第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1.2022年4月1日を移行日として、第22期より国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しています。また、第21期のIFRSに基づいた連結経営指標等もあわせて記載しています。
2.第21期から第24期のIFRSに基づく連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、EY新日本有限責任監査法人による監査を受けています。
3.第21期及び第22期の希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため、基本的1株当たり当期利益と同額としています。
4.第21期及び第22期の株価収益率は当社株式が非上場であるため記載していません。
5.従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(アルバイト及びパートタイマーを含み、派遣社員を除く。)は、年間平均雇用人数を( )外数で記載しています。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1.主要な経営指標等のうち、第20期については会社計算規則(2006年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定による監査を受けていません。
2.第21期から第24期の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、EY新日本有限責任監査法人による監査を受けています。
3.第20期から第22期の数値は、各期の定時株主総会において承認された数値について、誤謬の訂正による修正再表示を反映しています。
4.第21期の当期純損失は、多額の関係会社株式評価損及び貸倒引当金繰入の計上等によるものです。
5.第24期の1株当たり配当額31円00銭のうち、期末配当額25円00銭については、2026年6月26日開催予定の定時株主総会の決議事項になっています。
6.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。
7.第20期から第22期の株価収益率は当社株式が非上場であるため記載していません。
8.第21期の配当性向については、当期純損失のため記載していません。第22期の配当性向については、配当を実施していないため記載していません。
9.従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(アルバイト及びパートタイマーを含み、派遣社員を除く。)は、年間平均雇用人数を( )外数で記載しています。
10.当社は、2025年3月19日付で東京証券取引所プライム市場に上場したため、第20期から第23期までの株主総利回り及び比較指標については記載しておりません。
11.最高株価及び最低株価は、東京証券取引所プライム市場におけるものです。ただし、当社は、2025年3月19日付で東京証券取引所プライム市場に上場したため、それ以前の株価については記載しておりません。
2 【沿革】
〔前史〕
〔提出会社設立以降〕
3 【事業の内容】
当社グループは、半導体・情報通信分野に欠かせない銅やレアメタルを原料とする先端材料の開発・製造・販売を主な内容としてグローバルな事業活動を行っており、半導体用スパッタリングターゲットや圧延銅箔を主力製品としています。これらに加えて、銅やレアメタルの資源開発や、製錬・リサイクル事業を手掛けており、上流から下流までをつなぐ強固なサプライチェーンを有することにより、安定的に先端材料をマーケットに供給し、持続可能な経済・社会の発展に貢献しています。
当社グループは、半導体材料セグメント、情報通信材料セグメント、基礎材料セグメントの3つの報告セグメントにて構成されています。成長戦略のコアである半導体材料セグメントと情報通信材料セグメントをフォーカス事業と位置づけ、先端材料分野での技術の差別化や市場創造を通じて、市場成長以上の利益成長を目指しています。一方、基礎材料セグメントをベース事業と位置づけ、銅・レアメタルの安定供給を通じてフォーカス事業を支える役割を担っています。各報告セグメントの主要製品、主要会社は以下のとおりです。
以下の事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記7.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一であり、各事業を構成する主要な関係会社の状況については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載しています。
(1) 半導体材料セグメント
(薄膜材料事業部)
高純度化や組成・組織制御などの当社のコア技術を駆使し、半導体や磁性材料向けのスパッタリングターゲットをはじめ、各種高機能デバイス、最先端IT機器、医療機器、電気自動車に用いられる製品をグローバルに展開しています。中でも、ロジックやメモリに用いられる半導体用スパッタリングターゲットが主力製品の一つであり、世界的にも高い評価を得ています。当社は様々な素材の半導体用スパッタリングターゲットを取り扱っており、半導体の主要配線層に用いられる銅や銅合金、そのバリア層に用いられるタンタルに加えて、半導体の回路形成やトランジスタ部分等に用いられるチタン、コバルト及びタングステンの製品でグローバル市場におけるトップクラスの地位を確立しています。
半導体はシリコンウエハ上に数百回以上にわたり回路を形成して製造されますが、半導体用スパッタリングターゲットは回路形成に必要となる素材の層をつくる工程(成膜工程)の材料として用いられます。成膜に当たっては、真空状態の装置内でスパッタリングターゲットにアルゴンイオンを衝突させ、放出したターゲット原子を基板(シリコンウエハ等)上に付着させることによって薄膜を形成します。半導体が目的とする機能を発揮するためには様々な種類の高純度素材による回路形成が必要となりますが、当社の強みである高純度化技術や、多種多様な元素・合金を取り扱う技術により、様々な材料ニーズを満たしたスパッタリングターゲットの製造が可能です。
① 半導体用スパッタリングターゲット製造における当社のコア技術
電解精製にて製造された高純度の電気銅を溶解してインゴットにし、そのインゴットを適切な幅に切断したのち、鍛造・圧延を施して必要な直径を持った円盤状の板(ターゲット材)に加工します。その後、熱処理によって結晶組織を均一化したターゲット材を、スパッタリング装置へ固定する役割を果たすバッキングプレートと接合(ボンディング)し、顧客から求められる特性に応じて表面の粗化から鏡面仕上げ等の加工を行い、品質や機能の分析評価を経て製品化されます。この一連の加工の中で、以下に記載する当社の複数のコア技術が活かされており、多数の金属品種において高品質な製品の安定的な供給を実現しています。
・高純度化技術
電解精製工程において、創業以来培ってきた高純度化技術により9N(99.9999999%)の銅の製造を実現しています。当技術により高純度銅スパッタリングターゲットに要求される6Nの銅を安定的に生産しています。
・組成・組織制御技術
ターゲット材の結晶組織がスパッタリングに適した大きさや向きとなるように制御・管理しています。これにより、成膜時の組成・組織が均一となり半導体の欠陥を引き起こす不純物であるパーティクル(発塵)の発生を抑えることに寄与しています。
・表面制御技術
バッキングプレートとターゲット材との接合状態が不均一な場合、スパッタリング時にターゲット材の表面温度が不均一になり様々な障害が生じます。そこで、ろう材による接合や異種材料間の拡散接合など、それぞれの材料に適した技術により、均一で強固な接合を実現しています。また、異種材料接合技術の応用により、銅箔と樹脂の複合材など、新しい材料の開発を進めています。
また、スパッタリングターゲットなどの材料は、その組成や純度だけでなく、表面状態も顧客のプロセスにおける製造効率に影響します。そのため、出荷前の最終工程において、エッチングによる表面の粗化から鏡面仕上げまで、求められる特性に応じた最終加工を行っています。
・分析評価技術
当社で製造したスパッタリングターゲットは、材料として顧客のスパッタリング装置に組み込まれて使用されます。当社は自前のスパッタリング装置を所有しており、顧客が使用する条件下で評価を行うことによって最終形態で期待される機能や特性の実現、性能改善を図っています。
② 半導体製造装置メーカーとの強固な関係
当社は半導体製造装置メーカーから受ける素材提案を通じて品質技術情報を獲得し、その情報を基に半導体製造装置メーカーに対して材料提案や先行開発を継続して実施してきました。長年にわたるこれらの活動の結果、当社製品の多くが半導体製造装置メーカーから標準材料として指定されており、それにより当半導体製造装置メーカーの製造装置を使用する半導体メーカーからの安定的な受注獲得につながっていると考えています。
事実として、当社は大手半導体メーカーと長年にわたり取引を継続してきた実績を有しています。加えて、高品質な製品の安定的供給が顧客から高く評価されています。
③ 半導体メーカー拠点との地理的優位性を有する生産体制
当社は、半導体の世界的生産地である米国、台湾、韓国において、スパッタリングターゲット製造の下工程(注)である機械加工拠点を有し、一定の在庫を保有することで、安定的かつ素早い製品供給体制を構築しています。
また、米国・台湾においては技術サービス拠点としての役割も担い、顧客への迅速な品質対応も行っています。当社の高い技術レベルと各拠点での速やかな技術対応を組み合わせることにより、高い顧客満足度を実現しています。
(注) 下工程は、半導体用スパッタリングターゲット製造プロセスにおける加工・ボンディング工程を指します。
(タンタル・ニオブ事業部)
当社グループのTANIOBISは、世界各地に製造・販売拠点を有する世界有数のタンタルとニオブの材料メーカーであり、主要製品は半導体用スパッタリングターゲットやコンデンサ用のタンタル粉・ニオブ粉、SAWデバイスや光学レンズ用のタンタル酸化物・ニオブ酸化物、半導体用のタンタルやニオブ等の塩化物、その他の高機能粉末材料です。半導体用スパッタリングターゲット用のタンタル粉については、当社グループの東京電解株式会社(以下、「東京電解」という。)にてインゴット状に加工のうえ当社薄膜材料事業部に供給し、スパッタリングターゲットの材料として使用されています。
また、当社グループは、ブラジルのMibra鉱山におけるタンタル原料生産事業に出資しており、安全や人権に配慮した倫理的かつ持続可能な「責任ある調達」を推進するとともに、TANIOBISの年間調達量の一定割合のタンタル鉱石を安定的に調達する体制を構築しています。これらの取り組みによって、当社グループとして半導体用タンタルスパッタリングターゲットを上流から下流まで一気通貫で安定的に供給する体制を確立しています。
(2) 情報通信材料セグメント
(機能材料事業部)
機能材料事業部では、主力製品である圧延銅箔に加えて、AIサーバ向け等の高機能コネクタなどに使われるチタン銅、コネクタやリードフレームに使われるコルソン合金などの銅合金を取り扱っています。圧延銅箔は、スマートフォンやウェアラブル端末、モビリティ(xEV/ADAS)の分野で使用されるハイエンドなフレキシブル回路基板(FPC)用途に広く採用されています。屈曲性や耐久性といった性能面での高い要求に応える技術力や、市場開拓を含めた継続的な取り組みを通じて、グローバル市場において当該分野で確固たる地位を築いています。銅合金は、銅に様々な元素を添加して製造した製品で、AIサーバやスマートフォン、パソコンなどの電子機器のコネクタ端子や半導体リードフレームなどに使用されており、近年の情報化社会の進展に伴い、これらの用途における重要性が一層高まっています。当社ではTi(チタン)を主な副成分とするチタン銅や、Ni(ニッケル)・Si(ケイ素)を主な副成分とするコルソン合金を中心に、顧客ニーズに合わせた多様な特性の製品を幅広く取り揃えています。
① 圧延銅箔製造における当社の技術優位性
圧延銅箔は、電気銅やリサイクル原料を溶解・鋳造して製造されたインゴットを熱間圧延・冷間圧延により必要な厚さにまで薄くして製造します。その後、結晶組織を均一にするための焼鈍や、顧客の要求するスペックにするための仕上げ圧延、表面に微細な凹凸を形成してプリント基板の樹脂との密着性を高めるための表面処理、幅分割等の工程を経て最終的に製品化がなされます。
圧延銅箔の主要用途であるFPCは、導電性金属である圧延銅箔と絶縁性を持った薄く柔らかいベースフィルム(ポリイミド等)とを貼り合わせた基材(FCCL)に電気回路を形成した基板です。僅かな隙間や繰り返し屈曲する可動部に用いられることから、圧延銅箔には優れた屈曲性や耐久性が求められます。当社は、FPC向けにHA箔を生産していますが、当該製品は結晶粒・結晶方位を調整することにより屈曲性・耐久性を飛躍的に向上させており、疲労寿命を迎えるまでに類似品である特殊電解銅箔と比較して高い曲げ耐性を有する製品を提供しています。また、当社は独自のノウハウにより高品質な薄箔の製造を実現しており、FPC用途において6μm(髪の毛の約10分の1)の薄さまで製造可能です。
② 市場開発型アプローチ
当社は、FPC向け圧延銅箔のエンドユーザーであるスマートフォンメーカー、ウェアラブル端末メーカー及びモビリティメーカーと長年にわたる取引関係を構築しており、これらのエンドユーザーとの対話を通じて、早期の開発ニーズの把握や、ニーズに基づく材料提案を行ってきました。当社製品がエンドユーザーから材料指定を受けることにより、エンドユーザーに製品供給を行うCCL及びFPCメーカーからの安定的な受注を実現しています。
(東邦チタニウム)
チタンは、軽量・高強度・高耐食という特性を持つ金属であり、航空機や海水淡水化プラント、発電プラントなど幅広い分野で利用されています。当社グループの東邦チタニウム株式会社では、金属チタン事業・触媒事業・化学品事業を軸とした事業展開を行っています。金属・チタン事業では、航空機材料用、医療用、産業設備用と幅広い分野で使用されているスポンジチタンやスポンジチタンを溶解・鋳造したチタンインゴットなどを製造しています。触媒事業では、ポリオレフィン製造用触媒などを製造しています。化学品事業では、積層セラミックコンデンサ等に使用される超微粉ニッケルや高純度酸化チタンなどを製造しています。
(タツタ電線)
電線・ケーブル製造で培った技術を多様な製品や事業に発展させており、電子材料事業、電線・ケーブル事業、その他事業を軸とした事業展開を行っています。電子材料事業では、モバイル端末等に使われる機能性フィルム、半導体分野で需要が高まる機能性ペースト、データセンターやサーバ向けの漏水検知システム、医療機器向け材料や部材などのメディカル関連製品を展開しています。電線・ケーブル事業では、ビルや住宅で使用される電力ケーブルからロボット用ケーブル、鉄道やプラントで使われる産業用ケーブルまで幅広く対応しています。
(3) 基礎材料セグメント
(資源事業部)
資源事業は当社の祖業であり、1905年に日立鉱山を開業して以来、国内外の鉱山を対象として、探鉱から開発、操業、休廃止鉱山の管理に至るまでをステークホルダーと協業しながら行ってきました。長年の現場経験を通じて培った鉱床評価技術、低品位銅鉱石から効率的に銅を分離・回収する技術、低環境負荷技術等を活用し、現在は海外の銅鉱山やレアメタル鉱山への参画や国内の含金珪酸鉱鉱山の操業を行っています。
銅鉱山については、カセロネス銅鉱山(チリ)、ロス・ペランブレス銅鉱山(チリ)及びエスコンディーダ銅鉱山(チリ)の権益を保有しており、当社銅製錬事業の原料となる銅精鉱の安定確保を図るとともに、投資リターンを得ています。このうち、エスコンディーダ銅鉱山及びロス・ペランブレス銅鉱山は、世界有数の生産規模を有しています。カセロネス銅鉱山については、2024年3月期にLundin社を経営パートナーとして迎え、同社の豊富な知見や高い鉱山運営能力を活かして、生産性向上やコスト競争力の強化を進めています。
レアメタルについては、当社グループの半導体材料・情報通信材料事業を支える重要な資源であり、その希少性や地理的遍在性を背景に、長期的な安定確保が重要な経営課題となっています。このため当社は、資源の調達先の多様化及びサプライチェーンの強化を目的として、調査・開発段階からの事業参画を含めた取り組みを進めています。こうした取り組みの一環として、オーストラリアにおけるミネラルサンド鉱床開発プロジェクトに参画しています。当社は、本プロジェクトを通じて、フォーカス事業を支える基盤である基礎材料セグメントとしての役割を一層強化するとともに、将来の事業環境変化に備えた資源ポートフォリオの高度化に取り組んでいます。また、当社グループ会社である鹿児島県の春日鉱山株式会社においては含金珪酸鉱の生産を行っており、銅製錬の副原料(溶剤)としてJX金属製錬株式会社 佐賀関製錬所などに供給しています。
(金属・リサイクル事業部)
金属・リサイクル事業部は、金属製錬とリサイクルの一体的な事業運営を推進しています。銅精鉱と使用済み家電製品・電子機器などのリサイクル原料から、高効率な製錬プロセスを通じて純度99.99%以上の銅地金を生産するとともに、銅を製錬する過程の副産物として、貴金属やレアメタル、硫酸などの生産を行っています。当社グループの主要な製錬拠点であるJX金属製錬株式会社 佐賀関製錬所は、世界有数の生産能力を持つ製錬所として位置づけられており、原料受入から製錬、回収、精製に至るまでの高度な技術力を活かした安定操業を継続しています。今後、銅の需要はますます伸びていくことが予想されており、この需要拡大を支えるには銅精鉱に加えてリサイクル原料の活用拡大が必要不可欠であることから、当社グループはリサイクル原料の受入・処理能力を拡大し、リサイクル原料処理比率の向上を図っています。
① グリーンハイブリッド製錬
JX金属製錬株式会社 佐賀関製錬所では、リサイクル原料の増処理を進めるに当たり、銅精鉱が自ら発する酸化反応熱を最大限に活用し、化石燃料使用量をミニマイズするグリーンハイブリッド製錬を推進しています。これにより生産された銅は、拡大する需要を支える安定供給体制の構築と脱炭素や資源循環等のサステナビリティを重視した生産と供給という2つの使命を果たすために最適なサステナブルな銅であると考えています。2040年に銅製錬時のリサイクル原料処理比率を50%まで高めることを目標に、技術開発やリサイクル原料の増集荷・増処理体制の構築を進めています。
② 戦略的パートナーシップの構築によるサーキュラーエコノミーの推進
当社は、2022年に策定したサステナブルカッパー・ビジョンの実現に向け、国内商社との戦略的パートナーシップを活用しながらリサイクル原料の増集荷・増処理体制の構築を進めています。
具体的には、2022年8月にeCycle Solutions Inc.をグループに迎え入れた際に、ITAD事業に知見を有する双日株式会社と協業関係を構築し、2023年4月より連携を開始しています。また、2024年4月には、三菱商事株式会社(以下、「三菱商事」という。)とともに、廃家電や廃電子機器、廃車載用リチウムイオン電池等の再利用を推進することを目的として、JX金属サーキュラーソリューションズ株式会社を新設し、同年7月より事業を開始しました。三菱商事が有する産業横断型のグローバルネットワークや知見を活用することで、リサイクル原料の集荷やサプライチェーン全体の連携強化を図り、銅やレアメタル等の非鉄金属資源のリサイクル拡大を目指しています。採掘された資源を廃棄せずに再利用し続けるサーキュラーエコノミーの実現に向け、貢献してまいります。
事業の系統図は以下のとおりです。

4 【関係会社の状況】
(1) 子会社
(注) 1.特定子会社です。
2.有価証券報告書提出会社です。
3.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数です。
4.当社及び東邦チタニウム株式会社が実施する株式交換により、2026年6月より、当社の完全子会社となっています。これに伴い、次年度以降の有価証券報告書提出会社から対象外となっています。
(2) 持分法適用会社等
(注) 1.有価証券報告書提出会社です。なお、上表のその他14社に含まれる有価証券報告書提出会社は、株式会社丸運です。(センコーグループホールディングス株式会社による株式会社丸運に対する公開買付けにより次年度以降有価証券報告書提出会社から対象外となっています。)
2.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数です。
3.持分法適用会社等には、共同支配事業及び共同支配企業を含みます。
(3) その他の関係会社
(注) 有価証券報告書提出会社です。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、2019年6月にJX金属グループ2040年長期ビジョンを策定し(2023年5月に一部改定)、「装置産業型企業」から「技術立脚型企業」への転身により、激化する国際競争の中にあっても高収益体質を実現し、半導体材料・情報通信材料のグローバルリーダーとして持続可能な社会の実現に貢献することを基本方針といたしました。この方針のもと、半導体材料セグメントと情報通信材料セグメントからなるフォーカス事業を成長戦略のコアとして位置づけ、先端材料分野での技術の差別化や市場創造を通じて、市場成長以上の利益成長を目指しています。基礎材料セグメントからなるベース事業は、最適な規模の事業体制のもとで、銅やレアメタルの安定供給を通じてフォーカス事業を支えるとともに、サステナブルな社会の実現に向けて貢献してまいります。
[JX金属グループフィロソフィー]

当社は、2025年3月に東京証券取引所プライム市場に上場するとともに、創業120周年という大きな節目を迎えました。これらを契機として、当社グループとしての存在意義(Purpose)及び価値観・行動指針(Way)を明確化し、グループ全体の一体感を高めるとともに、社会に対して提供する価値をより一層高めていくことを目的として、2025年9月に「JX金属グループフィロソフィー」を策定しました。
本フィロソフィーは、当社グループが事業活動を通じて社会に提供する価値の考え方を示すものであり、世界的に不確実性や複雑性が高まる事業環境の中においても、自由な発想に基づく価値創出を追求し、人々の暮らしをより良いものにしていくという当社グループの姿勢を表しています。
また、当社グループ全体で本フィロソフィーを実践できるよう、推進体制を整え、本フィロソフィーの定着に向けた施策を重点的に進めました。本フィロソフィーを当社グループの活動の軸として、ステークホルダーとの協調を図り、持続的な企業価値の向上に取り組みます。
(2) 経営環境
近年、デジタルトランスフォーメーションの進展、脱炭素社会形成に向けた動きの加速、資源不足・枯渇懸念の深刻化、企業に求められる社会的責任の高まりなど、当社グループを取り巻く社会環境、事業環境は大きな変化に直面しています。
当社グループを取り巻く経営環境について、報告セグメント別の状況は以下のとおりです。
① フォーカス事業:半導体材料セグメント
半導体ロジック・メモリ市場は、生成AIの急速な普及拡大やこれに伴うデータ通信需要の拡大等を背景に、成長基調が継続する事業環境にあります。特に、半導体製造技術の進展に伴い、最先端半導体分野においては需要の拡大が見込まれており、多層化・微細化の進展も継続するものと思われます。
半導体の成膜方法であるPVD(Physical Vapor Deposition:物理気相成長法)に用いられる当社の主力製品である半導体用スパッタリングターゲットはロジック・メモリをはじめとした各種半導体デバイスの製造に用いられていますが、最先端ロジックほど配線層数が多くなり、半導体用スパッタリングターゲットの使用量が増加する傾向にあることから、その販売量は半導体ロジック・メモリ市場の成長を上回ることが期待されます。また、最先端ロジックほど配線が細かくなり、PVDが適さない微細な配線に対するCVD/ALDによる薄膜形成ニーズも高まっています。さらに、データ演算需要の飛躍的な増加及び生成AIの伸長を背景に、生成AIを搭載したサーバを大量に運用できるAIデータセンターの建設も進んでおり、これに伴いAIサーバの出荷台数は大きく増加しています。AIサーバにはチップ内の配線材料としての半導体用スパッタリングターゲットをはじめとして、光通信向け材料としてのInP基板、タンタルキャパシタ向けの高純度タンタル粉、大容量HDD向けの磁性材用ターゲットなど、半導体材料セグメントの当社製品が多く用いられていることから、このような傾向は本セグメントの収益拡大の追い風になることが見込まれます。
加えて、AIサーバには高速の並列演算を担うために多数のGPUが搭載されており、データセンター向けGPUの出荷数量も増加しています。GPUに対して高機能を付与するためには多層化・微細化に加えてパッケージング分野における技術革新が必要であり、パッケージングにおいてはチップ間の配線材(TSV・RDL)やチップレット間をつなぐ配線等の用途における成膜機会の拡大からも、当社の半導体用スパッタリングターゲットの需要の拡大を見込んでいます。
② フォーカス事業:情報通信材料セグメント
電子機器製品等に搭載されるFPCの面積は、電子機器の高機能化・小型化の進展を背景に中長期的な拡大が見込まれており、今後も堅調な需要が期待されています。今後は、AI搭載等によるスマートフォンやパソコン向け部材の更なる小型化・高機能化に加え、スマートウォッチやスマートグラスといったウェアラブル等の周辺機器の市場成長により圧延銅箔の使用拡大が見込まれます。また、世界的なEV販売台数の増加に伴い、配線用や誤作動防止のために用いられるシールド材用の圧延銅箔の採用・使用量の拡大が期待されるとともに、中長期的には産業機械、ロボット等の分野において小型化、軽量化が進み、複雑な動きに対して疲労耐性の強い圧延銅箔の使用量拡大が見込まれています。これらの市場動向を背景に、当社主力製品である圧延銅箔についても、需要の拡大が見込まれます。
積層セラミックコンデンサの内部電極に使用される超微粉ニッケルについては、AIを搭載する高機能通信機器の普及や、EVや自動運転の普及に伴う電装化の進展、データサーバやAIサーバ等の成長が需要を牽引し、市場は次第に成長軌道に回帰していくものと想定しています。
また、半導体材料セグメントが属する市場環境において記載しているAIサーバの導入拡大は本セグメントの収益拡大の追い風になることも見込まれており、特にAIサーバ向けのコネクタにおいては高耐熱・高強度などの特性が求められ、要求ニーズに応えるチタン銅の採用が急速に拡大しているほか、高温となるAIサーバ内における冷却液の漏液を検知するための漏液センサーの需要拡大も見込まれます。
③ ベース事業:基礎材料セグメント
脱炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの導入が拡大するとともに、様々な産業や領域において電化が進行しており、中長期的に銅素材の需要拡大が見込まれます。例えば、電気自動車では、モーターコイルやバッテリーなどにガソリン車の約4倍の銅が使用されています。銅需要拡大の一方で、既存鉱山からの銅鉱石の供給量には限界があり、銅の需給はひっ迫することが見込まれており、銅価は堅調に推移していくものと考えられます。技術革新、製品寿命の短期化、人口増加等の要因により電気・電子機器の廃棄物であるE-Wasteの発生量は、今後も世界的に増加していくことが見込まれています。一方で、脱炭素に向けた世界的な環境意識の高まりにより、リサイクル原料確保への動きが加速していることに加えて、環境規制強化の流れもあり、リサイクル原料の調達コストは上昇することが予想されます。また、アジア域内での製錬所建設が進むことにより、銅地金のサプライヤーが増加し、銅地金の販売環境の悪化が見込まれています。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 経営の基本方針-長期ビジョン
当社グループは、長期ビジョンに基づき、「装置産業型企業」から「技術立脚型企業」への転身により、激化する国際競争の中にあっても高収益体質を実現し、半導体材料・情報通信材料のグローバルリーダーとして持続可能な社会の実現に貢献することを基本方針としています。
フォーカス事業を成長戦略のコアとして位置づけ、先端材料分野での技術の差別化や市場創造を通じて、市場成長以上の利益成長を目指します。また、ベース事業は、最適な規模の事業体制のもとで、銅やレアメタルの安定供給を通じてフォーカス事業を支えるとともに、サステナブルな社会の実現に向けて貢献していきます。

② データセンター需要拡大に伴う当社関連製品の生産能力の増強
生成AIの普及やデジタル化の進展を背景に、AIサーバを中心としたデータセンター向け投資は世界的に拡大しています。これに伴い、先端半導体の高性能化や、データ通信の高速・大容量化が進展しており、半導体材料や光通信関連材料の需要は中長期的に拡大していくことが見込まれています。
このような事業環境のもと、当社では、データセンター需要の拡大を重要な成長機会と捉え、半導体用スパッタリングターゲット、磁性材用スパッタリングターゲット、InP(インジウムリン)基板、タンタル粉、チタン銅など、データセンターやAIサーバに使用される製品(以下図)の生産能力の増強や生産性向上を目的とした設備投資を計画的に実施し、市場の成長を確実に捕捉する生産体制の構築を目指します。

③ 次世代のグローバルトップシェア製品の開発
当社は、次世代半導体分野における持続的な成長を見据え、将来のグローバルトップシェア製品の創出を企図した施策を展開しています。特に、半導体の高性能化・高集積化の進展に伴い重要性が高まる先端材料及び先端パッケージ分野に注力し、顧客ニーズを踏まえた材料開発と、量産化を見据えた生産設備や技術基盤の整備を進めています。
具体的には、次世代半導体パッケージ技術に関する国際的な研究開発コンソーシアム「JOINT3」への参画に加え、スタートアップ企業や大学との連携を通じて、最先端の技術動向や外部の知見を取り込み、技術開発の高度化と新規用途の探索に取り組んでいます。
さらに、長年培った高純度化、表面制御、組成、分析評価等の技術を活用し、メディカル・センサー分野での成長が期待されるCdZnTe(カドミウムジンクテルル)基板等の結晶材料分野に加え、次世代半導体材料として期待されているCVD・ALD材料等の薄膜形成材料分野においても、事業拡大を図っています。
以上のように、次世代のグローバルトップシェア製品の創出に向け、今後も着実に事業基盤と技術力の強化を推進していきます。
④ サーキュラーエコノミー実現に向けた取組み
脱炭素化社会の進展に伴い、再生可能エネルギー導入の拡大や、様々な産業・領域における電化が進行しており、銅やレアメタルなどの金属資源の需要は今後さらに拡大していくことが見込まれています。こうした中、自動車業界や家電・電子機器業界を中心に、使用済み製品を回収・再資源化し、同一素材として再利用するクローズドループ・リサイクルへの関心が高まっていますが、その処理は必ずしも容易ではなく、実現にあたっては、製品ライフサイクルに関わるサプライチェーン全体が連携して資源効率性を高める仕組みを整備することが不可欠です。
当社グループは、台湾、米国、カナダ、ドイツ、シンガポールに集荷拠点・営業拠点を有し、世界規模のリサイクル原料集荷体制を整えています。
さらに、金属・リサイクル事業においては、リサイクル原料の増処理に向け、低品位のE-waste等を含む多様なリサイクル原料への対応力強化を目的に、JX金属製錬株式会社 佐賀関製錬所に前処理プロセスを中心とした設備投資を進めています。これらの設備投資を通じて、リサイクル原料の処理能力及び処理効率の向上を図るとともに、鉱石の酸化反応熱を活用し化石燃料使用量の抑制を図るグリーンハイブリッド製錬の高度化を推進しています。
こうした施策を通じて、資源循環の促進及び金属資源の安定的な確保に貢献し、サーキュラーエコノミーの実現を目指していきます。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1) ガバナンス
・サステナビリティ推進体制
当社グループはこれまでも様々な社会貢献活動や環境保全活動を実施してまいりましたが、サステナビリティに対する世界的な潮流を受けて、組織的対応を強化し、全社的視点でサステナビリティ経営に取り組む必要があることから、2020年10月、サステナビリティへの取り組みを統括する「ESG推進部」を発足し、関連会議体を整備しました。2025年4月には、同部の機能を「コーポレートコミュニケーション部」内に設置する「サステナビリティ推進室」に移管し、情報発信と社内伝達の機能を従前以上に強化していくこととしています。
・サステナビリティ推進会議
社長の諮問機関である「サステナビリティ推進会議」では、サステナビリティへの対応に関する基本方針や活動計画、及びそれらのモニタリングを行っています。サステナビリティ推進会議は社長を議長、当社の経営会議のメンバー(社長が指名した執行役員)を構成員、常勤監査等委員及び社外取締役をオブザーバーとし、原則として年2回開催されます。サステナビリティに関わる重要事項については、取締役会・経営会議に適宜、付議・報告しています。
また、サステナビリティ活動のグループ全体における推進・浸透を図るため、下部機関として、各部門、グループ会社等のサステナビリティ推進責任者により構成される「サステナビリティ推進責任者会議」を設置しています。

・委員会の設置
サステナビリティ推進会議の委任に基づき、活動の分野に応じて下記委員会を設置しています。各委員会における審議結果等はサステナビリティ推進会議にて報告します。
① コンプライアンス委員会
当社グループにおけるコンプライアンス推進のための教育その他の諸施策及び活動計画の策定、当社グループ各社におけるコンプライアンス推進状況のレビューを行います。
事務局を当社法務部として、年2回及び必要の都度開催しています。
② 安全・環境委員会
当社グループの安全衛生・環境保全に関する活動計画の策定、当社グループ各社における安全衛生・環境保全に関する活動状況のレビューを行います。
事務局を当社環境安全部として、年2回及び必要の都度開催しています。
③ カーボンフリー委員会
当社グループにおけるCO2ネットゼロに向けた取り組み推進のための活動方針及び活動計画その他諸施策の策定、当社グループ各社におけるCO2ネットゼロに向けた取り組みの推進状況のレビューを行います。事務局を当社サステナビリティ推進室として、年2回及び必要の都度開催しています。
(2) リスク管理
事業を取り巻く様々なリスクに関して、将来予測や内外の環境変化を踏まえて特定・分析及び評価を行い、回避・低減・移転・保有等の対応を実施しています。当社グループでは、当社経営会議において重要リスクの決定、各重要リスクの対応計画の承認及びそれらのモニタリングを実施しています。また、当社総務部リスクマネジメント室が、当社及び当社グループのリスクマネジメントの総括に関する業務を分掌し、全社的リスクマネジメントの推進を担っています。詳細については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご確認ください。
(3) 戦略・指標及び目標
当社グループでは、「JX金属グループフィロソフィー」に基づき、2040年の当社の在りたい姿を示した長期ビジョンの達成に向けて、マテリアリティを特定しています。各マテリアリティはKPIを設定し、サステナビリティ推進会議にて達成度合いを測定・評価しながら運用しています。
・マテリアリティの特定プロセス
2018年に下記ステップにより10項目の「CSR重要テーマ」を特定し、その後、2020年には長期ビジョンの策定を踏まえて見直しを行い、その達成に向けた優先課題として6項目の「マテリアリティ」へと再整理しました。

・マテリアリティ(重要課題)とKPI(重要業績評価指標)
Environment
マテリアリティ①:地球環境保全への貢献
Social
マテリアリティ②:くらしを支える先端材料の提供
マテリアリティ③:魅力ある職場の実現
(注) 障がい者の雇用促進と安定を目的として設立される子会社
マテリアリティ④:人権の尊重
マテリアリティ⑤:地域コミュニティとの共存共栄
Governance
マテリアリティ⑥:ガバナンスの強化
・マテリアリティの改定(2025年度)
2025年度は、事業ポートフォリオ戦略の進展や、上場等の経営を取り巻く環境の変化、フィロソフィーの策定等を背景に、マテリアリティの改定について検討しました。改定に当たっては、既存のマテリアリティをベースとしつつ、経済産業省の推進する「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)」や「国際統合報告フレームワーク」の提唱する「統合思考」等の考え方を取り入れ、当社グループが提供する価値と、それを支える経営基盤をより明確に示すことを重視しました。
また、複数の社外有識者との継続的な対話を重ねるとともに、サステナビリティ推進会議、経営会議、取締役会にて複数回にわたり報告・付議し、経営層を巻き込んだ議論を行いました。これらの検討を経て、以下のとおりマテリアリティを確定しました。

なお、特定したマテリアリティについては、今後の社会情勢やニーズの変化、経営戦略等に応じて内容の見直しを定期的に実施していく予定です。
(4) 気候変動
気候変動対応に関する基本方針の策定、重点目標の設定、それらのモニタリング等については、社長の諮問機関であるサステナビリティ推進会議で行っています。
[ガバナンス]
気候変動対応に関する基本方針の策定、重点目標の設定、それらのモニタリング等については、社長の諮問機関であるサステナビリティ推進会議で行っています。
[リスク管理]
気候変動に係るリスク・機会についてはサステナビリティ推進室が各部門と連携し、TCFD提言のフレームワークに沿ってシナリオ分析を含む評価・特定を行っています。シナリオ分析にあたっては、気候変動影響に伴う規制や事業への影響等のリスク要因を幅広く情報収集・分析し、気候変動対応に係る自社のリスク・機会の把握、中長期的な事業戦略上の対策などを検討しています。また、分析の結果や対応策の実施状況等については、サステナビリティ推進会議等を通じて経営陣に共有し、それを基に各部門がサステナビリティ推進室とも連携しながら取り組みを進めています。
[指標と目標]

当社グループは、気候変動における指標をCO2自社排出量(Scope1、2)と定め、2050年度にCO2自社排出量のネットゼロを目指すことを目標としています。2018年度のScope1、2におけるCO2自社排出量を基準として、2050年度からのバックキャストで2030年度までに50%減とすることを中間目標に設定しています。
[戦略]
(ア) 気候変動関連リスク・機会の分析
気候変動が当社グループ及び当社グループ事業に及ぼすリスク・機会の抽出、リスクへの対応と機会の実現に向けた戦略を検討するにあたって、国際エネルギー機関(IEA)の「World Energy Outlook(WEO)」を参照しました。このほか、国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)による地球温暖化シナリオを分析に用いました。
(イ) 気候変動リスク・機会の特定について
気候変動に伴う脱炭素社会への移行を想定すると、再生可能エネルギーへの電源構成の転換、電動化等の電力利用の変革、サーキュラーエコノミーの社会実装等に向けて当社グループの果たす役割は大きく、製品需要の増加や高機能化などの機会が想定されます。一方、当社グループ自身がグローバルでカーボンニュートラル化を進めることに伴うコスト増加やその遅れによる機会損失などのリスクも存在します。また、国内外の事業所において、異常気象により生産設備や物流網が被害を受け、操業停止に陥る物理リスクの高まりが考えられます。

(ウ) 資源循環を通じた脱炭素への貢献
当社グループは、「社会に必要不可欠な材料を持続可能な形で提供」することもマテリアリティの1つに位置付け、このマテリアリティに関する重要な取組として資源循環を推進し、「地球環境の保全・再生への貢献」(上記(3) 参照)も実現することを企図しています。
例えば、当社グループが取り扱う銅はカーボンニュートラルの実現に不可欠な脱炭素資源であり、脱炭素に向けた世界的な取組の強化も一因となり銅の需要は今後拡大すると見込まれています。かかる状況のもと、当社グループは銅の生産・供給による環境影響を最小限とし、銅の供給をサステナブルなものとすべく、従前よりリサイクルの促進と、化石燃料の利用の抑制を重要な課題と捉えて活動を進めてきました。当社グループのJX金属製錬株式会社佐賀関製錬所は、世界でも有数の規模と、低いCO2排出原単位だけでなく、高いリサイクル率も既に実現しています。リサイクル比率をさらに高めることも計画しています。
また、2024年1月にはマスバランス方式を用いた2種類の100%リサイクル電気銅(PCL100/mb、MR100/mb)(注)を上市し、2025年1月には、原料100%リサイクル高機能伸銅品の販売を開始、9月には100%リサイクル電気銅の取引開始を発表するなど、社会に求められる銅の供給の在り方を多面的に検討し、施策として実行しています。資源循環に関する取組の詳細は、統合報告書2025、サステナビリティウェブサイト及び以下ウェブサイトをご覧ください。
リサイクル銅製品に関する取組:https://www.jx-nmm.com/products/cu_again/
(注) PCL100/mb(Partnered Closed Loop 100% mass balance method)は、顧客の使用済み製品や工程端材を由来とする銅リサイクル原料を水平リサイクルし、含有されている銅の相当量を100%リサイクル電気銅として返還するもの。MR100/mb(Mixed Recycle 100% mass balance method)は、当社グループがリサイクル原料回収ネットワークを通じて市中から収集した銅リサイクル原料を基に、100%リサイクル電気銅を販売するもの。
(5)人的資本
[ガバナンス]
当社グループでは、人材のマネジメント・育成が経営の重要テーマであることを明確にし、全社的な観点・経営視点に立って人材領域について議論するため、社長の諮問機関である人材会議を設置しています。人材会議は原則として2ヶ月に1回開催し、当社役員等の出席の下、人材のマネジメント・人材育成・労働環境整備に関する重要事項について議論をしています。決定した方針・施策に基づき、人事部及び各人事担当部署が連携しながら、施策の実施、浸透に向けた活動を行っています。

[リスク管理]
人材マネジメントに関するリスク管理については、全社のリスク管理に統合されているため、詳細は「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
[戦略]
当社は、長期ビジョン及び中長期の事業・成長戦略の実現に向け、人的資本を最重要の経営資本の一つと位置づけ、経営戦略と高い連動性を持つ人材戦略を推進しています。人的資本を価値創造の源泉と捉え、その投資効果を中長期的な企業価値向上につなげるという考え方のもと、人的資本経営の高度化に取り組んでいます。
当社の人材戦略は、JX金属グループフィロソフィー及び人事ポリシー「働く人が、充実感を得られる場所に。」を基盤とし、事業を通じた価値創造や持続的成長のための基盤強化、社会課題への対応を実現するため、以下の6つの人的資本に関する重点施策を設定し、これらを相互に連動させながら総合的に推進しています。
① 人材ポートフォリオの最適化
② 人事(等級・評価・報酬)制度見直し
③ 自律的キャリア形成を支える学びの環境整備
④ 従業員エンゲージメントの向上
⑤ DE&I推進(女性・障がい者活躍推進)
⑥ 健康・安全を基盤とした持続的な職場環境の確立
これらの施策を体系的に展開し、人的資本の価値創出を通じて経営戦略の実現に資するよう、経営戦略との整合性を確認しながら改善を図ることで、人的資本経営の実効性を高めていきます。
[戦略実現に向けた重点施策例]
当社では、前述の人材戦略を実効性あるものとし、設定した指標や目標の達成につなげていくため、人材戦略と連動した重点施策を体系的に推進しています。中でも人材育成は、事業成長に求められる人材の確保・充足や将来に向けた能力開発を担う重要な施策です。具体的には、従業員の自律的な学びの促進(自律的キャリア形成)、DXに関する人材育成プログラム(Grow&Progress DX)などに取り組んでいます。
(ア) 自律的キャリア形成
当社グループでは、事業環境の変化が加速する中、従業員一人ひとりが自身のキャリアを主体的に描き、学び、成長し続けることが企業価値の持続的向上につながると考えています。そこで、職種別キャリアパスの整備や、必要となるスキル・経験の可視化を進めるとともに、自己啓発支援やオンライン学習など、時間や場所にとらわれない学びの機会を提供しています。これらの取組を通じて、従業員が自らの志向や強みを踏まえてキャリアを選択・形成し、環境変化に対応しながら専門性と役割を進化させていくことを後押ししています。個人の成長と事業成長を両立させる好循環の実現を目指し、自律的キャリア形成を中核とした人材開発を推進しています。
(イ)Grow&Progress DX
「Grow & Progress DX」は、新入社員を対象に、DXを単なるITスキルとしてではなく、現場課題を起点に価値創出へつなげるための思考・行動様式として身に付けることを目的とした人材育成プログラムです。新入社員の視点を活かして業務プロセスや慣行を見直し、デジタル技術を活用した改善施策の立案・実行に取り組むことで、実践的なDX人材の育成を図っています。あわせて、現場で生まれた改善事例を横展開することで、全社的な生産性向上と業務変革の加速につなげています。本プログラムを通じて、挑戦を学びに変え、成長を組織に還元する文化の醸成を目指しています。
[指標及び目標]
① 従業員エンゲージメントスコア
当社では2024年度から従業員意識調査を行っており、フィロソフィーや会社戦略などに対する従業員の理解度や会社への愛着度、従業員の仕事へのやりがいや意欲などを測定しています。その結果は従業員エンゲージメントスコアとして反映されており、各スコアの向上を目標に据えて、各種施策・アクションの立案・実行を推進しています。
※エンゲージメントスコアは、5段階の選択肢から選ぶ回答を「そう思う=100pt」「ややそう思う=75pt」「どちらともいえない=50pt」「あまりそう思わない=25pt」「そう思わない=0pt」に換算し、平均したものです。50ptは中立、75ptは全員が「ややそう思う」と回答した水準に相当するため、67.2ptは中立を上回る肯定寄りの水準と捉えています。なお、設問・算出方法は各社で異なるため、他社開示値との単純比較には適しません。
②2025年度実績
当社では多様な人材がやりがいをもって働くことができる環境を整備しており、育児休業復帰後の定着率・復職率や再雇用者、障がい者雇用率向上にも取り組んでいます。
(注) 1.管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異については、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (2) 従業員の状況 (4)多様性に関する指標」に掲載
2.育児休業から復職後、12か月経過しても在籍している社員の割合
3.育児休業後に復職した社員の割合
4.2022年10月に定年年齢を65歳に引き上げたため、当面の間発生しない見込み
5.障がい者の雇用促進と安定を目的として設立される子会社
③ 「次世代育成支援対策推進法」「女性活躍推進法」に基づく行動計画
当社では女性をはじめとした多様な人材がやりがいを持って働くことができる環境整備を行うことで「人と組織の活性化」を図り、従業員がその能力を最大限に発揮できるようにするため、下記のとおり行動計画を策定しています。
(注) 2028年3月までを計画期間として、2026年4月に策定した「次世代育成支援対策推進法」「女性活躍推進法」に基づく行動計画上の目標
3 【事業等のリスク】
当社グループの経営成績及び財務状況に重大な影響を与える可能性がある主要なリスクを以下に記載しています。当社グループでは、事業活動を取り巻く多様なリスクに対して的確な対応を図ることでJⅩ金属グループの経営を支えることを目的に、統合的にリスクを管理するERM(Enterprise Risk Management)を導入しています。特に当社グループにおける重要なリスクに関しては、当社の経営会議において議論・決定し、各リスク所管部署が実施しているリスク対応の状況をモニタリングしています。ERMを運用することで、2040年長期ビジョンの実現をより確実にすることを目指してまいります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。
1. フォーカス事業における競争優位性の喪失リスク
当社では、特にフォーカス事業である半導体材料/情報通信材料セグメントにおいて、顧客との永続的な強い信頼関係を構築することで、顧客要望や最新の開発動向などをいち早く入手し、的確にそれに応え続けることで競争優位性を確保しています。また、そのために、研究開発と先端技術の知的財産権の権利化・第三者による権利侵害の防止、事業運営に必要な人材の採用・育成、複数購買をはじめとするサプライチェーンの強靭化、品質管理体制の強化及び供給責任を果たすための生産能力の拡大等に積極的に取り組んでいます。しかしながら、当社が顧客要望に十分に応えられないケースが続いた場合には、シェアの喪失や販売マージンの縮小、あるいは代替製品の登場や顧客ニーズの変化等の事業環境の変化によっては、競争優位性を失う可能性があります。
現在の製品群が競争優位性を失った場合の対応として、注力領域を定め、新規製品・事業開発の取り組みを進めており、その実現に向けて、社内リソースは元より、当社グループ間の技術のコラボレーション、大学との共同研究及び外部企業とのパートナーシップ等、様々な外部リソースについても積極的に活用しています。しかしながら、新規製品・事業創出に向けた取り組みが、当社の収益基盤に成長するまでには、相応の時間と経営資源の投入が必要となります。そのため、新規製品・事業が創出できていない状況で、半導体材料/情報通信材料セグメントでの競争優位性を喪失した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
2. 中長期事業目標の未達リスク
当社グループは、半導体材料・情報通信材料のグローバルリーダーとして、先端材料で社会の発展と革新に貢献することを目指すべく、2024年5月に中長期の事業戦略及び事業目標を公表いたしました。当該中長期の事業戦略及び事業目標は、半導体市場の成長を中心とする事業環境の見通し、為替動向、金利動向、銅価格の見通し等、策定時点における経済・事業環境の認識を中心とした様々な前提に基づいて策定したものであります。しかしながら、半導体をはじめとする先端材料関連市場の成長鈍化や急激な円高進行による外貨建て取引の収益減等、経済・事業環境認識の前提が想定どおりとならない可能性を常に抱えています。
加えて、当社は、収益性及び資本効率の改善を目的として、構造改革を推進しています。当該施策においては運転資本の改善、設備投資の最適化、拡販・売価見直し及び全社での間接費を含むコストの最適化を進めており、その効果を当該事業目標の中に織込んでいます。施策の件数や各施策がもたらす財務指標の改善効果については実現可能性や進捗に応じて段階的に管理しています。
また、事業環境の変化や経営判断により、中長期事業目標の策定時点では想定していなかった事業戦略を実施する可能性があり、その結果、当該事業目標の達成に影響を及ぼす可能性があります。
このような前提及び施策が想定どおりに実現しない場合には、当該中長期の事業戦略及び事業目標の達成が困難となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
3. 市場環境の変化に関するリスク
(1) 半導体市場等の変動
持続可能な社会の実現に向けて、IT、モビリティ、ヘルスケア、エネルギー、建築など様々な産業でデジタルデータの活用が進展し、各分野に用いられる先端材料のニーズがさらに拡大しています。なかでも半導体市場は、生成AIの急速な普及拡大やこれに伴うデータ通信需要の拡大等を背景に成長基調が継続する事業環境にあります。当社は、先端材料を通じた社会の発展に貢献することを目指し、半導体メーカーをはじめとする世界各国に存在する顧客に対して製品を製造・販売していますが、世界経済の動向や最終製品の需要増減等の要因により、成長の過程で需給バランスが崩れ市場規模が急激に変動することがあります。例えば、半導体市場が縮小した場合には、需給バランスの崩れから生産過剰や在庫増加等が発生する可能性があります。また一方では、設備投資の実行タイミングの遅れや、市場の成長規模の見誤りなどにより、需要の増加に対応できない場合には、製品の供給において顧客のニーズに応えることができず、機会損失が生じる可能性があります。
かかる状況を想定し、当社では、市場動向や顧客の需要動向の調査・分析結果を基に、生産量・在庫量の適正化を図っています。また、製品ラインナップの多様化や生産体制の増強に向けて時機をとらえた柔軟な設備投資判断に努めています。しかしながら、将来において当社の想定を超える市場環境の著しい変化が起きた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 金属価格・為替等の変動
当社グループでは、先端材料の製造・開発を成長戦略のコアとして位置づけ、そこに良質な原料を供給するため、資源開発から製錬・リサイクル事業を一貫して展開しています。製品の販売や原材料及び資材の購入は、その多くを米国ドルや現地通貨建てで行っています。そのため、金属価格や為替変動等のリスクにさらされており、先物ヘッジ取引の活用等によるリスク低減に努めています。しかしながら、金属価格及び為替等の急激かつ大幅な変動が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
4. M&Aや事業提携に関するリスク
当社は、事業の成長を加速させるうえで有効な手段となる場合や競争優位性に寄与する場合には、必要に応じてM&Aや事業提携(出資、合弁及びスタートアップ投資等を含む)を実施しています。これらの実施に当たっては、相手企業の財務状況や事業内容について可能な限り情報収集と分析を踏まえた事前審査を行っています。しかしながら、事前審査にも関わらず市場環境の将来的な著しい変化等により、事業を計画どおりに展開することができない場合には、投下資金の未回収等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
5. 地政学リスク
当社グループは世界の各地域に事業拠点を有しており、グローバルなネットワークを構築しています。資源事業においては南米チリのカセロネス鉱山をはじめ銅やレアメタル鉱山への出資、探鉱、開発を行っているほか、金属・リサイクル事業やタンタル・ニオブ事業においても、世界各国から原料を調達し、半導体材料や情報通信材料に不可欠な原料のサプライチェーン強化に向けた取り組みを進めています。また、当社グループではグループ内シンクタンクと連携し、オープンソースだけではなく各分野の専門家とのネットワーキングを駆使して情報を収集し、社内への提供に努めています。
近年、将来における資源枯渇への危機意識や資源需給の不均衡に加え、資源国のロイヤルティ課税や高付加価値化政策の導入といった戦略物資化(いわゆる資源ナショナリズム)や紛争鉱物問題、需要国におけるリサイクル原料などの囲い込みの動きなどが進んでいます。このような動きがさらに進むと、原料の調達がより困難になる可能性があります。こうした原料調達リスクに加え、国際的な政治対立が深まり、当社製品のサプライチェーンが寸断された場合、事業継続に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの海外における事業活動が訴訟、紛争、その他の法的手続の対象になることがあります。当社はこのような訴訟における争点及び進捗について定期的にモニタリングを行っており、事業継続にあたって重大な支障をきたす恐れはないものと判断していますが、訴訟には不確実性が伴うことから、複数の訴訟において多額の和解金や損害賠償請求が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
6. 自然災害リスク
近年の異常気象により自然災害は激甚化する傾向にあります。当社グループは、国内外に多数の事業拠点とグループ会社を有し、グローバルに事業活動を展開しています。地震、津波、洪水、大雪等の規模が極めて大きい自然災害が発生した場合、社会インフラや経済活動の停止によるサプライチェーンの寸断だけではなく、当社資産の甚大な被害により、長期にわたって、顧客への供給遅延や供給停止が発生し、収益を悪化させる可能性があります。また、従業員の被災により、人命に関わる事態となる可能性があります。このような事態に備え、当社グループでは、危機・緊急事態対応規則に基づき人的・物的被害の最小化及び早期復旧を図るための事業継続計画を策定し、定期的な各種訓練と、その結果に基づく改善を継続的に行っています。しかしながら、当社の想定を遥かに超える被災状況に陥り、早期復旧が困難な場合には、当社グループの事業継続に支障をきたす可能性があります。
7. 感染症流行リスク
新型コロナウイルスの発生時には、JX金属グループ感染症対策基本規則及び感染症対応マニュアルを定め、政府・官公庁・地方自治体等の公的機関等、適切と考えうる国内外の情報を収集し、さらに、基本方針、実施する対策、出社方針・勤務体制の変更、感染した場合の行動等を適宜従業員に対して周知徹底いたしました。上記のとおり、感染症流行時には、適切な対応を実施し、当社グループの事業運営に大きな影響を発生させないよう努めています。しかしながら、将来において予期せぬ強毒性かつ感染力の高い新たなパンデミックが発生した場合には、拠点地域での人流の抑制や既存のサプライチェーンの寸断が発生する可能性があります。また、当社従業員が当該感染症にり患し、生産拠点での必要な人員を確保できない場合、当社グループの事業継続に支障をきたす可能性があります。
8. サステナビリティに関するリスク
近年、ステークホルダーから企業に対して、脱炭素・循環型社会への貢献、生物多様性や水資源の保全、人権の尊重等、サステナビリティに関する各分野に対する取り組みが求められています。当社グループでは、長期ビジョンにおいて、持続可能な社会の実現に貢献することを打ち出し、経営方針として同分野の取り組みを重点課題に定め、その中でも特に優先的に取り組むべき7つのテーマをマテリアリティとして特定し、各種施策の推進・対応を積極的に進めています。しかしながら、将来においてステークホルダーからの要請の厳格化や諸外国の規制強化に対して、十分な対応が取れない場合、顧客との取引関係の解消、操業の縮小に追い込まれる等、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響が発生する可能性があります。また、当社グループのブランドに対する社会的信用の低下につながる可能性があります。
9. 人事リスク
少子高齢化により国内労働人口が減少するなか、現役世代、特に10-30代の働き方への価値観は、急激に変化かつ多様化しています。また、海外で主流だったキャリア志向は、国内にて近年急速に広く定着したものと認識しています。当社では、優秀な人材の獲得及び定着に向けて、人事制度の見直しによる処遇改善により、雇用市場における競争力を高める取り組みや、自己申告に基づく柔軟な配置転換の実施及び多様な人材が活躍できる仕組み作り等により、事業環境の変化に対応できる組織風土を醸成する取り組みを進めています。しかしながら、当社が、将来的な労働市場の変化に十分に対応できない場合、従業員が当社で働く魅力は相対的に低下し、離職者が増加する可能性があります。また当社が求めるあらゆる人材の層において、新規採用者の確保が困難となることが想定されます。さらに、人員の不足が長期にわたり継続する場合には、事業運営に支障をきたし、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響が発生する可能性があります。
10. 労務リスク
当社グループは、グローバルにビジネスを展開しており、国内外に多くの従業員を抱えていることから、各国の関連法令、ルール等の定めにしたがって、各種人事制度と内部通報制度を整備するとともに、役員・従業員向け教育を充実することで、コンプライアンス知識や意識の向上を図っています。しかしながら、それらの制度設計やその運用が、将来において関連法規の予期せぬ変更に追従できない場合、当局から課徴金の支払をはじめとする行政処分を受ける可能性があります。また、不適切な労働時間の管理による長時間労働や、モラルの欠如による各種ハラスメント行為、海外の労働慣習からの逸脱行為等が発生した場合、従業員の心身の健康が損なわれたり、人材の流出や訴訟に発展することにより、当社グループの財政状態に影響を及ぼすだけでなく、社会的信用の低下を招く可能性があります。
11. 内部統制に関するリスク
当社グループは、業務の効率性と適正性を十分に確保するための内部統制システムを、取締役会の監督のもと、「内部統制システム整備・運用の基本方針」に基づき整備し運用するとともに、その状況についてモニタリングを実施しています。しかしながら、当社及びグループ各社において、取り組みの範囲を超える予期せぬ事態により、内部統制システムが有効に機能せず、法令・規則違反、巨額な損失リスクの顕在化(契約違反による損害賠償、役員・従業員等の不正の誘発などを含む)、ディスクロージャーの信頼性の毀損等に発展した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
12. 情報セキュリティリスク
サイバー攻撃や誤操作、内部不正により、当社や取引先の情報資産が流出・毀損し、生産・事業運営の停止や、顧客・サプライチェーンへの深刻な影響が発生する可能性があります。当社グループでは、ISO/IEC27001に基づく情報セキュリティマネジメントシステムを導入し、その運用状況について情報セキュリティ委員会でレビューを実施するとともに、サプライチェーン全体における情報セキュリティの強化を推進しています。また、役員・従業員等の情報セキュリティ意識向上に向けて研修を実施することで、情報資産を確実に保護する体制を整備し継続的に改善しています。しかしながら、サイバー攻撃や産業スパイ等による機密情報を狙う手口は巧妙化しており、当社グループの取り組みの範囲を超える予期せぬ事態による情報流出事故等が発生した場合、行政処分による課徴金や刑事訴訟による罰金、民事訴訟による損害賠償金等を課せられ、当社グループの財政状態に影響を及ぼすだけでなく、社会的信用の低下を招く可能性があります。
13. 製品品質リスク
当社グループは、国内外生産拠点において、国際品質マネジメント規格や各業界で求められる基準に従い、多様な製品の品質マネジメントを実施しています。また、独自に保有する品質技術や過去から蓄積する品質トラブルデータを活用し、製品の企画、設計、試作、製造の各段階での設計審査、内部監査、サプライヤーとの協力関係構築・品質監査・指導、工程管理等を通じて製品の信頼性や安全性を十分に確保するため、品質管理体制の構築を図っているほか、各拠点における検査自動化、人材育成を継続的に推進しています。
しかしながら、当社グループの取り組みの範囲を超える予期せぬ事態により、品質上の不具合(規制物質含有を含む)や不正が発生した場合、回収コストや賠償費用が発生し、当社グループの財政状態に影響を及ぼすだけでなく、社会的信用の低下を招く可能性があります。
14. 環境問題に関するリスク
当社グループの事業は、国内外で様々な環境関連法令の適用を受けており、それらの法令に基づき、環境保全活動を行っています。
子会社であるグールド・エレクトロニクス社(米国法人、以下、「グールド社」という。)は、過去の事業において生産拠点を展開していた米国内の地域における環境問題に関連して、米国スーパーファンド法等の環境法令に基づき特定のサイトについて潜在的責任当事者として浄化作業を中心とする環境対策等に関する責任の対象とされています。同社の最終的な負担額は、地域指定の原因となった物質の量及び性質、他の潜在的責任当事者の総数及びその財政状態、対応工事の方法及び技術、環境法令の改正、物価の動向など多くの要因に左右され、相応に多額となる可能性があります。グールド社は、上記に関しては、合理的な見積りに基づき引当計上を行っていますが、上記要因により実際の負担額が引当額を上回り、結果として、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは長年の事業活動の結果、全国各地に休廃止鉱山を所有しています。鉱山保安法に基づき、それらの休廃止鉱山の坑廃水処理などの活動を実施していますが、関連法令の改正や自然災害等が発生した場合には、休廃止鉱山の管理に要する費用が変更となる可能性があります。上記負担額に関しては、合理的な見積りに基づき引当計上を行っていますが、上記要因により実際の負担額が引当額を上回る可能性があり、この場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響が生じる可能性があります。
15. 役員・大株主・関係会社等に関する重要事項等
当連結会計年度末日現在、ENEOSホールディングス株式会社(以下、「ENEOSホールディングス」という。)が所有する当社株式の割合は、42.38%です。なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 36.後発事象」に記載の本株式交換により、本株式交換効力発生日(本年6月1日)後、ENEOSホールディングスが所有する当社株式の割合は、41.29%です。また、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 36.後発事象」に記載の自己株式の公開買付けにより、同社が所有する当社株式の割合は、35.28%となる予定です。
当社グループとENEOSグループとの間には事業上の競合及び当社グループの経営において事前にENEOSホールディングスの承認を要する事項等はありませんが、当社は引き続き経営意思決定の透明性・公正性を確保すべく、取締役11名のうち独立社外取締役を5名選任しているほか、委員の過半数かつ議長を独立社外取締役で構成する指名・報酬諮問委員会において、当社取締役の選解任及び役員報酬に関連する重要事項について審議しています。
なお、当社は、ENEOSホールディングスの監査等委員である取締役を務める塩田智夫氏を監査等委員である取締役として選任していますが、当該人事は、上場会社の監査等委員としての経験と実績や財務・会計に係る専門性に基づき、他の監査等委員とともに当社経営の職務の執行を監査・監督することを期待したもので、企業経営の健全性及び少数株主保護の観点からも支障がないとして、指名・報酬諮問委員会に諮問の上で決定しています。
また、当社グループでは、健全な取引を実施し少数株主の利益に十分配慮すべく、ENEOSホールディングスを含む関連当事者との取引を行うに当たっては、関連当事者取引規則に基づき、各取引について合理性及び取引条件の妥当性が担保される場合に限り取引を実施することとしています。
以上を踏まえれば、当社グループの事業運営の独立性は確保されていると判断しています。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループを取り巻く環境
当期における世界経済は、米国の関税政策や中東における紛争等の地政学的リスクの高まりが重石となり、全体としては緩やかな拡大にとどまりました。国際的な通商・投資環境においては、関税措置や輸出管理規制・投資規制の強化等が複合的に作用し、企業活動を取り巻く環境は従来以上に不確実性の高い状況となりました。こうした影響を受け、世界経済は成長率の下振れリスクが意識される局面が続きました。国内経済は、米国の関税政策を巡る不透明感が企業収益や輸出動向に影響を及ぼしたものの、所得環境の改善を背景に個人消費には持ち直しの動きがみられるなど、内需を中心に緩やかな回復基調となりました。
円の対米ドル相場は、米国関税政策に伴う市場の不透明感等を背景に、期初には1米ドル当たり140円近辺まで円高が進行しました。その後は、米国経済の堅調な推移に加え、日本において実質的な金融緩和状態が継続したことなどから円安基調へと転じ、当期末には160円、期平均では前年同期比2円高の151円となりました。
銅の国際価格(LME〔ロンドン金属取引所〕価格)は、期初は1ポンド当たり438セントから始まり、米国における銅への関税賦課を巡る懸念に加え、海外鉱山でのトラブル等による供給不安、さらには米国の利下げ観測等を背景とした投機資金の流入等を受け、概ね上昇基調で推移しました。2026年1月29日には当時の史上最高値となる1ポンド当たり628セントを記録しました。その後は高値圏での調整局面を経て、当期末には1ポンド当たり552セント、期平均では前年同期比66セント高の1ポンド当たり491セントとなりました。
半導体市場は、旺盛なAI関連投資を背景に、データセンターにおけるAIサーバやネットワーク機器向け需要の拡大を受け、大きく成長しました。ネットワーク機器では、光通信領域の拡大もみられました。情報通信市場は、スマートフォンやパソコン・タブレットにおいて、Windows11への移行やAI機能搭載等に伴う更新需要を背景に、堅調に推移しました。
これらを背景に、当社グループを取り巻く事業環境は、米国の関税政策や地政学的リスク等による不確実性が続く一方で、AI関連投資の力強い拡大に支えられる状況となりました。
このような経営環境の中、当社の成長戦略のコアであるフォーカス事業の成長をさらに加速させる取組みや、ベース事業における資本効率を意識した事業の強靭化など、「JX金属グループ2040年長期ビジョン」(長期ビジョン)の実現に向けた各施策を推進しました。
また、2026年3月26日には、半導体分野をはじめとする先端材料の新たな中核拠点としてひたちなか工場を開業しました。本工場では、AIデータセンター向けを中心とした先端ロジック半導体や先端メモリ半導体(HBM等)の需要拡大を見据え、半導体用スパッタリングターゲット等の供給力強化に加え、研究開発や新規事業の創出を通じて、先端半導体サプライチェーンにおける競争力の向上を図っていきます。
① 財政状態及び経営成績の状況
a. 経営成績
当連結会計年度における当社グループの売上高は、円高に伴う減収要因はあるものの、半導体用スパッタリングターゲットや圧延銅箔等の主力製品の増販、銅価の上昇等を主因として、前期比23.7%増の8,846億円となりました。営業利益は、前期比625億円増の1,750億円となりました。金融収益と金融費用の純額59億円を差し引いた結果、税引前利益は、前期比616億円増の1,691億円となり、法人所得税費用403億円を差し引いた当期利益は、前期比474億円増の1,287億円となりました。なお、当期利益の内訳は、親会社の所有者に帰属する当期利益が1,046億円、非支配持分に帰属する当期利益が241億円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
(半導体材料セグメント)
円高による減益要因はあるものの、AI関連需要の拡大は継続、データ生成量の増加に対応する大容量データ保存、データ通信高速化等のニーズが高まり、先端ロジック半導体やメモリ需要は高い水準で推移しました。これにより、半導体用スパッタリングターゲットをはじめとする主要製品の増販を主因に、前期比増益となりました。
こうした状況のもと、半導体材料セグメントの当期における売上高は、前期比20%増の1,772億円となりました。営業利益は前期比128億円増益の395億円となりました。
(情報通信材料セグメント)
円高及び2024年8月に実施したタツタ電線株式会社の連結子会社化に伴う負ののれん発生益の剥落等による減益要因はあるものの、スマートフォンの需要回復を受けた圧延銅箔の増販及びAIサーバ用途におけるチタン銅をはじめとする当社高機能銅合金の採用拡大により、前期比増益となりました。これに加えて、収益性向上、生産性改善等を目的に推進した収益構造改革も増益に寄与しています。
こうした状況のもと、情報通信材料セグメントの当期における売上高は、前期比20%増の3,187億円となりました。営業利益は前期比64億円増益の315億円となりました。
(基礎材料セグメント)
円高及び2024年7月に実施したSCM Minera Lumina Copper Chile(以下、「MLCC」という。)株式の一部譲渡による譲渡益の剥落及び持分法投資利益の一部剥落等による減益要因はあるものの、銅価等の上昇及びMLCCにおける繰延税金資産の計上による持分法投資利益の増益を主因に前期比増益となりました。また、金属・リサイクル事業においては、足許の銅精鉱買鉱条件が著しく悪化していることから、当社グループが運営する製錬所において減産措置を実施する方向で検討を進めています。
こうした状況のもと、基礎材料セグメントの当期における売上高は、前期比33%増の4,079億円となりました。営業利益は前期比649億円増益の1,395億円となりました。
b. 財政状態
なお、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末比0.3ポイント増加し48.3%、1株当たり親会社所有者帰属持分は前連結会計年度末比120.86円増加の784.44円、ネットD/Eレシオ(ネット・デット・エクイティ・レシオ)は前連結会計年度末比0.04ポイント改善し、0.36倍となりました。
② キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ80億円増加し、663億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、資金は1,075億円増加しました(前期は2,154億円の増加)。これは、営業債権及びその他の債権、棚卸資産の増加、法人所得税の支払等の資金減少要因があったものの、税引前利益の計上、配当金の受取、営業債務及びその他の債務の増加等の資金増加要因が上回ったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、資金は773億円減少しました(前期は221億円の減少)。これは、主に有形固定資産の取得等による資金減少が要因です
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、資金は249億円減少しました(前期は1,722億円の減少)。これは、主に配当金の支払等の資金減少が要因です。
(2) 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績及び受注実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また連結会社間の取引が複雑で、報告セグメントごとの生産実績及び受注実績を正確に把握することは困難なため、当社の主要な品目等についてのみ「(1) 経営成績等の状況の概要」において、各報告セグメントの業績に関連付けて記載しています。
b.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1.セグメント間の取引については、各セグメントに含めて表示しています。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しています。連結財務諸表の作成に当たって、過去の実績や状況を踏まえ、合理的と考えられる様々な要因を考慮したうえで、見積り及び判断を行っていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「同 4.重要な会計上の見積り及び判断」をご参照ください。
② 経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
③ 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループでは、運転資金及び設備投資等の資金需要に対して、自己資金や必要に応じ金融機関からの借入等で資金調達を行っています。また、子会社の資金調達については、グループ資金の効率性確保の観点から原則として当社が実施し、当社から当社グループ子会社に貸付けを実施いたします。当社グループでは、グループ資金を当社が集中して管理し、グループ全体としての資金の効率的な調達・運用を実現しています。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
5 【重要な契約等】
(1)「合弁契約書」(締結日:2023年12月22日)
パンパシフィック・カッパー株式会社(以下、「PPC」という。)における銅製錬事業(原料調達、委託製錬、製品販売等)に関する業務提携を、当社、三井金属株式会社、丸紅株式会社及びPPCと約したものです。
(2)「株式交換契約」「経営統合契約」(締結日:2026年2月25日)
当社及び東邦チタニウム株式会社(以下、「東邦チタニウム」という。)は、両社の2026年2月25日開催の取締役会決議に基づき、同日付で株式交換による経営統合を行うことを決議し、同日「株式交換契約」及び「経営統合契約」を締結しました。株式交換の概要は次のとおりです。
a. 株式交換の内容
当社を株式交換完全親会社とし、東邦チタニウムを株式交換完全子会社とする株式交換
b. 株式交換の日(効力発生日)
2026年6月1日
c. 株式交換の目的
当社は、1953年に東邦チタニウムを共同で設立して以来、当事業年度末において同社の株式を50.37%保有し、当社の上場子会社として資本・事業の両面で連携していました。近年、上場企業のガバナンスに関しては、構造上の利益相反リスクの対応策強化を求める動きが高まっており、また、足元では、AI技術の飛躍的な発展、地政学的関係性の変化、中国競合の実力の伸長、日本の労働人口の減少等、変化が加速し不確実性が高まっています。このような環境のもとで、東邦チタニウムが当社の完全子会社となることによって、これまで以上に両社間で情報、人的資源の共有を図り、経営資源を相互に結集させ、柔軟で迅速かつ長期的な視座に立った意思決定体制のもとで推進できる環境を構築し、グループ全体の企業価値を最大化することが目的となります。
d. 株式交換の方法
株式交換日現在の東邦チタニウムの株主名簿に記録の株主に対し、当社は普通株式24,720,108株を新株発行し、株式交付しました。なお、当社においては、会社法第796条第2項の定めによる簡易株式交換の手続きにより、株主総会の決議による株式交換契約の承認を得ずに、東邦チタニウムにおいては、2026年4月24日開催の臨時株主総会による承認を得たうえで、株式交換を行いました。
e. 株式交換比率
f. 株式交換比率の算定根拠
株式交換比率の算定にあたって公正性・妥当性を確保するため、両社から独立した第三者算定機関として、当社は大和証券株式会社(以下、「大和証券」という。)を、東邦チタニウムはみずほ証券株式会社(以下、「みずほ証券」という。)を、当社との間で利害関係を有さない独立した委員で構成された「東邦チタニウム株式会社 特別委員会」は独自の第三者算定機関として株式会社プルータス・コンサルティング(以下、「プルータス・コンサルティング」という。)をそれぞれ選定しました。また、法務アドバイザーとして、当社は、両社から独立した西村あさひ法律事務所・外国法共同事業を、東邦チタニウムは、両社から独立した長島・大野・常松法律事務所を選定しました。
大和証券は、当社については市場株価法、東邦チタニウムについては市場株価法及びDCF法による分析を行い、これらを総合的に勘案して株式交換比率を算定しました。みずほ証券は、当社については市場株価法、東邦チタニウムについては市場株価法及びDCF法による分析を行い、これらを総合的に勘案して株式交換比率を算定しました。プルータス・コンサルティングは、当社については市場株価法、東邦チタニウムについては市場株価法、類似会社比較法及びDCF法による分析を行い、これらを総合的に勘案して株式交換比率を算定しました。
これらの算定結果を参考に、両社がそれぞれ選定する法務アドバイザーからの法的助言等を踏まえて、当事者間で協議し、株式交換比率を決定しました。
g. 株式交換完全親会社となる会社の概要
(3)「Stock Purchase Agreement」(締結日:2026年3月10日)
当社は、2026年3月10日開催の取締役会において、カセロネス銅鉱山の運営会社であるSCM Minera Lumina Copper Chile(以下、「MLCC社」という。)の株式の5%を、Lundin Mining Corporationの完全子会社であるLMC Caserones SpAに譲渡することを決議し、同日、Stock Purchase Agreementを締結しました。これにより、当社の保有するMLCC社の持分比率は25%となります。なお、本譲渡にかかわらず、カセロネス銅鉱山の銅精鉱及び電気銅に係る当社による優先引取権の割合は、本譲渡前と同様に維持する契約となっています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 36.後発事象」をご参照ください。
6 【研究開発活動】
当社グループは、長期ビジョンとして掲げる『「装置産業型企業」から「技術立脚型企業」への転身』を実現するため、半導体材料/情報通信材料セグメントを成長戦略のコアと位置づけ、研究開発に注力しています。また、脱炭素や資源循環といった地球規模のESG課題解決に向けた製品・技術開発にも取り組んでいます。
新規事業創出においては、次世代半導体材料やフォトニクス材料を初めとする先端材料分野を中心に事業ポートフォリオの拡充を目指しています。特に、データセンターやAI搭載IoTデバイスに使用される高性能半導体の製造に必要な次世代半導体材料の開発に注力をしており、また、結晶材料では当社のコア技術である高純度化、組成制御、温度制御の技術を駆使し、データセンターの増加やモバイル通信量の増加、センシング技術の高度化等に対応するための高品質な結晶材料を供給すべく体制構築を図っています。特に次世代半導体製造プロセスでの採用拡大が期待されるCVD・ALD用材料については、生産能力の増強とともに新規生産プロセスの開発、新規材料開発の強化を行っています。
研究開発体制は、既存製品の改良や製造プロセスの改善など既存事業の強化を行う各事業部の開発部門と、新規事業の創出を推進する技術本部の開発部門から成り立っています。技術本部には全社的な技術戦略の企画・立案を所管する機能と、開発段階のテーマを事業化に向けて管理するインキュベーション機能、加えて当社グループのコーポレートラボの位置づけで、先端材料の開発、資源開発・製錬・リサイクルの次世代技術に関する研究開発機能を担っています。大学との共同研究などの産学連携やスタートアップ、ベンチャーキャピタルファンドへの出資など外部が保有する独自の技術と当社が保有するコア技術の融合により革新的イノベーションの創出、スピーディーな事業化へ向けた取り組みも進めています。
2026年2月にはRapidus株式会社が実施する最先端ロジック半導体量産に向けた大型資金調達に当社も参画し、同社へ出資することを発表いたしました。当社は、従来より、半導体用スパッタリングターゲットなどの各種半導体材料の供給を通じてRapidus社の取り組みを支援してきましたが、今般の出資を契機に、Rapidus社との連携をさらに深化させ、顧客・サプライヤーの枠を超えた協力体制のもと、半導体製造前工程・後工程や端材・廃液などのリサイクル分野における技術力の向上も追求してまいります。また、当社はRapidus社を中心とした新たな半導体エコシステムの形成期において、半導体関係各社との連携を強化し、今後の事業展開に資する新たな知見や機会の獲得を企図しています。技術革新や市場構造の変化を的確に捉えながら、共同開発、サプライチェーン連携、新規事業の芽となるパートナーシップ形成を積極的に推進し、こうした取り組みを通じて当社半導体ビジネスの更なる拡大と価値創出につながる技術・市場機会の開拓を進めてまいります。
当連結会計年度に発生した研究開発費は19,983百万円です。
報告セグメントごとの研究開発活動の状況は次のとおりです。
(1) 半導体材料セグメント
高純度化技術及び材料組成・結晶組織の制御技術をベースに、半導体・電子部品用途向け製品に関する開発を進めています。半導体用スパッタリングターゲット、磁性材料用スパッタリングターゲット等の各種ターゲット材料や、化合物半導体・結晶材料、その他電子材料を中心とした新規製品開発及び関連プロセスの技術開発に継続的に取り組んでいます。
特に、生成AI用などに使用される先端半導体製造プロセスにて用いられるスパッタリングターゲットにおいては、更なる品質改善に向けた取り組みとともに、昨今注目を集める先端パッケージ分野等における新規ニーズに対応するスパッタリングターゲットの開発をすすめています。また、当社が有する要素技術と試作/評価設備を応用した周辺材料の開発を、お客様、外部企業、大学との社外連携も行いながら積極的に進めています。
AIデータセンター内の光通信デバイスに使われるInP(インジウムリン)基板については、大口径化の需要に対応する開発に注力しています。当セグメントに係る研究開発費は6,007百万円です。
(2) 情報通信材料セグメント
精密な組成制御を実現する溶解鋳造技術、独自の結晶制御を可能にする圧延加工技術、並びにユーザーニーズに適合した評価技術を用いて、強度・導電性・加工性・耐久性に優れた高機能伸銅品の開発を進めています。半導体リードフレームやカメラモジュール用スプリングの次世代材料として、チタン系及びコルソン系新規銅合金の開発に取り組んでいます。また、今後の需要増加が見込まれるロボットや5G・6Gといった高速移動通信に使われるプリント配線板材や電磁波シールド材向けに、屈曲性、高周波特性、微細回路形成性に優れる圧延銅箔の開発に取り組んでいます。マテリアルインフォマティクス(シミュレーション、データ解析等)の活用や外部研究機関との連携を通し、開発のスピードアップを推進しています。当セグメントに係る研究開発費は5,180百万円です。
(3) 基礎材料セグメント
長年の現場経験を通じて培った鉱床評価技術、低品位銅鉱石から効率的に銅を分離・回収する技術、低環境負荷技術等を活用し、現在は海外の銅鉱山やレアメタル鉱山への参画や国内の含金珪酸鉱鉱山の操業を行っています。
銅製錬事業においては、2040年にリサイクル原料処理比率を50%とするグリーンハイブリッド製錬構想を掲げており、リサイクル原料を効率的に処理するための前処理プロセスを含む新規の製錬技術について試験研究を進めています。また、貴金属及びレアメタル等の回収率アップとともに、不純物許容度の高い精製プロセスの実現に向け技術開発を進めています。当セグメントに係る研究開発費は1,213百万円です。
(4) 新規事業
次世代半導体に使用されるCVD・ALD用材料及び先端パッケージ材料、3Dプリンター用金属粉、銅微粉、リチウムイオンバッテリーのリサイクル及び電池材料の開発等について、事業部、関係会社等を跨ぎグループ横断で早期事業化に向けた取り組みを強化しています。
CVD・ALD用材料関連では、生成AIの進化によりデータセンターやAI搭載IoTデバイスの市場が拡大し、これらの機器に必要とされる高性能半導体には、高集積化を実現するために更なる微細化や多層化が求められています。当社は2024年2月に「CVD・ALD材料事業推進室」を新設し、同材料の早期事業化を目指してまいりました。これまで同組織のもとで、新規高純度CVD・ALD材料の量産ラインを構築し、顧客へのサンプル出荷を進め、良好な評価を獲得しています。本材料の本格採用により急速な需要拡大が見込まれることから、当社は本材料の生産能力の増強を決定しました。東邦チタニウム株式会社茅ケ崎工場で生産設備増強が完了、フル操業を開始しています。さらに茨城事業所日立地区においても量産ラインの立上げが完了し、顧客への出荷を開始しています。これにより、拡大する顧客需要に対応するとともに、高性能化が加速する半導体の進化を支えてまいります。
2025年10月1日付にて「先端材料事業本部」に「データインフラ材料事業推進部」を新設し、「技術本部技術戦略部」の「先端パッケージ材料事業推進室」を新組織への統合を行っています。足元、生成AIの急速な普及によって社会全体のデータ量が爆発的に増加し、それに伴い、データセンターやネットワーク機器など、データインフラを支える材料の重要性がかつてないほど高まっています。当社は2024年11月に技術本部技術戦略部内に「先端パッケージ材料事業推進室」を設置し、半導体先端パッケージ分野における製品ラインナップの拡充に取り組んできましたが、こうした外部環境の変化を踏まえ、本組織改正を行うことで、先端パッケージ材料のみならずデータインフラ用途を含む新規製品のマーケティングから量産体制構築及び事業化に向けた体制整備を進めています。新組織は、より全社的な視点で横断的なマーケティングを推進するとともに、事業本部における新規事業の受け皿としての役割を担い、事業本部全体を俯瞰しながら、新規製品の事業化に向けた最適な推進体制の検討と構築を行っています。
他方、スタートアップやベンチャーキャピタルファンドへの出資も積極的に行い、2022年9月には先端材料の分野において20年以上の投資実績のあるベンチャーキャピタルファンドPangaea Ventures Impact Fund、2023年6月には独自技術の中間膜を開発している東京大学発のベンチャー企業である株式会社Gaianixxへの出資、2025年10月にはレーザー方式による核融合発電の社会実装を目指す大阪大学発のスタートアップの株式会社EX-Fusionへの出資を決定しました。これら独自の技術を有するスタートアップと当社が保有するコア技術の融合により革新的イノベーションの創出、スピーディな事業化へ向けた取り組みを進めています。
また、2025年9月には株式会社レゾナックにより設立された次世代半導体パッケージのコンソーシアム「JOINT3」に参画することを発表しました。当社は、先端半導体の製造に用いられる半導体用スパッタリングターゲットをはじめ、AIデータセンター向け材料として需要が急増しているインジウムリン化合物半導体基板、チタン銅合金箔、高純度タンタル粉等、グローバル市場で高いシェアを誇る先端材料を多数保有しています。中でも半導体用スパッタリングターゲットは、前工程だけでなく、パッケージング工程の一部であるチップ間配線形成などでも需要拡大が期待されています。また、表面処理剤など、同分野への適用が期待される製品群を揃えており、今後JOINT3において世界トップクラスの各参画企業と連携し新規事業創出を推進してまいります。
さらに、分析、シミュレーション及びデータ解析技術、生産技術の向上を通して、技術開発の促進、効率化、生産プロセスの最適化を図っています。新規事業及びその他の事業における研究開発費は合計で7,583百万円です。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社グループにおける当連結会計年度については、生産設備の増強、維持保全などを目的とした設備投資を継続的に実施しています。なお、有形固定資産のほか、無形資産への投資を含めて記載しています。
当連結会計年度の設備投資等の総額は77,904百万円であり、セグメントごとの設備投資内訳は次のとおりです。
半導体材料セグメントでは、薄膜材料・半導体用ターゲット関連製品の生産能力増強を目的として、磯原地区の生産設備増設や、メサ工場の生産設備導入、ひたちなか地区の建屋建設及び生産設備導入等を行いました。
情報通信材料セグメントでは、圧延銅箔に係る日立地区の生産設備導入、倉見工場における維持保全投資等を行いました。
基礎材料セグメントでは、JX金属製錬㈱佐賀関製錬所における維持保全投資等を行いました。
その他共通では、ひたちなか地区のインフラ整備、新規事業の研究開発、維持保全投資等を行いました。
当連結会計年度において、事業活動に影響を与えるような重要な設備の除却・売却はありません。
2 【主要な設備の状況】
当社グループにおける主要な設備は、次のとおりです。
(1) 提出会社
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.帳簿価額のうち「その他」は、その他の有形固定資産及び一部の無形資産の合計です。金額には使用権資産及び消費税は含めていません。また、連結会社以外から貸借している土地の面積は、[ ]で外書しています。
3.日立北工場、及びひたちなか地区は本格稼働前のため、従業員数は未記載としています。
4.茨城事業所の設備・人員は磯原地区、日立地区、及びひたちなか地区の内数として含めています。
(2) 国内子会社
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.帳簿価額のうち「その他」は、その他の有形固定資産及び一部の無形資産の合計です。金額には使用権資産及び消費税は含めていません。また、連結会社以外から貸借している土地の面積は、[ ]で外書しています。
(3) 在外子会社
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.帳簿価額のうち「その他」は、その他の有形固定資産及び一部の無形資産の合計です。金額には使用権資産及び消費税は含めていません。また、連結会社以外から貸借している土地の面積は、[ ]で外書しています。
3 【設備の新設、除却等の計画】
当社グループの主要な設備計画は以下のとおりです。
(1) 重要な設備の新設等
(注) 販売・生産品目が多種多様にわたっており、製造品毎の生産能力を一様に評価したうえで増加能力を計数的に把握することは困難である等の理由により、記載しておりません。
(2) 重要な設備の除却等
重要な設備の除却・売却の予定はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(注) 2026年6月1日付をもって、東邦チタニウム株式会社との株式交換(交換比率1:0.70)により、発行済株式総数が24,720,108株増加しています。
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
なお、当社は、2026年5月11日開催の取締役会において、2029年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債及び2031年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を発行し、2026年6月3日に払込みが完了しています。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記 36.後発事象」に記載しています。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注)1.有償第三者割当増資によるものです。
発行価額 1株当たり 100百万円
資本組入額 1株当たり 50百万円
割当先 JXTGホールディングス株式会社(現 ENEOSホールディングス株式会社)
2.2026年6月1日付をもって、東邦チタニウム株式会社との株式交換(交換比率1:0.70)により、発行済株式総数が24,720,108株増加しています。また、当該株式交換により、資本準備金が92,125百万円増加しています。
(5) 【所有者別状況】
(注) 自己株式182株は、「個人その他」に1単元及び「単元未満株式の状況」に82株含めて記載しています。
(6) 【大株主の状況】
2026年3月31日現在
(注) 1.当社は自己株式を182株保有しています。管理職従業員を対象とした株式給付信託(J-ESOP-RS)の信託財産として、株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が保有する当社株式876,799株について自己株式に含めていません。また、役員向け株式交付信託(RS信託)として、株式会社日本カストディ銀行(信託口)が保有する当社株式1,460,200株について自己株式等に含めていません。
2.上記日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)の所有株式のうち、投資信託設定分は36,097千株、年金信託設定分は661千株です。また、上記㈱日本カストディ銀行(信託口)の所有株式のうち、投資信託設定分は14,641千株、年金信託設定分は1,118千株です。
3. 所有株式数は、千株未満を切り捨てて表示しています。また、発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点第3位以下を切り捨てて表示しています。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
(注) 「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、管理職従業員を対象とした株式給付信託(J-ESOP-RS)の信託財産として、株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が保有する当社株式876,700株及び役員向け株式交付信託(RS信託)の信託財産として、株式会社日本カストディ銀行(信託口)が保有する当社株式1,460,200株が含まれています。
② 【自己株式等】
(注) 管理職従業員を対象とした株式給付信託(J-ESOP-RS)の信託財産として、株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が保有する当社株式876,799株は、上記自己株式等には含まれていません。また、役員向け株式交付信託(RS信託)として、株式会社日本カストディ銀行(信託口)が保有する当社株式1,460,200株は、上記自己株式等には含まれていません。
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
1.役員向け株式給付信託
4 コーポレート・ガバナンスの概要 (4)役員の報酬等にて記載しています。
2.従業員向け株式給付信託(J-ESOP-RS)
当社は、管理職従業員(以下、「対象従業員」という。)の業績・株価向上を目指した業務遂行を促し、ひいてはこれに伴う中長期的な企業価値の向上を図ることを目的に、対象従業員に対して自社の株式を給付するインセンティブプラン「株式給付信託(J-ESOP-RS)」(以下「本制度」、本制度に関してみずほ信託銀行株式会社と締結する信託契約に基づいて設定される信託を「本信託」という。)を導入しています。
本制度の導入により、従業員の株価及び業績向上への関心が高まり、これまで以上に意欲的に業務に取り組むことが期待できます。
a. 本制度の概要
本制度は、米国のESOP(Employee Stock Ownership Plan)制度を参考にした信託型のスキームであり、予め当社が定めた株式給付規程に基づき、一定の要件を満たした対象従業員に対し当社株式を給付する仕組みです。
当社は、対象従業員に対しポイントを付与し、一定の条件により受給権を取得したときに当該付与ポイントに相当する当社株式を給付します。なお、対象従業員が在職中に当社株式の給付を受ける場合、対象従業員は、当社株式の給付に先立ち、当社との間で譲渡制限契約を締結することとします。これにより、対象従業員が在職中に給付を受けた当社株式については、当該対象従業員の退職までの間、譲渡等による処分が制限されることとなります。対象従業員に対し給付する株式については、予め信託設定した金銭により将来分も含め取得し、信託財産として分別管理するものとします。
b. 本信託の概要
(1)名称 :株式給付信託(J-ESOP-RS)
(2)受託者 :当社
(3)委託者 :みずほ信託銀行株式会社
(再信託受託者:株式会社日本カストディ銀行)
(4)受益者 :従業員のうち株式給付規程に定める受益者要件を満たす者
(5)信託管理人 :当社の従業員から選定
(6)信託の種類 :金銭信託以外の金銭の信託(他益信託)
(7)信託の目的 :株式給付規程に基づき信託財産である当社株式を受益者に給付すること
(8)本信託契約の締結日 :2025年3月4日
(9)金銭を信託した日 :2025年3月4日
(10)信託の期間 :2025年3月4日から信託が終了するまで
(特定の終了期日は定めず、本制度が継続する限り信託は継続します。)
c. 従業員等に取得させる予定の株式数
1,219,500株
d. 本制度による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲
本信託における受益者(従業員のうち株式給付規程に定める受益者要件を満たす者)
2 【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】
会社法第155条第3号に該当する普通株式の取得及び第7号に該当する普通株式の取得
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
(注)1. 当期間における自己株式取得には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの取得株式数は含めていません。
2. 2026年5月11日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条第1項及び当社定款の定めに基づき、自己株式の取得及びその具体的な取得方法として自己株式の公開買付けを行うことを決議しました。当該自己株式の公開買付けの概要は以下のとおりです。
買付け等の期間:2026年5月21日(木曜日)から2026年6月17日(水曜日)まで(20営業日)
買付け等の価格:普通株式1株につき、金3,401円
買付予定数 :57,300,022株
決済の開始日 :2026年7月9日(木曜日)
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 当期間における自己株式取得には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取による株式数は含めていません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 1. 当期間における自己株式取得には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取による株式数は含めていません。
2. 保有自己株式数には、管理職従業員を対象とした株式給付信託(J-ESOP-RS)の信託財産として、株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が保有する当社株式876,799株は含まれていません。また、役員向け株式交付信託(RS信託)として、株式会社日本カストディ銀行(信託口)が保有する当社株式1,460,200株は含まれていません。なお、これらの株式については、連結財務諸表及び財務諸表において自己株式として表示しています。
3 【配当政策】
当社はJX金属グループ2040年長期ビジョン及び中長期事業戦略において、フォーカス事業を成長戦略のコアとして位置づけ、先端材料分野での技術の差別化や市場創造を通じて、市場成長以上の利益成長を目指しています。当社が先端材料分野における厳しい競争環境の中で成長を継続するためには、必要な成長投資を着実に実行していくことが最重要であり、中長期事業戦略においても先端材料分野への成長投資を最優先とすることを打ち出しています。特にフォーカス事業に関しては、シクリカルな事業環境においても時機をとらえた投資を速やかに実行できる安定した財務基盤を有していることが重要になってまいります。適切な投資を適切な時機に行うことにより、当社の高い成長性を継続させることが、当社の株主還元の原資となる利益拡大につながり、結果として当社株主の価値向上に資するものと考えています。
上記の観点から、当社のキャピタルアロケーションの方針としては、フォーカス事業を中心とする成長投資を最優先とし、そのうえで、財務体質の改善とのバランスを取りながら、株主に適切に利益を還元してまいります。
以上を踏まえて、当社の株主還元方針としては、「連結配当性向20%程度を基本とした上で、当社の想定対比で銅価が上昇した結果としてベース事業の利益が上振れた分についてはその一部も株主に還元する。」こととしています。
なお、株主の皆様への還元方針を明確かつ簡潔にすることにより株主還元に対する予見性を向上するとともに、チタン事業を行う東邦チタニウムを株式交換により完全子会社化することを踏まえて銅価との連動を廃止し、安定的な配当を実現するため、2026年5月11日開催の取締役会において2027年3月期以降の株主還元方針を変更することを決議しました。新たな株主還元方針としては、「連結配当性向25%程度を基本とした上で、配当の下限を1株当たり20円とする。ただし、大規模な資産売却や自己株式の取得自社株買いを行う場合は総還元性向も考慮して別途検討する。」こととしています。なお、2027年3月期の株主還元方針については、多額の自己株式の取得を行うため、配当は下限の1株当たり20円とする見込みです。詳細は当社ウェブサイト(URL:https://www.jx-nmm.com/ir/disclosure.html)にも掲載しています。
当社は、毎年9月30日を基準日とする中間配当と毎年3月31日を基準日とする期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本としており、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、取締役会の決議によって決定することができる旨を定款に定めています。その上で、これらの剰余金の配当の決定は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会で行うこととしています。
(2026年3月期 配当実績)
当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりです。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、当社グループ全体でコーポレートガバナンスの強化に取り組むことにより、経営の健全性と透明性を高め、経営基盤の強化、維持に資することを通じて、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図り、株主をはじめとするステークホルダーへの責任を果たします。
なお、当社は、当社グループのコーポレートガバナンスに対する基本的な考え方と方針を取り纏めた「JX金属グループ コーポレートガバナンスに関する基本方針」を策定しています。
② 企業統治の体制の概要及び当該企業統治の体制を採用する理由
当社は、監査等委員である取締役が取締役会における議決権を有することにより、監査役設置会社と比較して、取締役会の監督機能が強化されるものと判断し、監査等委員会設置会社を採用しています。また、取締役の指名・報酬等に係る手続の客観性・透明性を強化し、コーポレートガバナンスの一層の充実を図るため、指名・報酬諮問委員会を設置しています。
さらに、迅速な意思決定及び業務執行の効率化を図るため、執行役員制度を導入しています。
(取締役/取締役会)
a. 取締役の責務
取締役は、株主をはじめとするステークホルダーとの適切な協働を確保しつつ、株主共同の利益のために、当社の持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上に努めます。
b. 取締役会の役割
取締役会は、法令及び定款に定められた事項、その他経営上の重要事項を審議するとともに、業務執行の状況の監督機能を担います。
c. 取締役会の構成
取締役会は、活発で建設的な議論・意見交換ができる適切な員数を維持し、その役割・責務を実効的に果たすための知識・経験・能力を全体としてバランス良く備え、多様性にも配慮し、メンバーを構成します。また、取締役のうち3分の1以上を独立した社外取締役として選任し、より透明性の高い経営を目指します。
なお、本書提出日現在においては、監査等委員でない取締役6名(男性5名、女性1名)及び監査等委員である取締役5名(男性4名、女性1名)の11名で構成されています。また、取締役会内部の相互監督機能の一層の強化を図る目的で、独立社外取締役を5名(監査等委員でない取締役2名、監査等委員である取締役3名)選任しています。
また、当社は、2026年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「監査等委員でない取締役4名選任の件」及び「監査等委員である取締役2名選任の件」を提案しており、当該議案が原案どおり承認可決された場合の当社の取締役会の構成は、監査等委員でない取締役4名(男性3名、女性1名)及び監査等委員である取締役5名(男性4名、女性1名)の9名となり、独立社外取締役は5名(監査等委員でない取締役2名、監査等委員である取締役3名)となります。
d. 取締役会の運営
取締役会は、定時取締役会に加えて、臨時取締役会を必要に応じ開催し、機動的な意思決定をなしうる体制を整えます。重要な業務執行の決定及び業務執行の状況の監督のために必要かつ十分な議論を可能とするため、取締役会の議題及び審議時間を適切に設定するとともに、議題表及び審議資料は、事前に取締役に提供します。
取締役会は原則月1回定例で開催しますが、当事業年度においては、合計17回開催しており、個々の取締役の出席状況は次のとおりです。なお、当事業年度においては、役員向け株式報酬制度(RS信託)の導入及び同信託の受託者による当社株式取得に関する事項、取締役会の実効性評価、政策保有株式の保有意義の検証、JX金属グループフィロソフィーの制定、JX金属グループのマテリアリティ改定等について審議しました。
(注) 役職名・構成は2026年3月31日時点のものです。
e. 取締役会及び取締役の情報入手等
取締役会における活発で建設的な議論・意見交換を実現するため、取締役会事務局は取締役及び取締役会に対する適切な支援を行います。また、取締役は、その役割及び責務を果たすために、必要があるときは会社に対して追加の情報提供を求めることができるものとします。
(監査等委員会)
a. 監査等委員会の役割
監査等委員会は、監査等委員が取締役としてそれぞれ有する取締役会における議決権の行使及び監査等委員でない取締役の人事・報酬に関する意見陳述権の行使を通じて、業務執行の状況の監督を行います。また、各監査等委員は、経営の健全性の確保及び当社の企業価値の向上を図るため、監査等委員会が定めた監査の方針、監査計画等に従い、取締役会その他の重要な会議に出席し、取締役、執行役員及び使用人等からその職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求め、重要な決裁書類等を閲覧し、本社及び主要な拠点において業務及び財産の状況を調査します。
b. 監査等委員会の構成
監査等委員会は、その委員の過半数を、豊富な知識・経験に加え、強固な独立性を有する社外取締役である監査等委員で構成します。また、監査等委員会には財務・会計・法務に関する知識を有する委員が含まれるものとします。
なお、本書提出日現在においては、4名の社外取締役を含む監査等委員である取締役5名(男性4名、女性1名)で監査等委員会を構成しています。
また、当社は、上記のとおり、2026年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「監査等委員である取締役2名選任の件」を提案しており、当該議案が原案どおり承認可決された場合の当社の監査等委員会の構成は、引き続き監査等委員である取締役5名(男性4名、女性1名)となります。
c. 監査等委員会の実効性の確保
監査等委員会の職務を補助する専担の組織を設置します。また、会計監査人や内部監査部門から監査計画及び各監査結果につき定期的に報告を受けるとともに、意見・情報の交換を行うなどの連携を図ります。この点、常勤の取締役である常勤監査等委員が経営会議や各種委員会等の重要な会議に出席し、財務報告や職務の執行状況の妥当性等を確認の上、監査の有効性を保つように努めています。監査等委員会は、原則として毎月1回開催されており、議長は、常勤監査等委員が務めています。
(指名・報酬諮問委員会)
a. 指名・報酬諮問委員会の役割
当社は、当社の取締役の指名・報酬等に係る手続の客観性・透明性を強化し、コーポレートガバナンスの充実を図るため、取締役会の諮問機関として、指名・報酬諮問委員会を設置しています。指名・報酬諮問委員会は、取締役会の諮問に基づき、以下の事項を審議の上、取締役会に答申します。
・当社の取締役の人事案(選解任を含む)
・当社の取締役・執行役員の報酬決定方針、報酬制度
・当社の社長の後継者計画
・その他、当社の取締役の選解任・役員報酬に関連する重要事項
b. 指名・報酬諮問委員会の構成
指名・報酬諮問委員会は、取締役会の諮問機関として、独立社外取締役が過半数を占め、かつ議長を務めます。なお、指名・報酬諮問委員会には、監査等委員会が株主総会において監査等委員でない取締役の指名・報酬に関する意見陳述権を的確に行使できるよう、常勤監査等委員の出席を認めています。
指名・報酬諮問委員会は、審議すべき事項が生じた際に開催され、当事業年度においては合計4回開催しており、個々の取締役の出席状況については次のとおりです。なお、当事業年度においては、指名に関する事項として、取締役のスキルマトリクス、社長を含む取締役の後継者計画及び役員人事案等について、報酬に関する事項として、役員報酬制度(短期業績連動報酬に係る業績係数、監査等委員でない取締役の個人別の報酬等の内容の決定方針の改正、株式報酬制度の導入等に関する事項)等について審議しました。
当社は、上記のとおり、2026年6月27日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「監査等委員でない取締役4名選任の件」及び「監査等委員である取締役2名選任の件」を提案しています。当該議案が原案どおり承認可決された場合、かつ、当該定時株主総会の直後に開催される取締役会における決議事項が承認可決された場合の当社の指名・報酬諮問委員会の構成は、以下のとおりとなる予定です。
(執行役員/経営会議)
当社は、取締役会の決定に基づき機動的に業務を執行する機関として、執行役員を置いています。また、社長の諮問機関として当社経営上の重要事項について協議を行うとともに、業務執行状況などに関する報告及び連絡を行うため、社長及び社長が指名した執行役員により構成された経営会議を設置しています。なお、常勤監査等委員は、経営会議に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べることができます。
(監査部による監査)
当社は、内部監査部門として他部門から独立した社長直轄の組織である監査部を設置し、内部監査を実施しています。内部監査はJX金属グループ全体を対象とし、内部監査計画に基づく通常監査、年次監査及び社長の特別な命により実施する特命監査を行うこととしています。また、内部監査の結果については、当社社長への報告に加え、定期的に経営会議及び監査等委員会に報告しています。さらに、上場子会社における当該社の監査部門による内部監査の結果についても、定期的に情報の提供を受けています。
当社のコーポレートガバナンスの体制を図示すると、以下のとおりです。
コーポレートガバナンスの体制

各機関の構成員の氏名等
(◎は議長を、〇はその他の構成員を示します。)
(注) 1.役職名の詳細は、(2) 役員の状況 ① 役員一覧に記載のとおりです。
2.常勤監査等委員は、指名・報酬諮問委員会及び経営会議に出席し意見を述べることができます。
③ 企業統治に関するその他の事項
ア. 内部統制システムの整備の状況
当社は、取締役会において定めた「内部統制システム整備・運用の基本方針」に基づき、内部統制システムの整備を行っています。また、当社は、会社法内部統制、金融商品取引法内部統制及びERMにおけるオペレーショナルリスク(業務リスク)等への対応のため、内部統制システム全般を主管する部署として内部統制部を設置し、内部統制システムの整備・運用を推進しています。
イ. リスク管理体制の整備の状況
当社グループでは、事業活動を取り巻く多様なリスクに対して的確な対応を図ることでJX金属グループの経営を支えることを目的に、総務部 リスクマネジメント室をリスクマネジメント事務局として、統合的にリスクを管理する全社的リスクマネジメント(ERM)を導入しています。特に当社グループにおける重要なリスクに関しては、当社の経営会議において議論・決定し、各リスク所管部署が実施しているリスク対応の状況をモニタリングすることにより、リスクの早期発見と分析及び未然防止に努めています。
ウ. 責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項及び定款第22条の規定により、監査等委員である取締役5名及び監査等委員でない社外取締役2名の計7名の非業務執行取締役との間で、非業務執行取締役の会社に対する会社法第423条第1項に定める損害賠償責任を限定する旨の契約(責任限定契約)を締結しており、非業務執行取締役がその職務を行うにつき善意であり、かつ重大な過失がないときは、その責任については会社法第425条第1項に定める額(当該非業務執行取締役の報酬等の2年分に相当する額)を限度とすることとしています。
エ. 会社補償の内容の概要
当社は、会社法第430条の2の規定により、取締役との間で補償契約を締結しています。
(ア) 被補償者の範囲
当社の取締役
(イ) 補償契約の内容の概要
取締役がその職務の執行に関し、法令の規定に違反したことが疑われ、又は責任の追及に係る請求を受けたことに対処するために支出する費用や、第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合に当該取締役が賠償することにより生じる損失等につき、会社が補償することとしています。
オ. 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、保険会社との間で会社法第430条の3第1項に定める役員等賠償責任保険契約を締結しています。
(ア) 被保険者の範囲
当社及び当社グループの取締役、監査役及び執行役員。
(イ) 保険契約の内容の概要
被保険者が行った行為(不作為を含む。)に起因して損害賠償請求がなされたことにより被る損害賠償金及び争訟費用等の損害を保険会社が塡補するものです。当該保険契約において、免責金額と免責事由(犯罪行為等)を定め、被保険者の業務執行の適正性が損なわれないように措置を講じています。保険料は、当社及び当該保険に加入している会社が全額負担しています。
カ. 取締役の定数
当社の監査等委員でない取締役は13名以内とし、監査等委員である取締役は7名以内とする旨、定款に定めています。
キ. 取締役の選任決議要件
当社は、取締役を選任する株主総会の決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う旨、また、取締役の選任決議は、累積投票によらない旨を定款に定めています。
ク. 株主総会決議事項を取締役会で決議できることとした事項及びその理由
(ア) 自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨、定款に定めています。
これは、経営環境の変化に即応した機動的な資本政策を遂行することを目的とするものです。
(イ) 剰余金の配当等の決定機関
当社は、会社法第459条第1項各号に掲げる事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議によって定めることができる旨、定款に定めています。
これは、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものです。
ケ. 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨、定款に定めています。
これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
コ. 会社と特定の株主との間で利益が相反するおそれがある取引を行う場合における少数株主の利益保護措置
当社グループでは、健全な取引を実施し少数株主の利益に十分配慮すべく、関連当事者との取引を行うにあたっては、関連当事者取引規則に基づく取引の統制を行っています。
具体的には、各取引について合理性及び取引条件の妥当性があることを検証しており、これらが担保される場合に限り取引を実施することとしています。特にENEOSホールディングス株式会社及びその子会社との取引について、金額的重要性が高いと判断される場合には、その実施にあたって合理性及び取引条件の妥当性を取締役会に諮ることとしています。また、検証された取引条件どおりに取引が実施されている旨、内部監査や監査等委員会監査により事後的に確認することとしています。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
ア.本書提出日時点において、当社の役員の状況は、次のとおりです。
男性9名 女性2名(役員のうち女性の比率18.2%)
(注) 1.取締役のうち所 千晴及び伊藤 元重は、監査等委員でない社外取締役です。
2.取締役のうち佐久間 総一郎、二宮 雅也、川口 里香及び塩田 智夫は、監査等委員である社外取締役です。
3.監査等委員でない取締役の任期は、2025年6月27日開催の定時株主総会における選任後1年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです。
4.取締役常勤監査等委員である黒岩 源洋及び社外取締役監査等委員である塩田 智夫の任期は、2024年6月27日開催の定時株主総会における選任後2年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです。
5.社外取締役監査等委員である佐久間 総一郎、二宮 雅也及び川口 里香の任期は、2025年6月27日開催の定時株主総会における選任後2年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです。
6.社外取締役監査等委員である川口 里香の戸籍上の氏名は、能登 里香です。
7.塩田 智夫氏は、当社の親会社であったENEOSホールディングス株式会社の取締役に就任しており、2024年6月27日の2024年3月期定時株主総会において当社の監査等委員である取締役に選任された時点においては、社外取締役に該当しませんでしたが、2025年3月19日に当社株式が東京証券取引所プライム市場に新規上場したことに伴い、同社が当社の親会社に該当しないこととなったため、同日以降、社外取締役に該当することとなりました。
8.取締役の所有株式数は、2026年3月31日時点の情報を記載しています。
9.当社では、執行役員制度を導入しており、本書提出日時点における執行役員は以下のとおりです。
※社長執行役員 林 陽一
※副社長執行役員 菅原 静郎 社長補佐(技術全般)
※副社長執行役員 太内 義明 社長補佐(特命担当)
常務執行役員 安田 豊 基礎材料事業本部長
常務執行役員 中村 祐一郎 技術本部長
常務執行役員 諏訪邉 武史 先端材料事業本部長
常務執行役員 正木 信晴 先端材料事業本部副本部長、
先端材料事業本部機能材料事業部長
常務執行役員 水口 智司 技術本部副本部長
常務執行役員 小倉 靖 経理部・内部統制部管掌
常務執行役員 戸上 一郎 基礎材料事業本部副本部長、
基礎材料事業本部金属・リサイクル事業部長、物流部管掌
常務執行役員 川口 義之 経営企画部・コーポレートコミュニケーション部・財務部・
総務部・法務部・人事部・茨城事業所管掌
執行役員 伊藤 孝 技術本部副本部長
執行役員 相場 玲宏 環境安全部担当、茨城事業所長
執行役員 岡部 岳夫 先端材料事業本部薄膜材料事業部長、
先端材料事業本部データインフラ材料事業推進部長
執行役員 石井 雅史 先端材料事業本部タンタル・ニオブ事業部長
執行役員 曽我 卓 先端材料事業本部機能材料事業部副事業部長、
先端材料事業本部管理部長
(注) ※印は取締役兼務者です。
イ.2026年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「監査等委員でない取締役4名選任の件」及び「監査等委員である取締役2名選任の件」を付議することとしており、当該決議が承認可決されますと、当社の役員の状況及びその任期は、次のとおりとなる予定です。なお、役員の役職等については、当該定時株主総会の直後に開催が予定される取締役会の決議事項の内容(役職等)を含めて記載しています。
男性7名 女性2名(役員のうち女性の比率22.2%)
(注) 1.取締役のうち所 千晴及び伊藤 元重は、監査等委員でない社外取締役です。
2.取締役のうち佐久間 総一郎、二宮 雅也、川口 里香及び塩田 智夫は、監査等委員である社外取締役です。
3.監査等委員でない取締役の任期は、2026年6月26日開催の定時株主総会における選任後1年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです。
4.取締役常勤監査等委員である黒岩 源洋及び社外取締役監査等委員である塩田 智夫の任期は、2026年6月26日開催の定時株主総会における選任後2年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです。
5.社外取締役監査等委員である佐久間 総一郎、二宮 雅也及び川口 里香の任期は、2025年6月27日開催の定時株主総会における選任後2年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです。
6.社外取締役監査等委員である川口 里香の戸籍上の氏名は、能登 里香です。
7.塩田 智夫氏は、当社の親会社であったENEOSホールディングス株式会社の取締役に就任しており、2024年6月27日の2024年3月期定時株主総会において当社の監査等委員である取締役に選任された時点においては、社外取締役に該当しませんでしたが、2025年3月19日に当社株式が東京証券取引所プライム市場に新規上場したことに伴い、同社が当社の親会社に該当しないこととなったため、同日以降、社外取締役に該当することとなりました。
8.取締役の所有株式数は、2026年3月31日時点の情報を記載しています。
9.当社では、執行役員制度を導入しており、2026年6月26日開催の定時株主総会後の執行役員は以下のとおりです。
※社長執行役員 林 陽一
副社長執行役員 安田 豊 基礎材料事業本部長
常務執行役員 中村 祐一郎 技術本部長
常務執行役員 諏訪邉 武史 先端材料事業本部長
常務執行役員 正木 信晴 先端材料事業本部副本部長、
先端材料事業本部機能材料事業部長
常務執行役員 水口 智司 技術本部副本部長
常務執行役員 小倉 靖 経理部・内部統制部管掌
常務執行役員 戸上 一郎 基礎材料事業本部副本部長、
基礎材料事業本部金属・リサイクル事業部長、物流部管掌
常務執行役員 川口 義之 経営企画部・コーポレートコミュニケーション部・財務部・
総務部・法務部・人事部・茨城事業所管掌
執行役員 伊藤 孝 技術本部副本部長
執行役員 相場 玲宏 環境安全部担当、茨城事業所長
執行役員 岡部 岳夫 先端材料事業本部薄膜材料事業部長、
先端材料事業本部データインフラ材料事業推進部長
執行役員 石井 雅史 先端材料事業本部タンタル・ニオブ事業部長
執行役員 曽我 卓 先端材料事業本部機能材料事業部副事業部長、
先端材料事業本部管理部長
(注) ※印は取締役兼務者です。
② 社外役員の状況
本書提出日時点において、当社取締役11名のうち社外取締役を6名(うち、監査等委員である取締役4名)選任しています。
ア.監査等委員でない社外取締役
イ.監査等委員である社外取締役
(注) 1.当社は、2026年3月期において、所 千晴氏が学部長、研究科長及び教授に就任している早稲田大学に対し、委託研究費等として計5百万円、寄付として計3百万円を支払いましたが、これらの合計金額は、同大学の収入総額のそれぞれ0.00%、0.00%の水準です。また、当社は、2026年3月期において、所 千晴氏が教授に就任している東京大学に対し、委託研究費等として計5百万円、寄付として計42百万円を支払いましたが、これらの合計金額は、同大学の収入総額のそれぞれ0.00% 、0.01%の水準です。また 、当社は、製品の対価として、同大学から計2百万円を受領しましたが、これらの合計金額は、当社の連結売上高の0.00%の水準です。
2.当社は、2026年3月期において、伊藤元重氏が教授に就任していた東京大学に対し、委託研究費等として計5百万円、寄付として計42百万円を支払いましたが、これらの合計金額は、同大学の収入総額のそれぞれ0.00% 、0.01%の水準です。また 、当社は、製品の対価として、同大学から計2百万円を受領しましたが、これらの合計金額は、当社の連結売上高の0.00%の水準です。
3.当社は、2026年3月期において、佐久間総一郎氏が2018年3月まで代表取締役副社長を務めていた新日鐵住金株式会社(現 日本製鉄株式会社)に対して、資材費等として計0.1百万円を支払いましたが、これらの合計金額は、同社の連結売上収益の0.00 %の水準です。
4.当社は、2026年3月期において、二宮雅也氏が2018年3月まで代表取締役会長を務めていた損害保険ジャパン日本興亜株式会社(現 損害保険ジャパン株式会社)に対して、保険料として計46百万円を支払いましたが、これらの合計金額は、同社の保険収益の0.00%の水準です。また 、当社は、2026年3月期において、同社から保険金として計330百万円を受領しましたが、これらの合計金額は、当社の連結売上高の0.04%の水準です。
各社外取締役の当社株式の所有状況は、「①役員一覧」に記載のとおりです。
当社は、社外取締役の独立性に関する基準を定めており、社外取締役の所 千晴、伊藤 元重、佐久間 総一郎、二宮 雅也、川口 里香の各氏は、いずれも当該基準を満たしていることから、金融商品取引所に対して、独立役員としての届出を行っています。
③ 社外取締役による監督又は監査と内部監査、監査等委員会による監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部との関係
社外取締役は、取締役会への出席等を通じて、会計監査の状況並びに内部統制の状況について報告を受けています。また、監査等委員である社外取締役は、監査等委員会において常勤監査等委員から日常監査の状況として、重要な会議の内容、閲覧した重要書類等の概要、内部統制の状況等についての報告を受けるなど、十分な意思疎通を図っています。さらに、会計監査人及び監査部とは、定期的に開催する三様監査会議において意見交換を行うほか、適宜、常勤監査等委員による補足説明も受けて、会計監査人及び監査部の監査計画、監査手続の概要及び監査結果等の内容を共有し、連携強化に努めています。
(3) 【監査の状況】
① 監査等委員会による監査の状況
ア. 監査等委員会の組織、人員について
有価証券報告書提出日現在、当社の監査等委員会は、当社事業に精通した社内出身の常勤の監査等委員である取締役1名と企業経営、グローバルビジネス、サステナビリティ、人財・人事戦略、法務・リスク管理等の各分野における高い見識と豊富な経験を有する監査等委員である社外取締役4名の計5名で構成されており、それぞれの監査等委員が適切に連携し、高い実効性と客観性をもった組織的かつ体系的な監査を行っています。また、監査等委員が取締役としてそれぞれ有する取締役会における議決権の行使及び監査等委員である取締役以外の指名・報酬に関する意見陳述権の行使を通じて、業務執行について監督を行います。
取締役常勤監査等委員の黒岩源洋氏は、当社において、長年にわたり経理及び財務を担当し、また、社外取締役監査等委員の塩田智夫氏は、大手石油・エネルギー会社において、長年にわたり経理及び経営企画を担当しており、それぞれ財務及び会計に関する相当程度の知見を有しています。
当社は、監査等委員会の職務を補助するため、執行部門から独立した組織として監査等委員会事務部を設置し、専任の従業員4名を配置しています。
イ.監査等委員会の活動状況
監査等委員会は原則月1回開催しており、必要に応じて随時開催しています。当事業年度においては、監査等委員会を合計18回開催しており、個々の監査等委員の監査等委員会への出席状況は次のとおりです。
監査等委員会は、監査等委員会議長・代行者、選定監査等委員及び特定監査等委員の選定、監査計画、監査報告書、会計監査人を再任することの適否の決定、会計監査人の報酬等に関する同意、監査等委員である取締役選任議案に対する同意、監査等委員である取締役以外の取締役の指名選任等・報酬等に関する意見の決定等を決議により行っています。
常勤監査等委員は、選定監査等委員として、監査計画に従い、経営会議等の重要会議への出席、社長決裁書等の重要書類の閲覧、業務執行部門からの重要事項の報告受領、本社各組織、箇所及び子会社に対する監査、子会社監査役等との連携等の活動を行っています。また、これらの活動を通じて得た情報を監査等委員会全員で共有し、会社の現況に対する共通認識を図るとともに、監査等委員会で意見交換を行っています。
監査等委員会は、監査等委員である取締役を除く各取締役との面談等を通じて、経営上の重要事項について意見交換を行っています。また、内部監査を担う監査部及び会計監査人との間で、監査計画、監査結果等について定期的に報告を受けるとともに、意見交換を行うなど、密接な連携を保っています。
なお、監査等委員会は、前年度における監査活動についての問題意識を共有し、次年度の監査計画に反映することなどを通じて、実効性向上に努めています。
② 内部監査の状況
ア. 組織・人員及び手続き
内部監査部門として他部門からは独立した社長直轄の組織である監査部(13名)を設置し、内部監査を実施しています。
内部監査はJX金属グループ全体を対象とし、内部監査計画に基づく通常監査、年次監査及び社長の特別な命により実施する特命監査を行うこととしています。
イ. 内部監査、監査等委員会による監査及び会計監査の相互連携並びにこれらの監査と内部統制との関係
監査部は、監査等委員会による効率的な監査の遂行に資するよう、監査等委員会へ内部監査結果を報告するほか、監査等委員会及び監査部相互の監査計画並びに実績を共有し、意見交換を実施しています。
また、内部統制部、監査部と会計監査人とは、定期的かつ必要に応じて意見交換を行っており、財務報告に係る内部統制の整備・評価や内部監査の活動状況や監査計画、重点監査項目と会計監査結果について、情報共有を行いながら、相互連携に努めています。
ウ. 内部監査の有効性を確保するための取り組み
内部監査の結果については、社長への報告に加え、定期的に経営会議及び監査等委員会に報告しています。また、上場子会社における当該社の監査部門による内部監査の結果についても、定期的に情報の提供を受けています。
③ 会計監査の状況
ア. 監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
イ. 継続監査期間
2003年3月期以降
(注)当社の前身である新日鉱ホールディングス株式会社は、2003年3月期から2007年3月期まで、みすず監査法人(当時は中央青山監査法人)と監査契約を締結しており(2007年7月1日から2007年8月31日まで、みすず監査法人(当時は中央青山監査法人)に代えて、一時会計監査人を選任していた期間を含む。)、みすず監査法人解散に伴い、2007年3月期からEY新日本有限責任監査法人(当時は新日本監査法人)と監査契約を締結しています。ただし、当社の監査業務を執行していた公認会計士もEY新日本有限責任監査法人(当時は新日本監査法人)へ異動し、異動後も継続して当社の監査業務を執行していたことから、同一の監査法人が当社の監査業務を継続して執行していると考えられるため、当該公認会計士の異動前の監査法人の監査期間を合わせて記載しています。
ウ. 業務を執行した公認会計士の氏名
指定有限責任社員 業務執行社員:中村 裕輔、稻吉 崇、脇野 守
業務執行社員のローテーションは適切に実施されており、連続して7会計年度を超えて監査業務に関与していません。また、筆頭業務執行社員については、連続して5会計年度を超えて監査業務に関与していません。
エ. 監査業務に係る補助者の構成 公認会計士14人、その他46人
オ. 会計監査人の選定方針と理由
当社の監査等委員会が定める「会計監査人の選任・解任・不再任の決定の方針」は以下のとおりです。
監査等委員会は、会計監査人の品質管理体制、会社法上の欠格事由の有無、独立性及び専門性、監査の妥当性等を総合的に判断し、株主総会に提出する会計監査人の選任に関する議案の内容を決定します。
また、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める事項に該当すると認められる場合は、監査等委員全員の同意に基づき、会計監査人を解任します。
なお、会計監査人の適格性や独立性を害する事由の発生などにより、その適正な業務執行に支障が生じると認められる等の場合は、監査等委員会は、会社法第399条の2第3項第2号に基づき、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定します。
この方針に基づき、当社の監査等委員会は、EY新日本有限責任監査法人を評価した結果、不再任としないことを決議しました。
カ. 監査等委員会による会計監査人の評価
監査等委員会は、EY新日本有限責任監査法人との定期的なコミュニケーション並びに経理部など関係部署からのヒアリングを通じて、同監査法人の品質管理体制、会社法上の欠格事由の有無、独立性及び専門性、監査の妥当性等について評価しました。その結果、同監査法人が、会計監査人として適切、妥当であると判断しています。
④ 監査報酬の内容等
ア. 監査公認会計士等に対する報酬
(注) 1.当社の上場に伴う過去2か年分の財務諸表及びIFRSに準拠した連結財務諸表の監査に対する報酬が含まれています。
2.主な内容は、新規上場に係るコンフォートレター作成業務です。
3.主な内容は、IFRSの導入に関する助言・指導業務です。
イ. 監査公認会計士等と同一のネットワークに属しているアーンスト・アンド・ヤングのメンバーファームに対して支払った報酬(上記ア.を除く)
(注) 主な内容は、税務関連のアドバイザリーサービスです。
ウ. その他重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
前連結会計年度及び当連結会計年度において、該当事項はありません。
エ. 監査報酬の決定方針
EY新日本有限責任監査法人が策定した監査計画、監査内容、監査日数などを勘案し、当社と同監査法人で協議のうえ、同監査法人の見積り報酬額の妥当性を精査し、監査等委員会の同意を得たうえで決定しています。
オ. 監査等委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査等委員会は、会計監査人から、会計監査人が作成した監査計画における監査項目、監査時間、人員配置計画等について報告を受け、また、経理部門から説明を受けた監査報酬単価額等を踏まえて検討した結果、会計監査人の報酬等の額について適切であると判断し、会社法第399条第1項及び同条第3項に基づき同意しました。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の内容及び決定方法
ア.役員の報酬等に関する株主総会の決議
当社は、次のとおり取締役の報酬等の限度額等を定めています。
イ. 取締役の個人別の報酬等の内容についての決定方針に関する事項
当社は、取締役会の諮問機関であり、独立社外取締役が過半数を占め、かつ議長を務める指名・報酬諮問委員会の審議・答申を経て、取締役会において、監査等委員でない取締役の個人別の報酬等の内容の決定方針を定めています。その内容の概要は、次のとおりです。
(注)監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)の各報酬の構成比率は、業績目標達成時において、
固定報酬が40%、短期業績連動報酬が24%、長期業績連動報酬(株式報酬)が36%(うち固定部分が18%、
業績連動部分が18%)となるように設計しています。
監査等委員である取締役の報酬等は、業務執行の状況を監督し、また監査するというその職責を十分に果たせるよう、固定報酬のみにより構成することとし、常勤・非常勤の別及び職責等を総合的に勘案して、監査等委員である取締役の協議により決定します。
なお、当社は、指名・報酬諮問委員会の審議・答申を経て、2026年5月11日付取締役会において、2026年3月期定時株主総会に付議する議案「監査等委員でない取締役4名選任の件」及びその後開催される取締役会において「代表取締役及び役付取締役の選定について」が承認可決されることを条件として、監査等委員でない取締役の個人別の報酬等の内容の決定方針を改正することを決議しています。その内容の概要は、次のとおりです。
(注)監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)の各報酬の構成比率は、業績目標達成時において、
固定報酬が40%、短期業績連動報酬が24%、長期業績連動報酬(株式報酬)が36%(うち固定部分が18%、
業績連動部分が18%)となるように設計しています。
ウ.最近事業年度における業績連動報酬及び非金銭報酬等に関する事項
a. 短期業績連動報酬に関する事項
短期業績連動報酬は、単年度の期間業績等(全社業績)に係る業績指標及び個人別に設定した事業目標に対する達成度(個人評価)に連動する報酬とし、目標の達成度に応じて0%から200%の比率で変動し、目標を達成した場合に100%となるように設計しています。最終的な報酬額は、役位別に定めた基準額に目標達成率を乗じることによって決定します。
業績指標、評価ウェイト及びその選定理由は次のとおりです。
(注)1.代表取締役については、全社業績の最終責任を負う立場であることに鑑み、個人評価に連動する部分は設けていません。そのため、代表取締役の短期業績連動報酬は、連結営業利益(50%)とNet Debt/EBITDA倍率(50%)により構成されています。
2.連結営業利益が赤字になった場合は、短期業績連動報酬全部の支給率を0%とします。
2026年3月期における業績目標達成率は、次のとおりです。
b. 長期業績連動報酬(株式報酬)に関する事項
当社は、長期業績連動報酬として、株式報酬制度を導入しています。本株式報酬制度は、当社が金銭を拠出することにより設定する信託(以下、「本信託」という。)が当社の普通株式(以下、「当社株式」という。)を取得し、当社が各取締役に付与するポイントの数に相当する当社株式が、本信託を通して取締役に交付されるという制度です。ただし、支給対象となる当社株式は、当該取締役の退任日までその譲渡を制限する譲渡制限付株式とします。
本株式報酬は、役位に応じた所定の数の当社株式が支給される固定部分と、一定期間の事業目標等の達成状況に連動した数の当社株式が支給される業績連動部分とで構成され、固定部分については事業年度終了後に、業績連動部分については当該期間の終了後に、本信託を通じて支給されます。固定部分と業績連動部分の構成割合は1:1とし、業績連動部分は、目標の達成度に応じて0%から190%の比率で変動し、目標を達成した場合に100%となるように設計しています。最終的な支給株式数は役位別に定められる基準ポイント数に目標達成率を乗じることによって決定します。
各業績指標に係る業績目標等は、中長期事業目標等に基づき設定しており、2028年3月期の終了後に確定します。
業績指標、評価ウェイト及びその選定理由は次のとおりです。
(注) 1.TSRは、評価期間中における「当社TSR ÷ TOPIX成長率(配当利回り込み)」で算定します。
2.非財務指標は、目標達成時に100%とし、非達成時には0%とします。
エ.役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
② 役員ごとの連結報酬等の総額及び連結報酬等の種類別の額
(注) 1.連結報酬等の総額が1億円以上の者に限定して記載しています。
2.短期業績連動報酬は、業績連動報酬等に該当します。長期業績連動報酬(株式報酬)は、非金銭報酬等に該当します。
3.長期業績連動報酬の総額は、当事業年度分として付与するポイントに係る費用計上額を記載しています。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする場合を純投資目的、それ以外の場合を純投資目的以外の目的として扱っています。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
(ア) 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
a.保有方針
当社は、「JX金属グループ コーポレートガバナンスに関する基本方針」において、原則として上場会社の株式を保有しないこととしています。ただし、次の株式については、例外的に政策保有株式として保有することとしています。
(1)当社グループの重要な事業の一翼を担う会社の株式
(2)株式を保有することが当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資すると判断した会社の株式
b.保有の合理性を検証する方法
当社は、政策保有株式の保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているかを具体的に精査し、保有の適否を定期的に検証しています。
c.個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、2025年10月9日開催の取締役会において、政策保有株式について、個別銘柄ごとに保有目的が適切か、保有に伴う便益(取引上の利益額、配当金等のほか、数値化困難な便益を含む。)やリスクが資本コストに見合っているか等を具体的に精査し、総合的に保有の適否を検証しています。
(イ) 銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
(ウ) 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注) 定量的な保有効果(取引上の利益額等)については営業秘密との判断により記載しませんが、経済合理性、リスク等の保有の妥当性について検証をした結果、上記方針に基づいた保有効果があると判断しています。
みなし保有株式
該当事項はありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
④ 当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの
該当事項はありません。
⑤ 当事業年度の前4事業年度及び当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの
該当事項はありません。
5 【従業員の状況等】
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
従業員給与の決定方針
当社は規則に基づき従業員の給与を支給しており、毎年の定期昇給に加えて、昇格・昇級に伴う昇給により各年度の支給額が決定します。基本的には社員等級制度に連動する給与体系が中心であり、このほかに役職者・交替勤務者など業務に対する手当や家族構成等に応じた手当などを付加しています。
賞与は業績連動方式を採用しており、労働組合との協議を経て策定した算定式に応じた金額を支給しています。
当社の経営方針・経営戦略等に関連付けた人材戦略に関しては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (5)人的資本」に記載しています。
(2) 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
(注) 1.従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)です。
2.従業員数の( )内は、臨時従業員数です。(外数)
臨時従業員は、主にパートタイマー、アルバイト等の従業員であり、派遣社員は含みません。
(2) 提出会社の状況
(注) 1.従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)です。
2.従業員数の( )内は、臨時従業員数です。(外数)
臨時従業員は、主にパートタイマー、アルバイト等の従業員であり、派遣社員は含みません。
3.社外からの出向者については、当社での出向受入日から起算しており、出向元での勤続年数を通算して
いません。
(3) 労働組合の状況
当社の労働組合はJX金属労働組合と称し、2026年3月31日現在の組合員数は3,456人です。一部連結子会社においても労働組合が組織されていますが、当社を含めて労使関係は円満に推移しており、組合と会社との間に特記すべき事項はありません。
(4) 多様性に関する指標
当連結会計年度の当社及び主要な連結子会社(注1)の多様性に関する指標は、以下のとおりです。
(注) 1.常時雇用する労働者が101人を超える連結子会社5社を主要な連結子会社としています。
2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号。以下、「育児介護休業法」という。)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
(5) 使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の内容
当社は使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度を導入しています。当該役員・従業員株式所有制度の内容については、「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (8) 役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しています。
第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に基づいて作成しています。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下、「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しています。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の財務諸表について、EY新日本有限責任監査法人の監査を受けています。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、以下のとおり、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRSに基づいて連結財務諸表等
を適正に作成することができる体制の整備を行っています。
(1) 会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備するた
め、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、会計基準等にかかる情報を取得するとともに、監査法人及び各種団
体の主催する研修等への参加並びに会計専門誌の定期購読等により、積極的な情報収集活動に努めています。
(2) IFRSの適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把
握及び当社への影響分析を行っています。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表を作成するために、IFRSに準拠
したグループ会計方針書を作成し、これに基づいて会計処理を行っています。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③ 【連結持分変動計算書】
④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1.報告企業
JX金属株式会社(以下、「当社」という。)は、日本に所在する企業です。当社の連結財務諸表は、当社及び子会社(以下、「当社グループ」という。)並びに関連会社及び共同支配企業に対する持分により構成されています。当社グループの主な事業内容は、注記7.「セグメント情報」に記載しています。
当連結財務諸表は、2026年6月24日に代表取締役社長 林 陽一によって承認されています。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨
当社の連結財務諸表はIFRSに準拠して作成しています。当社は連結財務諸表規則第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同規則第312条の規定を適用しています。
(2) 機能通貨及び表示通貨
連結財務諸表の表示通貨は、当社の機能通貨である日本円であり、特段の記載がない限り、百万円未満を四捨五入しています。
(3) 新基準書の早期適用
該当事項はありません。
(4) 表示方法の変更
(連結キャッシュ・フロー計算書)
前連結会計年度において、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めていた「投資有価証券の取得による支出」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度から区分掲記しています。これらの表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書の組み替えを行っています。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に表示していた△1,860百万円は、「投資有価証券の取得による支出」△35百万円、「その他」△1,825百万円として組み替えています。
3.重要性がある会計方針
(1) 連結の基礎
子会社とは、当社が支配している企業をいいます。当社は、企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、企業に対するパワー(関連性のある活動を指図する現在の能力を与える現在の権利)により当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、企業を支配していると判断しています。
関連会社とは、当社がその経営及び財務の方針に関する経営管理上の意思決定に対して、重要な影響力を有するが、支配又は共同支配を有していない企業をいいます。重要な影響力とは、企業の財務及び営業の方針決定に参加するパワーのことを指します。
共同支配企業とは、契約上の取決めにより、関連性のある活動に係る意思決定について、支配を共有している当社を含む当事者の全員一致の合意を必要とする企業で、各当事者が当該企業の純資産に対する権利を有している場合の企業をいいます。
関連会社・共同支配企業に対する持分の投資は、持分法により会計処理しています。持分法では、持分の投資は当初取得原価で認識され、関連会社・共同支配企業の経営成績に対する当社の持分は、当社の会計方針と整合するように修正され、連結損益計算書において持分法による投資損益として認識しています。
(2) 企業結合
当社グループは、企業結合の会計処理として取得法を適用しています。企業結合において取得した識別可能資産及び引き受けた識別可能負債と偶発負債は、当初取得日における公正価値で測定します。取得に関連して発生した費用は、発生時に費用として認識します。当社は、非支配持分を公正価値若しくは被取得企業の識別可能純資産に対する非支配持分の比例持分で測定するかについて取引ごとに決定します。
のれんは、移転された企業結合の対価、被取得企業の非支配持分の金額及び取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計額が、取得日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にその超過額として測定します。
割安購入により、当該合計金額が取得した識別可能資産及び負債の正味価額を下回る場合、差額は直ちに連結損益計算書に純損益として認識されます。
(3) 外貨換算
① 機能通貨及び表示通貨
当社グループ各社は、営業活動を行う主たる経済環境の通貨である機能通貨を判定し、当該機能通貨により個別財務諸表を作成しています。当社の連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しています。
② 外貨建取引及び残高
外貨建取引は、取引日における為替レートで当社グループ各社の機能通貨に換算します。期末日における外貨建の貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算し、また公正価値で測定する外貨建の非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に換算します。この結果生じる為替換算差額は原則として純損益に認識します。ただし、その他の包括利益を通じて測定する金融資産として指定した資本性金融商品及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる為替換算差額については、その他の包括利益に認識します。取得原価で測定する外貨建の非貨幣性資産及び負債は、取引日の為替レートで換算します。
③ 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債は期末日の為替レート、収益及び費用は報告期間中の為替レートが著しく変動していない限り、その期間の平均為替レートを用いて日本円に換算します。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額は、「在外営業活動体の為替換算差額」としてその他の包括利益に認識します。在外営業活動体の処分等に伴い、当該累積換算差額は、処分損益の一部として純損益に振り替えます。
なお、支配の喪失を伴わない子会社に対する親会社持分の変動取引については、当該子会社の為替換算差額を親会社の所有者に帰属する持分と非支配持分との間で、資本を通じて再配分しています。
(4) 現金及び現金同等物
連結財務諸表における現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から概ね3か月以内に償還期限の到来する短期投資からなっています。
(5) 金融商品
① 金融資産
(ア)当初認識及び測定
当社グループは金融資産を、金融商品の契約上の当事者になった時点で当初認識しています。ただし、通常の方法による金融資産の購入については、取引日に当初認識しています。
金融資産は、当初認識時に、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産及び純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類します。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については公正価値で測定し、それ以外の金融資産は、公正価値に、取得に直接起因する取引費用を加算した金額で測定します。金融資産は以下の条件に従い、分類、事後測定をしています。
償却原価で測定する金融資産
金融資産は、以下の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類します。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、金融資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
当初認識後は実効金利法を用いた償却原価で測定し、また、減損の評価を行っています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は公正価値により測定します。そのうち、売買目的以外で保有する資本性金融商品については、当初認識時にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定するか否かを、個々の資本性金融商品ごとに決定しています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定した金融資産は、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益に認識しています。
その他の包括利益に認識した金額は、事後的に純損益に振り替えることはできないものの、資本の中で振り替えることができます。関連する金融資産の認識を中止した場合、あるいは公正価値が著しく下落した場合には、その他の包括利益に認識した当該金額を利益剰余金に振り替えています。
支配の喪失を伴わない子会社に対する親会社持分の変動取引については、当該子会社のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の累計額を、親会社の所有者に帰属する持分と非支配持分との間で、資本を通じて再配分しています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産以外の金融資産のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定しなかった金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類します。
当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動を純損益に認識します。
(イ)認識の中止
金融資産は、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は、金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんど全てが移転した場合に認識を中止します。
(ウ)金融資産の減損
当社グループは報告期間の末日ごとに、金融資産の信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか否かを、外部信用格付け、期日経過の情報等に基づき評価します。
金融資産の信用リスクが、当初認識以降に著しく増大したと判断した場合、金融資産の予想残存期間の全期間に係る予想信用損失と等しい金額で損失評価引当金を測定します。金融資産の信用リスクが、当初認識以降に著しく増大していないと判断した場合、報告期間の末日後12か月以内に生じる予想信用損失と等しい金額で損失評価引当金を測定します。ただし、営業債権については、延滞日数別の過去の債務不履行の実績に将来の経済状況等の予測を加味して調整した実績率に基づき、常に全期間の予想信用損失と等しい金額で損失評価引当金を測定します。
なお、債務者の財務状況の著しい悪化、債務者による支払不履行又は延滞等の契約違反等、金融資産が信用減損している証拠がある場合、算定した損失評価引当金を控除後の償却原価に対して、実効金利法を適用します。
予想信用損失の金額は、契約にしたがって支払われる金融資産のキャッシュ・フローの総額と、金融資産の受取見積将来キャッシュ・フローとの差額を、当初の実効金利で割り引いた現在価値を発生確率で加重平均して個別に見積ります。損失評価引当金の変動は、純損益に認識します。
② 金融負債
(ア)当初認識及び測定
当社グループは金融負債を、金融商品の契約上の当事者になった時点で当初認識しています。金融負債は、当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債を除き、償却原価で測定する金融負債に分類します。
金融負債は以下の分類ごとに、それぞれ事後測定をしています。
償却原価で測定する金融負債
当初認識後は実効金利法を用いた償却原価で測定します。
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動を純損益に認識します。
(イ)認識の中止
金融負債は、契約上の義務が免責、取消又は失効となった場合に認識を中止します。
③ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替変動リスク、金利変動リスク及び商品価格変動リスクをヘッジするために、先物為替予約、金利スワップ、商品先渡契約等のデリバティブ取引を行っています。取引開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象との関係並びに種々のヘッジ取引の実施についてのリスク管理目的及び戦略について文書化します。また、ヘッジ手段に指定したデリバティブがヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動を相殺するに際しヘッジ会計の要件を満たすかどうかについて、ヘッジ開始時及びその後も継続的に評価しています。
デリバティブは公正価値で当初認識しています。ヘッジ会計の要件を満たさない一部のデリバティブは、公正価値の事後的な変動を純損益に認識しています。ヘッジ会計の要件を満たすデリバティブは、その公正価値の変動を以下のように会計処理します。
(ア)公正価値ヘッジ
公正価値ヘッジとして指定され、かつその要件を満たすデリバティブの公正価値の変動は、ヘッジされたリスクに対応するヘッジ対象資産又は負債の公正価値の変動とともに、純損益に認識します。
(イ)キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定され、かつその要件を満たすデリバティブの公正価値の変動は、その他の包括利益に認識します。ただし、デリバティブの公正価値の変動のうち、ヘッジの非有効部分は純損益に認識します。
その他の包括利益に累積された金額は、ヘッジ対象が純損益に影響を与える期に、純損益に組み替えます。しかしながら、ヘッジ対象である予定取引が非金融資産若しくは負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益に累積された金額は、当該資産若しくは負債の測定額に含めます。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い額で計上します。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における予想販売価額から完成までに要する見積原価及び見積販売コストを控除した額です。取得原価は主として先入先出法を用いて算定します。
(7) 有形固定資産(使用権資産を除く)
有形固定資産の認識後の測定には原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示します。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、撤去及び原状回復費用並びに長期プロジェクトのための借入コストで資産計上の要件を満たすものが含まれます。
大規模な保守や修繕に係る支出には、再取得資産や資産の一部の取替えに係る費用、調査費用及びオーバーホール(詳細検査)の費用が含まれます。当該支出のうち、有形固定資産の認識基準が満たされるものについては資産計上され、次の調査までの期間にわたり減価償却されます。
土地以外の有形固定資産の減価償却は、取得原価から残存価額を控除した償却可能価額について、有形固定資産の各構成要素の見積耐用年数にわたり、主として定額法に基づいて行います。
主な有形固定資産の見積耐用年数は以下のとおりです。
・建物及び構築物 2年~50年
・機械装置及び運搬具 2年~22年
有形固定資産の減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、連結会計年度の末日ごとに見直しを行います。
(8) のれん及び無形資産
① のれん
のれんは償却を行わず、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しています。のれんは企業結合のシナジーからの便益を得ることが期待される個々の資金生成単位又は資金生成単位グループに配分し、毎期又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しています。のれんの減損損失は連結損益計算書において純損益として認識され、その後の戻入れは行っていません。
なお、当初認識時におけるのれんの測定は、注記3.「重要性がある会計方針(2)企業結合」に記載しています。
② 無形資産
無形資産の認識後の測定には原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示します。
無形資産は、資産の取得原価から残存価額を控除した額について、見積耐用年数にわたり、主として定額法で償却します。主な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりです。
・ソフトウエア 5年
・顧客関連資産 10年~25年
(9) リース
リース負債は、リース開始日現在の残存リース料をリースの計算利子率を用いて割り引いた現在価値で当初認識します。認識時に実務上容易にリースの計算利子率を算定できない場合は、当社グループの追加借入利子率を用いています。
使用権資産は、リース負債の測定額に、当初直接コストや前払リース料等を調整し、リース契約に基づき要求される原状回復義務の費用を加算した金額で認識しており、リース期間にわたり規則的に減価償却を行います。また使用権資産は連結財政状態計算書において「有形固定資産」に含めて表示しています。
(10) 非金融資産の減損
当社グループは各報告期間において、各資産についての減損の兆候の有無の判定を行い、減損の兆候が存在する場合、又は、耐用年数を確定できない無形資産等毎年減損テストが要求されている場合には、その資産の回収可能価額を見積ります。個々の資産の回収可能価額を見積ることができない場合には、その資産の属する資金生成単位ごとに回収可能価額を見積ります。
回収可能価額は、資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値とその使用価値のうちいずれか高い方の金額で算定します。処分コスト控除後の公正価値の算定に当たっては、利用可能な公正価値指標及び取引に裏付けられた適切な評価モデルを使用します。また、使用価値の評価における見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値に関する現在の市場評価及び当該資産に固有のリスク等を反映した税引前割引率を使用して、現在価値まで割り引きます。
資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超える場合は、その資産について減損損失を認識し、回収可能価額まで評価減します。
のれん以外の資産に関しては、過去の報告期間に認識された減損損失について、損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が存在しているかどうかの評価を行います。そのような兆候が存在する場合は、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、その回収可能価額が、資産又は資金生成単位の帳簿価額を超える場合、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費又は償却費を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として、減損損失を戻し入れます。
(11) 売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ及び非継続事業
非流動資産又は処分グループについては、継続的な使用ではなく、主として売却取引により回収が見込まれるものであり、1年以内に売却する可能性が非常に高く、かつ、現在の状態で即時に売却可能で、経営者が売却を確約している場合には、売却目的で保有する非流動資産又は処分グループとして分類します。
売却目的で保有する非流動資産又は処分グループは、減価償却又は償却は行わず、帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定します。
既に処分された又は売却目的で保有する非流動資産又は処分グループが、独立の主要な事業分野又は営業地域を示す場合、独立の主要な事業分野又は営業地域を処分する統一された計画の一部である場合、転売のみを目的に取得した子会社である場合のいずれかに該当した場合、非継続事業として認識します。
(12) 退職後給付
当社グループでは確定給付制度と確定拠出制度を採用しています。確定給付制度に関連して連結財政状態計算書で認識される負債は、報告期間の末日現在の確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を差し引いた額です。確定給付制度債務は、予測単位積増方式を用いて毎年算定します。割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定します。
退職給付費用のうち、勤務費用、確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額については純損益で認識し、見積りと実績との差異及び数理計算上の仮定の変更から生じた数理計算上の差異を含む再測定は、発生した期間にその他の包括利益として認識します。当該金額は、純損益へ振り替えることはできないものの、資本の中での振り替えが認められていることから、直ちにその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えます。過去勤務費用は、発生した期間に純損益で認識します。
確定拠出制度に係る退職給付費用は、従業員がサービスを提供した期間に費用として認識し、未払拠出額を債務として認識しています。
(13) 引当金及び偶発負債
引当金は、過去の事象の結果として現在の債務(法的又は推定的義務)を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、その金額を信頼性をもって見積ることができる場合に認識します。
引当金は、債務の決済に必要とされると見込まれる支出に、貨幣の時間価値の現在の市場評価と当該債務に特有なリスクを反映した税引前の割引率を用いて、現在価値で測定します。時間の経過による引当金の増加は利息費用として認識します。
資産除去債務については、施設若しくは設備を解体、撤去し、その場所を原状に復帰させる義務を負う場合で、なおかつその債務の金額を合理的に見積ることができる場合に認識します。
報告期間の末日現在において発生可能性のある債務を有しているが、それが報告期間の末日現在の債務であるか否か確認ができないもの、又は引当金の認識基準を満たさないものについては、注記31.「偶発負債」に記載します。
(14) 収益認識
当社グループは、IFRS第9号「金融商品」(以下、「IFRS第9号」という。)に基づく利息及び配当収益等を除き、次の5つのステップを適用することにより収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:履行義務が充足されたときに(又は充足するにつれて)収益を認識する
当社グループでは、半導体用スパッタリングターゲット、圧延銅箔、貴金属、リサイクル原料等の販売を行っています。これらの販売は、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち製品を顧客へ引き渡した時点で、製品の法的所有権、物的占有権、製品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が移転し、顧客から製品の対価を受ける権利を得るため、その時点で収益を認識します。また収益は、顧客との契約による取引価格に基づき認識しており、取引の対価は製品の引き渡し後概ね3か月以内に受け取るため、重大な金融要素を含んでいません。
販売契約の一部には仮価格条項が含まれており、詳細は注記23.「売上収益」に記載しています。
(15) 法人所得税費用
法人所得税費用は当期税金及び繰延税金から構成されます。
これらは、企業結合に関連するもの及び直接資本又はその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益として認識しています。
当期法人所得税は、期末日時点において施行又は実質的に施行される税率を乗じて算定する当期の課税所得又は損失に係る納税見込額あるいは還付見込額の見積りに、前年までの納税見込額あるいは還付見込額の調整額を加えて算定しています。
繰延税金資産及び負債は、会計上の資産及び負債の帳簿価額と税務基準額との一時差異、報告期間の末日時点における税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除に基づいて算定しています。
なお、次にかかる一時差異に対しては繰延税金資産又は負債を認識しません。
・のれんの当初認識により将来加算一時差異が生じる場合
・企業結合以外の取引で、取引時に会計上の利益と税務上の課税所得のどちらにも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異を生じさせていない取引から発生する資産及び負債の当初認識により生じる場合
・子会社、関連会社及び共同支配の取決めに対する持分にかかる将来加算一時差異について、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な将来にその差異が解消されない可能性が高い場合、及び将来減算一時差異について、予測可能な将来にその差異が解消されない可能性が高い場合
繰延税金資産及び負債の算定には、報告期間の末日までに施行又は実質的に施行されており、関連する繰延税金資産が実現する期又は繰延税金負債が決済される期において適用されると予想される税率を使用します。
繰延税金資産は、税務上の繰越欠損金、繰越税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しています。また、繰延税金資産は、毎期末日に見直し、税務便益が実現する可能性が高くなくなった部分について減額しています。
また、当社グループは、「国際的な税制改革−第2の柱モデルルール(IAS第12号「法人所得税」の改訂)」(2023年5月公表)を適用しています。なお、当社グループは、本改訂における例外規定を適用し、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金に関して、認識及び開示を行っていません。
4.重要な会計上の見積り及び判断
当社の連結財務諸表は、経営者の見積り及び判断を含みます。これらの見積り及び判断は過去の実績及び報告期間の末日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の見積りに基づきますが、将来に生じる結果は、これらの見積り及び判断とは異なる可能性があります。
当社の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある、主な見積り及び判断は以下のとおりです。
(1) 非金融資産の減損
当社グループでは有形固定資産、のれん及び無形資産について、注記3.「重要性がある会計方針」にしたがって、減損テストを実施します。減損テストにおける回収可能価額を算定するに当たり、将来キャッシュ・フローの見積りや割引率等を決定します。将来キャッシュ・フローは経営者が承認した事業計画を基礎として、経営者の最善の見積りと判断により決定しますが、将来キャッシュ・フローに含まれる販売数量や商品価格、外国為替相場等の不確実な要素の変動によって影響を受けるため、これらの見積りや回収可能価額の見直しが必要となった場合に、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
当項目は、注記13.「非金融資産の減損」、及び注記26.「その他の収益及び費用」に関連します。
(2) 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び繰越欠損金を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で金額を算定します。将来の課税所得の生じる時期及び金額は、販売数量や商品価格の重要な仮定を含めた、経営者が承認した事業計画に基づいて見積ります。
これにより、当連結会計年度末、繰延税金資産として計上した金額は16,107百万円であり、その大部分は当社に係るものです。
課税所得が生じる時期及び金額は、将来の不確実な経済状況の変化によって影響を受けることから、実際に生じた時期及び金額が見積りと異なった場合は、それに伴い利用可能な繰延税金資産の金額も変動し、その結果、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
当項目は、注記19.「法人所得税」に関連します。
(3) 棚卸資産の評価
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い額で計上します。報告期間末日において正味実現可能価額が取得原価より下落している場合には、棚卸資産を当該正味実現可能価額で測定し、取得原価との差額(評価減)を売上原価に計上します。
これにより、当連結会計年度末、棚卸資産として計上した金額は345,075百万円です。
将来、市場環境が大きく変化し、正味実現可能価額が著しく下落した場合には、売上原価に多額の差額(評価減)が発生し、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
当項目は、注記9.「棚卸資産」に関連します。
(4) 退職後給付
当社グループは確定給付制度を含む退職給付制度を有しています。確定給付制度債務の現在価値及び関連する勤務費用等は、数理計算上の仮定に基づいて算定されます。数理計算上の仮定には、割引率等、様々な変数についての見積り及び判断が求められます。
これにより、当連結会計年度末、退職給付に係る負債として計上した金額は26,102百万円です。
様々な変数を含む数理計算上の仮定の適切性について、経営者の最善の見積りと判断により決定しますが、将来の不確実な経済状況の変化によって影響を受けることから、見直しが必要となった場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
当項目は、注記18.「退職後給付」に関連します。
(5) 引当金及び偶発負債
当社グループは資産除去債務等、種々の引当金を連結財政状態計算書に計上しています。これらの引当金は、報告期間の末日における債務に関するリスク及び不確実性を考慮に入れた、債務の決済に要する支出の最善の見積りに基づき割引率を加味して計上されます。
これにより、当連結会計年度末、引当金として計上した金額は58,262百万円です。
債務の決済に要する支出額は、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しますが、予想しえない事象の発生や状況の変化によって影響を受ける可能性があり、実際の支払額が見積りと異なった場合、翌報告期間以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
また、偶発負債については、報告期間の末日における全ての利用可能な証拠を勘案し、その発生可能性及び金額的影響を考慮したうえで、将来の事業に重要な影響を及ぼしうる項目を開示します。
当項目は、注記17.「引当金」、注記31.「偶発負債」に関連します。
5.未適用の公表済み基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに、主に以下の基準書及び解釈指針の新設又は改訂が公表されていますが、2026年3月期以前に強制適用されるものではなく、当社グループでは早期適用しておりません。新しいIFRS適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。
6.企業結合
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(タツタ電線株式会社の追加取得に伴う子会社化)
当社は、情報通信材料セグメントに属する持分法適用会社であったタツタ電線株式会社(以下、「タツタ電線」という。)を当社の完全子会社化するための取引の一環として、タツタ電線に対する公開買付を実施し、2024年8月26日に議決権の50.61%を取得した結果、既保有持分と合わせて議決権の87.64%を保有することとなり、タツタ電線及びその子会社は当社の子会社となりました。その後、タツタ電線を当社の完全子会社化するための手続により、同社は2024年11月11日に当社の完全子会社となりました。
(1) 企業結合の概要
① 被取得企業の名称及び事業の内容
② 企業結合を行った主な理由
当社が掲げる「2040年 JX金属グループ長期ビジョン」を達成するためには、「フォーカス事業」の成長と「ベース事業」の安定化が不可欠であるところ、タツタ電線の有する電子材料事業及びケーブル事業の両方が大きな力になると考えています。
当社は、タツタ電線を経営資源の相互活用に制約を排除し一体とすることができる完全子会社とすることで、(a)両社の経営資源の効率的活用、(b)重要技術における更なる連携、(c)電子材料事業における事業競争力の更なる強化、(d)タツタ電線 電線・ケーブル事業及び当社金属事業の事業基盤の強化、のようなシナジーを享受し、両社の企業価値の更なる向上を図ることを目的としています。
③ 取得日 2024年8月26日
④ 被取得企業の支配の獲得方法 現金を対価とする企業結合
⑤ 取得した議決権付資本持分の比率
(2) 取得対価及びその内訳
(3) 取得関連費用
企業結合に係る取得関連費用として累計して498百万円を認識しており、うち259百万円が前連結会計年度における連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上されています。
(4) 取得資産及び引受負債の公正価値、非支配持分及びのれん
非支配持分は、被取得企業の識別可能な純資産の認識金額に対する非支配株主の持分割合で測定しています。取得した資産の公正価値測定に当たり、主に有形固定資産における土地の評価益を認識したことを理由として、取得した純資産の公正価値が取得対価を上回ったため、負ののれん発生益を認識しており、前連結会計年度における連結損益計算書の「その他の収益」に計上しています。
(5) 段階取得に係る差損
当社グループが取得日以前に保有していたタツタ電線の資本持分を取得日の公正価値で再測定した結果、企業結合による段階取得に係る差損44百万円を前連結会計年度における連結損益計算書の「その他の費用」に計上しています。
(6) 当社グループの業績に与える影響
取得日以降に生じた損益情報、及び企業結合が期首に実施されたと仮定した場合の損益情報(プロフォーマ情報)は、連結財務諸表に与える影響額に重要性がないため開示しておりません。なお、当該プロフォーマ情報は監査を受けておりません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
重要な企業結合がないため、記載を省略しています。
7.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象です。
当社グループでは、当社において設置された製品・サービス別の事業セグメントが、取り扱う製品・サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しています。
したがって、当社グループは、製品・サービス別の事業セグメントから構成されていますが、製品・サービスの特性及び販売市場の類似性に基づき、複数の事業セグメントを集約したうえで、「半導体材料」、「情報通信材料」及び「基礎材料」の3つを報告セグメントとし、他の事業セグメントを「その他」としています。
各報告セグメント区分の主な製品・サービス又は事業内容は、次のとおりです。
(2) 報告セグメントごとの売上高、損益、資産及びその他の項目
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1.報告セグメントの会計方針は、連結財務諸表作成における会計方針と同一です。
2.外部顧客への売上高には、顧客との契約から生じた収益及びその他の源泉から生じた収益が含まれています。詳細については、注記23.「売上収益」に記載しています。
3.報告セグメント間の内部売上高又は振替高は市場実勢価格に基づいています。
4.セグメント利益又は損失は、連結損益計算書における営業利益で表示しています。
5.資本的支出には、使用権資産の新規取得を含めています。
6.調整額は以下のとおりです。
① セグメント利益又は損失の調整額△12,208百万円には、各報告セグメント及び「その他」の区分に配分していない全社収益・全社費用の純額△11,357百万円が含まれています。
② セグメント資産の調整額73,758百万円には、セグメント間の債権の相殺消去額△75,912百万円、各報告セグメント及び「その他」の区分に配分していない全社資産149,670百万円が含まれています。
7.各報告セグメントの非金融資産の減損損失の金額及び内容については、注記13.「非金融資産の減損」に記載しています。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1.報告セグメントの会計方針は、連結財務諸表作成における会計方針と同一です。
2.外部顧客への売上高には、顧客との契約から生じた収益及びその他の源泉から生じた収益が含まれています。詳細については、注記23.「売上収益」に記載しています。
3.報告セグメント間の内部売上高又は振替高は市場実勢価格に基づいています。
4.セグメント利益又は損失は、連結損益計算書における営業利益で表示しています。
5.資本的支出には、使用権資産の新規取得を含めています。
6.調整額は以下のとおりです。
① セグメント利益又は損失の調整額△37,288百万円には、各報告セグメント及び「その他」の区分に配分していない全社収益・全社費用の純額△32,308百万円が含まれています。
② セグメント資産の調整額88,238百万円には、セグメント間の債権の相殺消去額△104,060百万円、各報告セグメント及び「その他」の区分に配分していない全社資産192,298百万円が含まれています。
7.各報告セグメントの非金融資産の減損損失の金額及び内容については、注記13.「非金融資産の減損」に記載しています。
(3) 製品及びサービスに関する情報
「(1) 報告セグメントの概要」における事業セグメントごとの製品及びサービスについて、「(2) 報告セグメントごとの売上高、損益、資産及びその他の項目」に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
(4) 地域別に関する情報
① 売上高
売上高の地域別内訳については、注記23.「売上収益」に記載しています。
② 非流動資産
非流動資産の地域別内訳については、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 非流動資産は金融商品、繰延税金資産及び退職給付に係る資産等を含んでいません。
(5) 主要な顧客に関する情報
連結売上高の10%以上を占める顧客の売上高は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
8.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりです。
9.棚卸資産
棚卸資産の内訳は、以下のとおりです。
期中に費用として認識された棚卸資産の金額は注記24.「費用の性質別内訳」に記載しています。前連結会計年度及び当連結会計年度における棚卸資産の評価減の金額(△は戻入金額)はそれぞれ、209百万円及び△123百万円です。
10.有形固定資産
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減は、以下のとおりです。
(注) 1.取得には使用権資産の増加を含めています。また、処分にはリース解約に伴う使用権資産の減少を含めています。
2.企業結合による取得の詳細は、注記6.「企業結合」に記載しています。
有形固定資産の帳簿価額は、以下のとおりです。
11.のれん及び無形資産
(1)増減表
のれん及び無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減は、以下のとおりです。
(注) 1.企業結合による取得の詳細は、注記6.「企業結合」に記載しています。
2.売却目的保有資産への振替の詳細は、注記14.「売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ」のSCM Minera Lumina Copper Chileの項目に記載しています。
(注) 1.無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めて表示しています。また耐用年数は、注記3.「重要性がある会計方針(8)のれん及び無形資産」に記載しています。
2.売却目的保有資産への振替の詳細は、注記14.「売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ」のSCM Minera Lumina Copper Chileの項目に記載しています。
のれん及び無形資産の帳簿価額は、以下のとおりです。
12.リース
当社グループでは、借手として、工場・事業所用の定期借地(土地)、製造に関連する設備等(機械装置及び運搬具)、オフィス(建物及び構築物)等をリースしています。
前連結会計年度及び当連結会計年度における、リースに関連する費用は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
使用権資産の減価償却費、短期リース費用、少額資産リース費用は、連結損益計算書上の「売上原価」又は「販売費及び一般管理費」、「その他の費用」に含めています。リース負債に係る金利費用は「金融費用(支払利息)」に含めています。
使用権資産の帳簿価額は、以下のとおりです。
使用権資産の増加額は以下のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるリースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額は、それぞれ4,414百万円及び4,167百万円です。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるリース負債の満期分析は、注記20.「金融商品」に記載のとおりです。
13.非金融資産の減損
(1) 減損損失
各報告セグメント及びその他の減損損失の金額は、以下のとおりです。
減損損失は、連結損益計算書の「その他の費用」に含まれています。
半導体材料
前連結会計年度において、のれんの減損テストを行った結果、TANIOBIS GmbH(以下、「TANIOBIS」という。)の資金生成単位グループにおいて回収可能価額帳簿価額を下回ったことから、減損損失4,712百万円を計上しました。当連結会計年度において、重要な減損損失は認識しておりません。
情報通信材料
前連結会計年度及び当連結会計年度において、重要な減損損失は認識しておりません。
基礎材料
前連結会計年度及び当連結会計年度において、重要な減損損失は認識しておりません。
(2) のれんの減損テスト
当社グループにおける主なのれんの帳簿価額は以下のとおりです。
減損テストにおいては、原則として各社を資金生成単位としています。
資金生成単位の回収可能価額は使用価値に基づいており、使用価値は、経営者が承認した事業計画(5年)及び継続価値算定のため一定の成長率に基づいた将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引いて算定しています。将来キャッシュ・フローの現在価値の見積りに当たっては、過去の経験及び外部からの情報を反映し、成長率及び割引率といった主要な仮定を用いています。前連結会計年度末日、及び当連結会計年度末日において、回収可能額の算定に利用している重要な仮定は以下のとおりです。
前連結会計年度の減損テストにおいて、TANIOBISののれんについて、主に収益性の低下により回収可能価額(63,313百万円)がのれんを含む資金生成単位の帳簿価額を下回ったため、減損損失4,712百万円を計上しました。
前連結会計年度、及び当連結会計年度のeCycle Solutions Inc.の減損テストにおいて、資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を上回っている金額及び将来キャッシュ・フローの金額(割引前)が変化しないと仮定した場合に、合理的に考え得る変動により、各資金生成単位の回収可能価額がのれんの帳簿価額を下回る割引率の変動値(%)は以下のとおりです。
14.売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ
SCM Minera Lumina Copper Chile
当社は、先端素材を中心とする成長分野へ経営資源をさらに集中していくとともに、資源事業におけるボラティリティの抑制と長期的な収益基盤の強化を図ることを目的として、当社グループが100%を保有していた基礎材料セグメントに属する子会社であったSCM Minera Lumina Copper Chile(以下、「MLCC」という。)の株式の51%について、Lundin Mining Corporation(以下、「Lundin社」という。)に2023年7月に売却しました。
前連結会計年度において、当社は、上述の事業構造変革を加速するため、当社グループが引き続き保有していたMLCC株式の19%について、Lundin社の完全子会社であるLMC Caserones SpAへと追加売却することを2024年6月6日の当社取締役会において決定しました。これに伴い、当社とLundin社で追加売却に関する契約を締結したことに基づき、前第1四半期において、売却対象のMLCC株式を持分法で会計処理されている投資から売却目的保有の処分グループに分類していましたが、当該株式の売却が完了したことから、当該株式の認識を中止しています。また、売却完了時に関係会社株式売却益7,136百万円を連結損益計算書の「その他の収益」に計上しています。
当社は、「JX金属グループ2040年長期ビジョン」の達成に向け、当社が30%保有していたMLCC株式の5%および当社グループが保有するフロンテラ地域における銅鉱山開発プロジェクト(以下、「フロンテラプロジェクト」という。)の権益について、LMC Caserones SpAへと売却することを2026年3月10日の当社取締役会において決定しました。これに伴い、当社とLundin社で売却に関する契約を締結したことに基づき、当連結会計年度において、売却対象のMLCC株式およびフロンテラプロジェクト権益を売却目的保有の処分グループとして分類しています。当連結会計年度末における、当該売却目的保有の処分グループに係るその他の資本の構成要素は1,732百万円です。なお、当該売却目的保有の処分グループは、総額34,109百万円の対価により2026年4月7日付で譲渡を完了しております。当社は売却後もMLCC株式について持分の25%を保有しており、継続して持分法で会計処理されている投資に区分しています。
また、MLCC株式の51%を売却する際に締結した当社とLundin社との契約では、将来、当社が保有するMLCC株式の19%をLundin社又は第三者へ譲渡することとしており、これに関連して、当社は、Lundin社へ付与した売建コール・オプション及びLundin社に対して有する買建プット・オプションを認識していましたが、MLCC株式の追加売却に当たってLundin社が売建コール・オプションを早期行使したことに伴い、売建コール・オプション及び買建プット・オプションの認識を中止しています。当該オプションについては、注記20.「金融商品 (3)金融商品の分類」をご参照ください。
株式会社丸運
当社は、その他セグメントに属する持分法適用会社である株式会社丸運(以下、「丸運」という。)の株式を38.23%保有しておりましたが、同社株式の一部を丸運に売却することについて、2025年11月13日付でセンコーグループホールディングス株式会社(以下、「センコー」という。)との間で、株主間契約および不応募契約を締結しております。
丸運については、センコーが同社株式の非公開化および連結子会社化を目的として株式公開買付け(以下、「本公開買付け」という。)を実施しており、当社は、本公開買付けが丸運の企業価値向上および持続的成長に資するものと判断し、これに賛同しておりました。
当社は、本公開買付け前において丸運の筆頭株主として同社株式の約38.23%を保有しており、本公開買付け後に予定されているスクイーズアウト手続きおよび丸運による自己株式取得を通じて、同社の議決権構成は、センコーが80%、当社が20%となる予定です。
2026年3月6日にセンコーによる本公開買付けが終了し、スクイーズアウト手続きおよび丸運による自己株式取得の実施が確実となったことから、当社は、売却対象となる丸運株式について、持分法で会計処理されている投資から、売却目的保有の処分グループに分類しております。なお、売却後も継続保有する丸運株式については、引き続き持分法で会計処理されている投資に区分する予定です。
15.営業債務及びその他の債務、その他の流動負債
営業債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりです。
その他の流動負債
その他の流動負債には、未払消費税等及び預り金が含まれています。
16.借入金
(1) 借入金の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1.平均利率は、当連結会計年度末の残高に対する加重平均利率を記載しています。
2.返済期限は、当連結会計年度末の残高に係る返済期限を記載しています。
(2) 担保に供している資産は、以下のとおりです。
(注) 1.主に関税法・消費税法に基づき、輸入取引に係る関税・消費税の納期限延長制度を利用する際の担保です。また、上記の他に取引保証を行っており、前連結会計年度末及び当連結会計年度末の取引保証残高はそれぞれ1,087百万円及び1,029百万円になります。
2.前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、根抵当権(極度額はそれぞれ10,225百万円及び9,751百万円)を設定していますが、対応する債務はありません。
17.引当金
引当金の増減は、以下のとおりです。
(1) 資産除去債務
資産除去債務は、当社グループが使用する工場設備・敷地等に対する原状回復義務等に対するものです。当該債務を履行するまでの見積期間は、工場設備・敷地等の使用見込み期間です。なお、計算に用いた割引率は1.0%から3.8%です。
(2) 環境対策引当金
環境対策引当金は、環境法令等に基づく、水質、土壌等の改善義務に対するものです。当該引当金には、米国子会社グールド・エレクトロニクス社(以下、「グールド社」という。)の過去の事業及び当社グループが管理する休廃止鉱山に係る環境対策費用が含まれており、将来支払うと見込まれる金額を環境対策引当金として認識しています。これらの費用は主に1年以上経過した後に支払われることが見込まれています。
グールド社においては、同社の前身会社が事業を展開していた一部の米国内指定サイトに関して、米国のスーパーファンド法及びその他の環境法規制の下で、修復及びその他のコストを求める複数の訴訟の対象となっています。加えて、過去にグールド社が販売した製品が原因でアスベスト等による健康被害を被ったとして個人から賠償を求められている訴訟にも継続的に対応しています。
グールド社は、修復作業が進行している米国内の複数のサイトのうち、責任があるものについて修復作業に関連するコストの一部を継続的に負担しており、その将来の負担額について環境対策引当金を計上しています。環境法規制における責任の有無につき係属中の訴訟に関しては不確実性を伴うことからその帰結を合理的に予測することは困難であり、また責任が認められた場合の将来の負担額についてはサイト指定の原因となった物質の量と性質、他の潜在的に責任のある当事者の総数、責任の配分と当事者の財政状態、環境是正作業の方法と技術、関連する環境法及び規則の修正を含む多くの要因に左右されるため、これらの訴訟の結果によっては当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは長年の事業活動の結果、全国各地に休廃止鉱山を所有しています。鉱山保安法に基づき、それらの休廃止鉱山の坑廃水処理などの活動を実施しており、その将来の負担額について環境対策引当金を計上しています。関連法令の改正や自然災害等が発生した場合には、休廃止鉱山の管理に要する費用が変更となる可能性があります。
当連結会計年度における主な期中増加は、国内の休廃止鉱山における水処理設備の一部である堆積場の保管容量増強工事計画に伴うものです。
(3) 株式譲渡補償引当金
株式譲渡補償引当金は、MLCCの株式の持分譲渡契約に基づき、チリ共和国における新鉱業ロイヤルティの導入、及び税制改正等による損失について、一定の範囲で持分の譲渡先に補償を行うものです。これらの損失補償は、主に1年以上経過した後に支払われることが見込まれていますが、金額や支払時期の見積りは、チリ共和国の税制改正、及びMLCCの事業計画等により変動する可能性があります。
18.退職後給付
(1) 採用している退職給付制度の概要
当社及び国内子会社は、確定給付制度として確定給付企業年金制度、退職一時金制度、社内年金制度を設けているほか、確定拠出制度としてDC企業型年金制度を設けています。確定給付企業年金制度では、主としてポイント制を採用しています。さらに、従業員の退職等に際して割増退職金を支払う場合があります。一部の海外子会社においても、確定給付制度及び確定拠出制度を設けています。
(2) 確定給付制度
当社グループでは、確定給付型の退職給付制度を設けています。給付額は勤続年数、職能・職務等級、役職などの評価要素に基づき決定されます。
① 確定給付制度に関するリスク
確定給付制度は様々なリスクにさらされており、主なリスクは以下のとおりです。なお、制度資産に関して重大な集中リスクにはさらされていません。
制度資産の変動:資本性金融商品への投資は、価格変動リスクにさらされています。
社債利率の変動:市場の社債利回りの低下は、確定給付制度債務を増加させます。
② 連結財政状態計算書上の認識額
確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の公正価値は、以下のとおりです。
退職給付に係る負債及び資産の連結財政状態計算書上の認識額は、以下のとおりです。
(注) 退職給付に係る資産は、連結財政状態計算書上「その他の非流動資産」に含まれています。
③ 確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の公正価値の調整
確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の公正価値の調整表は、以下のとおりです。
④ 制度資産の内訳
制度資産の内訳は、以下のとおりです。
(注) その他には現金同等物及び不動産投資信託等が含まれています。
⑤ 数理計算上の仮定
数理計算のために使用した主要な仮定は、以下のとおりです。
⑥ 感応度分析
数理計算上の仮定が変動した場合の確定給付制度債務への影響は、以下のとおりです。
なお、本分析においては、その他全ての仮定は一定であることを前提としていますが、実際には他の数理計算上の仮定の変化が感応度分析に影響する可能性があります。
⑦ 将来キャッシュ・フローに関連する情報
前連結会計年度及び当連結会計年度における確定給付制度への翌年度の予想拠出額はそれぞれ651百万円及び632百万円です。また、前連結会計年度及び当連結会計年度における確定給付制度債務の加重平均残存期間はそれぞれ12年及び12年です。
(3) 確定拠出制度
確定拠出制度に係る退職給付費用は、従業員がサービスを提供した期間に費用として認識し、未払拠出額を債務として認識しています。
確定拠出制度に係る退職給付費用は、以下のとおりです。
19.法人所得税
(1) 法人所得税費用
法人所得税費用の主要な内訳は、以下のとおりです。
「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール(IAS第12号「法人所得税」の改訂)」により影響を受ける見込みの法人所得税の金額は軽微です。
(2) 法定実効税率と実際負担税率の調整表
法定実効税率と実際負担税率との調整は、以下のとおりです。
当社グループは、主に法人税、住民税及び損金算入される事業税を課されており、これらを基礎として計算した前連結会計年度及び当連結会計年度の法定実効税率は30.6%となっています。ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されています。
(3) 繰延税金資産及び負債の変動内訳
繰延税金資産及び繰延税金負債の変動の内訳は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
前連結会計年度又は当連結会計年度に損失が生じている納税主体について、各納税主体における繰越欠損金の失効期限等を勘案し、将来課税所得の発生可能性に基づき回収可能性を検討した結果、繰延税金資産をそれぞれ2,151百万円及び3,191百万円認識しています。
なお、前連結会計年度において、2025年3月19日付の当社株式の上場に伴い、当社及び国内の100%出資子会社は、ENEOSホールディングスを通算親法人とするグループ通算制度から離脱しています。
(4) 繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金の金額は以下のとおりです。
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の繰越期限は以下のとおりです。
(5) 未収法人所得税
前連結会計年度及び当連結会計年度において、連結財政状態計算書上の「その他の流動資産」に含まれている未収法人所得税は、それぞれ919百万円及び521百万円です。
20.金融商品
(1) 資本管理
当社グループは、中長期のグループ戦略及び企業価値の最大化を達成するために、最適な資本構成の実現・維持に努めています。当社が資本管理で重視する指標は、ネットD/Eレシオ(ネット・デット・エクイティ・レシオ)(※)です。当該指標は、継続的に経営者に報告され、モニタリングされています。
(※)ネットD/Eレシオ=(有利子負債-現金及び現金同等物)/資本合計(親会社の所有者に帰属する持分合計)
なお、有利子負債にはリース負債を含めていません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるネットD/Eレシオは、それぞれ、0.39倍及び0.36倍となっています。
なお、当社が適用を受ける重要な資本規制(会社法等の一般的な規定を除く)はありません。
(2) 財務リスク管理
当社グループは、信用リスク、流動性リスク、市場リスク(為替リスク、金利リスク、商品価格変動リスク及び株価変動リスク)などの様々なリスクにさらされていますが、以下のとおりリスク管理を実施しています。
① 信用リスク
当社グループは、保有する金融資産の相手先の債務が不履行になることにより、金融資産が回収不能になるリスク、すなわち信用リスクにさらされています。当該リスクに対応するために、与信管理規程等に基づき取引先ごとに与信限度額を設けたうえで、取引先の財務状況等について定期的にモニタリングし、債権の期日及び残高を取引先ごとに適切に管理することにより、回収懸念の早期把握を図っています。さらに、必要に応じて担保設定・ファクタリング等を利用することによって保全措置を図っています。
また、商品相場や為替相場の変動に係るリスクを軽減するために、金融機関等とデリバティブ金融商品の取引を行っていますが、デリバティブ金融商品の取引については、信用力の高い金融機関を相手方として行うことが基本となっており、信用リスクに及ぼす影響は限定的です。
保有している債権は、広範囲の産業や地域に広がる多数の取引先に対する債権であり、特定の取引先について重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を要する信用リスクの過度の集中はありません。
返済期日を大幅に超過している場合など債務不履行と認識される場合には、信用減損金融資産と判断しています。当社グループは、営業債権の全部又は一部が回収不能と評価され、信用調査の結果、償却することが適切であると判断した場合、当該営業債権の帳簿価額を直接償却しています。
保証及び連結財務諸表に表示されている金融資産の減損後の帳簿価額は、獲得した担保の評価額を考慮に入れない、当社の金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値です。
(ア) 損失評価引当金の増減分析
営業債権については、延滞日数別の過去の債務不履行の実績に将来の経済状況等の予測を加味して調整した実績率に基づき、金融資産の予想残存期間の全期間の予想信用損失と等しい金額で損失評価引当金を測定しています。
一般債権については、報告期間の末日後12か月以内に生じる予想信用損失と等しい金額で、また、滞留債権については、予想残存期間の全期間の予想信用損失と等しい金額で、損失評価引当金をそれぞれ測定しています。
設定対象ごとの、前連結会計年度及び当連結会計年度における損失評価引当金の残高の推移は以下のとおりです。
営業債権以外の債権に係る損失評価引当金は主に、当初認識時以降、重要な信用リスクの増加が生じていないその他の債権に対して測定されています。
損失評価引当金は、連結財政状態計算書上、流動資産及び非流動資産に含まれています。
(イ) 信用度別の金融資産の総額
前連結会計年度及び当連結会計年度における、営業債権(売掛金及び受取手形)の延滞日数別の帳簿価額の総額及び貸付金等の社内管理区分ごとの帳簿価額の総額はそれぞれ以下のとおりです。
営業債権(売掛金及び受取手形)
営業債権以外の債権
② 流動性リスク
当社はENEOSグループ金融制度に基づいてENEOSファイナンス株式会社等からの借入れを行っていましたが、2024年9月までに外部金融機関への借換えを完了することによってこれを離脱し、当社独自のグループ金融制度に移行しています。
当該制度の下、当社グループでは、運転資金及び設備投資等の資金需要に対して、自己資金や必要に応じ金融機関からの借入等で資金調達を行っていますが、これらの債務の履行が困難となるリスク、すなわち流動性リスクにさらされています。
また、子会社の資金調達については、グループ資金の効率性確保の観点から原則として当社が実施し、当社から当社グループ子会社に貸付を実施しています。当社グループでは、グループ資金を当社が集中して管理し、グループ全体としての資金の効率的な調達・運用を実現しています。
また、グループ各社の資金需要を適宜把握したうえで、資金計画を作成し、キャッシュ・フローの実績と比較する方法でモニタリングを行い、流動性リスクを管理しています。
非デリバティブ金融負債及びデリバティブ金融負債の残存契約満期期間ごとの金額は、以下のとおりです。
前連結会計年度(2025年3月31日)
(注) 契約上、相手方が権利行使可能な最も早い日に行使されると仮定しています。
当連結会計年度(2026年3月31日)
(注) 契約上、相手方が権利行使可能な最も早い日に行使されると仮定しています。
③ 市場リスク
当社グループは、市場リスクをヘッジするために、先物為替予約、金利スワップ、商品先渡取引等のデリバティブ金融商品を利用しています。デリバティブ取引の執行・管理については、取引権限を定めた社内規程にしたがっており、デリバティブ金融商品を利用した投機的な取引は行わない方針です。
(ア) 為替リスク
当社グループはグローバルに事業展開を行っており、一部の原材料の調達及び製品の販売を外貨建取引で実施していることから、当該取引より発生する外貨建の債権債務について、為替リスクにさらされています。為替リスクは主に米ドルの為替変動により発生しています。当社グループは、将来発生が予定される取引や外貨建の債権債務について、それらから発生する為替リスクが将来的に相殺されることも考慮のうえ、先物為替予約等を付すことにより、当該為替リスクをヘッジしています。
当社グループは、為替予約の重要な契約条件をヘッジ対象の条件と整合させる方針を有しています。その結果、ヘッジ比率は1:1となっています。
当社グループは、ヘッジ手段とヘッジ対象の経済的関係性を、関連するキャッシュ・フローの通貨、金額及び発生時期に基づいて判断しています。当社グループは、それぞれのヘッジ関係において指定したデリバティブがヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動を有効に相殺し、今後も有効に相殺する見通しか否かを、定量的に評価しています。
これらのヘッジ関係におけるヘッジ非有効部分の主な発生原因は、以下のとおりです。
‒ ヘッジされた取引の発生のタイミングの変化
‒ 為替予約の直先差額の変動
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における主な為替リスクエクスポージャー(純額)は、以下のとおりです。(△:債務)
期末に保有している外貨建の金融商品に関して、為替が1%円高又は円安に変動した場合に連結損益計算書の税引前利益に与える影響は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ113百万円及び204百万円です。なお、本分析では、その他全ての変数は一定のものと仮定しています。
(イ) 金利リスク
当社グループは、事業活動を進めるうえで、運転資金及び設備投資等に必要となる資金を調達することに伴い発生する利息を支払っていますが、変動金利での借入を行っている場合には、利息の金額は市場金利の変動に影響を受けることから、利息の将来キャッシュ・フローが変動する金利リスクにさらされています。資金使途を設備投資等の目的としている長期借入金のうち、変動金利の借入については、金利の上昇による利息の支払額の増加を抑えるために、必要に応じて利息の受取額を変動金利、利息の支払額を固定金利としてその差額を授受する金利スワップ契約を金融機関と締結しています。その結果、長期の借入金の利率を実質的に固定化することによって、利息の将来キャッシュ・フローの安定化が図られ、金利リスクをヘッジすることが可能となっています。
(ウ) 商品価格変動リスク
当社グループは、金属製品等の販売及びそれらの原料となる銅鉱石等の鉱物の購入を行っていますが、これらの販売価格及び購入価格は商品市場価格の変動によって影響を受けることから、商品価格変動リスクにさらされています。売買数量の調節・売買時期のマッチングや商品先渡契約等のデリバティブ取引を行うことにより、商品価格リスクをヘッジしています。
商品先渡契約等のデリバティブ取引は、商品価格の変動によるリスクを有していますが、対象となる現物に係る商品価格の変動によるリスクと相殺されるため、前連結会計年度及び当連結会計年度において、連結損益計算書の税引前利益に与える影響は限定的です。
当社グループは、商品デリバティブの重要な契約条件をヘッジ対象の条件と整合させる方針を有しています。
これらのヘッジ関係におけるヘッジ非有効部分の主な発生原因は、以下のとおりです。
‒ ヘッジ手段が参照する商品価格と、ヘッジ対象となる商品の相違による価格差
‒ ヘッジされた取引の発生のタイミングの変化
‒ 現物価格と先物価格の差の変動リスク
(エ) 株価変動リスク
当社グループは、事業活動の円滑な推進を目的として業務上の関係を有する会社の株式を保有しているため、株価変動リスクにさらされていますが、定期的に公正価値や取引先企業の財務状況等を把握し、取引先企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しています。
なお、これらの株式は全てその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に指定しており、株価の変動が純損益へ与える影響はありません。
(3) 金融商品の分類
(注) 1.非支配株主に対して有する買建コール・オプションが、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ648百万円及び734百万円含まれています。
2.子会社であるTANIOBIS GmbHの非支配株主へ付与した売建プット・オプションが前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ12,044百万円及び13,427百万円含まれています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
当社グループは、投資先との取引関係の維持、強化による収益基盤の拡大を目的として保有している株式について、その保有目的に鑑み、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しています。
主な銘柄の公正価値は以下のとおりです。
また、当社以外の子会社において個別に保有する主な銘柄の公正価値は、以下のとおりです。
活発な市場における公表価格がないその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の前連結会計年度及び当連結会計年度における帳簿価額は、それぞれ1,844百万円及び8,812百万円です。
期中に処分したその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産は、以下のとおりです。
これらは主に、取引関係の見直しにより売却したものです。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、その他の資本の構成要素から利益剰余金へ振り替えた累積利得(税引後)は、それぞれ△574百万円、△58百万円です。
(4) 金融商品の公正価値
① 償却原価で測定する金融商品の帳簿価額及び公正価値
公正価値の算定方法は以下のとおりです。
現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務
これらは満期又は決済までの期間が短期であるため、帳簿価額と公正価値はほぼ同額です。
借入金
当社グループの借入金の公正価値は、類似した負債を当社グループが新たに借入れる場合に適用される利率を用いて、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことにより見積っています。当該見積りは観測可能なインプットの利用により、レベル2に分類しています。
非支配株主に付与した売建プット・オプション
売建プット・オプションは償還金額の現在価値で計上しています。償還金額は、引き換えに受領する株式の公正価値に基づき算定しており、帳簿価額とほぼ同額です。
② 公正価値で測定される金融商品
当社グループは、公正価値の測定に使用されるインプットの市場における観察可能性に応じて、公正価値のヒエラルキーを以下の3つのレベルに区分しています。
レベル1:活発な市場における同一資産又は同一負債の無調整の公表価格
レベル2:レベル1に属さない、直接的又は間接的に観察可能なインプット
レベル3:観察不能なインプット
経常的に公正価値で測定している資産及び負債は以下のとおりです。
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
当社グループは、振替の原因となった事象又は状況の変化が認められた時点で、公正価値ヒエラルキーのレベル間振替を行っています。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル1、2間の重要な振替はありません。
公正価値の算定方法は以下のとおりです。
営業債権及びその他の債権
組込デリバティブを一体として処理している営業債権及びその他の債権については、将来の一定期間のLME銅価格に基づき公正価値を算定しており、これらはレベル2に区分しています。
その他の金融資産(デリバティブ)、その他の金融負債(デリバティブ)
デリバティブのうち、為替予約については、期末日の先物為替相場に基づき公正価値を算定しています。金利スワップについては、将来キャッシュ・フローを満期日までの期間及び期末日の利率により割り引いた現在価値により算定しています。商品デリバティブは、一般に公表されている期末指標価格等に基づき公正価値を算定しています。これらのデリバティブは全てレベル2に区分しています。
非支配株主に対して有する買建コール・オプションの公正価値、持分法適用会社の支配株主に対して有する買建プット・オプションの公正価値と持分法適用会社の支配株主へ付与した売建コール・オプションの公正価値については、対象となる株式の公正価値や満期までの期間、ボラティリティ等のインプットを用いて、二項モデルに基づき算定しており、レベル3に区分しています。
その他の金融資産(株式)
上場株式は、期末日の市場の終値に基づく無調整の相場価格を用いて評価しており、レベル1に区分しています。非上場株式については、割引将来キャッシュ・フローに基づく評価技法等、適切な評価技法を用いて公正価値を算定しており、レベル3に区分しています。
③ レベル3に分類された金融商品
レベル3に分類されたその他の金融資産(デリバティブ)の増減は、以下のとおりです。
(注) 持分法適用会社であるMLCCの支配株主に対して有する買建プット・オプションです。前連結会計年度において、当該持分法適用会社の支配株主が売建コール・オプションを行使したことに伴い、買建プット・オプションの認識を中止しています。認識を中止した買建プット・オプションの金額は、同株主へ付与した売建コール・オプションから生じた純損益に含まれる利得及び損失との正味の金額で、連結損益計算書の「その他の収益」に含まれています。
レベル3に分類されたその他の金融資産(株式)の増減は、以下のとおりです。
その他の包括利益に含まれている利得及び損失は、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に含まれています。
レベル3に分類されたその他の金融負債(デリバティブ)の増減は、以下のとおりです。
(注) 持分法適用会社であるMLCCの支配株主に付与した売建コール・オプションです。前連結会計年度において、持分法適用会社の支配株主が売建コール・オプションを行使したことに伴い、売建コール・オプションの認識を中止しています。認識を中止した売建コール・オプションの金額は、同株主に対して有する買建プット・オプションから生じた純損益に含まれる利得及び損失との正味の金額で、連結損益計算書の「その他の収益」に含まれています。
当社の方針に基づき、レベル3に区分した非上場株式の公正価値は、当該株式を直接保有するグループ各社において測定しています。公正価値の算定に当たっては、当社が策定し更新した評価方針、評価モデルに基づき、個々の評価対象先の事業内容等を定期的にモニタリングすることにより、その妥当性を継続的に検証しています。
(5) デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは為替、金利及び商品価格の変動による将来キャッシュ・フローの変動リスクを回避するために、先物為替予約、金利スワップ、商品先渡取引等のデリバティブ金融商品を利用しています。
ヘッジ会計が適用されているデリバティブ金融商品による、その他の包括利益の増減は以下のとおりです。純損益へ振替えた金額は、連結損益計算書の「売上原価」、「その他の収益」、「その他の費用」、「金融費用」に含まれています。
上表の残高は、ヘッジ会計の適用が継続しているデリバティブ金融商品です。
通貨デリバティブは主に米ドルの為替変動リスクをヘッジするため、為替予約を行っています。
金利デリバティブは主に支払金利の変動リスクをヘッジし固定化するため、金利スワップ取引を行っています。
商品デリバティブは主に銅鉱石の価格リスクをヘッジするため、銅先物販売契約を行っています。
ヘッジ会計が適用されているデリバティブ及びヘッジ会計が適用されていないデリバティブの公正価値及び想定元本は、以下のとおりです。なお、連結財政状態計算書上、デリバティブ金融商品はその他の金融資産又はその他の金融負債に含めて表示しています。
ヘッジ会計が適用されているデリバティブ
商品デリバティブの想定元本は、契約上の数量と価格の積を示しています。
為替予約取引は主として1年以内の契約であり、前連結会計年度及び当連結会計年度における為替予約取引の平均レートは、それぞれ147.02円/米ドル、及び155.09円/米ドルです。
商品先渡取引は主として1年以内の契約であり、前連結会計年度及び当連結会計年度における商品先渡取引の平均価格は、金についてはそれぞれ、424千円/toz及び732千円/tozであり、銅についてはそれぞれ1,413千円/T及び1,987千円/Tです。
ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ
商品デリバティブの想定元本は、契約上の数量と価格の積を示しています。
21.資本及びその他の資本項目
(1) 資本金及び自己株式
授権株式数、発行済株式数及び自己株式数の増減は、以下のとおりです。
(注) 1.当社の発行する株式は、無額面普通株式です。
2.発行済株式は、全額払込済です。
3.発行済株式は、1株当たり1つの配当請求権及び1単元株式当たり1つの議決権を有しています。
4.自己株式には、管理職従業員向け株式給付信託(J-ESOP-RS)及び役員向け株式交付信託(RS信託)が保有する当社株式が含まれます。
(2) 資本剰余金及び利益剰余金
資本剰余金は、資本準備金及びその他資本剰余金から構成されています。また、利益剰余金は利益準備金及びその他利益剰余金から構成されています。会社法の規定上、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金と利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金又は利益準備金として積み立てることとされています。
(3) 非支配株主との資本取引等
前連結会計年度において、非支配株主との資本取引等によって生じた資本剰余金△1,560百万円のうち、主なものは、当社の連結子会社であるTANIOBIS GmbHへの増資により生じたものです。なお、非支配株主との資本取引等は連結範囲の変更を伴わない子会社に対する所有持分の変動が生じる資本取引であるため、当該取引に伴いその他の資本の構成要素を親会社の所有者に帰属する持分と非支配持分の間で、資本を通じて再配分した結果、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値変動が240百万円、キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値変動が261百万円、在外営業活動体の為替換算差額が62百万円増加しました。
当連結会計年度において、重要な取引はありません。
(4) 非支配株主へ付与した売建プット・オプション
当社グループでは非支配株主へ付与した売建プット・オプションの償還金額の現在価値を金融負債として認識するとともに、プット・オプションの対象である非支配持分の認識を中止し、それらの差額を資本剰余金に含めています。前連結会計年度及び当連結会計年度において資本剰余金に含めた金額は、それぞれ2,618百万円及び△1,981百万円です。
(5) その他の資本の構成要素
① その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の評価差額です。
② キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社グループは将来キャッシュ・フローの変動リスクを回避するためのヘッジを行っており、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたデリバティブ取引の公正価値の変動額のうち有効と認められる部分です。
③ 在外営業活動体の為替換算差額
外貨建で作成された在外営業活動体の財務諸表を連結する際に発生した換算差額です。
④ 確定給付制度の再測定
確定給付制度に関する、期首における数理計算上の仮定と実際の結果との差異による影響額及び数理計算上の仮定の変更による影響額です。
22.配当金
(1) 配当金の支払額
各年度における配当金支払額は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 配当金の総額には、管理職従業員向け株式給付信託(J-ESOP-RS)及び役員向け株式交付信託(RS信託)が保有する当社株式に対する配当金36百万円が含まれています。
(2) 配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌年度となるものは、以下のとおりです。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 配当金の総額には、管理職従業員向け株式給付信託(J-ESOP-RS)及び役員向け株式交付信託(RS信託)が保有する当社株式に対する配当金58百万円が含まれています。
23.売上収益
(1) 収益の分解
当社グループは売上高を顧客の所在地を基礎とした地域別に分解しています。分解した地域別の売上高と報告セグメントとの関係は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
① 半導体材料
半導体材料セグメントにおいては、半導体用スパッタリングターゲットや化合物半導体・結晶材料等の半導体材料の販売を行っています。これらの販売は、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち製品を顧客へ引き渡した時点で、製品の法的所有権、物的占有権、製品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が移転し、顧客から製品の対価を受け取る権利を得るために、その時点で収益を認識します。また収益は、顧客との契約による取引価格に基づき認識しており、取引の対価は製品の引き渡し後概ね3か月以内に受け取るため、重大な金融要素を含んでいません。
② 情報通信材料
情報通信材料セグメントにおいては、圧延銅箔、チタン銅、超微粉ニッケル、電磁波シールドフィルム、電線等の情報通信材料の販売を行っています。これらの販売は、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち製品を顧客へ引き渡した時点で、製品の法的所有権、物的占有権、製品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が移転し、顧客から製品の対価を受け取る権利を得るために、その時点で収益を認識します。また収益は、顧客との契約による取引価格に基づき認識しており、取引の対価は製品の引き渡し後概ね3か月以内に受け取るため、重大な金融要素を含んでいません。
③ 基礎材料
基礎材料セグメントにおいては、リサイクル原料、貴金属等の販売、電気銅、貴金属等の受託製錬を行っています。リサイクル原料、貴金属等の販売は、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち製品を顧客へ引き渡した時点で、製品の法的所有権、物的占有権、製品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が移転し、顧客から製品の対価を受け取る権利を得るため、履行義務が充足されると判断し、その時点で収益を認識します。また、電気銅、貴金属等の受託製錬は、当該受託業務が完了し顧客に受け入れられた時点で、顧客から対価を受け取る権利を得るため、履行義務が充足されると判断し、その時点で収益を認識します。これらの販売及び受託製錬における収益は、顧客との契約による取引価格に基づき認識しており、取引の対価は履行義務の充足後概ね3か月以内に受け取るため、重大な金融要素を含んでいません。
なお、リサイクル原料の販売契約の一部には出荷時の仮価格条項が含まれており、最終的な価格は将来の一定期間のロンドン金属取引所(LME)の銅価格の月平均市場価格に基づき決定されます。このような仮価格販売は、価格決定月を限月とした商品先渡の性質を有する販売契約と考えられ、主契約をリサイクル原料の販売とする組込デリバティブを含んでいます。出荷後の価格精算過程に関連した当該組込デリバティブは、主契約の対象が金融資産のため、IFRS第9号に従い、主契約から分離することなく、一体のものとして会計処理します。仮価格販売に係る収益は、受取対価の公正価値を出荷時の市場価格に基づき見積ったうえで認識し、報告期間の末日において再見積りを行います。出荷時点と報告期間の末日における公正価値の差額は収益の調整額として認識し、当該リサイクル原料の収益は、顧客により支払われる金属の市場価値から加工料を控除した金額で認識します。
(2) 顧客との契約から生じた債権及び契約負債
顧客との契約により生じた債権及び契約負債の内訳は以下のとおりです。
なお、連結財政状態計算書において、営業債権は営業債権及びその他の債権に、契約負債はその他の流動負債にそれぞれ含まれています。
契約負債は契約に基づく履行に先だち受領した対価であり、当社が契約に基づき履行するにつれて(若しくは履行した時点で)収益に振り替えられます。
前連結会計年度及び当連結会計年度の期首現在の契約負債残高は、概ね当該会計年度中の収益として認識しており、繰り越された金額に重要性はありません。また、前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益の額についても重要性はありません。
(3) 残存履行義務に配分した取引価格
残存履行義務に配分した取引価格及び収益の認識が見込まれる期間は、以下のとおりです。
(注) 1.スポンジチタンの長期販売契約によるものです。
2.当初の予想期間が1年以内の製品の売上収益に関する契約については開示を省略しています。
(4) 契約コスト
当連結会計年度において、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産の額に重要性はありません。また、実務上の便法を適用し、償却期間が1年以内である場合には、契約コストを発生時に費用として認識しています。
24.費用の性質別内訳
売上原価、販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりです。
25.金融収益及び金融費用
金融収益及び金融費用の内訳は以下のとおりです。
26.その他の収益及び費用
(1) その他の収益
その他の収益の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1.関係会社株式売却益の詳細は、注記.14「売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ」に記載しています。
2.負ののれん発生益の詳細は、注記.6「企業結合」に記載しています。
(2) その他の費用
その他の費用の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1.減損損失の詳細は、注記.13「非金融資産の減損」に記載しています。
2.環境対策費用の詳細は、注記.17「引当金」に記載しています。
3. 株式譲渡補償引当金の詳細は、注記.17「引当金」に記載しています。
27.その他の包括利益
その他の包括利益に係る組替調整額及び税効果額は、以下のとおりです。
28.1株当たり当期利益
親会社の所有者に帰属する1株当たり当期利益は次の情報に基づき計算しています。
(注) 管理職従業員を対象とした株式給付信託(J-ESOP-RS)が保有する当社株式及び役員向け株式交付信託(RS信託)が保有する当社株式を自己株式として処理していることから、1株当たり当期利益の算定において、期中平均普通株式数から当該株式数を控除しています。
29.キャッシュ・フロー情報
(1) 財務活動に係る負債の変動
財務活動に係る負債の変動は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 長期借入金には1年以内返済予定の長期借入金を含んでいます。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 長期借入金には1年以内返済予定の長期借入金を含んでいます。
(2) 支配の喪失
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
(3) キャッシュプーリング
資金効率を高めるため、海外子会社を含めたグループ間のノーショナルプーリングシステムを特定の金融機関と構築しており、特定の金融機関に対する預け入れ総額を上限に参加会社は借入を行っています。前連結会計年度及び当連結会計年度における参加会社の借入額はそれぞれ10,713百万円、8,672百万円になります。
30.株式に基づく報酬
(1) 株式に基づく報酬制度の内容
当社は、当社の監査等委員でない取締役(社外取締役を除きます。以下も同様です。)及び執行役員を対象に、長期業績連動報酬としての株式報酬制度を導入しています。この株式報酬制度は、監査等委員でない取締役及び執行役員の報酬と当社の業績及び株式価値との連動性をより明確にし、監査等委員でない取締役及び執行役員が株価の変動による利益・リスクを株主の皆様と共有することにより中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めること、及び、監査等委員でない取締役及び執行役員に交付する株式に退任までの間の譲渡制限を付することにより株式交付後においても企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えることを目的としています。
株式報酬の算定式は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等 ①役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の内容及び決定方法」に記載しています。
本制度は、持分決済型の株式に基づく報酬取引として会計処理しています。
(2) 期中に付与された株式数及び株式の加重平均公正価値
ポイントの付与日における当社株式の公正価値は、以下のとおりです。なお、予想配当を考慮に入れた修正、及びその他の修正は行っておりません。
(3) 株式に基づく報酬費用
株式報酬取引に係る当連結会計年度の費用は、272百万円です。当該費用は、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上しています。
31.偶発負債
保証債務
子会社以外の会社の金融機関からの借入等に対し、債務保証を行っています。前連結会計年度末及び当連結会計年度末の保証債務等の残高はそれぞれ52,475百万円、50,072百万円になります。
32.コミットメント
期末日時点において契約済みで、連結財政状態計算書上に認識していない、有形固定資産の購入に係る契約債務額は以下のとおりです。なお購入には、使用権資産の新規取得に係る契約も含みます。
33.関連当事者との取引
(1) 関連当事者との取引
当社グループと関連当事者との間で行われた重要な取引の内容は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1.2025年3月19日付の当社株式の東京証券取引所プライム市場への上場に伴い、ENEOSホールディングス株式会社が100%保有していた当社発行済株式の一部売出しが行われたことにより、同社は当社の親会社から重要な影響力を有する企業に変更となりました。これにより、ENEOSファイナンス株式会社及びJX Nippon Finance Netherlands B.V.は、当社の同一の親会社を持つ会社から重要な影響力を有する企業の子会社に変更となりました。なお、ENEOSホールディングス株式会社が親会社であった期間の取引金額を記載しています。
2.ENEOSファイナンス株式会社及びJX Nippon Finance Netherlands B.V.との資金の借入及び貸付の取引金額については、短期借入金及び短期貸付金の平均残高を記載しています。なお、当社はENEOSグループ金融制度に基づいてENEOSファイナンス株式会社等からの借入れを行っていましたが、2024年9月までに外部金融機関への借換えを完了することによってこれを離脱しており、期末残高はありません。利率については、市場金利を勘案して合理的に決定しています。担保・保証取引はなく、また、債権には損失評価引当金は設定していません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
当社の経営幹部に対する報酬は、以下のとおりです。
34.主要な子会社
当連結会計年度末における主要な子会社の状況は、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりです。
35.持分法で会計処理する投資
(1) 当連結会計年度末における主要な持分法適用会社の状況は、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりです。
(2) 持分法適用会社に対する投資、持分法による投資損益及び持分法によるその他の包括利益
持分法で会計処理する投資の帳簿価額の内訳は、以下のとおりです。
持分法による投資損益の内訳は、以下のとおりです。
持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分相当額の内訳は、以下のとおりです。
持分法で会計処理する投資の包括利益に対する持分相当額の内訳は、以下のとおりです。
(3) 重要な関連会社
当社グループにとって重要性のある関連会社は、以下のとおりです。
当該関連会社の要約財務諸表と、当該関連会社に対する当社グループの関与の帳簿価額との調整表は以下のとおりです。なお、当該要約財務諸表は、当社グループの会計方針に基づき、当該関連会社の財務諸表にIFRSで要求される調整を加え、作成しています。
(Minera Los Pelambres)
(SCM Minera Lumina Copper Chile)
(パンパシフィック・カッパー株式会社)
(4) 重要な共同支配企業
当社グループにとって重要性のある共同支配企業はございません。
36.後発事象
(売却目的で保有する資産の売却)
当連結会計年度末において、連結財政状態計算書の「売却目的で保有する資産」に計上している当社が保有しているMLCC株式の5%および当社グループが保有するフロンテラプロジェクトの権益を総額34,109百万円の対価により2026年4月7日付で譲渡を完了しています。詳細は、注記.14「売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ」に記載しています。
(株式交換契約の締結)
当社は、2026年2月25日開催の取締役会において、当社を株式交換完全親会社とし、当社の連結子会社である東邦チタニウム株式会社(以下、「東邦チタニウム」という。)を株式交換完全子会社とする株式交換(以下、「本株式交換」という。)を行うことを決議し、同日、当社と東邦チタニウムの間で株式交換契約(以下、「本株式交換契約」という。)を締結いたしました。その後、2026年6月1日を効力発生日として本株式交換を実施いたしました。
(1)本株式交換の概要
①株式交換完全子会社の名称および事業の内容
②本株式交換の目的
当社は、1953年に東邦チタニウムを共同で設立して以来、当事業年度末において同社の株式を50.37%保有し、当社の上場子会社として資本・事業の両面で連携していました。近年、上場企業のガバナンスに関しては、構造上の利益相反リスクの対応策強化を求める動きが高まっており、また、足元では、AI技術の飛躍的な発展、地政学的関係性の変化、中国競合の実力の伸長、日本の労働人口の減少等、変化が加速し不確実性が高まっています。このような環境のもとで、東邦チタニウムが当社の完全子会社となることによって、これまで以上に両社間で情報、人的資源の共有を図り、経営資源を相互に結集させ、柔軟で迅速かつ長期的な視座に立った意思決定体制のもとで推進できる環境を構築し、グループ全体の企業価値を最大化することが目的となります。
③本株式交換の効力発生日
本株式交換の実施日(効力発生日) 2026年6月1日
④本株式交換の法的形式
本株式交換は、当社を株式交換完全親会社、東邦チタニウムを株式交換完全子会社とする株式交換です。なお、当社については、会社法第796条第2項本文の規定に基づく簡易株式交換の手続により、株主総会の決議による承認を受けずに、東邦チタニウムについては、2026年4月24日開催の臨時株主総会において本株式交換契約の承認を得て、2026年6月1日を効力発生日として本株式交換を実施いたしました。
⑤結合後企業の名称
変更ありません。
⑥持分比率
(2)本株式交換に係る割当ての内容
(注) 1.当社及び東邦チタニウムは、本株式交換比率の算定にあたって公正性・妥当性を確保するため、それぞれ個別に、両社から独立した第三者算定機関に株式交換比率の算定を依頼しています。
2.当社の交付する株式は、当社が新たに発行する株式を充当いたしました。
(3)会計処理の概要
本株式交換による完全子会社化は子会社株式の追加取得に該当するため、当社グループの連結財務諸表上、資本取引として処理されます。
(自己株式の取得及び自己株式の公開買付け)
当社は、2026年5月11日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される会社法第156条第1項及び当社定款の定めに基づき、自己株式の取得及びその具体的な取得方法として自己株式の公開買付け(以下、「本公開買付け」という。)を行うことを決議しました。
当社は、主要株主による当社普通株式の一部売却の意向を踏まえ、最適な株主構成の構築を図るとともに、資本効率の向上を通じた株主還元の充実を目的として、自己株式の取得及び自己株式の公開買付けを実施することとしました。
なお、この決議に基づき2026年7月9日に当社普通株式57,300,112株を総額194,877百万円で取得予定です。
(1)自己株式の取得に関する取締役会決議内容
① 取得する株式の種類:当社普通株式
② 取得する株式の総数:57,300,122株(上限)※
③ 取得価額の総額:250,000,432,286円(上限)
④ 取得する期間:2026年5月21日から2026年7月31日
※ 買付予定数を超えた応募があり、あん分比例により単元調整した結果、買付予定数を上回る可能性があるため、取締役会決議における総数は買付予定数に1単元(100株)を加算しております。
(2)自己株式の公開買付けの概要
① 買付け予定の株式の種類:当社普通株式
② 買付け予定数:57,300,022株
③ 買付け等の価格:3,401円
④ 公開買付け期間:2026年5月21日から2026年6月17日(20営業日)
⑤ 公開買付け開始公告日:2026年5月21日
⑥ 決済の開始日:2026年7月9日
(ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の発行)
当社は、2026年5月11日開催の取締役会において、2029年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債(以下、「2029年満期本新株予約権付社債」という。)及び2031年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債(以下、「2031年満期本新株予約権付社債」といい、2029年満期本新株予約権付社債と併せて「本新株予約権付社債」といい、そのうち社債のみを「本社債」、新株予約権のみを「本新株予約権」という。)の発行を決議しました。なお、2026年6月3日に2029年満期本新株予約権付社債及び2031年満期本新株予約権付社債を発行しております。
1.社債の名称
JX金属株式会社2029年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債及び2031年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債
2.社債の払込金額
2029年満期本新株予約権付社債:本社債の額面金額の110.75%(各本社債の額面金額 1,000万円)
2031年満期本新株予約権付社債:本社債の額面金額の111.50%(各本社債の額面金額 1,000万円)
3.新株予約権と引換えに払い込む金銭
本新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととする。
4.社債の払込期日及び発行日
2026年6月3日(ロンドン時間、以下別段の表示のない限り同じ。)
5.本新株予約権付社債の募集価格(発行価格)
2029年満期本新株予約権付社債:本社債の額面金額の113.25%
2031年満期本新株予約権付社債:本社債の額面金額の114.00%
6.新株予約権に関する事項
(1)新株予約権の目的である株式の種類、内容及び数
本新株予約権の目的である株式の種類及び内容は当社普通株式(単元株式数100株)とし、その行使により当社が当社普通株式を交付する数は、行使請求に係る本社債の額面金額の総額を下記(4)記載の転換価額で除した数とする。ただし、行使により生じる1株未満の端数は切り捨て、現金による調整は行わない。また、本新株予約権の行使により単元未満株式が発生する場合は、当該単元未満株式は単元株式を構成する株式と同様の方法で本新株予約権付社債の保有者(以下、「本新株予約権付社債権者」という。)に交付され、当社は当該単元未満株式に関して現金による精算を行わない。
(2)発行する新株予約権の総数
2029年満期本新株予約権付社債:
12,500個及び代替新株予約権付社債券に係る本社債の額面金額合計額を1,000万円で除した個数の合計数
2031年満期本新株予約権付社債:
12,500個及び代替新株予約権付社債券に係る本社債の額面金額合計額を1,000万円で除した個数の合計数
(3)新株予約権の割当日
2026年6月3日
(4)新株予約権の行使に際して出資される財産の内容及びその価額
(イ)各本新株予約権の行使に際しては、当該本新株予約権に係る本社債を出資するものとし、当該本社債の価額は、その額面金額と同額とする。
(ロ)転換価額は、当初、4,860円とする。
(ハ)転換価額は、本新株予約権付社債の発行後、当社が当社普通株式の時価を下回る払込金額で当社普通株式を発行し又は当社の保有する当社普通株式を処分する場合、下記の算式により調整される。なお、下記の算式において、「既発行株式数」は当社の発行済普通株式(当社が保有するものを除く。)の総数をいう。
また、転換価額は、当社普通株式の分割又は併合、一定の剰余金の配当、当社普通株式の時価を下回る価額をもって当社普通株式の交付を請求できる新株予約権(新株予約権付社債に付されるものを含む。)の発行が行われる場合その他一定の事由が生じた場合にも適宜調整される。
(5)新株予約権を行使することができる期間
2029年満期本新株予約権付社債:2026年6月17日から2029年5月21日まで
2031年満期本新株予約権付社債:2026年6月17日から2031年5月20日まで
(新株予約権の行使のために本社債が預託された場所における現地時間)とする。
ただし、上記の記載以外に一定の定めがある。
7.社債に関する事項
(1)社債の総額
2029年満期本新株予約権付社債:
1,250億円及び代替新株予約権付社債券に係る本社債の額面金額合計額を合計した額
2031年満期本新株予約権付社債:
1,250億円及び代替新株予約権付社債券に係る本社債の額面金額合計額を合計した額
(2)社債の利率
本社債には利息は付さない。
(3)満期償還
2029年満期本新株予約権付社債:
2029年6月4日(償還期限)に本社債の額面金額の100%で償還する。
2031年満期本新株予約権付社債:
2031年6月3日(償還期限)に本社債の額面金額の100%で償還する。
(4)社債の担保又は保証
本社債は、担保又は保証を付さないで発行される。
8. 資金の使途
本新株予約権付社債の発行による手取金(以下、「本調達資金」という。)については、2026年7月末までに、自己株式の公開買付けに係る資金(以下、「本公開買付け」という。詳細は重要な後発事象注記「自己株式の取得及び自己株式の公開買付け」をご参照ください。)に充当する予定です。本調達資金から本公開買付け資金に充当される金額を差し引いた残額については、2028年3月までに、主に当社の成長戦略のコアであるフォーカス事業の主力製品である半導体用スパッタリングターゲットの主要製造設備の増設や結晶材料の増産に向けた設備増強、フォーカス事業向けレアメタル資源の獲得等に充当する予定です。
(自己株式の消却)
当社は、2026年6月10日開催の取締役会において、会社法第178条の規定に基づき、自己株式を消却することを決議しました。なお、重要な後発事象注記「自己株式の取得及び自己株式の公開買付け」に記載の公開買付けが成立することを条件としております。
① 消却する株式の種類:当社普通株式
② 消却する株式の総数:400万株(公開買付けにより取得される自己株式の一部)
③ 消却予定日:2026年7月31日
(2) 【その他】
当連結会計年度における半期情報等
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券の評価基準及び評価方法
① 子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
② その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
(2) デリバティブの評価基準及び評価方法
デリバティブ
時価法
(3) 棚卸資産の評価基準及び評価方法
評価基準は収益性の低下による簿価切下げの方法、評価方法は以下の方法によっています。
① 商品及び製品・原材料・仕掛品
先入先出法
② 貯蔵品
重要資材
移動平均法
重要資材を除く一般資材
最終仕入原価法
2 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しています。
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しています。
なお、ソフトウエアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づいています。
(3) リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しています。
3 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しています。
(2) 賞与引当金
従業員に対して支給する賞与の支出に充てるため、支給見込額に基づき計上しています。
(3) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しています。
① 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定に当たり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっています。
② 数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
数理計算上の差異及び過去勤務費用は、発生年度に全額を費用処理しています。
(4) 環境対策引当金
過去の操業に起因する環境対策工事の支出に充てるため、今後発生すると見込まれる損失について合理的に見積もられる金額を計上しています。
(5) 事業撤退損失引当金
事業撤退による損失に備えるため、損失見込相当額を計上しています。
(6) 関係会社事業損失引当金
関係会社の事業に基づく損失に備えるため、関係会社の財政状態等を勘案し、当事業年度末における損失負担見込額を計上しています。
(7) 株式譲渡補償引当金
SCM Minera Lumina Copper Chile 株式の持分譲渡契約に基づき、チリ共和国における新鉱業ロイヤルティの導入、及び税制改正等による損失について、一定の範囲で持分の譲渡先への補償に充てるため、今後発生すると見込まれる同社損失に対応する支出について合理的に見積られる金額を割引計上しています。
(8) 株式報酬引当金
株式給付規程等に基づく従業員への当社株式の交付に備えるため、当事業年度末における株式交付債務の見込み額に基づき計上しています。
4 収益及び費用の計上基準
当社では、半導体用スパッタリングターゲット、圧延銅箔、貴金属、リサイクル原料等の製造、販売を行っています。製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち製品を顧客へ引き渡した時点で、製品の法的所有権、物的占有権、製品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が移転し、顧客から製品の対価を受け取る権利を得るため、履行義務が充足されると判断し、その時点で収益を認識します。また収益は、顧客との契約による取引価格に基づき認識しており、取引の対価は製品の引き渡し後、概ね3か月以内に受け取るため、重大な金融要素を含んでいません。
また、リサイクル原料の販売契約の一部には出荷時の仮価格条項が含まれており、最終的な価格は将来の一定期間のロンドン金属取引所(LME)の銅価格の月平均市場価格に基づき決定されます。
このような仮価格販売は変動対価と考えられるため、収益は受取対価の公正価値を出荷時の市場価格に基づき見積ったうえで認識し、事業年度の末日において再見積りを行います。出荷時点と事業年度の末日における公正価値の差額は収益の調整額として認識し、当該リサイクル原料の収益は、顧客により支払われる金属の市場価値から加工料を控除した金額で認識します。
なお、顧客への財又はサービスの提供における当社の役割が代理人に該当する取引については、顧客から受け取る額から仕入先に支払う額を控除した純額で収益を認識しています。
5 その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1) ヘッジ会計の方法
原則として繰延ヘッジ処理によっています。ただし、振当処理の要件を満たす為替予約取引については、振当処理によっています。
(重要な会計上の見積り)
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当社の財務諸表には、経営者の見積りを含みます。資産・負債及び損益に影響を与える見積りは、過去の実績やその他の様々な要因を勘案し経営者が合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際に生じる結果とは異なる可能性があります。
当社の財務諸表に重要な影響を与える可能性のある、主な見積りは以下のとおりです。
(繰延税金資産)
貸借対照表において繰延税金資産として24,910百万円を計上しています。
会計上の見積りの内容については、「連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断 (2) 繰延税金資産の回収可能性」をご参照ください。
(株式譲渡補償引当金)
貸借対照表において株式譲渡補償引当金として14,672百万円計上しています。
会計上の見積りの内容については、「連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断 (5) 引当金及び偶発負債」をご参照ください。
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
当社の財務諸表には、経営者の見積りを含みます。資産・負債及び損益に影響を与える見積りは、過去の実績やその他の様々な要因を勘案し経営者が合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際に生じる結果とは異なる可能性があります。
当社の財務諸表に重要な影響を与える可能性のある、主な見積りは以下のとおりです。
(繰延税金資産)
貸借対照表において繰延税金資産として23,731百万円を計上しています。
会計上の見積りの内容については、「連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断 (2) 繰延税金資産の回収可能性」をご参照ください。
(環境対策引当金)
貸借対照表において環境対策引当金として22,726百万円計上しています。
会計上の見積りの内容については、「連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断 (5) 引当金及び偶発負債」をご参照ください。
(株式譲渡補償引当金)
貸借対照表において株式譲渡補償引当金として20,062百万円計上しています。
会計上の見積りの内容については、「連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断 (5) 引当金及び偶発負債」をご参照ください。
(会計方針の変更)
該当事項はありません。
(未適用の会計基準等)
(リースに関する会計基準等)
・「リースに関する会計基準」(企業会計基準第34号 2024年9月13日)
・「リースに関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第33号 2024年9月13日)等
(1) 概要
企業会計基準委員会において、日本基準を国際的に整合性のあるものとする取組みの一環として、借手の全てのリースについて資産及び負債を認識するリースに関する会計基準の開発に向けて、国際的な会計基準を踏まえた検討が行われ、基本的な方針として、IFRS第16号の単一の会計処理モデルを基礎とするものの、IFRS第16号の全ての定めを採り入れるのではなく、主要な定めのみを採り入れることにより、簡素で利便性が高く、かつ、IFRS第16号の定めを個別財務諸表に用いても、基本的に修正が不要となることを目指したリース会計基準等が公表されました。
借手の会計処理として、借手のリースの費用配分の方法については、IFRS第16号と同様に、リースがファイナンス・リースであるかオペレーティング・リースであるかにかかわらず、全てのリースについて使用権資産に係る減価償却費及びリース負債に係る利息相当額を計上する単一の会計処理モデルが適用されます。
(2) 適用予定日
2028年3月期の期首より適用予定です。
(3) 当該会計基準等の適用による影響
「リースに関する会計基準」等の適用による財務諸表に与える影響額については、現時点で評価中です。
(表示方法の変更)
該当事項はありません。
(会計上の見積りの変更)
該当事項はありません。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務(区分表示されたものを除く)
※2 担保に供している資産及び担保に係る債務
担保に供している資産は以下のとおりです。
関税法・消費税法に基づき、輸入取引に係る関税・消費税の納期限延長制度を利用する際の担保等になります。
上記資産には、根抵当権(極度額)を以下のとおり設定していますが、対応する債務はありません。
※3 圧縮記帳
国庫補助金等の受入に伴い、有形固定資産の取得価額から控除している圧縮記帳累計額は次のとおりです。
※4 保証債務
以下の会社等の銀行借入債務、取引債務に対し債務保証、保証予約及び再保証を行っています。
(損益計算書関係)
※1 関係会社との取引高
※2 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額並びにおおよその割合
※3 固定資産売却益の内容
※4 環境対策引当金繰入額の内容
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
主として、休廃止鉱山水処理設備の増強工事によるものです。
※5 関係会社株式売却益の内容
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
主として、関連会社であるSCM Minera Lumina Copper Chileの株式を売却したことによるものです。
※6 関係会社株式評価損の内容
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
主として、子会社であるTANIOBIS GmbHの株式に係る評価損です。
※7 関係会社出資金評価損の内容
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
主として、子会社であるニッポン・カセロネス・リソーシズ合同会社の出資金に係る評価損です。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2025年3月31日)
(注) 上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
当事業年度(2026年3月31日)
(注) 上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(表示方法の変更)
前事業年度において、独立掲記していました「繰延税金資産」の「事業撤退損失引当金」は、金額的重要性が乏しくなったため、当事業年度より「その他」に含めて表示しています。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の注記の組替えを行っています。
前事業年度において、「繰延税金負債」の「その他」に含めていた「その他有価証券評価差額金」は、金額的重要性が増したため、当事業年度より独立掲記することとしました。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の注記の組替えを行っています。
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
(表示方法の変更)
前事業年度において、「その他」に含めていた「試験研究費等の特別控除」は、重要性が増したため、当事業年度より独立掲記することとしました。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の注記の組替えを行っています。
(企業結合等関係)
該当事項はありません。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、「(重要な会計方針)4 収益及び費用の計上基準」に記載のとおりです。
(重要な後発事象)
(関連会社株式の売却)
当社は、「JX金属グループ2040年長期ビジョン」の達成に向け、当社が30%保有していたSCM Minera Lumina Copper Chile株式の5%について、Lundin Mining Corporationの完全子会社であるLMC Caserones SpAへと売却することを2026年3月10日の当社取締役会において決定しました。詳細は、「連結財務諸表注記 14.売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ」および「連結財務諸表注記 36.後発事象」をご参照ください。
(株式交換による完全子会社化)
当社は、当社の連結子会社である東邦チタニウム株式会社(以下、「東邦チタニウム」という。)との間で、2026年2月25日開催の両社の取締役会において、当社を株式交換完全親会社とし、東邦チタニウムを株式交換完全子会社とする株式交換による経営統合を行うことを決議し、両社間で株式交換契約及び経営統合契約を締結しました。詳細は、「連結財務諸表注記 36.後発事象」をご参照ください。
(自己株式の取得及び自己株式の公開買付け)
当社は、2026年5月11日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される会社法第156条第1項及び当社定款の定めに基づき、自己株式の取得及びその具体的な取得方法として自己株式の公開買付けを行うことを決議しました。詳細は、「連結財務諸表注記 36.後発事象」をご参照ください。
(ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の発行)
当社は、2026年5月11日開催の取締役会において、2029年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債及び2031年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の発行を決議しました。詳細は、「連結財務諸表注記 36.後発事象」をご参照ください。
(自己株式の消却)
当社は、2026年6月10日開催の取締役会において、会社法第178条の規定に基づき、自己株式を消却することを決議しました。詳細は、「連結財務諸表注記 36.後発事象」をご参照ください。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(注) 1.「当期増加額」欄の主な内訳
2.「当期減少額」欄の主な内訳
( )内は内数で、当期の減損損失計上額です。
3.「当期減少額」欄の( )内は内書きで、減損損失計上額です。
4.「当期首残高」、「当期末残高」欄の[ ]内は内書きで、土地の再評価に関する法律(平成10年法律第34号)により行った土地の再評価実施前の帳簿価額との差額です。
【引当金明細表】
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができない旨、定款に定めています。
① 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
② 会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
③ 株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
④ その有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式の売渡しを請求する権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
事業年度 第23期(自2024年4月1日 至2025年3月31日)2025年6月25日 関東財務局長に提出。
(2) 内部統制報告書及びその添付書類
2025年6月25日 関東財務局長に提出。
(3)有価証券報告書の訂正報告書及び確認書
2025年6月30日 関東財務局長に提出。
事業年度 第23期(自2024年4月1日 至2025年3月31日)の有価証券報告書に係る訂正報告書です。
(4) 半期報告書及び確認書
事業年度 第24期中(自2025年4月1日 至2025年9月30日)2025年11月11日 関東財務局長に提出。
(5) 臨時報告書
2025年6月30日 関東財務局長に提出。
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会における議決権行使の結果)に基づく臨時報告書です。
2026年2月25日 関東財務局長に提出。
金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第6号の2の規定に基づく臨時報告書です。
2026年5月11日 関東財務局長に提出。
金融商品取引法第24条の5第4項並びに企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第1項及び同条第2項第1号の規定に基づく臨時報告書です。
2026年5月12日 関東財務局長に提出。
金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の規定に基づく臨時報告書です。
(6) 臨時報告書の訂正報告書
2026年5月19日 関東財務局長に提出。
2026年5月11日に提出した臨時報告書に係る訂正報告書です。
(7) 発行登録書(普通社債)及びその添付書類
2026年4月10日 関東財務局長に提出。
(8) 訂正発行登録書(普通社債)
2026年5月11日 関東財務局長に提出。
2026年5月13日 関東財務局長に提出。
2026年5月19日 関東財務局長に提出。
(9) 自己株券買付状況報告書
2026年6月12日 関東財務局長に提出。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。