,000ポイント(うち取締役分として25,000ポイント)を上限とします。これは、現行の役員報酬の支給水準、取締役等の員数の動向と今後の見込み等を総合的に考慮して決定したものであり、相当であるものと判断しています。
なお、取締役等に付与されるポイントは、下記(g)の当社株式等の給付に際し、1ポイント当たり当社普通株式1株に換算されます(ただし、本株主総会における株主の皆様による承認決議の後において、当社株式について、株式分割、株式無償割当て又は株式併合等が行われた場合には、その比率等に応じて、ポイント数の上限及び付与済みのポイント数又は換算比率について合理的な調整を行います。)。
下記(g)の当社株式等の給付に当たり基準となる取締役等のポイント数は、原則として、退任時までに当該取締役等に付与されたポイント数とします(以下、このようにして算出されたポイントを、「確定ポイント数」といいます。)。
(g) 当社株式等の給付及び報酬等の額の具体的な算定方法
取締役等が退任し、役員株式給付規程に定める受益者要件を満たした場合、当該取締役等は、所定の受益者確定手続を行うことにより、原則として上記(f)に記載のところに従って定められる「確定ポイント数」に応じた数の当社株式について、退任後に本信託から給付を受けます。ただし、役員株式給付規程に定める要件を満たす場合は、一定割合について、当社株式の給付に代えて、当社株式の時価相当の金銭給付を受けます。なお、金銭給付を行うために、本信託により当社株式を売却する場合があります。
取締役が受ける報酬等の額は、ポイント付与時において取締役に付与されるポイント数の合計に本信託の有する当社株式の1株当たりの帳簿価額を乗じた金額(ただし、当社株式について、株式分割、株式無償割当て又は株式併合等が行われた場合には、その比率等に応じて合理的な調整を行います。)とします。
(h) 議決権行使
本信託勘定内の当社株式に係る議決権は、信託管理人の指図に基づき、一律に行使しないこととします。かかる方法によることで、本信託勘定内の当社株式に係る議決権の行使について、当社経営への中立性を確保することを企図しています。
(i) 配当の取扱い
本信託勘定内の当社株式に係る配当は、本信託が受領し、当社株式の取得代金や本信託に係る受託者の信託報酬等に充てられます。なお、本信託が終了する場合において、本信託内に残存する配当金等は、当社及び当社取締役等と利害関係のない団体へ寄附されることになります。
(j) 信託終了時の取扱い
本信託は、当社株式の上場廃止、役員株式給付規程の廃止等の事由が発生した場合に終了します。
本信託終了時における本信託の残余財産のうち、当社株式については、全て当社が無償で取得した上で、取締役会決議により消却することを予定しています。本信託終了時における本信託の残余財産のうち、金銭については、上記(i)により団体に寄附される金銭を除いた残額が当社に給付されます。
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
③ 役員ごとの連結報酬等の総額等
連結報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、記載していません。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、純投資目的株式を保有していませんが、純投資目的株式には専ら株式価値の変動又は配当金を目的として保有する株式を区分します。
純投資目的以外の株式には、中長期的な経済合理性や、取引先との総合的な関係の維持・強化の観点から保有の合理性があると判断し保有する株式を区分しています。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、企業価値向上のための中長期的な視点に立ち、事業戦略上の重要性、取引先との関係等を総合的に勘案し、政策的に必要と判断する株式を保有しています。保有意義については、毎年取締役会において検証しており、当事業年度においては、2025年4月28日の取締役会において検証を行いました。また、2025年5月15日公表の「政策保有株式の縮減について」において、政策保有株式のさらなる縮減に向け「原則として全廃」を目標とし、2025年度から2027年度末までに、売却額ベースで、上場株式を150億円縮減する目標を設定しました。従来の縮減目標については、2年前倒しの2025年度末にて目標を達成したことから、2026年5月15日公表の「政策保有株式の縮減目標について」において、2026年度から2030年度末までに、売却額ベースで、上場株式を250億円縮減する目標を新たに設定しています。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注)1.「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しています。
2.当社の株式の保有の有無において、※印の会社については子会社での当社株式保有を確認しています。
みなし保有株式
(注)1.貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算していません。
2.当社の株式の保有の有無において、※印の会社については子会社での当社株式保有を確認しています。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当するものはありません。
④ 当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの
該当するものはありません。
⑤ 当事業年度の前4事業年度及び当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更
したもの
該当するものはありません。
5 【従業員の状況等】
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
① 人的資本戦略
当社グループの人的資本戦略については、前述の「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (9) 人的資本戦略」をご参照ください。
② 従業員の給与の決定に関する方針
当社の賃金制度は、社員が安定した生活基盤のもとで長期的に成長し、価値創造力を発揮できるよう設計しています。
基本給は「職級(役割や能力による区分)」と「号給(習熟度に応じた段階)」に基づいて決定し、原則として、年1回昇給する仕組みとしています。昇給に際しては、各人の職務遂行能力や情意面(仕事への取組み姿勢など)を評価し、その結果を反映しています。
また、基本給に加えて、役職、保有資格、交替勤務、生活支援などの要素に応じた各種手当を支給しています。特に当社は連続操業が必要な事業であるため、夜勤に従事する社員に対しては、法令を上回る水準の深夜勤務手当を支給しています。
賞与については、当該年度の会社業績を踏まえて検討し、労使交渉を経て支給額を決定しています。支給は年2回(夏季・冬季)で、賞与の一部は、各人の業績への貢献度に応じて増減したうえで支給しています。
当社は、こうした賃金制度の運用を通じて、社員の挑戦を後押しし、企業価値の向上に取り組んでいきます。
(2) 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 従業員数は就業人員であり、また臨時従業員の総数については従業員数の100分の10未満のため記載を省略しています。
(2) 提出会社の状況
2026年3月31日現在
(注)1.従業員数は就業人員です。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
(3) 労働組合の状況
当社グループは、当社をはじめ大半の連結子会社において労働組合が結成されています。また、労働組合の有無にかかわらず労使関係は円満で、特記するような事項はありません。
なお、当社の主な労働組合は、「日本製紙労働組合」と称し、日本紙パルプ紙加工産業労働組合連合会に加盟しています。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)による公表を行っている会社のみ記載しています。
2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。なお、「-」は対象となる男性労働者がいないため算出できないことを示しています。
4.労働者の男女の賃金の差異は、主に男性労働者が従事する交替勤務に対する手当支給の有無によるものです。
5.非正規労働者で男女の賃金の差異が特に大きいのは、男性労働者はフルタイム勤務の再雇用者の割合が高いのに対し、女性労働者はパートタイマーの割合が高いことによるものです。
6.労働者の男女の賃金の差異は、管理職に占める男女の割合によるものです。
7.労働者の男女の賃金の差異は、女性労働者が少ないこと、管理職に占める男女の割合及び主に男性労働者が従事する営業職勤務に対する手当支給の有無によるものです。
8.管理職に占める女性労働者の割合の向上のため、総合職の女性労働者の採用強化に取り組んでいます。また、労働者の男女の賃金の差異は、管理職及び総合職の非管理職に占める男女の割合によるものです。
9.労働者の男女の賃金の差異は、管理職に占める男女の割合及び主に男性労働者が従事する交替勤務・乗務員に対する手当の有無によるものです。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)に基づいて作成しています。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1963年大蔵省令第59号。以下、「財務諸表等規則」といいます。)に基づいて作成しています。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の財務諸表について、EY新日本有限責任監査法人により監査を受けています。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みについて
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みを行っています。具体的には、会計基準等の内容を適切に把握し、適時適切な開示をできる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構等の行うセミナーに参加し、連結財務諸表等の適正性を確保しています。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結貸借対照表】
② 【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③ 【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【注記事項】
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)
1 連結の範囲に関する事項
(1) 連結子会社の数 54社
主要な連結子会社名は、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載しているため、省略しています。
(2) 主要な非連結子会社の名称等
主要な非連結子会社
道央興発㈱
(連結の範囲から除いた理由)
非連結子会社は、いずれも小規模であり、合計の総資産、売上高、当期純損益(持分に見合う額)及び利益剰余金(持分に見合う額)等は、いずれも連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないためです。
2 持分法の適用に関する事項
(1) 持分法適用の非連結子会社数 0社
(2) 持分法適用の関連会社数 11社
主要な持分法適用の関連会社の名称
デュポン日本製紙パピリア合同会社、新東海製紙㈱、フェニックス・パルプ・アンド・ペーパー社、日本トーカンパッケージ㈱、リンテック㈱
当連結会計年度において、鈴川エネルギーセンター㈱の保有持分の全てを売却したため、同社を持分法適用の範囲から除外しています。
(3) 持分法を適用していない非連結子会社(道央興発㈱他65社)及び関連会社(日本紙運輸倉庫㈱他17社)は、それぞれ当期純損益(持分に見合う額)及び利益剰余金(持分に見合う額)等からみて、持分法の対象から除いても連結財務諸表に及ぼす影響が軽微であり、かつ、全体としても重要性がないため、持分法の適用範囲から除外しています。
(4) 持分法適用関連会社のうち、決算日が連結決算日と異なる会社については、各社の事業年度に係る財務諸表を使用しています。
3 連結子会社の事業年度等に関する事項
連結子会社のうち、十條サーマル社、サイアム・ニッポン・インダストリアル・ペーパー社、日本製紙USA社、Opal社、日本ダイナウェーブパッケージング社、ティー・エス・パッケージング社及びその子会社1社、アマパ・フロレスタル・エ・セルロース社及びその子会社2社、ニッポン・ペーパー・リソーシズ・オーストラリア社の決算日は12月31日です。
連結財務諸表の作成にあたっては、同日現在の財務諸表を使用し、連結決算日との間に生じた重要な取引については、連結上必要な調整を行っています。
4 会計方針に関する事項
(1) 重要な資産の評価基準及び評価方法
① 有価証券
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
…時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)
市場価格のない株式等
…移動平均法による原価法
② デリバティブ
…時価法
③ 棚卸資産
…主として移動平均法及び総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法)
(2) 重要な減価償却資産の減価償却の方法
① 有形固定資産(リース資産を除く)
…定率法(当社の一部及び連結子会社の一部は定額法)
ただし、1998年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備を除く)並びに2016年4月1日以降に取得した建物附属設備及び構築物については、定額法
主な耐用年数は以下のとおりです。
建物及び構築物 10~50年
機械装置及び運搬具 7~15年
② 無形固定資産(リース資産を除く)…定額法
ただし、自社利用のソフトウェアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法
③ リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零(残価保証の取決めがある場合は残価保証額)とする定額法
(3) 重要な引当金の計上基準
① 貸倒引当金の計上基準
売上債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。
② 環境対策引当金の計上基準
「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」によるPCB廃棄物の処理支出に備えるため、処理見積額を計上しています。
(4) 退職給付に係る会計処理の方法
① 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当連結会計年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっています。
② 数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(12~15年)による定額法により費用処理しています。
数理計算上の差異は、主として、各連結会計年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(5~15年)による定額法によりそれぞれ発生の翌連結会計年度から費用処理しています。
(5) 重要な収益及び費用の計上基準
当社及び連結子会社は紙・板紙事業、生活関連事業、木材・建材・土木建設関連事業における各製品の製造、販売、又は各商品の販売、及びエネルギー事業における電力の卸供給販売を主な事業内容としています。紙・板紙事業、生活関連事業、木材・建材・土木建設関連事業における製品及び商品の販売については、国内の販売においては主に出荷時から製品及び商品の支配が顧客に移転される引き渡し時までの期間が通常の期間であることから出荷時点に、輸出販売においては主にインコタームズ等で定められた貿易条件に基づきリスク負担が顧客に移転した時点にそれぞれ収益を認識しています。
エネルギー事業における電力の卸供給販売については、主に契約期間にわたり電力の供給量に直接対応する対価の額を顧客から受け取るため、電力の供給量に応じて請求する権利を有する金額で収益を認識しています。
取引の対価は履行義務を充足してから1年以内に受領しており、重要な金融要素は含まれていません。
各事業における商品販売のうち代理人として行われる取引については、顧客から受け取る対価の純額で取引価格を算定しています。また、収益は顧客との契約において約束された対価から値引き等を控除した金額で測定しています。なお、重要な変動対価の見積りはありません。
(6) 重要な外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は、連結決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しています。なお、在外子会社等の資産及び負債は在外子会社等の決算日の直物為替相場により円貨に換算し、収益及び費用は期中平均相場により円貨に換算し、換算差額は純資産の部における為替換算調整勘定及び非支配株主持分に含めて計上しています。
(7) 重要なヘッジ会計の方法
① ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理によっています。
ただし、為替予約等が付されている外貨建金銭債権債務等のうち、振当処理の要件を満たすものについては、振当処理を行っています。
また、特例処理の要件を満たす金利スワップについては特例処理を採用し、一体処理(特例処理・振当処理)の要件を満たす金利通貨スワップについては、一体処理を採用しています。
② ヘッジ手段とヘッジ対象
a.ヘッジ手段
…為替予約
ヘッジ対象
…商品等の輸出による外貨建債権、原燃料の輸入等による外貨建債務及び外貨建予定取引
b.ヘッジ手段
…金利スワップ
ヘッジ対象
…借入金
c.ヘッジ手段
…金利通貨スワップ
ヘッジ対象
…外貨建借入金
d.ヘッジ手段
…原油スワップ
ヘッジ対象
…燃料の予定購入取引
e.ヘッジ手段
…商品先物
ヘッジ対象
…電力の予定購入取引
③ ヘッジ方針
デリバティブ取引は、主として為替変動リスク、金利変動リスク及び価格変動リスクをヘッジすることを目的としています。
④ ヘッジ有効性の評価の方法
ヘッジ対象のキャッシュ・フロー変動の累計又は相場変動とヘッジ手段のキャッシュ・フロー変動の累計又は相場変動を半期毎に比較し、両者の変動額等を基礎にして、ヘッジ有効性を評価しています。
なお、特例処理の要件を満たしている金利スワップ及び一体処理(特例処理・振当処理)によっている金利通貨スワップについては、連結決算日における有効性の評価を省略しています。
また、為替予約のうち、予約締結時にリスク管理方針に従って米貨建等による同一金額で同一期日の為替予約をそれぞれ振当てているものについては、その後の為替相場の変動による相関関係は完全に確保されているので連結決算日における有効性の評価を省略しています。
(8) 連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
手許現金、要求払預金及び取得日から3か月以内に満期日の到来する流動性の高い、容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない短期的な投資からなります。
(重要な会計上の見積り)
(固定資産の減損)
1 日本製紙
当社グループは、当連結会計年度において、紙・板紙事業セグメントのうち、当社の印刷用紙事業等から構成される洋紙事業の有形固定資産に係る資産グループ121,088百万円(前連結会計年度は121,909百万円)について、事業環境の変化に伴い、販売数量が減少していることにより減損の兆候があると判断しましたが、減損損失の認識の判定において、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がその帳簿価額を上回ったことから、減損損失を認識していません。
資産グループの継続的使用によって生じる将来キャッシュ・フローの見積りは、将来の事業計画を基礎としています。主要原燃料価格については、足元では中東情勢の悪化に伴い、価格高騰が継続していますが、外部機関による将来予測をもとに、緩やかに下落すると仮定しています。販売数量については、総じて需要が低調に推移し、当連結会計年度の販売数量は前連結会計年度を下回りました。今後、国内販売数量は逓減していくと仮定しています。また、販売単価については過去の趨勢や原燃料価格の動向等を加味した価格設定としています。
当該仮定については不確実性を伴うため、今後の中東情勢や事業環境の変化により当該資産グループから得られる将来キャッシュ・フローが著しく減少した場合、減損損失が発生し、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
2 Opal社
連結子会社であるOpal社は、当連結会計年度末において、有形固定資産178,162百万円、無形固定資産3,767百万円(前連結会計年度末は有形固定資産170,641百万円、無形固定資産5,198百万円)を計上しています。
同社は国際財務報告基準を適用しており、資金生成単位に減損の兆候があるときには減損テストを実施しています。減損テストの結果、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失として認識することとしています。
当連結会計年度末において、同社は減損の兆候があると判断しましたが、検討の結果、回収可能価額が帳簿価額を上回ったことから、減損損失を認識していません。回収可能価額は公正価値により算定しており、公正価値の算定における主要な仮定は、事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フロー予測、割引率および事業計画が対象とする期間後の永久成長率であり、予測期間中に実現が見込まれる利益改善策および業務効率化の期待される効果を反映しています。
当該仮定については不確実性を伴うため、今後の事業環境の変化により資金生成単位から得られる将来キャッシュ・フローが著しく減少した場合、減損損失が発生し、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
(未適用の会計基準等)
・「リースに関する会計基準」(企業会計基準第34号 2024年9月13日)
・「リースに関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第33号 2024年9月13日)
ほか、関連する企業会計基準、企業会計基準適用指針、実務対応報告及び移管指針の改正
1 概要
国際的な会計基準と同様に、借手のすべてのリースについて資産・負債を計上する等の取扱いを定めるものです。
2 適用予定日
2028年3月期の期首より適用予定です。
3 当該会計基準等の適用による影響
影響額は、当連結財務諸表の作成時において評価中です。
(表示方法の変更)
(連結損益計算書関係)
前連結会計年度において、独立掲記していました「特別利益」の「固定資産売却益」は、金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「その他」に含めて表示しています。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っています。
この結果、前連結会計年度の連結損益計算書において、「特別利益」の「固定資産売却益」に表示していた5,220百万円及び「その他」692百万円は、「その他」5,912百万円として組み替えています。
前連結会計年度において、「特別損失」の「その他」に含めていた「災害による損失」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記しています。また、前連結会計年度において、独立掲記していました「特別損失」の「豪州事業構造改善費用」は金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「その他」に含めて表示しています。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っています。
この結果、前連結会計年度の連結損益計算書において「特別損失」の「豪州事業構造改善費用」に表示していた5,935百万円及び「その他」に表示していた984百万円は、「災害による損失」159百万円及び「その他」6,760百万円として組み替えています。
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
前連結会計年度において、独立掲記していました「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「のれん償却額」、「豪州事業構造改善費用」及び「豪州事業構造改善費用の支払額」は、金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「その他」に含めて表示しています。また、前連結会計年度において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めていた「災害による損失」及び「災害による損失の支払額」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記しています。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っています。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「のれん償却額」に表示していた1,152百万円、「豪州事業構造改善費用」に表示していた5,935百万円、「その他」に表示していた△16,429百万円及び「豪州事業構造改善費用の支払額」に表示していた△7,218百万円は、「災害による損失」159百万円、「その他」△9,341百万円、「災害による損失の支払額」△159百万円及び「小計」欄以下の「その他」△7,218百万円として組み替えています。
(連結貸借対照表関係)
※1 受取手形及び売掛金のうち、顧客との契約から生じた債権の金額は、それぞれ次のとおりです。
※2 担保資産及び担保付債務
担保に供している資産及び担保付債務は次のとおりです。
※3 非連結子会社及び関連会社項目
非連結子会社及び関連会社に対する主なものは次のとおりです。
4 保証債務
連結会社以外の会社の金融機関等からの借入等に対し、次のとおり債務保証を行っています。
5 貸出コミットメント(貸手側)
当社は、非連結子会社との間に貸出コミットメント契約を締結しています。当契約に係る貸出未実行残高は次のとおりです。
6 貸出コミットメント(借手側)
当社は、運転資金の効率的な運用を行うため取引銀行と貸出コミットメント契約を締結しています。連結会計年度末における貸出コミットメントに係る借入未実行残高は次のとおりです。
(連結損益計算書関係)
※1 顧客との契約から生じる収益
売上高については、顧客との契約から生じる収益及びそれ以外の収益を区分して記載していません。顧客との契約から生じる収益の金額は、連結財務諸表「注記事項 セグメント情報等 3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報」に記載しています。
※2 期末棚卸高は収益性の低下による簿価切下後の金額であり、次の棚卸資産評価損(△は戻入額)が売上原価に含まれています。
※3 一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費の総額は次のとおりです。
※4 一般管理費に含まれる退職給付費用は次のとおりです。
※5 一般管理費に含まれる減価償却費は次のとおりです。
※6 退職給付信託返還益
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当社は、退職給付信託資産が退職給付債務に対して大幅な積立超過の状況であり、今後もその状態が継続すると見込まれることから、退職給付信託資産の一部返還を受けています。返還に伴い、当該返還額に対応する未認識数理計算上の差異を一括処理しています。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
当社は、退職給付信託資産が退職給付債務に対して大幅な積立超過の状況であり、今後もその状態が継続すると見込まれることから、退職給付信託資産の一部返還を受けています。返還に伴い、当該返還額に対応する未認識数理計算上の差異を一括処理しています。
※7 災害による損失
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
主に日本製紙㈱八代工場で2024年12月19日に発生したボイラー事故に伴う、復旧費用等による損失です。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
主に日本製紙㈱八代工場で2024年12月19日に発生したボイラー事故に伴う、復旧費用等による損失です。
※8 固定資産除却損
※9 操業停止損失
連結子会社であるOpal社で2025年1月16日に発生した労働争議に伴い、一時的に生産活動を停止した期間に関わる固定費相当額等です。
※10 減損損失
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当社グループは以下の資産について減損損失(13,329百万円)を計上しています。
(単位:百万円)
当社グループは、減損の兆候を判定するにあたり、のれん及び事業用資産は主としてキャッシュ・フローの生成単位である事業単位で、処分予定資産、賃貸資産及び遊休資産は個別物件単位で資産のグルーピングを実施しています。
連結子会社であるOpal社は、2023年にグラフィック用紙事業から撤退し、同社メアリーベール工場(豪州ビクトリア州)の生産体制再構築に努めてきましたが、これまでの業績達成状況を踏まえ回収可能価額を慎重に検討した結果、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として特別損失に計上しています。なお、のれんの回収可能価額は、公正価値により測定しており、将来キャッシュ・フローを9.25%で割り引いて算出しています。
処分予定資産の減損損失額の内訳は、建物及び構築物47百万円、機械装置及び運搬具2,593百万円、建設仮勘定282百万円、その他19百万円となっています。遊休資産の減損損失額の内訳は、建物及び構築物0百万円、機械装置及び運搬具57百万円、土地625百万円、その他0百万円となっています。処分予定資産、賃貸資産及び遊休資産の回収可能価額は、正味売却価額又は使用価値により測定しています。なお、正味売却価額は原則として第三者による鑑定評価額又はそれに準ずる方法により算定し、使用価値については算定期間が1年未満であることから将来キャッシュ・フローを割り引いていません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
当社グループは以下の資産について減損損失(2,008百万円)を計上しています。
(単位:百万円)
当社グループは、減損の兆候を判定するにあたり、事業用資産は主としてキャッシュ・フローの生成単位である事業単位で、遊休資産及び処分予定資産は個別物件単位で資産のグルーピングを実施しています。
なお、事業用資産の回収可能価額は、使用価値により測定しており、将来キャッシュ・フローが見込めるものについては、6.4%で割り引いて算定し、それ以外のものについては、帳簿価額を減損損失として計上しています。
遊休資産及び処分予定資産の回収可能価額は、正味売却価額または使用価値により測定しています。
事業用資産の減損損失額の内訳は、建物及び構築物571百万円、機械装置及び運搬具698百万円、建設仮勘定75百万円、無形固定資産1百万円となっています。遊休資産の減損損失額の内訳は機械装置及び運搬具53百万円、土地411百万円となっています。処分予定資産の減損損失額の内訳は、建物及び構築物81百万円、機械装置及び運搬具113百万円、建設仮勘定1百万円、その他0百万円となっています。
なお、正味売却価額は原則として第三者による鑑定評価額またはそれに準ずる方法により算定し、使用価値については算定期間が1年未満であるものについては将来キャッシュ・フローを割り引いていません。
(連結包括利益計算書関係)
※ その他の包括利益に係る組替調整額並びに法人税等及び税効果額
(連結株主資本等変動計算書関係)
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1 発行済株式に関する事項
2 自己株式に関する事項
(変動事由の概要)
自己株式の増加7,098株は、単元未満株式の買取りによる増加7,098株です。
自己株式の減少38,328.56株は、当社の株式給付信託(BBT)による当社株式の交付による減少23,200株、持分法適用の関連会社における当社株式の売却による減少14,967.8株、持分法適用の関連会社に対する持分変動に伴う当社株式の当期帰属の減少1.76株及び単元未満株式の売渡しによる減少159株です。
当連結会計年度末株式数には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式264,800株を含んでいます。
3 新株予約権に関する事項
該当事項はありません。
4 配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(注)2024年6月27日定時株主総会の決議による配当金の総額には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金2百万円が含まれています。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
(注)2025年6月27日開催の定時株主総会の決議による配当金の総額には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金2百万円が含まれています。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
1 発行済株式に関する事項
2 自己株式に関する事項
(変動事由の概要)
自己株式の増加226,132株は、当社の株式給付信託(BBT)による当社株式の取得による増加220,400株、単元未満株式の買取りによる増加5,727株、及び持分法適用の関連会社に対する持分変動に伴う当社株式の当期帰属の増加5株です。
自己株式の減少100,461株は、当社の株式給付信託(BBT)による当社株式の交付による減少100,400株及び単元未満株式の売渡しによる減少61株です。
当連結会計年度末株式数には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式384,800株を含んでいます。
3 新株予約権に関する事項
該当事項はありません。
4 配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(注)1.2025年6月27日定時株主総会の決議による配当金の総額には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金2百万円が含まれています。
2.2025年11月6日取締役会の決議による配当金の総額には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金0百万円が含まれています。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
(注)2026年6月26日開催予定の定時株主総会の決議による配当金の総額には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金3百万円が含まれています。
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
※ 現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係
(リース取引関係)
オペレーティング・リース取引
(借主側)
オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料
(単位:百万円)
(注)1.一部の在外連結子会社において、国際財務報告基準第16号「リース」を適用しているため、当該子会社に係るオペレーティング・リースについては含めていません。
2.米国会計基準を採用している在外連結子会社において、米国財務会計基準審議会会計基準編纂書(ASC)第842号「リース」を適用しているため、当該子会社に係るオペレーティング・リースについては含めていません。
(貸主側)
オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料
(単位:百万円)
(金融商品関係)
1 金融商品の状況に関する事項
(1) 金融商品に対する取組方針
当社グループでは、国内においてキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、当社財務部にてグループ内資金を一元的に調達・管理しています。一時的な余資は安全性の高い金融資産で運用しています。
資金調達につきましては、グループ全体の設備投資計画等に基づいた資金予測により、必要資金を金融機関借入、コマーシャル・ペーパーや社債の発行で調達しています。具体的には、長期資金は調達の安定的な確保のため、返済年限の長期化及び平準化を図っています。また短期資金は銀行借入、債権・手形流動化等の調達手段の多様化を図るほか、主要銀行とコミットメントライン契約を締結し資金調達の流動性保持を図っています。
デリバティブ取引は金利・為替・価格変動リスクを回避するために利用し、投機的な取引は行わない方針です。
(2) 金融商品の内容及びそのリスク
営業債権である受取手形及び売掛金は顧客の信用リスクに晒されていますが、決済期日は1年以内です。また、外貨建金銭債権は為替変動リスクに晒されていますが、恒常的に外貨建金銭債務の範囲内にあり、一部の取引については先物為替予約取引を利用してヘッジしています。
投資有価証券は主として取引先企業の株式、関係会社株式です。上場株式については市場価格の変動リスクに晒されています。
営業債務である支払手形及び買掛金は1年以内の支払期日です。また、外貨建金銭債務は為替変動リスクに晒されていますが、先物為替予約取引を利用してヘッジしています。
短期借入金は運転資金の調達であり、長期借入金、社債は主に設備投資に必要な資金の調達を目的としています。長期借入金の一部は変動金利のものであり、市場金利の変動リスクに晒されていますが、個別契約毎に金利スワップ取引及び金利通貨スワップ取引をヘッジ手段として利用しています。
デリバティブ取引は、外貨建金銭債権債務及び外貨建予定取引に係る為替の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした先物為替予約取引、借入金に係る支払金利の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした金利スワップ取引、外貨建借入金に係る為替及び支払金利の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした金利通貨スワップ取引、一部の燃料購入取引の価格変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした原油スワップ取引、電力購入取引の価格変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした商品先物取引です。
なお、ヘッジ会計に関するヘッジ手段とヘッジ対象、ヘッジ方針、ヘッジの有効性の評価方法等については、前述の「注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4 会計方針に関する事項 (7) 重要なヘッジ会計の方法」をご参照ください。
(3) 金融商品に係るリスク管理体制
① 信用リスク(取引先の契約不履行に係るリスク)の管理
当社グループでは、「グループ共通与信管理指針」に基づき当社及び各連結子会社で作成した与信管理規程に従い、営業部門・管理部門が相互に牽制が効く定期的な取引先与信審査体制を構築しています。また、日常の営業債権回収においても相互に緊密な連絡・報告を行い、取引先の財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握や種々の債権保全措置を講じ、リスクの軽減を図っています。
デリバティブ取引の利用にあたっては、カウンターパーティーリスクを軽減するために、格付の高い金融機関とのみ取引を行っています。
② 市場リスク(為替、金利、価格等の変動リスク)の管理
当社グループでは、外貨建金銭債権債務及び外貨建予定取引に伴う為替変動リスクを軽減するために、半期毎に通貨別に輸出入の予定取引に基づき為替の変動リスクを把握して、実需の範囲内で先物為替予約取引を行っています。
借入金に係る支払金利の変動リスクを抑制するために金利スワップ取引を、外貨建借入金に係る為替及び支払金利の変動リスクを抑制するために金利通貨スワップ取引をそれぞれ利用しているとともに、定期的に有利子負債に対する固定・変動金利の比率をチェックし、市場金利の動向に応じて、その比率の見直しを行っています。
一部の燃料購入にかかる価格の変動リスクを抑制するために原油スワップ取引を、電力購入にかかる価格の変動リスクを抑制するために商品先物取引を利用しています。
投資有価証券については、定期的に時価や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、また取引先企業との関係を勘案して保有の継続について定期的に見直しを行っています。
③ 資金調達に係る流動性リスク(支払期日に支払いを実行できなくなるリスク)の管理
当社グループでは、当社財務部にて半期毎に作成した資金予算を基に月次・日次で更新し資金計画を組んでいます。
資金調達にあたっては、借換リスク低減のため「調達方法の多様化」、「調達年限の長期化」、「返済年限の平準化」の3点を留意して調達しています。また、資金調達の流動性リスクを回避するため、各金融機関との間でコミットメントライン等を設定しています。
(4) 金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価の算定においては変動要因を織り込んでいるため、異なる前提条件等を採用することにより、当該価額が変動することもあります。また、「注記事項 デリバティブ取引関係」におけるデリバティブ取引に関する契約額等については、その金額自体がデリバティブ取引に係る市場リスクを示すものではありません。
2 金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額については、次のとおりです。
前連結会計年度(2025年3月31日)
(*1) 「現金及び預金」については、現金であること、及び預金が短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似するものであることから、記載を省略しています。
(*2) 市場価格のない株式等は、「(2) 投資有価証券」には含まれていません。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は次のとおりです。
(*3) デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる場合は、( )で示しています。
当連結会計年度(2026年3月31日)
(*1) 「現金及び預金」については、現金であること、及び預金が短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似するものであることから、記載を省略しています。
(*2) 市場価格のない株式等は、「(2) 投資有価証券」には含まれていません。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は次のとおりです。
(*3) デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる場合は、( )で示しています。
(注1)金銭債権の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2025年3月31日)
(*)現金は金銭債権ではないため、上記金額には含めていません。
当連結会計年度(2026年3月31日)
(*)現金は金銭債権ではないため、上記金額には含めていません。
(注2)長期借入金及びその他の有利子負債の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
3 金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項
金融商品の時価を、時価の算定に係るインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類しています。
レベル1の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、活発な市場において形成される当該時価の算定の対象となる資産又は負債に関する相場価格により算定した時価
レベル2の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、レベル1のインプット以外の時価の算定に係るインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:観察できない時価の算定に係るインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類しています。
(1) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(2) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品以外の金融商品
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(注)時価の算定に用いた評価技法及び時価の算定に係るインプットの説明
投資有価証券
上場株式は相場価格を用いて評価しています。上場株式は活発な市場で取引されているため、その時価をレベル1の時価に分類しています。その他有価証券の注記事項については、「注記事項 有価証券関係」をご参照ください。
デリバティブ取引
通貨及び金利、並びに商品関係の原則的処理によるものは、取引先金融機関から当該取引について提示された価格等に基づき算定しており、レベル2の時価に分類しています。
金利スワップの特例処理及び金利通貨スワップの一体処理によるものは、ヘッジ対象とされている長期借入金と一体として処理されているため、その時価は当該長期借入金の時価に含めて記載しています(下記「長期借入金」参照)。
為替予約取引等の振当処理を行っているものは、ヘッジ対象とされている売掛金、支払手形及び買掛金と一体として処理されているため、その時価は売掛金、並びに支払手形及び買掛金の時価に含めて記載しています。
デリバティブ関係の注記事項については、「注記事項 デリバティブ取引関係」をご参照ください。
受取手形及び売掛金
これらの時価は、一定の期間ごとに区分した債権ごとに、債権額と満期までの期間及び信用リスクを加味した利率を基に割引現在価値法により算定しており、レベル2の時価に分類しています。
支払手形及び買掛金、並びに短期借入金
これらの時価は、一定の期間ごとに区分した債務ごとに、その将来キャッシュ・フローと、返済期日までの期間及び信用リスクを加味した利率を基に割引現在価値法により算定しており、レベル2の時価に分類しています。
長期借入金
長期借入金は、元利金の合計額を一定期間に区分し、その将来キャッシュ・フローをリスクフリー・レートに信用スプレッドを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しており、レベル2の時価に分類しています。
また、変動金利による長期借入金は金利スワップの特例処理又は金利通貨スワップの一体処理の対象とされており(上記「デリバティブ取引」参照)、当該金利スワップ又は金利通貨スワップと一体として処理された元利金の合計額を、上記同様に割り引いて算定する方法によっています。
ゴルフ会員権
ゴルフ会員権は、ゴルフ会員権取扱店で提示されている相場価格を用いて評価していますが、その時価は活発な市場における相場価格とは認められないため、レベル2の時価に分類しています。
(有価証券関係)
1 その他有価証券
前連結会計年度(2025年3月31日)
(注)非上場株式(連結貸借対照表計上額3,938百万円)については、市場価格のない株式であることから、上表の「その他有価証券」には含めていません。
当連結会計年度(2026年3月31日)
(注)非上場株式(連結貸借対照表計上額3,889百万円)については、市場価格のない株式であることから、上表の「その他有価証券」には含めていません。
2 連結会計年度中に売却したその他有価証券
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
3 減損処理を行った有価証券
前連結会計年度において、有価証券について0百万円(市場価格のない株式0百万円を含みます。)減損処理を行っています。
当連結会計年度において、減損処理を行った有価証券はありません。
なお、減損処理にあたっては、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には、全て減損処理を行い、30%~50%程度下落した場合には、当該金額の重要性、回復可能性等を考慮して、必要と認められた額について減損処理を行っています。
(デリバティブ取引関係)
1 ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
(1) 通貨関連
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(2) 金利関連
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(3) 商品関連
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
2 ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引
(1) 通貨関連
前連結会計年度(2025年3月31日)
(注)為替予約等の振当処理によるものは、ヘッジ対象とされている売掛金、支払手形及び買掛金と一体として処理されているため、その時価は、当該ヘッジ対象の時価に含めて記載しています。
当連結会計年度(2026年3月31日)
(注)為替予約等の振当処理によるものは、ヘッジ対象とされている売掛金、支払手形及び買掛金と一体として処理されているため、その時価は、当該ヘッジ対象の時価に含めて記載しています。
(2) 金利関連
前連結会計年度(2025年3月31日)
(注)金利スワップの特例処理によるものは、ヘッジ対象とされている長期借入金と一体として処理されているため、その時価は、当該長期借入金の時価に含めて記載しています。
当連結会計年度(2026年3月31日)
(注)金利スワップの特例処理によるものは、ヘッジ対象とされている長期借入金と一体として処理されているため、その時価は、当該長期借入金の時価に含めて記載しています。
(3) 金利通貨関連
前連結会計年度(2025年3月31日)
(注)金利通貨スワップの一体処理(特例処理・振当処理)によるものは、ヘッジ対象とされている長期借入金と一体として処理されているため、その時価は、当該長期借入金の時価に含めて記載しています。
当連結会計年度(2026年3月31日)
該当事項はありません。
(4) 商品関連
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(退職給付関係)
1 採用している退職給付制度の概要
当社及び連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型、非積立型の確定給付制度及び確定拠出制度を採用しています。
確定給付企業年金制度では、主として給与と勤務期間に基づいた一時金又は年金を支給しています。
一部の確定給付企業年金制度には退職給付信託が設定されています。退職一時金制度(非積立型制度ですが、退職給付信託を設定した結果、積立型制度になっているものがあります。)では、退職給付として、主として給与と勤務期間に基づいた一時金を支給しています。
一部の連結子会社が有する確定給付企業年金制度及び退職一時金制度は、簡便法により退職給付に係る負債及び退職給付費用を計算しています。
2 確定給付制度
(1) 退職給付債務の期首残高と期末残高の調整表(簡便法を適用した制度を除く。)
(2) 年金資産の期首残高と期末残高の調整表(簡便法を適用した制度を除く。)
(3) 簡便法を適用した制度の、退職給付に係る負債の期首残高と期末残高の調整表
(4) 退職給付債務及び年金資産の期末残高と連結貸借対照表に計上された退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産の調整表
(注)簡便法を適用した制度を含みます。
(5) 退職給付費用及びその内訳項目の金額
(注)1. 特別損失の「その他」に含めて計上しています。
2.特別利益の「退職給付信託返還益」に計上しています。
(6) 退職給付に係る調整額
退職給付に係る調整額に計上した項目(法人税等及び税効果控除前)の内訳は次のとおりです。
(7) 退職給付に係る調整累計額
退職給付に係る調整累計額に計上した項目(法人税等及び税効果控除前)の内訳は次のとおりです。
(8) 年金資産に関する事項
① 年金資産の主な内訳
年金資産合計に対する主な分類ごとの比率は、次のとおりです。
(注)年金資産合計には、企業年金制度に対して設定した退職給付信託が前連結会計年度30%、当連結会計年度27%含まれています。
② 長期期待運用収益率の設定方法
年金資産の長期期待運用収益率を決定するため、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮しています。
(9) 数理計算上の計算基礎に関する事項
主要な数理計算上の計算基礎
(注)主として採用している退職給付制度では、数理計算にあたって予想昇給率を使用していないため、予想昇給率の記載を省略しています。
3 確定拠出制度
確定拠出制度への要拠出額は、前連結会計年度2,529百万円、当連結会計年度2,773百万円です。
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(注)1.評価性引当額の変動の主な内容は、海外子会社における税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額の増加及び当社における将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額の減少等によるものです。
2.税務上の繰越欠損金及びその繰延税金資産の繰越期限別の金額
前連結会計年度(2025年3月31日)
(a) 税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額です。
(b) 税務上の繰越欠損金について、将来の課税所得の見積等により回収可能と判断した部分については
評価性引当額を認識していません。
当連結会計年度(2026年3月31日)
(c) 税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額です。
(d) 税務上の繰越欠損金について、将来の課税所得の見積等により回収可能と判断した部分については
評価性引当額を認識していません。
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
(表示方法の変更)
前連結会計年度において、「その他」に含めていた「繰越欠損金の期限切れ」及び「関係会社の留保利益」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記しています。また、前連結会計年度において、独立掲記していました「税率変更による期末繰延税金資産及び負債の増額修正」は金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「その他」に含めて表示しています。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の組替えを行っています。
この結果、前連結会計年度の「税率変更による期末繰延税金資産及び負債の増額修正」7.9%、「その他」△6.4%は、「繰越欠損金の期限切れ」0.3%、「関係会社の留保利益」0.2%及び「その他」1.0%として組み替えています。
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社及び一部の国内連結子会社は、グループ通算制度を適用しており、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っています。
(資産除去債務関係)
当社グループは資産除去債務を計上していますが、重要性が乏しいため記載を省略しています。
(賃貸等不動産関係)
当社グループは賃貸、遊休の土地及び建物を有していますが、重要性が乏しいため記載を省略しています。
(収益認識関係)
1 顧客との契約から生じる収益を分解した情報
顧客との契約から生じる収益を分解した情報は、「注記事項 セグメント情報等」に記載のとおりです。
2 顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報
収益を理解するための基礎となる情報は、「注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4 会計方針に関する事項 (5) 重要な収益及び費用の計上基準」に記載のとおりです。
3 顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当連結会計年度末において存在する顧客との契約から翌連結会計年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関する情報
(1) 契約資産及び契約負債の残高等
(単位:百万円)
当社グループの契約資産及び契約負債については、残高に重要性が乏しく、重大な変動も発生していないため、記載を省略しています。また、前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益に重要性はありません。
(2) 残存履行義務に配分した取引価格
前連結会計年度及び当連結会計年度において、紙・板紙事業、生活関連事業、木材・建材・土木建設関連事業における製品及び商品の販売について、予想契約期間が1年を超える重要な取引はなく、エネルギー事業における電力の卸供給販売については、「収益認識に関する会計基準の適用指針」第19項に従って収益を認識しているため、記載を省略しています。
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
(1) 報告セグメントの決定方法
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、最高経営意思決定機関が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものを一定の基準に従い集約したものとしています。
当社は、業績の評価等を主として連結子会社別に行っているため、これを事業セグメントの識別単位とし、このうち各事業セグメントの経済的特徴、製品及びサービスを販売する市場又は顧客の種類等において類似性が認められるものについて集約を実施し、報告セグメントを決定しています。
(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
各セグメントで扱っている主な製品、サービスは以下のとおりです。
紙・板紙事業
洋紙、板紙、パルプ及び製紙原料の製造販売
生活関連事業
家庭紙、紙加工品、化成品の製造販売
エネルギー事業
電力の製造販売
木材・建材・土木建設関連事業
木材の仕入販売、建材の製造仕入販売、土木建設
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における会計処理の方法と同一です。
報告セグメントの利益は、営業利益の数値です。セグメント間の内部売上高又は振替高は、市場価格等に基づいています。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、物流事業、レジャー事業等が含まれています。
2.セグメント利益又は損失の調整額は、セグメント間取引消去等によるものです。
3.セグメント資産の調整額305,279百万円には、セグメント間債権債務消去等△43,053百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産348,333百万円が含まれています。なお、全社資産の主なものは、各セグメントに割り振れない余資運用資金(現金及び預金)、長期投資資金(投資有価証券)及び繰延税金資産です。
4.セグメント利益又は損失は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、物流事業、レジャー事業等が含まれています。
2.セグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去等によるものです。
3.セグメント資産の調整額323,377百万円には、セグメント間債権債務消去等△45,532百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産368,910百万円が含まれています。なお、全社資産の主なものは、各セグメントに割り振れない余資運用資金(現金及び預金)、長期投資資金(投資有価証券)及び繰延税金資産です。
4.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(注)1.売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
2.オセアニアのうち、オーストラリアは121,817百万円です。
(2) 有形固定資産
(注)オセアニアのうち、オーストラリアは153,441百万円です。
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しています。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(注)1.売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
2.オセアニアのうち、オーストラリアは113,932百万円です。
(2) 有形固定資産
(注)オセアニアのうち、オーストラリアは160,397百万円です。
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しています。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注)「生活関連事業」において、のれんの減損損失6,807百万円を計上しています。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
【関連当事者情報】
1 関連当事者との取引
(1) 連結財務諸表提出会社と関連当事者との取引
連結財務諸表提出会社の非連結子会社及び関連会社等
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
(2) 連結財務諸表提出会社の連結子会社と関連当事者との取引
該当事項はありません。
2 親会社又は重要な関連会社に関する注記
(1) 親会社情報
該当事項はありません。
(2) 重要な関連会社の要約財務情報
(前連結会計年度)
重要な関連会社はリンテック㈱及びフェニックス・パルプ・アンド・ペーパー社であり、その要約財務情報は次のとおりです。なお、合算して記載しています。
(当連結会計年度)
重要な関連会社はリンテック㈱であり、その要約財務情報は次のとおりです。
(1株当たり情報)
(注)1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。
2.1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益の算定上、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式は期末発行済株式総数及び期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めています。なお、期末発行済株式総数の計算において控除した当該自己株式の期末発行済株式数は、前連結会計年度においては264,800株、当連結会計年度においては384,800株です。また、期中平均株式数の計算において控除した当該自己株式の期中平均株式数は、前連結会計年度においては272,357株、当連結会計年度においては221,608株です。
3.1株当たり当期純利益の算定上の基礎は、以下のとおりです。
(重要な後発事象)
現地時間2026年5月26日7時頃、当社連結子会社の日本ダイナウェーブパッケージング社(米国ワシントン州)において、パルプ製造に使用する薬品用タンク1基が倒壊し、死者11名及び負傷者8名の人的被害を伴う事故が発生しました。当該事故により同社は生産を停止しています。
なお、当該事故が当社の連結業績に与える影響については、現在調査中です。
⑤ 【連結附属明細表】
【社債明細表】
(注)1.( )内書きは、1年以内の償還予定額です。
2.連結決算日後5年内における償還予定額は次のとおりです。
【借入金等明細表】
(注)1.「平均利率」については、主として借入金等の当期末残高に対する加重平均利率を記載しています。
2.長期借入金及びリース債務(1年以内に返済予定のものを除く。)の連結決算日後5年以内における返済予定額は次のとおりです。
3.リース債務については、一部の連結子会社を除き、リース料総額に含まれる利息相当額を控除する前の金額で連結貸借対照表に計上しています。当該リース債務については、平均利率の算定上含めていません。
4.輸入ユーザンス手形は連結貸借対照表上、支払手形及び買掛金に含めて表示しています。
【資産除去債務明細表】
当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における資産除去債務の金額が当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における負債及び純資産の合計額の100分の1以下であるため、記載を省略しています。
(2) 【その他】
当連結会計年度における半期情報等
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券の評価基準及び評価方法
子会社株式及び関連会社株式
…移動平均法による原価法
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
…時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)
市場価格のない株式等
…移動平均法による原価法
(2) デリバティブの評価基準
時価法
(3) 棚卸資産の評価基準及び評価方法
移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法)
ただし、商品の一部(充填機等)は個別法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法)
2 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定率法
ただし、白老工場、石巻工場、岩沼工場、富士工場等の有形固定資産及び1998年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備を除く)並びに2016年4月1日以降に取得した建物附属設備及び構築物については定額法
主な耐用年数は以下のとおりです。
建物及び構築物 10~50年
機械及び装置 7~15年
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法
ただし、自社利用のソフトウェアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法
(3) リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零(残価保証の取決めがある場合は残価保証額)とする定額法
3 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
売上債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。
(2) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しています。なお、年金資産の額が、退職給付債務から数理計算上の差異等を控除した額を超える場合には、前払年金費用として計上しています。
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっています。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(15年)による定額法により費用処理しています。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(13~15年)による定額法によりそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理しています。
(3) 役員株式給付引当金
役員株式給付規程に基づく取締役(社外取締役は除く)及び執行役員等への株式の給付に備えるため、当事業年度末における株式給付見込額を計上しています。
(4) 環境対策引当金
「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」によるPCB廃棄物の処理支出に備えるため、処理見積額を計上しています。
4 収益及び費用の計上基準
当社は紙・板紙事業、生活関連事業における各製品の製造、販売、又は各商品の販売、及びエネルギー事業における電力の卸供給販売を主な事業内容としています。
紙・板紙事業、生活関連事業における製品及び商品の販売については、国内の販売においては主に出荷時から製品及び商品の支配が顧客に移転される引き渡し時までの期間が通常の期間であることから出荷時点に、輸出販売においては主にインコタームズ等で定められた貿易条件に基づきリスク負担が顧客に移転した時点にそれぞれ収益を認識しています。
エネルギー事業における電力の卸供給販売については、主に契約期間にわたり電力の供給量に直接対応する対価の額を顧客から受け取るため、電力の供給量に応じて請求する権利を有する金額で収益を認識しています。
取引の対価は履行義務を充足してから1年以内に受領しており、重要な金融要素は含まれていません。
各事業における商品販売のうち代理人として行われる取引については、顧客から受け取る対価の純額で取引価格を算定しています。また、収益は顧客との契約において約束された対価から値引き等を控除した金額で測定しています。なお、重要な変動対価の見積りはありません。
5 その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1) 外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は、決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しています。
(2) ヘッジ会計の方法
① ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理によっています。ただし、為替予約等が付されている外貨建金銭債権債務等のうち、振当処理の要件を満たすものについては振当処理を行っています。
また、特例処理の要件を満たす金利スワップについては特例処理を採用し、一体処理(特例処理・振当処理)の要件を満たす金利通貨スワップについては、一体処理を採用しています。
② ヘッジ手段とヘッジ対象
a.ヘッジ手段
…為替予約
ヘッジ対象
…原燃料の輸入等による外貨建債務及び外貨建予定取引
b.ヘッジ手段
…金利スワップ
ヘッジ対象
…借入金
c.ヘッジ手段
…金利通貨スワップ
ヘッジ対象
…外貨建借入金
d.ヘッジ手段
…原油スワップ
ヘッジ対象
…燃料の予定購入取引
③ ヘッジ方針
当社が行うデリバティブ取引は、為替変動リスク、金利変動リスク及び価格変動リスクをヘッジすることを目的としています。
④ ヘッジ有効性の評価の方法
ヘッジ対象のキャッシュ・フロー変動の累計又は相場変動とヘッジ手段のキャッシュ・フロー変動の累計又は相場変動を半期毎に比較し、両者の変動額等を基礎にして、ヘッジ有効性を評価しています。
なお、特例処理の要件を満たしている金利スワップ及び一体処理(特例処理・振当処理)によっている金利通貨スワップについては、決算日における有効性の評価を省略しています。
また、為替予約のうち、予約締結時にリスク管理方針に従って、米貨建等による同一金額で同一期日の為替予約をそれぞれ振当てているものについては、その後の為替相場の変動による相関関係は完全に確保されているので、決算日における有効性の評価を省略しています。
(3) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の未処理額の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっています。
(重要な会計上の見積り)
(固定資産の減損)
当社は、当事業年度において、印刷用紙事業等から構成される洋紙事業の有形固定資産に係る資産グループ122,920百万円(前事業年度は123,393百万円)について、事業環境の変化に伴い、販売数量が減少していることにより減損の兆候があると判断しましたが、減損損失の認識の判定において、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がその帳簿価額を上回ったことから、減損損失を認識していません。
なお、会計上の見積りに関する将来の仮定等については、「1 連結財務諸表等 注記事項 重要な会計上の見積り」に同一の内容を記載していますので、注記を省略しています。
(表示方法の変更)
(損益計算書関係)
前事業年度において、独立掲記していました「営業外費用」の「事業準備費用」は金額的重要性が乏しくなったため、当事業年度より「雑損失」に含めて表示しています。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替えを行っています。
この結果、前事業年度の損益計算書において「営業外費用」の「事業準備費用」に表示していた1,283百万円及び「雑損失」に表示していた4,771百万円は、「雑損失」6,055百万円として組み替えています。
前事業年度において、「特別利益」の「その他」に含めていた「関係会社株式売却益」は、金額的重要性が増したため、当事業年度より独立掲記しています。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替えを行っています。
この結果、前事業年度の損益計算書において「特別利益」の「その他」に表示していた978百万円は、「関係会社株式売却益」435百万円及び「その他」543百万円として組み替えています。
前事業年度において、「特別損失」の「その他」に含めていた「災害による損失」は、金額的重要性が増したため、当事業年度より独立掲記しています。また、前事業年度において、独立掲記していました「特別損失」の「減損損失」は金額的重要性が乏しくなったため、当事業年度より「その他」に含めて表示しています。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替えを行っています。
この結果、前事業年度の損益計算書において「特別損失」の「減損損失」に表示していた6,823百万円及び「その他」に表示していた530百万円は、「災害による損失」159百万円及び「その他」7,193百万円として組み替えています。
(貸借対照表関係)
1 関係会社に対する金銭債権又は金銭債務の金額
2 保証債務
関係会社等の金融機関等からの借入等に対して、債務保証を行っています。
3 貸出コミットメント(貸手側)
当社は、子会社との間に貸出コミットメント契約を締結しています。当契約に係る貸出未実行残高は次のとおりです。
4 貸出コミットメント(借手側)
当社は、運転資金の効率的な運用を行うため取引銀行と貸出コミットメント契約を締結しています。当事業年度末における貸出コミットメントに係る借入未実行残高は次のとおりです。
(損益計算書関係)
1 関係会社との取引高
関係会社との取引に係るものが、次のとおり含まれています。
※2 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額並びにおおよその割合は、次のとおりです。
おおよその割合
※3 退職給付信託返還益
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当社は、退職給付信託資産が退職給付債務に対して大幅な積立超過の状況であり、今後もその状態が継続すると見込まれることから、退職給付信託資産の一部返還を受けています。返還に伴い、当該返還額に対応する未認識数理計算上の差異を一括処理しています。
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
当社は、退職給付信託資産が退職給付債務に対して大幅な積立超過の状況であり、今後もその状態が継続すると見込まれることから、退職給付信託資産の一部返還を受けています。返還に伴い、当該返還額に対応する未認識数理計算上の差異を一括処理しています。
※4 災害による損失
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
主に当社八代工場で2024年12月19日に発生したボイラー事故に伴う、復旧費用等による損失です。
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
主に当社八代工場で2024年12月19日に発生したボイラー事故に伴う、復旧費用等による損失です。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2025年3月31日)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上額
当事業年度(2026年3月31日)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上額
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しており、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っています。
(収益認識関係)
収益を理解するための基礎となる情報は、「注記事項 重要な会計方針 4 収益及び費用の計上基準」に記載のとおりです。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注)1.「当期減少額」の欄の( )内の金額は、内書きにて示しており、減損損失計上による減少額です。
2.「土地」の「当期首残高」、「当期減少額」及び「当期末残高」の欄の[ ]内の金額は、内書きにて示しており、土地の再評価に関する法律(1998年3月31日公布法律第34号)により行った土地の再評価実施前の帳簿価額との差額です。
3.「当期増加額」の主なものは、次のとおりです。
4.「当期首残高」及び「当期末残高」は、取得価額により記載しています。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(注)当期末において、年金資産が退職給付債務を超過しているため、前払年金費用に計上しています。
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注)当社は、単元未満株主の権利を制限できる旨を定款で以下のように定めています。
第9条(単元未満株式についての権利)
当会社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができない。
(1)会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2)会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
(3)株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
(4)次条に定める請求をする権利
第10条(単元未満株式の買増)
当会社の株主は、株式取扱規則に定めるところにより、その有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を売り渡すことを請求することができる。
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
提出日現在において、当社の親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
事業年度 第101期(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 2025年6月26日 関東財務局長に提出
(2) 内部統制報告書及びその添付書類 2025年6月26日 関東財務局長に提出
(3) 半期報告書及び確認書
第102期中(自 2025年4月1日 至 2025年9月30日) 2025年11月13日 関東財務局長に提出
(4) 臨時報告書
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2 2025年6月30日 関東財務局長に提出
(株主総会における議決権行使の結果)に基づく臨時報告書
です。
(5) 発行登録書(普通社債) 2025年7月25日 関東財務局長に提出
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。