第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
2 特別修繕引当金の計上基準については、従来、定期検査費用のみを対象とする方法によっておりましたが、第133期より原則として中間検査費用も対象とする方針に変更したため、第132期については、当該会計方針の変更を反映した遡及修正後の数値を記載しております。
なお、第131期に係る累積的影響額については、第132期の期首の純資産額に反映させております。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
2 最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所プライム市場におけるものであり、それ以前については東京証券取引所市場第一部におけるものであります。
3 第134期の1株当たり配当額のうち、期末配当33円については特別配当5円が含まれております。
4 第135期の1株当たり配当額のうち、期末配当35円については、2026年6月25日開催予定の定時株主総会の決議事項になっております。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社グループは、提出会社(飯野海運株式会社、以下当社という。)のほか連結対象子会社66社、持分法適用会社8社及び連結対象外の関係会社9社(2026年3月31日現在)で構成され、外航海運業、内航・近海海運業及び不動産業の3事業を行っております。各事業における当社及び関係会社の位置付けなどは次のとおりであります。
(外航海運業)
船舶の運航、貸渡、用船、管理、海運仲立業及び代理店業を行っております。
主な関係会社
(船舶の貸渡) AZALEA TRANSPORT S.A.
(船舶の管理) イイノマリンサービス㈱
(海運仲立業) イイノエンタープライズ㈱
(内航・近海海運業)
船舶の運航、貸渡及び管理を行っております。
主な関係会社
(船舶の運航、貸渡及び管理) イイノガストランスポート㈱
(不動産業)
ビルの賃貸、管理及び不動産関連事業を行っております。
主な関係会社
(ビルの管理) イイノ・ビルテック㈱
(不動産関連事業) ㈱イイノ・メディアプロ
(海外不動産業) IKK HOLDING LTD
事業の系統図は、次のとおりです。

4 【関係会社の状況】
(注) 1 主要な事業の内容欄には、報告セグメントの名称を記載しております。
2 議決権の所有割合欄の[内書]は、間接所有割合であります。
3 連結子会社IKK HOLDING LTD、IKK UK 2 LTD、Strand 111 S.à r.l.は、特定子会社に該当します。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「安全の確保を最優先に、人々の想いを繋ぎ、より豊かな未来を築きます」という企業理念のもと、社業の基盤である安全の確保を最優先に、当社グループが持続的に成長するため、ステークホルダー・社会との対話を通じて、安全に加えて様々な価値を提供することを経営方針としております。
なお、その実行にあたっては社会的要請へ適応し、環境に配慮した行動をとることとしております。

(核となる事業)
企業集団の人的・物的資源を生かしながら、当社グループは引き続き次の3つの事業を核として推進します。
・全世界にわたる水域で原油、石油化学製品、液化エタンガス(LEG)、液化石油ガス(LPG)、発電用石炭、肥料、木材チップなどの基礎原料の輸送を行う外航海運業
・国内、近海を中心とした水域で液化天然ガス(LNG)、液化石油ガス(LPG)、石油化学ガスなどの基礎原料の輸送を行う内航・近海海運業
・東京都心とロンドン中心部における賃貸オフィスビルの所有、運営、管理及びメンテナンス並びにフォトスタジオの運営を行う不動産業
(2) 中長期的な会社の経営戦略と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、2026年4月から開始する5年間のグループ中期経営計画 「Transformation for a Sustainable Future」 (計画期間:2026年4月~2031年3月、以下「本計画」という)を策定しました。
<前中期経営計画「The Adventure to Our Sustainable Future」の振り返り>
2023年5月に発表した前中期経営計画「The Adventure to Our Sustainable Future」 (計画期間:2023年4月~2026年3月、以下「前計画」という) では、ポートフォリオ経営とカーボンニュートラルへの挑戦をテーマに、従来の海運業と不動産業を軸とするIINO MODELを出発点としつつ、持続的な成長に向けた事業ポートフォリオ経営への挑戦に踏み出しました。その結果、前計画の数値目標を3年連続で達成するとともに、計画していた成長投資についても概ね予定どおり実行しました。これらの取組みを通じて、事業ポートフォリオの安定性が向上し、当社グループの財務基盤は一段と強固なものとなりました。一方で、当社グループを取り巻く事業環境は、中東地域を中心とした地政学的な緊張により、エネルギー供給や物流への影響が顕在化する等不確実性が高まっています。また、資本市場からは、収益の安定性と資本効率の更なる向上を両立する経営への期待が、これまで以上に高まっています。こうした状況を踏まえ、短期的な課題対応に加え、構造変化や将来環境を長期的な視点で捉えた成長戦略の重要性が一層増大しています。
<新中期経営計画「Transformation for a Sustainable Future」について>
本計画は、こうした環境認識の下、2050年長期ビジョン及び2035年中期ビジョンからバックキャストし、その実現に向けた最初の5年間の計画として策定しました。前計画がSustainable Futureに向けた「挑戦・冒険」であったのに対し、本計画では、Sustainable Futureを実現するために、資本効率と成長投資を両立する「変革」をテーマに掲げ、更に進化していくという意志を、「Transformation」という計画名に込めています。

<重点戦略の概要:「変革」を促す3つの戦略>
本計画の重点戦略として、事業戦略、財務資本戦略及び脱炭素化戦略の3つの戦略を軸に、諸施策を実行していきます。具体的には、前計画で強化された財務基盤のもと、5年間で約2,000億円の投資を、主に成長・新規事業及び主力事業へ配分し、事業ポートフォリオのリバランスを進めます。成長投資の実行に当たっては、財務規律を守りつつ、保有不動産の価値も考慮した財務レバレッジの活用により、資本コストを上回る成長投資と資本効率の両立を目指します。加えて、この成長投資から創出される利益を原資に、配当性向40%を基準とした配当の継続を基本としつつ、新たに下限配当の導入や、機動的な自己株式の取得を実施し、株主還元をより一層充実させていきます。

<主な数値目標>
本計画の財務及び非財務の数値目標は以下のとおりです。2030年度の財務数値目標として、利払前税引後利益である事業コア利益225億円、ROIC5%、ROE10%、DEレシオ1.3~1.8倍と設定しています。
非財務数値目標においては、重大事故発生件数、海運業のGHG削減率に加え、稼ぐ力の底上げに関連する人的資本経営の推進目標として、業務効率化の実現及び従業員エンゲージメントの向上についても数値目標を新たに設定しています。

<企業価値向上に向けた価値創造ドライバー>
本計画の推進により、持続的な事業コア利益の成長と資本効率の向上を通じて企業価値を高め、PBRの向上を図ってまいります。

本計画の詳細につきましては、当社ホームページをご参照ください。
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS00371/5f112f1f/bad6/4d3a/8a65/71fffc7cace7/20260430154936543s.pdf
<マテリアリティへの取り組み>
当社のマテリアリティは、ステークホルダーの意見を基に、事業への影響と社会への影響を考慮し、取締役会で議論を行い特定しています。経営戦略に紐づくマテリアリティを克服していくことで社会的価値の創造を目指します。
なお、当社のマテリアリティに関する取組みの詳細につきましては、当社ホームページをご参照ください。https://www.iino.co.jp/kaiun/csr/management/materiality.html
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 基本的な考え方
企業によるサステナビリティ(持続可能性)への取組みが従来にも増して求められている中、飯野海運グループはサステナビリティに重点を置いた経営をより一層強化していますが、環境・社会問題の解決に向けたサステナブルな社会の実現に貢献していく当社グループの姿勢を改めて明確にするため、「安全の重視」「人権の尊重」「環境の保護」「社会への貢献」「コンプライアンスの徹底」「取引先の尊重」「ダイバーシティの推進」「情報開示とコミュニケーション」「教育・訓練」の9項目で構成されたサステナビリティ基本方針を2024年3月28日に策定しました。ステークホルダーの皆様の期待に応え続ける企業であるために、本方針に基づき、サステナビリティに関する取組みを推進してまいります。
(2) ガバナンス
気候変動に対する取組みの推進体制
当社グループでは、環境問題への取組みを経営上の重要課題と位置づけ、グループ全体で取組みの検討及び進捗の管理を行っています。環境問題を議論する組織として、代表取締役社長を委員長とし、全ての業務執行取締役及び執行役員並びに主要なグループ会社社長を含むメンバーを委員とする安全環境委員会を設置しています。安全環境委員会は全社的なリスク管理活動を統括するリスク管理委員会の下、当社及び当社グループ各社に共通する安全及び環境に関係する政策立案とその推進を担当する委員会として位置づけられており、毎月1回定期的に開催しています。また、安全環境委員会は当社グループのサービス・活動の環境側面の評価を行っており、重要と判断されたサステナビリティ関連課題に対してはリスク管理委員会、経営執行協議会、そして取締役会で監視・監督する体制としています。また、代表取締役社長は当社グループにおける気候変動問題の責任者の役割も担っています。
人的資本に対する取組みの推進体制
当社グループでは、人的資本を中長期的な企業価値創造を支える重要な経営資源と位置づけ、人材育成、社内環境の整備、多様性の確保等の取組みを重要課題の一つとして推進しております。
人的資本に関する取組みは人事部が主体となり、採用・人材育成・評価・配置及び働き方に関する制度の設計・運用並びに進捗管理を担っております。これらの取組みにあたっては、関係部門と連携の上、部門横断的に検討を行い、人的資本に関する課題の把握及び対応を進めております。
人的資本に関する重要事項については、内容に応じてリスク管理委員会等において審議し、当社グループの経営戦略及び事業環境との整合性を確認した上で、必要に応じて取締役会に報告又は付議しております。取締役会は、これらの報告を踏まえ、人的資本に関する取組みの方向性及び実行状況を監督するとともに、中長期的な経営戦略との整合性の観点から指示・助言を行っております。
当社グループは、本ガバナンス体制のもと、人的資本に関する方針、戦略、指標及び目標を定め、継続的な見直しと改善を通じて、人的資本の価値向上及び企業の持続的な成長の実現を目指してまいります。
(3) リスク管理
気候変動に関するリスク
当社グループでは、代表取締役社長を委員長とし、全ての業務執行取締役及び執行役員並びに主要なグループ会社社長を含むメンバーで構成された安全環境委員会を中心に、気候関連リスク・機会の特定、評価と管理を実施しています。また、サステナビリティ推進部、及び同部内の部門横断的な組織である環境推進ワーキングチームが連携し、気候変動対応を含む環境課題に関する計画・立案を行い、安全環境委員会に定期的に報告をしています。
事業経営において重要と特定、評価された気候関連リスクは、グループ全体のリスクに関する方針や管理を扱うリスク管理委員会において、全社的なリスク管理のプロセスに組み込まれて管理されています。
気候関連リスクは、中期経営計画「Transformation for a Sustainable Future」(2026年4月~2031年3月)にも反映されており、2050年ネットゼロ達成に向けたロードマップの策定や、環境負荷低減に資するクリーンエネルギーの輸送、次世代燃料船への投資等の当社グループの戦略に反映されています。
人的資本に関するリスク
当社グループは、人的資本に関するリスク及び機会が事業の持続的成長に与える影響を重要な経営課題の一つとして認識しております。
主なリスクとしては、人材の確保・定着の不足、エンゲージメントや生産性の低下、専門性・経験の偏在による付加価値創出力の低下、多様性不足による意思決定の質の低下並びに法令・社会的要請への対応不十分等が挙げられます。
これらのリスクについては、人事部を中心に日常的な人事運営を通じて把握・整理し、人的資本経営戦略及び各施策の検討・見直しに反映しております。重要事項は、経営層やリスク管理委員会等にて共有・議論され、さらに全社的リスク管理の枠組みの中で重要性に応じて取締役会へ報告されます。
当社グループは、人的資本に関するリスク管理と経営戦略との整合を図りつつ、課題を価値創造の機会として活用してまいります。
(4) 戦略
シナリオ分析の実施
当社グループは、気候関連リスク・機会がもたらす海運業と不動産業への影響を把握するため、TCFD提言に基づき、「脱炭素シナリオ」と「成り行きシナリオ」について、それぞれの将来の世界観を踏まえ、各事業の重要なリスクと機会を抽出し、項目を特定しました。
各シナリオで想定される世界観
当社グループ事業(海運業、不動産業)で想定される世界観は以下のとおりです。

各シナリオで顕著となるリスクと機会
2つのシナリオで想定される世界観における重要なリスクと機会は以下のとおりです。

海運業における移行リスクと対応策及び機会

海運業における物理的リスクと対応策及び機会

リスクに対応するためのコスト
船舶の運航管理システムや海陸(船舶と陸上)間と船同士のコミュニケーションに使用する通信機器等のITシステムの利用により、年間約12百万円の費用が発生しました。
財務上の潜在的影響額
航路上に台風が発生した場合、船舶は台風を避けるために航路から離れて航行(離路)する必要があります。離路に伴い年間約1,100百万円の追加費用が発生する可能性があります。
不動産業における物理的リスクと対応策及び機会

リスクに対応するためのコスト
全ての国内所有オフィスビルにおいて災害に備えるために保険の加入が必要となり、一部のオフィスビルでは約11百万円の費用が発生します。
また、当社所有の一部のオフィスビルは、比較的海抜の低い場所に位置しており、雨水の浸入の可能性があります。このリスクに対処するため、1階防潮板、地下防水板を設置し、約81百万円の費用が発生します。
財務上の潜在的影響額
当社所有の一部オフィスビルのリスク調査をリスクコンサルティング会社が行った結果、水害リスクとして約3,700百万円の損害が発生する可能性があることが判明しています。この損害額については、加入している上記保険によりカバーされる予定です。
今後の対応戦略
海運業
シナリオ分析の実施により、脱炭素社会への移行が当社グループに及ぼす影響が明らかになりました。主要貨物である化石燃料の海上輸送需要は低下する一方、クリーンエネルギー燃料等、新たな輸送需要の発生も見込まれます。これらの輸送物資の変化に適切に対応することで、化石燃料輸送の減少による売上減少を上回る新たな事業機会からの売上増加が期待できると認識しています。
当社グループでは、脱炭素社会への移行を見据えて、環境負荷低減に貢献するクリーンエネルギーの輸送や次世代燃料船への投資を積極的に推進します。
不動産業
所有するビルに対し、非化石証書付電力の購入、カーボンオフセット都市ガスの導入、照明のLED化、太陽光パネルの設置、設備機器の省エネ運用等、温室効果ガス(GHG)排出量削減に向けた取組みを既に進めています。
これからの脱炭素社会への移行に伴い、オフィスビルの更なる省エネルギー化と再生エネルギー化を検討していきます。
中期経営計画における各事業の具体的な戦略
2026年度~2030年度を対象期間とする当社グループの中期経営計画においては、上記の重要な気候関連リスク・機会の精査を踏まえて、2050年ネットゼロ達成の目標を掲げ、そのためのロードマップを以下のように取り纏めております。


人的資本経営における戦略
当社グループは、事業環境の変化を踏まえ、事業戦略の実現及び中長期的な企業価値向上に向け、人的資本を重要な経営資源としてその価値最大化を図る人的資本経営を推進しております。
人的資本経営戦略は事業戦略と連動し、「成長事業に導く経営資源配分」及び「稼ぐ力の底上げ」を人材面から支えることに重点を置いております。
具体的には、「成長事業への資源配分」、「攻めの稼ぐ力」、「守りの稼ぐ力」を人材戦略テーマとし、当社が目指す「価値創造人材(ありたい人材像)」を、「全体最適を見据えた俯瞰力」、「多様な専門性」、「価値創造を前に進める実行力」を備えた人材と定義し、計画的に育成・配置していくことを基本方針としております。
この方針のもと、人材・組織面の重点課題として、「全体最適の視点で意思決定を担える価値創造人材・専門人材の創出」、「役割・貢献に基づくメリハリのある人事制度」、「DX・組織最適化による生産性向上や人員の余力創出」、「成長・収益分野を見据えた人材配置・経験設計」の4点を設定しております。
これらの重点課題の解決を通じて、事業環境の変化に対応した組織・人材の変革を進め、人的資本の強化と中長期的な成長基盤の構築を図ってまいります。
人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針
当社グループは、企業価値の持続的向上のためには人的資本の質の向上及び最大活用が不可欠であるとの認識のもと、「価値創造人材」の育成を推進しております。
人材育成においては、画一的・年次中心の成長モデルから転換し、事業戦略と連動した「経験」を重視した育成を行います。成長・収益分野や新たな事業課題への挑戦機会を通じて俯瞰力及び実行力を養うとともに、個々の適性や志向に応じた専門性の深化を図り、多様な強みを持つ人材の育成を目指します。
また、人材の多様性については価値創造の源泉と位置づけ、性別・年齢・経験・バックグラウンド等にとらわれない人材の活躍を推進しております。キャリア人材の活用や、部門横断的な人材交流を通じて、多様な視点・知見を取り込み、意思決定の質及び価値創造力の向上につなげてまいります。
さらに、人材育成方針の実効性を高めるため、人的資本経営戦略と整合した人事制度の見直しを予定しております。役割及び期待される貢献をより明確化し、成果や挑戦、価値創造への貢献が評価・処遇に適切に反映される制度とすることで、社員の主体的な成長及び行動を促進いたします。
社内環境整備に関する方針
当社グループは、人的資本経営戦略の実行にあたり、社員一人ひとりが能力を発揮し、付加価値創出に主体的に取り組むことができる社内環境の整備が重要であると認識しております。
社内環境整備においては、働きやすさの向上にとどまらず、社員が事業全体を意識しながら専門性を発揮し、価値創造に注力できる状態の実現を目指しております。業務の標準化・効率化やDXの推進により生産性向上と人的余力の創出を図り、当該余力を成長分野・高付加価値領域へ再配分してまいります。
また、自己申告制度を通じて社員のキャリア志向及び能力発揮の方向性を把握し、本人の意向と事業ニーズを踏まえた配置・支援を行っております。
働き方の面では、在宅勤務制度や時差出勤制度の活用を進めるとともに育児休業取得促進を契機として業務の属人化解消やプロセス見直しを推進し、チームで業務を遂行する体制を構築しております。これにより多様な人材が継続的に能力を発揮できる環境の実現を図っております。今後は、人事制度の見直しと連動し、挑戦や価値創造への取組みが適切に評価・処遇に反映される仕組みを整備し、個々の主体的行動と組織の価値創造が好循環する環境を構築してまいります。
(5) 指標及び目標
温室効果ガス(GHG)排出量削減に向けた指標及び目標
2026年度~2030年度を対象とする当社グループの中期経営計画においては、2050年ネットゼロ達成に向けた対応方針・目標を設定しました。
上記の重要な気候関連リスク・機会の精査を踏まえて、2026年5月に公表した2050年ネットゼロ達成に向けた2030年度のGHG削減目標は、以下のとおりとなります。
海運業 :20%削減(2020年度比、原単位(輸送トンマイル)ベース)
不動産業:75%削減(2013年度比、総量ベース)
GHG排出量実績(Scope 1,2及び3)
人的資本に関する指標及び目標
当社グループは、人的資本経営戦略の実効性を把握するため、事業戦略及び人材戦略と連動した指標(KPI)及び目標を設定しております。
これらは、「成長事業への人的資本配分」「攻め・守りの稼ぐ力の創出」を踏まえ、人材育成、多様性確保及び社内環境整備の成果を中長期的に測定することを目的としております。
また、当社グループでは、上記「(4)戦略」において記載した、人的資本経営における戦略、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
主な指標は以下のとおりです。

これらの指標については、人事部を中心に進捗管理及び分析を行い、施策の改善に活用してまいります。
また、事業戦略や社会的要請の変化に応じて適宜見直しを行い、人的資本の価値向上及び企業価値の持続的成長につなげてまいります。
3 【事業等のリスク】
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの外航海運業と内航・近海海運業により構成される海運業及び不動産業の事業活動におきましては、船舶の就航水域・寄港地・入渠地、市場、契約先の属する国や地域、プロジェクト等の投資地域等全ての事業地域で、政治情勢、経済情勢、社会的な要因、自然災害や人災等により、当社グループの業績、株価及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的なリスクとしては以下のようなものがあります。
(1) 船舶・建物における重大な事故・事件等によるリスク
当社グループは企業理念に「安全の確保を最優先に、人々の想いを繋ぎ、より豊かな未来を築きます」を掲げ、事業に使用する船舶や建物での安全優先を経営上の使命としています。各事業部門に共通する安全対策については毎月一回開催される「安全環境委員会」にてレビューされ、さらに海運業においては国際的な基準に基づいた品質管理マネジメントシステムを導入し、また「安全管理委員会」を定期的に開催して事故防止や安全対策の徹底に努め、緊急事態にも適応できる体制を構築しております。しかしながら、もし船舶や建物での不測の事故が起こり人命・財産に関わる重大な事故や事件が発生した場合、あるいは油濁等の環境汚染や所有不動産に土壌汚染が認められ搬出や浄化の必要が生じた場合には、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。
(2) 海運市況・不動産市況の変動によるリスク
当社グループは海運市況や不動産市況の一時的な変動に左右されないよう、中長期契約を主体として安定的な営業収益の確保に努めておりますが、海運業においては中長期契約の更改時期やスポット運航を余儀なくされる場合に、海上輸送量の増減、競争の激化、船腹需給の変動等の影響により、運賃収入及び貸船料収入等が大きく変動する可能性があります。不動産業においては、当社グループは東京都心部のオフィスビルを中心に不動産資産を保有しており、不動産市況の動向、特に東京都心のオフィス市場の空室率が変動する等の場合、賃貸料収入等が大きく変動する可能性があります。以上の結果、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。また、前述の営業収益の安定策には、市況変動によるリスクをある程度軽減する一方、市況が逆方向へ変動することから生じたかもしれない利益を逸失している可能性があります。
(3) 資産価格の変動に関するリスク
当社グループの保有する資産(船舶、土地、建物、投資有価証券等)には、経済状況、市況の変動等の要因で資産価格に変動がある可能性があります。特に、外航海運業においては、海上輸送量の増減、競争の激化、船腹需給の変動等により運賃が大きく変動することから、減損損失の認識要否の判定及び回収可能価額の算定に重要な影響を及ぼす将来の運賃予測には高い不確実性を伴います。当社グループは四半期に一度、減損の兆候がある資産の把握をする等、資産価格や市況の大きな変動を注視しております。しかしながら、想定外の当該資産の売却等に伴う損益の実現や、減損損失の認識等により、当社グループの業績、株価及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 他社との競合によるリスク
当社グループは海運業及び不動産業において、国内外で多くの企業と競合関係にあります。国内及び海外で幅広い顧客に営業展開をする等、本リスクの軽減に努めておりますが、他企業とのサービス・価格競争が激化した場合、当社グループの業績、株価及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(5) 燃料油価格の変動によるリスク
海運業においては、当社グループが購入する舶用燃料油の価格は原油の需給バランスや産油国・地域の情勢等により変動しますが、補油地域・時期の分散や減速航海の実施等による燃料油の消費量節減、荷主との燃料油価格変動調整条項の合意等の対策を講じ、業績に与える影響を軽減するよう努めております。しかしながら、燃料油価格の著しい変動等により、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。
(6) 船舶・不動産の稼働状況に関するリスク
当社グループが使用する船舶や建物等においては天災、人災による事故、粗悪油やその他の不測の事態により、想定外の不稼働が発生する可能性があります。その他、不動産業においてはオフィス賃貸借契約の未更新や中途解約その他の事由等により不稼働が発生する場合があります。不稼働損失保険への加入や解約予告期間を長期に設定すること等で本リスクを軽減するよう努めておりますが、想定外の不稼働が発生した場合に当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。
(7) 船舶の売却や中途解約等におけるリスク
海運業においては、海運市況の動向や船舶の新技術開発・導入による既存船舶の陳腐化、安全・環境規制その他の諸規則の変更等による船舶の使用制限等により、当社グループが保有する船舶を売却する場合や、当社グループが用船する船舶の用船契約を中途解約する場合があります。市場の動向を見極めた売船、自社保有や用船といった船舶の保有形態のバランスを適切に保つこと等により本リスクの低減に努めておりますが、想定外の売船や用船契約の途中解約が発生した場合、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。
(8) 為替の変動によるリスク
当社グループの事業のうち海運業においては外貨建費用に比べ外貨建収入が多く、為替レートの変動が損益に影響を与える状況にあります。また設備投資においては、外貨建の投資も多くあります。そのため、費用のドル化を進めるとともに、為替予約や通貨スワップ等のヘッジ取引により、為替レート変動の影響を軽減するよう努めております。しかしながら、為替レートが大きく変動した場合、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。なお、前述のヘッジ取引には、為替レートの変動によるリスクをある程度軽減する一方、為替レートが逆方向へ変動することから生じたかもしれない利益を逸失している可能性があります。
(9) 金利変動によるリスク
当社グループは、船舶や不動産等の取得に要する設備投資及び事業活動に要する運転資金に内部資金を充当する他、外部からも資金を調達しております。この外部資金には変動金利で調達している部分があり、金利情勢を勘案の上、金利の固定化等により、金利変動による影響を軽減するよう努めておりますが、将来の金利変動によって資金調達コストが変動し、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。また、このような金利固定化等の取引には、金利レートの変動によるリスクをある程度軽減する一方、金利レートが逆方向へ変動することから生じたかもしれない利益を逸失している可能性と、固定化した期間中に条件の変更を余儀なくされた場合、解約料を負担することがあります。
(10) 規制の実施・改廃等によるリスク
当社グループが使用する船舶の建造・登録・運航は、各種の国際条約による法的規制や、近年の環境保護や安全重視の高まりに起因する特定顧客及び船級協会等の規則や規制等の影響を受けます。その他の事業分野を含め、今後の事業活動の展開にあたって法的規制、特定顧客及び船級協会等の規則や規制等が新たに実施又は改廃された場合、それらに対応するためのコストの増加、当事業からの撤退や遵守できなかった場合の事業活動の制限等により、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。
(11) 世界各地域の政治情勢、経済情勢、社会的な要因等によるリスク
当社グループの事業活動は、日本を含むアジア、中東、欧米、その他の地域に及んでおり、各地域における政治情勢、経済情勢、社会的要因等により影響を受ける可能性があります。具体的には以下のようなリスクがあります。これらリスクに対しては当社グループ内外からの情報収集活動等を通じ、その予防と回避に努めておりますが、これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。
(ア) 政治的又はインフレ等の経済的要因
(イ) 事業・投資許可、税制、会計基準、為替管理、安全、環境、通商制限、私的独占の禁止等に関する公的規制及びその改廃、商慣習、実務慣行、解釈
(ウ) 他社との合弁事業・提携事業の動向
(エ) 事故、火災、戦争、暴動、テロ、海賊、感染症の流行、ストライキその他の要因による社会的混乱
なお、ホルムズ海峡の事実上の封鎖や紅海情勢等中東地域における地政学的リスクの高まりや、長期化するロシア・ウクライナ紛争、さらに米国の関税政策の変更は、世界経済の減速懸念やサプライチェーン・物流の変化等を通じて、海上輸送需要の停滞・減少や、不動産市況の悪化等の影響を当社グループに及ぼす可能性があります。当社グループは国際情勢を注視し、日々変化する状況に迅速に対応しながら事業活動に取り組んでおります。
(12) 世界各地域の自然災害及び二次災害並びにそれらに付随する風評被害によるリスク
当社グループの事業活動は、日本を含むアジア、中東、欧米、その他の地域に及んでおり、各地域における感染症の流行を含む自然災害及びその二次災害により影響を受ける可能性があります。特に、当社グループ本社所在地であり保有する不動産資産が集中している首都圏や東日本において自然災害及びその二次災害が生じた場合は、当社グループの事業活動全般に大きな影響を及ぼすことが考えられます。また、自然災害及び二次災害に付随する風評被害が当社グループの事業活動全般に影響を及ぼす可能性もあります。当社グループでは、感染症の流行を含む自然災害及び二次災害発生時にも、可能な限りの事業継続を図るため、これらの事態を想定したBCP(事業継続計画)を策定しておりますが、これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。
(13) 取引先の倒産等に関するリスク
当社グループは、取引先と締結した用船契約・不動産賃貸借契約に基づき営業収益を確保しております。取引先の与信状態は契約締結時及び履行途中に調査しておりますが、輸送契約先、貸船契約先、借船契約先、テナント契約先等の取引先が抱えるリスクにより倒産等の不測の事態があった場合、当社グループにおいて不良債権の発生や、契約の中途解約、借船元の船舶差し押え・競売等が発生することが予想され、これら損失の額によっては、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。
(14) 投資計画の進捗に関するリスク
当社グループは、海運業においては船隊整備、不動産業においてはビル建設等に関する投資を計画しておりますが、今後の海運市況や不動産市況、金融情勢、造船会社や建設会社の動向等によって、これらが計画どおりに進捗しない場合、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。
(15) 情報・会計システムに関するリスク
地震等の自然災害、外部からの予期せぬ不正アクセスやコンピューターウィルス侵入等、また新システムの導入・新規機能の追加時に情報・会計システムに障害が発生した場合、業務が遅延・停止する可能性があります。日々高度化する本リスクへの対応として、適切な情報セキュリティ対策等を行っておりますが、顧客への情報提供及び業務処理が滞ることとなった場合、当社グループの業績、株価及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(16) 中期経営計画に基づく経営目標が達成できないリスク
当社グループは2026年4月に5ヵ年の中期経営計画「Transformation for a Sustainable Future」を策定し、達成に向けて取り組んでおります。しかし、本中期経営計画は、様々な外的要因により影響を受ける可能性があり、当初の目標を達成できない可能性があります。
(17) 気候変動に関するリスク
当社グループでは、経営方針にて各種社会課題の解決に貢献することを掲げており、サステナビリティ基本方針にて「内外の関連法規及び国際ルールを遵守し、事業から生ずる環境への負荷の低減・環境の保全に努めるとともに、気候変動への対応・自然環境の保護に積極的に取り組む。」と定めています。経営方針・サステナビリティ基本方針の実践のために、2026年4月に策定した中期経営計画「Transformation for a Sustainable Future」において、「環境対応による競争力強化」を掲げ脱炭素社会の実現に向けた取り組みを行っています。
当社グループは、気候変動がもたらす事業へのリスクと機会について、その分析と対応を強化し、関連情報の開示拡充を進めるため、2021年7月に気候関連財務情報開示タスクフォースの提言(以下、「TCFD提言」という。)に賛同を表明しました。TCFD提言に沿って当社が抽出した主なリスクは以下のとおりです。これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。
■海運業
・化石燃料の需要減による売上の減少
・カーボンプライシングによる操業コストの増加
・燃費規制対応による船舶建造費の増加
・燃費規制対応(次世代燃料使用)に向けた新技術導入コストや燃料費の増加
■不動産業
・建物の省エネ化に関する建設・改修費の増加
・立地エリアにおいて保有ビルの環境性能等が劣後した場合、賃料、入居率、資産価値の下落
なお、気候変動の問題は、新たな輸送需要の創出や、保有資産の環境性能向上による差別化を促す可能性もあり、当社グループにとって新規ビジネス機会の増加につながる側面があります。
(18) 人権に関するリスク
当社グループは、グローバル企業として、全ての人々の人権を尊重することが企業として果たすべき社会的責任であることを認識し、2022年9月に国連グローバル・コンパクトに賛同しました。また、当社の企業理念に基づいた人権に関する最上位の方針として、「飯野海運グループ人権方針」を定めた他、「飯野海運グループ調達方針」、「飯野海運グループサプライヤー行動規範」を制定し、サプライチェーン全体での人権尊重の取り組みを実施しています。しかしながら、予期せぬ事態により、当社グループの事業活動を通して人権問題が発生した場合、社会的信用の失墜や賠償責任により、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。
(19) コンプライアンスに関するリスク
当社グループは、サステナビリティ基本方針において「コンプライアンスの徹底」を掲げ、各法令や規則を遵守するとともに、競争法遵守・贈収賄防止体制を構築し、公正な取引を推進する旨を明記しています。また、秩序や安全を脅かす反社会的勢力・団体とは一切かかわらないことを明確にしています。「コンプライアンス規程」では、遵守すべき基本事項を定め、年4回以上開催される「コンプライアンス委員会」において、社長執行役員が指名した「コンプライアンス担当執行役員(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)」のもと、コンプライアンスに関する方針の立案とその推進を図っています。さらに、「外部通報制度運用規程」に基づき、役職員に加え取引先関係者も利用可能な外部通報窓口を設置し、通報に対応する体制を整備することで、法令違反等の早期発見と是正を推進しています。
しかしながら、このような施策を講じてもコンプライアンス上のリスクは完全に回避できない可能性があり、重大なコンプライアンス違反が発生した場合には、当社グループの社会的信用の失墜や賠償責任により、当社グループの業績、株価及び財務状況等が影響を受ける可能性があります。
上記は当社グループが事業を継続する上で、予想される主なリスクを具体的に例示したものであり、これらに限定されるものではありません。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
業績等の概要
(1) 業績
当期の世界経済は、米国の関税問題や中東情勢の緊迫化など地政学的リスクの高まりから、先行きの不透明感が強まりました。
米国では、堅調な企業の設備投資などにより比較的高い成長が続いたものの、雇用情勢の悪化や関税措置を巡る不確実性、中東情勢悪化に伴う原油価格上昇への懸念などから、期末にかけて景気拡大のペースは鈍化しました。欧州では、各国の回復度合いにばらつきがあるものの、良好な雇用・所得環境の改善が個人消費を下支えし、景気は緩やかに持ち直しました。中国では、政府による財政支出の拡大や外需が景気を下支えした一方、雇用環境の停滞や不動産市場の調整が続いたことなどから、内需を中心に景気は弱含みで推移しました。我が国の経済は、インバウンド需要の回復に一部足踏みが見られたものの、設備投資が堅調に推移したことに加え、賃上げなどによる所得環境の改善を背景に個人消費が持ち直すなど、全体として緩やかに回復しました。
当社グループの海運業を取り巻く市況は、大型ガス船やドライバルク船においては総じて堅調に推移したものの、当社が主力とするケミカルタンカーにおいては中国経済の低迷等により、前期と比べて軟化しました。このような状況の下、当社グループでは、支配船腹の長期契約への投入による安定収益の確保やスポット貨物の積極的な取込みによる採算向上に努めましたが、特にケミカルタンカーにおいて市況軟化と期末にかけてのホルムズ海峡の事実上の封鎖による配船制限の影響を受けました。不動産業においては、当社所有ビルが順調な稼働を継続したことに加え、堅調な賃貸市況下での契約更改が収益拡大に貢献しました。
以上の結果、売上高は1,272億95百万円(前期比10.3%減)、営業利益は134億39百万円(前期比21.4%減)、経常利益は168億85百万円(前期比2.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は153億91百万円(前期比16.2%減)となりました。
各セグメント別の状況は次のとおりです。
① 外航海運業
大型原油タンカー市況は、秋口以降活発であった大西洋域での荷動きの鈍化を受けて軟化した後、米国及びイスラエルによるイラン攻撃に端を発したホルムズ海峡の事実上の封鎖により急騰するも、実勢を捉えにくい混乱局面となりました。当社においては、支配船腹を長期契約に継続投入し、安定収入確保に努めましたが、一部の船舶においては入渠により稼働日数が減少しました。
ケミカルタンカー市況は、中国経済の低迷をはじめとする世界経済の不透明さにより、前期と比べ軟化しましたが、期末にかけてのホルムズ海峡の事実上の封鎖の影響により急騰しました。当社においては、基幹航路である中東域から欧州及びアジア向けをはじめとする数量輸送契約に加え、米国出しのスポット貨物を積極的に取り込む等、採算確保に努めましたが、市況軟化と期末にかけてのホルムズ海峡の事実上の封鎖による中東域への配船制限の影響を受けました。一方で、期中に2隻の新造船が船隊に加わり稼働を開始しました。
大型LPG船市況は、米中関税摩擦等による不透明感から一時弱含んだものの総じて高い水準で推移し、ホルムズ海峡の事実上の封鎖後は、米国からアジア各国への長距離航海増加が船腹需給を引き締めたことにより、一段と強含みました。当社においては、既存の中長期契約を中心に安定収益を確保したことに加え、一部の船舶が好調な市況の恩恵を受けました。また、2025年9月に当社初の大型エタン船が竣工し、2026年1月には2隻目も船隊に加わりました。
ドライバルク船市況は、期初は軟調に推移するも、穀物の順調な海上荷動きに加え、石炭及びその他ばら積み貨物の底堅い輸送需要もあり夏場以降は総じて堅調に推移しました。当社においては、専用船は順調に稼働し安定収益確保に貢献しました。パナマックス型及びハンディ型を中心とする不定期船隊でも効率配船に努め、収益を確保しました。また、新たに基幹船隊に加わったパナマックス型及びハンディ型各1隻が収益に貢献しました。
以上の結果、外航海運業の売上高は1,024億64百万円(前期比12.8%減)、営業利益は87億86百万円(前期比33.4%減)となりました。
② 内航・近海海運業
内航ガス輸送の市況は、慢性的な内需の低迷から荷動きは総じて低調に推移しましたが、新造船供給等が限定的であったことから船腹需給は引き締まり、前期並みの水準を維持しました。当社においては、安定収益確保に努めたものの、運航船の入渠が重なった影響を受けました。
近海ガス輸送の市況は、中国経済の減速に伴う輸送需要の低迷により低調に推移したことに加え、ホルムズ海峡の事実上の封鎖に伴うアジア各国のプラントの生産停止や減産の影響を受けました。当社においては、既存の中長期契約に基づき安定して稼働し、収益を確保しました。
以上の結果、内航・近海海運業の売上高は107億64百万円(前期比5.1%減)、営業利益は3億3百万円(前期比33.3%減)となりました。
③ 不動産業
東京都心のオフィスビル賃貸市況は、新築大型ビルへの集約移転や利用面積の拡張等の需要により、空室率が低下傾向となり、堅調に推移しました。当社所有ビルにおいては、オフィスフロアは順調な稼働を継続したことに加え、堅調な賃貸市況下での契約更改が収益拡大に貢献しました。商業フロアは入居率が高まり、飲食テナントを中心に売上が回復傾向となりました。
英国ロンドンのオフィスビル賃貸市場においては、空室率の低下や高グレードな物件への需要に支えられ賃料水準は堅調に推移しました。当社所有ビルにおいては、オフィスの高グレード化に向けた長期改修工事中の物件を除いて、総じて安定的に稼働しました。
イイノホール&カンファレンスセンターにおいては、文化系やビジネス系を中心とした堅調な催事需要に支えられ、安定的な稼働を維持しました。
不動産関連事業のスタジオ事業を運営する㈱イイノ・メディアプロにおいては、広告系やエンターテイメント系を中心とした案件を順調に受注し安定収益を確保しました。
以上の結果、不動産業の売上高は141億80百万円(前期比8.2%増)、営業利益は43億50百万円(前期比25.7%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当期の「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、298億58百万円のプラス(前期は307億29百万円のプラス)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益180億10百万円と減価償却費135億42百万円によるものです。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は421億16百万円のマイナス(前期は307億86百万円のマイナス)となりました。これは主に船舶への設備投資を中心とした固定資産の取得による支出640億5百万円によるものです。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は143億10百万円のプラス(前期は83億25百万円のマイナス)となりました。これは主に長期借入れによる収入492億70百万円が長期借入金の返済による支出245億18百万円を上回ったことによるものです。
以上の結果、「現金及び現金同等物の当期末残高」は140億50百万円(前期末は115億93百万円)となりました。
生産、受注及び販売の実績
この項目は「業績等の概要 (1) 業績」の記載に含めて記載しております。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、期末日における資産・負債の報告金額及び報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。当社グループ経営陣は、債権の貸倒、棚卸資産、投資、法人税等、財務活動、退職金、偶発事象や訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収益・費用の報告金額についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループにおける重要な会計上の見積りに関する情報は、「第5 経理の状況 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照下さい。
(2) 経営成績及び財政状態の分析
① 経営成績の分析
当期における売上高は、前期比10.3%減の1,272億95百万円となりました。なお、各セグメントの売上高の概要は、「業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。
営業利益は前期比21.4%減の134億39百万円となりました。なお、各セグメントの営業利益の概要は、「業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。
経常利益は、前期比2.8%減の168億85百万円となりました。これは主に営業利益の減少によるものです。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比16.2%減の153億91百万円となりました。これは主に経常利益の減少によるものです。
② 財政状態の分析
当期末の総資産残高は前期末に比べ402億53百万円増加し、3,466億84百万円となりました。これは主に船舶の竣工に伴う固定資産の増加によるものです。
負債残高は前期末に比べ276億8百万円増加し、1,883億94百万円となりました。これは主に船舶の竣工に伴う設備資金の借入によるものです。
純資産残高は前期末に比べ126億45百万円増加し、1,582億90百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益計上に伴う利益剰余金の増加によるものです。
以上の結果、当期末の連結自己資本比率は45.6%(前期末は47.5%)となりました。
(3) 流動性及び資金の源泉
① 資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは当社グループの外航海運業と内航・近海海運業により構成される海運業に関わる運航費、船費、借船料と不動産業に関わる管理費、営繕費等の不動産業費用、各事業についての一般管理費等があります。また、設備資金需要としては船舶投資と不動産投資に加え、情報処理の為の無形固定資産投資等があります。
② 財務政策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用や金融機関からの借入により資金調達を行っており、運転資金及び設備資金につきましては、国内、海外子会社のものを含め当社において一元管理しております。
当社グループの主要な事業資産である船舶の調達に当たっては、船主からの中長期用船や裸用船のバランスも考慮に入れ、当社グループ全体の有利子負債の削減を図っております。円建て、米ドル建ての借入金を含む当期末の有利子負債残高(リース債務を除く)は1,417億20百万円となりました。
また、資金調達コストの低減に努める一方、過度に金利変動リスクに晒されないよう、設備資金の借入の大部分について金利スワップなどの手段を活用しております。
当社グループは国内2社の格付機関から格付を取得しており、本報告書提出時点において、日本格付研究所:「A-」、格付投資情報センター:「BBB+」となっております。また、金融機関には充分な借入枠を有しており、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転、設備資金の調達は今後も可能であると考えております。また、国内金融機関において複数年を含む合計180億円並びにUS$6千万のコミットメントラインを設定しており、流動性の補完にも対応が可能となっております。
③ キャッシュ・フロー
「業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」をご覧下さい。
5 【重要な契約等】
記載すべき事項はありません。
6 【研究開発活動】
記載すべき事項はありません。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社グループでは、十分な調査、採算予想、付随するリスクと対応策に基づき、今後の成長が見込まれる分野に重点的に投資を行っています。当期には無形固定資産に対する投資を含めて総額64,095百万円の設備投資を実施しました。その主なものは、外航海運業においては、購入した船舶への支払を中心に51,069百万円、内航・近海海運業においては、設備工事を中心に合計222百万円、不動産業においては、不動産の取得を中心に12,309百万円の設備投資を実施しました。
また、当期において売却した主要な設備の内容は以下のとおりです。
2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社
(注) 帳簿価額のうち「その他」は機械及び装置、車両運搬具、器具及び備品であります。
(2) 国内子会社
(注) 帳簿価額のうち「その他」は機械及び装置、車両運搬具、器具及び備品、リース資産であります。
(3) 在外子会社
(注) 帳簿価額のうち「その他」は器具及び備品、借地権(無形固定資産に計上)であります。
3 【設備の新設、除却等の計画】
当連結会計年度末現在における重要な設備の新設、除却等の計画は次のとおりです。
(1) 重要な設備の新設等
建造中及び取得予定の船舶
(2) 重要な設備の売却等
売却予定の船舶
(3) 重要な設備の除却等
記載すべき事項はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 自己株式の消却による減少であります。
(5) 【所有者別状況】
(注) 自己株式3,097,203株は「個人その他」の欄に30,972単元、「単元未満株式の状況」の欄に3株含まれております。
(6) 【大株主の状況】
2026年3月31日現在
(注) 1 所有株式数は、千株未満を切捨てております。
2 2026年3月31日現在における日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)の信託業務に係る株式数については、9,349,300株であり、それらのうち、投資信託設定分は4,100,800株、年金信託設定分は76,400株であります。
3 2026年3月31日現在における株式会社日本カストディ銀行(信託口)の信託業務に係る株式数については、2,305,700株であり、それらのうち、投資信託設定分は1,363,500株、年金信託設定分は80,900株であります。
4 2026年3月31日現在における三井住友信託銀行株式会社の所有株式数には、信託業務に係る株式を含んでおりません。
5 2023年10月20日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書(特例対象株券等)において、株式会社みずほ銀行 及びその共同保有者であるアセットマネジメントOne株式会社が2023年10月13日現在でそれぞれ以下のとおり株式を保有している旨が記載されているものの、アセットマネジメントOne株式会社については、2026年3月31日現在株主名簿の記載内容を確認できないため、当社として実質所有株式数の確認ができません。
6 2020年9月24日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書(特例対象株券等)において、東京海上日動火災保険株式会社が2020年9月15日現在で以下のとおり株式を保有している旨が記載されているものの、2026年3月31日現在株主名簿の記載内容を確認できないため、当社として実質所有株式数の確認ができません。
7 2025年9月19日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書(特例対象株券等)において、三井住友信託銀行株式会社並びにその共同保有者である三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及びアモーヴァ・アセットマネジメント株式会社が2025年9月15日現在でそれぞれ以下のとおり株式を保有している旨が記載されているものの、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及びアモーヴァ・アセットマネジメント株式会社については、2026年3月31日現在株主名簿の記載内容を確認できないため、当社として実質所有株式数の確認ができません。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
(注) 「単元未満株式」欄の普通株式には、当社所有の自己株式3株が含まれております。
② 【自己株式等】
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号による取得
(注) 当期間における取得自己株式には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 当期間における保有自己株式数には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取り及び売渡しによる株式数は含めておりません。
3 【配当政策】
当社は、株主の皆様への利益還元を経営の重要課題の一つと位置付けております。新中期経営計画に基づき、成長投資により創出される利益を原資に、将来の投資余力及び財務健全性を勘案しつつ、安定性・予見性・機動性を備えた株主還元の実現を基本方針としております。具体的には、通期業績に対する配当性向40%を基準とした配当の継続を基本としつつ、市況変動の大きい海運業において、配当の安定性と予見性を高めるため、新たに1株当たり30円の下限配当を導入いたします。また、自己株式の取得についても財務規律を踏まえつつ機動的に実施し、総合的な株主還元の充実を図ってまいります。
当期の配当につきましては、中間配当金は1株当たり24円としました。期末配当金は、直近の配当予想(2026年2月5日発表)では1株当たり31円としておりましたが、当期の業績が直近の業績予想(2026年2月5日発表)から上振れたことを受けて、配当性向40%に基づき1株当たり4円増額の35円とし、年間で1株当たり59円の配当を実施させていただく見込みです。

また、当社は、中間配当をすることができる旨を定款に定めており、期末配当と合わせて年2回の剰余金の配当を行うことを方針としております。これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当(基準日は毎年3月31日)については株主総会、中間配当(基準日は毎年9月30日)については取締役会であります。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりです。
(注)2026年6月25日開催予定の定時株主総会において、当社は株主提案「剰余金の処分の件」及び「自己株式の取得の件」を受けておりますが、当社取締役会は両議案に反対しています。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
(1) コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上の基礎となる各ステークホルダーとの信頼関係の構築に向けた基本的な考え方を、グループ共通の「企業理念」として、「安全の確保を最優先に、人々の想いを繋ぎ、より豊かな未来を築きます」と掲げております。そして、このような「企業理念」を実現するための「経営方針」、「行動規範」に加えて、グループ役職員の行動指針として「安全の重視」、「人権の尊重」、「環境の保護」、「社会への貢献」、「コンプライアンスの徹底」、「取引先の尊重」、「ダイバーシティの推進」、「情報開示とコミュニケーション」及び「教育・訓練」の9項目からなる「サステナビリティ基本方針」を定め、それを実践することで環境・社会問題の解決に向けた企業活動に取組んでおります。そのため、当社は、コーポレート・ガバナンスによって、「サステナビリティ基本方針」を実践するために求められる経営の健全性、透明性及び効率性を確保することが重要であると考えており、コーポレート・ガバナンスを「企業を構成する様々な主体(ステークホルダー)間の利害を調整し、効率的な企業活動を実現するための仕組み」と捉えております。当社は、このような考え方に基づき、監査役制度を基礎とした組織体制のもと、コーポレート・ガバナンスを充実させ、経営の健全性、透明性及び効率性との両立を図っており、経営の意思決定及び業務執行に際しては、株主、従業員及びその他のステークホルダーとの関係に配慮し、常に最良の経営成果をあげられるよう不断の努力を重ね、もって持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に取組んでおります。
当社は、次の基本方針に沿って、コーポレート・ガバナンスの充実に取組みます。
(1) 株主の権利を実質的に確保するための適切な対応と株主がその権利を適切に行使できる環境の整備を行うとともに、全ての株主の実質的な平等性の確保に配慮します。
(2) 株主、従業員、お客様、取引先、債権者及び地域社会をはじめとする様々なステークホルダーの権利・立場を尊重し、ステークホルダーとの適切な協働に努めます。
(3) 財務情報のみならず非財務情報についても適切な開示がなされるように主体的に取組み、分かりやすく有用性の高い情報開示と透明性の確保に努めます。
(4) 取締役会は、株主に対する受託者責任を踏まえ、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、適切なリスクテイクを支える環境整備や取締役に対する実効性の高い監督等の役割・責務を適切に果たします。監査役及び監査役会は、株主に対する受託者責任を踏まえ、独立した客観的な立場から、取締役の職務の執行の監査等の役割・責務を適切に果たします。
(5) 持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主との間で建設的な対話を行います。
(2) 企業統治の体制
<企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由>
当社は、監査役会設置会社であり、取締役会及び監査役会により、業務執行の監督及び監査を行っております。
取締役会は、社外取締役4名を含む取締役8名により構成され、重要事項の決議を行うとともに取締役・執行役員の職務の執行の監督を行っております。取締役会は、原則として毎月1回開催しております。また、執行役員による業務執行体制を採用し、取締役会の重要事項に関する意思決定機能と業務執行の監督機能を強化しております。当事業年度における取締役会の開催状況については、下記「(7)当事業年度の取締役会への出席状況」をご参照ください。
提出日現在における取締役会の構成員は以下のとおりです。
〔議長〕大谷祐介(代表取締役社長)
鮒子田修、藤村誠一、保木裕二、三好真理(社外取締役)、野々村智範(社外取締役)、髙橋静代(社外取締役)、姫野毅(社外取締役)
なお、2026年6月25日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役8名選任の件」を提案しております。当議案が承認可決され、また、その後に開催される取締役会の決議をもって、取締役会の構成員は引き続き以下の8名となる予定です。
〔議長〕大谷祐介(代表取締役社長)
保木裕二、藤村誠一、鮒子田修、三好真理(社外取締役)、野々村智範(社外取締役)、髙橋静代(社外取締役)、姫野毅 (社外取締役)
監査役会は、常勤監査役2名及び社外・非常勤監査役2名の合計4名により構成され、独立した客観的な立場から、取締役の職務の執行の監査等を行っております。監査役会は、原則として毎月1回開催しております。社長執行役員(代表取締役)直属の経営監査室、監査役及び会計監査人が相互に連携して監査に当たる体制をとっております。当事業年度における監査役会は15回開催しました。なお、経営監査室は、「内部監査規程」に基づき、当社グループを構成する全社を対象に業務監査を行っております。当事業年度における監査役会の開催状況については、下記「(3) 監査の状況 ①監査役監査の状況」をご参照ください。
提出日現在における監査役会の構成員は以下のとおりです。
〔議長〕橋村義憲(常勤監査役)
清水紀和(常勤監査役)、福田健吉(社外監査役)、三宅雄大(社外監査役)
なお、2026年6月25日開催予定の定時株主総会後に開催される監査役会の決議をもって、監査役会の構成員は引き続き以下の4名(うち社外監査役2名)となる予定です。
〔議長〕橋村義憲(常勤監査役)
清水紀和(常勤監査役)、福田健吉(社外監査役)、三宅雄大(社外監査役)
経営執行協議会は、執行役員15名により構成され、取締役の職務の執行が効率的に行われるために、社外取締役を含む取締役会から授権された事項の決議、取締役会から検討を指示された事項の審議並びに経営に関する意見交換及び情報交換を行っております。経営執行協議会は、原則として毎週開催しております。当事業年度における経営執行協議会は61回開催しております。
提出日現在における経営執行協議会の構成員は以下のとおりです。
〔議長〕大谷祐介(社長執行役員)
鮒子田修、井上徳親、藤村誠一、保木裕二、竹田篤、岩井喜一、妹尾邦彦、平尾聡、星啓、恒藤康孝、大島一祐、荒井敦、井上智広、千葉浩一郎
なお、2026年6月25日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役8名選任の件」を提案しております。当議案が承認可決され、また、その後に開催される取締役会の決議をもって、経営執行協議会の構成員は以下の15名となる予定です。
〔議長〕大谷祐介(社長執行役員)
保木裕二、藤村誠一、鮒子田修、井上徳親、竹田篤、妹尾邦彦、星啓、恒藤康孝、荒井敦、井上智広、千葉浩一郎、神長洋行、羽山晶子、児嶋浩然
指名・報酬諮問委員会は、独立社外取締役3名及び業務執行取締役2名の合計5名により構成され、手続等の客観性・透明性・公正性を高めるために、取締役会の諮問に基づき、取締役候補等の指名及び取締役の報酬に関する事項等について審議し、取締役会に対して答申を行っております。指名・報酬諮問委員会は、原則として1か月に1回開催しており、当事業年度は10回開催しました。なお、委員長は社外取締役が務めます。
提出日現在における指名・報酬諮問委員会の構成員は以下のとおりです。
大谷祐介(代表取締役社長)、鮒子田修(取締役)、三好真理(社外取締役)、髙橋静代(社外取締役)、姫野毅(社外取締役)
個々の委員の出席状況については次のとおりであります。
なお、2026年6月25日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役8名選任の件」を提案しております。当議案が承認可決され、また、その後に開催される取締役会の決議をもって、指名・報酬諮問委員会の構成員は以下の5名となる予定です。
大谷祐介(代表取締役社長)、保木裕二(取締役)、三好真理(社外取締役)、髙橋静代(社外取締役)、姫野毅(社外取締役)
指名・報酬諮問委員会では取締役・執行役員候補選定及び役員報酬額についての審議や新中期経営計画策定を踏まえた業績連動報酬制度の改定、取締役・執行役員候補の選定、サクセッションプラン、役員報酬に関する議論を行いました。
当社のコーポレート・ガバナンス体制は次のとおりです。

<その他の事項>
当社グループにおいては、その業務の適正を確保すべく以下のとおりリスク管理体制をはじめとする内部統制システムを構築しております。
(ア) 当社グループ全体のリスクに関する横断的な管理とその方針について、審議・提案・助言を行うために設置された「リスク管理委員会」は、その下部機関として主要なグループ会社の代表取締役も構成メンバーとする「安全環境委員会」、「品質・システム委員会」及び「コンプライアンス委員会」の三委員会を設置しております。「リスク管理委員会」は、三委員会に対する指示を行い、三委員会から付議・報告を受ける等して、事業に係る戦略リスク・重要投資案件のリスク等を含めて、当社グループ全体のリスク管理活動を統括しております。また、当社グループの事業において生じうるリスクについては、当社取締役会に報告を行い、当社取締役会がリスク管理体制の運用状況の監督を行っております。
(イ) 当社グループの業務執行の過程で発生する可能性のある、船舶・建物における重大な事故・トラブル等によるリスクにつきましては、「安全環境委員会規程」に基づき設置された「安全環境委員会」が、当社グループの安全及び環境に関する政策立案とその推進を行うとともに、予防的措置も含めた対策の徹底・強化を図っております。
(ウ) 当社グループのシステム及び事務に関するリスクにつきましては、「品質・システム委員会規程」に基づき設置された「品質・システム委員会」が、当社グループのシステム及び事務に関する政策立案とその推進を行うとともに、システムダウン等に係る予防的措置も含めた対策の徹底・強化を図っております。
(エ) 当社グループの取締役及び執行役員を含む使用人の職務の執行に係るコンプライアンスにつきましては、「サステナビリティ基本方針」及び「コンプライアンス規程」をコンプライアンス体制の基礎とし、「コンプライアンス委員会規程」に基づき設置された「コンプライアンス委員会」が、コンプライアンスに関する政策立案とその推進を図っております。また、「コンプライアンス規程」に基づき、社長執行役員に指名されたチーフコンプライアンスオフィサーは、監査役及び経営監査室と連携して、当社グループにおけるコンプライアンスに関する業務を指揮し、当社グループ役職員は「コンプライアンス規程」及び「外部通報制度運用規程」に基づき法令違反等に関する報告義務を負っております。
(オ) 当社グループの事業に関して、不測の事故、特に油濁等の環境汚染や、人命・財産に係る重大な事故・トラブル・大規模災害が発生した場合等の緊急時においては、「危機管理基本規程」に基づき当社社長執行役員を本部長とする緊急対策本部を設置し、危機管理に当たります。また、当社グループは事業地域において大規模地震等が発生した場合を想定した事業継続計画(BCP)を制定し、各事業の速やかな復旧と継続を図ることができる体制を整備しております。
(カ) 当社における取締役及び執行役員を含む使用人の職務の執行に係る情報の保存及び管理につきましては、「情報管理基本方針書」、「文書管理実施規程書」及び「情報セキュリティ基本規程」等の社内諸規程に基づき、管理責任者を定めて適切に保存し管理する体制をとっております。
(キ) 当社グループ各社の取締役等の職務の執行に係る事項については、当社の「関係会社管理規程」及び「職務権限規程」に基づき、重要事項が当社取締役会及び経営執行協議会に付議・報告されております。また、当社の執行役員を含む使用人は、必要に応じて当社グループ各社の取締役を兼務しており、当社グループ各社の取締役会への出席を通じて、職務の執行に係る事項の報告を受けております。
(ク) 当社グループ各社の企業活動は、当社が策定したグループ中期経営計画(下記(3)-2.①イ.参照)に基づき行われており、その進捗状況は定期的に当社に報告されております。
(ケ) 当社においては、監査役の職務を補助すべき使用人として監査役付1名を兼任として配置しております。当社においては、監査役付の任命、解任、人事異動等については常勤監査役の事前の同意を必要としております。また、監査役付は監査役の補助業務に従事する間は、監査役による指示業務を優先的に取り組むこととし、かつ役職員は監査役付の業務遂行に対して不当な制約を行わないことにより、監査役の監査役付に対する指示の実効性を確保しております。
(コ) 監査役への報告に関する体制は以下のとおりです。
ⅰ 監査役は、取締役会に出席し、取締役から職務の執行に関する報告を受けております。
ⅱ 常勤監査役は、原則として毎週開催される経営執行協議会に出席し、執行役員を含む使用人から職務の執行に関する報告を受けております。
ⅲ 常勤監査役は、経営執行協議会において受けた職務の執行に関する報告の内容を、原則として毎月1回開催される監査役会において他の監査役に報告する体制をとっております。
ⅳ 当社グループの役職員及び当社グループの取引関係者は当社グループ及び当社グループの役職員による組織的又は個人的な法令等に違反する行為、当社グループが定める各種内部規程に違反する行為及び倫理に違反する行為、並びに、その恐れのある行為(人権侵害行為、差別行為、各種ハラスメント行為を含む)があると判断した場合は、当社が速やかにその事実を認識し適正な是正措置を講じることができるよう、外部通報制度を設けております。「外部通報制度運用規程」においては、当社が指定する外部の法律事務所が通報の窓口となることが規定されております。常勤監査役は、外部通報窓口より報告を受けた当社コンプライアンス担当者から当該報告を受けます。
ⅴ 「コンプライアンス規程」及び「外部通報制度運用規程」では、外部通報をした当社グループの役職員及び当社グループの取引関係者に対して、不利益な取り扱いをしてはならない旨が明記されております。
(サ) 当社においては、監査役の職務の執行上必要と認められる費用等を支弁するため、毎年、一定額の予算を計上しております。但し、緊急又は臨時で支出した費用については、事後、会社に支払いを請求することとしております。
(シ) 当社においては、常勤監査役は、上記の他、業務執行の状況を把握するため、「リスク管理委員会」並びに「安全環境委員会」、「品質・システム委員会」及び「コンプライアンス委員会」等の重要な会議に出席し、報告を受ける体制をとっております。また、監査役は必要に応じ、随時、取締役及び執行役員を含む使用人に対し、事業の報告を求めることができます。さらに、監査役は、当社グループの監査を適正に実施するために、経営監査室と逐次、情報交換を行う等、緊密に連携する体制及び会計監査人に対しても当社グループ各社の会計監査の内容について説明を求めることができる体制をとっております。
(ス) 当社グループは「サステナビリティ基本方針」において「秩序や安全を脅かす反社会的勢力・団体とは一切かかわりません。」と定めるとともに、当社グループ共通の規程として「反社会的勢力対応規程」を設け、社会の秩序や安全を脅かすような団体・個人がかかわりを持ちかけてきたり、金銭等の要求をしてきた場合には、当社として組織的な対応と外部の専門的機関との緊密な連携により、断固としてこれを排除します。
<責任限定契約>
当社は、取締役(業務執行取締役等であるものを除きます。)及び監査役との間で、会社法第427条第1項の規定により、その職務を行うにつき善意でかつ重過失がないときは、賠償責任の限度額は法令の定める額とする責任限定契約を締結しております。
<役員等賠償責任保険契約>
当社は、当社及び当社の関係会社の取締役及び監査役全員を被保険者とする、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しており、当該保険により、被保険者が被る損害賠償金及び訴訟費用等が填補されます。
保険料は、特約部分も含め、全ての被保険者について当社が負担しており、被保険者の実質的な保険料負担はありません。但し、上記の保険契約により、被保険者の職務の執行の適正性が損なわれないようにするため、故意又は重過失に起因して生じた損害は填補されない等の免責事由を設けております。
<補償契約>
当社は各取締役及び監査役との間で、会社法第430条の2第1項に規定する補償契約を締結しており、同項第1号の費用及び同項第2号の損失を法令の定める範囲内において当社が補償することとしております。但し、被補償者の職務の執行の適正性が損なわれないようにするため、職務の執行において悪意又は重過失があった場合は補償を行わない旨等を当該補償契約において定めております。
以上の体制が、企業を構成する様々な主体(ステークホルダー)間の利害を調整し、効率的な企業活動を実現するために最適なコーポレート・ガバナンスの形態と考えております。
(3) 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
1.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業理念、経営の基本方針に基づく当社の企業価値の様々な源泉及び当社を支える各利害関係者との信頼関係を十分に理解した上で、当社の中長期的な企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上させることを真摯に目指す者でなければならないと考えております。
当社は、大規模買付行為であっても、当社の中長期的な企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるものであれば、これを一概に否定するものではありませんが、このような大規模買付行為の中には、専ら自身の短期的な利得のみを目的として行われるものや、株主の皆様に対して当該大規模買付行為の提案に関する情報や熟慮の機会が十分に確保されず、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの等当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なう大規模買付行為もあり得ます。
したがいまして、上記のような当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なう大規模買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
2.基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
当社は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みとして、下記①の中期経営計画等による企業価値向上のための取組み及び下記②のコーポレート・ガバナンスの充実のための取組みを実施しております。
① 中期経営計画等による企業価値向上のための取組み
ア.当社の事業の概要
当社は、中長期的な企業価値及び株主共同の利益の最大化を経営の重要課題と位置づけ、単一事業に依存することなく、異なる事業特性や収益構造を有する事業群を一体として運営する事業ポートフォリオ経営を基本方針としております。主としてグローバルな物流需要を基盤とする複数の海運事業と、国内を基盤とする不動産事業を展開し、契約期間や契約形態、市況のボラティリティが異なる事業を組み合わせることで、外部環境の変化や市況変動に対する耐性を高めつつ、ポートフォリオ全体としての安定収益の確保と資本効率の両立を図り、持続的な企業価値向上を目指しております。
海運事業においては、大型原油タンカー、ガス船及びケミカルタンカーを中心とした液体貨物輸送事業と、ドライバルク船によるばら積み貨物輸送事業を展開しております。液体貨物輸送事業では、中東諸国やアジア各国の顧客と長年に亘り信頼関係を築いており、ばら積み貨物輸送事業では、国内電力会社や製紙会社等との中長期契約に基づく専用船を主体とした安定輸送を担っております。これらの事業を通じ、社会・経済活動に不可欠な資源や原材料を安全かつ安定的に輸送することで、顧客との信頼を獲得し、事業基盤を確立しております。
不動産事業においては、東京都心部の優良立地におけるオフィスビル賃貸事業を中核としており、高稼働率による安定的なキャッシュ・フローの創出と、資産価値の維持・向上を実現することで、事業ポートフォリオ全体の安定性向上に寄与しております。飯野ビルディング(東京都千代田区内幸町)は、高い耐震性や高度なセキュリティ機能に加え環境性能を備えたオフィスビルとして、高い評価を受けております。同ビルをはじめとする保有不動産を通じて、長期安定収益の基盤を形成しております。
また、各事業において、事業基盤の重要な要素として、安全・安心の確保を最優先事項と位置付けております。
加えて、各事業に対してバランスの取れた投資を行っております。市況等の変動が収益に及ぼす影響の大きい海運事業においては、投資を実行するとともに市況耐性を高めるため、自社保有船と他社からの調達船のバランスを適切に組み合わせております。調達船の用船期間についても、短期・中期・長期と分け、船腹調達の多様化による事業リスクの低減を図っております。不動産事業においては、英国不動産への投資や米国不動産開発案件の出資で海外事業も展開し、収益力の安定性強化や事業の拡大を行っております。さらに、持続的な成長を支えるため、人材への継続的な投資及び育成を重要な経営課題と位置付け、事業横断的に人材を活用し、経営資源の最適配分に努めております。
これらの事業活動を通じて、事業ポートフォリオの強化・最適化により、持続的な企業価値向上を目指してまいります。
下記イ.の中期経営計画もこれらの方針に基づいて策定されておりますが、その方針は、当社の中長期的な企業価値、ひいては株主共同の利益の最大化に資するものと考えております。
イ.中期経営計画
当社グループは、2026年4月から開始する5年間のグループ中期経営計画 「Transformation for a Sustainable Future」 (計画期間:2026年4月~2031年3月、以下「本計画」という)を策定しました。
<前中期経営計画「The Adventure to Our Sustainable Future」の振り返り>
2023年5月に発表した前中期経営計画「The Adventure to Our Sustainable Future」 (計画期間:2023年4月~2026年3月、以下「前計画」という) では、ポートフォリオ経営とカーボンニュートラルへの挑戦をテーマに、従来の海運業と不動産業を軸とするIINO MODELを出発点としつつ、持続的な成長に向けた事業ポートフォリオ経営への挑戦に踏み出しました。その結果、前計画の数値目標を3年連続で達成するとともに、計画していた成長投資についても概ね予定どおり実行しました。これらの取組みを通じて、事業ポートフォリオの安定性が向上し、当社グループの財務基盤は一段と強固なものとなりました。一方で、当社グループを取り巻く事業環境は、中東地域を中心とした地政学的な緊張により、エネルギー供給や物流への影響が顕在化する等不確実性が高まっています。また、資本市場からは、収益の安定性と資本効率の更なる向上を両立する経営への期待が、これまで以上に高まっています。こうした状況を踏まえ、短期的な課題対応に加え、構造変化や将来環境を長期的な視点で捉えた成長戦略の重要性が一層増大しています。
<新中期経営計画「Transformation for a Sustainable Future」の概要>
本計画は、こうした環境認識の下、2050年長期ビジョン及び2035年中期ビジョンからバックキャストし、その実現に向けた最初の5年間の計画として策定いたしました。前計画がSustainable Futureに向けた「挑戦・冒険」であったのに対し、本計画では、Sustainable Futureを実現するために、資本効率と成長投資を両立する「変革」をテーマに掲げ、更に進化していくという意志を、「Transformation」という計画名に込めています。
本計画の重点戦略として、事業戦略、財務資本戦略及び脱炭素化戦略の3つの戦略を軸に、諸施策を実行していきます。具体的には、前計画で強化された財務基盤のもと、5年間で約2,000億円の投資を、主に成長・新規事業及び主力事業へ配分し、事業ポートフォリオのリバランスを進めます。この成長投資の実行に当たっては、財務規律を守りつつ、保有不動産の価値も考慮した財務レバレッジの活用により、資本コストを上回る成長投資と資本効率の両立を目指します。加えて、この成長投資から創出される利益を原資に、配当性向40%を基準とした配当の継続を基本としつつ、新たに下限配当の導入や、機動的な自己株式の取得を実施し、株主還元をより一層充実させていきます。
また、重点戦略を支える事業基盤戦略の取組みとして、人的資本経営の推進や、適切なガバナンス体制の深度化等を進めていきます。その一環として、経営戦略の策定から実行、資本市場との対話までを一体的に強化するため、管理部門の組織体制を変更します。本組織変更により、事業戦略及び財務資本戦略と、資本市場との対話を有機的に結び付け、戦略の実効性と社内外へのメッセージの一貫性を高めていきます。
本計画の詳細につきましては当社ホームページをご参照ください。
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS00371/5f112f1f/bad6/4d3a/8a65/71fffc7cace7/20260430154936543s.pdf
② コーポレート・ガバナンスの充実のための取組み
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方及びコーポレート・ガバナンスに関する施策の実施状況につきましては、上記「(1)コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方」及び上記「(2) 企業統治の体制」をご参照下さい。
3.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、2025年5月8日開催の当社取締役会において、当社の株券等の大規模買付行為に関する概ね下記の内容の対応方針(以下「本方針」といいます。)を導入することを決定し、本方針の導入については同年6月26日開催の第134期定時株主総会において、出席株主の皆様の過半数のご賛同を得て承認可決いただいております。なお、本方針の有効期間は、2028年に開催予定の当社第137期定時株主総会の終結時までです。
本方針の詳細については、当社ホームページをご参照下さい。
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS00371/1df83b94/4a30/4f5d/a982/f103e780abdf/140120250508533725.pdf
記
① 本方針の対象となる行為
本方針は、(ⅰ)当社の株券等の保有者及びその共同保有者並びに当社の株券等の買付け等を行う者及びその特別関係者(以下「特定株主グループ」といいます。)の議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社の株券等の買付行為、(ⅱ)結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となるような当社の株券等の買付行為、又は、(ⅲ) 上記(ⅰ)若しくは(ⅱ)に規定される各行為が行われたか否かにかかわらず、当社の特定株主グループが、当社の他の株主との間で行う行為であり、かつ、当該行為の結果として当該他の株主が当該特定株主グループの共同保有者に該当するに至るような合意その他の行為、又は当該特定株主グループと当社の他の株主との間にその一方が他方を実質的に支配し若しくはそれらの者が共同ないし協調して行動する関係を樹立する行為(但し、当社の株券等につき当該特定株主グループと当該他の株主の議決権割合の合計が20%以上となるような場合に限ります。)(いずれの行為も事前に当社取締役会が同意したものを除きます。このような買付行為を以下「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行い又は行おうとする者を以下「大規模買付者」といいます。)を対象としております。
② 大規模買付ルールの設定
本方針において大規模買付者に従って頂く手続(以下「大規模買付ルール」といいます。)の概要は以下のとおりです。
ア.大規模買付意向表明書の当社への事前提出
まず、大規模買付者には、大規模買付行為に先立ち、当社代表取締役社長に対して、大規模買付ルールに従って大規模買付行為を行う旨の誓約等を記載した書面(以下「大規模買付意向表明書」といいます。)を提出して頂きます。
イ.大規模買付情報の提供
当社は、大規模買付意向表明書を提出して頂いた日から10営業日(初日不算入)以内に、大規模買付者に対して、提供して頂くべき情報が記載された書面(以下「提供情報リスト」といいます。)を発送いたしますので、大規模買付者には、提供情報リストに従って十分な情報を当社代表取締役社長に提供して頂きます。
提供情報リストに従い大規模買付者から提供して頂いた情報では、当該大規模買付行為の内容及び態様等に照らして、株主の皆様のご判断及び当社取締役会の評価・検討等のために不十分であると当社取締役会が外部専門家等の助言を得た上で当社取締役会から独立した組織である特別委員会に諮問し、その勧告を最大限尊重した上で合理的に判断する場合には、当社取締役会が別途請求する追加の情報を大規模買付者から提供して頂きます。
また、当社は、大規模買付者から提供された情報が、大規模買付行為に対する株主の皆様のご判断及び当社取締役会の評価・検討等のために必要かつ十分な情報(以下「大規模買付情報」といいます。)として十分であり、大規模買付情報の提供が完了したと当社取締役会が特別委員会に諮問し、その勧告を最大限尊重した上で合理的に判断するときには、速やかに、大規模買付者に対して、その旨の通知(以下「情報提供完了通知」といいます。)を行うとともに、その旨を開示いたします。
ウ.取締役会評価期間の設定等
当社は、情報提供完了通知を行った後、必要に応じて外部専門家等の助言を得た上で、大規模買付行為の評価の難易度等に応じて、最長60日間又は90日間を、当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成及び代替案立案のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます。)として設定します。
当社取締役会は、取締役会評価期間中に、大規模買付行為に関する当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめ、大規模買付者に通知するとともに、速やかに株主の皆様に開示いたします。
なお、当社取締役会が取締役会評価期間内に当社取締役会としての意見をとりまとめることができないことにつきやむを得ない事情がある場合には、当社取締役会は、必要に応じて外部専門家等の助言を得た上で、特別委員会に対して、その是非について諮問し、その勧告を最大限尊重した上で、合理的に必要と認められる範囲内で取締役会評価期間を最長30日間延長することができるものとします(なお、当該延長は一度に限るものとします。)。
大規模買付者は、取締役会評価期間の経過後においてのみ、大規模買付行為を開始することができるものとします。
③ 大規模買付行為がなされた場合における対応方針
大規模買付者が大規模買付ルールに従わずに大規模買付行為を行い又は行おうとする場合には、当社取締役会は、特別委員会に諮問し、その勧告を最大限尊重した上で、必要かつ相当な対抗措置を発動することといたします。
これに対して、大規模買付者が大規模買付ルールに従って大規模買付行為を行い又は行おうとする場合には、原則として、当該大規模買付行為に対する対抗措置は発動しません。但し、当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうものであると認められる場合には、当社取締役会は、特別委員会に諮問し、その勧告を最大限尊重した上で、必要かつ相当な対抗措置を発動することがあります。
当社取締役会が対抗措置を発動する場合には、社外監査役を含む当社監査役全員(但し、事故その他やむを得ない事由により当該取締役会に出席することができない監査役を除きます。)の賛成を得た上で決議することといたします。
なお、(ⅰ)特別委員会が株主意思確認総会(以下に定義します。)を招集することを勧告した場合、又は、(ⅱ)当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうものであると認められる場合には、対抗措置の発動に際して、その是非につき株主の皆様のご意思を確認するための株主総会(以下「株主意思確認総会」といいます。)を招集し、対抗措置を発動するか否かのご判断を株主の皆様に行って頂くことができるものとします。但し、当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうものであることが明白である所定の場合に該当するときを除き、当社取締役会は、株主意思確認総会を招集することなく、対抗措置の発動の決議をすることができないものとします。株主意思確認総会を招集する場合には、当社取締役会は、特別委員会への諮問の手続を経ることなく、株主意思確認総会決議の内容に従って対抗措置の発動の決議をすることができます。
本方針における対抗措置としては、新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)の無償割当てその他法令及び当社の定款上認められる手段を想定しております。そして、本新株予約権については、当社の株券等の大量保有者等は非適格者として行使することができない旨の差別的行使条件を定めております。また、当社は、上記非適格者以外の株主の皆様が所有する本新株予約権を取得し、これと引替えに本新株予約権1個につき当社の普通株式1株の交付を行うことができる旨の差別的取得条項を定めております。
④ 本方針の廃止及び変更
本方針の有効期間の満了前であっても、(ⅰ)当社株主総会において本方針の廃止若しくは変更が決議された場合又は(ⅱ)当社取締役会において本方針の廃止が決議された場合には、本方針はその時点で廃止又は変更されます。また、(ⅲ)2026年以降毎年の当社定時株主総会の終結直後に開催される当社取締役会において、本方針の継続が決議されなかった場合には、本方針はその時点で廃止されます。
4.上記2.の取組みについての当社取締役会の判断
当社は、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を向上させるための取組みとして、上記2.の取組みを実施しております。これらの取組みの実施を通じて、当社の中長期的な企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を向上させ、それを当社の株式の価値に適正に反映させていくことにより、上記のような当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なう大規模買付行為は困難になるものと考えられ、これらの取組みは、上記1.の基本方針に資するものであると考えております。
したがいまして、上記2.の取組みは上記1.の基本方針に沿うものであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
5.上記3.の取組みについての当社取締役会の判断
上記3.の取組みは、十分な情報の提供と十分な検討等の期間の確保の要請に応じない大規模買付者及び当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なう大規模買付行為を行い又は行おうとする大規模買付者に対して、対抗措置を発動できることとしています。したがいまして、上記3.の取組みは、これらの大規模買付者による大規模買付行為を防止するものであり、上記1.の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みであります。また、上記3.の取組みは、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し又は向上させることを目的として、大規模買付者に対して、当該大規模買付者が実施しようとする大規模買付行為に関する必要な情報の事前の提供及びその内容の評価・検討等に必要な期間の確保を求めるために導入されるものです。さらに、上記3.の取組みにおいては、株主意思の重視(株主総会決議による導入、株主意思確認総会の招集及びサンセット条項)、合理的かつ客観的な対抗措置発動要件の設定、特別委員会の設置等の当社取締役会の恣意的な判断を排し、上記3.の取組みの合理性・公正性を確保するための様々な制度及び手続が確保されているものであります。
したがいまして、上記3.の取組みは上記1.の基本方針に沿うものであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(4) 取締役の定数
当社の取締役は8名以内とする旨を定款に定めております。
(5) 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役を選任する株主総会には、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び取締役の選任は、累積投票によらない旨を定款に定めております。
(6) 株主総会決議事項を取締役会で決議することができることとしている事項
① 自己の株式の取得
当社は、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、会社法第165条第2項の規定により、市場取引等により、取締役会の決議によって、自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。
② 中間配当
当社は、株主への機動的な利益配分を行うため、取締役会の決議によって、毎年9月30日の最終の株主名簿に記録された株主又は登録質権者に対し、会社法第454条第5項に定める剰余金の配当(中間配当)をすることができる旨を定款に定めております。
(7) 当事業年度の取締役会への出席状況
個々の出席状況については次のとおりであります。
(注1) 監査役 神宮知茂氏は2025年6月26日開催の第134期定時株主総会終結の時をもって退任しておりますので、退任までの取締役会の開催回数と出席回数を記載しております。
(注2) 監査役 清水紀和氏は2025年6月26日開催の第134期定時株主総会をもって選任され就任いたしましたので開催回数及び出席回数は就任後のものです。
取締役会においては、経営の基本方針や経営戦略を含む経営全般に関わる重要事項、中期経営計画の進捗、重要な投融資案件に関する事項、法定・定款事項、コーポレート・ガバナンス等の審議及び決議を行いました。
<取締役・監査役の専門性と経験>
当社のスキルマトリックスについて
中期経営計画FY2023-2025における重点戦略及び事業基盤戦略の推進にあたり、“取締役会が持つべきスキル(知識、経験、能力)” を指名・報酬諮問委員会にて議論し、下記の8つのスキルを選定しました。
各自が有する全ての経験又はスキルを表すものではなく、各取締役及び監査役に期待し重視するスキルに●を記しています。当社取締役会は、取締役会全体として8つのスキルを備える機関とし、適切な経営の監督を実践してまいります。
[提出日現在のスキルマトリックス]
スキル選定理由・定義については次のとおりです。
[定時株主総会後のスキルマトリックス]
中期経営計画FY2026-2030における重点戦略及び事業基盤戦略の推進にあたり、“取締役会が持つべきスキル(知識、経験、能力)”を指名・報酬諮問委員会にて議論し、下記の8つのスキルを選定しました。
当社取締役会は、取締役会全体として8つのスキルを備える機関とし、適切な経営の監督を実践してまいります。
※上記は、各氏の有する全ての知見・経験を表すものではありません。
スキル選定理由・定義については次のとおりです。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
a.2026年6月23日(有価証券報告書提出日)現在の役員の状況は、以下のとおりであります。
男性 10名 女性 2名 (役員のうち女性の比率16.7%)
(注) 1.取締役三好真理氏、野々村智範氏、髙橋静代氏及び姫野毅氏は社外取締役であります。
また監査役福田健吉氏及び三宅雄大氏は社外監査役であります。
2.当該取締役の任期は2025年3月期に係る定時株主総会終結の時から2026年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
3.当該監査役の任期は2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2028年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります
4.当該監査役の任期は2025年3月期に係る定時株主総会終結の時から2029年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
5.当社では迅速かつ的確な意思決定を行うとともに、コーポレートガバナンスの体制を強化するため、2004年6月29日より執行役員制度を導入しております。執行役員(取締役兼務者を除く)は11名であります。
6.当社は、法令に定める監査役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定める補欠監査役1名を選任しております。
補欠監査役の略歴は次のとおりであります。
(注) 補欠監査役の任期は、就任した時から退任した監査役の任期の満了する時までであります。
b.2026年6月25日開催予定の第135回定時株主総会(決議事項)として、「第2号議案 取締役8名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決され、また、その後に開催される取締役会及び監査役会それぞれの決議をもって、当社の役員の状況は以下のとおりとなる予定であります。
男性 10名 女性 2名 (役員のうち女性の比率16.7%)
(注) 1.取締役三好真理氏、野々村智範氏、髙橋静代氏及び姫野毅氏は社外取締役であります。
また監査役福田健吉氏及び三宅雄大氏は社外監査役であります。
2.当該取締役の任期は2026年3月期に係る定時株主総会終結の時から2027年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
3.当該監査役の任期は2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2028年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
4.当該監査役の任期は2025年3月期に係る定時株主総会終結の時から2029年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
5.当社では迅速かつ的確な意思決定を行うとともに、コーポレートガバナンスの体制を強化するため、2004年6月29日より執行役員制度を導入しております。執行役員(取締役兼務者を除く)は11名であります。
6.当社は、法令に定める監査役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定める補欠監査役1名を選任しております。
補欠監査役の略歴は次のとおりであります。
(注) 補欠監査役の任期は、就任した時から退任した監査役の任期の満了する時までであります。
② 社外役員の状況
<社外取締役の員数>:4名
<社外監査役の員数>:2名
<社外取締役及び社外監査役と会社との人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係>
・ 社外取締役三好真理氏は、長年にわたり外交官として培ってきた豊富な経験と知識を有しており、幅広い見地から当社経営に対する的確な助言、独立の立場からの監督機能を発揮していただくため、社外取締役として選任しております。なお、同氏は、当社株式30百株保有しております。
・ 社外取締役野々村智範氏は、上場企業法務責任者として培った豊富な知識と経験に加え、企業経営責任者としても豊富な知識と経験を有しております。これらのことから、社外取締役として、経営の意思決定に際して客観的な立場で意見及び取締役の業務執行の監督の役割を適切に遂行できるものと期待し、社外取締役として選任しております。なお、同氏は、当社株式13百株保有しております。
・ 社外取締役髙橋静代氏は、業務・IT両面に強みをもつコンサルタントとして、多種の企業のDX推進などに関わることによって豊富な経験や知識を培い、また事業会社の取締役の経験を経て経営全般に対する幅広い見識を有しております。これらのことから、社外取締役として、経営の意思決定に際して客観的な立場で意見及び取締役の業務執行の監督の役割を適切に遂行できるものと期待し、社外取締役として選任しております。なお、同氏は、当社株式13百株保有しております。
・ 社外取締役姫野毅氏は、企業経営者として培った豊富な知識と経験を有しており、社外取締役として経営の意思決定において客観的な立場で意見を述べ、取締役の業務執行を適切に監督する役割を果たしていただけることを期待し、社外取締役として選任しております。なお、同氏は、当社株式8百株保有しております。
・ 社外監査役福田健吉氏は、当社の取引先である株式会社日本政策投資銀行の出身者であり、当社と同社との間に資金融資等の取引関係があります。同氏は、金融機関における豊富な経験と知識及び経営者としての豊富な経験と見識を当社の監査に反映していただくため、また、外部の視点から業務執行に対する監督機能の強化を図るため、社外監査役として選任しております。なお、同氏は、当社株式8百株保有しております。
・ 社外監査役三宅雄大氏は、弁護士として培った企業法務に関する豊富な専門知識と経験を有しており、2018年6月より当社補欠監査役に選任しておりましたが、2024年6月より社外監査役として選任しております。なお、同氏は、当社株式18百株保有しております。
<社外取締役及び社外監査役が会社の企業統治において果たす機能及び役割>
社外取締役は利害関係のない中立的な立場から、取締役の職務執行の状況について必要な指摘や明確な説明を求めることにより、取締役及び執行役員を含む使用人への監視機能を発揮しております。
また、社外監査役は利害関係のない中立的な立場から、取締役及び執行役員を含む使用人の職務執行の状況について、必要な指摘や明確な説明を求めることにより、取締役への監視機能を発揮しております。
なお、当社は社外取締役4名及び社外監査役2名を独立役員として指定しております。経営陣から独立した中立的な視点から、社外取締役と社外監査役による経営監視体制を整備しております。
<社外取締役及び社外監査役を選任するための独立性に関する基準>
社外取締役及び社外監査役(あわせて以下「社外役員」という)に求められる独立性及び資質に関して以下の「社外役員の独立性及び資質に関する基準」を定めております。
「社外役員の独立性及び資質に関する基準」
本基準は当社における社外役員の候補者に関する独立性判断基準及び候補者に求められる資質を定めるものとする。
(社外取締役)
社外取締役候補者には、会社法に定める社外取締役の要件を満たし、かつ、優れた人格、見識及び能力と豊富な経験とを有し、その責務を適切に果たすことのできる者であって、建設的な意見を持ち、当社のより一層の成長に対する貢献が期待できる人物を指名し、取締役会全体としての知識・経験・能力のバランスと多様性の確保にも配慮するものとする。
(社外監査役)
社外監査役候補者には、会社法に定める社外監査役の要件を満たし、かつ、優れた人格、見識及び能力と豊富な経験とを有し、その責務を適切に果たすことのできる者を指名し、財務・会計・企業法務に関する適切な知見を有する者が含まれるよう配慮するものとする。
(社外役員の独立性判断基準)
当社は、社外役員又は社外役員候補者が、次の各項目のいずれにも該当しないと判断される場合に、独立性を有しているものと判断する。
1.当社又は当社子会社の業務執行者(注1)
2.当社を主要な取引先とする者(注2)又はその業務執行者
3.当社の主要な取引先(注3)又はその業務執行者
4.当社の現在の大株主(総議決権の10%以上の議決権を直接又は間接的に保有している者)又はその業務執行者
5.当社の会計監査人又はその社員等として当社の監査業務を担当している者
6.当社から役員報酬以外に、多額(注4)の金銭その他の財産上の利益を受けているコンサルタント又は会計、法律、税務その他の専門家。これらの者が法人、組合等の団体である場合は当該団体に所属する者を含む。
7.当社から多額(注4)の寄付又は助成を受けている者。これらの者が法人、組合等の団体である場合はその理事その他の業務執行者を含む。
8.当社の業務執行取締役、常勤監査役が他の会社の社外取締役又は社外監査役を兼任している場合において、当該他の会社の業務執行取締役、執行役又は執行役員である者
9.上記1~8に過去3年間において該当していた者(注5)
10.上記1~9に該当する者、又は、社外監査役の独立性を判断する場合については以下に掲げる者が重要な者(注6)である場合において、その者の配偶者又は二親等内の親族
(a) 当社の会計参与(当該会計参与が法人である場合は、その職務を行うべき社員を含む。以下同じ)
(b) 当社の子会社の業務執行者でない取締役又は会計参与
(c) 過去3年間において上記(a)、(b)又は当社の業務執行者でない取締役に該当していた者
(注1)業務執行者とは、業務執行取締役、執行役、執行役員その他これらに準じる者及び使用人をいう。
(注2)当社を主要な取引先とする者とは、取引先の直近事業年度の年間連結売上高の2%以上の額の支払いを当社から受けた者をいう。
(注3)当社の主要な取引先とは、直近事業年度における当社の年間連結売上高の2%以上の額の支払いを当社に行っている者又は直近事業年度末における当社の連結総資産の2%以上の額を当社に融資している者をいう。
(注4)多額とは、直近事業年度において当社から受けた財産上の利益が個人の場合は年間1,000万円以上をいい、法人、組合等の団体の場合は、年間1,000万円以上でかつ、当該団体の直近事業年度の年間連結売上高又は総収入の2%以上の額をいう。
(注5)上記4に関しては、過去3年間において、当社の現在の大株主の業務執行者であった者をいう。
(注6)重要な者には、取締役(社外取締役を除く)、監査役(社外監査役を除く)、執行役員及び部長以上の管理職にある使用人、監査法人に所属する公認会計士及び法律事務所に所属する弁護士(いわゆるアソシエイトを含む)が含まれる。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部
統制部門との関係
社外取締役は取締役会への出席を通じて、監査役監査及び会計監査の各監査結果等の報告を受け、適宜必要な指摘を行っております。また、「リスク管理委員会」「安全環境委員会」「コンプライアンス委員会」及び「品質・システム委員会」等の内部統制に関わる重要な会議での討議内容については、社外取締役は経営企画部担当執行役員より報告を受け、適宜必要な指摘を行い、相互に連携を図る体制を整備しております。
一方、社外監査役は取締役会及び監査役会への出席を通じて、内部監査、監査役監査及び会計監査の各監査結果等の報告を受け、適宜必要な指摘を行っております。また、「リスク管理委員会」「安全環境委員会」「コンプライアンス委員会」及び「品質・システム委員会」等の内部統制に関わる重要な会議での討議内容については、社外監査役は常勤監査役より報告を受け、適宜必要な指摘を行い、相互に連携を図る体制を整備しております。
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査の状況
当事業年度末における社外監査役2名を含む監査役4名は、監査役会が定めた監査方針に従い、取締役会に出席し、取締役等からその職務執行等の状況を聴取し、また、決裁書類等を閲覧する等監査業務を遂行し、監査役付1名が監査役監査業務の遂行をサポートしております。
常勤監査役については、業務執行の状況を把握するため、原則として毎週開催される経営執行協議会や、年間複数回開催される「リスク管理委員会」「安全環境委員会」「コンプライアンス委員会」「品質・システム委員会」等の内部統制に関わる重要な会議に原則として毎回出席し、報告を受け、適宜必要な指摘を行っております。
監査役は経営監査室及び会計監査人の独立性を監視しつつ会計監査人と連携し、相互補完し、各々の監査の精度を高めており、定例監査役会を毎月開催し、監査結果を相互に確認し、監査の質を向上させています。
監査役会においては、年間の監査計画の策定や、監査報告の作成、監査役の選任に関する同意、会計監査人の選任等に関する議案の内容の決定、会計監査人の報酬等に関する同意等を議題としております。
また、会計監査人との連携については、当事業年度においては、監査役会の席上会計監査人から
・監査計画の説明:8月
・年度監査の実施状況等報告:8月、2月
・期中レビュー結果報告:11月
・会社法監査結果の報告:5月
・金商法監査結果の報告:6月
等を受けるとともに、監査役会・会計監査人・経営監査室とで意見交換を行っております。
また、監査役会は当事業年度において、社外取締役との意見交換会を5月、7月、10月、1月に、代表取締役との意見交換会を4月、10月に実施し、それぞれ当事業年度の経営課題等に関して幅広く意見交換・情報交換を行っております。
常勤監査役である橋村義憲氏及び清水紀和氏について、橋村義憲氏は公認会計士・税理士であり、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。また、清水紀和氏は当社グループの経理業務を受託している関係会社の社長としての経験があり、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。
社外監査役である福田健吉氏及び三宅雄大氏について、福田健吉氏は金融機関における豊富な業務経験と知識を有し、三宅雄大氏は弁護士として培った企業法務に関する豊富な専門知識と経験を有しております。
個々の監査役の出席状況については次のとおりであります。
(注1) 常勤監査役 神宮知茂氏は2025年6月26日開催の第134期定時株主総会終結の時をもって退任しておりますので、退任までの監査役会の開催回数と出席回数を記載しております。
(注2) 常勤監査役 清水紀和氏は2025年6月26日開催の第134期定時株主総会をもって選任され就任いたしましたので開催回数及び出席回数は就任後のものです。
② 内部監査の状況
社長執行役員直属の経営監査室(1名)は、「内部監査規程」に基づき、当社グループ全体の業務執行の適正確保を目的として、当社監査役及び会計監査人と連携し、業務監査を含めた内部監査を行っております。
経営監査室は、社長執行役員に対して内部監査の内容を報告するとともに、毎月の監査役会で内部監査の内容を共有し、意見交換を行っております。
また、取締役会に対して内部監査及び内部統制評価の実施状況及び翌年度の内部監査計画を報告する体制を整えており、当事業年度においては、2026年3月に実施しております。
③ 会計監査の状況
a.監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
b.継続監査期間
17年間
c.業務を執行した公認会計士
指定有限責任社員 業務執行社員 西田 俊之氏(3年)
指定有限責任社員 業務執行社員 康 恩実氏(1年)
d.監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る2025年度における補助者は、公認会計士14名、その他38名であります。
e.監査法人の選定方針と理由
監査法人の独立性、専門性、品質管理体制、監査の実施体制、監査報酬の見積額等を総合的に勘案したうえで決定しております。
f.監査役及び監査役会による監査法人の評価
当社の監査役及び監査役会は、監査法人の独立性、監査体制、監査の実施状況や品質等に関する情報収集を行い、当社の会計監査人の評価基準に基づき評価を行った結果、監査の方法、結果、監査時間及び監査報酬等を相当と評価しました。
④ 監査報酬の内容等
a.監査公認会計士等に対する報酬の内容
提出会社における主な非監査業務の内容は、インターナルカーボンプライシングの導入及び運用プロセスに関する助言業務であります。
b.監査公認会計士等と同一のネットワーク(KPMGネットワーク・ファーム)に対する報酬(a.を除く)
連結子会社における主な非監査業務の内容は、税務申告支援業務であります。
c.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
d.監査報酬の決定方針
当社の監査法人に対する監査報酬の決定方針としましては、監査内容、監査日数、人員数等を勘案し、監査法人と協議の上、監査役会の同意を得て決定しております。
e.監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
取締役会が提案した会計監査人に対する報酬等に対して、当社の監査役会は、会計監査人の監査計画の内容や報酬見積り等を確認し検討した結果、当社の事業規模や事業内容に適切であると判断し、会社法第399条第1項の同意を行っております。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等に関する方針等
ア.役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
(ア) 取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針に関する事項
当社は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして十分に機能し、株主利益とも連動し企業価値の向上に資するインセンティブとなるよう配慮して決定することを基本方針として、取締役の個人別の報酬等の内容にかかる決定方針(以下、「決定方針」という。)の原案を作成するよう指名・報酬諮問委員会に諮問し、その答申内容を尊重して取締役会において決定方針を決議しております。2024年7月より実施している決定方針の内容の概要は以下のとおりです。
<決定方針の内容の概要>
1.基本方針
取締役の個別の報酬については、企業価値の向上に資するインセンティブとなるよう配慮して決定することを基本方針とする。
具体的には、業務執行取締役の報酬については、①各取締役の職位に応じて設定された固定報酬及び「CDP気候変動質問書」におけるCDPスコアに応じて支給する業績連動報酬からなる月例報酬、②連結当期純利益等を主要な指標とした業績の達成度合いや重大事故発生の有無を考慮して支給される賞与及び③全業務執行取締役を対象とした株式購入報酬により構成する。監督機能を担う社外取締役については、その職務に鑑み、固定報酬(月例報酬)のみを支払うこととする。
2.月例報酬の個人別の報酬等の額の決定に関する方針
取締役の固定報酬は、職位に応じて設定された月例報酬とする。
3.賞与(金銭報酬)並びに非金銭報酬等の内容及び額又は数の算定方法の決定に関する方針(報酬等を与える時期又は条件の決定に関する方針を含む。)
月例報酬のうちの業績連動報酬については環境に関する非財務指標としてCDPスコアを指標とする。
賞与は、企業価値向上に向けての新たな設備投資や株主還元の直接的な原資となる連結当期純利益を主要な指標とし、人為的な事由に起因する重大事故(海難事故等に限らず、情報システム障害や事務過誤による事故等も含まれます。)が生じた場合には減額を行う安全に関する非財務指標も採用し、毎年、一定の時期に支給する。
株式購入報酬制度は、株主と株主価値共有を一層深め、当社中期経営計画の達成に向けた経営陣の姿勢を明確化し、企業価値向上に向けた取組みをさらに推進させることを目的として、業務執行取締役の月例報酬のうち、職位に応じて設定された金額を役員持株会へ拠出させるとともに、役員持株会が市場から時価で取得した当社の株式(持分株式)を、原則として事業年度末営業日に、役員持株会から引き出させることにより、業務執行取締役に当社の株式を交付する制度である。株式購入報酬制度は、持分株式の価値が株価に連動し、業務執行取締役が株主と株主価値を共有することで、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指すことが可能となる。重大な不正会計や巨額損失等が発生した場合は、その責任に応じ、株式購入報酬制度により役員持株会で取得した株式の全部又は一部を無償返還するクローバック条項を適用する。
4.金銭報酬の額、業績連動報酬等の額又は非金銭報酬等の額の取締役の個人別の報酬等の額に対する割合の決定に関する方針
業務執行取締役の報酬等については、短期的な業績の向上のみならず、中長期的な企業価値の向上に資するインセンティブとなるよう配慮して、固定報酬(月例報酬)、業績連動報酬(月例報酬)、業績連動報酬(賞与)及び業績連動報酬(株式購入報酬)の割合を決定する。社外取締役については、その職務に鑑み、固定報酬(月例報酬)のみを支払うこととする。
5.取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する事項
個人別の報酬額については、独立社外取締役を委員長とする指名・報酬諮問委員会での答申を踏まえ、各取締役の個別の報酬額を社外取締役及び社外監査役の出席する取締役会において決定する。なお、2024年6月以前は、業務執行取締役の報酬については、職位に応じて設定された固定の月例報酬、各事業年度の連結当期純利益等の目標値に対する達成度合いに応じて支給される賞与及び株式購入報酬により構成する方針としておりました。
<当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容が決定方針に沿うものであると取締役会が判断した理由>
当事業年度に係る取締役の個人別の固定報酬(月例報酬)の額、当事業年度に係る業務執行取締役の個人別の業績連動報酬(月例報酬)の額及び株式購入報酬制度に係る拠出金の額、並びに当事業年度に係る業務執行取締役の個人別の賞与のうち2025年7月支給分の額の決定に当たっては、独立社外取締役を構成員の過半数とする指名・報酬諮問委員会での答申を踏まえ、社外取締役及び社外監査役の出席する取締役会において、決定方針との整合性も含めて慎重に審議をした上で決議を行ったため、決定方針に沿うものであると判断しました。なお、当事業年度に係る業務執行取締役の個人別の賞与のうち2026年7月支給分の額についても、独立社外取締役を構成員の過半数とする指名・報酬諮問委員会での答申を踏まえ、本株主総会後に実施される社外取締役及び社外監査役の出席する取締役会において、決定方針との整合性も含めて慎重に審議をした上で決議を行う予定であることから、決定方針に沿うものになると判断しております。
(イ) 監査役の報酬等
下記ウ.に記載のとおり、監査役の金銭報酬の額は、2006年6月29日開催の第115期定時株主総会において年額1億20百万円以内と決議しております。監査役の報酬は、固定報酬のみとし、その額は、監査役会における監査役の協議により決定しております。
イ.業績連動報酬に係る指標、当該指標を選択した理由及び業績連動報酬の額の決定方法並びに非金銭報酬等の内容
① 賞与
業務執行取締役に対して2025年7月に支給した賞与は、2025年3月期の連結当期純利益等の目標値に対する達成度合いに応じて算定しました。また、業務執行取締役に対して2026年7月に支給予定の賞与は、同年3月期の連結当期純利益等の目標値に対する達成度合いと重大事故発生の有無を考慮して算定する予定です。
企業価値向上に向けての新たな設備投資や株主還元の直接的な原資となる連結当期純利益を主要な指標とすることで、中長期的な企業価値の向上に資するインセンティブとなると判断しております。連結当期純利益等の指標の目標は前事業年度の実績に基づいて設定しており、2025年3月期の連結当期純利益の実績値は183億67百万円、2026年3月期の連結当期純利益の実績値は153億91百万円でした。
② 業績連動型月例報酬
業務執行取締役の当事業年度に係る業績連動型月例報酬は、環境に関する情報開示を支援する国際的な非営利組織であるCarbon Disclosure Projectから付与されたスコア(以下「CDPスコア」という)に応じて算定しました。
当社は前中期経営計画「The Adventure to Our Sustainable Future」において、脱炭素社会の実現に向けた計画策定と実行を重点戦略の一つと位置づけており、CDPスコアを指標とすることでその達成に資するインセンティブとなると判断しております。CDPスコアの目標は、従前のスコア実績や同業他社の取組み状況を考慮して設定しており、「CDP気候変動質問書」におけるCDPスコアの実績は、目標を上回りました。
③ 株式購入報酬制度
業務執行取締役の当事業年度に係る株式購入報酬制度は、月例報酬から職位に応じて設定された金額を役員持株会へ拠出させるとともに、役員持株会が市場から時価で取得した当社の株式を当事業年度末営業日に役員持株会から引き出させることにより当社の株式の交付を行いました。
株式購入報酬制度は、持分株式の価値が株価に連動し、業務執行取締役が株主と株主価値を共有することで、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指すことが可能となると判断しております。
なお、株価を指標とすることからその実績は東京証券取引所における市場相場であり、目標は設定しておりません。
ウ.取締役及び監査役の報酬等についての株主総会の決議に関する事項
当社取締役の金銭報酬の額は、2006年6月29日開催の第115期定時株主総会において年額5億円以内と決議しております(使用人兼務取締役の使用人分給与は含まない)。当該定時株主総会終結時点の取締役の員数は10名(うち社外取締役は0名)です。当社監査役の金銭報酬の額は、2006年6月29日開催の第115期定時株主総会において年額1億20百万円以内と決議しております。当該定時株主総会終結時点の監査役の員数は4名です。
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 1.当事業年度末現在の取締役は8名(うち社外取締役は4名)、監査役は4名(うち社外監査役は2名)であります。上記の支給人員と相違しておりますのは、2025年6月26日開催の第134期定時株主総会終結の時をもって退任した監査役1名が含まれているためです。
2.業績連動報酬等(月例報酬)は2024年7月から支給しております。
3.賞与は、2025年7月に支給した賞与額のうち同年4月から同年6月までの3ヶ月間分に相当する金額と2026年7月に支給見込みの賞与額のうち2025年7月から2026年3月までの9ヶ月間分に相当する金額の合計額を記載しています。
4.非金銭報酬等は、株式購入報酬制度により、月例報酬から職位に応じて役員持株会へ拠出することが定められた金額を記載しています。
③ 報酬等の総額が1億円以上である者の報酬等の総額等
当社では報酬等の総額が1億円以上である者はおりません。
④ 使用人兼務役員の使用人分給与のうち重要なもの
該当事項はありません。
⑤ 役員の報酬等の額の決定に関する方針の決定権限を有する者、その権限及び裁量の範囲の内容、指名・報酬諮問委員会が当該決定に関与する手続の概要、並びに当事業年度における活動内容
決定方針については、事前にその原案を作成するよう指名・報酬諮問委員会に諮問した上で、取締役会の決議により決定しております。当該決定に係る取締役会の権限及び裁量の範囲については、取締役会が、株主総会の決議により決定された取締役の報酬総額の限度額内で、かつ、指名・報酬諮問委員会の答申内容を尊重して、決議を行うこととされております。
当事業年度の取締役の個人別の報酬額については、独立社外取締役を構成員の過半数とする指名・報酬諮問委員会での答申を踏まえ、各取締役の個別の報酬額を社外取締役及び社外監査役の出席する取締役会において決定しております。任意の指名・報酬諮問委員会は独立社外取締役3名及び業務執行取締役2名の計5名で構成され、取締役の報酬制度における報酬の構成及び水準に関する事項について審議のうえ、取締役会に対して答申を行っております。当事業年度において同委員会は10回開催されました。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分については、以下のとおりと考えております。
a.純投資目的である投資株式
専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする投資株式としておりますが、当社は純投資目的である投資株式を所有しておりません。
b.純投資目的以外の目的である投資株式
当社の中長期的な企業価値向上を目的として保有する以下の株式。
・政策保有株式
取引関係の維持、強化推進、業界関連情報その他の情報の収集を目的として保有する株式。
・事業投資
利益の獲得、事業基盤の拡充、競争力の向上などを企図して行う事業への投資のために保有する株式。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
<当社の政策保有に関する方針>
純投資目的以外の目的で上場株式を保有するに当たっては、経済合理性(当社が資本コストの観点から定める投資基準に照らし、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているかどうか等)の検証、保有目的の適切性(例えば、投資先企業との取引その他の関係の維持強化を目的とする場合は、当該関係の維持強化が当社の中長期的な収益拡大・企業価値の向上に資するかどうか等)の検証を行い、保有することの合理性が認められた株式に限り保有することとしております。
これに対して、経済合理性や保有目的の適切性の検証の結果、保有することの合理性が認められなくなった株式については、適宜縮減する方向で検討を行うこととしております。
なお、当社グループ中期経営計画(2026年度~2030年度)において、2030年度末までに政策保有株式の連結純資産比率を10%以下とする目標を掲げており、保有意義を検証の上、株式保有先企業と十分な対話を行い、段階的に売却を進めてまいります。

<当社の政策保有株式の議決権行使の基準>
議決権行使については、画一的な基準で機械的に賛否を判断するのではなく、その議案が当社の保有方針に適合するかどうかや、投資先企業の企業価値の向上に資するかどうか等を考慮しつつ、当社の中長期的な企業価値の向上に資するかどうかという観点から、総合的な検討を行っております。
なお、著しい経営悪化や重大な企業不祥事があった場合には、反対の議決権行使の検討も含め、慎重に判断いたします。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
該当事項はありません。
c.保有区分、銘柄別の株式数、貸借対照表計上額等の情報等
特定投資株式
(注) 1 定量的な保有効果については記載が困難であります。保有の合理性は、保有目的の適切性(例えば、投資先企業との取引その他の関係の維持強化を目的とする場合は、当該関係の維持強化が当社の中長期的な収益拡大・企業価値の向上に資するかどうか等)、経済合理性(当社が資本コストの観点から定める投資基準に照らし、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているかどうか等)の観点から、検証しております。
2 「※」は、当該銘柄での当社株式の保有はありませんが、当該銘柄のグループ会社が当社株式を保有していることを確認しております。
③ 保有目的が純投資目的の投資株式
該当事項はありません。
④ 保有目的を変更した投資株式
該当事項はありません。
5 【従業員の状況等】
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
当社グループは、外航海運業、内航・近海海運業及び不動産業を営む企業集団として、事業環境の変化に適切に対応しつつ、資産効率及び収益性の向上を図ることで、中長期的な企業価値の向上を目指しております。これらの経営戦略の実行にあたっては、人材及び組織の力が不可欠であるとの認識のもと、人的資本を重要な経営資源として位置づけ、事業戦略と連動した人材戦略を推進しております。
当社グループの人材戦略は、「経営戦略に基づく組織最適化・人員配置」、「抜本的な人事制度改革・社員の個の活性化によるエンゲージメント向上」、「業務効率化による生産性向上」並びに「DE&I推進による多様な価値創造人材の創出」を軸として設計しております。組織最適化や人材ポートフォリオの高度化、多様性の確保を通じて、人的資本の価値最大化を図ってまいります。また、人的資本経営戦略の実行状況及び実効性を把握するため、事業戦略及び人材戦略と連動した人的資本に関する指標(KPI)及び目標を設定し、進捗を把握・活用する方針としております。人材戦略や人的資本に関する指標(KPI)及び目標の具体的な内容につきましては、第1 企業の概況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4)戦略、(5)指標及び目標をご覧下さい。
従業員の給与(賞与を含む。)その他の給付の額及び内容の決定に関する方針については、当社の経営戦略の実現に資する人材の確保・定着及び社員の能力発揮・成長を通じた企業価値向上の観点から、外部労働市場の動向及び社内の処遇水準との整合性、並びに業績及び財務状況等を踏まえ決定しております。また、職務・役割及び期待される貢献を踏まえた処遇を基本とし、人材育成・配置・評価の考え方と整合的に運用するとともに、公正性・透明性の確保及び法令遵守に努めております。
さらに、人的資本経営戦略の実現に向け、役割や貢献がより明確に評価及び処遇に反映される人事制度への見直しを進めており、これらの取組みを通じて、社員一人ひとりが主体的に成長し、価値創造に継続的に取り組むことのできる基盤づくりを推進しております。
なお、従業員の給与(賞与を含む。)その他の給付の額及び内容の決定に関する方針については、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社に係るものであります。
(2) 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であります。
2 全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属するものであります。
(2) 提出会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であります。
2 従業員数には、受入出向者を含み、他社出向在籍者は含んでおりません。
(3) 労働組合の状況
陸上従業員の労働組合は、飯野海運労働組合と称し、労働条件に関する事項の交渉は同組合と会社間において行われております。
海上従業員は、全日本海員組合に加入しており、労働条件に関する基本的事項の交渉は同組合と当社の所属している「日本船主協会」内に設置されております「外航労務部会」との間で行われております。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、労働者の育児休業取得率
① 提出会社
(注) 1 表のうち、該当者がいない場合は「―」で表記しております。
2 労働者の育児休業取得率については「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省法令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
3 管理職に占める女性労働者の割合については、出向者を出向元の労働者として集計しております。
4 男性労働者の育児休業取得率及び女性労働者の育児休業取得率については、出向者を出向元の労働者として集計しており、算出された割合の小数点第1位以下を切り捨てております。
5 男女の賃金の差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定により算出しております。男女の賃金の差異における対象労働者は当社から他社への出向者は含んでおりません。
② 連結子会社
管理職に占める女性労働者の割合、労働者の育児休業取得率、男女の賃金の差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)及び「海運企業財務諸表準則」(昭和29年運輸省告示第431号)に基づいて作成しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)及び「海運企業財務諸表準則」(昭和29年運輸省告示第431号)に基づいて作成しております。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)の連結財務諸表及び事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)の財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人により監査を受けております。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組を行っております。具体的には、会計基準等の内容を適切に把握できる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入して会計基準の内容又はその変更等についての的確な情報を収集するとともに、会計基準設定主体等の行う各種の研修へ参加しております。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
② 【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
③ 【連結貸借対照表】
④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【注記事項】
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)
Ⅰ 連結の範囲に関する事項
(1) 連結子会社の数66社
主要な連結子会社の名称は、「第1 企業の概況」の4 関係会社の状況に記載しているため、省略しております。
METHANE NAVIGATION S.A. については、会社を清算したため連結の範囲から除いております。
(2) 子会社のうちIINO UK LTD.他5社は連結の範囲に含められておりません。
非連結子会社はいずれも小規模であり、総資産、売上高、当期純損益のうち持分に見合う額及び利益剰余金のうち持分に見合う額等のそれぞれは連結財務諸表に重要な影響を及ぼしておりません。
Ⅱ 持分法の適用に関する事項
(1) 持分法適用関連会社の数8社
主要な持分法適用関連会社の名称は、「第1 企業の概況」の4 関係会社の状況に記載しているため、省略しております。
(2) 持分法を非適用とした非連結子会社及び関連会社
非連結子会社IINO UK LTD. 他5社及び関連会社IMS PHILIPPINES MARITIME CORP. 他2社は、いずれも小規模であり、当期純損益のうち持分に見合う額及び利益剰余金のうち持分に見合う額等のそれぞれは、連結財務諸表に重要な影響を及ぼしておりません。
Ⅲ 連結子会社の事業年度等に関する事項
連結子会社のうち、IKK HOLDING LTD 他23社の決算日は12月31日であり、同日現在の財務諸表を使用しておりますが、連結決算日との間に発生した重要な取引については、連結上必要な調整を行っております。
当連結会計年度において、連結子会社であるKNIGHTSBRIDGE NAVIGATION S.A. は、決算日を3月31日から12月31日に変更しました。そのため、当該連結子会社の当連結会計年度における会計期間は9ヶ月となっております。この変更による連結財務諸表に与える影響は軽微であります。
Ⅳ 会計方針に関する事項
(1) 重要な資産の評価基準及び評価方法
(イ)有価証券
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法によっております(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)。
市場価格のない株式等
株式:移動平均法による原価法によっております。
(ロ)棚卸資産
販売用不動産は個別法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)であり、その他は先入先出法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)によっております。
(ハ)デリバティブ
時価法によっております。
(2) 重要な減価償却資産の減価償却の方法
(イ)有形固定資産(リース資産を除く)
定額法(一部の船舶については定率法)を採用しております。
なお、耐用年数及び残存価額については、主として法人税法に規定する方法と同一の基準によっております。
ただし、次の資産の耐用年数は以下のとおりとしております。
鉄骨造の事務所 50年
昇降機・給排水設備・冷凍機・発電機・高圧機器 20年
船舶 15年~20年
(ロ)無形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しております。
なお、耐用年数及び残存価額については、主として法人税法に規定する方法と同一の基準によっております。
ただし、ソフトウエア(自社利用分)については、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法を採用しております。
また、定期借地権については、残存期間に基づく定額法を採用しております。
(ハ)リース資産
所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産
自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と同一の方法を採用しております。
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
(3) 重要な引当金の計上基準
(イ)貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(ロ)賞与引当金
従業員の賞与の支給に備えるため、将来の支給見込額のうち当連結会計年度の負担額を計上しております。
(ハ)役員退職慰労引当金
役員の退職慰労金の支給に充てるため、内規に基づく当連結会計年度末要支給額を計上しております。
(ニ)特別修繕引当金
船舶の定期検査費用等の支出に備えるため、将来の修繕見積額に基づき計上しております。
(ホ)株主優待引当金
株主優待制度に基づく費用の発生に備えるため、翌期において発生すると見込まれる額を計上しております。
(ヘ)環境規制対応引当金
環境規制により船舶の航海から生じると見込まれる費用の支出に備えるため、その見積り額を計上しております。
(4) 退職給付に係る会計処理の方法
当社及び連結子会社は、退職給付に係る負債及び退職給付費用の計算に、退職一時金制度については退職給付に係る期末自己都合要支給額を退職給付債務とし、また、当社の企業年金制度については、直近の年金財政計算上の数理債務をもって退職給付債務とする方法を用いた簡便法を適用しております。
(5) 重要なヘッジ会計の方法
(イ)ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理を採用しております。また、金利スワップについては特例処理の要件を満たしている場合は特例処理を、為替変動リスクのヘッジについて振当処理の要件を満たしている場合は振当処理を採用しております。
(ロ)ヘッジ手段とヘッジ対象
(ハ)ヘッジ方針
主として当社の内部規程である「デリバティブ管理規程」に基づき、個別案件ごとにヘッジ対象を明確にし、当該ヘッジ対象の為替変動リスクあるいはキャッシュ・フロー変動リスク、金利変動リスク又は価格変動リスクをヘッジすることを目的として実施することとしており、投機目的のための取引は行わない方針であります。
(ニ)ヘッジの有効性評価の方法
ヘッジ対象の相場変動又はキャッシュ・フロー変動の累計とヘッジ手段の相場変動又はキャッシュ・フロー変動の累計を比較し、両者の変動額等を基礎にして、ヘッジ有効性を評価しております。
ただし、為替予約については、外国通貨による決済見込額に対し、通貨種別、金額、履行時期等の重要な条件が同一である為替予約を行っているため、また金利スワップについては、特例処理の要件を満たす金利スワップを行っているため、いずれも有効性の評価は省略しております。
(6) 重要な収益及び費用の計上基準
顧客との契約から生じる収益に関する主要な事業における主な履行義務の内容及び当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)は以下のとおりであります。
(イ)外航海運業、(ロ)内航・近海海運業
約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識しております。海運業においては、主として当社が顧客との契約における義務を履行するにつれて、顧客が便益を享受することから、一定の期間にわたり履行義務を充足し収益及び費用を認識しております。履行義務の充足に係る進捗度の見積りは、航海の経過日数によっております(航海日割基準)。取引の対価は、契約条件に従い、概ね履行義務の進捗に応じて段階的に受領しております。取引の対価に重要な金融要素は含まれておりません。船用品の販売等の一部の取引については、一時点で履行義務を充足し収益を認識しております。
なお、当社の役務提供後にその対価が顧客との交渉等によって確定する一部の取引に関しては、当該変動対価の不確実性に鑑みて、認識した収益の累計額の著しい減額が発生しない可能性が高いと合理的に判断できる範囲において、取引価格に反映しております。
(ハ)不動産業
主にリース取引であり、顧客との契約から生じる収益以外の収益であります。
(7) 支払利息の処理方法
支払利息については、原則として発生時の費用処理としておりますが、長期かつ金額の重要な事業用資産で、一定の条件に該当するものに限って、建造期間中の支払利息を事業用資産の取得価額に算入しております。
(8) 連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資からなります。
(9) グループ通算制度の適用
当社及び国内連結子会社は、グループ通算制度を適用しております。
(重要な会計上の見積り)
外航海運業セグメントに関する船舶等の減損
(1) 連結財務諸表に計上した金額
当連結会計年度及び前連結会計年度において、該当事項はありません。
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
固定資産について減損の兆候があると認められる場合には、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定します。判定の結果、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回り減損損失の認識が必要とされた場合、帳簿価額を回収可能価額(正味売却価額又は使用価値のいずれか高い価額)まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識されます。
当社及び連結子会社は、減損判定における将来キャッシュ・フローの見積りを中期経営計画等に基づき策定しており、一般に入手可能な市場情報を考慮に入れております。
外航海運業の将来キャッシュ・フローの予測には高い不確実性を伴い、これらの見積りは減損の認識判定及び減損損失計上金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、将来キャッシュ・フローの構成要素の一部となる正味売却価額については観察可能な市場価額が存在しないことがあり、その場合には類似船型の船舶の売買事例を考慮に入れております。
なお、連結貸借対照表において計上された外航海運業セグメントに関する船舶等の有形固定資産は、前連結会計年度において107,646百万円、当連結会計年度において129,037百万円であります。
中東情勢の緊迫化の影響に関する会計上の見積り
有形固定資産の減損判定を行う上で、2026年6月中にホルムズ海峡の往来が再開され、その後2ヶ月程度をかけて中東地域との海上輸送が概ね従来の水準に回復するという前提のもと、将来キャッシュ・フローの見積りを行っております。
(未適用の会計基準等)
・「リースに関する会計基準」(企業会計基準第34号 2024年9月13日 企業会計基準委員会)
・「リースに関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第33号 2024年9月13日 企業会計基準委員会) 等
(1) 概要
企業会計基準委員会において、日本基準を国際的に整合性のあるものとする取組みの一環として、借手の全てのリースについて資産及び負債を認識するリースに関する会計基準の開発に向けて、国際的な会計基準を踏まえた検討が行われ、基本的な方針として、IFRS第16号の単一の会計処理モデルを基礎とするものの、IFRS第16号の全ての定めを採り入れるのではなく、主要な定めのみを採り入れることにより、簡素で利便性が高く、かつ、IFRS第16号の定めを個別財務諸表に用いても、基本的に修正が不要となることを目指したリース会計基準等が公表されました。
借手の会計処理として、借手のリースの費用配分の方法については、IFRS第16号と同様に、リースがファイナンス・リースであるかオペレーティング・リースであるかにかかわらず、全てのリースについて使用権資産に係る減価償却費及びリース負債に係る利息相当額を計上する単一の会計処理モデルが適用されます。
(2) 適用予定日
2028年3月期の期首から適用します。
(3) 当該会計基準等の適用による影響
「リースに関する会計基準」等の適用による連結財務諸表に与える影響額については、現時点で評価中であります。
(連結損益計算書関係)
※1 顧客との契約から生じる収益
売上高については、顧客との契約から生じる収益及びそれ以外の収益を区分して記載しておりません。顧客との契約から生じる収益の金額は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係)1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載しております。
※2 売上原価に計上された引当金繰入額
※3 販売費及び一般管理費のうち主要なもの
※4 固定資産売却益のうち主要なもの
※5 固定資産除却損のうち主要なもの
※6 休止資産関連費用
船舶の売却時期の変更に伴い運航休止期間が生じたため、関連する費用を計上しております。
(連結包括利益計算書関係)
※1 その他の包括利益に係る組替調整額並びに法人税等及び税効果額
(連結株主資本等変動計算書関係)
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1 発行済株式に関する事項
2 自己株式に関する事項
(注) 普通株式の自己株式の株式数の増加637株は、単元未満株式の買取りによるものであります。
3 新株予約権等に関する事項
該当事項はありません。
4 配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
(注)1株当たり配当額には特別配当5円が含まれております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
1 発行済株式に関する事項
2 自己株式に関する事項
(注) 普通株式の自己株式の株式数の増加262株は、単元未満株式の買取りによるものであります。
3 新株予約権等に関する事項
該当事項はありません。
4 配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(注) 2025年6月26日定時株主総会決議による1株当たり配当額には特別配当5円が含まれております。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
(注) 上記は2026年6月25日開催予定の定時株主総会の決議事項になっております。
(連結貸借対照表関係)
※1 有形固定資産の減価償却累計額
※2 非連結子会社及び関連会社に対するもの
※3 担保に供している資産及び担保に係る債務
(イ)担保に供している資産
(注) 担保に供している資産のうち、投資有価証券は出資先の債務に対するものであります。
(ロ)担保に係る債務
4 偶発債務
前連結会計年度(2025年3月31日)
(1) 保証債務
該当事項はありません。
(2) 連帯債務
該当事項はありません。
当連結会計年度(2026年3月31日)
(1) 保証債務
複数の保証人のいる連帯保証については、当社の負担となる金額を記載しております。
(2) 連帯債務
該当事項はありません。
※5 受取手形、売掛金及び契約資産のうち、顧客との契約から生じた債権及び契約資産の金額は、それぞれ以下のとおりであります。
※6 前受金及び契約負債のうち、契約負債の金額は、以下のとおりであります。
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
※1 現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に掲載されている科目の金額との関係
2 重要な非資金取引の内容
ファイナンス・リース取引に係る資産及び負債
(リース取引関係)
(借主側)
1 リース物件の所有権が借主に移転すると認められるもの以外のファイナンス・リース取引
① リース資産の内容
有形固定資産
主として船舶であります。
② リース資産の減価償却の方法
連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項「Ⅳ 会計方針に関する事項(2) 重要な減価償却資産の減価償却の方法」に記載のとおりであります。
2 オペレーティング・リース取引
オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料
(借主側)
(単位:百万円)
(貸主側)
(単位:百万円)
(金融商品関係)
1.金融商品の状況に関する事項
(1) 金融商品に対する取組方針
当社グループは、資金運用については短期的な預金等に限定し、また、資金調達については金融機関からの借入や社債発行による方針です。また、デリバティブは、後述するリスクを回避するために利用し、投機的な取引は行いません。
(2) 金融商品の内容及びそのリスク並びにリスク管理体制
営業債権である受取手形及び売掛金は、顧客の信用リスクに晒されています。当該リスクに関しては、当社グループの債権管理規程に従い、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。また、一部外貨建てのものについては、為替の変動リスクに晒されておりますが、同じ外貨建ての買掛金の残高の範囲内にあるものを除き、為替予約を利用してヘッジしております。
投資有価証券である株式は、市場価格の変動リスクに晒されていますが、主に業務上の関係を有する企業の株式であり、定期的に把握された時価が取締役会に報告されております。
営業債務である買掛金は、ほとんど1年以内の支払期日であります。
借入金のうち、短期借入金は主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入金は設備投資に係る資金調達であります。変動金利の借入金は、金利の変動リスクに晒されていますが、このうち長期のものの大部分については、支払金利の変動リスクを回避し支払利息の固定化を図るために、個別契約ごとにデリバティブ取引(金利スワップ取引)をヘッジ手段として利用しています。
外貨建ての予定取引は、為替の変動リスクに晒されておりますが、このうち一部のものについては、個別契約毎にデリバティブ取引(通貨スワップ、為替予約)等を利用してヘッジしております。
なお、ヘッジ会計に関するヘッジ手段とヘッジ対象、ヘッジ方針、ヘッジの有効性の評価方法等については、前述の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されている「(5)重要なヘッジ会計の方法」をご覧下さい。
デリバティブ取引の執行・管理については、取引権限を定めた社内規程に従って行っており、また、デリバティブの利用にあたっては、信用リスクを軽減するために、格付の高い金融機関とのみ取引を行っています。
また、営業債務、借入金及び社債は、流動性リスクに晒されていますが、当社グループでは、各社が月次に資金繰計画を作成するなどの方法により管理しています。
(3) 金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
「金融商品の時価等に関する事項」におけるデリバティブ取引に関する契約額等については、その金額自体がデリバティブ取引に係る市場リスクを示すものではありません。
2.金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額については、次のとおりです。
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(*1) 負債に計上されているものについては、( )で示しております。
(*2) 連結貸借対照表上、短期借入金に含まれている1年内返済予定長期借入金は長期借入金に含めて記載しております。
(*3) 現金及び預金、受取手形、売掛金及び契約資産、買掛金及び短期借入金は、短期間で決済されるため、時価は帳簿価額にほぼ等しいことから、記載を省略しております。
(*4) 市場価格のない株式等は、「(1)投資有価証券」には含まれておりません。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)1.金銭債権及び満期のある有価証券の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
2.短期借入金及び長期借入金の返済予定額
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
3.金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項
金融商品の時価を、時価の算定に係るインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、活発な市場において形成される当該時価の算定の対象となる資産又は負債に関する相場価格により算定した時価
レベル2の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、レベル1のインプット以外の時価の算定に係るインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:観察できない時価の算定に係るインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類しております。
(1) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(2) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品以外の金融商品
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(注) 時価の算定に用いた評価技法及び時価の算定に係るインプットの説明
投資有価証券
これらの時価について、株式は取引所の価格によっており、レベル1の時価に分類しております。
また、保有目的ごとの有価証券に関する事項については、注記事項「有価証券関係」をご参照下さい。
デリバティブ取引
金利スワップ及び為替予約の時価は、金利や為替レート等の観察可能なインプットを用いて割引現在価値法により算定しており、レベル2の時価に分類しております。なお、金利スワップの特例処理によるものは、ヘッジ対象とされている長期借入金と一体として処理されているため、その時価は、当該長期借入金の時価に含めて記載しております(下記「長期借入金」参照)。
長期借入金
長期借入金の時価については、元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いて算定する方法によっており、レベル3の時価に分類しております。変動金利による長期借入金は金利スワップの特例処理の対象とされており(上記「デリバティブ取引」参照)、当該金利スワップと一体として処理された元利金の合計額を、同様の借入を行った場合に適用される合理的に見積られる利率で割り引いて算定する方法によっております。
受入敷金保証金
将来の返還見込額を同様の新規受入を行った場合に想定される利率で割り引いて算定する方法によっており、レベル3の時価に分類しております。
(有価証券関係)
1.その他有価証券
前連結会計年度(2025年3月31日)
(注) 非上場株式(連結貸借対照表計上額 6,506百万円)は、上表の「その他有価証券」には含めておりません。
当連結会計年度(2026年3月31日)
(注) 非上場株式(連結貸借対照表計上額6,929百万円)は、上表の「その他有価証券」には含めておりません。
2.売却したその他有価証券
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
3.減損処理を行った有価証券
該当事項はありません。
なお、減損処理の判定にあたっては、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。
(デリバティブ取引関係)
1.ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
該当事項はありません。
2.ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引
(1) 通貨関連
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(2) 金利関連
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 金利スワップの特例処理によるものは、ヘッジ対象とされている長期借入金と一体として処理されているため、その時価は、当該長期借入金の時価に含めて記載しております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 金利スワップの特例処理によるものは、ヘッジ対象とされている長期借入金と一体として処理されているため、その時価は、当該長期借入金の時価に含めて記載しております。
(退職給付関係)
1 採用している退職給付制度の概要
当社及び連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型の制度として退職一時金制度を設けております。また、当社は規約型確定給付企業年金制度を採用しております。
なお、当社及び連結子会社が有する退職一時金制度及び当社が有する確定給付企業年金制度は、簡便法により退職給付に係る負債及び退職給付費用を計算しております。
2 確定給付制度
(1) 簡便法を適用した制度の、退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産の期首残高と期末残高の調整
(2) 退職給付債務及び年金資産の期末残高と連結貸借対照表に計上された退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産の調整表
(3) 退職給付費用
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(注) 1.税務上の繰越欠損金及びその繰延税金資産の繰越期限別の金額
前連結会計年度(2025年3月31日)
(※1) 税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額であります。
(※2) 税務上の繰越欠損金127百万円(法定実効税率を乗じた額)について繰延税金資産4百万円を計上しており、将来の課税所得の見込みにより、回収可能と判断しております。
当連結会計年度(2026年3月31日)
(※3) 税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額であります。
(※4) 税務上の繰越欠損金93百万円(法定実効税率を乗じた額)について繰延税金資産6百万円を計上しており、将来の課税所得の見込みにより、回収可能と判断しております。
(注) 2.前連結会計年度及び当連結会計年度における繰延税金資産の純額は、連結貸借対照表の以下の項目に含まれております。
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社及び国内連結子会社は、グループ通算制度を適用しております。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っております。
(賃貸等不動産関係)
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当社及び一部の連結子会社では、東京都その他の地域において、賃貸用オフィスビル(土地を含む)を所有しております。2025年3月期における当該賃貸等不動産に関する賃貸損益は3,682百万円(賃貸収益は売上高に、主な賃貸費用は売上原価に計上)であります。
また、当該賃貸等不動産の連結貸借対照表計上額、期中増減額及び時価は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 1.連結貸借対照表計上額は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額であります。
2.賃貸等不動産の期中増減額のうち、主な増加額は不動産取得によるものであります。
3.期末の時価は、以下によっております。
主に「不動産鑑定評価基準」に基づいて自社で算定した金額(指標等を用いて調整を行ったものを含む。)であります。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
当社及び一部の連結子会社では、東京都その他の地域において、賃貸用オフィスビル(土地を含む)を所有しております。2026年3月期における当該賃貸等不動産に関する賃貸損益は3,731百万円(賃貸収益は売上高に、主な賃貸費用は売上原価に計上)であります。
また、当該賃貸等不動産の連結貸借対照表計上額、期中増減額及び時価は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 1.連結貸借対照表計上額は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額であります。
2.賃貸等不動産の期中増減額のうち、主な増加額は不動産取得によるものであります。
3.期末の時価は、以下によっております。
主に「不動産鑑定評価基準」に基づいて自社で算定した金額(指標等を用いて調整を行ったものを含む。)であります。
(収益認識関係)
1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報
顧客との契約から生じる収益を分解した情報は、「注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
2.顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)Ⅳ会計方針に関する事項(6) 重要な収益及び費用の計上基準」に記載のとおりであります。
3.顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当連結会計年度末において存在する顧客との契約から翌連結会計年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関する情報
(1) 契約資産及び契約負債の残高等
契約資産は、期末日時点で航海日数が経過しているものの未請求の契約に係る対価に対する当社及び連結子会社の権利に関するものであります。契約資産は、対価に対する当社及び連結子会社の権利が無条件になった時点で顧客との契約から生じた債権に振り替えられます。
契約負債は、主に顧客から受け取った未経過の航海日数に係る前受金に関するものであります。契約負債は収益の認識に伴い取り崩されます。
前連結会計年度及び当連結会計年度における期首現在の契約負債残高に含まれていた額は、それぞれ概ね前連結会計年度及び当連結会計年度に収益を認識しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、契約資産及び契約負債の残高に重要な変動はありません。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益(例えば、取引価格の変動)の額に重要性はありません。
(2) 残存履行義務に配分した取引価格
残存履行義務に配分した取引価格の総額は、前連結会計年度において298,737百万円、当連結会計年度において286,523百万円です。
残存履行義務は、期末時点における外航海運業及び内航・近海海運業における数量輸送契約及び特定の船舶を特定の期間特定の顧客に対し供与する定期用船契約等(連続航海用船契約等を含む。以下同じ)により構成されます。これらの契約に係る収益は、為替や運航費等の前提により変動しますが、期末時点における見積りに基づいて集計しております。
なお、不動産業に係る収益並びに外航海運業及び内航・近海海運業における契約形態の1つである裸用船契約に係る収益は、主にリース取引によるものであり、顧客との契約から生じる収益以外の収益であるため、注記の対象に含めておりません。また、残存履行義務に配分した取引価格の注記にあたって実務上の便法を適用し、当初に予想される契約期間が1年以内の契約については注記の対象に含めておりません。加えて、当期末時点で未締結の契約に関して、当社グループが当該契約締結について確度が高い旨の予測をもっていたとしても注記の対象に含めておりません。
残存履行義務のうち、約半分は概ね4年以内に充足する見込みです。また、一部の定期用船契約等における極めて長期の契約を除いて、概ね14年以内にほとんど全ての残存履行義務を充足する見込みです。
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、海運業と不動産業を軸に事業活動を展開しており、更に海運業は外航海運業と内航・近海海運業の2つの事業活動を展開しております。
当社グループの事業活動は、経済的特徴を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「外航海運業」、「内航・近海海運業」及び「不動産業」の3つを報告セグメントとしております。
「外航海運業」は、全世界にわたる水域で原油、石油化学製品、液化石油ガス(LPG)、エタン、発電用石炭、肥料、木材チップ等の海上輸送を行っております。「内航・近海海運業」は、国内、近海を中心とした水域で液化天然ガス(LNG)、液化石油ガス(LPG)、石油化学ガス、アンモニア等の海上輸送を行っております。「不動産業」は、国内外の賃貸オフィスビルの所有、運営、管理、メンテナンス及びフォトスタジオを中心とした不動産関連事業を行っております。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。
セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
「外航海運業」及び「内航・近海海運業」に計上している売上高は、主に顧客との契約から生じる収益であり、その他の収益に重要性はありません。「不動産業」に計上している売上高は、主にリース取引であり、顧客との契約から生じる収益以外の収益です。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
4.報告セグメント合計額と連結財務諸表計上額との差額及び当該差額の主な内容(差異調整に関する事項)
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 全社資産は、主に報告セグメントに帰属しない余資運用資金(現預金)及び長期投資資金(投資有価証券)であります。
(注) 減価償却費の調整額は、営業外費用に含まれている減価償却費の計上額であります。また、有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、全社資産に係る有形固定資産及び無形固定資産の取得価額であります。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 全社資産は、主に報告セグメントに帰属しない余資運用資金(現預金)及び長期投資資金(投資有価証券)であります。
(注) 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、全社資産に係る有形固定資産及び無形固定資産の取得価額であります。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
特定の顧客への外部売上高が連結損益計算書の売上高の10%未満であるため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
特定の顧客への外部売上高が連結損益計算書の売上高の10%未満であるため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(固定資産に係る重要な減損損失)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(固定資産に係る重要な減損損失)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
【関連当事者情報】
1 関連当事者との取引
連結財務諸表提出会社と関連当事者との取引
連結財務諸表提出会社の非連結子会社及び関連会社等
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注)取引条件ないし取引条件の決定方針等
SERPENTINE SHIPPING S.A.に対する債務保証は設備の購入資金としての融資に対して保証したものです。なお、担保は受け入れていません。また、船舶の譲渡に係る取引条件は、市場における一般の取引条件を勘案して決定しております。
2 親会社又は重要な関連会社に関する注記
(1) 親会社情報
該当事項はありません。
(2) 重要な関連会社の要約財務情報
該当事項はありません。
(1株当たり情報)
(注) 算定上の基礎は以下のとおりであります。
1 1株当たり純資産額
2 1株当たり当期純利益金額
(重要な後発事象)
当社は2026年3月6日開催の取締役会において、当社の連結子会社が保有する大型原油タンカー1隻の売却を決議いたしました。
これに伴い、2027年3月期第1四半期連結会計期間におきまして約71億円を固定資産売却益(特別利益)として計上する予定です。
⑤ 【連結附属明細表】
【社債明細表】
該当事項はありません。
【借入金等明細表】
(注) 1.「平均利率」については借入金等の期末残高に対する加重平均利率を記載しております。また、金利スワップを行っている借入金についてはスワップ前の金利を対象としております。
2.長期借入金及びリース債務(1年以内に返済予定のものを除く。)の連結決算日後5年以内における返済予定額は以下のとおりであります。
【資産除去債務明細表】
当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における資産除去債務の金額が、当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における負債及び純資産の合計額の100分の1以下であるため、連結財務諸表規則第92条の2の規定により記載を省略しております。
(2) 【その他】
当連結会計年度における半期情報等
(注) 第1四半期及び第3四半期に係る財務情報に対するレビュー:無
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【損益計算書】
② 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
③ 【貸借対照表】
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 有価証券の評価基準及び評価方法
(1) 子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法によっております。
(2) その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法によっております(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)。
市場価格のない株式等
株式:移動平均法による原価法によっております。
2 棚卸資産の評価基準及び評価方法
(1) 販売用不動産
個別法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)によっております。
(2) 貯蔵品
先入先出法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)によっております。
3 デリバティブ取引の評価基準及び評価方法
時価法によっております。
4 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しております。
なお、耐用年数及び残存価額については、主として法人税法に規定する方法と同一の基準によっております。
ただし、次の資産の耐用年数は以下のとおりとしております。
鉄骨造の事務所 50年
昇降機・給排水設備・冷凍機・発電機・高圧機器 20年
船舶 15年~20年
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しております。
なお、耐用年数及び残存価額については、主として法人税法に規定する方法と同一の基準によっております。
ただし、ソフトウエア(自社利用分)については、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法を採用しております。
また、定期借地権については、残存期間に基づく定額法を採用しております。
(3) リース資産
所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産
自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と同一の方法を採用しております。
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
5 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 賞与引当金
従業員の賞与の支給に備えるため、将来の支給見込額のうち当事業年度の負担額を計上しております。
(3) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務の見込額及び年金資産額に基づき計上しております。
退職給付引当金及び退職給付費用の計算に、退職一時金制度については退職給付に係る期末自己都合要支給額を退職給付債務とし、また企業年金制度については、直近の年金財政計算上の数理債務をもって退職給付債務とする方法を用いた簡便法を適用しております。
(4) 株主優待引当金
株主優待制度に基づく費用の発生に備えるため、翌期において発生すると見込まれる額を計上しております。
(5) 環境規制対応引当金
環境規制により船舶の航海から生じると見込まれる費用の支出に備えるため、その見積り額を計上しております。
6 重要な収益及び費用の計上基準
顧客との契約から生じる収益に関する主要な事業における主な履行義務の内容及び当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)は以下のとおりであります。
外航海運業及び内航・近海海運業
約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識しております。海運業においては、主として当社が顧客との契約における義務を履行するにつれて、顧客が便益を享受することから、一定の期間にわたり履行義務を充足し収益及び費用を認識しております。履行義務の充足に係る進捗度の見積りは、航海の経過日数によっております(航海日割基準)。取引の対価は、契約条件に従い、概ね履行義務の進捗に応じて段階的に受領しております。取引の対価に重要な金融要素は含まれておりません。船用品の販売等の一部の取引については、一時点で履行義務を充足し収益を認識しております。
なお、当社の役務提供後にその対価が顧客との交渉等によって確定する一部の取引に関しては、当該変動対価の不確実性に鑑みて、認識した収益の累計額の著しい減額が発生しない可能性が高いと合理的に判断できる範囲において、取引価格に反映しております。
不動産業
主にリース取引であり、顧客との契約から生じる収益以外の収益であります。
7 重要なヘッジ会計の方法
(1) ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理を採用しております。また、金利スワップについて特例処理の要件を満たしている場合は特例処理を、為替変動リスクのヘッジについて振当処理の要件を満たしている場合は振当処理を採用しております。
(2) ヘッジ手段とヘッジ対象
(3) ヘッジ方針
主として当社の内部規程である「デリバティブ管理規程」に基づき、個別案件ごとにヘッジ対象を明確にし、当該ヘッジ対象の為替変動リスクあるいはキャッシュ・フロー変動リスク、金利変動リスク又は価格変動リスクをヘッジすることを目的として実施することとしており、投機目的のための取引は行わない方針であります。
(4) ヘッジの有効性評価の方法
ヘッジ対象の相場変動又はキャッシュ・フロー変動の累計とヘッジ手段の相場変動又はキャッシュ・フロー変動の累計を比較し、両者の変動額等を基礎にして、ヘッジ有効性を評価しております。
ただし、為替予約については、外国通貨による決済見込額に対し、通貨種別、金額、履行時期等の重要な条件が同一である為替予約を行っているため、また金利スワップについては、特例処理の要件を満たす金利スワップを行っているため、いずれも有効性の評価は省略しております。
8 その他財務諸表作成のための基礎となる事項
(1) グループ通算制度の適用
グループ通算制度を適用しております。
(重要な会計上の見積り)
外航海運業に関する船舶等の減損
(1) 財務諸表に計上した金額
当事業年度及び前事業年度において、該当事項はありません。
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
固定資産について減損の兆候があると認められる場合には、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定します。判定の結果、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回り減損損失の認識が必要とされた場合、帳簿価額を回収可能価額(正味売却価額又は使用価値のいずれか高い価額)まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識されます。
当社は、減損判定における将来キャッシュ・フローの見積りを中期経営計画等に基づき策定しており、一般に入手可能な市場情報を考慮に入れております。
外航海運業の将来キャッシュ・フローの予測には高い不確実性を伴い、これらの見積りは減損の認識判定及び減損損失計上金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、将来キャッシュ・フローの構成要素の一部となる正味売却価額については観察可能な市場価額が存在しないことがあり、その場合には類似船型の船舶の売買事例を考慮に入れております。
なお、貸借対照表において計上された外航海運業に関する船舶等の有形固定資産は、前事業年度において34,804百万円、当事業年度において27,511百万円であります。
中東情勢の緊迫化の影響に関する会計上の見積り
有形固定資産の減損判定を行う上で、2026年6月中にホルムズ海峡の往来が再開され、その後2ヶ月程度をかけて中東地域との海上輸送が概ね従来の水準に回復するという前提のもと、将来キャッシュ・フローの見積りを行っております。
(表示方法の変更)
(損益計算書)
前事業年度において、「特別利益」の「その他」に含めていた「関係会社清算益」は、金額的重要性が増したため、当事業年度より区分掲記しました。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替えを行っております。
この結果、前事業年度の損益計算書において、「特別利益」の「その他」に表示していた9百万円は、「関係会社清算益」9百万円として組み替えております。
(損益計算書関係)
※1 関係会社に係る営業費用
※2 販売費及び一般管理費の表示
販売費及び一般管理費のうち、販売費に属する費用の割合は軽微であります。
なお、主要な費目及び金額は次のとおりであります。
※3 関係会社に係る営業外収益
※4 関係会社に係る営業外費用
※5 固定資産売却益のうち主要なもの
※6 固定資産除却損のうち主要なもの
※7 休止資産関連費用
取引先(連結子会社)における船舶の売却時期の変更に伴い、運航休止期間が生じたため、関連する費用を計上しております。
(貸借対照表関係)
※1 担保に供している資産及び担保に係る債務
(イ) 担保に供している資産
(注) 担保に供している資産のうち、投資有価証券及び関係会社株式は出資先の債務に対するものであります。
(ロ) 担保に係る債務
2 偶発債務
前事業年度(2025年3月31日)
(1) 保証債務
(2) 連帯債務
該当事項はありません。
当事業年度(2026年3月31日)
(1) 保証債務
(2) 連帯債務
該当事項はありません。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しております。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っております。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係)」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
④ 【附属明細表】
【海運業収益及び費用明細表】
【有価証券明細表】
【株式】
【有形固定資産等明細表】
(注) 1 当期増加額のうち主なものは次のとおりであります。
2 当期減少額のうち主なものは次のとおりであります。
3 無形固定資産の金額が資産の総額の100分の1以下であるため、「当期首残高」、「当期増加額」及び「当期減少額」の記載を省略しております。
【引当金明細表】
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
記載すべき事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社定款の定めにより、単元未満株主は、会社法第189条第2項各号に掲げる権利、会社法第166条第1項の規定による請求をする権利、株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利並びに株主の有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を売り渡すことを請求する権利以外の権利を有しておりません。
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に次の書類を提出しております。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
事業年度 第134期(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)2025年6月25日関東財務局長に提出
(2) 内部統制報告書及びその添付書類
2025年6月25日関東財務局長に提出
(3) 半期報告書及び確認書
(第135期中)(自 2025年4月1日 至 2025年9月30日)2025年11月14日関東財務局長に提出
(4) 臨時報告書
2025年6月30日関東財務局長に提出
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2の規定に基づく臨時報告書である。
2026年3月6日関東財務局長に提出
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第19号の規定に基づく臨時報告書である。
(5)発行登録書(新株予約権証券)
2025年6月26日関東財務局長に提出
(6) 訂正発行登録書
2025年6月30日関東財務局長に提出
2024年7月25日提出の発行登録書(社債)に係る訂正発行登録書である。
2025年6月30日関東財務局長に提出
2025年6月26日提出の発行登録書(新株予約権証券)に係る訂正発行登録書である。
2026年3月6日関東財務局長に提出
2024年7月25日提出の発行登録書(社債)に係る訂正発行登録書である。
2026年3月6日関東財務局長に提出
2025年6月26日提出の発行登録書(新株予約権証券)に係る訂正発行登録書である。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。