第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 最近5連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移
(注) 1 国際会計基準(以下「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成している。
2 従業員数は各期とも3月31日現在の就業人員数(連結会社から連結会社以外への出向者を除き、連結会社以外から連結会社への出向者を含む。)であり、嘱託・臨時従業員を含まない。
3 △はマイナスを示す。
4 事業利益とは、持続的な事業活動の成果を表し、当社グループの業績を継続的に比較・評価することに資する連結経営業績の代表的指標であり、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費、並びにその他費用を控除し、持分法による投資利益及びその他収益を加えたものである。その他収益及びその他費用は、受取配当金、為替差損益、固定資産除却損等から構成されている。
5 当社は2025年10月1日を効力発生日として、1株を5株とする株式の分割を実施したため、第97期の期首に当該株式の分割が行われたと仮定し、1株当たり親会社所有者帰属持分、基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益を算定している。
(2) 提出会社の最近5事業年度に係る主要な経営指標等の推移
(注) 1 従業員数は各期とも3月31日現在の就業人員数(他社への出向者を除き、他社からの出向者を含む。)であり、嘱託・臨時従業員を含まない。
2 第99期、第100期の資本金及び発行済株式数の増加は、転換社債型新株予約権付社債の新株予約権の権利行使によるものである。
3 株主総利回りは、株式投資により得られた収益(配当とキャピタルゲイン)を投資額(株価)で除した比率で、次の計算式で算出した。
(各事業年度末日の株価+当事業年度の4事業年度前から各事業年度までの1株当たり配当額の累計額)÷当事業年度末の5事業年度前の末日の株価
4 2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場の株価を採用した。
5 当社は2025年10月1日を効力発生日として、1株を5株とする株式の分割を実施したため、第97期の期首に当該株式の分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定している。また、株主総利回りについては、当該株式の分割による影響を考慮して算定している。
6 当社は2025年10月1日を効力発生日として、1株を5株とする株式の分割を実施したため、第101期の1株当たり配当額については、単純合算ができないことから、表示していない。なお、第101期における1株当たり期末配当額は12円であり、当該株式の分割を考慮しない場合の第101期における1株当たり配当額は120円、当該株式の分割を考慮する場合の第101期における1株当たり配当額は24円である。
7 当社は2025年10月1日を効力発生日として、1株を5株とする株式の分割を実施しており、第101期の株価については、当該株式の分割後の最高・最低株価を記載し、()内に当該株式の分割前の最高・最低株価を記載している。
2 【沿革】
当社は、1950年4月1日に設立され、1970年3月31日に八幡製鐵株式会社と富士製鐵株式会社が合併し商号を新日本製鐵株式會社に変更。2012年10月1日に住友金属工業株式会社と合併し商号を新日鐵住金株式会社に変更。さらに、2019年4月1日に商号を日本製鉄株式会社に変更。現在に至っています。
3 【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)の事業体制は、製鉄事業、エンジニアリング事業、ケミカル&マテリアル事業及びシステムソリューション事業です。
なお、これら4事業は本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 事業セグメント」に掲げるセグメント情報の区分と同一です。
2026年3月31日現在、当社グループは、当社及び493社の連結子会社並びに112社の持分法適用関連会社等により構成されます。
各事業を構成している当社及び当社連結子会社において営まれている主な事業の内容及び位置づけは次のとおりです。なお、主要な関係会社につきましては、本報告書「第一部 企業情報 第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載しています。
[製鉄事業]
条鋼(鋼片、軌条、鋼矢板、H形鋼、その他形鋼、棒鋼、バーインコイル、普通線材、特殊線材)、鋼板(厚板、中板、熱延薄板類、冷延薄板類、ブリキ、ティンフリースチール、亜鉛めっき鋼板、その他金属めっき鋼板、塗装鋼板、冷延電気鋼帯)、鋼管(継目無鋼管、鍛接鋼管、電縫鋼管、電弧溶接鋼管、冷けん鋼管、めっき鋼管、被覆鋼管)、交通産機品(鉄道車両部品、型鍛造品、鍛造アルミホイール、リターダ、環状圧延品、鍛鋼品)、特殊鋼(ステンレス鋼、機械構造用炭素鋼、構造用合金鋼、ばね鋼、軸受鋼、耐熱鋼、快削鋼、ピアノ線材、高抗張力鋼)、鋼材二次製品(スチール・合成セグメント、NS-BOX、メトロデッキ、パンザーマスト、制振鋼板、建築用薄板部材、コラム、溶接材料、ドラム缶、ボルト・ナット・ワッシャー、線材加工製品、油井管付属品、建築・土木建材製品)、銑鉄・鋼塊他(製鋼用銑、鋳物用銑、鋼塊、鉄鋼スラグ製品、セメント、鋳物用コークス)、製鉄事業に付帯する事業(機械・電気・計装関係機器の設計・整備・工事施工、海上運送、港湾運送、陸上運送、荷役、倉庫業、梱包作業、材料試験・分析、作業環境測定、技術情報の調査、施設運営管理、警備保障業、原料決済関連サービス、製鉄所建設エンジニアリング、操業指導、製鉄技術供与、ロール)、その他(チタン展伸材、食料品、繊維品、電力、不動産、サービスその他)
[エンジニアリング事業]
各種プラント・施設、エネルギー導管、水道設備、産業機械・装置、建築物、建築部材・装置、鋼構造物等の設計・製作・販売・施工・監理、プラント・施設等の運転・運営・維持管理、廃棄物等の処理・再生資源化事業、電気・ガス・熱等の供給事業
[ケミカル&マテリアル事業]
ピッチコークス、ピッチ、ナフタリン、無水フタル酸、カーボンブラック、スチレンモノマー、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、無接着剤FPC用銅張積層板、液晶ディスプレイ材料、有機EL材料、UV・熱硬化性樹脂材料、圧延金属箔、半導体用ボンディングワイヤ・マイクロボール、半導体封止材用フィラー、炭素繊維複合材、排気ガス浄化用触媒担体、多孔質炭素材料
[システムソリューション事業]
コンピュータシステムに関するエンジニアリング・コンサルティング、ITを用いたアウトソーシングサービスその他の各種サービス
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりです。(2026年3月31日現在)

4 【関係会社の状況】
主要な連結子会社及び持分法適用会社(2026年3月31日現在)
[製鉄事業/主要な連結子会社]
[製鉄事業/主要な持分法適用会社]
[エンジニアリング事業/主要な連結子会社]
[ケミカル&マテリアル事業/主要な連結子会社]
[システムソリューション事業/主要な連結子会社]
(注) 1 大阪製鐵㈱、ジオスター㈱及び日鉄ソリューションズ㈱は、有価証券報告書を提出している。なお、黒崎播磨㈱は有価証券報告書の提出会社であったが、2026年4月16日付で金融商品取引法施行令第4条第2項の規定により有価証券報告書の提出を要しない旨の承認を受けている。
2 上記のうち、日鉄物産㈱、United States Steel Corporation、G Steel Public Company Limited及びG J Steel Public Company Limitedは、特定子会社である。
3 ジオスター㈱及びPT PELAT TIMAH NUSANTARA TBK.(当社は同社株主である三井物産㈱、㈱メタルワン及び日鉄物産㈱との間でコンソーシアム契約を締結しており、4社合計で同社株式55%を保有している。当社グループはそのコンソーシアム内で過半数となる40%を保有している。)は、持分は100分の50以下であるが、実質的に支配しているものと判断し、子会社として連結している。
4 日鉄物産㈱については、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えている。同社の主要な損益情報等(日本基準)は、以下のとおりである。
主要な損益情報等(日本基準) (1)売上高 1,310,043百万円
(2)経常利益 35,516百万円
(3)当期純利益 26,625百万円
(4)純資産額 278,313百万円
(5)総資産額 844,648百万円
5 United States Steel Corporationについては、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えている。同社の主要な損益情報等(米国基準)は、以下のとおりである。なお、以下は同社の連結決算数値であり、損益情報は取得日以降の数値である。
主要な損益情報等(米国基準) (1)売上高 1,932,558百万円
(2)税引前当期純利益(△は損失) △27,942百万円
(3)当期純利益(△は損失) △7,211百万円
(4)純資産額 1,865,319百万円
(5)総資産額 3,340,372百万円
6 日鉄セメント㈱は、日鉄高炉セメント㈱を存続会社、日鉄セメント㈱を消滅会社とする吸収合併により、2026年4月1日をもって解散している。
7 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数である。
8 上記関係内容に記載の「②営業上の取引」には、商社経由の取引が含まれている。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
(経営方針)
日本製鉄グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて、社会の発展に貢献することを企業理念に掲げて事業を行っています。
<日本製鉄グループ企業理念>
基本理念
日本製鉄グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて、社会の発展に貢献します。
経営理念
1.信用・信頼を大切にするグループであり続けます。
2.社会に役立つ製品・サービスを提供し、お客様とともに発展します。
3.常に世界最高の技術とものづくりの力を追求します。
4.変化を先取りし、自らの変革に努め、さらなる進歩を目指して挑戦します。
5.人を育て活かし、活力溢れるグループを築きます。
(経営環境)
中長期的な環境変化については、次のとおり想定しています。
世界経済は、今後とも新興国の経済成長やAI・エネルギー関連投資の拡大による成長が期待されます。一方、保護主義への転換、相互関税の発動等、政治と経済の相互作用が強まることで不確実性が増しています。こうした環境下での成長停滞リスク等を念頭に置く必要があります。
鉄鋼の需要見通しについては、インドをはじめとする新興国での経済成長に伴う需要増加、米国での製造業国産化による高級鋼需要の増加が期待されます。一方、日本国内では人口減少や製造業の海外移転等を背景に、需要の減少傾向が続く見通しです。供給面では、中国経済のピークアウトや内需の減少にも関わらず、中国国内での高水準の生産と積極的な輸出姿勢が続いており、通商摩擦の拡大も懸念されます。世界的な鉄鋼供給過剰構造の解消にはなお時間を要し、今後とも厳しい経営環境が続くと想定しています。
2026年度については、上記に加え、中東情勢が経済活動に与える影響が見込まれるものの、過去のオイルショック時に見られたエネルギー供給面での影響にとどまらず、グローバル分業型のサプライチェーンを構築している現在の経済構造のもと世界全体に波及するものとなっています。加えて、中東地域の経済規模が格段に拡大したことにより中東地域は日本を含むアジア諸国にとって重要な輸出マーケットとなっており、同地域の情勢は幅広い産業の需要に極めて大きな影響を及ぼします。特に鉄鋼業は多くの産業を下支えする基幹産業であるなか、当社は、他社と比較して品種メニューが豊富で対応する産業分野も極めて広く事業展開もよりグローバルに進めていることから、中東情勢が当社業績に与える影響について、現時点で網羅的かつ合理的に把握することはできません。
(経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)
2025年12月、当社は、お客様価値の創造を通じて持続可能で豊かな社会の実現に貢献する、「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」を目指し、成長を続けるため、「2030中長期経営計画」を策定しました。2026年度からの2030中長期経営計画では、一段と厳しい経営環境を想定し、国内事業のさらなる収益基盤強化と海外事業でのグローバル成長戦略の実行により、世界No.1の鉄鋼メーカーへの復権を果たします。
連結実力利益1兆円以上の実現を目指すとともに、将来のグローバル粗鋼1億トン以上の実現に向け、国内は、さらなる収益基盤強化による収益力向上、海外は、グローバル成長戦略の実行による飛躍的利益拡大を推進する各種施策を実行していきます。
これらの戦略を支える経営基盤をさらに強化するために、研究リソースを継続的に投入し世界最先端技術の開発を推進するとともに、業務刷新・効率化を推進し、人材の競争力強化等にも取り組んでいきます。
2030中長期経営計画の概要と具体的施策は次のとおりです。
<2030中長期経営計画(2025年12月公表)の概要と具体的施策>
当社は、お客様価値の創造を通じて持続可能で豊かな社会の実現に貢献する、「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」を目指し、成長を続けるため、「2030中長期経営計画」を策定し、諸施策に取り組んでいます。
Ⅰ.計画の概要
日本製鉄は、連結実力利益1兆円以上を確実に実現するとともに、将来のグローバル粗鋼1億トン以上の実現に向け、以下の戦略に基づき各種施策を実行していきます。
1.国内:さらなる収益基盤強化による収益力向上
国内事業では、コスト競争力の徹底追求に加え、総合的ソリューションの展開、グループ総合力の最大化を通じて、各需要分野・品種毎のニーズに応じた競争力を強化し、収益力の向上を図ります。自動車、インフラ(建築・土木)、さらにはエネルギー・造船等の分野毎に、お客様価値を創造し、国内需要を捕捉していきます。
2.海外: グローバル成長戦略の実行による飛躍的利益拡大
海外事業では、米国・欧州、インド、タイを重点地域とし、設備投資の実行に加え、日本製鉄の技術・ノウハウを最大限移転し、鉄源一貫体制を強化します。これにより、高級鋼から汎用鋼まで様々な需要を捕捉し、飛躍的に利益の拡大を図ります。
これらの戦略を支える経営基盤をさらに強化するために、研究リソースを継続的に投入し世界最先端技術の開発を推進するとともに、業務刷新・効率化を推進し、人材の競争力強化等にも取り組んでいきます。
Ⅱ.具体的施策
1. 国内:さらなる収益基盤強化による収益力向上
[需要分野・品種に応じた競争力強化]
(1) コスト競争力の徹底追求
製鉄事業の主要な事業である薄板事業において、新鋭設備投資の立上げと効果のフル発揮を推進します。各製鉄所・製造拠点の主たる役割を明確化し、集中的に生産することで効率化を図るとともに、グループ会社も含めた最適生産・物流体制を築きます。こうした最適生産体制追求の一環で、東日本製鉄所鹿島地区の連続焼鈍1基を2027年度末目途に休止します。
また、生産性向上に向けた日本製鉄と協力会社横断での改善取組みや、業務刷新・効率化にも徹底的に取り組むことで、国際競争を勝ち抜くコスト競争力を確保します。
(2) 総合的ソリューションの展開
自動車分野におけるNSafe®-AutoConceptやインフラ(建築・土木)分野でのProStruct®、エネルギー・造船分野向けの高機能商品・ソリューション提案を通じ、お客様価値の創造を図ります。また、名古屋製鉄所次世代熱延の活用や九州製鉄所八幡地区・瀬戸内製鉄所広畑地区・阪神地区(堺)における電磁鋼板の能力増強、㈱中山製鋼所との業務提携等を通じて、お客様の様々なニーズへの対応力を強化し、国内各分野での需要を捕捉します。
(3) グループ総合力の最大化
インフラ(建築・土木)分野において、地域軸で営業部や支社・支店、グループ会社が一体となった営業活動を一層強力に進めるとともに、日本製鉄グループ一貫での生産・流通体制を追求し、内需の捕捉力を強化します。また、これまでも進めてきたグループ会社再編によるさらなる収益力向上にも引き続き取り組んでいきます。
2. 海外:グローバル成長戦略の実行による飛躍的利益拡大
重点地域である米国・欧州、インド、タイにおいて積極的な設備投資を行っていくにあたり、今まで国内で培ってきた設備エンジニアリング技術を最大限活かすとともに、操業・商品等の技術力や品質管理・工程管理等のノウハウを移転し、海外事業の利益拡大を追求します。また、技術やノウハウ移転の効果発揮を確実なものとするために、人材についても集中的に投入し、グローバル成長戦略を確実に実行します。
(1) 米国
日本製鉄はUnited States Steel Corporation(以下「USスチール」)の買収を通じて、世界最大の高級鋼市場である米国において鉄源一貫製造体制を構築しています。 USスチールは、2028年末までに110億ドルの設備投資を実行し、日本製鉄は、最先端の操業技術・設備技術・商品技術を移転していくことにより、設備投資効果・シナジーを最大限発揮します。USスチールの競争力を抜本的に強化し、今後も成長が見込まれる米国の高級鋼ニーズに応えていきます。
(2) インド
人口増を背景とした経済成長により、鋼材需要の拡大が見込まれるインドでは、ArcelorMittal Nippon Steel India Limitedにおいて高級鋼製造対策とさらなる生産規模拡大を推進していきます。具体的には、インド西海岸ハジラ製鉄所において、既に着手している最新鋭の薄板製造設備も含めた能力拡張を確実に進めるとともに、南部(アンドラプラデシュ州ラジャヤペタ)における一貫製鉄所建設に着手し、インド国内でのシェアの拡大を図ります。
(3) タイ
タイの薄板市場は高級鋼・汎用鋼ともに今後も堅調な成長が期待されます。日本製鉄はタイにおいて、G Steel Public Company Limited及びG J Steel Public Company Limited並びにNS-Siam United Steel Co., Ltd.を中心に現在、約30%の市場シェアを確保していますが、鉄源からサプライチェーン一貫での強化を図り、インサイダーとしての強みを最大限発揮することで、ASEANの最重点マーケットであるタイの薄板市場におけるさらなるポジション拡大を図ります。
3. GXの推進
カーボンニュートラルへの取組みについては、国内で2030年までに大型電炉の実装を図るとともに、並行してGXスチール市場の形成に向けた制度化・国際標準化を推進していきます。また、政府支援や産官学連携強化を通じて革新技術の開発を加速し、2050 年でのカーボンニュートラルの実現を目指します。
4. 経営基盤の強化
国内・海外における主要施策を着実に実行する基盤として、最先端技術の開発推進、業務刷新・効率化の推進及び人材競争力の強化に取り組みます。
(1) 最先端技術の開発推進
研究リソースを継続的に投入し、安定生産とコスト競争力を実現するプロセス開発や品種高度化に貢献する商品開発を推進します。また、カーボンニュートラルに向けた革新技術の開発にも継続的に取り組みます。さらに、USスチールとの連携等グローバル研究開発体制の強化も図り、世界最先端技術の開発をより一層加速します。
(2) 業務刷新・効率化の推進
DXも含めた業務刷新・効率化を通じて、事業成長や付加価値の創造に直接的につながる仕事に集中し、生産性向上や技術力・営業力強化を通じて圧倒的競争力を確保します。そして、海外も含めた人材投入等全社最適の観点から課題に迅速・的確かつ機動的に対応し、持続的成長を実現する企業風土の確立に取り組んでいきます。
(3) 人材競争力の強化
人材の育成と活躍を推進すべく、人材の多様化を引き続き推進するとともに、海外派遣を含むグローバル人材育成施策のさらなる充実に取り組みます。また、育児等のライフイベントとの両立を支援する各種制度はすでに充実していますが、その実効性を最大化する取組みを加速化します。あわせて、業務刷新・効率化を含む生産性向上施策も実行し、社員一人ひとりの個の力を強化し、組織パフォーマンスを最大化します。
Ⅲ. 財務目標・株主還元
1.経営資源投入方針と投資計画
企業価値の持続的な向上を目指して、成長投資・株主還元・財務体質の健全性において、適切なバランスを追求しながら、経営資源を戦略的に投入します。
国内におけるさらなる収益基盤の強化による収益力向上、海外におけるグローバル成長戦略の実行による飛躍的利益拡大のために、今後5年間で、総額6兆円規模*1の設備投資・事業投資を実施します。
*1 USスチール(米国)への約110億ドルの投資(~2028年末)を含む。
2.収益・財務目標、株主還元方針
(1) 収益・財務目標
経営計画の諸施策の実行により、中長期的な収益力及び資本効率の向上、並びに財務基盤の強化に取り組んでいきます。こうした取組みの成果として、2030年度を一つのマイルストーンとし、下記の財務指標の達成を目指します。
主要財務指標(2030年度目標)
*2 劣後債等の資本性等調整後
(2) 株主還元方針(下限配当の新設)
中長期的成長に向けた投資、株主還元、財務体質の健全性を適切なバランスで実現する観点から、現行の「連結配当性向年間30%程度を目安」とする配当方針を継続します。
加えて、安定した収益基盤を築いてきたことも踏まえ、株主・投資家の皆様の配当の予見性を高め、日本製鉄の株式の魅力を高める観点から、2030中長期経営計画の5年間(2027年3月期~2031年3月期)においては、1株当たりの年間配当額の下限を24円とする方針とします。
日本製鉄は、今般策定した2030中長期経営計画の達成を通じて、世界No.1の鉄鋼メーカーへの復権を果たし、日本経済の復活に貢献します。
(経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しています。
(注) 上記(経営環境)と(経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)の記載には、本有価証券報告書提出日時点の将来に関する前提・見通し・計画に基づく予測や目標が含まれている。これらはその発表又は公表の時点において当社が適切と考える情報や分析、一定の前提等に基づき策定したものであり、かかる見積りに固有の限界があることに加え、実際の業績は、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性がある。かかる要因については、後記「3 事業等のリスク」を参照されたい。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次の通りです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
当社は、日本製鉄グループ企業理念において「常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて、社会の発展に貢献」する旨を定めており、サステナビリティ課題への対応が当社グループの存立・成長を支える基盤であると認識しています。
当社は、このような認識のもと、取締役会において、安全衛生、環境(気候変動対策を含む)、防災、品質、人材育成やDEI等、サステナビリティ課題におけるマテリアリティ(重要課題)を定め、それぞれの主管部門が中心となって取組みを推進しています。リスク及び機会を含めたこれらの取組み状況については、目的・分野別に副社長を委員長とする全社委員会等で審議した後、経営会議・取締役会に報告されています。また、各分野のリスク管理に関する事項等を含む内部統制全般については、内部統制担当の副社長を委員長とし、四半期毎に開催する「リスクマネジメント委員会」において、取組み状況を審議・確認し、重要事項については経営会議・取締役会に報告されています。当社の取締役会は、これらの仕組みを通じて、経営上の重要なリスク管理の監督を行っています。なお、当社のガバナンスの仕組みについては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」において記載しています。
(2)気候変動対策に関するガバナンス、リスク管理、戦略、指標及び目標
当社は、気候変動対策を経営の最重要課題と位置付け、当社独自の取組みとして「日本製鉄カーボンニュートラルビジョン2050」を公表し、2050年カーボンニュートラルの実現に向けてチャレンジしています。当社グループのCO2排出量は当社が大半を占めることに加え、グループ各社の事業特性により気候変動対策は異なることから、以降は当社の取組みについて記載します。
①ガバナンス及びリスク管理
当社は、全社委員会として設置した、環境政策課題を管掌する代表取締役副社長と環境技術課題を管掌する代表取締役副社長が共同して委員長を務めるグリーン・トランスフォーメーション推進委員会において、気候変動に関するリスクの認識、カーボンニュートラル推進に向けた諸施策の進捗確認、方針決定等の報告を行い、審議しています。審議内容のうち、重要な事項については、経営会議・取締役会に報告されています。取締役会は、定期的に報告を受けることにより経営上の重要なリスク管理の監督を行っています。
②戦略、指標及び目標
当社は、2050年カーボンニュートラル社会実現に向け、2021年3月に「日本製鉄カーボンニュートラルビジョン2050」を公表しました。当社は、2050年カーボンニュートラルの実現にチャレンジし、「社会全体のCO2排出量削減に寄与する高機能鋼材とソリューションの提供」及び「鉄鋼製造プロセスの脱炭素化によるカーボンニュートラルスチールの提供」という2つの価値を提供することで、サプライチェーンでのCO2削減の実現を目指します。

当社は、2050年カーボンニュートラルの達成に向けて、2030年にCO2排出量を2013年比30%削減する目標を掲げています。これについては、大型電炉での高級鋼製造、高炉水素還元(COURSE50)、既存プロセスの低CO2化、効率生産体制構築等により実現を目指しています。
2050年に向けては、大型電炉による高級鋼の量産製造、Super COURSE50等の高炉水素還元法の開発を通じたCO2排出の抜本的削減、水素による還元鉄製造等の超革新的技術にチャレンジし、CCUS等によるカーボンオフセット対策等も含めた複線的なアプローチでカーボンニュートラルを目指します。



なお、CO2排出量の前期の確定値及び当期の暫定値については、2026年9月頃発行予定の統合報告書で開示する予定としています(https://www.nipponsteel.com/ir/library/annual_report.html)。
これらの取組みを通じて、当社が提供する「社会全体のCO2排出量削減に貢献する製品・ソリューション技術」を総称するブランドとしてNSCarbolex®を立ち上げています。NSCarbolex®は、当社が提供する2つの価値を表すNSCarbolex® Neutral と NSCarbolex® Solutionの2つのブランドにより構成されます。
「NSCarbolex® Neutral」は、当社が実際に削減したCO2排出量をプロジェクト毎に把握し、マスバランス方式を活用して任意の製品に割り当てた鉄鋼製品で、この排出削減量、任意の製品への割当量は、ともに第三者機関の保証を受けたものです。社会における脱炭素ニーズが急速に高まるなか、いち早く脱炭素化に取り組むことは、お客様の競争力を高めることに繋がるものと考えています。当社は、NSCarbolex® Neutralの安定的な供給体制を早期に構築することで、お客様の脱炭素化に貢献していきます。
また、「NSCarbolex® Solution」は、社会におけるCO2排出量削減に寄与する高機能製品・ソリューション技術です。自動車の製造時・走行時のCO2排出量削減に寄与する「NSafe®-AutoConcept」、モーターの高効率化や送配電網におけるエネルギーロス削減に寄与する「高効率電磁鋼板」、建設現場の生産性向上等に寄与する建材ソリューションブランド「ProStruct®」、水素社会の実現に寄与する高圧水素用ステンレス鋼「HRX19®」などの高機能製品・ソリューション技術を通して、社会の様々な場面においてCO2排出量の削減に貢献していきます。

(3)人的資本に関する戦略、指標及び目標
①戦略
a.人的資本経営方針
当社グループは「常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて社会の発展に貢献する」ことを基本理念に掲げています。また、経営理念において「人を育て活かし、活力あるグループを築きます。」と掲げ、人材育成を経営の重要な基盤と位置づけ、従来から継続的に取り組んできました。
こうした考えのもと、人への継続的な投資を通じて、社員一人ひとりが持つ潜在力や専門性を最大限に引き出し、自律的な成長と挑戦を促すことが、グループ全体の生産性および競争力の向上につながり、経済的・社会的価値の創出、ひいては持続的な企業価値の向上を実現すると考えています。
上記経営理念の実現に向けて、2026 年度からの「2030 中長期経営計画」では、一段と厳しい経営環境を想定し、国内事業のさらなる収益基盤強化と海外事業でのグローバル成長戦略の実行により、世界No.1の鉄鋼メーカーへの復権を果たすことを目指しています。
国内における労働人口の減少や人材の流動化等の社会情勢の変化が進むなか、上記経営計画を確実に実行するためには、経営戦略と人事戦略との緊密な連携が欠かせません。これらを着実に実行するための人事施策として、1)業務刷新・効率化や自動化・機械化・配置合理化等の推進による「生産性向上」に取り組むとともに、2)人材の積極的な海外派遣等による海外で活躍できる人材の育成、及び多様な人材を確保・活躍推進させると同時に、社員一人ひとりが自律的に学び、成長できる環境を整備する成長支援を通じた「人材育成・活躍推進」に取り組むこととしています。これにより、個の力の強化および組織パフォーマンスの最大化を図り、当社グループの持続的成長を実現するための人材競争力強化を目指しています。
<人的資本経営の考え方(価値創造プロセス)>

b.人材育成及び社内環境整備に関する方針
近年の人口減少による採用競争の激化や個人のキャリア観の多様化・労働市場の流動化等の大きな環境変化等を人的資本に関する主要なリスクと認識しています。当社経営戦略の実現に向けては、人材育成と従業員のさらなる活躍推進が極めて重要であり、人材の確保・育成及び多様な人材の活躍推進、並びに生産性の向上に向けた各種施策により対応し、持続的な競争力の確保に努めています。
当社グループでは人材の育成と活躍を推進すべく、人材の多様化を引き続き推進するとともに、海外派遣を含むグローバル人材育成施策のさらなる充実に取り組んでいます。合わせて、業務刷新・効率化を含む生産性向上施策も実行し、社員一人ひとりの個の力を強化し、組織パフォーマンスを最大化することを目指しています。
当社グループでは、事業戦略を共有しグループ一体となった経営を行いつつも、人材育成及び社内環境整備に向けた具体的な取組みついては、グループ各社の事業特性を踏まえて実施しているため、以降は当社の取組みについて記載します。
1)人材の育成
ⅰ)人材育成方針
また、企業理念や経営方針に基づく組織戦略をもとに、人材育成を効果的に実行し定着していくために、「人材育成PDCA」を定めています。個人別の育成計画を策定し、上司・部下間のアサイン・コミットメント(アサコミ)シートによる対話を基軸としたOJTを行っています。2025年度からは、対話の実効性のさらなる向上を企図してアサコミシートを見直すとともに、上司・部下間の1on1も開始しており、上司・部下間の対話の質・頻度をさらに高めることで、社員の主体的・自律的な能力の伸長と最大発揮につなげています。こうした仕組みを通じて、各組織の戦略を遂行できる人材を計画的に育成しています。
ⅱ)グローバル人材育成
当社は海外の重点地域での積極的な設備投資を通じ、国内で培ってきた技術やノウハウを海外拠点へ移転することで、海外事業の利益拡大を図ることとしています。こうしたグローバル成長戦略を着実に実行するため、成長分野への人材の集中的な投入や海外事業への積極的な配置活用、さらには海外派遣等を通じて、グローバル人材育成を強化していきます。
これに向けた基盤整備として、語学を含む国際教育や派遣者教育の強化を進めるとともに、海外事業への派遣者拡大による社員の成長機会の創出を図っています。現在、海外派遣者は約400名ですが、今後さらなる拡大を目指しており、20代からの積極的な海外派遣を通じて早期からグローバルな経験を積むことで、将来の中核人材としての育成を進めています。

ⅲ)DX人材育成
当社は、業務刷新・効率化を含む生産性向上施策の実行を通じて、社員一人ひとりの個の力を強化し、組織パフォーマンスの最大化を目指しています。その一環として、「データサイエンス教育」と「デジタル・マネジメント教育」の両面からDX人材育成に取り組んでいます。
「データサイエンス教育」においては、データサイエンス知識レベルに応じて、エキスパートデータサイエンティスト、シチズンデータサイエンティスト、データサイエンスユーザーの3つの区分を設定しています。
スタッフ系社員全員がデータサイエンスユーザー以上となること、また各職場のスタッフの20%以上がシチズンデータサイエンティストとなることを目標に教育を推進しています。
ⅳ)成長支援
対話・コミュニケーションの促進や、中堅・若手社員の海外派遣等の挑戦や成長の機会付与を通して、従業員のエンゲージメント向上施策を強化しています。加えて、社員が自律的に学ぶオンデマンド学習メニューを拡充しており、各人の成長支援につなげています。
配置・育成施策としては、2023年度より社内公募・社内起業制度を開始しています。社内公募では従業員のキャリア形成を支援するとともに、新しい視点やスキルを持つ人材が異動することにより、組織全体の活性化につなげています。また、社内起業では起業を通じた人材の育成に加えて、既存の枠組に囚われず新しい仕事にチャレンジする風土の醸成等を意図しています。
2)人材の多様化
ⅰ)人材確保
また、2024年度から毎年、初任給の引き上げを実施しており、従業員の処遇条件についても、足元の物価上昇を上回る改訂を3年続けて実施しました。引き続き製造業トップクラスとなる一流の処遇水準を維持することで、人材の確保や従業員の一層の定着を目指しています。
ⅱ)DEI推進
a)多様な働き手・働き方
上記ⅰ)に記載の多様な働き手の確保に加えて、多様な属性・事情を抱えるすべての人材が、有限である時間を最大限有効に活用し、個々人の能力を最大限発揮するという観点から、より柔軟で多様な働き方の実現を追求しています。テレワークの活用に加え、各種勤務制度の拡充に取り組んでいます。これまで単身赴任者に関わる制度の拡充や、育児・介護等のため短時間勤務を利用する社員について、フレックス勤務の適用を可能とする制度改定等を行っており、社員がさらに活き活きと生産性高く持てる力を最大限発揮する働き方を追求することで、生産性の向上及びワークライフバランスの実現を目指しています。
b)ジェンダー平等
従来から法定水準を上回る制度の導入や24時間対応可能な保育所等、女性従業員が働きやすい労働環境を整備するとともに、採用の拡大に取り組んできました。より一層のジェンダー平等に向けて、女性管理職数の中長期目標を設定し、キャリア研修や女性先輩社員とのオンラインによる交流企画の実施、ライフイベントを見越した育成施策の充実、社内の風土醸成のためのダイバーシティマネジメント及びアンコンシャスバイアスに関わる教育等を進めています。
c)基盤整備
基盤整備の取組みとしては、健康推進、組織風土・文化・風通し、エンゲージメント向上の観点で各種取組みを実施しています。その時々の様々な課題に応じて、従業員へのアンケートや各種調査等を継続的に実施し、定点観測を通じて課題や改善点を把握することで、施策の見直し・反映・充実化を図り、組織内の風通しの向上につなげています。
②指標及び目標
上記人事戦略を着実に推進するため、ジェンダー平等、多様な働き手・働き方、人材育成等に関するKPIを設定し、取組みを加速しています。今後も人的資本に関する主要指標について定期的にレビューし、必要に応じて内容の見直しを行います。
なお、当社グループではグループ各社の事業特性を踏まえた各々の取組みを実施しており、連結グループとしての目標設定は実施していないため、当社の指標及び目標を記載します。
*1 各年度の昇格実施日現在の数値である。
*2 定量目標を設定していない。
3 【事業等のリスク】
本報告書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、下記各項のものがあります。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。また、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況」の他の項目、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」の各注記、その他においても個々に記載していますので、あわせて御参照ください。
なお、当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、本報告書「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりの企業統治体制を整え、内部統制システムを整備・運用し、各社・各部門が自らの事業上のリスクの把握・評価を行ったうえで、組織規程・業務規程において定められた権限・責任に基づき業務を遂行しています。
文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものです。
<経営環境(鉄鋼市場)に関するリスク>
(1)日本及び海外の経済状況の変動等
製鉄事業を中核とする当社グループにおいては、連結売上収益の約9割を製鉄事業が占めています。自動車、建設、エネルギー、産業機械等、鋼材の主要な需要家が属する業界と同様に、製鉄事業は国内外のマクロ経済情勢と相関性が高く、日本や世界経済の景気に大きく影響されます。
当社は、資産の多くを日本に保有しており、日本の政治的、経済的又は法的環境が大きく変わると、その資産価値が大きく変動するリスクがあります。また、日本は、当社グループの最も重要な地理的市場の一つであり、国内売上収益が連結売上収益の約5割を占めます。先行きを見通すことは困難ですが、日本国内においては、人口減少や製造業の海外移転等を背景に需要の減少傾向が継続しており、今後、経済情勢が悪化した場合には、当社グループの事業活動、業績、財政状態や将来の成長に悪影響が生じる可能性があります。
また、当社グループは、グローバル戦略の深化・拡充を事業戦略の一つに掲げており、海外売上収益は、連結売上収益の約5割を占めます。海外では政情不安(戦争・内乱・紛争・暴動・テロを含む。)、日本との外交関係の悪化、経済情勢の悪化、商習慣、労使関係や文化の相違に加え、鋼材需要の減退、価格競争の激化、大幅な為替レート変動、自然災害の発生、感染症の拡大、投資規制、輸出入規制、為替規制、現地産業の国有化、税制や税率の大幅な変更等、海外各国における事業環境の変化により、当社グループの事業活動、業績、財政状態や将来の成長に悪影響が生じる可能性があります。足元の事業環境においては、国内外ともに製造業・建設業のベース需要が低迷しているなか、中国経済の減速に伴う需給ギャップの拡大及び過剰生産の継続を背景に、安価な鋼材輸出の増加が国際市況の低迷を招いており、鉄鋼需給の観点から厳しい環境が継続しています。
さらに、保護主義的な通商政策の台頭や相互関税の発動等により、通商措置の強化及び輸出入環境の変化が生じており、政治と経済の相互作用の強まりを通じて、不確実性が増しています。
加えて、中東情勢の緊迫化等を含む地政学的リスクは、エネルギーや原燃料の供給に影響を及ぼすのみならず、グローバルなサプライチェーンを通じて幅広い産業の需要に波及しており、その影響を網羅的かつ合理的に定量化することは困難な状況にあります。
このように、鉄鋼需要の構造的な変化に加え、通商政策の動向及び地政学的要因等が複合的に影響するなか、当社グループの事業活動、業績、財政状態や将来の成長は、今後の世界経済の動向等により、想定と大きく異なる結果となる可能性があります。
(2)鋼材需給の変動等
鋼材の国際的な需給の変動は、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。特に、中国における鉄鋼の過剰生産及び輸出拡大を背景とした各国の通商措置拡大や、米国政権による関税政策等が、世界の鋼材需給の悪化や鋼材価格の下落を招くおそれがあります。また、各地で勃発する紛争等の地政学リスクによっても、鋼材需給が悪化するおそれがあり、これらにより、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
さらに、当社グループの製鉄事業における需要家の多くは、鋼材を大量にかつ長期にわたり購入しており、主要な需要家において事業戦略や購買方針の大幅な変更が生じた場合、あるいは鋼材等の販売先である商社・需要家等において与信リスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。
(3)原燃料価格の変動等
当社グループは、鋼材の生産に必要な鉄鉱石、石炭等の主原料の大半をオーストラリア、ブラジル、カナダ、米国等の海外から輸入しています。また、当社グループは、主原料をはじめ、合金、スクラップ、天然ガス等の原燃料の調達に際し、調達ソースの分散等を通じて安定調達に努めていますが、その価格や海上輸送にかかる運賃は国際的な需給状況により大きく変動しており、市況が高騰した際に、当社グループがこれを鋼材の販売価格に転嫁できなければ、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。また、原燃料生産国における大きな自然災害、ストライキやトラブルの発生、政治情勢の悪化や戦争・テロ、感染症の拡大等により、原燃料の生産・出荷・貿易量が減少すると、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
(4)為替相場の変動
当社グループは、製品等の輸出及び原燃料等の輸入において外貨建取引を行っており、また外貨建ての債権債務を保有しています。製品等の輸出による受取外貨を原燃料等の輸入の際の支払外貨に充当することにより為替変動影響の大部分を排除したうえで、実需原則に基づいて先物為替予約を実施していますが、為替相場の変動が当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。また、外貨建資産の評価や海外事業の利益の円換算等において、為替相場の変動が当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
円高が進んだ場合、鋼材を中心とする当社グループの国内製品の輸出競争力が損なわれることや、自動車、家電、エネルギー、産業機械等、製鉄事業の主要な需要産業の輸出競争力も損なわれて国内鋼材需要が減退することにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。一方、円安が進んだ場合、輸出市場においては相対的に価格競争力が増しますが、原燃料等の価格が高騰している状況においては、急速な円安によるコスト影響が従来以上に大きくなる可能性があります。
(5)他素材との競合
鉄鋼製品は、アルミニウム、炭素繊維、ガラス、樹脂・プラスチック、複合材、コンクリート及び木材のような他の素材と常に競合しています。近年、特にエコカーの普及等により素材へのニーズが多様化している自動車向け用途においては、当社グループも独自に鋼材のさらなる軽量化や高機能鋼材の研究・開発・製造等を進めていますが、需要家がアルミニウム、樹脂、炭素繊維複合材等の他素材への転換を選択し鋼材の需要が減少すると、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
<事業戦略・計画の遂行に関するリスク>
(1)中長期経営計画の遂行
当社グループは、2025年12月に「2030中長期経営計画」(本項において、以下「中長期経営計画」という。)を策定し、その計画に掲げた具体的諸施策を推進しています。中長期経営計画は、策定当時において適切と考えられる情報や分析等に基づき策定されていますが、こうした情報や分析等には不確定要素が含まれています。今後、事業環境の悪化や本「事業等のリスク」として記載したすべての事項を含めたその他の要因により、期待される成果の実現に至らず、中長期経営計画で掲げた投入計画、財務目標も達成できない可能性があります。
(2)コスト改善の取組み
当社グループは、コスト体質強化につながる技術開発や操業効率化に資する設備・技術への投資、製造プロセス一貫での最適製造化、当社技術・ノウハウの海外拠点への移転、並びに業務刷新・効率化や自動化・機械化等を通じた生産性向上の取組みを進めています。しかしながら、国内外の鉄鋼需給の変化や輸出環境の悪化、各種コストの上昇等により、当社グループを取り巻く事業環境が悪化した場合には、収益に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらの環境変化に対し、上記の取組みを通じてコスト低減及び収益力の維持・向上を図りますが、技術開発や設備投資等が計画通り進まない場合や、外部環境の変化に対して想定通りの効果を発揮できない場合、又は必要な投資が適時かつ十分に実施されない場合には、コスト競争力の強化が十分に実現されず、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
(3)設備投資
製鉄事業は資本集約型産業であり、継続的に多額の設備投資及び設備修繕支出を必要とします。当社グループは、国内外において設備の新鋭化・健全性維持及び成長分野の需要捕捉等に向けた設備投資を計画的に実施していますが、減価償却費が増加するほか、当初想定した効果が十分に得られないこと等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
(4)組織再編、海外投資等
当社グループは、国内外において、合併や買収、合弁会社の設立等の組織再編や投資を実施しており、今後もこれらを継続する可能性があります。当社グループは、慎重な事業評価、契約交渉、社内審議等のプロセスを経たうえで投資等の実行を判断し遂行していますが、対象各地域の需要動向、競争環境、為替動向、政治・経済情勢、規制・政策動向等の影響や、設備技術・操業技術・商品技術等の技術力、品質管理・工程管理等のノウハウの移転及び統合が計画通りに進まないことにより、投資効果が創出されなかったり、連結財政状態計算書に計上したのれんに減損が生じたりする場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
(5)事業構造・生産体制の見直し
国内鉄鋼需要の縮小や海外鉄鋼市場における競争激化及び主要生産設備の老朽化に対応すべく、国内製鉄事業においては、商品と設備の取捨選択による集中生産等を基軸とした、体質強化の徹底的な推進を目的に、設備の休止や不採算品種からの撤退等の生産設備構造対策を実施していますが、今後の経営環境の変化や収益動向等を踏まえ、さらなる対策を実施する可能性があります。海外においても、既存の事業についてこれまでに選択と集中を積極的に推進しましたが、経営環境の悪化等により、将来的に収益回復の見込みがない不採算事業や投資目的が希薄化した事業を中心に、引き続き再編・撤退を行う可能性があります。これらのさらなる対策及び再編・撤退等を実施する場合、減産や一時的な損失の発生等により、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。なお、当期においては、事業再編損として2,712億円の損失を計上しています。
(6)カーボンニュートラル実現に向けた取組み
当社は、「日本製鉄カーボンニュートラルビジョン2050」のもと、「大型電炉による高級鋼製造」「水素による還元鉄製造」「Super-COURSE50等の高炉水素還元」の3つの新たなプロセス技術の開発・実装に取り組み、CCUS等によるカーボンオフセット対策も含めた複線的なアプローチで、2050年までのカーボンニュートラルを目指しています。こうしたカーボンニュートラル鉄鋼生産プロセスの実現には巨額の投資が必要であり、操業コストが従来プロセスと比べ上昇することも見込まれます。これに対し、非連続的イノベーション等のための研究開発や設備実装、増加する操業コストに対する政策措置、「CO2削減価値」をバリューチェーン全体で共有・負担する健全なGXスチール市場の形成等について、政府をはじめとする関係部門に対して働きかけを行ってきていますが、十分な政策措置等が講じられない場合や、必要な原材料(高品位鉄鉱石・スクラップ等)やグリーンエネルギー(水素、電力等)の安定的な供給体制、CCUSの社会的実装等の外部条件が想定と異なる場合、鉄鋼業界にとって不利となる制度変更、研究開発の成果が得られない等の場合には、期待される成果の実現に至らず、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
(7)人材確保・育成、DEIへの取組み、業務刷新・効率化
当社グループの将来の成長は、有能な人材の確保及び育成に依拠する部分も大きいことから、仕事と生活の調和の取れた働き方の実現や関連諸制度の浸透・定着等によって就労環境の整備を図りつつ、育成体系の整備等を行いながら、安定的な人材確保と人材競争力の強化に努めています。また、有能な人材の確保及び育成とともに、会社人生で発生し得るライフイベントや健康に起因する労働損失を最小化し、様々な事情を抱える多様な人材が生産性高く、誇りを持って活躍できる働き方を実現するために、DEIの積極的な推進等を通じ、多様な従業員が誇りとやりがいを持って活躍できる企業を実現していくべく、具体的な取組みの強化に努めています。加えて、海外派遣を含むグローバル人材育成施策の更なる充実に取り組むとともに、国内人口減少による人手不足等の課題に対応するべく、DXを含めた業務刷新・効率化を進めています。当社グループは、有能な人材の確保と育成、DEIの推進、また業務刷新・効率化の推進に努めていますが、計画通り達成できない場合、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
<事業運営に関するリスク>
(1)設備事故、労働災害等
当社グループの中核事業である製鉄事業の生産プロセスは、高炉、コークス炉、転炉、連続鋳造機、圧延機、発電設備等の特定の重要設備に依存しています。当社グループは、安定生産の確保を図るため、設備と人材の両面で製造実力の強化策を推進していますが、これらの設備において、電気的又は機械的事故、火災や爆発、労働災害等が生じた場合、一部の操業が中断し、生産・出荷が遅延すること等により費用や補償の支払いが発生し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。なお、当社グループは、これらの事故等に関連し、一定の保険を付しています。
(2)品質問題等
当社グループは、鉄鋼製品をはじめ、様々な製品・サービスを顧客に提供しています。当社は、「品質は生産に優先する」という基本的なものづくりの価値観のもと、一般社団法人日本鉄鋼連盟が定めた「品質保証体制強化に向けたガイドライン」等に沿った様々な取組みを実施していますが、製品やサービスに欠陥が見つかり品質問題が生じた場合は、顧客等から代品の納入や補償を求められるほか、製造・品質管理オペレーションの中止や見直しを行う必要が生じたり、当社グループ又は当社グループの製品やサービスに関する信頼が損なわれて売上が減少したりすること等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。なお、当社グループは、これらの事故等に関連し、一定の保険を付しています。
(3)知的財産権の侵害等
当社グループは、技術開発等の成果である知的財産について、特許権等の知的財産権を取得、保有又は営業秘密として秘匿することにより、事業活動における競争優位性を確保しています。これらの知的財産について第三者による権利侵害や無断使用等がなされた場合又は第三者から権利の有効性が争われた場合、当社グループは速やかに法的措置等を検討・実施するものの、必要な法的保護が受けられない可能性、また、損害の回復が十分になされない可能性があります。この場合、当社グループの競争優位性の喪失を招き、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
当社グループは、各国・地域の知的財産法を遵守し、また第三者の知的財産を尊重し、事業活動を展開しています。しかしながら、第三者から知的財産の侵害訴訟等を提起され、当社グループに不利な判断がなされた場合は、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
(4)情報システムの障害、情報漏洩等
当社グループの事業活動は、情報システムの利用に大きく依存しており、また、自社及び顧客・取引先の営業機密や個人情報等の機密情報が情報システムに保管されています。当社においては、技術情報をはじめとする機密情報の漏洩対策を最重要の経営課題として認識し、システムのセキュリティ強化に加えて、業務ルール、社員教育等の対策を推進していますが、当社グループの情報システムにおいて、悪意ある第三者からのウイルス感染等のサイバー攻撃等により、システム停止、機密情報の外部漏洩や棄損・改ざん等の事故が起きた場合、生産や業務の停止、知的財産における競争優位性の喪失、訴訟、社会的信用の低下等を招き、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
<その他のリスク>
(1)自然災害、戦争・テロ・感染症等
当社グループは、製造、販売、研究開発等の活動をグローバルに展開しており、世界中に拠点を有しています。製鉄所をはじめとするこれらの各拠点においては、台風、地震、津波、洪水等の自然災害、戦争やテロ行為が生じた場合に備え、ハード面(設備対策)、ソフト面(事業継続計画の策定等)において、一定の対策を施していますが、大規模な自然災害等に見舞われた場合は、各拠点の設備、情報システム等が損害を被り、一部の操業が中断し、生産・出荷が遅延すること等により費用や補償の支払いが発生したり、原料・製品・燃料の輸送手段等のインフラが停止したりすること等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。また、当社グループの拠点の有無にかかわらず、大規模な自然災害や戦争・テロ行為が生じた場合や強力な新型インフルエンザ等の感染症が世界的に流行した場合には、当社グループの事業活動に制約が生じる可能性があります。また、これに伴い、需要家の活動水準の低下やサプライチェーンの混乱等の影響による景気の急速な悪化等を通じて、当社グループの生産活動及び販売活動等に支障をきたす可能性があります。
(2)事業活動にかかる環境規制
当社は、製鉄所毎に異なる環境リスクへのきめ細かな対応や各地域の環境保全活動を通じた環境リスクマネジメントを推進し、グループ全体での環境負荷低減に取り組んでいます。当社グループは、事業活動を行う日本及び海外各国において、大気・水・土壌の汚染、化学物質の利用、廃棄物の処理・リサイクル等に関する広範な環境関連規制の適用を受けており、今後、当社グループに不利な法規制の導入・改正・運用・解釈がなされることにより、当社グループの事業活動の継続が困難となったり、法令遵守のための費用が増加したりする可能性があります。
また、当社グループは、「持続可能な開発目標(SDGs)」の一つのゴールに掲げられた気候変動対策にも貢献すべく、世界最高レベルの資源・エネルギー効率で鋼材を生産し、中長期的なCO2排出量削減の観点から革新的な技術開発と長年培った技術の海外への移転・普及にも積極的に取り組んでいますが、CO2排出量取引(GX-ETS)が2026年度から本格導入されたことから、CO2の排出や化石燃料の利用に対する新たな規制により、製鉄事業を中心に当社グループの事業活動が制約を受けたり、費用が増加したりする可能性があります。
(3)非金融資産の減損及び繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、製鉄所設備等の有形固定資産や無形資産、のれん等の多額の非金融資産を所有していますが、経営環境の変化等に伴い、その収益性が低下し投資額の回収が見込めなくなった場合には、将来的な回収可能性を踏まえて非金融資産の帳簿価額を減額し減損損失を計上するため、当社グループの業績や財政状態に悪影響が生じる可能性があります。当期末における有形固定資産の残高は5兆8,995億円、無形資産の残高は8,328億円、のれんの残高は2,597億円となっています。
また、当社グループは、将来の課税所得の見積りに基づき繰延税金資産を計上していますが、経営環境の変化等に伴い将来課税所得の見積りの変更が必要になった場合や税率等の税制変更があった場合、繰延税金資産の取崩しにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。なお、当期末における繰延税金資産(繰延税金負債との相殺前)の残高は4,806億円となっています。
(4)有価証券等の保有資産(制度資産を含む。)価値の変動
当期末において、当社グループは株式等の資本性金融商品、関連会社・共同支配企業に対する投資を合計1兆9,336億円保有しています。このうち、取引先や提携先の政策保有株式については、すべての株式を対象に、保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を具体的に精査し、保有の適否を確認しており、時価が一定額を超える政策保有株式については、取締役会において毎年検証しています。しかしながら、投資先の業績不振、証券市場における市況の悪化等により、評価損が発生する可能性があります。また、上記のほかに、当期末において、制度資産(退職給付信託財産を含む。)が当社グループ合計で1兆4,427億円あり、この資産を構成する国内外の株式、債券等の価格変動や金利情勢の変動が財政状態等に影響を与える可能性があります。
(5)金融市場の変動や資金調達環境の変化
当期末における当社グループの連結有利子負債残高は、5兆1,742億円であり、金利情勢、その他の金融市場の変動が業績等に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、事業資金を金融機関からの借入及び社債の発行等により調達しています。当社グループは、中長期経営計画に掲げた親会社の所有者に帰属する持分に対する有利子負債の比率(劣後ローン・劣後債資本性調整後D/Eレシオ)0.7程度、及びEBITDAに対する有利子負債の比率(劣後ローン・劣後債資本性調整後D/EBITDA)3.5以下を目標とし、健全な財務体質の維持に努めていますが、金融市場が不安定となり又は悪化した場合、金融機関が貸出を圧縮したり格付機関が当社の信用格付の引き下げをしたりした場合等においては、必要な資金を必要な時期に適切な条件で調達できず、資金調達コストが増加することにより、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。その結果として、「中長期経営計画」に掲げた上記目標を達成できない可能性もあります。
(6)海外の主要市場における関税引上げ、輸入規制
これまで当社グループにおける一部の鋼材の輸出取引において、米国や東南アジア諸国等から反ダンピング税等の特殊関税を賦課されています。当社グループは、輸入規制を受ける可能性を認識のうえ輸出取引を行うなど、適切に対応するよう努めていますが、将来、海外の主要市場国において関税引上げ、特殊関税の賦課、数量制限等の輸入規制が課せられた場合には、輸出取引が制約を受けることにより、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。
(7)会計制度や税制の大幅な変更
当社グループが事業活動を行う国において、会計制度や税制が大きく変更され又は当社グループに不利な解釈や適用がなされたりした場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。なお、当社は、グローバル展開の一層の推進による企業価値の向上と資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上を目的に、連結財務諸表において国際会計基準(IFRS)を任意適用しています。
(8)人権に関する国際規範等への対応
当社グループは、人権に関する国際規範等を踏まえ、人権の尊重へのコミットメント、人権デューディリジェンスや是正・救済措置等の取組みを定め、人権尊重に対する当社グループの企業姿勢を内外に示すため、「日本製鉄グループ人権方針」を制定しています。本方針は、当社グループの役員・従業員のみならず、サプライヤーを含むすべてのステークホルダーにも本方針を理解し、支持していただくことを求めています。当社グループは、人権の尊重に最大限配慮しつつ、高い倫理観を持って事業活動に取り組む方針としていますが、当社グループ及びそのステークホルダーに人権の尊重に関する問題が発生した場合には、調達や生産・販売への影響に加えて、社会的信用の低下等により、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
(9)各種法的規制、訴訟等
当社グループの事業活動はグローバルに展開しており、日本及び海外各国・地域の法規制に従って事業活動を行っています。法規制には、商取引法、競争法、労働法、証券関連法、知的財産権法、環境法、税法、輸出入関連法、個人情報保護関連法、刑法等に加えて、事業活動や投資を行うために必要とされる様々な許認可及び経済安全保障に関連する規制等があります。今後、当社グループに不利な法規制の導入・改正・運用・解釈がなされることにより、当社グループの事業活動の継続が困難となったり、法令遵守のための費用が増加したりする可能性があります。
当社グループは、法令遵守が事業活動の基盤であることを認識し、国内外の役員・従業員に対し、様々な形で法務・コンプライアンス教育を実施していますが、当社グループが何らかの法規制に違反したと認定された場合には、課徴金、許可取消等の行政処分、罰金等の刑事処分を受ける可能性があり、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
また、当社グループの広範な事業活動から、様々な第三者から訴訟を提起される可能性があり、重要な訴訟において当社グループに不利な判断がなされた場合には、事業活動の停止・制約、補償等により、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当期における当社グループの経営成績の状況の概要は、本報告書「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しています。
② 当期末の資産、負債、資本及び当期のキャッシュ・フロー
当連結会計年度末における資産、負債、資本については、下記のとおりです。
連結総資産は14兆6,605億円と、前連結会計年度に比べて3兆7,181億円増加しました。負債は8兆6,360億円と、前連結会計年度に比べて3兆5,969億円増加しました。資本は6兆245億円と、前連結会計年度に比べて1,211億円増加しました。なお、当期末の親会社の所有者に帰属する持分は5兆5,304億円となり、有利子負債は当期末5兆1,742億円となりました。この結果、親会社の所有者に帰属する持分に対する有利子負債の比率(D/Eレシオ)は0.94倍(劣後ローン・劣後債資本性調整後0.71倍)となりました。
(総資産)
現金及び現金同等物は、前期末(6,725億円)から2,112億円減少し、当期末4,612億円となりました。これは、事業利益による営業活動キャッシュ・フローの収入、当社米国子会社とUnited States Steel Corporationとの合併(以下「本合併」という。)に伴う株式取得対価のパーマネントファイナンスを目的としたコミット型劣後特約付タームローン、転換社債型新株予約権付社債、JBIC協調融資等の資金調達等による財務活動キャッシュ・フローの収入があった一方で、有形固定資産及び無形資産の取得、本合併を中心とした連結の範囲の変動を伴う子会社株式の取得等による投資活動キャッシュ・フローの支出があったことによるものです。
営業債権及びその他の債権は、前期末(1兆4,304億円)から3,377億円増加し、当期末1兆7,682億円となりました。これは、本合併等によるものです。
棚卸資産は、前期末(2兆1,990億円)から5,769億円増加し、当期末2兆7,760億円となりました。これは、本合併等によるものです。
有形固定資産は、前期末(3兆6,355億円)から2兆2,639億円増加し、当期末5兆8,995億円となりました。これは、本合併に加えて、名古屋製鉄所の次世代熱延ライン等、戦略商品の能力・品質向上対策への投資を含め、競争力優位な設備への選択投資を実行したこと等によるものです。
のれんは、前期末(716億円)から1,881億円増加し、当期末2,597億円となりました。これは、本合併等によるものです。
無形資産は、前期末(2,632億円)から5,695億円増加し、当期末8,328億円となりました。これは、本合併等によるものです。
(負債)
有利子負債は、前期末(2兆5,074億円)から2兆6,668億円増加し、当期末5兆1,742億円となりました。これは、本合併に伴う株式取得対価のパーマネントファイナンス等によるものです。
営業債務及びその他の債務は、前期末(1兆6,713億円)から6,687億円増加し、当期末2兆3,401億円となりました。これは、本合併等によるものです。
(資本)
利益剰余金は、前期末(3兆8,199億円)から677億円減少し、当期末3兆7,521億円となりました。これは、親会社の所有者に帰属する当期利益(171億円)等による増加があった一方で、配当の支払による減少(1,464億円)があったことによるものです。
その他の資本の構成要素は、前期末(4,736億円)から2,061億円増加し、当期末6,797億円となりました。これは、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の公正価値の純変動による増加(579億円)、為替相場の変動による在外営業活動体の換算差額の増加(1,753億円)等があったことによるものです。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローについては、下記のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは7,169億円の収入となりました(前期は9,785億円の収入)。
投資活動によるキャッシュ・フローは2兆8,371億円の支出となりました(前期は4,624億円の支出)。
この結果、フリーキャッシュ・フローは2兆1,202億円の支出となりました(前期は5,161億円の収入)。
財務活動によるキャッシュ・フローは1兆8,863億円の収入となりました(前期は3,133億円の支出)。
以上により、当期末における現金及び現金同等物は4,612億円(前期は6,725億円)となっています。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前利益1,728億円に、減価償却費及び償却費(5,739億円)の加算、事業再編損(2,712億円)の加算等の収入がある一方で、持分法による投資損益(854億円)の控除の調整に加え、法人所得税の支払(2,233億円)等による支出がありました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
関係会社株式の売却による収入(1,005億円)等がある一方で、有形固定資産及び無形資産の取得による支出(8,631億円)、本合併を中心とした連結の範囲の変動を伴う子会社株式の取得による支出(2兆155億円)等がありました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
本合併に伴う株式取得対価のパーマネントファイナンス等の資金調達を通じた有利子負債の増加(2兆52億円)等による収入がある一方で、前期末及び当第2四半期末の配当の支払(1,464億円)等による支出がありました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
(注) 1 金額は製造原価による。
2 上記の金額には、グループ向生産分を含む。
b. 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
(注)1 上記の金額には、グループ内受注分を含まない。
2 「製鉄」、「ケミカル&マテリアル」は、多種多様な製品毎に継続的かつ反復的に注文を受けて生産・出荷する形態を主としており、その受注動向は、生産実績や販売実績に概ね連動していく傾向にあり、また、需要動向等についても、本報告書「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」において記載していることから、金額又は数量についての記載を省略している。
c. 販売実績
当連結会計年度における外部顧客に対する販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
(注) 1 前連結会計年度及び当連結会計年度における輸出販売高及び輸出割合は、次のとおりである。
(注) 輸出販売高には、在外子会社の現地販売高を含む。
2 主な輸出先及び輸出販売高に対する割合は、次のとおりである。
(注) 輸出販売高には、在外子会社の現地販売高を含む。
3 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、各販売先への当該割合が100分の10未満のため、記載を省略している。
4 当連結会計年度において、販売実績に著しい変動があった。これは、製鉄セグメントにおいてUnited States Steel Corporationが連結子会社となったこと等によるものである。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績の分析)
当期の世界経済は、AI、電力、防衛等の一部分野を除き、国内・海外ともに製造業・建設業のベース需要が低迷し、世界の鉄鋼事業環境は危機的な状況が継続しています。中国では、経済減速による需給ギャップ拡大を背景に過剰生産が継続し、これに伴う安価な鋼材輸出増加が国際市況の低迷を招いています。こうした環境のもと、各国・地域で通商措置が発動されており、日本国内への輸出圧力がさらに高まっています。このため、日本においては輸入通商対策の強力な検討・推進が重要性を増している状況です。
当社は、こうした厳しい経営環境を早くから想定し、2021年3月に策定した「日本製鉄グループ中長期経営計画」(以下、前中長期経営計画)において、4つの柱として「国内製鉄事業の再構築とグループ経営の強化」、「海外事業の深化・拡充に向けた、グローバル戦略の推進」、「カーボンニュートラルへの挑戦」及び「デジタルトランスフォーメーション戦略の推進」を掲げるとともに、当初想定を上回る事業環境の変化にも対応する諸施策を実行してきました。国内では、生産設備構造対策による固定費削減、紐付き価格の是正と外部調達コスト変動影響の負担適正化とともに品種高度化を通じた限界利益の引上げによる損益分岐点の抜本的な引下げを実行し、その効果を着実に発現させてきました。加えて、国内鉄グループ会社再編によるシナジー最大化の追求、United States Steel Corporation(以下、USスチール)買収やインドでの能力拡張等の海外事業の深化・拡充、原料「調達」から「事業」への進化、流通を自らの事業分野へ取り込むことにより「幅と厚み」を持つ強靱な事業構造への進化を進めてきました。これらの取組みにより鉄鋼事業の環境悪化に先手を打つことで、当初想定以上に需要が減少し競合が激化する局面においても、実力ベース連結事業利益(※)6,000億円以上を確保し得る優位性を構築しました。その結果、世界の同業他社と比較して相対的に高水準の収益力を維持しているものと認識しています。
(※)事業利益より在庫評価差等を控除し、当社グループとしての実力を表すと認識しているもの。
当期の連結業績については、売上収益は10兆632億円(前期は8兆6,955億円)、事業利益は5,141億円(前期は6,832億円)、親会社の所有者に帰属する当期利益は171億円(前期は3,502億円)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりです。当社グループは、製鉄事業を中核として、エンジニアリング、ケミカル&マテリアル、システムソリューションの4つのセグメントで事業を推進しており、製鉄セグメントが連結売上収益の約9割を占めています。
(当期のセグメント別の業績の概況)
<製鉄>
製鉄セグメントの売上収益は9兆2,217億円(前期は7兆8,743億円)、セグメント利益は4,399億円(前期は6,210億円)となりました。
製鉄セグメント利益の前期に対する増減△1,810億円の主な要因は次のとおりです。
当社は従来からの抜本的な収益構造対策等の継続により収益の最大化に取り組んできましたが、極めて厳しい事業環境が継続するなか、コスト改善(+1,300億円)の効果はあったものの、生産・出荷数量(△200億円)やマージン(△1,150億円)、本体海外事業(△350億円)、原料事業(△710億円)、鉄グループ会社(△350億円)等の影響が大きく、セグメント利益は前期比1,810億円減となりました。
<エンジニアリング>
日鉄エンジニアリング㈱においては、高い水準の受注残工事を実行し、2025年度の目標としていた事業利益200億円を超過達成しました。また、タイ国内のオンサイト事業会社の買収・連結子会社化を実行し一層の事業拡大を図るなど、各事業領域における成長のための具体的な取組みを着実に進めました。売上収益については、事業毎に案件規模や工事進捗状況等による増減はあるものの、過年度から順調に積み上がった受注残高を背景に、廃棄物発電プラント事業等で大型案件の工事が着実に進捗したことや、環境O&M事業や電力ビジネス事業の取引規模増等により、全体では前年度とほぼ同じ水準を維持しました。事業利益については、堅調な工事進捗に加え、電力ビジネス事業での収益改善等もあり、増益となりました。エンジニアリングセグメントの売上収益は3,944億円(前期は4,004億円)、セグメント利益は231億円(前期は146億円)となりました。
事業形態別の売上収益(連結調整前)は以下のとおりです。
(当期の事業形態別の売上収益の概況)
EPC分野については、廃棄物発電プラント事業においては複数の大型案件が着実に進捗した一方、建築工事事業では大型物流施設案件が工事進捗の端境期だった影響で、前期(2,751億円)より減少し2,550億円となりました。O&M・サービス分野については、電力取引量の増加やオンサイト事業の新規受注等により前期(999億円)を上回る1,103億円を計上しました。部材等販売分野についても堅調で、前期(187億円)より増収の198億円となりました。
<ケミカル&マテリアル>
日鉄ケミカル&マテリアル㈱においては、米国関税措置による世界経済の先行き不透明感や原料価格の高騰の影響を受ける厳しい事業環境下において、コスト削減や販売価格改善に努めるとともに、AI関連需要の取込みにより事業全体は概ね堅調に推移しました。ケミカル&マテリアルセグメントの売上収益は2,579億円(前期は2,691億円)、セグメント利益は219億円(前期は189億円)、在庫評価損益を除く実力ベースでは242億円(前期は194億円)となりました。
事業別の売上収益(連結調整前)は以下のとおりです。
(当期の事業別の売上収益の概況)
コールケミカル事業は、主力の黒鉛電極用ニードルコークスの需要低迷やピッチコークスの在庫調整が続く一方、タイヤ向けカーボンブラックは前年度並みで推移し、520億円(前期は610億円)となりました。化学品事業は、ベンゼン及びスチレンモノマーの需要停滞や中国での生産設備の新・増設継続の影響を受け、市況は低迷し、910億円(前期は1,080億円)となりました。機能材料事業では、AIサーバー・データセンター向け需要の拡大を背景に、機能樹脂や基板材料、半導体材料が好調に推移し、1,150億円(前期は1,000億円)となりました。
<システムソリューション>
日鉄ソリューションズ㈱においては、「2025-2027中期経営計画」で掲げた以下の4つの抜本的変革を中心に取り組み、初年度はほぼ計画どおりに進捗しました。
「事業収益モデルの変革」については、「TAM型(※)」モデルの拡大を図るべく各種施策に取り組み、事業構造の転換が進んでいます。「顧客アプローチの変革」については、企業のデジタル変革を支援するオファリングブランド「Corepeak」を立ち上げ、お客様へのアプローチを開始しています。「技術獲得・適用プロセスの変革」については、開発・運用統合プラットフォーム「Nestorium」を全社標準のITサービスプラットフォームとして活用し、開発生産性の向上に取り組んでいます。「社内業務・マネジメントの変革」については、管理系部門の統合、社内システムの刷新、生成AIの適用促進等による業務生産性の向上、経営管理の高度化に取り組んでいます。
また、外部成長戦略・グローバル戦略についても積極的に取り組んでおり、インフォコム㈱及びインドネシアのPT.WCS ABYAKTA NAWASENAのグループ会社化や、機能強化・提供価値向上、事業領域の拡張等を目的とした資本業務提携等も実行しています。システムソリューションセグメントの売上収益は3,828億円(前期は3,393億円)、セグメント利益は433億円(前期は388億円)となりました。
事業別の売上収益(連結調整前)は以下のとおりです。
(当期の事業別の売上収益の概況)
(注)当期より、組織改正に伴い、一部の分野につき、ビジネスソリューションからコンサルティング&デジタルサービスへの組替えを実施している。なお、前期は、当該変更を反映して作成したものを開示している。
当社及び製造分野向けが好調であったこと並びに金融分野向けのプロダクト販売の増により、2,865億円と前期(2,434億円)に対して増加しました。コンサルティング&デジタルサービスは、948億円と前期(948億円)と同水準となりました。
(※)TAM型:以下の3つの収益モデルから構成される新たなビジネスモデル
・SI Transformation(次世代SIモデル「T型」):革新的技術を用いて高い生産性で提供
・Asset Driven(アセット活用型 「A型」):強みをアセット化して提供
・Multi Company Platform(PF提供モデル「M型」):共同利用プラットフォームを提供
(経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
前中長期経営計画に掲げた収益・財務体質目標、株主還元とそれに対する当期の状況は以下のとおりです。
2025年度の連結業績につきましては、売上収益は10兆632億円(うち上期4兆6,356億円、下期5兆4,275億円)、事業利益は5,141億円(うち上期2,275億円、下期2,865億円)、ROSは5.1%(うち上期4.9%、下期5.3%)となりました。
(*) 劣後ローン・劣後債資本性調整後
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析については、本報告書「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②当期末の資産、負債、資本及び当期のキャッシュ・フロー」 に記載しています。
文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(資本政策)
一定水準の財務健全性が維持されることを前提として、当社グループは投下資本の運用効率を重視し、投資先への資本の投入(資本的支出、R&D、M&A含む)によって企業価値を最大化する資本政策を推進しています。それは、資本コストを超過する収益の創出が期待され、持続的な成長を可能にすると同時に、株主への利益還元によって株主の要求を満たすものです。
当社グループは、上記資本政策の達成に必要な資金を、主として「稼ぐ力」の維持と向上によって生み出される営業キャッシュ・フローから獲得することに加え、必要に応じて銀行借入や社債の発行等、外部からの資金調達も実施しています。
また当社グループは、ROS、ROE及びD/Eレシオを中長期的な収益の成長と財務体質の健全性を達成するうえでの主要な経営管理指標としています。
剰余金の配当等につきましては、本報告書「第4 提出会社の状況 3配当政策」に記載しています。
また、自己株式の取得については、機動性を確保する観点から、定款第33条の規定に基づき取締役会の決議によることとします。取締役会においては、機動的な資本政策等の遂行の必要性、財務体質への影響等を考慮したうえで、総合的に判断することとしています。
(資金需要の動向に関する経営者の認識と資金調達の方法)
1)中長期経営計画の実行状況(2021年3月公表「日本製鉄グループ中長期経営計画」)
2021年3月に公表した「日本製鉄グループ中長期経営計画」 (以下、「前中長期経営計画」という。)の期間(2021年度から2025年度)においては、当初想定を上回る事業環境の変化にも対応する諸施策を実行してきました。国内では生産設備構造対策による固定費削減、紐付分野を中心とする販売価格の是正と外部調達コスト変動影響の負担適正化・品種高度化による限界利益の引上げを通じ、損益分岐点を4割引き下げました。加えて、国内鉄グループ会社再編によるシナジー最大化の追求や、United States Steel Corporation (以下、「USスチール」という。)の買収やArcelor Mittal Nippon Steel India Limited(以下、「AM/NS India」という。)における能力拡張等の海外事業の深化・拡充を進めるとともに、原料「調達」から「事業」への深化を図り、流通についても自らの事業分野へ取り込むことで、「幅と厚み」を持つ強靭な事業構造への深化を実現してきました。
これらの取り組みにより、当初想定以上に鋼材需要が減少するなか、鉄鋼事業の環境悪化に先手を打つことで、市場における如何なる競合の激化が生じても、「実力ベース連結事業利益6,000 億円以上」を確保し得る優位性を確立しました。その結果、世界の同業他社に対しても相対的に高水準の収益力を維持しています。
上記対応を進めるなかで、設備投資については、「強靭な国内生産体制の再構築」及び「戦略商品の競争力強化」を基本方針として、計画的に実行してきました。国内製鉄事業において、生産設備構造対策により競争力優位な設備に生産を集中するとともに、高付加価値製品の能力・品質向上のための投資を進めています。これらの結果、2021年度から2025年度までの5年間における設備投資額は、USスチール関連投資を含め、約3.5兆円となりました。
また、事業投資については、将来的なグローバル粗鋼1億トン体制及び外部環境に左右されない厚みを持った事業構造への進化に向けた施策を推進しました。具体的には、当社・グループ会社のさらなる競争力の強化、シナジーの追求を目的として、2023年4月の日鉄物産㈱の子会社化、2025年4月の山陽特殊製鋼㈱及び2026年4月の黒崎播磨㈱の完全子会社化等を実行しました。原料事業においては、カーボンニュートラル鉄鋼生産プロセスに必要不可欠な製鉄用原料炭等を目的として、2024年1月のカナダの原料炭事業会社Elk Valley Mining Limited Partnershipへの出資、2025年3月の豪州Blackwater炭鉱の権益の20%取得等を実行しました。海外事業においては、需要の伸びが確実に期待できる地域、当社の技術力・商品力を活かせる分野における鉄源一貫生産体制の拡充を推進しました。特に重点地域である「米国・欧州」「インド」「タイ」では、2022年2月のタイG Steel Public Company Limited及びG J Steel Public Company Limited(以下、「G/GJ Steel」という。)の買収、2025年6月の当社米国子会社とUSスチールの合併等を実行し、インドにおいては、AM/NS Indiaの既存拠点であるハジラ製鉄所にて、現在、能力拡張を進めています。これらの結果、2021年度から2025年度までの5年間における事業投資額は、USスチール関連投資を含め、約4.0兆円となりました。
カーボンニュートラルについて、2030年にCO2総排出量を対2013年比で30%削減するというターゲット、及び2050年カーボンニュートラルを目指すというビジョンを掲げ、カーボンニュートラル社会の実現に向け革新技術の他国に先駆けた開発・実機化の取組みを進めています。技術開発については、「グリーンイノベーション基金事業/製鉄プロセスにおける水素活用プロジェクト」に参画し、国の支援も活用しながら、高炉水素還元、100%水素直接還元プロセス、大型電炉による高級鋼製造の3つの革新的技術等の開発を進めています。また、実機化については、2025年5月に高炉プロセスから電炉プロセスへの転換投資がGX推進法に基づく支援事業に採択され、2029年度までに九州製鉄所八幡地区、瀬戸内製鉄所広畑地区、山口製鉄所(周南)で電炉3基を新設・増設・再稼働させる設備投資を決定しました。
利益成長の実現に向け経営資源を戦略的に投入する一方、資本効率の向上及び財務健全性の確保の両立の観点から、資産圧縮を財務戦略上の最優先課題の一つとして位置付け、継続的に取り組んできました。設備投資や事業投資といった成長投資が先行する局面においても、一定の財務規律遵守の観点から、資産圧縮推進による運転資本の最適化を並行して進めることで、投資余力の確保と財務体質の強化を図っています。具体的には、2012年度以降、政策保有株式の売却、在庫圧縮、不動産売却、並びに資金効率化等を通じ、2025年度までの14年間累計で連結ベースで約2.2兆円の資産圧縮を実行しました。
2)資金調達
利益成長の実現に向けた戦略投資の実行に伴う多額の資金所要に対し、当社は調達環境、金利条件等を勘案して、最適なタイミングで資金調達面での対応を図ってきました。
2025年度においては、USスチールの買収(約2兆円)に伴う株式取得対価の支払いを目的として借り入れた資金(以下、「ブリッジローン」という。)に対し、コミット型劣後特約付タームローン(2025年9月、総額5,000億円)、2029年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債及び2031年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債(2026年3月、総額6,000億円)、及び㈱国際協力銀行、㈱三菱UFJ銀行、㈱三井住友銀行、㈱みずほ銀行及び三井住友信託銀行㈱による協調融資(2026年3月、総額約9,000億円)による資金調達(以下、「パーマネントファイナンス」という。)を実行し、ブリッジローン全額に係る返済資金の調達を完了しました。
劣後ローン・劣後債資本性調整後のD/Eレシオは、USスチールの買収直後となる2025年6月末には一時的に0.85倍まで悪化したものの、上記のパーマネントファイナンス等を通じ、2026年3月末は0.71倍まで改善し、2025中長期経営計画の目標を概ね達成しました。
3)日本製鉄グループ中長期経営計画(2025年12月公表「2030 中長期経営計画」)
2025年12月に公表した「2030年中長期経営計画」において、一段と厳しい経営環境を想定し、国内事業のさらなる収益基盤強化と海外事業でのグローバル成長戦略の実行により、世界No.1の鉄鋼メーカーへの復権を果たすことを目標としています。
同計画においては、企業価値の持続的な向上を目指して、成長投資・株主還元・財務体質の健全性において、適切なバランスを追求しながら、経営資源を戦略的に投入することとしています。国内事業におけるさらなる収益基盤の強化による収益力向上と、海外事業におけるグローバル成長戦略の実行による飛躍的利益拡大のために、2026年度から2030年度までの5年間で総額6兆円規模の設備投資及び事業投資を計画しています。特に、海外事業では、米国・欧州、インド、タイを重点地域とし、鉄源からの一貫生産体制の強化を目的とした大規模な成長投資及び経営リソースの集中投入を行い、飛躍的利益拡大を図ります。具体的には、米国においては、USスチールが2028 年末までに約110億ドルの設備投資を実行し、日本製鉄が最先端の操業技術・設備技術・商品技術を移転していくことにより、設備投資効果・シナジーを最大限発揮することを目指します。インドにおいては、AM/NS Indiaにおいて高級鋼製造対策とさらなる生産規模拡大を推進すべく、インド西海岸ハジラ製鉄所において、既に着手している最新鋭の薄板製造設備も含めた能力拡張を確実に進めるとともに、南部(アンドラプラデシュ州ラジャヤペタ)における一貫製鉄所建設に着手し、インド国内でのシェアの拡大を図ります。タイにおいては、G/GJ Steel及びNS-Siam United Steel Co., Ltd.を中心に鉄源からサプライチェーン一貫での強化を図り、インサイダーとしての強みを最大限発揮することで、ASEANの最重点マーケットであるタイの薄板市場におけるさらなるポジション拡大を図ります。 カーボンニュートラルへの取組みについては、国内において2030年までに大型電炉の実装を図るとともに、GXスチール市場の形成に向けた制度整備や国際標準化の推進に取り組んでいく方針です。また、政府支援や産官学連携の活用を通じて革新技術の開発を加速し、2050年におけるカーボンニュートラルの実現を目指します。また、国内・海外における主要施策を着実に実行する基盤として、最先端技術の開発推進、業務刷新・効率化の推進及び人材競争力の強化に取組みます。
これらの経営計画の諸施策を実行することにより、中長期的な収益力及び資本効率の向上、並びに財務基盤の強化に取り組むとともに、これらの成長戦略を機動的かつ継続的に遂行するため、当社グループは一定の財務規律を遵守したキャッシュ・マネジメントを引き続き実行します。
こうした取組みの成果として、2030年度を一つのマイルストーンとし、連結実力利益は1兆円/年以上、連結ROEは10%程度(2031年度以降は10%超)、劣後債等の資本性等を調整したD/Eレシオについては0.7倍程度、劣後債等の資本性等を調整したD/EBITDA倍率については3.5倍以下を目指し、成長投資と財務健全性の両立を図っていく方針です。
(流動性管理及び資金調達の方針について)
当社グループの円滑な事業活動に必要な資金を確保するため、手許資金及び外部借入を有効に活用しています。手許資金については、実需に見合った最低限の現預金を保有する方針としており、過去及び将来の資金繰りを勘案し、最適な保有残高を志向しています。外部借入については、安全性・安定性・柔軟性を担保する観点から基本的な調達の枠組みを決定しています。具体的には、不測の事態発生時における、当社の支払余力を確保すべく、適正な長期固定適合比率を維持するとともに、安全性の補完のためにコミットメントライン(当社連結:1兆185億円)契約を締結しています。
また、短期資金と長期資金のバランスを踏まえた有利子負債残高の設計により自由度を確保しており、当該枠組みの範囲内で、最適な資金調達の実現を志向しています。
③会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、国際会計基準に基づき作成されています。重要な会計方針については、本報告書「第一部企業情報 第5 経理の状況」に記載しています。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、引当金の計上、非金融資産の減損、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っています。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当社が特に重要と判断している会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は以下です。
a.非金融資産の減損
当社グループは、資産が減損している可能性を示す兆候のいずれかが存在する場合、資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額を回収可能価額として見積り、回収可能価額が資産又は資金生成単位の帳簿価額を下回る場合、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失として認識しており、使用価値は見積将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことにより算出しています。当該キャッシュ・フローは中長期経営計画及び最新の事業計画を基礎としており、これらの計画には鋼材需給の予測及び製造コスト改善等を主要な仮定として織り込んでいます。鋼材需給及び製造コスト改善の予測には高い不確実性を伴い、これらの経営者による判断が将来キャッシュ・フローに重要な影響を及ぼすと予想されます。なお、当期末における有形固定資産の残高は5兆8,995億円、無形資産の残高は8,328億円、のれんの残高は2,597億円となっています。
b.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、鋼材需給の予測及び製造コスト削減等の仮定に基づいて算定された将来における課税所得の見積り等の予想等、現状入手可能な全ての将来情報を用いて、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。当社グループは、税務上の便益が実現する可能性が高いと判断した範囲内でのみ繰延税金資産を認識していますが、経営環境悪化に伴う中長期経営計画及び事業計画の目標未達等による将来における課税所得の見積りの変更や、法定税率の変更を含む税制改正等により回収可能額が変動する可能性があります。なお、当期末における繰延税金資産(繰延税金負債との相殺前)の残高は4,806億円です。
(中東情勢が当社グループにおける重要な会計上の見積りに与える影響について)
中東情勢が当社グループの非金融資産の減損における回収可能価額及び繰延税金資産の回収可能性に与える影響については、中東情勢の終結の見通しが立っておらず、当該影響を網羅的かつ合理的に把握することはできないことから、一定の想定が可能な影響に限り反映し見積りを行っています。しかしながら、この仮定は高い不確実性を伴っており、翌期以降において、仮定の見直しにより、見積り額及び財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。
5 【重要な契約等】
(注) 上記「契約会社名」及び「相手方当事者」の欄には、開示上重要でない者については記載していない。
*1 米国政府との国家安全保障協定の締結について
当社及び当社米国子会社であるNippon Steel North America, Inc.とUnited States Steel Corporation(以下「USスチール」という。)(以下、本注(*1)において総称して「両社」という。)は、2025年6月13日、米国政府との間で国家安全保障協定(以下「NSA」という。)を締結した。また、USスチールは米国政府へ黄金株1株を発行した。
NSAにおいて、米国政府と両社は、米国の国家安全保障を守るため、両社による以下のコミットメントを含む措置等に合意している。
・設備投資-当社は、2028年までにUSスチールに対し約110億米ドルを投資する。これには2028年以降に完了予定のグリーンフィールドのプロジェクトへの初期投資も含まれる。
・本店所在地-USスチールは、米国法人として存続し、本社をペンシルベニア州ピッツバーグに維持する。
・取締役会-USスチールの取締役の過半数は米国籍とする。
・経営陣-USスチールの経営陣の中枢メンバー(CEOを含む)は米国籍とする。
・米国における生産-USスチールは、米国市場の鉄鋼需要に応えられるよう、米国内の製造拠点における鉄鋼生産・供給能力を維持する。
・自律的な通商措置-当社は、USスチールによる米国法に基づいた通商措置への妨害、禁止、干渉を行わない。
また、NSA及び黄金株の保有を通じて、米国政府は以下を含む一定の権利を有する。
・USスチールの独立取締役1名の選任権
・USスチールは以下の事項の実行に際して、大統領又はその指名する者の同意を必要とする
- NSAにおいてコミットされた設備投資の削減
- USスチールの会社名・本店所在地の変更
- USスチールの法人登記の米国外移転
- 生産・雇用の米国外移転
- 米国内の競合事業の重要な買収
- 米国既存製造拠点の閉鎖・休止、通商、労働、米国外からの調達に関する一定事項等
この仕組みにより、米国の国家安全保障を守りながら、当社のUSスチールにおける経営の自由度及び採算性を確保することが可能となる。
*2 日鉄エンジニアリング㈱とカナデビア㈱の経営統合に向けた検討開始について
日鉄エンジニアリング㈱(以下「日鉄エンジニアリング」という。)とカナデビア㈱(以下「カナデビア」という。)(以下、本注(*2)において総称して「両社」という。)は、2026年2月5日、それぞれの取締役会において、両社の経営統合(以下「本経営統合」)に向けた検討を開始することの決議を行い、これに係る基本覚書を同日付で締結した。
本経営統合の概要は、以下のとおりである。
1.本経営統合の目的
日鉄エンジニアリングは、当社グループの中核を担う総合エンジニアリング会社であり、長年にわたって製鉄所の建設で培った「プロセス・設備技術」と「鋼構造・材料技術」を基盤に、環境・エネルギー分野、社会インフラ分野等、多岐にわたる事業を国内外で展開してきた。カナデビアは、「技術の力で、人類と自然の調和に挑む」というブランドコンセプトのもと、環境事業、機械・インフラ事業、脱炭素化事業を展開しており、とりわけ環境分野においては、グローバル規模の廃棄物処理ソリューションのリーディングカンパニーとして、ごみ処理プラントにおいて世界44か国・地域で1,500施設以上の納入実績を誇っている。
昨今、両社を取り巻く事業環境は大きく変化しており、国内では環境関連施設の広域化・集約化が中長期的な潮流となる一方、老朽化対策を中心とした更新需要が見込まれ、これらの需要を最大限獲得していくことがO&M(保守・運営)等の継続的事業の基盤となる。また、海外ではSDGsへの意識の高まりを背景にWaste to Energyをはじめとした環境関連施設の新設や最先端技術の導入に関する需要が拡大しており、資源循環・脱炭素関連事業のさらなる成長機会が見込まれる。
他方、これらの潮流を迅速に捉え世界規模での事業展開を進めるには、労働人口減少による人材獲得競争の激化やサプライチェーンの維持・確保といった構造的な経営課題に対処していく必要がある。さらに、脱炭素社会への移行に伴う社会・顧客ニーズの高度化に応えて地域・社会貢献を果たすために、エンジニアリング技術の高度化や開発スピードの向上に加え、AIやロボティクスの活用を含む技術革新や生産性向上を実現するDXへの挑戦が急務となっている。こうした変化に対応し、持続的成長と脱炭素社会への世界規模での貢献を実現するためには、人材・技術・財務・リスク管理等の経営資源をいち早く確保・補強し、環境関連施設における継続的事業やこれら施設のバリューチェーンを軸とした資源循環事業を拡大すること等を通じて国内での安定収益基盤を確立したうえで、グローバル市場へリソースを展開して競争力を強化すること、脱炭素分野における次世代技術への取り組みを加速させることが不可欠である。
両社は、こうした課題認識を共有し、それぞれの成長可能性を検討した結果、事業領域・戦略上の親和性が高い両社が統合することで、「資源循環」「脱炭素化」「強靭化」の3領域の事業ポートフォリオを柱とし、環境領域のリーディングカンパニーとして、Waste to Energy及びWaste to Xの推進、クリーンエネルギーへの移行並びにカーボンニュートラルの実現加速、それらと相互に連関する社会的なインフラ基盤の整備・確立といった世界共通のテーマに取り組み、業界トップの経営基盤及び最先端の技術力を有する企業グループを目指すことが、企業価値の向上とステークホルダーの利益に資する施策であると考え、経営統合に向けた協議・検討を進めることで合意した。
2.経営統合に至った場合の本経営統合の要旨
(1)日程
取締役会決議日(両社)・基本覚書締結日 2026年2月5日
本経営統合に係る最終契約締結日 2026年9月(予定)
両社の臨時株主総会(最終契約の承認の決議) 2026年11月(予定)
効力発生日 2027年4月(予定)
(2)本経営統合の方式
両社の株主総会による承認及び本経営統合に必要な関係当局からの許認可等の取得を前提に、カナデビアを吸収合併存続会社、日鉄エンジニアリングを吸収合併消滅会社とする吸収合併を基本に検討を進める。なお、最終的には、デュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて、両社間で協議を行い、本経営統合に係る最終契約において決定する。
(3)本経営統合後の会社の名称、代表者、役員構成等の基本事項
今後、両社間で協議のうえで決定する。
(4)本経営統合にあたっての統合比率
本経営統合にあたっての統合比率については、デュー・ディリジェンスの結果及び第三者算定機関による株価算定の結果等を踏まえて、両社間で協議を行い、本経営統合に係る最終契約において決定する。
(5)上場維持の見込み
統合新会社は、今後決定される統合割当比率に応じて当社の上場関連会社又は上場子会社となる可能性があるが、本経営統合の効力発生日後も引き続き、東京証券取引所プライム市場において上場を維持する見込みであり、コーポレートガバナンス・コードの趣旨も踏まえ、上場企業として独立した意思決定を確保し、自律的な経営をしていく。
3.当事会社の概要
(注1)日鉄エンジニアリングにおける括弧書きの連結経営指標は、日鉄エンジニアリング及びその子会社の内部取引相殺消去等実施後の社内管理数値であり非監査の参考値である。
(注2)持株比率は自己株式を控除して算出している。
*3 当社と山陽特殊製鋼㈱の合併について
当社は、2027年4月1日を効力発生日として、当社の完全子会社である山陽特殊製鋼㈱(以下「山陽特殊製鋼」という。)(以下、本注(*3)において総称して「両社」という。)を吸収合併すること(以下「本合併」という。)に関し、2026年5月13日開催の取締役会決議により決定し、合併契約を締結した。
本合併の概要は、以下のとおりである。
1.本合併の目的
山陽特殊製鋼は、高清浄度鋼製造技術をベースに、国内シェアNo.1の軸受鋼をはじめとする製品を供給するとともに、欧州やインド等での一貫製造を通じたグローバル化を推進してきた。また、主原料に鉄スクラップを使用し、資源循環型の事業を展開している。
今後、国内の棒線・特殊鋼需要は、人口減に伴う内需の減少、中国における過剰生産と輸出攻勢、中長期的な自動車の電動化の潮流等のなかで縮小傾向に向かい、国内における競争激化が想定される。一方、世界的には、人口増・経済成長に伴うインド等での市場成長、域内産業保護の動きを背景とした北米・欧州における現地生産材の需要拡大に加え、環境規制への対応ニーズの高まりが見込まれる。また、半導体・エネルギー・航空宇宙等の高付加価値分野における市場成長も期待されるなど、棒線・特殊鋼事業を取り巻く環境は複雑化している。
このような環境認識のもと、棒線・特殊鋼事業の一体化・最適化を通じた収益機会の拡大や事業戦略の強化、グループ全体でのさらなる最適生産体制の追求等を目的に、2025年4月25日付で山陽特殊製鋼を当社の完全子会社とし、シナジー効果の発揮に向けて取り組んできた。
今般、より一体となった組織・業務運営によるシナジー効果のさらなる早期発揮・最大化のため、本合併を実施する。
2.本合併の条件等
(1)本合併の日程
取締役会決議日(両社) 2026年5月13日
合併契約書締結日 2026年5月13日
効力発生日 2027年4月1日
なお、本合併は、当社においては会社法第796条第2項に規定する簡易合併、山陽特殊製鋼においては会社法第784条第1項に規定する略式合併に該当するため、両社いずれにおいても、合併契約承認のための株主総会は開催しない。
(2)本合併の方式
当社を存続会社、山陽特殊製鋼を消滅会社とする吸収合併方式とし、本合併と同時に、山陽特殊製鋼は解散する。
(3)本合併に係る割当ての内容
当社の完全子会社との合併であり、株式その他の金銭等の割当ては行わない。
(4)本合併に係る割当ての内容の算定根拠
当社の完全子会社との合併であり、株式その他の金銭等の割当ては行わないため、該当事項はない。
(5)新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い
該当事項はない。
3.本合併による引継資産・負債の状況(山陽特殊製鋼の2026年3月31日現在における資産・負債の状況)
4.本合併後の会社の資本金・事業の内容等(2026年3月31日現在)
第100期有価証券報告書で開示しています以下の契約等は、当連結会計年度において、終了しました。
*4 本契約は、2025年6月18日に「NS Kote, Inc.の株式譲渡を通じたAM/NS Calvert LLC の持分譲渡に関する契約」に基づく持分譲渡が実行されたため、同日をもって終了した。
*5 当社及びArcelorMittalは、協議の結果、本契約を解約することが合理的との判断に至り、また、2026年3月27日をもって解約する旨合意したため、本契約は同日をもって終了した。
*6 本契約は、当社が保有する当社持分法適用会社Usinas Siderúrgicas de Minas Gerais S.A. – USIMINASの株式のうち、本契約の対象となる全株式を2026年2月10日付でTernium Investments S.à r.l.に譲渡したことをもって、当社について終了した。
6 【研究開発活動】
当社は、需要家のニーズや環境・エネルギー等に対する社会的ニーズが多様化するなかで、「技術先進性」の拡大を通じた利益成長とカーボンニュートラルの実現を含む環境に配慮した製鉄技術構築に資する研究開発分野に対し、重点的に経営資源を投入しています。鉄鋼研究所、先端技術研究所及びプロセス研究所の3つの中央研究組織と各製鉄所に配置した技術部門が強固な連携体制を構築し、基礎基盤研究から、応用開発、製鉄所での実装、商品化までの一貫した研究開発を推進しています。
当社の強みは、①研究開発と製鉄所現場技術の融合による総合力及び開発スピード、②需要家立地の研究開発体制と需要家ニーズに対する的確なソリューション提案力、③高度な基盤技術に基づく新技術の開発力、④製鉄プロセス技術を基盤とした環境・エネルギー課題への対応力、⑤産学連携、海外アライアンス及び需要家との共同研究です。当社はこれらの強みを活かし、鉄を中心とした新しい機能を持つ商品開発をはじめ、カーボンニュートラルの実現を含む環境に配慮した革新的生産プロセスの創出と迅速な実用化を図り、持続可能な開発目標(SDGs)に沿った社会の発展に貢献していきます。
当連結会計年度における当社及び連結子会社全体の研究開発費は827億円です。各セグメントの研究主要課題、成果及び研究開発費は次のとおりです。
(製鉄)
当セグメントに係る研究開発費は707億円です。
当社は、3地点の研究開発センター(富津市、尼崎市、神栖市)を軸に、①鉄鋼研究所では、鉄鋼材料・商品と利用技術・ソリューション研究開発、②先端技術研究所では、共通基盤技術研究及びCO2の分離回収や再利用に関する研究、新素材事業を中心とした製鉄以外のセグメント事業支援開発、③プロセス研究所では、設備技術開発を担当する設備・保全技術センターと密接な連携を図りながらCO2削減も考慮した製鉄プロセス関連の研究開発に取り組み、開発の短期化・効率化を目指し、鉄源コストの削減・基幹ラインの生産性の抜本的向上・省CO2化等の研究開発の加速化を進めてきました。
<薄板>
・当社は、マツダ㈱と共同で、自動車の車体軽量化及び衝突安全性能向上の両立を目的として、高曲げ型2.0GPa級ホットスタンプ用鋼板を用いた車体部品と量産技術を開発し、本技術が新型CX-5のフロントバンパーレインフォースに採用されました。材料の高強度化に伴う成形後曲げ性の低下や衝突時の割れが課題となるなか、当社は、2.0GPa級の高強度を有しながら、従来の1.5GPa級ホットスタンプ用鋼板と同等の成形後曲げ性を確保した鋼板を開発しました。本鋼板の適用により、衝突時に破断することなくエネルギーを吸収する衝突性能を確保するとともに、補強部品の省略が可能となり、車体の軽量化及びCO2排出量削減を達成しています。さらに、マツダ㈱及び部品メーカーと連携し、材料特性を活かした最適構造の検討やホットスタンプ量産時の操業条件を確立した結果、新型CX-5のフロントバンパーレインフォースにおいて世界で初めて採用されました。本技術は、次世代鋼製自動車向けソリューションコンセプト「NSafe®-AutoConcept ECO3(NSAC ECO3)」の構成技術の一つです。
・当社は、自動車車体の軽量化及び安全性能向上を目的として、ホットスタンプ高度実用化技術の研究開発を進めています。Al-Siめっき鋼板や合金化溶融亜鉛めっき鋼板を含むホットスタンプ用鋼板の材料メニューを1.5GPa級から1.8GPa級、2.0GPa級へと拡充するとともに、成形特性の体系化、相変態・伝熱・変形を連成した数値解析技術及び金型から直接冷却水を噴出する直水冷工法を開発してきました。これにより、高強度部品の量産性及び生産性が向上し、量産車への適用が進んでいます。これらの成果は車体軽量化による温室効果ガス排出量削減に資する技術として評価され、2025年度(第60回)日本塑性加工学会賞において最高賞である学会大賞を受賞するとともに、マツダ㈱との共同開発により、第10回「ものづくり日本大賞」において経済産業大臣賞を受賞しました。
・当社は、従来の完成車メーカーと材料メーカーの関係や領域を超え、自動車開発の初期段階から材料・設計・生産・調達を一体で検討する共創型の研究開発を初めて実現し、その成果をマツダ㈱が2025年7月に世界初公開した新型CX-5に適用することで、短期間での最適な車体構造開発を実現しました。本取組みでは、当社の次世代鋼製自動車向けソリューションコンセプト「NSafe®-AutoConcept ECO3(NSAC ECO3)」と、マツダのモデルベース開発及び当社の解析技術・工法を組み合わせ、車体剛性及び衝突安全性能を確保しつつ、鋼材重量を前モデル比で約10%削減しました。さらに、開発初期から鋼板材料の選定及び製造拠点の最適化を行った結果、調達構造の簡素化、輸送に伴うコスト及びCO2排出量の削減、在庫低減によるサプライチェーンの安定化を実現しています。
・当社は、パナソニックホールディングス㈱向けに、ヒートポンプ式温水暖房機筐体へのプレコート鋼板「ビューコート®マット」を適用し、商品力強化及び製造工程の効率化を実現しました。本取組みでは、欧州市場の消費者ニーズに対応したマット調で濃色系の新意匠を短工期で開発し、パナソニックのチェコ工場における量産開始に合わせて安定供給を行っています。本鋼板の採用により、筐体製造工程における塗装工程の省略が可能となり、コスト低減及びCO2排出量削減を実現しました。これらの成果が評価され、当社は2025年9月にパナソニックグループが主催するECOVC活動において金賞を受賞しました。
<厚板>
・当社は、三菱造船㈱と共同で、低圧液化CO2(LCO2)輸送船向けタンクを対象とした新規鋼材と溶接後熱処理(Post-Weld Heat Treatment:PWHT)省略技術を開発し、一般財団法人日本海事協会(NK)より当該技術を用いたタンクの一般設計承認(GDA)を世界で初めて取得しました。当社は、三菱造船㈱が大型の低圧LCO2タンクを対象に開発したPWHT省略技術の実現に向けて、NK規格材である「KF460」に準拠しつつ、優れた低温特性と高い強度、さらに経済性も備えた鋼材を開発しました。今回のGDA取得は、両社の技術協力による重要な成果であり、低圧LCO2タンクの安全性を確保しつつ、経済性と生産性を両立することで、LCO2輸送のコスト削減に大いに寄与します。当社と三菱造船㈱は、今回の共同成果を基盤に、LCO2タンク製造のサプライチェーンに関わる企業と連携し、大型の低圧LCO2タンク及び新規開発鋼材の製品化を推進していきます。
・当社は、東京大学及びエネルギー・素材・エンジニアリング関連企業等16社と共同で、カーボンニュートラル社会の実現に向けたエネルギーインフラの材料信頼性に関する研究を行う社会連携講座「未来エネルギーインフラ材料高度信頼性探求拠点(MEIT)」を設置しました。本講座では、水素、アンモニア、CO2に関わる液化貯槽や輸送を対象に、材料の選定基準や溶接後熱処理の省略基準、破壊防止基準の確立を目的とした研究を行っております。当社は、本講座の幹事機関の一社として参画し、インフラ構築のコスト最適化と国際標準化を推進し、持続可能なエネルギー社会の実現に貢献していきます。
<鋼管>
・当社は、住友商事㈱と共同で、Shell plcと油井管の供給に関する長期契約を更改しました。50年以上にわたり、世界20カ国以上に展開するShell plcのオペレーションに対し、高品質かつ高性能な石油・天然ガス掘削用シームレス油井管を安定的に供給してきました。今回の契約更改は、当社の油井管における品質・性能及び安定供給体制に加え、住友商事㈱による在庫管理、メンテナンス、ジャストインタイム配送を含むサプライチェーンマネジメントを組み合わせたトータルソリューションが、改めて評価されたことによるものです。今後も、製品ラインアップの拡充、サプライチェーンの最適化及びデジタル技術を活用したトレーサビリティの高度化を進め、エネルギーの安定供給と産業の発展を支えることで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
<棒線>
・当社は、自動車の電動化に対応した部品の高性能化及び小型化を目的として、e-Axleに用いられるデフギヤに高強度鋼材を適用することで、必要な強度及び耐久性を確保しつつ部品の小型化を可能とする技術を開発しました。本デフギヤは、次世代鋼製自動車向けソリューションコンセプト「NSafe®-AutoConcept ECO3(NSAC ECO3)」の構成技術の一つであり、軽量化によるLCAでのCO2排出量削減、コスト低減及び最適生産に資する技術です。また、本技術は、社会におけるCO2排出量削減に貢献する高機能製品・ソリューション技術「NSCarbolex® Solution」に位置づけられています。当社は、高強度鋼材デフギヤの開発を通じて、自動車の電動化に伴う部品高度化ニーズに対応するとともに、持続可能なモビリティの実現及びSDGsの達成に貢献していきます。
<建材>
・当社は、建設ソリューションブランド「ProStruct®」を展開しており、高性能な鋼材と高度な設計・施工技術を組み合わせた建設分野向け「鋼材×利用技術」パッケージを提供し、構造物の強靭化・最適化、工期短縮及びコスト削減、CO2排出量削減に貢献しています。建築分野の新パッケージとなる「梁ウェブ薄肉化工法」を開発し、一般財団法人ベターリビングの一般評定を取得しました。梁ウェブ薄肉化工法は、鉄骨梁のウェブに生じる座屈に対する設計法を高度化することにより鉄骨梁(H形断面梁)のウェブを薄肉化し、鋼材使用量・建設コストの低減を図ることが可能です。外法一定H形鋼ハイパービーム®の特徴である薄肉ウェブ断面や超大形断面(メガハイパービーム®)、高強度規格(NSYP®345B、NSYP®385B)と組み合わせて使用することで、より経済的な設計を行うことが可能となります。今後も建設市場の様々な課題に応えるために、製鉄技術と鋼構造の専門技術を駆使して、最先端の鋼材と利用技術を開発・提供していきます。
・当社は、外法一定H形鋼として国内初の強度クラス550N/mm²を有する高強度ハイパービーム®「NSYP®385B」を販売しており、2025年4月には、メガハイパービーム®のサイズを追加しました。これにより、製造シリーズは19から49へ拡大し、ウェブ高さ700~1200mm、フランジ幅300~500mmのフルラインナップを実現しました。本製品は、TMCPにより高強度・高靭性・溶接性を両立し、F値385N/mm2を達成しています。さらにエコリーフ認証も取得しており、大型物流施設、超高層建築及びデータセンターでの採用拡大が期待されます。
・当社が提供するGXスチール「NSCarbolex® Neutral」を使用した鋼管杭が、北海道電力㈱が実施する泊発電所の安全対策工事のうち、漂流車両流出防止工事において採用されました。本工事において鋼管杭は、鉄の高い靭性と衝突耐力に加え、コスト・工期の両面で最適な素材であることから採用されています。鋼管杭へのNSCarbolex Neutralの採用は、当社として初めての事例です。
<ステンレス>
・当社は、第10回「ものづくり日本大賞」において、北日本造船㈱と共同で「新素材を用いた次世代型ステンレスケミカルタンカーの開発とその大型化」により、経済産業大臣賞を受賞しました。北日本造船㈱が開発したケミカルタンカーは、独自の設計により高い省エネルギー性能と貨物の高積載率を実現しました。さらに、北日本造船㈱が採用した当社の独自二相ステンレス鋼「NSSC®2351」が有する経済性及び環境性能が高く評価され、今回の受賞に至りました。
・当社は、ステンレス協会が主催する第21回ステンレス協会賞において、省合金二相ステンレス鋼SUS821L1(NSSC 2120®、21Cr-2Ni-3Mn-Cu-N)の厚板を使用した立野ダムが最優秀賞を受賞しました。立野ダムは、世界ステンレス協会(World Stainless)の2025年インダストリー・アワード(Stainless Steel Industry Award)においても、「市場開発賞(Market Development Award)」銀賞を受賞しています。さらに、第21回ステンレス協会賞では、当社のステンレス鋼を使用した7作品が優秀賞、1作品が特別賞を受賞しました。
・当社の建築構造用ステンレス鋼材であるSUS304Aが、首里城正殿(沖縄県那覇市)の復元工事に採用されました。今回の復元工事では、首里城の象徴的意匠である唐破風屋根の正面に据えられる龍頭棟飾を固定し、複雑な形状を内部で支える主要な下地鉄骨にSUS304Aが使用されました。首里城正殿は小高い丘の上に位置し、沖縄特有の海風による影響が懸念されることから、構造安定性及び耐食性の向上を目的に、より安定した機械特性と耐食性を有する本鋼種が評価され、採用に至りました。
・当社は、過酷な腐食環境に対応するニッケル耐食合金であるASTM/ASME UNS N08825 (以下、Alloy825)厚板の販売を、2026年1月より開始しました。本材料は、JIS規格のNCF825にも適合しています。Alloy825は、高ニッケル・高クロムに加えて、モリブデンやチタン等を含有していることから、過酷な腐食環境において、耐酸性(硫酸・塩酸等)及び耐応力腐食割れ(SCC)性等の優れた耐食性を発揮するニッケル耐食合金です。
<チタン>
・当社及び日鉄物産㈱は、旭化成㈱と共同で、食塩電解セル製造で発生する純チタンスクラップを、純チタン原料として再資源化するスキームを構築しました。純チタンは加工性に優れる一方、原料には高い純度が求められるため、スクラップ利用には厳格な品質管理が必要となります。従来、純チタンスクラップはトレーサビリティの確保が難しく、鉄鋼添加材向けのオープンループリサイクルが中心でした。本スキームでは、旭化成㈱がスクラップを分別・管理を行い、日鉄物産㈱が回収・加工を担い、当社が再溶解を行うことで、純チタンへのクローズドループリサイクルを実現しました。
・当社のチタン薄板が、グレーチング最大手の㈱ダイクレに採用され、強酸性泉環境にある別府市において受注に至りました。別府温泉では、酸性泉由来の蒸気やガスの影響により、耐食性が高い亜鉛めっき鋼製グレーチングでも激しい腐食が生じていました。こうした環境下においてチタンの優れた耐食性が評価され、腐食が厳しい箇所で鋼製からチタン製への切替えが進められています。その結果、安全性の向上及び点検負荷の低減が評価され、採用に至りました。当社は、長寿命・省メンテナンス需要を背景に、インフラ分野における新たなチタン用途開拓を通じて、SDGsの達成に貢献していきます。
・当社の環境配慮型チタン「TranTixxii®-Eco」が、鈴鹿8耐レースに参戦するスズキ㈱の車両において、マフラー材として採用されました。スズキ㈱は、同大会の「エクスペリメンタルクラス(実験的クラス)」に「チームスズキCNチャレンジ」として参戦し、100%サステナブル燃料の使用や環境配慮型部品の導入を通じて、環境負荷低減と走行性能向上の両立に挑戦しています。こうした取り組みの一環として、当社のTranTixxii®-Ecoが参戦車両のマフラー材として使用されました。TranTixxii®-Ecoは、原料の50%以上にチタンスクラップを使用し、製造時のCO₂排出量を約46%以上削減した純チタンであり、厳格なスクラップ管理と当社独自のEB炉溶解技術により、従来材と同等の高い品質を確保しています。本素材は、軽量・高強度という特徴に環境価値を付加した製品であり、車両の軽量化と持続可能な社会の実現に貢献しています。
・当社の意匠チタン「TranTixxii®」が、台湾・正覚寺玄奘文化宗教園区の主殿瓦屋根に採用され、これにより正覚寺は世界最大規模のチタン屋根寺院となりました。主殿は約4,800㎡で、チタン使用量は約30トン、瓦枚数は約53,000枚に達し、浅草寺や増上寺を上回る規模です。本建築では唐式寺院の伝統意匠を採用し、台湾企業による設計・施工体制のもと、精密成形されたチタン瓦が使用されています。TranTixxii®は、重厚な外観を維持しつつ、銅瓦や焼き瓦と比べて大幅な軽量化を実現し、建物への負荷低減に大きく寄与します。当社は、本素材の提供を通じて、文化遺産の保全及び持続可能なまちづくりに貢献しています。
<交通産機品>
・当社は、米国アイオワ大学(University of Iowa)との共同研究で開発した鉄道車輪の摩耗シミュレーション技術に関して、IDETC-CIE 2025(International Design Engineering Technical Conferences and Computers and Information in Engineering Conference)においてBest Paper Awardを受賞しました。本技術では、コンピュータシミュレーションにより、レール上を走行する車輪の形状が、摩耗により連続的に変化する状態を、精緻に予測することができます。当社は、実験による車輪の摩耗特性評価及びシミュレーションに用いるパラメータ同定を行い、米国アイオワ大学と共同でシミュレーションの精度検証及び高度化を行いました。本技術の活用により、鉄道車両の安全性向上に寄与するとともに、より長寿命な車輪の開発を通じて、省エネルギー化及び環境負荷低減に貢献していきます。
<製鉄プロセス>
・当社は、「当社カーボンニュートラルビジョン2050」を掲げ、国の支援を受けながら「高炉水素還元」技術の開発に取り組んでいます。本技術は、高炉での鉄鉱石の還元において、石炭の代わりに水素を用いることで、CO2排出量を大幅に削減するものです。2024年1月から12月に実施した試験では、世界初となるCO2削減43%を実現し、開発目標を前倒しで達成しましたが、その後の取組みにより、2026年3月には45%に達しています。この成果は、国内外で開示されている実績値を大きく上回るものであり、当社が脱炭素技術開発において世界のトップランナーであることを示しています。当社は、あらゆる低炭素化技術を組み合わせることにより、高炉法において製鉄プロセスからのCO2排出を50%以上削減する技術を実証するとともに、スケールアップ技術の開発を進め、実用化に向けた取組みを推進します。本開発は、NEDOのグリーンイノベーション基金の支援を受け、JFEスチール㈱、㈱神戸製鋼所、一般財団法人金属系材料研究開発センターとのコンソーシアムで進められています。
<スラグ・セメント>
・当社は、鉄鋼スラグを活用した、多様な生態系を支える海の森創生技術の研究開発を進めています。本開発では、海中で酸化しやすい鉄を、海藻が吸収可能な形で安定的に供給できる鉄系施肥材にして用いることで、海藻藻場の再生や水産資源量の増加といった成果を確認しており、現在、全国複数箇所で展開しています。あわせて、大型水槽システムを構築し、海藻藻場造成効果を定量的に評価する手法を確立しました。また、再生した藻場によるCO2吸収量はブルーカーボンとして評価され、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合が認証するJブルークレジットを取得しています。これらの研究開発成果が評価され、令和7年度文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)を受賞しました。
・当社は、㈱不動テトラと共同で、鉄鋼スラグを原材料とした締固め砂杭工法専用の地盤改良材「ジオチェンジャ™」を開発しました。本製品は、サンドコンパクションパイル(SCP)工法における中詰め材料として、建設発生土を再利用可能な品質へ改良します。天然砂に代替可能な施工性を有するとともに、軟弱な緩い砂地盤の締固め改良効果及び杭芯強度を確保することから、低品質土の有効活用により、コスト低減とCO2排出量抑制を両立しています。当社は本製品を通じて、防災・減災及び循環型社会の実現に貢献していきます。
・当社の高炉スラグを活用し、日鉄スラグ製品㈱が製造した高炉スラグ微粉末製品「エスメント」が、新丸山ダム建設工事において低炭素型コンクリートの混和材料として採用されました。本件は、土木工事における低炭素型コンクリート活用として国内最大規模の事例です。本工事では、セメントの75%をエスメントに置き換えることで、セメント由来のCO2排出量を約70%削減しており、大規模インフラの脱炭素化と副産物の有効活用に貢献しています。当社は今後も脱炭素社会の実現に向けて、低炭素型コンクリートの普及を進めていきます。
(エンジニアリング)
当セグメントに係る研究開発費は30億円です。
日鉄エンジニアリング㈱における研究開発への取組みは以下のとおりです。
・環境・エネルギー分野 廃棄物発電プラント競争力強化、コージェネレーションの高効率化、
カーボンリサイクルに向けた研究開発
・海洋分野 洋上風力発電施設の開発、海底パイプライン敷設の開発
・都市インフラ分野 免制震デバイス商品の開発、次世代商品の探索、土壌浄化技術の開発
・陸上パイプライン分野 陸上パイプライン溶接技術の開発
(ケミカル&マテリアル)
当セグメントに係る研究開発費は52億円です。
日鉄ケミカル&マテリアル㈱における研究開発への取組みは以下のとおりです。
・コールケミカル製品、化学品、機能材料、複合材料等に関する研究開発
(システムソリューション)
当セグメントに係る研究開発費は37億円です。
技術進化、ビジネストレンド、社会環境・人々の価値観の変化等の不確実な状況を踏まえ、新技術の探索、評価・検証、顧客企業への導入支援等において長年にわたって蓄積してきた経験とノウハウを基に、社会全体の「サステナビリティ」の実現に向けた将来像を長期視点から設定し、研究開発活動に取り組みました。
・AI分野(将来像:人間と知的機械(AI/ロボット)との共存)
・企業情報システム分野(将来像:未来の企業情報システム)
・デジタルツイン(注)分野(将来像:究極のデジタルツイン)
(注) デジタルツイン:工場の設備・製品等の実世界のオブジェクトをデータとしてデジタルな空間に転写・再現することで、リモートからの監視・制御や、過去の状況の再現・未来の予測シミュレーション等を可能にすること。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社及び連結子会社は、各社において必要性を判断し設備投資を行っています。当連結会計年度の設備投資(有形固定資産・無形資産(プロセスコンピュータシステム等)の受入ベースの数値)の内訳は次のとおりです。
製鉄事業においては、「戦略商品への積極投資による注文構成の高度化」、「技術力を確実に収益に結びつけるための設備新鋭化」、「商品と設備の取捨選択による生産体制のスリム化・効率化」を基本方針に、計画的かつ着実な基盤強化対策の推進と競争力強化施策を、長期更新計画に基づき効率的に実行しています。
2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社
(2026年3月31日現在)(単位 百万円)
(注) 1 土地(面積千㎡)の欄中[ ]内は、連結会社以外の者から賃借している土地の面積(千㎡)であり外数で表している。
2 本社等の欄には、技術開発本部、支社・支店及び海外事務所を含む。
3 上表には福利厚生施設が含まれている。
(2) 国内子会社
(2026年3月31日現在)(単位 百万円)
(注) 1 土地(面積千㎡)の欄中[ ]内は、連結会社以外の者から賃借している土地の面積(千㎡)であり外数で表している。
2 上表には福利厚生施設が含まれている。
(3) 在外子会社
(2026年3月31日現在)(単位 百万円)
(注) 1 土地(面積千㎡)の欄中[ ]内は、連結会社以外の者から賃借している土地の面積(千㎡)であり外数で表している。
2 United States Steel Corporationについては連結ベースで記載している。
3 【設備の新設、除却等の計画】
当社及び連結子会社の設備投資につきましては、設備支出最適化、将来の需要予測、生産計画等を総合的に勘案して計画しています。設備計画は原則的に各社が策定しています。
次連結会計年度における設備の新設、改修等に係る投資額は策定中です。
重要な設備の新設、除却等の計画は、以下のとおりです。
新設
拡充
改修
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
(注)当社は、2025年10月1日を効力発生日として、1株を5株とする株式の分割を実施するとともに、発行可能株式総数についても20億株から100億株に変更した。
② 【発行済株式】
(注) 当社は、2025年10月1日を効力発生日として、1株を5株とする株式の分割を実施している。これにより、発行済株式総数は4,298,907,008株増加し、5,373,633,760株となっている。
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
会社法に基づき発行した新株予約権付社債は、次のとおりです。
a.2029年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債
決議年月日:2026年2月17日(取締役会による委任決議)、2026年2月24日(当該委任に基づく代表取締役社長による決定)
発行年月日:2026年3月12日
(以下a.において「本新株予約権付社債」といい、そのうち社債のみを「本社債」、新株予約権のみを「本新株予約権」という。)
(注) 1 本新株予約権の目的である株式の種類及び内容は当社普通株式(単元株式数100株)とし、その行使により当社が当社普通株式を交付する数は、行使請求に係る本社債の額面金額の総額を下記2記載の転換価額で除した数とする。但し、行使により生じる1株未満の端数は切り捨て、現金による調整は行わない。また、本新株予約権の行使により単元未満株式が発生する場合は、当該単元未満株式は単元株式を構成する株式と同様の方法で本新株予約権付社債の保有者に交付され、当社は当該単元未満株式に関して現金による精算を行わない。
2 (1) 各本新株予約権の行使に際しては、当該本新株予約権に係る本社債を出資するものとし、当該本社債の価額は、その額面金額と同額とする。
(2) 転換価額は、当初、730.3円とする。但し、下記(3)記載の事由が生じた場合に調整される旨の定めがある。
2026年6月23日開催の第102回定時株主総会において、当社の期末配当金について、普通株式1株につき12円とする剰余金配当案が承認されたことに伴い、転換価額調整条項に従い、2026年4月1日以降、転換価額は716.9円に調整されている。
(3) 転換価額は、本新株予約権付社債の発行後、当社が当社普通株式の時価を下回る払込金額で当社普通株式を発行し又は当社の保有する当社普通株式を処分する場合、下記の算式により調整される。なお、下記の算式において、「既発行株式数」は当社の発行済普通株式(当社が保有するものを除く。)の総数をいう。
また、転換価額は、当社普通株式の分割又は併合、一定の剰余金の配当、当社普通株式の時価を下回る価額をもって当社普通株式の交付を請求できる新株予約権(新株予約権付社債に付されるものを含む。)の発行が行われる場合その他一定の事由が生じた場合にも適宜調整される。
3 2026年3月26日から2029年1月31日まで(新株予約権の行使のために本社債が預託された場所における現地時間)とする。但し、①当社による本社債の繰上償還の場合は、償還日の東京における3営業日前の日まで(但し、税制変更による繰上償還を受けないことが選択された本社債に係る本新株予約権を除く。)、②本社債の買入消却がなされる場合は、本社債が消却される時まで、また③本社債の期限の利益の喪失の場合は、期限の利益の喪失時までとする。上記いずれの場合も、2029年1月31日(新株予約権の行使のために本社債が預託された場所における現地時間)より後に本新株予約権を行使することはできない。
上記にかかわらず、当社の組織再編等(以下に定義する。)を行うために必要であると当社が合理的に判断した場合、組織再編等の効力発生日の翌日から起算して14日以内に終了する当社が指定する期間(当該期間は30日以内とする。)中、本新株予約権を行使することはできない。
また、本新株予約権の行使の効力が発生する日本における暦日(又は当該暦日が東京における営業日でない場合、その東京における翌営業日)が、当社の定める基準日又は社債、株式等の振替に関する法律第151条第1項に関連して株主を確定するために定められたその他の日(以下、当社の定める基準日と併せて「株主確定日」と総称する。)の東京における2営業日前の日(又は当該株主確定日が東京における営業日でない場合、その東京における3営業日前の日)(同日を含む。)から当該株主確定日(又は当該株主確定日が東京における営業日でない場合、その東京における翌営業日)(同日を含む。)までの期間に当たる場合、本新株予約権を行使することはできない。但し、社債、株式等の振替に関する法律に基づく振替制度を通じた新株予約権の行使に係る株式の交付に関する日本法、規制又は慣行が変更された場合、当社は、本段落による本新株予約権を行使することができる期間の制限を、当該変更を反映するために修正することができる。
「組織再編等」とは、(ⅰ)当社と他の会社の合併(新設合併及び吸収合併を含むが、当社が存続会社である場合を除く。以下同じ。)、(ⅱ)資産譲渡(当社の資産の全部若しくは実質上全部の他の会社への売却若しくは移転で、その条件に従って本新株予約権付社債に基づく当社の義務が相手先に移転若しくは承継される場合に限る。)、(ⅲ)会社分割(新設分割及び吸収分割を含むが、本新株予約権付社債に基づく当社の義務が分割先の会社に移転若しくは承継される場合に限る。)、(ⅳ)株式交換若しくは株式移転(当社が他の会社の完全子会社となる場合に限る。以下同じ。)又は(ⅴ)その他の日本法上の会社再編手続で、これにより本社債及び/又は本新株予約権に基づく当社の義務が他の会社に移転若しくは承継されるものについて、当社の株主総会による承認の決議(当該決議が不要な場合は、取締役会の決議)がなされた場合を意味するものとする。
4 本新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条の定めるところに従って算定された資本金等増加限度額に0.5を乗じた金額とし、計算の結果1円未満の端数を生じる場合はその端数を切り上げた額とする。増加する資本準備金の額は、資本金等増加限度額から増加する資本金の額を減じた額とする。
5 (1) 組織再編等が生じた場合、当社は、承継会社等(以下に定義する。)をして、本新株予約権付社債の要項に従って、本新株予約権付社債の主債務者としての地位を承継させ、かつ、本新株予約権に代わる新たな新株予約権を交付させるよう最善の努力をするものとする。但し、かかる承継及び交付については、(ⅰ)その時点で適用のある法律上実行可能であり、(ⅱ)そのための仕組みが既に構築されているか又は構築可能であり、かつ、(ⅲ)当社又は承継会社等が、当該組織再編等の全体から見て不合理な(当社がこれを判断する。)費用(租税を含む。)を負担せずに、それを実行することが可能であることを前提条件とする。かかる場合、当社は、また、承継会社等が当該組織再編等の効力発生日において日本国内の証券取引所における上場会社であるよう最善の努力をするものとする。本(1)に記載の当社の努力義務は、当社が本新株予約権付社債の受託会社に対して、承継会社等が、当該組織再編等の効力発生日において、理由の如何を問わず、日本の上場会社であることを当社は予想していない旨の証明書を交付する場合、適用されない。
「承継会社等」とは、組織再編等における相手方であって、本新株予約権付社債及び/又は本新株予約権に係る当社の義務を引き受ける会社をいう。
(2) 上記(1)の定めに従って交付される承継会社等の新株予約権の内容は下記のとおりとする。
① 新株予約権の数
当該組織再編等の効力発生日の直前において残存する本新株予約権付社債に係る本新株予約権の数と同一の数とする。
② 新株予約権の目的である株式の種類
承継会社等の普通株式とする。
③ 新株予約権の目的である株式の数
承継会社等の新株予約権の行使により交付される承継会社等の普通株式の数は、承継会社等が当該組織再編等の条件等を勘案の上、本新株予約権付社債の要項を参照して決定するほか、下記(ⅰ)又は(ⅱ)に従う。なお、転換価額は上記2(3)と同様の調整に服する。
(ⅰ) 一定の合併、株式交換又は株式移転の場合、当該組織再編等の効力発生日の直後に承継会社等の新株予約権を行使したときに、当該組織再編等の効力発生日の直前に本新株予約権を行使したとした場合に得られる数の当社普通株式の保有者が当該組織再編等において受領できる承継会社等の普通株式の数を受領できるように、転換価額を定める。当該組織再編等に際して承継会社等の普通株式以外の証券又はその他の財産が交付されるときは、当該証券又は財産の価値を承継会社等の普通株式の時価で除して得られる数に等しい承継会社等の普通株式の数を併せて受領させる。
(ⅱ) 上記以外の組織再編等の場合、当該組織再編等の効力発生日の直前に本新株予約権を行使した場合に本新株予約権付社債権者が得られるのと同等の経済的利益を、当該組織再編等の効力発生日の直後に承継会社等の新株予約権を行使したときに受領できるように、転換価額を定める。
④ 新株予約権の行使に際して出資される財産の内容及びその価額
承継会社等の新株予約権の行使に際しては、承継された本社債を出資するものとし、当該本社債の価額は、承継された本社債の額面金額と同額とする。
⑤ 新株予約権を行使することができる期間
当該組織再編等の効力発生日(場合によりその14日後以内の日)から、上記3に定める本新株予約権の行使期間の満了日までとする。
⑥ その他の新株予約権の行使の条件
承継会社等の各新株予約権の一部行使はできないものとする。
⑦ 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金
承継会社等の新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条の定めるところに従って算定された資本金等増加限度額に0.5を乗じた金額とし、計算の結果1円未満の端数を生じる場合はその端数を切り上げた額とする。増加する資本準備金の額は、資本金等増加限度額から増加する資本金の額を減じた額とする。
⑧ 組織再編等が生じた場合
承継会社等について組織再編等が生じた場合にも、本新株予約権付社債と同様の取り扱いを行う。
⑨ その他
承継会社等の新株予約権の行使により生じる1株未満の端数は切り捨て、現金による調整は行わない。承継会社等の新株予約権は承継された本社債と分離して譲渡できない。
(3) 当社は、上記(1)の定めに従い本社債及び本新株予約権付社債に係る信託証書に基づく当社の義務を承継会社等に引き受け又は承継させる場合、本新株予約権付社債の要項に定める一定の場合には保証を付すほか、本新株予約権付社債の要項に従う。
b.2031年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債
決議年月日:2026年2月17日(取締役会による委任決議)、2026年2月24日(当該委任に基づく代表取締役社長による決定)
発行年月日:2026年3月12日
(以下b.において「本新株予約権付社債」といい、そのうち社債のみを「本社債」、新株予約権のみを「本新株予約権」という。)
(注) 1 本新株予約権の目的である株式の種類及び内容は当社普通株式(単元株式数100株)とし、その行使により当社が当社普通株式を交付する数は、行使請求に係る本社債の額面金額の総額を下記2記載の転換価額で除した数とする。但し、行使により生じる1株未満の端数は切り捨て、現金による調整は行わない。また、本新株予約権の行使により単元未満株式が発生する場合は、当該単元未満株式は単元株式を構成する株式と同様の方法で本新株予約権付社債の保有者に交付され、当社は当該単元未満株式に関して現金による精算を行わない。
2 (1) 各本新株予約権の行使に際しては、当該本新株予約権に係る本社債を出資するものとし、当該本社債の価額は、その額面金額と同額とする。
(2) 転換価額は、当初、737.0円とする。但し、下記(3)記載の事由が生じた場合に調整される旨の定めがある。
2026年6月23日開催の第102回定時株主総会において、当社の期末配当金について、普通株式1株につき12円とする剰余金配当案が承認されたことに伴い、転換価額調整条項に従い、2026年4月1日以降、転換価額は723.5円に調整されている。
(3) 転換価額は、本新株予約権付社債の発行後、当社が当社普通株式の時価を下回る払込金額で当社普通株式を発行し又は当社の保有する当社普通株式を処分する場合、下記の算式により調整される。なお、下記の算式において、「既発行株式数」は当社の発行済普通株式(当社が保有するものを除く。)の総数をいう。
また、転換価額は、当社普通株式の分割又は併合、一定の剰余金の配当、当社普通株式の時価を下回る価額をもって当社普通株式の交付を請求できる新株予約権(新株予約権付社債に付されるものを含む。)の発行が行われる場合その他一定の事由が生じた場合にも適宜調整される。
3 2026年3月26日から2031年1月31日まで(新株予約権の行使のために本社債が預託された場所における現地時間)とする。但し、①当社による本社債の繰上償還の場合は、償還日の東京における3営業日前の日まで(但し、税制変更による繰上償還を受けないことが選択された本社債に係る本新株予約権を除く。)、②本社債の買入消却がなされる場合は、本社債が消却される時まで、また③本社債の期限の利益の喪失の場合は、期限の利益の喪失時までとする。上記いずれの場合も、2031年1月31日(新株予約権の行使のために本社債が預託された場所における現地時間)より後に本新株予約権を行使することはできない。
上記にかかわらず、当社の組織再編等(以下に定義する。)を行うために必要であると当社が合理的に判断した場合、組織再編等の効力発生日の翌日から起算して14日以内に終了する当社が指定する期間(当該期間は30日以内とする。)中、本新株予約権を行使することはできない。
また、本新株予約権の行使の効力が発生する日本における暦日(又は当該暦日が東京における営業日でない場合、その東京における翌営業日)が、当社の定める基準日又は社債、株式等の振替に関する法律第151条第1項に関連して株主を確定するために定められたその他の日(以下、当社の定める基準日と併せて「株主確定日」と総称する。)の東京における2営業日前の日(又は当該株主確定日が東京における営業日でない場合、その東京における3営業日前の日)(同日を含む。)から当該株主確定日(又は当該株主確定日が東京における営業日でない場合、その東京における翌営業日)(同日を含む。)までの期間に当たる場合、本新株予約権を行使することはできない。但し、社債、株式等の振替に関する法律に基づく振替制度を通じた新株予約権の行使に係る株式の交付に関する日本法、規制又は慣行が変更された場合、当社は、本段落による本新株予約権を行使することができる期間の制限を、当該変更を反映するために修正することができる。
「組織再編等」とは、(ⅰ)当社と他の会社の合併(新設合併及び吸収合併を含むが、当社が存続会社である場合を除く。以下同じ。)、(ⅱ)資産譲渡(当社の資産の全部若しくは実質上全部の他の会社への売却若しくは移転で、その条件に従って本新株予約権付社債に基づく当社の義務が相手先に移転若しくは承継される場合に限る。)、(ⅲ)会社分割(新設分割及び吸収分割を含むが、本新株予約権付社債に基づく当社の義務が分割先の会社に移転若しくは承継される場合に限る。)、(ⅳ)株式交換若しくは株式移転(当社が他の会社の完全子会社となる場合に限る。以下同じ。)又は(ⅴ)その他の日本法上の会社再編手続で、これにより本社債及び/又は本新株予約権に基づく当社の義務が他の会社に移転若しくは承継されるものについて、当社の株主総会による承認の決議(当該決議が不要な場合は、取締役会の決議)がなされた場合を意味するものとする。
4 本新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条の定めるところに従って算定された資本金等増加限度額に0.5を乗じた金額とし、計算の結果1円未満の端数を生じる場合はその端数を切り上げた額とする。増加する資本準備金の額は、資本金等増加限度額から増加する資本金の額を減じた額とする。
5 (1) 組織再編等が生じた場合、当社は、承継会社等(以下に定義する。)をして、本新株予約権付社債の要項に従って、本新株予約権付社債の主債務者としての地位を承継させ、かつ、本新株予約権に代わる新たな新株予約権を交付させるよう最善の努力をするものとする。但し、かかる承継及び交付については、(ⅰ)その時点で適用のある法律上実行可能であり、(ⅱ)そのための仕組みが既に構築されているか又は構築可能であり、かつ、(ⅲ)当社又は承継会社等が、当該組織再編等の全体から見て不合理な(当社がこれを判断する。)費用(租税を含む。)を負担せずに、それを実行することが可能であることを前提条件とする。かかる場合、当社は、また、承継会社等が当該組織再編等の効力発生日において日本国内の証券取引所における上場会社であるよう最善の努力をするものとする。本(1)に記載の当社の努力義務は、当社が本新株予約権付社債の受託会社に対して、承継会社等が、当該組織再編等の効力発生日において、理由の如何を問わず、日本の上場会社であることを当社は予想していない旨の証明書を交付する場合、適用されない。
「承継会社等」とは、組織再編等における相手方であって、本新株予約権付社債及び/又は本新株予約権に係る当社の義務を引き受ける会社をいう。
(2) 上記(1)の定めに従って交付される承継会社等の新株予約権の内容は下記のとおりとする。
① 新株予約権の数
当該組織再編等の効力発生日の直前において残存する本新株予約権付社債に係る本新株予約権の数と同一の数とする。
② 新株予約権の目的である株式の種類
承継会社等の普通株式とする。
③ 新株予約権の目的である株式の数
承継会社等の新株予約権の行使により交付される承継会社等の普通株式の数は、承継会社等が当該組織再編等の条件等を勘案の上、本新株予約権付社債の要項を参照して決定するほか、下記(ⅰ)又は(ⅱ)に従う。なお、転換価額は上記2(3)と同様の調整に服する。
(ⅰ) 一定の合併、株式交換又は株式移転の場合、当該組織再編等の効力発生日の直後に承継会社等の新株予約権を行使したときに、当該組織再編等の効力発生日の直前に本新株予約権を行使したとした場合に得られる数の当社普通株式の保有者が当該組織再編等において受領できる承継会社等の普通株式の数を受領できるように、転換価額を定める。当該組織再編等に際して承継会社等の普通株式以外の証券又はその他の財産が交付されるときは、当該証券又は財産の価値を承継会社等の普通株式の時価で除して得られる数に等しい承継会社等の普通株式の数を併せて受領させる。
(ⅱ) 上記以外の組織再編等の場合、当該組織再編等の効力発生日の直前に本新株予約権を行使した場合に本新株予約権付社債権者が得られるのと同等の経済的利益を、当該組織再編等の効力発生日の直後に承継会社等の新株予約権を行使したときに受領できるように、転換価額を定める。
④ 新株予約権の行使に際して出資される財産の内容及びその価額
承継会社等の新株予約権の行使に際しては、承継された本社債を出資するものとし、当該本社債の価額は、承継された本社債の額面金額と同額とする。
⑤ 新株予約権を行使することができる期間
当該組織再編等の効力発生日(場合によりその14日後以内の日)から、上記3に定める本新株予約権の行使期間の満了日までとする。
⑥ その他の新株予約権の行使の条件
承継会社等の各新株予約権の一部行使はできないものとする。
⑦ 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金
承継会社等の新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条の定めるところに従って算定された資本金等増加限度額に0.5を乗じた金額とし、計算の結果1円未満の端数を生じる場合はその端数を切り上げた額とする。増加する資本準備金の額は、資本金等増加限度額から増加する資本金の額を減じた額とする。
⑧ 組織再編等が生じた場合
承継会社等について組織再編等が生じた場合にも、本新株予約権付社債と同様の取り扱いを行う。
⑨ その他
承継会社等の新株予約権の行使により生じる1株未満の端数は切り捨て、現金による調整は行わない。承継会社等の新株予約権は承継された本社債と分離して譲渡できない。
(3) 当社は、上記(1)の定めに従い本社債及び本新株予約権付社債に係る信託証書に基づく当社の義務を承継会社等に引き受け又は承継させる場合、本新株予約権付社債の要項に定める一定の場合には保証を付すほか、本新株予約権付社債の要項に従う。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注1) 転換社債型新株予約権付社債の新株予約権の行使による増加である。
(注2) 2025年10月1日を効力発生日として実施した1株を5株とする株式の分割による増加である。
(5) 【所有者別状況】
2026年3月31日現在
(注) 1 自己株式が「個人その他」の欄に1,390,734単元、「単元未満株式の状況」の欄に77株含まれている。
なお、この自己株式数は、株主名簿上の株式数であり、実質保有株式数は139,070,152株である。
2 証券保管振替機構名義の株式が、「その他の法人」の欄に 392単元及び「単元未満株式の状況」の欄に10株含まれている。
3 単元未満株式のみを有する株主数は、139,907人である。
(6) 【大株主の状況】
2026年3月31日現在
(注) 1.上記のほか、当社所有の自己株式1,390,701百株(持株比率2.7%)がある。
2.上記日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)の所有株式数のうち、投資信託設定分は3,356,438百株、年金信託設定分は75,087百株である。
3.上記㈱日本カストディ銀行(信託口)の所有株式数のうち、投資信託設定分は1,283,765百株、年金信託設定分は141,449百株である。
4.2026年4月6日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、野村證券㈱並びにその共同保有者であるノムラ インターナショナル ピーエルシー(NOMURA INTERNATIONAL PLC)、ノムラ セキュリテーズ インターナショナル(NOMURA SECURITIES INTERNATIONAL,Inc.)及び野村アセットマネジメント㈱が2026年3月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社としては、2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないので、上記大株主の状況には含めていない。
なお、変更報告書の内容は以下のとおりである。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2026年3月31日現在
(注) 1 上記「完全議決権株式(自己株式等)」の欄には、自己株式139,070,100株、相互保有株式8,152,200株(退職給付信託に拠出されている当社株式1,198,500株を含む。)が含まれている。
2 上記「完全議決権株式(その他)」の欄には、株式給付信託に係る信託口名義の株式3,130,300株(議決権31,303個)、証券保管振替機構名義の株式39,200株(議決権392個)及び株主名簿上は当社名義となっているが、実質的に当社が所有していない株式3,300株が含まれている。
3 上記「単元未満株式」の「株式数(株)」の欄には、以下の自己株式及び相互保有株式並びに証券保管振替機構名義の株式10株が含まれている。また、株主名簿上は当社名義となっているが、実質的に当社が所有していない株式25株が含まれている。
当社52株、NSユナイテッド海運㈱15株、㈱テツゲン35株、㈱スチールセンター5株、共英製鋼㈱50株、大同商運㈱90株
② 【自己株式等】
2026年3月31日現在
(注) 1 上記のほか、退職給付信託に拠出されている当社株式1,198,500株を含めて完全議決権株式(自己株式等)は147,222,300株である。
2 上記のほか、株主名簿上は当社名義となっているが、実質的に当社が所有していない株式3,300株がある。
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
(当社取締役等に対する業績連動型株式報酬制度)
a.本制度の概要
当社は、取締役等の報酬の一部を当社の株式価値と連動させ、取締役等が株価の変動による利益・リスクを株主の皆様と共有したうえで、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を一層高めることを目的として、当社取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。以下も同様。)及び執行役員(以下総称して「取締役等」という。)を対象とする業績連動型株式報酬制度(以下「本制度」という。)を導入しています。
本制度は、当社が設定する信託(以下「本信託」という。)を用いた業績連動型株式報酬制度です。当社は、取締役会で定める株式交付規程に基づき、各取締役等に対し、求められる能力及び責任に見合った水準を勘案して役位及び当社の業績等に応じたポイントを付与し、付与されたポイントの数に相当する数の当社株式(本信託が取得したもの。)を、本信託を通じて、原則としてその退任時に交付します。
b.信託する株式数
3,130,300株(当事業年度末)
c.本制度の対象者
当社取締役等のうち受益者要件を満たす者
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号による普通株式の取得
(注) 1 当社は2025年10月1日を効力発生日として、1株を5株とする株式の分割を実施した。「当事業年度における取得自己株式」19,496株の内訳は、当該株式の分割前に取得した7,204株、当該株式の分割後に取得した12,292株である。
2 「当期間における取得自己株式」には、2026年6月1日から本報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含まれていない。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 1 当社は2025年10月1日を効力発生日として、1株を5株とする株式の分割を実施した。「当事業年度」における「単元未満株式の売渡請求による」処理2,442株の内訳は、当該株式の分割前に処理した1,282株、当該株式の分割後に処理した1,160株である。
2 当社取締役等に対する業績連動型株式報酬制度の信託財産に係る信託口が保有する当社株式3,130,300株は、「保有自己株式数」には含まれていない。
3 「当期間」における「保有自己株式数」には、2026年6月1日から本報告書提出日までの単元未満株式の買取・売渡請求による取得・処理株式数は含まれていない。
3 【配当政策】
当社は、業績に応じた利益の配分を基本として、企業価値向上に向けた投資等に必要な資金所要、先行きの業績見通し、連結及び単独の財務体質等を勘案しつつ、第2四半期末及び期末の剰余金の配当を実施する方針としています。
「業績に応じた利益の配分」の指標としては、連結配当性向年間30%程度を目安とします。また、2030中長期経営計画の5年間(2027年3月期~2031年3月期)においては、1株当たりの年間配当額の下限を24円とする方針とします。
なお、第2四半期末の剰余金の配当は、中間期業績及び年度業績見通し等を踏まえて判断することとしています。
期末の剰余金の配当については、従前どおり定時株主総会の決議によることとし、これ以外の剰余金の配当・処分等(第2四半期末の剰余金の配当を含む。)については、機動性を確保する観点等から、定款第33条の規定に基づき取締役会の決議によることとします。
当第2四半期末の配当については、1株につき60円(2025年10月1日を効力発生日として、1株を5株とする株式の分割を実施したため、当該株式の分割を踏まえて換算した場合、1株につき12円)を実施しました。当期末の配当については、2026年6月23日開催の第102回定時株主総会において、1株につき12円とすることを決議しました。これにより、前中長期経営計画の最終年度となる2025年度の配当については、当該株式の分割を踏まえて換算した場合、年間配当額は1株につき24円となり、USスチール合併に伴う一過的な損失を除いた2021~2025年度の5年間累計での配当性向は30%程度となりました。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、以下に掲げる企業理念のもと、株主や取引先をはじめとするすべてのステークホルダーの負託と信頼に応えて、当社グループの健全で持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、当社グループの事業に適したコーポレート・ガバナンスの仕組みを整えています。
② 企業統治の体制の概要とその体制を採用する理由
a. 監査等委員会設置会社を採用している理由
当社は、経営に関する意思決定を迅速に行うとともに、取締役会における審議事項を重点化して経営方針・経営戦略の策定等の議論をより充実させ、さらに、取締役会の経営に対する監督機能の強化を図ること等を目的として、監査等委員会設置会社を採用しています。
b. 企業統治の体制
現在、当社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)10名と監査等委員である取締役5名の計15名で構成され、すべての取締役がそれぞれの役割・責務を適切に果たすことで、経営環境の変化に応じた機動的な意思決定を行うとともに、取締役会における多角的な検討と意思決定の客観性・透明性を確保しています。また、監査等委員である取締役が、取締役の選任・解任議案の決定や代表取締役の選定・解職、その他業務執行の意思決定全般(取締役に決定が委任されたものを除く。)について取締役会における議決権を有すること、監査等委員会が、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の選任や報酬等について株主総会において意見を述べる権限を有すること等により、取締役会の経営に対する監督機能の強化が図られています。
また、当社の取締役会は、定款の定めに基づき、重要な業務執行(会社法第399条の13第5項各号に定める事項を除く。)の決定の一部を代表取締役会長・代表取締役社長に委任しており、これにより、経営に関する意思決定の迅速化を図っています。
当事業年度においては、経営方針・経営戦略の策定、事業戦略上の重要案件やグループ会社の状況(経営健全度評価等)、安全・環境・防災・品質、カーボンニュートラル、ダイバーシティ&インクルージョンの取組み状況、人材確保・活躍推進施策のほか、代表取締役の選定、取締役候補者の指名及び経営陣幹部の選定、各取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬額、政策保有株式の検証、取締役会全体の実効性の分析・評価、内部統制システムの整備・運用状況、株主・投資家からの意見のフィードバック等を取締役会で審議しました。なお、すべての社外取締役が必要な情報を得てその役割を十分に果たすことができるよう、会長・社長等との定期的な会合を開き、経営課題の共有化や意見交換を行っています。当社取締役会における独立社外取締役の割合は、3分の1(15名中5名)となっています。
取締役会の構成
(注) 1.各構成員の役職名、略歴等の詳細は、本報告書「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2)役員の状況 ①役員一覧」に記載のとおりである。
2.澤田純氏、肥塚三春氏及び山根健嗣氏は、2026年6月23日開催の第102回定時株主総会にて選任された。
3.藤田展弘氏は、2025年6月24日開催の第101回定時株主総会にて選任されて以降の当事業年度における出席状況を記載している。
4.2026年6月23日開催の第102回定時株主総会の終結の時をもって退任した取締役の当事業年度における出席状況は、次のとおりである。
5.2025年6月24日開催の第101回定時株主総会の終結の時をもって退任した取締役の当事業年度における出席状況は、それぞれ次のとおりである。
c. 内部統制システムの整備及び運用
当社は、関連法規を遵守し、財務報告の信頼性と業務の有効性・効率性を確保するため、内部統制システムを整備し適切に運用するとともに、その継続的改善に努めています。健全で風通しのよい組織づくりのために、職場内外での対話を重視し、定期的に全社員の意識調査を行うとともに、当社及びグループ会社の役員・社員やその家族等からも相談・通報を受け付ける内部通報制度を設けて、内部統制環境の整備を図っています。
d. 適切な情報開示
当社は、経営の透明性を高め、各ステークホルダーに当社グループの経営状況を正しく理解していただけるよう、法令や上場金融商品取引所のルールに基づく情報開示にとどまらず、財務・非財務情報を適切な時期に、わかりやすく、正確に開示することを心がけています。
e. コーポレート・ガバナンスの定期的な点検・レビュー
当社は、社外取締役の意見も踏まえて自律的に改善を図っていくことができるよう、取締役会において、取締役会全体の実効性についての分析・評価を含め、コーポレート・ガバナンスの仕組みや運用状況等を定期的に点検・レビューすることとしています。
③ 役員人事・報酬会議
社外取締役を過半数とする「役員人事・報酬会議」は、取締役会全体や監査等委員会の構成、取締役の報酬体系や報酬水準等、当社の役員人事・報酬に関わる事項全般について、広く議論・検討する場として位置づけています。
同会議は、代表取締役会長 橋本英二、代表取締役社長 今井正、社外取締役 澤田純、同 肥塚見春及び同 平松賢司の5名で構成され、社長が議長を務めており、原則として年2回(2025年度は5月及び12月の2回)開催しています。
④ 内部統制システムの整備・運用状況
当社は、取締役会において、以下のとおり、内部統制システムの基本方針を定め、これに沿った運用をしています。
⑤ 会社の支配に関する基本方針
当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を次のとおり定めています。
<当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容>
当社グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて社会の発展に貢献することを企業理念に掲げ、この理念に基づき経営戦略を立案・遂行し、競争力・収益力を向上させることにより、企業価値ひいては株主共同の利益の向上を目指しています。
当社は、第三者から当社株式の大量買付け行為等の提案(以下、「買収提案」といいます。)がなされた場合、これを受け入れるか否かの最終的な判断は、その時点における株主の皆様に委ねられるべきものと考えています。他方で、買収提案の中には、当社の企業価値や株主共同の利益に対し明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主の皆様に当社株式の売却を事実上強要することとなるおそれのあるもの等が含まれる可能性があると考えています。
従って、当社は、第三者から買収提案がなされた場合に株主の皆様にこのような不利益が生じることがないよう、当社株式の取引状況や株主の異動状況等を注視するとともに、実際に買収提案がなされた場合には、株主の皆様が必要な情報と相当な検討期間をもって適切な判断(インフォームド・ジャッジメント)を行うことができるように努めます。仮に、買収提案が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれがあると合理的に判断される場合には、その時点における関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を速やかに講じることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保を図っていきます。
⑥ 非業務執行取締役との間の責任限定契約
当社は、各非業務執行取締役との間で、会社法第423条第1項の責任について、当該各非業務執行取締役が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、2,000万円と同法第425条第1項に定める最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を締結しています。
⑦ 取締役との間の補償契約
当社は、各取締役との間で、会社法第430条の2第1項第1号の費用及び同項第2号の損失を法令の定める範囲内において補償する旨の契約を締結しています。当該契約においては、当社が各取締役に対して責任の追及に係る請求をする場合(株主代表訴訟による場合を除く。)の各取締役の費用や、各取締役がその職務を行うにつき悪意又は重大な過失があった場合の費用については、当社が補償義務を負わないこと等を定めています。
⑧ 役員等賠償責任保険契約
当社は、保険会社との間で、当社及び当社子会社等の取締役、監査役、執行役員及び重要な使用人等を被保険者として、被保険者がその地位に基づき行った行為(不作為を含む。)に起因して損害賠償請求がなされたことにより被る法律上の損害賠償金及び争訟費用等の損害を保険会社が塡補する旨の役員等賠償責任保険契約を締結しており、当社及び当社子会社が保険料の全額を負担しています。当該契約においては、免責金額を定めているほか、被保険者の犯罪行為に起因する損害や、法令に違反することを被保険者が認識しながら行った行為に起因する損害等については、塡補されないこと等を定めています。
⑨ 取締役の定数
当社は、取締役の定数を20名以内(うち、監査等委員である取締役は7名以内)とする旨を定款で定めています。
⑩ 取締役の選解任の決議要件
当社は、取締役を選任する株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行うこと、取締役の選任は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して行うこと、また、取締役の選任決議は累積投票によらないものとする旨を定款で定めています。
⑪ 取締役会決議による剰余金の配当等を可能にする定款の定め
当社は、機動性を確保する観点等から、剰余金の配当、自己株式の取得に関する事項等会社法第459条第1項各号に定める事項を、取締役会の決議によって定めることができる旨を定款で定めています。
⑫ 取締役会決議による取締役の責任を免除することを可能にする定款の定め
当社は、取締役が職務の遂行にあたり期待される役割を十分に発揮できるよう、法令の定めるところに従い、取締役会の決議によって、取締役の責任を免除することができる旨を定款で定めています。
⑬ 株主総会の特別決議要件を変更している定款の定め
当社は、特別決議の定足数をより確実に充足できるよう、会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上にあたる多数をもって行う旨を定款で定めています。
(2) 【役員の状況】
①役員一覧
男性12名 女性3名 (役員のうち女性の比率20.0%)
(注) 1 任期は2026年3月期に係る定時株主総会終結の時から2027年3月期に係る定時株主総会終結の時までである。
2 任期は2026年3月期に係る定時株主総会終結の時から2028年3月期に係る定時株主総会終結の時までである。
3 澤田純氏、肥塚見春氏、平松賢司氏、関根愛子氏及び竹内純子氏は、社外取締役である。
4 関根愛子氏の戸籍上の氏名は佐野愛子、竹内純子氏の戸籍上の氏名は小林純子である。
② 社外取締役の機能・役割
当社の社外取締役は、企業経営、国際情勢・経済・文化、会計、環境・エネルギー等の分野における豊富な経験や高い識見に基づき、取締役会等の場において各々独立した立場から意見を述べ、議決権を行使すること等により、取締役会における多様な視点からの意思決定、経営に対する監査・監督機能の充実、経営の透明性の確保等に寄与しています。
③ 各社外取締役との利害関係等
当社は、社外取締役の独立性については、国内の上場金融商品取引所が定める独立性基準に従い、当社との人的関係、資本関係、取引関係その他の利害関係を勘案し、その有無を判断しています。
当社がその判断の基礎とした社外取締役と当社との利害関係については以下に記載のとおりであり、各社外取締役は一般株主と利益相反が生じるおそれがあるような立場にはないことから、国内の各上場金融商品取引所に対し、全員を独立役員として届け出ています。
・澤田社外取締役
同氏は、各上場金融商品取引所が定める独立性基準及び属性情報のいずれにも抵触せず、当社と同氏との間には、特段の利害関係はありません。
・肥塚社外取締役
同氏は、当社が物品等の購入をしている㈱髙島屋の業務執行者を務めておりましたが、現在は同社の業務執行者ではありません。なお、当社の連結販売費及び一般管理費に占める同社との取引額は1%未満であり、同社は当社の特定関係事業者ではありません。
同氏は、各上場金融商品取引所が定める独立性基準に抵触せず、当社と同氏との間には、特段の利害関係はありません。
・平松社外取締役
同氏は、各上場金融商品取引所が定める独立性基準及び属性情報のいずれにも抵触せず、当社と同氏との間には、特段の利害関係はありません。
・関根社外取締役
同氏は、各上場金融商品取引所が定める独立性基準及び属性情報のいずれにも抵触せず、当社と同氏との間には、特段の利害関係はありません。
・竹内社外取締役
同氏は、各上場金融商品取引所が定める独立性基準及び属性情報のいずれにも抵触せず、当社と同氏との間には、特段の利害関係はありません。
(3) 【監査の状況】
① 監査等委員会監査の状況
イ 監査等委員会監査の組織、人員及び手続き
当社の監査等委員会は、当社事業に精通した社内出身の常勤の監査等委員である取締役2名と国際情勢・経済・文化、会計、環境・エネルギー等の各分野における豊富な経験や高い識見を有する監査等委員である社外取締役3名から構成されており、株主の負託と社会的信頼に応え、今日的に期待されている役割と責任を果たす独立の機関として取締役の職務の執行を監査するとともに、会社の監督機能の一翼を担うことにより、当社及びグループ会社の健全で持続的な成長を可能とする良質な企業統治体制の確立に寄与することをその責務として活動しています。
具体的には、監査等委員会が定めた監査等委員会監査の基準に準拠し、監査の方針、監査計画、職務の分担等に従い、内部統制システムの整備・運用状況、経営計画諸施策の推進状況等を重点監査項目として、内部監査担当部門と緊密な連携を図りながら、計画的に日々の監査活動を進めています。また、取締役会等重要な会議への出席や製鉄所等への実地調査を実施するとともに、業務執行取締役及び使用人等からその職務の執行状況等について説明を求め、積極的に意見を表明しています。
グループ会社については、その取締役又は当社主管部門の取締役等と意思疎通及び情報の交換を図り、必要に応じて、事業の報告を受け、説明を求めています。さらに、グループ会社監査役等と連絡会等を通じて密接な連携を図り、グループ全体の監査品質向上に努めています。
関根愛子氏は、公認会計士の資格を有しており、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しています。
当社は、監査等委員会の職務を補助しその円滑な職務遂行を支援するため、監査等委員会事務局を設置し、専任の事務局員として6名が配置されています。
ロ 監査等委員会の活動状況
当事業年度においては、監査等委員会を17回開催しており、個々の監査等委員の出席状況については、本報告書「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要とその体制を採用する理由」に記載のとおりです。
監査等委員会においては、監査等委員会議長・代行者、選定監査等委員及び特定監査等委員の選定、監査の方針、監査計画、監査の方法、監査職務の分担、監査費用の予算等の決定、監査報告の決定、会計監査人を再任することの適否の決定、会計監査人の報酬等に関する同意、監査等委員である取締役の選任に関する同意、監査等委員である取締役以外の取締役の選任・報酬等に関する意見の決定、監査法人が当社に提供する非保証業務に関する事前了解の取扱いの決定、監査等委員会規程及び監査等委員会監査等基準の一部改正を行いました。
常勤の監査等委員は、監査等委員会が選定した監査等委員として、監査等委員会が定めた監査の方針、監査計画、職務の分担等に従い、内部監査担当部門と緊密に連携し、取締役会・経営会議等への出席、付議・報告案件の事前聴取及びその他重要な事項の聴取、会計監査人からの報告聴取、本社や製鉄所等において会社の業務及び財産の状況に関する調査等を行っています。
監査等委員である社外取締役は、国際情勢・経済・文化、会計、環境・エネルギー等の各分野における豊富な経験や高い識見に基づき、取締役会、監査等委員会等の場においてそれぞれ独立した立場から意見を述べ、監査等委員会が選定した監査等委員として、製鉄所等における会社の業務及び財産の状況に関する調査、会計監査人からの報告聴取等も含む監査活動を行うこと等により、当社の健全で公正な経営に寄与しています。また、監査等委員である社外取締役は、代表取締役会長、代表取締役社長及び社外取締役(監査等委員である取締役を除く。)との連絡会等を通じて、経営課題の共有化や意見交換を行っています。
なお、監査等委員会の監査活動については、監査等委員会において前年度の監査活動を振り返り、改善点を次年度の監査計画に反映し実行するとともに、期中においても必要の都度見直すことを通じて、実効性向上に努めています。
② 会計監査人の状況
当社は、会計監査人として、有限責任 あずさ監査法人を選任しています。当社において、会社法及び金融商品取引法に基づく会計監査業務を執行した公認会計士の氏名及び監査業務に係る補助者の構成は、以下のとおりです。
有限責任 あずさ監査法人
・継続監査期間
20年間
・業務を執行した公認会計士の氏名(指定有限責任社員)
公認会計士 寺澤 豊、公認会計士 山田 真、公認会計士 冨山 貴広
寺澤 豊氏、山田 真氏及び冨山 貴広氏の当社に対する継続監査年数は7年以内です。
・会計監査業務に係る補助者の構成
会計監査業務に係る補助者の構成は、同監査法人の選定基準に基づき決定されています。具体的には、公認会計士を主たる構成員とし、システム専門家等の補助者も加わっています。
また、同監査法人及び当社監査に従事する同監査法人の業務執行社員と当社との間には、特別な利害関係はありません。
(会計監査人の選定方針と理由)
当社は、監査等委員会において会計監査人の選定方針を定め、適任と判断した会計監査人を選定しています。具体的には、当社の規模及びグローバルな事業内容を踏まえ、会計監査人の独立性及び専門性、監査品質、過去の業務実績、監査計画・監査体制や監査報酬水準の提案等を勘案し、複数の候補者から会計監査人を選定する方針としています。
この方針に基づき、当社は、有限責任 あずさ監査法人が当社の会計監査人として適任と判断しています。
また、会計監査人の解任又は不再任の決定の方針については、法令の定めに基づき、相当の事由が生じた場合には監査等委員全員の同意により監査等委員会が会計監査人を解任し、また、会計監査人の監査の継続について著しい支障が生じた場合等には監査等委員会が当該会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定し、これを株主総会に提出することとしています。
この方針に基づき、当社の監査等委員会は、有限責任 あずさ監査法人を評価した結果、会計監査人の解任又は不再任について株主総会の議案とはしていません。
(監査等委員会による会計監査人の評価)
当社の監査等委員会は、会計監査人について、その独立性及び専門性、監査品質、監査活動の状況、監査報酬水準、監査報告の相当性等を対象項目として評価し、有限責任 あずさ監査法人が会計監査人として適切、妥当であると判断しています。
③ 内部監査部門、監査等委員会及び会計監査人の相互連携
・内部監査部門と監査等委員会の連携状況
監査等委員会が選定した監査等委員は、四半期毎に開催されるリスクマネジメント委員会に出席するとともに、監査等委員会は内部統制・監査部から定期的に報告を受け、意見交換を行う等、両者は緊密な連携を図っています。また、安全・環境・防災・品質保証等の重要なリスク管理に関わる各機能部門からその活動状況を定期的に聴取し、監査活動の実効性向上を図っています。加えて、法務部と訴訟状況に関する情報を共有しています。このほか、内部統制・監査部及び各機能部門は、監査等委員会の意見も踏まえ、年度計画を策定します。
・内部監査部門と会計監査人の連携状況
内部統制・監査部は、会計監査人に対し四半期毎にリスクマネジメント委員会における議論の内容等を報告するとともに、会計監査人との間で、財務報告に係る内部統制システムの整備・運用に関して適宜協議しその継続的改善を図っています。
・監査等委員会と会計監査人の連携状況
監査等委員会と会計監査人は、事業年度の開始にあたり、監査対象、監査体制、当期の重点監査項目等を記した会計監査人による監査計画説明書について、前期からの懸案事項、重点的に監査すべき事項等について意見交換を実施し、充実した会計監査がなされるように努めています。
また、四半期決算においては、監査等委員会が選定した監査等委員は、会計監査人からレビュー等の実施状況、その結果報告を受けるとともに、財務情報以外の事項も含め、意見交換を実施しています。
事業年度の決算においても、監査等委員会は、会計監査人から監査報告書を受領し、当期の監査重点項目等も含めて監査結果の報告を受け、その後の監査等委員会による監査報告書の作成の基礎としています。
その他、監査等委員会が選定した監査等委員は、会計監査人との間で監査活動に関する定期的な意見交換を実施するなど、相互の監査意見の形成に資するよう連携をとっています。
④ 内部監査の実効性を確保するための取組み
内部統制・監査部は、当社各部門・グループ会社全体の内部統制システムの水準の維持・向上を図る観点から、内部統制システムの整備・運用状況に対する内部監査を実施しています。
内部監査については、内部統制チェックリスト等の書面による内部統制状況の確認のほか、当社各部門・グループ会社へのモニタリング等を内部統制・監査部及び各機能部門が実施しています。
内部監査の実効性を確保するため、内部統制・監査部及び各機能部門は、内部統制システムの運用状況を、四半期毎に開催するリスクマネジメント委員会に報告するとともに、重要事項については経営会議及び取締役会に報告しています。併せて、四半期毎に開催するリスクマネジメント担当者・責任者会議において、内部統制システムの運用状況を各部門・グループ会社とも共有しています。
また、内部統制・監査部は、内部統制活動の実施状況や内部監査の結果等に基づき、年度末時点における内部統制システムの有効性評価結果を取りまとめたうえで、これをリスクマネジメント委員会、経営会議及び取締役会に報告しています。
当社は、これらの評価結果に基づき、内部統制システムの有効性向上に資する改善策を策定し、次年度の内部統制計画に反映しています。
なお、内部統制・監査部から監査等委員会への報告についても上記③に記載のとおり実施し、両者は緊密な連携を図っています。
<参考:会社の各機関・内部統制等の関係図>
当社の各機関と内部統制等の関係を図に示すと以下のとおりです。

(補足説明)
1 当社の取締役会は、定款の定めに基づき、その決議によって、重要な業務執行(会社法第399条の13第5項各号に定める事項を除く。)の決定の一部を代表取締役会長・代表取締役社長に委任し、経営に関する意思決定の迅速化を図るとともに、取締役会における経営方針・経営戦略の策定等の議論の充実、取締役会の経営に対する監督機能の強化を行っています。
当社及び当社グループ経営に関わる重要事項については、社内規程に従い、会長・社長・副社長等によって構成される経営会議(原則、週1回開催)の審議を経て、取締役会(毎月1回程度開催)において執行決定を行っています。
2 経営会議・取締役会に先立つ審議機関として、目的別に経常予算委員会、設備予算委員会、投資審議委員会、資金運営委員会、技術開発委員会、リスクマネジメント委員会、グリーン・トランスフォーメーション推進委員会等計18(2026年4月1日時点)の全社委員会を設置しています。
3 当社は、当社グループにおける内部統制システムの運用体制として、内部統制企画及び内部監査を担当する内部統制・監査部(専任23名、兼務26名)並びに各分野のリスク管理を担当する機能部門(約800名)を設置しています。また、当社各部門・グループ会社における自律的内部統制活動の企画・推進を担当するリスクマネジメント担当者(当社約130名)並びにリスクマネジメント責任者等(グループ会社約500名)を配置しています。
4 グループ会社については、各社での自律的内部統制を基本とした内部統制システムを構築・整備するとともに、当社の主管部門が必要に応じ改善のための支援を行っています。また、当社の内部統制・監査部長が、当社グループ全体の内部統制の状況を把握・評価し、各主管部門及び各グループ会社に指導・助言を行っています。
⑤ 監査報酬の内容等
(監査公認会計士等に対する報酬)
当社及び連結子会社は、監査公認会計士等に対して、非監査業務として、社債発行に伴う引受事務幹事会社への書簡作成業務等を委託し、その対価を支払っています。
(監査公認会計士等と同一のネットワークに属しているKPMGメンバーファームに対する報酬(監査公認会計士等に対する報酬を除く))
当社及び連結子会社は、監査公認会計士等と同一のネットワークに属しているKPMGメンバーファームに対して、非監査業務として、税務申告書の作成及び税務コンサルティング等を委託し、その対価を支払っています。
(監査報酬の決定方針)
当社は、当社の会計監査人である有限責任 あずさ監査法人が策定した監査計画に基づき、両者で協議のうえ、報酬金額を決定しています。
(監査等委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由)
監査等委員会は、会計監査人の監査計画の内容、職務遂行状況及び報酬見積りの算出根拠等を確認した結果、会計監査人の報酬等の額は妥当であると判断し、会社法第399条第1項の同意を行っています。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(2025年4月から2025年6月までの報酬等について)
(注) 1 上記には、2025年6月24日開催の第101回定時株主総会の終結の時をもって退任した取締役(監査等委員である取締役を除く。)1名を含んでいる。
2 ※印の業績連動報酬に関する事項は、以下のとおりである。
取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)の業績連動報酬に係る指標は、中長期経営計画における収益目標等も勘案し、期間業績に応じた適切な報酬額とする観点から、当社グループの経営成績を端的に表す実力ベース連結事業損益(連結事業損益から在庫評価差等を控除したもので、当社グループとしての実力を表す指標であると認識している。)を用いることとしている。
各取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)に係る業績連動報酬については、役位別に定めた業績連動報酬の基準額(当社の連結の業績が一定の水準に達したときの報酬額)を上記の指標に応じて一定の範囲で変動させることにより、株主総会で承認を得た限度額の範囲内で決定している。
2025年4月から2025年6月までの取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)の業績連動報酬の決定に用いた2023年度の実力ベース連結事業損益は9,350億円である。
3 各取締役(監査等委員である取締役を除く。)の具体的な固定報酬及び業績連動報酬の額については、後記③1)(イ)(ⅰ)c.のとおり、「役員人事・報酬会議」での検討を経て、取締役会で決議している。各監査等委員である取締役の具体的な固定報酬の額については、監査等委員である取締役の協議により決定している。
4 取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬の限度額は、2024年6月21日開催の第100回定時株主総会において、月額2億9,000万円以内(内、社外取締役分月額1,400万円以内)として承認を得ている。当該定時株主総会終結時点での取締役(監査等委員である取締役を除く。)の員数は10名(内、社外取締役2名)である。
5 監査等委員である取締役の報酬の限度額は、2024年6月21日開催の第100回定時株主総会において、月額2,500万円以内として承認を得ている。当該定時株主総会終結時点での監査等委員である取締役の員数は5名(内、社外取締役3名)である。
(2025年7月から2026年3月までの報酬等について)
(注) 1 上記※1の業績連動報酬に関する事項は、以下のとおりである。
取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)の業績連動金銭報酬及び業績連動型株式報酬に係る指標は、中長期経営計画における収益目標等も勘案し、期間業績に応じた適切な報酬額とする観点から、当社グループの経営成績を端的に表す実力ベース連結事業損益(連結事業損益から在庫評価差等を控除したもので、当社グループとしての実力を表す指標であると認識している。)を用いることとしている。
各取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)に係る業績連動金銭報酬については、役位別に定めた基準額(当社の連結業績が一定の水準に達したときの報酬額)を上記の指標に応じて一定の範囲で変動させることにより、株主総会で承認を得た限度額の範囲内で決定している。また、各取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)に係る業績連動型株式報酬については、役位及び上記の指標に応じたポイントを付与し、付与されたポイントの数に相当する当社株式(当社が金銭を拠出することにより設定する信託が取得したもの)を、信託を通じて、原則としてその退任時に交付することとしている。
2025年7月から2026年3月までの取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)の業績連動金銭報酬及び業績連動型株式報酬の決定に用いた2024年度の実力ベース連結事業損益は7,937億円である。
2 上記※2の業績連動型株式報酬に関する事項は、以下のとおりである。
非金銭報酬である業績連動型株式報酬は、2025年6月24日開催の第101回定時株主総会の決議に基づき導入した信託型株式報酬制度に基づく報酬である。取締役会で定める株式交付規程に基づき、各取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)に対し、役位及び当社の連結業績に応じたポイントを付与し、付与されたポイントの数に相当する数の当社株式(当社が金銭を拠出することにより設定する信託が取得したもの)を、信託を通じて、原則としてその退任時に交付することとしている。
業績連動型株式報酬の総額は、当事業年度中に付与した株式交付ポイントに係る費用計上額である。
3 各取締役(監査等委員である取締役を除く。)の具体的な固定金銭報酬、業績連動金銭報酬及び業績連動型株式報酬の額及び内容については、後記③1)(ロ)(ⅰ)d.のとおり、社外取締役を過半数とする「役員人事・報酬会議」での検討を経て、取締役会で決議している。各監査等委員である取締役の具体的な固定報酬の額については、監査等委員である取締役の協議により決定している。
4 取締役(監査等委員である取締役を除く。)の金銭報酬(固定金銭報酬及び業績連動金銭報酬)の限度額は、2024年6月21日開催の第100回定時株主総会において、月額2億9,000万円以内(内、社外取締役分月額1,400万円以内)として承認を得ている。当該定時株主総会終結時点での取締役(監査等委員である取締役を除く。)の員数は10名(内、社外取締役2名)である。また、取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)の業績連動型株式報酬について、2025年6月24日開催の第101回定時株主総会において、取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)に付与するポイントの上限は1事業年度あたり295,000ポイント、取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)に交付するために必要な当社株式の取得資金として拠出する金銭の上限は当初の信託期間(3年間)で1,650百万円(対象期間を延長した場合、当該延長分の期間について、当該延長年数に550百万円を乗じた金額)として承認を得ている。当該定時株主総会終結時点での取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)の員数は8名である。
5 監査等委員である取締役の報酬の限度額は、2024年6月21日開催の第100回定時株主総会において、月額2,500万円以内として承認を得ている。当該定時株主総会終結時点での監査等委員である取締役の員数は5名(内、社外取締役3名)である。
② 提出会社の役員ごとの連結報酬等の総額等
連結報酬等の総額が1億円以上である取締役の氏名、役員区分並びに報酬等の区分及び総額は以下のとおりです。
(単位 円)
(注)1 藤田展弘之氏については、2025年6月24日開催の第101回定時株主総会にて取締役(監査等委員である取締役を除く。)に選任されて以降の当事業年度における連結報酬等の総額等を記載している。※印に関し、2025年4月から6月までの副社長執行役員としての固定報酬は17,490,000円及び業績連動報酬は15,990,000円であり、これを加えた年間の連結報酬等の総額は195,317,307円である。
2 業績連動型株式報酬の総額は、当事業年度中に付与した株式交付ポイントに係る費用計上額である。
(参考)連結報酬等の総額が1億円以上である執行役員(取締役兼務者を除く。)の役職名及び氏名
③ 取締役の報酬等の額の決定に関する事項
1)方針の内容
(イ)2025年4月1日から2025年6月24日まで
当社の「取締役の報酬等の額の決定に関する方針」は、以下の(ⅰ)及び(ⅱ)のとおりです。
なお、取締役の退職慰労金制度は2006年に廃止しています。また、取締役の賞与については、2013年に取締役等の「報酬等の額の決定に関する方針」から賞与に関する部分を削除しています。
(ⅰ) 取締役(監査等委員である取締役を除く。)
a.基本方針
取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬は、月例報酬のみとし、固定報酬と業績連動報酬の適切な構成により設計しています。求められる能力及び責任に見合った水準を勘案して役位別に固定報酬と業績連動報酬の基準額(当社の連結の業績が一定の水準に達したときの報酬額)を定め、このうち業績連動報酬について、当社の連結の業績に応じて一定の範囲で変動させることにより、株主総会で承認を得た限度額の範囲内で各取締役に係る月例報酬の額を決定することとしています。
b.報酬の構成及び業績連動報酬に関する方針
上記a.の基本方針のもと、取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)の業績連動報酬に係る指標は、中長期経営計画における収益目標等も勘案し、期間業績に応じた適切な報酬額とする観点から、当社グループの経営成績を端的に表す実力ベース連結事業損益(連結事業損益から在庫評価差等を控除したもので、当社グループとしての実力を表す指標であると認識しています。)を用いることとしています。そのうえで、基準額(実力ベース連結事業損益6,000億円達成時)における「固定報酬:業績連動報酬」の比率を、代表取締役は「50%:50%」とし、それ以外の役位の取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)は「概ね70%:30%程度」とすることで、役位と業績に応じた適切なインセンティブを付与することとしています。
社外取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬は、固定報酬のみで構成することとしています。
c.個人別の報酬等の決定方法
各取締役(監査等委員である取締役を除く。)の具体的な月例報酬の額については、会長、社長及び議長である社長が指名する3名以上の社外取締役からなる「役員人事・報酬会議」での検討を経て、取締役会で決議することとしています。
(ⅱ) 監査等委員である取締役
監査等委員である取締役の報酬は、月例報酬のみとし、固定報酬のみで構成することとしています。各取締役に係る月例報酬の額については、役位及び常勤・非常勤の別に応じた職務の内容等を勘案し、株主総会で承認を得た限度額の範囲内で決定することとしています。
(ロ)2025年6月24日以降
当社の「取締役の報酬等の額の決定に関する方針」は、以下の(ⅰ)及び(ⅱ)のとおりです。
なお、取締役の退職慰労金制度は2006年に廃止しています。また、取締役の賞与については、2013年に取締役等の「報酬等の額の決定に関する方針」から賞与に関する部分を削除しています。
(ⅰ) 取締役(監査等委員である取締役を除く。)
a.基本方針及び報酬の構成
取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)の報酬は、①固定金銭報酬、②業績連動金銭報酬及び③業績連動型株式報酬から構成することとしています。
固定金銭報酬及び業績連動金銭報酬は、月例報酬とし、求められる能力及び責任に見合った水準を勘案して役位別に固定金銭報酬と業績連動金銭報酬の基準額(当社の連結業績が一定の水準に達したときの報酬額)を定め、このうち業績連動金銭報酬について、当社の連結業績に応じて一定の範囲で変動させることにより、株主総会で承認を得た限度額の範囲内で各取締役に係る報酬の額を決定することとしています。
業績連動型株式報酬は、信託型株式報酬制度に基づくものとし、取締役会で定める株式交付規程に基づき、各取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)に対し、求められる能力及び責任に見合った水準を勘案して役位及び当社の連結業績に応じたポイントを付与し、付与されたポイントの数に相当する数の当社株式(当社が金銭を拠出することにより設定する信託が取得したもの)を、信託を通じて、原則としてその退任時に交付することとしています。
社外取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬は、月例報酬のみとし、固定金銭報酬のみで構成することとしています。
各取締役に係る月例報酬の額については、求められる能力及び責任に見合った水準を勘案して、株主総会で承認を得た限度額の範囲内で決定することとしています。
b.業績連動報酬に関する方針
取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)の業績連動金銭報酬及び業績連動型株式報酬に係る指標は、中長期経営計画における収益目標等も勘案し、期間業績に応じた適切な報酬額とする観点から、当社グループの経営成績を端的に表す実力ベース連結事業損益(連結事業損益から在庫評価差等を控除したもので、当社グループとしての実力を表す指標であると認識しています。)を用いることとしています。
c.種類別の報酬の比率に関する方針
固定金銭報酬、業績連動金銭報酬及び業績連動型株式報酬の比率については、上位の役位ほど業績連動報酬(業績連動金銭報酬及び業績連動型株式報酬)の比率を高くすることで、役位と業績に応じた適切なインセンティブを付与することとしています。
代表取締役会長及び代表取締役社長については、基準額(実力ベース連結事業損益6,000億円達成時)における「固定報酬(固定金銭報酬):業績連動報酬(業績連動金銭報酬+業績連動型株式報酬)」の比率を概ね5:7としており、業績により、3:7から10:0の範囲で変動させることとしています。また、代表取締役会長及び代表取締役社長について、業績連動型株式報酬は業績連動金銭報酬の概ね4割としています。
d.個人別の報酬等の決定方法
各取締役(監査等委員である取締役を除く。)の具体的な固定金銭報酬、業績連動金銭報酬及び業績連動型株式報酬の額及び内容については、社外取締役を過半数とする「役員人事・報酬会議」での検討を経て、取締役会で決議することとしています。
(ⅱ) 監査等委員である取締役
監査等委員である取締役の報酬は、月例報酬のみとし、固定報酬のみで構成することとしています。各取締役に係る月例報酬の額については、役位及び常勤・非常勤の別に応じた職務の内容等を勘案し、株主総会で承認を得た限度額の範囲内で決定することとしています。
2)方針の決定方法
(イ)2025年4月1日から2025年6月24日まで
取締役(監査等委員である取締役を除く。)については「役員人事・報酬会議」での検討を経て取締役会決議により、監査等委員である取締役については監査等委員である取締役の協議により、上記1)(イ)に掲げる方針を定めています。
同会議においては、外部機関による他社役員の報酬水準の調査結果も踏まえ、取締役の報酬体系や役位別の報酬水準の妥当性を含めて、幅広く議論しています。
(ロ)2025年6月24日以降
取締役(監査等委員である取締役を除く。)については「役員人事・報酬会議」での検討を経て取締役会決議により、監査等委員である取締役については監査等委員である取締役の協議により、上記1)(ロ)に掲げる方針を定めています。
同会議においては、外部機関による他社役員の報酬水準の調査結果も踏まえ、取締役の報酬体系や役位別の報酬水準の妥当性を含めて、幅広く議論しています。
3)当期に係る取締役(監査等委員である取締役を除く。)の個人別の報酬等の内容が上記1)(イ)及び(ロ)に掲げる方針に沿うものであると取締役会が判断した理由
当期に係る各取締役(監査等委員である取締役を除く。)の個人別の報酬等は、「役員人事・報酬会議」における検討を経て、取締役会において、上記1)(イ)及び(ロ)に記載の方針に沿ったものであることを確認のうえ決定しています。従って、取締役会は、これらの個人別の報酬等の内容が上記1)(イ)及び(ロ)の方針に沿うものであると判断しています。
④ 取締役の報酬等の額の決定過程における取締役会及び役員人事・報酬会議の活動内容
(a) 取締役会の活動内容
2025年6月24日開催の取締役会において、「取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬等の額の決定に関する方針」を決議するとともに、同方針に基づき、各取締役(監査等委員である取締役を除く。)の具体的な月例報酬の額を決議しています。
(b) 役員人事・報酬会議の活動内容
上記(a)の取締役会決議による各取締役(監査等委員である取締役を除く。)の具体的な月例報酬の額の決定に先立ち、2025年5月9日開催の「役員人事・報酬会議」において、業績連動型株式報酬の導入も含めた取締役の報酬体系や役位別の報酬水準の妥当性等について、幅広く議論・検討しています。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的に保有する株式を純投資目的の投資株式と区分しています。なお、当社は純投資目的の投資株式を保有していません。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の観点から、これまでの事業活動の中で培われた国内外の幅広い取引先・提携先との信頼関係や協業関係の維持・発展は極めて重要であると考えており、株式保有が、当社と保有先の取引関係や提携関係などの事業基盤の維持・強化、両者の収益力向上、ひいては、当社及び当社グループの企業価値向上に資すると判断する株式については継続して保有することとしています。なお、取引先等との十分な対話を経たうえで、株式を保有せずとも上記の目的を達成することが可能であることが確認できた会社については、当該会社の株式の売却を進めます。
当社は、政策保有株式については、すべての株式を対象に、保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を具体的に精査し、保有の適否を確認しており、このうち、時価が一定額を超える政策保有株式については、取締役会において毎年検証しています。取締役会で検証する対象株式の保有時価の合計は、当社が連結ベースで保有する政策保有株式の時価総額の約8割を占めています(2026年3月末時点)。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
(2013年3月期末(2012年の経営統合直後)から当事業年度末の銘柄数の変動)
c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注)1 「-」は、当該銘柄を保有していないことを示している。「*」は、当該銘柄の貸借対照表計上額が当社の資本金額の100分の1以下であり、かつ貸借対照表計上額の大きい順の60銘柄に該当しないために記載を省略していることを示している。
2 貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算していない。
3 ㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ、㈱三井住友フィナンシャルグループ、㈱みずほフィナンシャルグループ、三井住友トラストグループ㈱、宮地エンジニアリンググループ㈱は、同社子会社が当社株式を保有している。
みなし保有株式
(注)1 貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算していない。
2 ㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ、㈱三井住友フィナンシャルグループ、第一生命ホールディングス㈱、㈱みずほフィナンシャルグループ、MS&ADインシュアランスグループホールディングス㈱、三井住友トラストグループ㈱は、同社子会社が当社株式を保有している。
3 第一生命ホールディングス㈱は、2026年4月1日付で、㈱第一ライフグループに商号変更している。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
5 【従業員の状況等】
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
① 連結会社の人材戦略
連結会社の人材戦略については、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しています。
② 従業員給与等の決定方針
当社は、将来にわたり日本の産業競争力を支える「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」を目指し、持続的な成長と生産性向上に取り組み、付加価値の最大化に注力しています。そのなかで、競争力の源泉は「人の力」であるとの認識のもと、当社で働く多様な従業員が、生産性高く、持てる力を最大限発揮できるよう、賃金改善のみならず、諸制度を導入・改訂し、柔軟で多様な働き方を追求しています。
こうしたなか、従業員給与等の決定にあたっては、人材の確保・定着及び活躍推進に向けた「人への投資」の観点から、適切な水準を検討・決定しています。また、賃金改善に加え、仕事と育児・介護の両立支援を含めた総合的な処遇改善について、労使で真摯な話し合いを重ね、実行しているほか、「世界最高の技術とものづくりは人づくりから」という考えのもと、企業理念及び社員行動指針を理解し実践できる人づくりを目指し、教育訓練等に積極的に取り組んでいます。
当社として、今後も、従業員のエンゲージメント向上やさらなる生産性向上に資するよう、人材投資を中心に積極的に取り組むことを通じて、従業員への持続的な還元を目指します。
(2) 【従業員の状況】
① 連結会社(当社及び連結子会社)の状況
(2026年3月31日現在)
(注) 1 従業員数は就業人員数(連結会社から連結会社以外への出向者を除き、連結会社以外から連結会社への出向者を含む。)であり、嘱託・臨時従業員を含まない。
2 臨時従業員数は、[ ]内に当連結会計年度の平均人員を外数で記載している。
3 前連結会計年度末に比べ従業員数が24,608名増加している。主な理由は、製鉄セグメントにおいてUnited States Steel Corporationが連結子会社となったこと及びシステムソリューションセグメントにおいてインフォコム㈱が連結子会社となったことによるものである。
② 提出会社の状況
(2026年3月31日現在)
(注) 1 従業員数は就業人員数(他社への出向者を除き、他社からの出向者を含む。)であり、嘱託・臨時従業員を含まない。
2 臨時従業員数は、[ ]内に当事業年度の平均人員を外数で記載している。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含む。
4 前連結会計年度末に比べ従業員数が3,450名増加している。主な理由は、連結子会社であった日鉄鋼管㈱及び日鉄ステンレス㈱をそれぞれ吸収合併したことによるものである。
(参考)最近3事業年度に係る平均年間給与の推移
③ 労働組合の状況
提出会社の労働組合である日本製鉄労働組合連合会のほか、複数の連結子会社で労働組合が組織されています。2026年3月31日現在の組合員数は90,030名です。
なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。
④ 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異
ア 提出会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。
なお、雇用管理区分ごとの実績は次のとおりである。
マネジメントグループ 89%、アシスタントマネジメントグループ 97%、グローバルグループ 93%、
ワイドエキスパートグループ 81%、エリアグループ 86%
3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号に定める育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものである。
4 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。
正規雇用労働者においては、それぞれの社員の役割とそれに伴う配置のあり方に応じて、注2に記載の5つの区分を設定し、区分別の給与制度としている。
各区分の給与制度及び評価・運用は、男女の別なく全社員同一としているが、同一区分内でも男女における平均勤続年数が異なること、男女それぞれの社員数に占める各区分の構成比が異なることから、賃金差異が発生している。
当社では、多様な社員が、生産性高く、持てる力を最大限発揮し、誇りとやりがいをもって活躍できる企業の実現を目指す観点から、DEIの取組みを進めており、その主要項目としてジェンダー平等を掲げ、各種施策を推進している。今後も女性の管理職登用に向けた育成に加え、女性のさらなる定着に向けた環境整備を引き続き実施していくことで、男女の賃金差異は解消していくものと考えている。
イ 連結子会社
[製鉄事業]
[エンジニアリング事業]
[ケミカル&マテリアル事業]
[システムソリューション事業]
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したもの、又は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号に定める育児休業等の取得割合を算出したものである。
なお、次の会社においては雇用管理区分ごとの実績を公表している。
山陽特殊製鋼㈱:総合職 75%、一般職該当なし、技術職 58%(いずれも正社員)
黒崎播磨㈱:正社員 48%、嘱託・パート社員 該当者なし
日鉄SGワイヤ㈱:総合職(正社員)85%、製造職(正社員)100%
日鉄プロセッシング㈱:正社員 43%、嘱託社員 該当者なし
日鉄ステンレス鋼管㈱:正社員 50%、非正社員 該当者なし
日鉄物産コイルセンター㈱:総合職 0%、技術職 40%、一般職・嘱託・パート 該当なし
日鉄電磁㈱: 正社員 75%、非正社員 該当者なし
日鉄物産システム建築㈱:総合職 50%、一般職 該当者なし
日鉄スラグ製品㈱:正社員 50%、非正社員 該当者なし
㈱エムエムアイ:正社員 100%、非正社員 該当者なし
日鉄ファーストテック㈱:管理職 100%、執務職 66%、技術職 42%
㈱NSロジ東日本:乗務員・倉庫作業員・一般事務 0%
日鉄ビジネスサービス㈱: 正社員 82%、嘱託社員・パート:該当者なし
日鉄エンジニアリング㈱:チーフ以上 87%、グローバルスタッフ事務 77%、グローバルスタッフ技術 66%、エキスパートスタッフ・嘱託社員 該当者なし
日鉄パイプライン&エンジニアリング㈱ :正社員 66%、正社員以外 該当者なし
日鉄環境エネルギーサービス㈱: 正社員 83%、正社員以外 該当者なし
インフォコム㈱:正規雇用 71%、非正規雇用 100%
日鉄ソリューションズサービスアンドテクノロジー㈱:正社員 75%、非正社員 該当者なし
インフォコムテクノロジーズ㈱:正規雇用 66%、非正規雇用 該当者なし
3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号に定める育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものである。
4 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。
各社においては、社員の役割等によって複数の区分を設定しているが、各区分の給与体系及び評価・運用は、男女の別なく全社員同一としている。男女の賃金差異は、主に各区分の構成比、平均勤続年数、勤務形態(三交替勤務等)、管理職比率、勤務時間等の差異により生じている。
なお、次の会社においては、パート・有期労働者について、正規雇用労働者の所定労働時間で換算した人員数を元に平均年間賃金を算出している。
日鉄物産㈱、日鉄物流㈱、日鉄ステンレス鋼管㈱、王子製鉄㈱、日鉄電磁㈱、日鉄関西マシニング㈱、山特工業㈱、NS建材販売㈱、インフォコム㈱、日鉄ソリューションズ九州㈱、日鉄ソリューションズ北海道㈱
5 女性社員は在籍していない。
6 「-」は、当該指標を開示していないことを示している。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に準拠して作成しています。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下、「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しています。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人により監査を受けています。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っています。その内容は以下のとおりです。
(1) 会計基準等の内容を適切に把握できる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、セミナー
へ参加しています。
(2) IFRSの適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っています。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表等を作成するために、IFRSに準拠したグループ会計方針及び会計指針を作成し、それらに基づいて会計処理を行っています。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③ 【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1 報告企業
日本製鉄株式会社(以下、当社)は、日本に所在する株式会社である。2026年3月31日に終了する当社の連結財務諸表は、当社及び連結子会社並びに持分法適用関連会社及び共同支配に関する取決めに対する持分から構成されている。当社グループの事業体制は、製鉄事業、エンジニアリング事業、ケミカル&マテリアル事業及びシステムソリューション事業であり、詳細については、「6 事業セグメント」に記載している。
2 作成の基礎
(1) 連結財務諸表がIFRSに準拠している旨
当社の連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、IFRSに準拠して作成している。
(2) 測定の基礎
当社の連結財務諸表は、注記「3 重要性がある会計方針」に記載されている公正価値で測定されている特定の金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成している。
(3) 機能通貨及び表示通貨
連結財務諸表は当社の機能通貨である円(百万円単位、単位未満切り捨て)で表示している。
(4) 表示方法の変更
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
前連結会計年度において、独立掲記していた「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「事業譲受による支出」(前連結会計年度△113,715百万円)は、重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めて表示することとした。これらの表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っている。
(5) 連結財務諸表の承認
連結財務諸表は、2026年6月23日に、当社代表取締役社長 兼 COO 今井 正によって承認されている。
3 重要性がある会計方針
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社は、当社グループが支配する企業である。支配とは、投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、その投資先に対するパワーを通じてそれらのリターンに影響を及ぼす能力を有している場合をいう。
子会社の財務諸表は、支配獲得日から支配喪失日までの間、連結財務諸表に含まれている。支配を喪失した場合には、支配の喪失に関連した利得及び損失を純損益で認識している。支配の喪失を伴わない当社グループの持分変動は、資本取引として会計処理し、非支配持分の修正額と支払又は受取対価の公正価値との差額を資本に直接認識し、親会社の所有者に帰属させている。
子会社が適用する会計方針が当社グループの会計方針と異なる場合には、必要に応じて当社グループの会計方針と整合させるため当該子会社の財務諸表に調整を加えている。当社グループ内の債権債務残高、取引高、及びグループ会社間取引によって発生した未実現損益は、全額を相殺消去している。ただし、未実現損失については、回収不能と認められる部分は消去していない。
② 関連会社に対する投資
関連会社とは、当社グループが投資先の財務及び経営の方針決定等に対し、支配には至らないものの重要な影響力を有している企業である。通常、当社グループが投資先の議決権の20%以上50%以下を保有する場合には、原則として該当する企業に対して重要な影響力を有していると推定される。保有状況のほかにも経営機関への参画等の諸要素を総合的に勘案し、重要な影響力を行使し得る場合には関連会社に含めている。
関連会社に対する投資は、当社グループが重要な影響力を有することとなった日からその影響力を喪失する日まで、持分法を用いて会計処理している。持分法では、当初認識時に関連会社に対する投資は取得原価で認識され、投資日における投資が、これに対応する被投資会社の資本を超える場合には、当該差額はのれんとして投資の帳簿価額に含めている。それ以降は投資先である関連会社の純損益及びその他の包括利益の持分の変動に応じて当社グループ持分相当額を認識している。損失に対する当社グループの負担が、持分法適用会社に対する投資を上回った場合には、当該投資の帳簿価額をゼロまで減額し、当社グループが持分法適用会社に代わって債務を負担又は支払を行う場合を除き、それ以上の損失を認識していない。
関連会社に該当しなくなり、持分法の適用を中止した場合には、持分法の適用を中止したことから生じた利得又は損失を純損益として認識している。
関連会社に対する投資の帳簿価額の一部を構成するのれんは区別して認識されないため、個別に減損テストを行っていない。その代わり、関連会社に対する投資額が減損している可能性が示唆される場合には、投資全体の帳簿価額について減損テストを行っている。減損については「(10) 非金融資産の減損」に記載のとおりである。
③ 共同支配の取決め
共同支配の取決めとは、複数の当事者が共同支配を有する取決めをいう。当社グループは共同支配の取決めへの関与を、当該取決めの当事者の権利及び義務に応じて、共同支配事業(共同支配を行う参加者が、契約上の取決めに関連する資産に対する権利及び負債に係る義務を有するもの)と共同支配企業(取決めに対して契約上合意された支配を共有し、関連性のある活動に関する意思決定が、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とし、かつ、当社グループが当該取決めの純資産に対する権利を有しているもの)に分類している。共同支配事業については、共同支配の営業活動から生じる資産、負債、収益及び費用のうち、連結会社の持分相当額のみを認識している。共同支配企業については、持分法を用いて会計処理している。
④ 連結の範囲・持分法等の適用に関する事項
連結子会社の数 493社
主要な連結子会社の名称については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載している。
なお、当連結会計年度より109社を新たに連結の範囲に加えている。その要因は取得(98社)、新規設立(10社)等である。また、35社を連結の範囲から除外している。その要因は合併(21社)、清算(8社)等である。
上記変動のうち、2025年6月18日に当社米国子会社がUnited States Steel Corporationと合併したことにより87社を新たに連結の範囲に加えている。
持分法適用関連会社等(関連会社・共同支配事業・共同支配企業)の数 112社
主要な持分法適用関連会社等の名称については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載している。
なお、当連結会計年度より関連会社等9社を新たに持分法適用の範囲に加えている。その要因は取得(7社)、新規設立(1社)等である。また、関連会社等7社を持分法適用の範囲から除外している。その要因は売却である。
上記変動のうち、2025年6月18日に当社米国子会社がUnited States Steel Corporationと合併したことにより関連会社等7社を新たに持分法適用の範囲に加えている。
(2) 企業結合
企業結合は、支配が獲得された時点で取得法を用いて会計処理している。被取得企業における識別可能資産及び負債は、取得日の公正価値で認識している。
当社グループは、取得対価及び被取得企業の非支配持分の金額の合計額が、支配獲得日における被取得企業の識別可能な取得資産から引受負債を差し引いた正味金額を上回る場合には、その超過額をのれんとして認識している。反対に下回る場合には、その下回る金額を純損益として認識している。
移転された対価は、取得企業が移転した資産、取得企業に発生した被取得企業の旧所有者に対する負債及び取得企業が発行した資本持分の公正価値の合計で算定される。なお、段階取得の場合には当社グループが支配獲得日以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値を含む。
取得関連費用は、発生した期間において費用として認識している。
非支配持分は、個々の企業結合取引ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分の比例的持分として測定している。
当社グループは、純損益及びその他の包括利益の各内訳項目を、当社の所有者と非支配持分に帰属させている。
(3) 外貨換算
① 機能通貨及び表示通貨
当社グループの各企業の個々の財務諸表は、その企業が事業活動を行う主たる経済環境の通貨である機能通貨で表示している。当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としている。
② 外貨建取引
外貨建取引は、取引日における直物為替レートまたそれに近似するレートを用いて当社グループの各機能通貨に換算している。
各報告期間の末日において、外貨建の貨幣性項目は、各報告期間の末日現在の為替レートで機能通貨に換算している。取得原価で測定される外貨建の非貨幣性項目は、取引日の為替レートにより機能通貨に換算している。公正価値で測定される外貨建の非貨幣性項目は、公正価値が決定された日の為替レートにより機能通貨に換算している。当該換算及び決済により生じる換算差額は、その他の包括利益として認識する場合を除き、純損益として認識している。
③ 在外営業活動体
表示通貨とは異なる機能通貨を使用しているすべての在外営業活動体の業績及び財政状態は、下記の方法で表示通貨に換算している。
(ⅰ)資産と負債は、期末日現在の決算日レートで換算
(ⅱ)収益及び費用は、平均レートで換算
(ⅲ)結果として生じるすべての為替差額はその他の包括利益で認識
在外営業活動体の処分時には、その他の包括利益に認識された為替差額は利得又は損失として純損益に振り替えている。
(4) 金融商品
① デリバティブを除く金融資産
(ⅰ)認識及び測定
当社グループは、契約の当事者となった時点で金融資産を認識している。通常の方法で売買される金融資産は取引日に認識している。当社グループは、デリバティブを除く金融資産を、償却原価で測定される金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しており、当初認識時において分類を決定している。
償却原価で測定される金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産は、取得に直接起因する取引コストを公正価値に加算した金額で当初認識している。純損益を通じて公正価値で測定される金融資産は、当初認識時に公正価値により測定し、その取得に直接起因する取引コストは、発生時に純損益で認識している。ただし、重大な金融要素を含まない営業債権は取引価格で当初認識している。
(a) 償却原価で測定される金融資産
契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて金融資産が保有されていること、また契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じることという条件がともに満たされる場合にのみ、償却原価で測定される金融資産に分類している。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
投資先との取引関係の維持又は強化等を主な目的として保有する株式などの資本性金融商品について、その保有目的に鑑み、当初認識時にその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に指定している。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に指定した資本性金融商品は、当初認識後の公正価値の変動をその他の包括利益として認識している。当該資本性金融商品の認識を中止した場合又は公正価値が著しく下落した場合には、その他の包括利益を通じて認識された利得又は損失の累計額を利益剰余金に振り替えている。なお、当該資本性金融商品から生じる配当金については、配当を受領する権利が確立された時点で純損益として認識している。
また、負債性金融商品のうち、契約上のキャッシュ・フローを回収することと売却の両方を事業上の目的として保有する金融資産で、かつ金融資産の契約条件により特定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる金融資産を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類している。当該負債性金融商品は、当初認識後の公正価値の変動を、減損利得又は減損損失及び為替差損益を除き、その他の包括利益として認識している。当該負債性金融商品の認識を中止した場合には、その他の包括利益を通じて認識された利得又は損失の累計額を資本から純損益に振り替えている。
(c) 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
公正価値で測定される金融資産のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類又は指定しなかった金融資産を、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類している。純損益を通じて公正価値で測定される金融資産は、当初認識時に公正価値で測定し、当初認識後の公正価値の変動を純損益として認識している。
(ⅱ)認識の中止
金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、あるいは金融資産を譲渡し、実質的に所有に伴うすべてのリスクと経済価値のほとんどすべてを他の企業に移転した場合に、金融資産の認識を中止している。
(ⅲ)償却原価で測定される金融資産の減損
当社グループは、償却原価で測定される金融資産の減損の認識に関し、期末日ごとに予想信用損失の見積りを行っている。
営業債権及び当初認識後に信用リスクが著しく増大している金融商品については、全期間の予想信用損失を見積り、貸倒引当金として認識・測定している。
信用リスクが著しく増大しているかどうかは、債務不履行発生リスクの変動に基づき判断しており、債務不履行発生リスクに変動があるかどうかの判断にあたっては、以下を考慮している。
・発行体又は債務者の著しい財政状態の悪化
・利息又は元本の支払不履行又は延滞などの契約違反
・債務者が破産又は他の財務的再編成に陥る可能性が高くなったこと
② デリバティブを除く金融負債
(ⅰ)認識及び測定
当社グループは、デリバティブを除く金融負債について、償却原価で測定している。
(ⅱ)認識の中止
当社グループは、契約上の義務が免責、取消し又は失効となった時に、金融負債の認識を中止している。
③ 金融商品の相殺
金融資産及び金融負債は、認識された金額を相殺する法的に強制力のある権利を有しており、かつ、純額で決済するか、資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有する場合にのみ相殺し、連結財政状態計算書において純額で表示している。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替変動リスク、金利変動リスク等をヘッジする目的で為替予約、金利スワップ等のデリバティブを利用している。これらのデリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初認識され、その後も公正価値で事後測定している。
デリバティブの公正価値の変動は純損益に認識している。ただし、キャッシュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資のヘッジの有効部分はその他の包括利益として認識している。
当社グループは、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係、リスク管理目的及び種々のヘッジ取引の実施に関する戦略について「金融取引及びデリバティブ取引に係る規程・規則」として正式に文書化している。当該規程にてデリバティブ取引は事業活動の一環(当社事業活動により現実に行われる取引のリスクヘッジの目的)としての取引(予定取引を含む)に限定し実施することとしており、トレーディング目的(デリバティブ自体の売買により利益を得る目的)での取引は一切行わない方針としている。
なお、当社グループは、ヘッジ取引に使用されているデリバティブがヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動を高い程度で相殺しているか否かについて、ヘッジ取引開始時及びそれ以降も継続的に評価している。
ヘッジ会計に関する要件を満たすヘッジは、次のように分類し、会計処理している。
(ⅰ)公正価値ヘッジ
ヘッジ手段であるデリバティブの公正価値の変動は、純損益として認識している。ヘッジ対象の公正価値の変動は、ヘッジ対象の帳簿価額を調整するとともに、純損益として認識している。
(ⅱ)キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段であるデリバティブの公正価値の変動額のうち、有効な部分はその他の包括利益にて認識し、非有効部分は純損益に認識している。
その他の包括利益に認識されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振り替えている。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の資本の構成要素として認識されている金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として振り替えている。
(ⅲ)在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
当社グループは、在外営業活動体に対する純投資に係る為替相場の変動リスクをヘッジする目的で為替予約取引及び外貨建借入金をヘッジ手段とした在外営業活動体に対する純投資のヘッジを行っている。
ヘッジ手段であるデリバティブ及び外貨建借入金の公正価値の変動額のうち、有効な部分はその他の包括利益にて認識し、非有効部分は純損益に認識している。純投資ヘッジにより、その他の包括利益に認識されたヘッジ手段に係る金額は、在外営業活動体の処分時に純損益に振り替えている。
⑤ 複合金融商品
当社グループが発行した複合金融商品は、保有者の選択により株主資本に転換可能である転換社債型新株予約権付社債である。複合金融商品の負債要素は、資本への転換オプションがない類似の負債の公正価値により当初認識している。資本要素は、複合金融商品全体の公正価値と負債要素の公正価値との差額として当初認識している。取引に直接関連する費用は、負債部分と資本部分のそれぞれ当初の帳簿価額に比例して按分している。
当初認識後、複合金融商品の負債部分は実効金利法を用いて償却原価で測定している。複合金融商品の資本部分は、当初認識後の再測定は行っていない。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3カ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されている。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のうち、いずれか低い方の金額で測定している。取得原価は、主として総平均法に基づいて算定し、購入原価、加工費及び、現在の場所及び状態に至るまでに要したすべての費用を含んでいる。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する原価の見積額及び販売に要するコストの見積額を控除したものをいう。
(7) 有形固定資産
① 認識及び測定
有形固定資産は、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で表示している。
有形固定資産の取得原価には、当該資産の取得に直接関連する費用、解体、除去及び原状回復費用が含まれている。
② 減価償却
土地等の減価償却を行わない有形固定資産を除き、各資産の取得原価から残存価額を差し引いた償却可能限度額をもとに、有形固定資産の各構成要素の見積耐用年数にわたり主として定額法で減価償却を行っている。
主な有形固定資産の見積耐用年数は以下のとおりである。
・建物 主として31~35年
・機械装置 主として14~15年
減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、毎期末日に見直しを行い、必要に応じて改定している。
(8) のれん及び無形資産
無形資産は、原価モデルを採用している。耐用年数を確定できる無形資産は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で表示している。のれん及び耐用年数を確定できない無形資産は、取得原価から減損損失累計額を控除して表示している。
① のれん
当社グループは、移転された対価及び被取得企業の非支配持分の金額の合計額が、支配獲得日における被取得企業の識別可能な取得資産から引受負債を差し引いた正味金額を上回る場合には、その超過額をのれんとして認識している。
のれんは償却を行わず、資金生成単位又は資金生成単位グループに配分している。
減損については「(10)非金融資産の減損」に記載のとおりである。
② 無形資産
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しており、企業結合において取得した無形資産は、取得日現在における公正価値で測定している。また、自己創設の無形資産については、資産化の要件を満たす開発費用を除き、その支出額をすべて発生した期の費用として認識している。
③ 償却
耐用年数を確定できる無形資産は、当該資産が使用可能な状態になった日から見積耐用年数にわたり、定額法で償却している。償却方法及び見積耐用年数は、毎期末日に見直しを行い、必要に応じて改定している。
主な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりである。
・ソフトウェア 主として5年
・鉱業権 主として18~35年
・顧客関連資産 主として16~18年
耐用年数を確定できない無形資産、未だ使用可能でない無形資産は償却を行っていない。
(9) リース
契約がリースであるか否か、又は契約にリースが含まれているか否かについては、法的にはリースの形態をとらないものであっても、契約の実質に基づき判断している。
当社グループは、リース又は契約にリースが含まれていると判定したリース契約の開始時に使用権資産とリース負債を認識している。リース負債は、リース開始日におけるリース料総額の未決済分の割引現在価値として測定を行っている。使用権資産については、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整し、契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを加えた額で当初の測定を行っている。使用権資産は、リース期間にわたり主として定額法により減価償却を行っている。金融費用は連結損益計算書上、使用権資産に係る減価償却費と区分して表示している。
なお、当社グループは、リース期間が12か月以内の短期リース及び少額資産リースについて、IFRS第16号の免除規定を適用し、使用権資産及びリース負債を認識しないことを選択している。これらのリースに関連したリース料を、リース期間にわたり主として定額法により費用として認識している。
(10)非金融資産の減損
当社グループは、棚卸資産及び繰延税金資産等を除く非金融資産について、毎期末日に各資産又は資産が属する資金生成単位に対して減損の兆候の有無を判断している。減損の兆候が存在する場合には、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額を見積り、減損テストを実施する。のれん及び耐用年数を確定できない無形資産、並びに未だ使用可能でない無形資産については、少なくとも年1回又は減損の兆候がある場合にはその都度、減損テストを実施している。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額としている。個別資産についての回収可能価額の見積りが不可能な場合には、当該資産が属する資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額を見積っている。使用価値は、見積将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことにより算定しており、使用する割引率は、貨幣の時間的価値、及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いている。
当該キャッシュ・フローは中長期経営計画及び最新の事業計画を基礎としており、これらの計画には鋼材需給の予測及び製造コスト改善等を主要な仮定として織り込んでいる。鋼材需給及び製造コスト改善の予測には高い不確実性を伴い、これらの経営者による判断が将来キャッシュ・フローに重要な影響を及ぼすと予想される。
のれんの減損テストを行う際には、のれんが配分される資金生成単位又は資金生成単位グループは、当該のれんを内部報告目的で管理している最小の単位であり、かつ事業セグメントよりも大きくならないようにしている。
全社資産は独立したキャッシュ・インフローを生み出していないため、全社資産に減損の兆候がある場合、当該全社資産が帰属する資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額に基づき減損テストを行っている。
資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合に、当該資産の帳簿価額をその回収可能価額まで減額し、減損損失として認識している。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まず、その単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分している。
のれん以外の非金融資産に係る減損損失の戻入れは、過去の期間に認識した減損損失を戻し入れる可能性を示す兆候が存在し、回収可能価額の見積りを行った結果、回収可能価額が帳簿価額を上回る場合に行っている。戻し入れる金額は、過年度に減損損失を認識した時点から戻入れが発生した時点まで減価償却又は償却を続けた場合における帳簿価額を上限としている。のれんに係る減損損失の戻入れは行っていない。
(11)従業員給付
従業員給付には、短期従業員給付、退職給付及びその他の長期従業員給付が含まれている。
① 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算を行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として認識している。
賞与については、当社グループが、従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的及び推定的債務を負っており、かつその金額が信頼性をもって見積ることができる場合、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識している。
② 退職給付
退職給付制度は、確定給付企業年金制度及び退職一時金制度、確定拠出年金制度、複数事業主制度からなっている。退職給付制度の会計処理は以下のとおりである。
(ⅰ)確定給付企業年金制度及び退職一時金制度
確定給付制度に関連する資産又は負債の純額は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した金額で認識している。確定給付制度が積立超過である場合には、将来掛金の減額又は現金の返還という形で利用可能な将来の経済的便益の現在価値を資産上限額としている。
確定給付制度債務の現在価値は、毎年、年金数理人によって予測単位積増方式を用いて算定している。この算定に用いる割引率は、将来の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の利回りに基づいている。
数理計算上の差異を含む確定給付負債(資産)の純額の再測定は、発生時に即時にその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金に振り替えている。過去勤務費用は純損益として認識している。
(ⅱ)確定拠出年金制度
確定拠出年金制度への拠出は、従業員が役務を提供した期間に費用として認識している。
(ⅲ)複数事業主制度
一部の北米の連結子会社は、確定給付企業年金である複数事業主制度に加入している。自社の拠出に対応する年金資産の額を合理的に計算することができないため、確定拠出年金制度と同様に会計処理している。
(12)資本
① 普通株式
普通株式は資本に分類している。普通株式の発行に直接関連して発生した費用(税効果考慮後)を資本から控除して認識している。
② 自己株式
自己株式を取得した場合には、直接関連して発生した費用(税効果考慮後)を含めた支払対価を資本から控除して認識している。自己株式を処分した場合には、受取対価と自己株式の帳簿価額との差額を資本として認識している。
(13)収益
収益は、次の5つのステップを適用し認識される。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:契約における履行義務に取引価格を配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時に又は充足するにつれて収益を認識する。
製鉄、ケミカル&マテリアルの各セグメントの売上収益は概ね物品の販売、エンジニアリングセグメントの売上収益は概ね工事契約、システムソリューションセグメントの売上収益は主としてサービスの提供及び工事契約(受注制作によるソフトウェア)によるものである。
① 一時点で充足される履行義務
物品の販売については、当該物品の出荷時点で収益を認識している。これは、当該物品を出荷した時点で当社グループが物理的に占有した状態ではなくなること、顧客に対し請求権が発生すること、法的所有権が顧客に移転すること等から、その時点で顧客が当該物品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されるとの判断に基づくものである。
履行義務が一時点で充足されるサービスについては、サービス提供完了時点で収益を認識している。
収益は、受領する対価から、値引き及び割戻しを控除した金額で測定している。
取引の対価は履行義務を充足してから概ね1年以内に回収している。なお、重大な金融要素は含んでいない。
② 一定期間にわたり充足される履行義務
工事契約及び受注制作のソフトウェアについては、支配が一定期間にわたり移転することから、履行義務の進捗に応じて収益を認識している。進捗度は、原価の発生が工事の進捗度を適切に表すと判断しているため、見積総原価に対する累積実際発生原価の割合で算出している(インプット法)。
履行義務が一定期間にわたり充足されるサービスについては、サービス提供期間にわたり定額で収益を認識している。
(14)政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、補助金が受領されることについて合理的な保証が得られた時に認識している。資産に関する補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除している。収益に関する補助金は、関連する費用から当該補助金を控除している。
(15)株式報酬
当社グループは、持分決済型の株式報酬制度として、信託を用いた業績連動型株式報酬制度等を導入している。
受領したサービスの対価は株式の公正価値で測定しており、権利確定までの期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識している。
(16)法人所得税
法人所得税は、当期税金と繰延税金から構成されている。これらは、直接資本又はその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益として認識している。
当社グループの当期税金は、期末日時点において施行又は実質的に施行されている税率を使用し、税務当局に納付又は税務当局から還付されると予想される額で算定している。
当社グループの繰延税金は、会計上の資産及び負債の帳簿価額と税務上の資産及び負債の金額との一時差異等に基づいて、期末日に施行又は実質的に施行される法律に従い一時差異等が解消される時に適用されることが予測される税率を用いて算定している。
繰延税金資産は、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内ですべての将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除について認識し、毎期末日に見直しを行い、税務上の便益が実現する可能性が高い範囲内でのみ認識している。
ただし、繰延税金資産は、企業結合以外の取引で、会計上の利益にも課税所得にも影響を与えない、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異を生じさせない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合には認識していない。
子会社等に対する持分に係る将来減算一時差異については、以下の両方を満たす可能性が高い範囲内でのみ繰延税金資産を認識している。
・当該一時差異が、予測し得る期間内に解消される場合
・当該一時差異を使用することができ、課税所得が稼得される場合
繰延税金負債は、以下の場合を除き、すべての将来加算一時差異について認識している。
・のれんの当初認識時
・企業結合以外の取引で、会計上の利益にも課税所得にも影響を与えない、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異を生じさせない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合
・子会社等に対する持分に係る将来加算一時差異で、親会社が一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
当社グループは、鋼材需給の予測及び製造コスト削減等の仮定を織り込んだ中長期経営計画及び最新の事業計画に基づく将来における課税所得の見積り等の予想など、現状入手可能な全ての将来情報を用いて、繰延税金資産の回収可能性を判断している。当社グループは、税務上の便益が実現する可能性が高いと判断した範囲内でのみ繰延税金資産を認識しているが、経営環境悪化に伴う中長期経営計画及び事業計画の目標未達等による将来における課税所得の見積りの変更や、法定税率の変更を含む税制改正などにより回収可能額が変動する可能性がある。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、当期税金資産及び当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ以下のいずれかの場合に相殺している。
・法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合
・異なる納税主体に課されているものの、これらの納税主体が当期税金資産及び当期税金負債を純額ベースで決済することを意図している、もしくは当期税金資産を実現させると同時に当期税金負債を決済することを意図している場合
なお、当社グループは「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール(IAS第12号「法人所得税」の改訂)(2023年5月公表)」を適用しており、第2の柱の法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債の認識及び情報開示に関しては、本基準書に定められた例外を適用している。
(17)1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した普通株式の期中平均株式数で除して算定している。
希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算している。
4 重要な会計上の見積り及び判断
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、当社の経営者は会計方針の適用並びに資産及び負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行うことが義務付けられている。実際の業績はこれらの見積り等とは異なる場合がある。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直している。会計上の見積りの変更による影響は、その見積りを変更した会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識している。
中東情勢が当社グループの非金融資産の減損における回収可能価額及び繰延税金資産の回収可能性に与える影響については、中東情勢の終結の見通しが立っておらず、当該影響を網羅的かつ合理的に把握することはできないことから、一定の想定が可能な影響に限り反映し見積りを行っている。しかしながら、この仮定は高い不確実性を伴っており、翌期以降において、仮定の見直しにより、見積り額及び連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性がある。
連結財務諸表上で認識する金額に重要な影響を与える会計方針の適用に関する判断に関する情報は、以下の注記に含まれている。
・注記3(1) 連結の基礎 及び 注記15 子会社、関連会社等への関与
・注記3(4) 金融商品 及び 注記34 金融商品
翌連結会計年度において重要な修正をもたらすリスクのある、仮定及び見積りの不確実性に関する情報は、以下の注記等に含まれている。
・注記3(10)非金融資産の減損 及び 注記30 資産の減損
・注記3(11)従業員給付 及び 注記19 従業員給付
・注記3(13)収益 及び 注記22 売上収益
・注記3(16)法人所得税 及び 注記16 法人所得税
・注記37 債務保証
5 未適用の新基準
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、当社の連結財務諸表の作成に際して適用していない主な基準書等は、以下のとおりである。新しいIFRS適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点で見積ることは出来ない。
6 事業セグメント
(1) 報告セグメントの概要
当社は製鉄事業を推進する事業会社であると同時に、エンジニアリング、ケミカル&マテリアル、システムソリューションの各事業の運営を行う事業セグメント会社の持株会社である。各事業セグメント会社は日本製鉄グループ経営戦略を共有し、独立的・並列的に事業を推進しており、これらの4つの事業セグメントを報告セグメントとしている。
(2) 報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
セグメント間の内部売上収益又は振替高は、第三者間取引価格に基づいている。報告セグメント毎のセグメント利益は、事業利益に基づき測定している。
(3) 報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注) セグメント利益の調整額△10,223百万円には、日鉄興和不動産㈱の持分法による投資利益12,808百万円、及びセグメント間取引消去等△23,032百万円が含まれている。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注) セグメント利益の調整額△14,205百万円には、日鉄興和不動産㈱の持分法による投資利益6,590百万円、及びセグメント間取引消去等△20,796百万円が含まれている。
(4) 地域ごとの情報
① 売上収益
売上収益は顧客の所在地を基礎とし、地域に分類している。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
(表示方法の変更)
前連結会計年度において、「その他」に含めていた「北米」(前連結会計年度498,754百万円)は、重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記することとした。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の注記の組替えを行っている。
② 非流動資産
非流動資産は資産の所在地によっており、金融商品、繰延税金資産、退職給付に係る資産を含んでいない。
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
(5) 主要な顧客に対する売上収益
外部顧客からの売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める顧客が存在しないため、記載を省略している。
7 企業結合
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(United States Steel Corporationの合併)
(1)企業結合の概要
(ⅰ)被取得企業の名称及び事業の内容
被取得企業の名称 United States Steel Corporation(以下「USスチール」という。)
事業の内容 自動車・家電・建材用途等の薄板、エネルギー分野用途の鋼管製品の製造・販売
(ⅱ)取得日
2025年6月18日
(ⅲ)取得した議決権付資本持分の割合
(ⅳ)企業結合の主な理由
当社は、「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」として、「需要の伸びが確実に期待できる地域」「当社の技術力・商品力を活かせる分野」において、上工程から一貫して付加価値を創造できる鉄源一貫生産体制を拡大し、日本製鉄グループとして「グローバル粗鋼1億トン体制」を目指している。一貫生産体制の拡大に当たっては、買収・資本参加(ブラウンフィールド)等による一貫製鉄所の取得、既存拠点の能力拡張を基本戦略としており、2019年12月にインドのEssar Steel India Limited(現AM/NS India)、2022年2月にタイのG Steel及びGJ Steelを買収した。
米国鋼材市場は、輸出に依存しない国内需要中心の供給構造となっており、また、安価なエネルギー、世界経済の構造変化を背景に、エネルギー、製造業等の鋼材需要分野における米国内回帰の動きが顕著となってきている。米国鋼材市場は国内需要が今後も安定的に伸長すると見込まれていることに加えて、先進国最大の市場であり、高水準の高級鋼需要が期待できることから、当社の培ってきた技術力・商品力を活かせる地域である。
本合併は、当社の海外事業戦略に合致するだけではなく、規模及び成長率が世界的に見ても大きいインド、ASEANに加えて、先進国である米国に鉄源一貫製鉄所を持つことによるグローバル事業拠点の多様化の観点からも、大きな意義のある投資と判断した。今後、この3つのグローバル重点拠点の拡張・充実により、企業価値のさらなる向上を目指していく。
本合併により、当社グループのグローバル粗鋼生産能力は8,200万トンまで拡大し、さらなる広がりを持つことになる。当社とUSスチールの有する、電磁鋼板や自動車鋼板などの高級鋼製品に関する技術力を活かした製品・サービスを提供することで、顧客と社会に広く貢献し、「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」として共に前進していく。
また、当社とUSスチールは、2050年カーボンニュートラル達成という目標に向けて、これまで技術開発を推進してきており、それぞれ技術的な強みを持っている。当社は、「高炉水素還元」「水素による還元鉄製造」「大型電炉での高級鋼製造」の3つの超革新的技術によるカーボンニュートラルの実現を目指している。
今後、両社の先端技術を融合することによって、2050年カーボンニュートラルへの取り組みをさらに推進し、持続可能な社会の実現に貢献していく。
(ⅴ)被取得企業の支配を獲得した方法
当社が本合併のために設立した完全子会社とUSスチールの合併による方法(逆三角合併)
(2)取得対価及びその内訳
(注) 企業結合に係る取得関連費用は前連結会計年度までに21,984百万円、当連結会計年度は7,814百万円を連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上している。また当連結会計年度に、USスチール従業員へのクロージング・ボーナスとして14,288百万円を連結損益計算書の「その他費用」に計上している。
(3)取得資産及び引受負債の公正価値、非支配持分及びのれん
当中間連結会計期間において暫定的な会計処理を行っていたが、当第4四半期連結会計期間において確定している。暫定的な金額からは主に無形資産の認識及びそれに伴う繰延税金負債の計上等により、流動資産が16,861百万円、非流動資産が308,163百万円、非流動負債が75,063百万円増加しており、流動負債が5,726百万円減少している。
*1 非支配持分は、USスチールがStelco社に付与したオプション契約によるものである。
*2 当社は、取得対価にかかる為替リスクをヘッジするため為替予約を締結し、ヘッジ会計を適用してい る。ベーシス・アジャストメントは、取得日におけるヘッジ手段の公正価値であり、当初認識されたのれんの調整額に含めている。
*3 のれんの構成要因は、主として相乗効果の創出により期待される将来の超過収益力である。
認識されたのれんのうち、税務上損金算入が見込まれるものはない。
(4)取得による支出
(5)企業結合に係る取得日以降の被取得企業の収益及び純損益
(6)企業結合に係る取得日が連結会計年度の期首であったとした場合の結合後企業の収益及び純損益
(注)当該注記は、監査を受けていない。
8 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は以下のとおりである。
(単位:百万円)
連結財政状態計算書における現金及び現金同等物の残高と連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物の期末残高は一致している。
9 営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は以下のとおりである。
(単位:百万円)
契約資産は「受取手形及び売掛金」に含めて表示している。
10 棚卸資産
棚卸資産の内訳は以下のとおりである。
(単位:百万円)
11 担保資産
長期及び短期借入金の一般的な契約条項として、銀行の要請がある場合には現在及び将来の負債に対し担保差入及び債務保証をすること、並びに銀行は返済期日において又は債務不履行が生じた場合に、債務を預金と相殺する権利を有していることが規定されている。
担保に供している資産及び対応する債務は、以下のとおりである。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
このほか、関連会社等の借入金に対し、関連会社株式等を担保に供している。(前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ461百万円及び611百万円)
(表示方法の変更)
前連結会計年度において、「その他」に含めていた「棚卸資産」(前連結会計年度4,727百万円)は、重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記することとした。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の注記の組替えを行っている。
12 有形固定資産
有形固定資産の帳簿価額の増減並びに取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額は、以下のとおりである。
(単位:百万円)
(注)有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書において、主に「売上原価」、「販売費及び一般管理費」としてそれぞれ計上している。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
13 のれん及び無形資産
のれん及び無形資産の帳簿価額の増減並びに取得原価、償却累計額及び減損損失累計額は、以下のとおりである。
(単位:百万円)
(注)無形資産の償却費は、連結損益計算書において、「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」としてそれぞれ計上している。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
(表示方法の変更)
前連結会計年度において、「その他」に含めていた「顧客関連資産」は、重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記することとした。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の注記の組替えを行っている。
14 リース
当社グループは、借手として建物・機械装置等の資産を賃借し、貸手として土地・建物等を賃貸している。
(1) 使用権資産
借手としてのリースに係る費用、キャッシュ・フロー、増加額及び帳簿価額は以下のとおりである。
(単位:百万円)
(2) 貸主側オペレーティング・リース
解約不能オペレーティング・リース契約に係る割引前受取リース料の満期分析は以下のとおりである。
(単位:百万円)
15 子会社、関連会社等への関与
(1) 主要な子会社
2026年3月31日現在における当社グループの主要な子会社は以下のとおりである。
* ジオスター㈱、及びPT PELAT TIMAH NUSANTARA TBK.は、当社グループの持分が100分の50以下
であるが、実質的に支配しているものと判断し子会社として連結している。
(2) 関連会社に対する投資
関連会社に対する投資の帳簿価額は以下のとおりである。
(単位:百万円)
関連会社の当期利益及びその他の包括利益の持分取込額は以下のとおりである。
(単位:百万円)
(3) 共同支配企業に対する投資
共同支配企業に対する投資の帳簿価額は以下のとおりである。
(単位:百万円)
共同支配企業の当期利益及びその他の包括利益の持分取込額は以下のとおりである。
(単位:百万円)
前連結会計年度及び当連結会計年度において、持分法適用会社のうち、個々に重要性のある関連会社又は共同支配企業はない。
16 法人所得税
(1) 繰延税金資産及び繰延税金負債
① 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳は以下のとおりである。
(単位:百万円)
繰延税金資産は、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内ですべての将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除について認識し、毎期末日に見直しを行い、税務上の便益が実現する可能性が高い範囲内でのみ認識している。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される繰延税金負債の取崩、予測される将来課税所得及びタックスプランニングを考慮している。
(表示方法の変更)
前連結会計年度において、「持分法投資に係る未分配利益等」に含めていた「子会社への投資」(前連結会計年度14,316百万円)、「租税特別措置法準備金等」に含めていた「有形固定資産及び無形資産」(前連結会計年度55,699百万円)は、重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記することとした。これらの表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の注記の組替えを行っている。また、当該独立掲記に伴い、前連結会計年度における「持分法投資に係る未分配利益等」は当連結会計年度より「持分法適用会社等への投資」、前連結会計年度における「租税特別措置法準備金等」は当連結会計年度より「その他」に科目名を変更している。
② 繰延税金資産及び繰延税金負債の純額の増減内容は以下のとおりである。
(単位:百万円)
③ 繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異(適用税率を乗じた額)は
以下のとおりである。
(単位:百万円)
④ 繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金(適用税率を乗じた額)と繰越期限は以下のとおり
である。
(単位:百万円)
(2) 法人所得税費用
① 法人所得税費用の内訳は以下のとおりである。
(単位:百万円)
② 法定実効税率と平均実際負担税率との差異要因は以下のとおりである。
(3) 法人税等の税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正
前連結会計年度(2025年3月31日)
「所得税法等の一部を改正する法律」が令和7年3月31日に国会で成立したことに伴い、2025年3月31日に終了する連結会計年度の繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に使用した法定実効税率は、2024年3月31日に終了する連結会計年度の30.6%から、回収又は支払が見込まれる期間が2026年4月1日以降のものは31.5%に変更されている。その結果、2025年3月31日に終了する連結会計年度に計上された繰延税金費用が4,061百万円減少している。
17 営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は以下のとおりである。
(単位:百万円)
18 社債、借入金及びリース負債
(1) 社債、借入金及びリース負債
社債、借入金及びリース負債の内訳は以下のとおりである。
(単位:百万円)
(注) 「平均利率」については、借入金等の期末残高に対する加重平均利率を記載している。
(2) 社債の明細
(単位:百万円)
*1 国内連結子会社である日鉄物産㈱の発行したものである。なお、2024年5月8日付で当該社債の管理業務を吸収分割により当社が継承したことに伴い、当社が引き継いでいる。
*2 2026年9月12日以降の各利払日に当社の裁量で期限前償還可能。また払込期日以降に税制事由又は資本性変更事由が生じ、かつ継続している場合は期限前償還可能。
*3 2029年9月12日以降の各利払日に当社の裁量で期限前償還可能。また払込期日以降に税制事由又は資本性変更事由が生じ、かつ継続している場合は期限前償還可能。
*4 2029年6月13日以降の各利払日に当社の裁量で期限前償還可能。また払込期日以降に税制事由又は資本性変更事由が生じ、かつ継続している場合は期限前償還可能。
*5 2031年6月13日以降の各利払日に当社の裁量で期限前償還可能。また払込期日以降に税制事由又は資本性変更事由が生じ、かつ継続している場合は期限前償還可能。
*6 2034年6月13日以降の各利払日に当社の裁量で期限前償還可能。また払込期日以降に税制事由又は資本性変更事由が生じ、かつ継続している場合は期限前償還可能。
*7[]内書は米ドル建による金額である。
(3) 財務活動によるキャッシュ・フローに係る負債の変動の調整
財務活動によるキャッシュ・フローに係る主な負債の変動の内訳は以下のとおりである。
(単位:百万円)
19 従業員給付
(1) 退職給付制度の概要
当社は、退職給付制度として、退職一時金制度、確定給付企業年金制度、及び確定拠出年金制度を設けている。
退職一時金制度については、従業員が退職する際に一時金を支給するもので、当該給付額は、主として給与と勤務期間に基づき算定されている。
確定給付企業年金制度については、確定給付企業年金法に基づく企業年金制度を採用しており、退職後の一定期間にわたり年金を支給している。当該給付額は、主として給与と勤務期間に基づき算定されている。また、一部の北米の連結子会社は、確定給付企業年金である複数事業主制度に加入している。
これらの制度に加えて、一部の北米の連結子会社は、健康保険や生命保険等の制度を退職後の従業員に提供している。
当社の制度資産運用は、加入者及び受給者に対する給付の支払を将来にわたり安定的に行うため、許容されるリスクの範囲内で制度資産の価値の増大を図ることを目的としている。具体的には、年金債務及び資産の特性を考慮の上、中長期的基本ポートフォリオを定めている。この基本ポートフォリオは、設定した当初前提からの市場環境の変化や積立状況の変化に対応するため、定期的に見直しを行っている。
確定拠出年金制度については、当社及び子会社の責任は、各社ごとに定められた退職金規程に基づく拠出を行うことに限定されている。
(2) 確定給付制度債務及び制度資産の調整表
確定給付制度債務及び制度資産の調整表は以下のとおりである。
(単位:百万円)
(注) 確定給付制度が積立超過である場合には、将来掛金の減額又は現金の返還という形で利用可能な将来の経済的便益の現在価値を資産上限額としている。
資産上限額の影響の変動は、以下のとおりである。
(単位:百万円)
(3) 確定給付制度債務の現在価値の変動
確定給付制度債務の現在価値の変動は以下のとおりである。
(単位:百万円)
(注) 確定給付制度債務の加重平均残存期間は、前連結会計年度は14.0年、当連結会計年度は10.5年である。
(表示方法の変更)
前連結会計年度において、「その他」に含めていた「為替換算差額」(前連結会計年度728百万円)は、重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記することとした。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の注記の組替えを行っている。
(4) 制度資産の公正価値の変動
制度資産の公正価値の変動は以下のとおりである。
(単位:百万円)
(注) 当社グループは、翌連結会計年度において、確定給付制度へ14,640百万円拠出する予定である。
(表示方法の変更)
前連結会計年度において、「その他」に含めていた「為替換算差額」(前連結会計年度△32百万円)は、重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記することとした。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の注記の組替えを行っている。
(5) 制度資産の公正価値の内訳
制度資産の公正価値の内訳は以下のとおりである。
(単位:百万円)
(6) 重要な数理計算上の仮定
重要な数理計算上の仮定は以下のとおりである。
(注) 当社及び主な連結子会社における数理計算で使用している割引率の加重平均を記載している。
(7) 感応度分析
重要な数理計算上の仮定が変動した場合の確定給付制度債務への影響は、以下のとおりである。
(単位:百万円)
(注) この分析は、その他の数理計算上の仮定に変動がないことを前提としている。
(8) 確定拠出年金制度
前連結会計年度及び当連結会計年度において、確定拠出年金制度(確定拠出年金制度と同様に会計処理する、複数事業主制度を含む。)に関して費用処理した金額は、それぞれ11,106百万円及び31,568百万円である。
(9) 複数事業主制度
① 複数事業主制度の概要
一部の北米連結子会社は、確定給付企業年金である複数事業主制度(Steelworkers Pension Trust。以下「SPT」という。) に加入しており、拠出額は労働協約で定められた勤務時間当たりの拠出単価等に基づいている。なお、自社の拠出に対応する年金資産の額を合理的に計算することができないため、確定拠出制度と同様に会計処理している。SPTは以下の点に関してリスクを有している。
(ⅰ)北米連結子会社によるSPTへの拠出は、他の参加雇用主の従業員への給付のために使用される可能性がある。
(ⅱ)参加雇用主がSPTへの拠出を停止した場合、制度の未積立債務を残りの参加雇用主が負担する可能性がある。
(ⅲ)北米連結子会社がSPTへの参加を停止することを選択した場合は、当該子会社は制度の積立不足状況に基づく金額を支払うことを要求される可能性がある。
② 複数事業主制度の直近の積立状況
直近で入手可能な情報に基づく制度全体の積立状況は、以下のとおりである。
(単位:百万円)
③ 複数事業主制度の掛金に占める当社グループの割合
当連結会計年度 29.7%
④ 翌年度における複数事業主制度に対する拠出額
当社グループは、翌連結会計年度において、複数事業主制度へ12,862百万円拠出する予定である。
(10) 従業員給付費用
前連結会計年度及び当連結会計年度における連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれる従業員給付費用の合計額は、それぞれ1,088,137百万円及び1,446,400百万円である。
従業員給付費用には、給与、賞与、法定福利費及び退職給付費用などが含まれている。
20 資本及びその他の資本項目
(1) 資本金及び剰余金
授権株式数及び発行済株式数は以下のとおりである。
(単位:千株)
(注) 1 授権株式及び発行済株式は、いずれも無額面の普通株式である。発行済株式はすべて全額払込を受けてい
る。
2 前連結会計年度における発行済株式数の増減は転換社債型新株予約権付社債の新株予約権の権利行使による
ものである。
3 当連結会計年度における授権株式数及び発行済株式数の増減は、2025年10月1日を効力発生日として、1
株を5株とする株式の分割を実施したことによるものである。
・資本剰余金
資本剰余金は、資本取引から発生した金額のうち、資本金に含まれない金額により構成されている。会社法では、株式の発行に対しての払込み又は給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることができると規定されている。また、会社法では、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができる。
また、複合金融商品の資本要素として、転換社債型新株予約権付社債の発行時に資本要素として分類された金額が、資本剰余金に計上されている。
・利益剰余金
会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されている。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できる。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができるとされている。
(2) 自己株式
各年度の自己株式数は、以下のとおりである。
(単位:千株)
(注) 1 当社は2025年10月1日を効力発生日として、1株を5株とする株式の分割を実施している。
2 自己株式数には、業績連動型株式報酬制度に係る信託が保有する当社株式が、当連結会計年度末において
3,130千株含まれている。
21 配当金
当社による配当金支払額は以下のとおりである。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(1) 配当金支払額
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(1) 配当金支払額
(注)当社は2025年10月1日を効力発生日として、1株を5株とする株式の分割を実施した。
1株当たり配当額については、当該株式の分割前の金額を記載している。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
(注)1 当社は2025年10月1日を効力発生日として、1株を5株とする株式の分割を実施した。
1株当たり配当額については、当該株式の分割後の金額を記載している。
2 配当の総額には、業績連動型株式報酬制度に係る信託が保有する当社株式に対する配当金37百万円が
含まれている。
22 売上収益
(1) 収益の分解
顧客との契約から認識した収益の分解とセグメント収益との関連は、以下のとおりである。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
売上収益は顧客の所在地に基づいて分解し、セグメント間の内部取引控除後の金額を表示している。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
売上収益は顧客の所在地に基づいて分解し、セグメント間の内部取引控除後の金額を表示している。
(2) 契約残高
(単位:百万円)
債権及び契約資産は財政状態計算書の「営業債権及びその他の債権」に含まれている。
契約負債は財政状態計算書の「その他の流動負債」に含まれている。
前連結会計年度及び当連結会計年度における契約負債の期首残高のうち、報告期間中に認識した売上収益の
金額はそれぞれ53,722百万円、42,688百万円である。
また、前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益の額
に重要性はない。
(3) 残存履行義務に配分した取引金額
(単位:百万円)
(単位:百万円)
上記金額には、当初の予想期間が1年以内の契約の一部である履行義務に配分された取引価格を含めており、
セグメント間の内部取引控除後の数値である。
製鉄及びケミカル&マテリアルの各セグメントについては、当該履行義務の当初の予想期間が概ね1年以内
であるため、実務上の便法を採用し、開示を行っていない。
(4) 顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産
当社グループにおいては、資産として認識しなければならない、契約を獲得するための増分コスト、及び履行
のためのコストに重要性はない。
23 政府補助金
当社グループが受領した政府補助金は主として有形固定資産の購入のために受領したものである。
当連結会計年度において計上した政府補助金は、33,122百万円である。なお、当該金額のうち、資産に関する補助金は取得した資産の取得原価から控除、収益に関する補助金は主として研究開発費から控除している。
なお、政府補助金に付随する未履行の条件及びその他の偶発事象はない。
24 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は以下のとおりである。
(単位:百万円)
(表示方法の変更)
前連結会計年度において、「その他」に含めていた「退職給付費用」(前連結会計年度7,700百万円)は、重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記することとした。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の注記の組替えを行っている。
25 研究開発費
「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれる研究開発費の合計は以下のとおりである。
(単位:百万円)
上記金額は、当連結会計年度において受領した政府補助金1,601百万円を控除した後の金額である。
26 その他収益及びその他費用
「その他収益」及び「その他費用」の内訳は以下のとおりである。
(1) その他収益
(単位:百万円)
(注) 受取配当金は、主としてその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産から発生している。
(表示方法の変更)
前連結会計年度において、「その他」に含めていた「固定資産売却益」(前連結会計年度4,777百万円)は、重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記することとした。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の注記の組替えを行っている。
(2) その他費用
(単位:百万円)
27 事業利益
事業利益とは、持続的な事業活動の成果を表し、当社グループの業績を継続的に比較・評価することに資する連結経営業績の代表的指標であり、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費、並びにその他費用を控除し、持分法による投資利益及びその他収益を加えたものである。その他収益及びその他費用は、受取配当金、為替差損益、固定資産除却損等から構成されている。
28 事業再編損
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
事業の再編、撤退に係る損益であり、その内訳は以下のとおりである。
設備休止関連損失等 135,277百万円
東日本製鉄所鹿島地区の鉄源1系列・厚板ライン・大形ライン、並びに関西製鉄所和歌山地区の第4コークス炉等の廃止決定に基づき発生する除却・解体費用等を計上している。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
事業の再編、撤退に係る損益であり、その内訳は以下のとおりである。
事業撤退損失等 271,225百万円
製鉄セグメントにおいて、米国において鋼板を製造販売する合弁事業であるAM/NS Calvert LLCの当社全
持分を有する持株会社であるNS Kote, Inc.の全株式譲渡に伴う損失、ブラジルにおいて鋼板を製造販売す
るUsinas Siderúrgicas de Minas Gerais S.A.-USIMINASの持分譲渡に伴う損失等を計上している。
29 金融収益及び金融費用
「金融収益」及び「金融費用」の内訳は以下のとおりである。
(1) 金融収益
(単位:百万円)
受取利息は、主として償却原価で測定される金融資産から発生している。
(2) 金融費用
(単位:百万円)
支払利息は、主として償却原価で測定される金融負債から発生している。
30 資産の減損
のれんの減損テスト
のれん帳簿価額のセグメント別残高は以下のとおりである。
(単位:百万円)
のれんが配分された資金生成単位の回収可能価額は、使用価値によって算定しており、使用価値は過去の経験と外部の情報を反映し、主として経営者によって承認された5年以内の事業計画と、その後の成長率を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定している。
当連結会計年度の割引率は、資金生成単位の税引前加重平均資本コストを基礎に算定しており、主として 8.0%~12.0%である(前連結会計年度:6.0%)。
31 その他の包括利益
その他の包括利益の内訳は、以下のとおりである。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 「持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分」の「当期発生」及び「組替調整」は税効果考慮後の金額を記載している。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 「持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分」の「当期発生」及び「組替調整」は税効果考慮後の金額を記載している。
32 1株当たり利益
(1) 基本的1株当たり当期利益
親会社の普通株主に帰属する当期利益
(単位:百万円)
普通株式の期中平均株式数
(単位:株)
(注)1 当社は2025年10月1日を効力発生日として、1株を5株とする株式の分割を実施したため、前連結会計年度の期首に当該株式の分割が行われたと仮定し、普通株式の期中平均株式数を算定している。
2 業績連動型株式報酬制度に係る信託が保有する当社株式は、基本的1株当たり当期利益の算定上、普通株式の期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めている。
(2) 希薄化後1株当たり当期利益
希薄化後の普通株主に帰属する当期利益
(単位:百万円)
普通株式の期中平均株式数
(単位:株)
(注)1 当社は2025年10月1日を効力発生日として、1株を5株とする株式の分割を実施したため、前連結会計年
度の期首に当該株式の分割が行われたと仮定し、希薄化効果の影響を算定している。
2 当連結会計年度において存在する転換社債型新株予約権付社債に係る潜在株式(62,911,209株)は、逆希薄
化効果を有するため、希薄化後1株当たり当期利益の計算から除外している。
33 株式報酬
(1) 株式報酬制度の概要
当社グループは、国内の取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)及び執行役員(以下「取締役等」という。)を対象に、株価の変動による利益・リスクを株主と共有したうえで、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を一層高めることを目的として、信託を用いた業績連動型株式報酬制度等を導入している。
当社は、取締役等を受益者とした株式交付信託(以下「本信託」という。)を設定し、株式交付規程に基づき取締役等に対してポイント(1ポイント=5株)を付与する。本信託は、当社が拠出する資金を原資として当社株式の取得を行い、原則として、取締役等が退任後の一定の時期に所定の受益者確定手続きを行うことにより、当社株式を交付する。
(2) 当社の株式報酬制度におけるポイントに対応する株式数の変動及び株式の加重平均公正価値
(3) 当社グループにおける株式報酬に係る費用
当連結会計年度における連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれる株式報酬費用の総額は、346百万円である。
34 金融商品
(1) 資本管理
当社グループは、一定の財務健全性の確保を前提に置きながら、投下資本の運用効率を重視し、持続的な成長のために資本コストを上回る収益が見込める投資(設備投資、研究開発、M&A等)に資金を活用することで企業価値の最大化を実現すると同時に、利益に応じた株主還元を実施することで株主の要求にも応えることを資本管理の方針としている。そのために必要な資金については、収益力の維持強化により創出する営業キャッシュ・フローで賄うことを基本とし、必要に応じて銀行借入及び社債等による資金調達を行っている。
当社グループは、中長期的な収益力及び資本効率の向上、並びに財務基盤の強化を目指し、ROE(株主資本利益率)及びD/Eレシオ(資本負債比率)を経営上の重要な指標としている。ROEは親会社の所有者に帰属する当期利益を親会社の所有者に帰属する持分で除することで算出しており、D/Eレシオは、有利子負債を親会社の所有者に帰属する持分で除することで算出している。
* 劣後ローン・劣後債資本性調整後
なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制はない。
(2) 金融商品の分類
(ⅰ)帳簿価額が公正価値で測定されている金融商品の公正価値の測定方法
① 資本性金融商品・負債性金融商品
市場性のある資本性金融商品・負債性金融商品の公正価値については、市場価格によって算定している。
市場性のない資本性金融商品・負債性金融商品の公正価値については、マーケットアプローチ等、適切な評価技法を使用して算定している。
② デリバティブ
取引先から提示された価格等及び先物為替相場によっている。
(ⅱ)公正価値ヒエラルキーのレベル別分類
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、レベル1からレベル3までを以下のとおり分類している。
(ⅲ)公正価値の変動を測定する方法
以下のとおり分類している。
FVPL:公正価値の変動を純損益を通じて測定する方法
FVOCI:公正価値の変動をその他の包括利益を通じて測定する方法
(ⅳ)金融商品の分類ごとの帳簿価額
(注)1 FVOCIに含めているデリバティブは、キャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段であるデリバティブの有効部分である。
2 上記営業債権及びその他の債権の注記にはIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」に従って計上した契
約資産 59,190百万円は含まれていない。
(注)1 FVOCIに含めているデリバティブは、キャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段であるデリバティブの有効部分である。
2 上記その他の非流動債務の注記にはIAS第19号「従業員給付」に従って計上した22,720百万円は含まれてい
ない。
(注)1 FVOCIに含めているデリバティブは、キャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段であるデリバティブの有効部分である。
2 上記営業債権及びその他の債権の注記にはIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」に従って計上した契
約資産 106,217百万円は含まれていない。
* United States Steel Corporation(以下、「USスチール」という。)が保有する金融資産である。当該金融資
産は、USスチールが全米鉄鋼労働組合(以下、「USW」という。)との合意に基づき、USWの現役従業員及び退職
者への従業員給付に活用する資産である。
(注)1 FVOCIに含めているデリバティブは、キャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段であるデリバティブの有効部分である。
2 上記その他の非流動債務の注記にはIAS第19号「従業員給付」に従って計上した21,284百万円は含まれていない。
(ⅴ)公正価値で測定される金融商品
(注)FVOCIに含めているデリバティブは、キャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段であるデリバティブの有効部分である。
公正価値で測定される金融負債
(注)FVOCIに含めているデリバティブは、キャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段であるデリバティブの有効部分である。
(注)FVOCIに含めているデリバティブは、キャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段であるデリバティブの有効部分である。
* United States Steel Corporation(以下、「USスチール」という。)が保有する金融資産である。当該金融資
産は、USスチールが全米鉄鋼労働組合(以下、「USW」という。)との合意に基づき、USWの現役従業員及び退職
者への従業員給付に活用する資産である。
公正価値で測定される金融負債
(注)FVOCIに含めているデリバティブは、キャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段であるデリバティブの有効部分である。
なお、レベル3で測定される資本性金融商品の期首から期末までの変動は以下のとおりである。
(単位:百万円)
(ⅵ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融商品
① 主な銘柄の公正価値
(単位:百万円)
(単位:百万円)
② 認識を中止した資産の認識中止時点の公正価値及び処分に係る累積利得又は損失
当社グループは、資産の効率的活用や業務上の関係の見直し等により、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の一部を売却等により処分し、認識を中止している。
(単位:百万円)
③ 報告期間中に認識した配当
(単位:百万円)
(3) 金融商品の公正価値等に関する事項
償却原価で測定される金融資産及び金融負債の公正価値は、以下のとおりである。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
(注)上記注記では帳簿価額が公正価値の合理的な近似値である金融資産及び金融負債については、公正価値の開示を省略している。
(償却原価で測定される金融商品に係る公正価値の測定方法)
・負債性金融商品等
市場性のある金融資産:市場価格
市場性のない金融資産:取引先金融機関等から提示された価格等
・社債:市場価格
・転換社債型新株予約権付社債:負債部分について、元利金の合計額を資本への転換オプションが無い
類似した社債の利回りで割り引いた現在価値
・借入金:元利金の合計額を、新規に同様の調達を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値
(4) リスク管理に関する事項
当社グループは、経営活動を行う過程において財務上のリスク(市場リスク・信用リスク・流動性リスク)に晒されており、当該財務上のリスクを軽減するために、リスク管理を行っている。
(ⅰ)市場リスク管理
① 為替リスク
製品等の輸出に伴う外貨建の債権は為替相場変動リスクに晒されている。
営業債務である支払手形及び買掛金等は、原則として1年以内の支払期日である。その一部には原料等の輸入に伴う外貨建のものがあり、為替相場変動リスクに晒されている。
事業活動の一環としての売買取引、資金取引(投融資等)に伴う為替相場変動リスクを回避するために、為替予約、通貨スワップ、外貨建借入金を利用している。
なお、デリバティブ取引については、デリバティブ取引管理規程に則って執行している。当該規程において、金融商品に係るデリバティブ取引の実施にあたっては、取引方針等を資金運営委員会に付議し、資金運営委員会にて承認された事項について、必要に応じて経営会議・取締役会に付議又は報告している。その上で、決定された範囲内で財務部長の決裁により取引を実行しており、あわせて取引残高・損益状況について、資金運営委員会に定期的に報告することとしている。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における当社グループの主な為替リスクエクスポージャーは、以下のとおりである。(純額が負債である場合は、( )で示している)
期末日現在の為替相場において、円が米国ドルに対して1%円高になった場合の連結損益計算書の税引前利益に与える影響は以下のとおりである。この分析は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における外貨建資産・負債に対する影響額を算定しており、残高や金利等の変数は一定であると仮定している。(マイナスは悪化を示している)
(単位:百万円)
② 金利変動リスク
社債、借入金及びリース負債の一部は変動金利による調達であり、市場金利動向により支払負担額は変動する。
社債、借入金及びリース負債に係る支払金利の変動リスクを抑制すること、並びに固定金利付及び変動金利付の資産・負債の割合を維持することのために、金利スワップ取引を利用している。
期末日現在で金利が1%上昇した場合に与える税引前利益の影響額については以下のとおりである。この分析は、他のすべての変数が一定であると仮定している。(マイナスは悪化を示している)
(単位:百万円)
③ 市場価格変動リスク
市場性のある資本性金融商品は、取引先企業等との事業提携に関連する株式が主なものであり、市場価格変動リスクに晒されている。市場性のある資本性金融商品については、適宜、時価の状況の把握及び事業上の必要性の検討を行っている。
(ⅱ)信用リスク管理
当社は与信管理規程に従い、取引先に対する与信管理状況について情報を共有化し、必要に応じて債権保全策を検討・実施している。なお、営業債権である受取手形及び売掛金等は、顧客の信用リスクに晒されているが、当社は取引相手先を仕入債務及び借入金と相殺可能な当社の主要仕入先または高格付会社に限定しており、契約不履行に陥る信用リスクはほとんどないと判断している。
① 信用リスク・エクスポージャー
保証及び資金供与に関する契約の額、並びに金融資産の減損後の帳簿価額は、保有する担保の評価額を考慮に入れない、当社グループの信用リスクに対する最大エクスポージャーである。
なお、金融資産の信用リスク・エクスポージャーについて、全期間の予想信用損失を見積り、貸倒引当金として認識・測定している。当社グループにとって重要な金融資産である営業債権に対する貸倒引当金は、同種の資産の過去の貸倒実績率を帳簿価額に乗じて算定している。また、信用リスクが著しく増大している金融資産に対する貸倒引当金は、個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を認識・測定している。
② 貸倒引当金計上の対象となる金融資産
営業債権及びその他の債権
(単位:百万円)
③ 貸倒引当金の増減
(単位:百万円)
(ⅲ)流動性リスク管理
資金調達に係る流動性リスク(支払期日に支払を実行できなくなるリスク)に対し、当社は、各部署からの報告に基づき財務部が適時に資金繰り計画を作成・更新し、流動性リスクを管理している。また、不測の事態に備えて、コミットメントライン契約を結んでいる。
金融負債の残存契約満期日別金額は、以下のとおりである。なお、金融保証契約については含まれない。金融保証契約は、その履行請求に基づき支払義務が発生する。履行請求に基づく最大金額は、注記「37 債務保証」に記載の債務保証等の金額である。
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
(5) デリバティブ及びヘッジ会計
(ⅰ)連結財政状態計算書における影響
① ヘッジ指定されているヘッジ手段の帳簿価額(公正価値)
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注) ヘッジ手段に係る資産の帳簿価額(公正価値)は、「その他の金融資産」に含まれており、ヘッジ手段に係る負債の帳簿価額(公正価値)は、「その他の金融負債」、「社債、借入金及びリース負債」に含まれている。また、純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はないため、ヘッジの非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の公正価値の変動の記載は省略している。
② ヘッジ指定されていないデリバティブ資産及び負債
(単位:百万円)
(ⅱ)連結損益計算書及び連結包括利益計算書における影響
当社グループにおけるキャッシュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資のヘッジとして指定したヘッジ手段の公正価値の変動について、連結包括利益計算書上、その他の包括利益に計上された金額は以下のとおりである。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
35 関連当事者
(1) 関連当事者との取引
関連当事者との間で行われた重要な取引の内容は以下のとおりである。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
取引条件及び取引条件の決定方針等
* 債務保証については、AMNS Luxembourg Holding S.A.が市中銀行等から調達した金額の40%に対して当社が保証を行ったものである。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
取引条件及び取引条件の決定方針等
* 債務保証については、AMNS Luxembourg Holding S.A.が市中銀行等から調達した金額の40%に対して当社が保証を行ったものである。
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
当社グループの取締役に対する報酬額は以下のとおりである。
(単位:百万円)
36 コミットメント
資産の取得に関する重要なコミットメントは以下のとおりである。
(単位:百万円)
37 債務保証
当社グループは、共同支配企業及び関連会社に関する銀行借入等に関し、以下のとおり債務保証を行っている。銀行からの借手である共同支配企業及び関連会社が返済不能となった場合、当社グループは返済不能額を負担し、また付随する損失を負担することがある。
(単位:百万円)
上記には債務保証のほか、保証予約等の保証類似行為を含めて表示している。
38 後発事象
該当事項はない。
(2) 【その他】
1.当連結会計年度における半期情報等
(注) 当社は2025年10月1日を効力発生日として、1株を5株とする株式の分割を実施したため、当連結会計年度の期首に当該株式の分割が行われたと仮定し、基本的1株当たり中間(当期)利益(△は損失)を算定している。
2.重要な訴訟事件等
第二次世界大戦中に日本製鐵㈱で働いていたと主張する韓国人元徴用工及びその遺族が、韓国において当社を被告として提起した3件の損害賠償請求訴訟に関し、韓国大法院(最高裁判所)は当社の上告を棄却(当社敗訴)する判決を2018年10月30日、2023年12月21日及び2025年12月11日に下しました(3件の訴訟の原告15名への合計12億ウォン(約1.3億円)及び遅延利息の支払いを命令)。上記訴訟を含む韓国におけるいわゆる徴用工訴訟に関し、当社の韓国国内の資産(当社が保有するPOSCO-Nippon Steel RHF Joint Venture Co., Ltd.株式の一部)が差押えを受けています。また、当該資産の現金化のための手続きが係属しています。
なお、韓国大法院が2024年1月11日に当社の上告を棄却(当社敗訴)する判決(当社に対し、原告3名への合計1億ウォン(約0.1億円)及び遅延利息の支払いを命ずるもの)を下した件については、当社資産に対するすべての差押え及び現金化手続きが原告により取り下げられ、2025年8月13日までに終結しました。
当社は、日韓両国政府間の外交交渉の状況等も踏まえ、適切に対応します。
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1.資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券
・子会社株式及び関連会社株式
…移動平均法による原価法
・その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
…時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)
市場価格のない株式等
…移動平均法による原価法
(2) 棚卸資産
・製品、半製品、仕掛品、原材料
…総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
・貯蔵品
…主として先入先出法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
2.固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用している。
なお、主な資産の耐用年数は以下のとおりである。
建物 主として31年
機械及び装置 主として14年
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用している。
なお、自社利用ソフトウェアの見込利用可能期間は5年である。
(3) リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用している。
3.引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
債権の貸倒による損失に備えて、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上している。
(2) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上している。
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっている。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により費用処理している。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により按分した額を、それぞれ発生の翌事業年度から費用処理している。
4. 収益及び費用の計上基準
収益を理解するための基礎となる情報は、連結財務諸表注記「3 重要性がある会計方針」に同一の内容を記載しているため記載を省略している。
5.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1) 外貨建の資産又は負債の本邦通貨への換算の基準
外貨建金銭債権債務は、決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理している。
(2) ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理を採用している。なお、振当処理の要件を満たしている外貨建取引及び外貨建金銭債権債務に係る、為替予約及び通貨スワップについては振当処理を採用している。また、特例処理の要件を満たしている金利スワップについては特例処理を採用している。
(3) のれんの償却方法及び償却期間
のれんの償却については、発生年度に効果の発現する期間の見積りが可能なものについてはその年数で、それ以外のものについては5年間で均等償却を行っている。
(4) 退職給付に係る会計処理の方法
退職給付に係る未認識数理計算上の差異、未認識過去勤務費用の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっている。
(5) グループ通算制度の適用
グループ通算制度を適用している。
(6) グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱いの適用
当社は、グループ通算制度を適用しており、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っている。
(重要な会計上の見積り)
会計上の見積りにより当事業年度に係る財務諸表にその額を計上した項目であって、翌事業年度に係る財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があるものは、次のとおりである。
(1) 固定資産の減損
・財務諸表に計上した額
(単位:百万円)
・会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
連結財務諸表注記「4 重要な会計上の見積り及び判断」に同一の内容を記載しているため記載を省略している。
(2) 繰延税金資産の回収可能性
・財務諸表に計上した額
(単位:百万円)
・会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
連結財務諸表注記「4 重要な会計上の見積り及び判断」に同一の内容を記載しているため記載を省略している。
なお、中東情勢が当社の固定資産の減損における回収可能価額及び繰延税金資産の回収可能性に与える影響については、中東情勢の終結の見通しが立っておらず、当該影響を網羅的かつ合理的に把握することはできないことから、一定の想定が可能な影響に限り反映し見積りを行っている。しかしながら、この仮定は高い不確実性を伴っており、翌期以降において、仮定の見直しにより、見積り額及び財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性がある。
(貸借対照表関係)
(1)※1 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務
(2)※2 圧縮記帳額
直接減額方式による圧縮記帳額は、以下のとおりである。
なお、上記は日本公認会計士協会監査第一委員会報告第43号(昭和58年3月29日)により圧縮記帳したものである。
(3) 偶発債務
他の会社の金融機関等からの借入債務等に対し、保証を行っている。
前事業年度(2025年3月31日)
保証債務
* 事業会社による保証を考慮した実質負担額である。
当事業年度(2026年3月31日)
保証債務
(4) 自由処分権を有する担保受入金融資産の事業年度末における時価
(損益計算書関係)
※1 関係会社との取引高
※2 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額並びにおおよその割合
※3 抱合せ株式消滅差益
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
完全子会社である日鉄ステンレス㈱、日鉄鋼管㈱等を吸収合併したことによるものである。
※4 設備休止関連損失
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
主要生産設備の廃止決定等に基づき発生する除却・解体費用等である。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2025年3月31日) (単位:百万円)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等に該当する子会社株式及び関連会社株式
(単位:百万円)
当事業年度(2026年3月31日) (単位:百万円)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等に該当する子会社株式及び関連会社株式
(単位:百万円)
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異発生原因の主な内訳
(表示方法の変更)
前事業年度において、独立掲記していた「税率変更による期末繰延税金資産の増額修正」(前事業年度△1.3%)は、重要性が乏しくなったため、当事業年度より「その他」に含めて表示することとした。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の注記の組替えを行っている。
3.法人税等の税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正
前事業年度(2025年3月31日)
「所得税法等の一部を改正する法律」が令和7年3月31日に国会で成立したことに伴い、2025年3月31日に終了する事業年度の繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に使用した法定実効税率は、2024年3月31日に終了する事業年度の30.6%から、回収又は支払が見込まれる期間が2026年4月1日以降のものは31.5%に変更されている。その結果、繰延税金資産の金額(繰延税金負債の金額を控除した金額)が1,790百万円増加し、2025年3月31日に終了する事業年度に計上された法人税等調整額が3,159百万円、その他有価証券評価差額金が1,339百万円、繰延ヘッジ損益が29百万円それぞれ減少している。
4.法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しており、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っている。
(企業結合等関係)
共通支配下の取引等
当社は、2025年4月1日を効力発生日として、当社を存続会社、当社完全子会社である日鉄ステンレス株式会社(以下「日鉄ステンレス」)を消滅会社とする吸収合併を行った。
1.合併の目的等
日鉄ステンレスは、当社の完全子会社としてステンレス鋼の製造・販売を行い、ステンレス鋼板事業に特化した事業規模を活かし、スピーディかつ効率的な組織・運営体制のもとで、営業・品質・コスト・商品開発等を強化するとともに、スリムで強靭な生産設備体制の構築を図るなど、ステンレス鋼板固有の事業環境に根差した課題への対処を実行し、安定した収益基盤を確立してきた。
一方で、今後の人口減少や自動車電動化等による国内需要の減少、アジア市場における過剰供給能力問題の長期化等、ステンレス鋼板事業を取り巻く環境も変化している中、従来にも増して高度化・多様化する経営課題に的確に対応していくために、今般、当社は日鉄ステンレスを吸収合併することとした。
2.合併の方法
当社を存続会社、日鉄ステンレスを消滅会社とする吸収合併方式とし、合併と同時に、日鉄ステンレスは解散することとした。なお、当社の完全子会社との合併であるため、株式その他の金銭等の割当ては行っていない。
3.実施した会計処理の概要
「企業結合に関する会計基準」及び「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」に基づき、共通支配下の取引として処理している。
4.その他
当社は、本合併により、日鉄ステンレスからその権利義務の全部を承継した。
(重要な後発事象)
山陽特殊製鋼㈱との合併
当社は、2026年5月13日開催の取締役会において、2027年4月1日を効力発生日として、当社を存続会社、当社の完全子会社である山陽特殊製鋼株式会社(以下、「山陽特殊製鋼」)を消滅会社とする吸収合併(以下、「本合併」)を行うことを決議した。
1. 取引の概要
(1) 結合当事企業の名称及びその事業の内容
① 結合当事企業の名称
山陽特殊製鋼株式会社
② 事業の内容
鋼材事業、粉末事業、素形材事業、その他
(2) 企業結合日
2027 年4月1日(予定)
(3) 企業結合の法的形式
当社を存続会社、山陽特殊製鋼を消滅会社とする吸収合併
(4) 結合後企業の名称
日本製鉄株式会社
(5) その他取引の概要に関する事項
① 本合併の目的
棒線・特殊鋼事業の一体化・最適化を通じた収益機会の拡大や事業戦略の強化、グループ全体でのさらなる最適生産体制の追求等を目的に、2025 年4 月に山陽特殊製鋼を当社の完全子会社とし、シナジー効果の発揮に向けて両社一丸となって取り組んできたが、より一体となった組織・業務運営がシナジー効果のさらなる早期発揮・最大化に資するとの認識に至り、本合併を行うこととした。
② 本合併に係る割当ての内容
完全子会社との合併であり、株式その他の金銭等の交付は行わない。
2. 実施する会計処理の概要
「企業結合に関する会計基準」及び「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」に基づき、共通支配下の取引として処理する予定である。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(注) 1 主な増減
(1)当期増加額には、日鉄ステンレス株式会社及び日鉄鋼管株式会社等との合併による増加が
下記のとおり含まれている。
機 械 及 び 装 置 494,052 百万円
建 物 103,873
構 築 物 40,966
そ の 他 63,912
計 702,805
(2)日鉄ステンレス株式会社及び日鉄鋼管株式会社等との合併以外の、機械及び装置の増加
九 州 製 鉄 所 99,548 百万円
東 日 本 製 鉄 所 60,760
名 古 屋 製 鉄 所 34,615
そ の 他 67,455
計 262,380
(3)機械及び装置の減少
主として設備の除却による減少である。
東 日 本 製 鉄 所 19,767 百万円
技 術 開 発 本 部 12,165
九 州 製 鉄 所 10,404
名 古 屋 製 鉄 所 10,353
そ の 他 20,814
計 73,505
(4)日鉄ステンレス株式会社及び日鉄鋼管株式会社等との合併以外の、建設仮勘定の増加
名 古 屋 製 鉄 所 136,735 百万円
九 州 製 鉄 所 131,779
東 日 本 製 鉄 所 110,578
瀬 戸 内 製 鉄 所 67,484
そ の 他 87,940
計 534,518
(5)建設仮勘定の減少
主として竣工による資産編入である。
2 当期減少額には、機械及び装置11,610百万円、建物205百万円、構築物103百万円、
工具、器具及び備品18百万円、ソフトウェア11百万円(合計 11,949百万円)の圧縮記帳額が含まれている。
3 当期首残高及び当期末残高は、取得価額により記載している。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略している。
(3) 【その他】
重要な訴訟事件等
第二次世界大戦中に日本製鐵㈱で働いていたと主張する韓国人元徴用工及びその遺族が、韓国において当社を被告として提起した3件の損害賠償請求訴訟に関し、韓国大法院(最高裁判所)は当社の上告を棄却(当社敗訴)する判決を2018年10月30日、2023年12月21日及び2025年12月11日に下しました(3件の訴訟の原告15名への合計12億ウォン(約1.3億円)及び遅延利息の支払いを命令)。上記訴訟を含む韓国におけるいわゆる徴用工訴訟に関し、当社の韓国国内の資産(当社が保有するPOSCO-Nippon Steel RHF Joint Venture Co., Ltd.株式の一部)が差押えを受けています。また、当該資産の現金化のための手続きが係属しています。
なお、韓国大法院が2024年1月11日に当社の上告を棄却(当社敗訴)する判決(当社に対し、原告3名への合計1億ウォン(約0.1億円)及び遅延利息の支払いを命ずるもの)を下した件については、当社資産に対するすべての差押え及び現金化手続きが原告により取り下げられ、2025年8月13日までに終結しました。
当社は、日韓両国政府間の外交交渉の状況等も踏まえ、適切に対応します。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注)1 当社の株主は、単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができない。
①会社法第189条第2項各号に定める権利
②株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
③株主の有する単元未満株式の数と併せて1単元の株式の数となる数の株式を売り渡すことを請求する権利
2 株式取扱規程は、当社ウェブサイト(https://www.nipponsteel.com/)にて開示している。
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
事業年度 第100期(自2024年4月1日 至2025年3月31日) 2025年6月24日関東財務局長に提出
(2) 内部統制報告書
事業年度 第100期(自2024年4月1日 至2025年3月31日) 2025年6月24日関東財務局長に提出
(3) 半期報告書及び確認書
第101期中(自2025年4月1日 至2025年9月30日)2025年11月11日関東財務局長に提出
(4) 臨時報告書
①金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号の規定(当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に著しい影響を与える事象)に基づく臨時報告書を2025年5月9日関東財務局長に提出
②金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2の規定(株主総会における決議)に基づく臨時報告書を2025年6月26日関東財務局長に提出
③金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号の規定(当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に著しい影響を与える事象)に基づく臨時報告書を2025年8月1日関東財務局長に提出
④金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第2号の2の規定(届出を要しない株券等又は新株予約権証券等の発行)に基づく臨時報告書を2026年2月24日関東財務局長に提出
⑤金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第1号の規定(本邦以外の地域における有価証券の募集又は売出)に基づく臨時報告書を2026年2月24日関東財務局長に提出
⑥金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第7号の3の規定(吸収合併の決定)に基づく臨時報告書を2026年5月13日関東財務局長に提出
(5) 臨時報告書の訂正報告書
①2025年1月8日提出の金融商品取引法第24条の5第4項並びに企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第3号の規定(親会社又は特定子会社の異動)及び第16号の2の規定(連結子会社による子会社取得の決定)に基づく臨時報告書の訂正報告書を2025年6月23日関東財務局長に提出
②2026年2月24日提出の金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第2号の2の規定(届出を要しない株券等又は新株予約権証券等の発行)に基づく臨時報告書の訂正報告書を2026年2月25日関東財務局長に提出
(6) 発行登録追補書類及びその添付書類
2025年7月25日提出の発行登録書に係る発行登録追補書類及びその添付書類を2026年6月10日関東財務局長に提出
(7) 訂正発行登録書
2025年7月25日提出の発行登録書に係る訂正発行登録書を2025年8月1日、2026年2月24日、2026年2月25日及び2026年5月13日関東財務局長に提出
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。




