第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1)連結経営指標等
(注)2024年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第130期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定しております。
(2)提出会社の経営指標等
(注)1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.2024年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第130期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
3.第131期の1株当たり配当額54.00円は、1株当たり中間配当額32.00円と1株当たり期末配当額22.00円の合計であります。2024年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っているため、1株当たり中間配当額32.00円は株式分割前、1株当たり期末配当額22.00円は株式分割後の金額となります。
4.第132期の1株当たり配当額40.00円のうち、期末配当額22.00円については、2026年6月26日開催予定の定時株主総会の決議事項となっております。
5.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。なお、2025年3月期の株価については株式分割後の最高株価及び最低株価を記載しており、株式分割前の最高株価及び最低株価を括弧内に記載しております。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
DNPグループは、当社及び子会社145社、関連会社27社で構成され、スマートコミュニケーション、ライフ&ヘルスケア、エレクトロニクスに関連する事業活動を行っております。
DNPグループの事業における位置づけ等は、おおむね次のとおりです。なお、次の3部門は、セグメントの区分と同一であります。
≪スマートコミュニケーション部門≫
単行本・辞書・年史等の書籍、週刊誌・月刊誌・季刊誌等の雑誌、企業PR誌、教科書、電子書籍、
販促から顧客分析に関わるデジタルマーケティング支援、
企業の業務プロセス・販売プロセスに関わるBPRコンサルとBPOサービス、
コンタクトセンター事業、IPS、ICカード、決済関連サービス、カード関連機器、
認証・セキュリティサービスと関連製品、ICタグ、ホログラム、ビジネスフォーム、
カタログ、チラシ、パンフレット、カレンダー、POP、デジタルサイネージ(電子看板)、
イベント・店舗・商品・コンテンツ等の企画・開発・制作・施工・運営、
生成AIを活用したサービス、バーチャル空間の企画・開発・制作・運営、
昇華型熱転写製品(カラーインクリボン、受像紙、昇華型フォトプリンター)、
溶融型熱転写製品(モノクロインクリボン)、証明写真機事業、顔写真・IDソリューション、
エンタメ・アミューズフォトソリューション、
電子書籍流通・販売、図書販売、図書館運営、その他
[主な関係会社]
≪ライフ&ヘルスケア部門≫
リチウムイオン電池用バッテリーパウチ、太陽電池用部材、透明バリアフィルム関連製品、
産業用高機能部材、食品・飲料・菓子・日用品・医療品用等の各種包装材料、カップ類、
プラスチックボトル、ラミネートチューブ、プラスチック成型容器、無菌充填システム、
住宅・店舗・オフィス・車両・家電製品・家具等の内外装材、自動車等の成型部品、
金属化粧板、医薬原薬中間体受託製造、医薬品受託製剤、炭酸飲料、コーヒー飲料、ティー飲料、
果汁飲料、機能性飲料、ミネラルウォーター、アルコール飲料、その他
[主な関係会社]
≪エレクトロニクス部門≫
ディスプレイ用光学フィルム、有機ELディスプレイ用メタルマスク、
液晶ディスプレイ用大型フォトマスク、電子シェード、半導体製造用フォトマスク、
小型半導体パッケージ用リードフレーム、LSI設計、
ハードディスクドライブ用サスペンション、スマホ用カメラ部材、その他
[主な関係会社]
<複数の事業を行う関係会社>
(注)※:持分法適用関連会社
<事業系統図>
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

4 【関係会社の状況】
(1)連結子会社
(注)1.議決権の所有割合欄の( )内は間接所有割合(内数)、[ ]内は緊密な者または同意している者の所有割合[外数]であります。
2.㈱DNPエリオ、㈱DNP・SIG Combibloc及び㈱丸善リサーチサービスは、持分が100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため子会社としております。
3.㈱DNPテクノパック及び㈱DNPファインオプトロニクスは、特定子会社であります。
4.丸善CHIホールディングス㈱、北海道コカ・コーラボトリング㈱及び㈱インテリジェント ウェイブは、有価証券報告書提出会社であります。
5.連結売上高に占める各連結子会社の売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の割合が10%を超えていないため、「主要な損益情報等」の記載を省略しております。
6.「役員の兼任等」には、当社との兼任及び当社からの出向者を含んでおります。
7.㈱DNPホリーホックは、会社清算手続きを開始することを決定済みであります。
(2)持分法適用の関連会社
(注)1.議決権の所有割合欄の( )内は、間接所有割合(内数)であります。
2.BIPROGY㈱は、有価証券報告書提出会社であります。
3.「役員の兼任等」には、当社との兼任及び当社からの出向者を含んでおります。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
DNPグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、DNPグループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
DNPグループは、サステナブルな社会の実現を目指し、「人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する。」ことを企業理念に掲げています。この理念に基づき、持続可能なより良い社会と、より心豊かな暮らしを実現するために、長期を見据えて、自らが「より良い未来」をつくり出すための事業活動を展開していくことを「経営の基本方針」としています。
さまざまな活動を通じて、社会課題を解決するとともに、人々の期待に応える新しい価値を創出し、それらの価値を生活者の身近に常に存在する「あたりまえ」のものにしていきます。人々にとって「欠かせない価値」を生み出し続けることで、DNPグループ自身が「欠かせない存在」になるように努めており、こうした姿勢を「未来のあたりまえをつくる。」というブランドステートメントで表明しています。
DNPグループは、「経営の基本方針」に沿った取り組みを通じて、持続的に事業価値・株主価値を創出していきます。また、事業活動の評価指標としてROEやPBRなどを用いて、価値向上の達成状況を評価・分析し、次の施策の効果を高めていきます。
(2)中長期的な会社の経営戦略
DNPグループは2026年4月を開始年度とする3か年の新しい中期経営計画を実行しています。この計画では、事業戦略として「注力事業の拡大と構造改革の推進」を掲げ、それを財務戦略と非財務戦略で支えることで持続的な事業価値・株主価値の創出を図り、企業価値の向上を目指します。中期経営計画の最終年度となる2028年度には過去最高の営業利益を超える1,300億円、ROE9.0%を計画しています。

<三つの戦略>
〔1:事業戦略〕
〔1-1:中長期の事業ポートフォリオの考え方〕
「事業戦略」では、「注力事業の拡大と構造改革の推進」を掲げ、「P&I」(印刷と情報)から生まれた注力事業への積極投資による事業拡大、新たな価値の創出と構造改革による収益性強化、「P&I」を強みとする新たな注力事業の育成、の3つの施策を実行します。これらの取り組みを進めるにあたって、中期経営計画では、事業ポートフォリオの4象限を「注力事業(*)」「基盤事業」「再構築事業」「成長ポテンシャル事業」と定義付けました。
高いシェアと良好な収益性を備え、持続的な成長が見込まれる「注力事業」については、引き続き積極的な投資を実施し、さらなる成長を目指します。
*注力事業:情報セキュア関連、フォトイメージング関連、
モビリティ関連、産業用高機能材関連、
デジタルインターフェース関連、半導体関連
「基盤事業」及び「再構築事業」は、現時点では注力事業に対して成長性が劣るものの、これらの事業も「P&I」の技術を活かして社会に対して新たな価値を提供できる製品やサービスを生み出すことを目指すとともに、「再構築事業」においては成長余地が低いと判断した製品やサービスについて縮小・撤退も検討することで、事業全体の収益性を強化していきます。また、今後高い成長性が期待でき、新たな注力事業となる可能性を持った事業を「成長ポテンシャル事業」と位置付け、育成に向けた取り組みを進めていきます。
このような施策を着実に実行することで、事業ポートフォリオの変革を進めるとともに、3つのセグメントすべてを成長させることで、中期経営計画最終年度となる2028年度には過去最高の営業利益を超える1,300億円を計画しています。また、こうした営業利益の成長と、財務戦略の施策の一つである、機動的かつ継続的な株主還元を両立することで企業価値を最大化し、PBRの持続的向上を目指します。
〔1-2:各セグメントにおける戦略〕
〇スマートコミュニケーション部門
当部門では、「情報セキュア関連」及び「フォトイメージング関連」を注力事業と位置付け、中長期的な成長に向けた投資を積極的に実施することで事業を拡大していきます。
情報セキュア関連では、社会全体におけるデジタル化の進展や、セキュリティ・信頼性への要求の高まりを背景に、ICカード、各種認証サービス、BPOサービス等の主力事業を中心とした、DNPが強みを有する安全・安心分野での提供価値拡大を図っていきます。また、連結子会社化したRubicon SEZC(ルビコン)とのシナジーにより、ID情報に関連するカードやカードプリンター等のグローバル展開を加速させていきます。
フォトイメージング関連では、昇華型熱転写記録材等の主力製品を中心に、高品質・高付加価値を強みとした製品・サービスの提供を継続するとともに、グローバル生産体制・供給体制の強化と、新興国市場の開拓を進め、さらなる成長を目指します。
出版印刷関連は、既存事業の収益性改善と新規事業拡大の両立により事業基盤の強化を進めます。マーケティング関連は、リアルとデジタルの強みを活かし、サプライチェーン上流から提供価値の最大化を図ります。また、新たな注力事業の育成として、各事業部門の強みを掛け合わせたコンテンツ(アニメ等のIP)ビジネスのグローバル展開や、情報加工・変換技術とAI・XRを組み合わせて社会課題解決に貢献する新たなサービスの創出に取り組みます。
〇ライフ&ヘルスケア部門
当部門では、「モビリティ関連」及び「産業用高機能材関連」を注力事業と位置付けています。
モビリティ関連では、自動車産業の構造変化を見据え、付加価値の高い材料開発や用途提案を進めることで、競争力の強化と持続的な成長を目指します。また、株式会社DNP光金属とのシナジーにより、HMI(Human Machine Interface)関連部材を拡大するとともに、グローバルも視野に事業を拡大させていきます。
産業用高機能材関連は、リチウムイオン電池用バッテリーパウチの次世代電池への拡大や、太陽電池関連部材の生産増、他産業用途への各種機能性フィルム関連製品の展開を目指します。
包装関連、生活空間関連については、製造拠点の再編やコスト構造の見直しを含めた継続的な構造改革を行い、強い収益体質を確立するとともに、包装関連では、グローバルを見据えた高付加価値フィルム関連製品を開発し、新たな価値の創出を目指すほか、国内トップシェアの無菌充填システムのグローバル展開を進めていきます。
メディカル・ヘルスケア関連は、今後高い成長性が期待でき、新たな注力事業となる可能性を持った「成長ポテンシャル事業」の一つと位置付けており、シミックCMO株式会社とのシナジーにより原薬・製剤事業から包装まで一貫対応したビジネスを展開することで、事業拡大を目指します。
〇エレクトロニクス部門
当部門では、「デジタルインターフェース関連」、「半導体関連」ともにグローバルでの需要拡大が期待できるため、注力事業として積極的な設備投資及び研究開発投資を継続し、事業規模の拡大と競争力の強化を図っていきます。
デジタルインターフェース関連では、第8世代サイズの大型メタルマスクや、光学フィルムにおけるパネルの大型化に対応した広幅対応の新生産ラインの活用などにより事業拡大を図ります。
半導体関連においては、フォトマスクの市場成長に応じた最適な体制を構築し、継続的な成長を図るとともに、EUV(極端紫外線)マスクや、ナノインプリントなどの最先端領域へも事業を展開していきます。加えて、次世代半導体パッケージ向けTGV(ガラス貫通電極)ガラスコア基板の事業化へ向けた活動を加速していきます。
■中期経営計画における主な経営目標
〔2:財務戦略〕
持続的な事業価値及び株主価値の創出に向け、安定的な財務基盤を維持しつつ、成長投資原資の確保と株主還元を両輪で進めていきます。
〇キャッシュ・アロケーション戦略
成長投資の原資は、営業キャッシュ・フローの拡大に加え、政策保有株式等の資産縮減や手元資金の圧縮、有利子負債の積極活用などにより、資金効率を最大化して創出します。創出したキャッシュは、注力事業等への設備投資や、注力事業またはその周辺領域等へのM&Aを中心に活用します。また、持続的な成長を支える研究開発や人的資本への投資も進めていきます。
株主還元については、利益成長に応じた累進配当及び配当性向の引き上げにより、配当水準の向上を図っていきます。自己株式の取得についても、成長投資とのバランス、株価水準、資本効率等を考慮した上で、機動的かつ継続的に実施していく方針です。
〔3:非財務戦略〕
非財務戦略については、事業戦略・財務戦略と一体で推進し、競争力の源泉となる経営資本の強化を通じて、持続的な価値創出を図っていきます。特に、「人的資本の強化」による価値創出の源泉の最大化、「知的資本の強化」による競争優位性の獲得・拡張、並びに「環境への取り組み」による事業持続性と成長機会の確保を進めていきます。
〇人的資本の強化
人的資本ポリシーに基づき、人への投資を拡大し、グローバルでの人的創造性を高めていくことで、事業を通じた付加価値の最大化を図っていきます。また、その成果をさらなる人への投資へ振り向けていく好循環の創出を目指します。
具体的には、職群別キャリア・スキルマップによるスキル・経験の可視化を通じて、経営戦略と連動した戦略的人材配置と人材育成を推進していきます。あわせて、DNP価値目標(DVO:DNP Value Objectives)制度や各種研修・リスキリングの充実を通じて、組織力の強化にも取り組んでいきます。さらに、ジェンダーギャップの解消による意思決定の多様化やDNPウェルビーイング(健康・安全・幸せ)の浸透により、持続的な企業価値向上を支える経営基盤を強化していきます。
〇知的資本の強化
DNP独自の強みと、社外のパートナーの強みとの連携を活かし、グローバル競争力と事業活動の持続性の向上を目指します。
研究開発については、注力領域と成長戦略を設定し、領域別ロードマップを策定した上で、自社技術と社外技術の融合や戦略的パートナー連携により、新規事業創出を目指します。また、独自技術の高度化に加え、新設したオランダ・インドの研究開発拠点も活用し、グローバル展開を加速させていきます。
加えて、生成AIを全社的に最適活用し、AI前提の業務・意思決定プロセスへの転換を進めることで、知的生産性向上と、強みを次世代へ継承する知識循環モデルの高度化に取り組んでいきます。
〇環境への取り組み
気候変動による影響の激甚化や生物多様性の劣化など、地球環境を取り巻く課題が事業活動の前提条件となりつつある中、DNPグループは環境への対応を重要な経営課題の一つに位置付けています。「DNPグループ環境ビジョン2050」では、「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現を掲げており、ネイチャーポジティブなバリューチェーンの構築に向けて、取り組みを加速させています。
脱炭素社会の構築に向けて、再生可能エネルギーの導入やエネルギー使用の効率化を進めるとともに、サプライチェーン全体を視野に入れた温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいきます。また、低炭素製品・サービスの開発や次世代エネルギーに関する研究を推進し、事業を通じた排出削減への貢献を図っていきます。
循環型社会の構築に向けて、プラスチックや複合材料を中心に、マテリアルリサイクル及びケミカルリサイクルの高度化を進め、資源の効率的な利用を推進しています。加えて、原材料のトレーサビリティを確保することで、サプライチェーンの透明性を高め、持続可能な資源利用につなげていきます。
自然共生社会の構築に向けて、原材料や水資源の管理の高度化を含め、事業活動全体を通じた生態系への影響低減に取り組んでいきます。生産拠点やサプライチェーンにおける環境負荷を把握・管理し、自然環境との調和を図りながら事業を展開していきます。
これらの環境への取り組みについては、環境投資を継続的に行うとともに、温室効果ガス排出量、資源循環率、水使用量、環境配慮製品・サービスの売上比率などの指標を用いて進捗を管理していきます。環境課題への対応を事業の成長機会と捉え、経営を推進していきます。
〔4:ガバナンス〕
近年、環境・社会・経済の急激な変化により、経営に影響を与えるリスク及び事業機会は多様化・複雑化しています。このような状況を踏まえ、DNPグループは、環境・社会・経済の持続可能性を高めるとともに、持続的な成長を推進するため、ガバナンス体制の強化に取り組んでいます。
代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」は、中長期的な経営リスクの評価及び事業機会の把握を行い、経営戦略への反映に向けた検討を行っています。当委員会で協議した事項は、経営会議を経て取締役会に報告・提言しています。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
DNPグループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、結果は社会動向の変化などにより異なる可能性があります。
(1)DNPグループのサステナブル経営の取り組み
DNPグループは、企業理念に基づき、サステナブルな経営の考え方として「持続可能な社会と心豊かな暮らし」の実現をめざしており、自らが主体となって「より良い未来」をつくり出すための事業活動を展開しています。「より良い未来」を実現するとともに、当社自身が長期的に成長していくためには、多様かつ急激な環境・社会・経済の変化が当社の経営に及ぼす影響を適切に捉え、マイナスの影響(リスク)及びプラスの影響(機会)(以下、総称して「リスク及び機会」という。)を評価したうえで中長期的な経営戦略に反映し、リスクを低減するとともに、事業機会に転換する必要があります。
さらに、さまざまな変動要因に対して、柔軟かつ機動的に対応するだけでなく、変化を先取りして自らが変革を起こし、ビジネスチャンスに変えていくことで、企業としての持続可能性と環境・社会・経済の持続可能性をともに高めていきます。
(ⅰ)ガバナンス
当社は、健全な社会と経済、快適で心豊かな人々の暮らしは、サステナブルな地球の上でこそ成り立つと考えています。近年は特に、環境・社会・経済が急激に変化しており、経営に影響を与える変動要因もますます多様かつ広範囲に及んでいます。
このようななか、環境・社会・経済の持続可能性をともに高め、DNPグループの持続的な成長をさらに推進していくため、代表取締役社長を委員長、代表取締役副社長を副委員長、本社の各部門を担当する取締役・執行役員を委員とする「サステナビリティ推進委員会」が、中長期的な経営リスクの管理、事業機会の把握及び経営戦略への反映を担っています。この委員会が、自然災害やサイバー攻撃による事業停止をはじめとする有事の際も社員の安全を確保し、生産活動を維持していくための「BCM推進委員会」、社員のコンプライアンス意識の向上を図ってリスクの低減を図る「企業倫理行動委員会」と密に連携することで、全社的リスクを網羅し、柔軟で強靭なガバナンス体制を構築しています。
サステナビリティ推進委員会は、サステナビリティに係る当社のあり方を適切に経営戦略に反映していくため、年4回の定例開催を基本として必要に応じて適宜開催し、以下の内容の協議を行い、取締役会に報告と提言を行います。
・サステナビリティに関する中長期的な経営リスク管理、事業機会の把握及び経営戦略への反映
・サステナビリティ活動方針の策定と各部門での実行の統括
・サステナビリティに関する課題の掌握、目標・計画の策定、計画推進・活動状況の評価及び是正・改善
取締役会は、当委員会で協議・決議された事項の審議内容、活動状況、成果についての報告を受け、サステナビリティに関する対応方針並びに施策等の妥当性について、審議・監督を行っています。当社のガバナンス体制についての詳細は、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しています。

(ⅱ)戦略
当社は、企業理念に「人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する。」ことを掲げ、サステナブルな経営の考え方として「持続可能な社会と心豊かな暮らし」の実現をめざしています。これらに基づき、長期を見据えて、自らが「より良い未来」をつくり出すための事業活動を展開しています。2024年3月には、当社が「より良い未来」としてめざす、それぞれ相互関係にある「4つの社会」の実現に向けて、また、当社が社会とともに成長し続けるために重要なこととして、当社が提供する価値及び取り組むべき事項を具体化した「マテリアリティ」を特定しました。
■DNPグループがめざす「より良い未来」とマテリアリティ
・安全・安心かつ健康に心豊かに暮らせる社会
自ら変化を生み出し、変化に柔軟に対応することで、環境・社会・経済の持続可能性を高めていきます。
・快適にコミュニケーションができる社会
リアルとデジタルをつなぐことで、得られる体験価値の質を高めるとともに、人々の活動の機会を拡げていきます。
・人が互いに尊重し合う社会
相互に理解を深め、認め合うことで、誰もがいきいきと活躍できる場をつくっていきます。
・経済成長と地球環境が両立する社会
環境保全・環境負荷の低減に取り組むことで、ネイチャーポジティブなバリューチェーンを実現していきます。

マテリアリティに基づき策定した、中期経営計画における「事業戦略」「財務戦略」「非財務戦略」に沿った取り組みを推進し、新しい価値の創出と経営基盤の強化により、当社の持続的な成長を図っていきます。
特に非財務戦略においては、「人的資本の強化」「知的資本の強化」「環境への取り組み」を、リスク低減と機会創出の双方に資する重要な経営課題として位置付けています。
<中期経営計画(2023-2025年度)>
https://www.dnp.co.jp/ir/library/presentation/pdf/dnp_22Q4pre.pdf
<中期経営計画(2026-2028年度)>
https://www.dnp.co.jp/ir/library/presentation/pdf/dnp_25Q4pre.pdf
(ⅲ)リスク管理
当社は、柔軟で強靭なガバナンス体制のもとで、環境・社会・経済における外部環境の変化やメガトレンド(以下、「変動要因」という。)を起点として、当社の事業に影響を及ぼし得るリスク及び機会を識別しています。これらへの対応を通じて、変動要因によるマイナスの影響を最小限に抑えるとともに、事業機会の拡大につなげるため、統合的なリスクマネジメントを推進しています。
当社は、識別したリスク及び機会について、「財務影響の大きさ(100億円以上、10億円以上、10億円未満/年)」「発生可能性(大、中、小)」「発現時期(5~10年、5年以内、顕在化)」「社会・環境への影響度(大、中、小)」等の観点から重要性評価を行い、その評価結果に基づき、サステナビリティ推進委員会において、特に経営へ影響が大きい項目を「重要なリスク及び機会」として特定しています。
特定した重要なリスク及び機会は、中期経営計画における事業戦略・財務戦略・非財務戦略に反映するとともに、個別のリスク管理施策や事業機会創出のための施策として具体化しています。また当社は、重要なリスクの低減を図るため、重点的に推進する対応施策(以下、「重点対応施策」という。)を明確にしています。重点対応施策として位置付けた事項の詳細は、「3.事業等のリスク(1)DNPグループの重要なリスク」に記載しています。
なお、当社では、リスク及び機会の評価・見直しを年に1回以上実施し、外部環境の変化や事業戦略の進捗状況に応じて継続的に経営に反映させています。
当社が識別した主なリスク及び機会は以下のとおりです。当該一覧のうち重要性評価の結果、特に影響が大きいと判断した「重要なリスク及び機会」は、<重要性評価の結果、重要と判断したリスク及び機会>の表に示しています。これらのリスク及び機会は、売上の増減、コストの増減、投資の増加等を通じて当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。また、機会にはリスクへの対応過程において創出されるものも含まれています。
<識別したリスク及び機会>
<重要性評価の結果、重要と判断したリスク及び機会>
重要なリスクについては、事業への影響の低減を図るため、重点的に対応を行っています。重要な機会については、当社の注力事業領域における成長機会として取り込んでおり、事業戦略などに反映しながら取り組みを推進しています。
リスクの詳細については「3.事業等のリスク」に記載し、機会の詳細については「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しています。また、統合報告書及び当社Webサイトにも具体的な取り組みを掲載していますので、記載のリンク先をご参照ください。
*1 サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.115~123
*2 サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.124~132
*3 サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.44~49
*4 統合報告書2025 P.21~28
<サステナビリティウェブアーカイブ2025>
https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf
<統合報告書2025>
https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/ir/library/annual/DNP_integrated2025j.pdf
また当社では、識別したリスク及び機会に対して、個別の対応を進めるとともに、「非財務戦略」を「経営基盤強化策」と位置づけ、網羅的な取り組みを行っています。中期経営計画において中核テーマとしている「人的資本の強化」「知的資本の強化」「環境への取り組み」における各施策は、リスクの低減のみならず、新たな事業機会の創出や競争優位性の確立を通じて、中長期的な企業価値の向上に資するものと考え、取り組みを強化しています。
(ⅳ)指標及び目標
当社は、サステナビリティに関するリスク及び機会への対応状況を定量的に把握・管理するため、関連する指標及び目標を設定しています。これらの指標は、中期経営計画及び各施策の進捗管理に活用するとともに、サステナビリティ推進委員会及び取締役会において定期的に進捗を管理しています。各指標及び目標に対する当事業年度における結果および進捗状況については、次項以降において各取り組みとあわせて記載しています。また、当社の「2025年度決算概要説明会資料」においても、主要な指標及び目標を一覧にして開示しています。
<2025年度決算概要及び2026-2028年度中期経営計画説明資料 P.18>
https://www.dnp.co.jp/ir/library/presentation/pdf/dnp_25Q4pre.pdf
(2)サステナビリティに関する具体的な取り組み
①人的資本の強化
当社が「より良い未来」をつくり出していくための“重要な基盤”であり、“強みの源泉”は社員一人ひとりの存在にほかなりません。社員が安心して挑戦を重ねることで、それぞれの強みを伸ばし、その強みを「対話」を通じて掛け合わせていくこと(協働)によって、社会と人々に新しい価値を提供し続けることが可能となります。
こうした“人に対するDNPグループの普遍的・基本的考え方”を「人的資本ポリシー」として策定し、「一人ひとりが強みを伸ばし、社会(社内・社外)で活躍できる人財に成長してもらいたい」という思いと、「社員を大切にし、大切にした社員によって企業が成長し、その社員が社会をより豊かにしていく」という信念を明確にしています。当社は引き続き、人的資本の強化と最大化を加速させていきます。
これらの取り組みは、当社が識別したリスクを低減し、事業活動の安定性を高めるとともに、事業競争力の強化につながる機会の拡大を支えるものです。人的資本への継続的な投資と実施していく各施策は、中長期的な経営基盤の強化に寄与するとともに、人的創造性を向上させて持続的な成長と収益力の強化につながる要素であると考えています。
<人的資本ポリシー:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.51>
https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf
(ⅰ)ガバナンス
「人的資本ポリシー」に基づく「人的資本の強化」に向けて、当社は「採用」「人材育成」「組織開発」「人事諸制度」「ウェルビーイング」「安全衛生」「ダイバーシティ」などを注力テーマとして、主管部門を定めて具体的な取り組みを進めています。これら人的資本の注力テーマの重要課題とその具体策については、取締役会にて審議・決定しています。なお、取締役会に付議しないテーマの意思決定や業務執行については、取締役会で担当委任された各基本組織の担当取締役または執行役員が適切に実施しています。
(ⅱ)戦略
価値創出の要であり、成長の原動力である「人的資本」を強化するにあたり、「人的資本ポリシーに基づき人への投資を拡大する」という方針のもと、「人への投資」が企業価値向上に貢献するという好循環ループの確立に向け、「人的創造性(付加価値生産性)」をグローバルで飛躍的に高めていくことを社内外に宣言しています。

そのための人材育成方針として、社員一人ひとりが自律した個として主体的に必要な知識と技術を身につけ、最大限に自身の役割を果たし、自らの成長と自己実現を図ることができる人材の継続的な輩出を目指しています。社内環境の整備として「DNPグループダイバーシティ宣言」や「DNPグループ健康宣言」などに基づき、多様な個の強みを引き出すチーム力や組織力の強化に向けて当社独自の「DNP価値目標(DVO:DNP Value Objectives)制度」によるチーム目標の設定、組織のエンゲージメントを高める施策、さらには「キャリア自律型」の仕組みであるDNP版「よりジョブ型も意識した処遇と関連施策」などを展開しています。社員は自律的にキャリアを描くなかで自らを磨き、会社は「価値創造に向けた社員のキャリア自律」を支援していくことで、人的資本ポリシーに掲げる「社会(社内・社外)で活躍できる人財」の輩出を目指しています。この実現に向けて、2023-2025年度の中期経営計画では、次の「4つの重要課題」を特定し、それぞれに具体策を定め、取り組みを進めてきました。2026-2028年度の中期経営計画では、当社の経営方針を持続的に実現していくため、これらの取り組みをさらに加速させていくとともに、各事業の戦略実現に向けた人材ニーズに対する人材の過不足状況を「DNP版キャリア・スキルマップ」により可視化することで、戦略的な人材配置やマッチング、必要人材の獲得・育成施策へとつなげ、経営戦略と人材戦略を一体的に推進する体制を一層強化していきます。これにより、人への投資を起点として人的創造性(付加価値生産性)をグローバルで飛躍的に向上させ、企業価値及び財務価値の向上につなげる好循環の確立を目指していきます。
なお、2026年度から2028年度の中期経営計画では、『人への投資によってグローバルでの「人的創造性」を高め、企業価値向上の好循環ループを実現する』ことを基本方針としています。この実現に向けて、「経営戦略との連動」を中心に、「組織力の強化・組織開発」「従業員体験の最大化」「持続的に稼ぎ続ける力の追求」「人事原則・人事哲学との整合」という5つの観点から主要課題を設定しました。これらの課題に対して新たに指標及び目標を定め、各施策を着実に実行していくことで、人的資本の強化に継続的に取り組んでいきます。
<2023-2025年度 中期経営計画における人的資本強化の基本戦略>
<2026-2028年度 中期経営計画における人的資本強化の基本戦略>
<ダイバーシティ宣言:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.69>
https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf
<健康宣言:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.59>
https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf
<人材育成制度:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.54~56>
https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf
○社員のキャリア自律支援と組織力の強化
「人的資本ポリシー」に基づいて、社員一人ひとりの「自律的なキャリア形成」と「挑戦」を後押しするための施策を導入・展開しています。当社独自の「価値関連性分析」によって、キャリア自律を支援する各制度とエンゲージメントとの相関性を分析した結果、キャリア支援制度利用者が増加することでエンゲージメントが向上し、生産性の向上につながることが明らかになったことから、自律的キャリア形成を支援する取り組み・制度のさらなる充実を図っています。具体的には、マネジメントまたはスペシャリストのどちらかを自律的に選択する複線型の役割等級制度を基盤として、管理職・専門職向けの職務・職位をより重視した等級格付や、管理職向けの部下からのマネジメントフィードバックなど、メンバーシップ型とジョブ型の双方の処遇のメリットを活かした独自のハイブリッドな「キャリア自律型」の仕組みであるDNP版「よりジョブ型も意識した処遇と関連施策」を展開しています。また、社員本人の主体的・自律的な意志を重視し、「人材公募制度」や、未経験の職種にも安心して挑戦できる「研修付き人材公募」、意思決定のスピードやマネジメント手法等が当社とは大きく異なるスタートアップ企業に副業や出向ができる「スタートアップ企業派遣制度」を展開するなど、継続的な制度の拡充を行っています。
また、次世代経営リーダーを計画的に育成するために、選抜研修を継続的に実施しています。具体的には、社外の機関も活用した厳格な「エグゼクティブリーダーシップ&マネジメント研修(ELM研修)」を通じて、経営リテラシーの習得、リーダーシップやマネジメントスキルの強化を図っています。併せて、この研修の対象者に、人事ローテーションを活用して複数の部門で経験を積ませることで、より広い視野と高い視座を持つ次世代経営リーダーの計画的な育成を進めています。
■人的資本の強化における価値関連性分析

<統合報告書2025 P.29>
https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/ir/library/annual/DNP_integrated2025j.pdf
○社員の幸せ(幸福度)を高める健康経営
当社では「健康と安全はすべてに優先する」という理念のもと、「DNPグループ健康宣言」に基づく健康経営を行っています。心身の健康に加えて、一人ひとりの「こころの資本(前向きな心)の醸成」や、組織・チームの「心理的安全性(信頼関係)の構築」に取り組んでいます。具体的には、チーム力の強化とマネジメントの変革を一層進めていくため、当社独自のDNP価値目標(DVO)制度を展開し、1on1ミーティング、チームミーティングと3点セットで運用することで、一人ひとりの「挑戦」とそれを支える組織の「信頼関係」の向上を図っています。また、価値創出の基盤となる活力ある職場風土づくりと、組織力・チーム力強化のために、当社全員が共通して目指すべき状態として「DNPウェルビーイング」を定義しています。これは、「心身の健康」と「安全で快適な職場環境」に「幸せ(挑戦心・信頼感)」を加えた3つの要素が満たされた「個人も組織も良好な状態」のことです。こうした定義に基づいた「DNPウェルビーイング表彰」を定期的に実施することで、グループ全体への拡充・浸透を進めています。こうした取り組みに加え、エンゲージメントサーベイによって組織の強みや課題などを可視化することによって、対話を通じた働きがいの向上にもつなげています。2022年度のエンゲージメントサーベイ導入当初から2025年度末までに総合スコア10%アップという目標達成に向けて取り組みを進め、6.0%の改善が図られました。なお、当社が最も重視している社員の挑戦心の醸成度と組織の挑戦への支援度を表す「挑戦」指標は17.2%向上するなど、着実に取り組みの成果が表れています。
○人材ポートフォリオに基づく採用・人材配置・リスキリング
当社は、各社員の役割や保有する専門性・マネジメント能力によって、複数のタイプに類型化した人材ポートフォリオを策定しています。事業戦略と人材戦略のより密接な連動に向けて、各事業で真に求められる人材についてタイプごとに過不足を検討し、人材の質的側面を重視した採用・育成・人材配置での活用を推進しています。また、再構築事業から注力事業領域等への人材の再配置・リスキリングや、高度専門人材を高処遇で受け入れるプロフェッショナルスタッフ等の制度を運用するなど、強靭な事業ポートフォリオの構築に取り組んでいます。また、経済産業省が定めたデジタルスキル標準に準拠して、当社としてのDX(デジタルトランスフォーメーション)人材を定義し、「P&Iイノベーション」による価値創造を実現できる人材を育成しています。具体的には、DXリテラシーを持ち、DXを自分のこととして捉えている人材を「DX基礎人材」、各部門のDX推進を支える一層専門的な人材を「DX推進人材」と定義しました。こうした考えのもと、当社の全社員を「DX基礎人材」の対象と位置付け、現時点のスキルレベルを可視化するためのDXリテラシーレベル診断を行っています。この結果を踏まえ、各自のレベルにあったe-ラーニングや、社内研修等のDXリテラシー標準基礎教育によるレベルアップを図っています。2025年度末までに対象社員約27,500名の受講完了を目指すなかで、2025年度末時点で29,259名が修了しています。
○多様な個を活かすD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)推進
当社は、「人的資本ポリシー」に基づき、多様な個を活かすD&Iを推進することで「人的創造性」が飛躍的に高まると考えています。「インクルージョンがあたりまえになっている」状態の実現を掲げ、その一環として、異なる意見やアイデアを活かす組織風土の醸成を目的に、社長・役員を含む、当社グループの社員約30,000人を対象に、自分のバイアスと向き合う「アンコンシャス・バイアス研修」を実施するなど、行動変容につなげる各種施策を展開しています。
また、当社が持続的に発展していくためには、意思決定層における多様性を高めていくことが重要であるとの認識のもと、女性の上級管理職登用に向けた取り組みを推進しています。管理職に限らず、若手・中堅も含めて計画的な育成と、多様な人材が活躍する風土醸成を両輪で進め、意思決定層の女性比率を継続的に高めるパイプラインの形成に注力しています。こうした取り組みにより、2025年度末時点で女性管理職比率が12.3%に、また、多様な働き方の実現に取り組むなかで、男性育児休業取得率が100%に達しています。
<ダイバーシティ&インクルージョン:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.68~78>
https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf
○グローバル人事労務戦略の推進
当社は、世界各国で多様な事業を展開しており、その持続的成長を支える基盤として、「グローバル人事労務戦略」を推進しています。この取り組みを担う専門部署と現地法人との連携を通じて、これまで「駐在員候補者の育成」「マネジメント力を備えたグローバル人材の育成」「現地人的資本の可視化」「本社機能の強化」「国際標準および情報開示への対応」「各国市場における競争力・水準の確認」「労働法令、税制、健康管理等を含むリスクマネジメント」という主要な課題を整理しました。これらの課題の解決に向けて、「タレントの可視化とマネジメント」「人材マネジメント基盤の整備」「リスクマネジメント力の強化と体制の整備」を大きな三つの柱として、施策を段階的に進めています。引き続き、新たな中期経営計画の方向性も踏まえ、グローバルで一貫性のある人事労務マネジメントの高度化に取り組んでいきます。
(ⅲ)リスク管理
当社は統合的なリスクマネジメントを推進しており、その取り組みについては「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)DNPグループのサステナブル経営の取り組み (ⅲ)リスク管理」及び「3.事業等のリスク」に記載しています。
(ⅳ)指標及び目標
当社の「人的資本の強化」の指標については、関連する各指標のデータ管理とともに具体的な取り組みを推進しています。そのなかで、連結グループに属する各社の取り組み内容が異なっている場合があり、グループ全体での記載が困難な次の指標に関する目標及び実績は、主要な事業を営む提出会社のものを記載しています。
*1 対象:大日本印刷株式会社
*2 対象:大日本印刷株式会社及び国内の主要な連結グループ会社
*3 計算式:(当事業年度に育児休業等を開始した男性労働者の数)÷(当事業年度に配偶者が出産した男性労働者の数)×100
なお、2026-2028年度の中期経営計画においては、新たな目標を掲げて人的資本の強化に取り組んでいきます。各目標については以下の通りです。
*1 対象:大日本印刷株式会社
*2 対象:大日本印刷株式会社及び国内の主要な連結グループ会社
②知的資本の強化
当社は、グローバルに通用する新製品・新サービスを開発・提供し、持続的に成長するために、長年培った「P&I(印刷と情報)」の独自の強みを進化・深耕させるとともに、社外のパートナーとの連携を深めることで知的資本を充実させています。新規事業の創出、新製品・新サービスの開発、生産技術等の開発など、幅広い研究開発を続けており、その活動は事業成長の原動力として機能しています。
研究開発の方針としては、当社自身が「より良い未来」の姿を描き、それを起点とする「未来シナリオ」の実現に向けて、独自技術を強化し、新製品・新サービスの開発・提供につなげていくことを掲げています。研究開発関連の投資については、毎年300億円を超える規模の投資を継続的に実施しており、事業の成長戦略に応じて適宜増額していきます。
さらに、「DX」による事業成長と生産性向上に向けて、人材及びDX基盤の強化を図っています。具体的には、社内DX人材の育成に加え、外部人材の獲得やパートナー企業との連携を進めています。また、データマネジメント基盤やAI活用プラットフォームの整備を通じて、DX基盤の高度化を推進しています。今後も、DXによる価値創出を支えるリソースを一層拡充していきます。
当社は常に変革に挑戦し、「オールDNP」で相乗効果を高めて「より良い未来」を実現するために、事業部門/研究開発部門/知財部門が三位一体となって新しい価値を創出していきます。
これらの取り組みは、当社が識別したリスクを低減するとともに、新規事業創出やグローバル化などによる事業成長の機会の拡大に資するものであり、技術優位性の維持・強化による競争力向上に加え、将来の収益基盤の拡大につながると考えています。
(ⅰ)ガバナンス
「知的資本の強化」に向けて、当社は「技術・研究開発」「知的財産獲得」「DX基盤構築」などの具体的な取り組みに対する主管部署を定めて活動しています。また、知的資本における「研究開発投資」や「M&A」などの重要案件については、取締役会において審議・決定しています。なお、取締役会に付議しないテーマの意思決定や業務執行については、取締役会で担当委任された各基本組織の担当取締役または執行役員が適切に実施しています。
(ⅱ)戦略
事業成長の原動力である「知的資本の強化」において、「長年培った「P&I(印刷と情報)」の独自の強みを進化・深耕させるとともに、社外のパートナーとの連携を深めることで知的資本を充実させていく」という考え方のもと、2023-2025年度の中期経営計画では、次の「4つの基本戦略」を策定し、それぞれに具体策を定め、取り組みを進めてきました。これまでの中期経営計画における取り組みを通じて着実に蓄積・強化してきた知的資本を、事業環境の変化を捉えた次の成長ステージへとつなげていくため、2026-2028年度の中期経営計画では、「グローバルでの知的創造性の向上と競争優位性の確立」を中長期的に目指す姿として掲げ、「新規事業創出のための技術獲得の加速」「独自の強み技術の高度化およびグローバル展開の加速」「AI前提の業務・意思決定プロセスへの転換」という3つの基本戦略に沿って施策を推進していきます。
<2023-2025年度 中期経営計画における知的資本強化の基本戦略>
<2026-2028年度 中期経営計画における知的資本強化の基本戦略>
(ⅲ)リスク管理
当社は統合的なリスクマネジメントを推進しており、その取り組みについては「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)DNPグループのサステナブル経営の取り組み (ⅲ)リスク管理」及び「3.事業等のリスク」に記載しています。
(ⅳ)指標及び目標
当社は知的資本の強化に向けて、次の指標と目標を設定しています。
*1 対象:大日本印刷株式会社及び連結グループ会社
*2 対象:大日本印刷株式会社及び主要な連結グループ会社
なお、2026-2028年度の中期経営計画においては、新たな目標を掲げて知的資本の強化に取り組んでいきます。各目標については以下の通りです。
*1 対象:大日本印刷株式会社及び連結グループ会社
*2 対象:大日本印刷株式会社及び主要な連結グループ会社
③環境への取り組み
当社は、事業活動と地球環境の共生を考え、行動規範のひとつに「環境保全と持続可能な社会の実現」を掲げ、気候変動を含む環境問題への対応を重要な経営課題に位置付けています。近年は特に、地球環境に対する負荷の低減が強く求められるなか、事業活動全体で環境を強く意識した活動を推進しています。2020年3月には「DNPグループ環境ビジョン2050」を策定し、「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に向けた取り組みを加速させています。
また、事業活動による自然環境への影響を適切に評価し、「環境への取り組み」を拡充して効果を高めるため、TCFD(Taskforce on Climate-related Financial Disclosures)が提言するフレームワークを活用した情報開示に加え、TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)の開示提言にも賛同し、情報開示の質と量の充実に努めています。
これらの取り組みは、当社が識別したリスクを低減し、事業継続性を向上させるとともに、環境ポジティブ市場の拡大を捉えた収益機会の創出にもつながると考えています。
<環境ビジョン2050:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.21>
https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf
(ⅰ)ガバナンス
「環境への取り組み」を着実に推進するため、当社は環境マネジメントの主管部署を定めて活動しています。この環境マネジメントの方針・戦略や大型の環境投資などについては、サステナビリティ推進委員会で議論を尽くし、取締役会にて審議・決定しています。なお、取締役会に付議しないテーマの意思決定や業務執行については、取締役会で担当委任された各基本組織の担当取締役または執行役員が適切に実施しています。これらの手続きを経て決定した環境課題に対する戦略・方針等については、事業部門ごとに設置している「各事業部・グループ会社環境委員会」と連携して、DNPグループが一体となって取り組んでいます。

(ⅱ)戦略
当社は、事業活動を通じてさまざまな生態系サービスに依存し、自然の変化要因となるインパクトを与えています。これらの依存とインパクトが、バリューチェーンのどの段階で発生し、どのような影響を自然に及ぼすかについて、当社と自然との関わりとして整理しています。

○依存とインパクト
当社が事業で使用する原材料や副資材等は、生態系の供給サービスに依存しています。例えば、雑誌・書籍等に使う紙は森林資源を原料とし、リチウムイオン電池用バッテリーパウチや光学フィルム等には、鉱物資源や化石資源を利用しています。また、水資源を製造プロセスで直接的に、紙の抄紙工程では間接的に利用しています。さらに河川と近接する地域では、生態系の調整・維持サービスに依存しており、特に水リスク(渇水、洪水、水質悪化等による操業やサプライチェーンへの影響など)の高い地域に近接する当社の製造拠点を4カ所特定しています。製造プロセスでは、大気への排出(GHG、NOx、SOx、VOC等)、水域への排出(排水、窒素、リン等)及びプラスチックを含む不要物等の排出が生じており、環境に対する負のインパクト要因になると考えています。

○シナリオ分析
環境課題に対するリスクの抽出及び戦略・対策の検討にあたっては、4つのシナリオを用いた分析を行っています。これらのシナリオに基づき、具体的に想定される当社への影響を環境関連のリスクと機会として特定しました。事業計画を踏まえ、ステークホルダーや事業に及ぼす影響について、その大きさと、期間、発生可能性の観点で評価しています。
今後も公開されている分析ツールや研究機関等の情報、TNFDが提供するガイダンス等を活用し、シナリオ分析を深化させ、事業活動におけるレジリエンスを中長期的に高めていきます。
○リスクと機会
・物理的リスク
豪雨災害や森林火災の頻発・激甚化等、自然災害の増加や生態系供給サービスの低下により、操業停止やサプライチェーンリスクなどが生じる可能性を考慮しています。国内外の製造拠点における水リスクについては、WRI(World Resources Institute)が提供するAqueduct等の公開ツールを活用した地域単位での評価を実施し、優先地域を特定しています。これらのリスクに対して、非常用電源設備や止水板の設置等、災害対策の設備投資を行っている他、複数拠点での生産体制の構築や調達先の多様化等、サプライチェーンマネジメントもさらに強化しています。
・移行リスク
環境課題への対応を促す政策強化として、脱炭素関連の法規制に加え、環境デュー・ディリジェンスの義務化やプラスチック規制の導入などが想定されます。これに伴いステークホルダーの意識も高まり、対応が不十分な企業は市場淘汰や評価低下のリスクがあります。移行リスクへの対応として、環境負荷の低減と付加価値の拡大に向けて、事業ポートフォリオの転換を進めています。また、法規制等よりも高い自主管理基準による環境リスクの適切な管理や、資源循環率が低いプラスチックのリサイクルの推進、調達ガイドラインに基づくサプライヤーエンゲージメントの強化に注力しています。あわせて、気候関連リスクへの対応として、Scope1、Scope2に加えScope3排出量の把握・管理を進めるとともに、再生可能エネルギーの活用や内部炭素価格(ICP)の活用等を通じて、脱炭素への移行を推進しています。
・機会
ネイチャーポジティブの実現に向けて、統合的な対応を求める社会的・経済的な志向が高まっており、環境配慮製品・サービスの需要拡大が期待されます。これは当社にとって大きな事業機会になると捉えています。当社は、中期経営計画に基づき、太陽電池用部材等の環境配慮製品・サービスを含む注力事業領域を中心に、成長に向けた設備投資等を実行し、事業機会の獲得を図っていきます。自然環境にポジティブなインパクトを与えるとともに、新たな収益と企業価値の向上という好循環を生み出すことを目指しています。

<シナリオ分析において参照したシナリオ>
*1 TNFDの「自然関連財務情報開示タスクフォースの提言」で提案されているシナリオを利用
(ⅲ)リスク管理
当社は統合的なリスクマネジメントを推進しており、その取り組みについては「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)DNPグループのサステナブル経営の取り組み (ⅲ)リスク管理」及び「3.事業等のリスク」に記載しています。
(ⅳ)指標及び目標
「DNPグループ環境ビジョン2050」の実現に向けて、中期目標を掲げて具体的な活動を進めています。
*1 対象:大日本印刷株式会社及び連結グループ会社
*2 対象:大日本印刷株式会社及び連結グループ会社の製造拠点
*3 対象:大日本印刷株式会社及び国内の主要な連結グループ会社
*4 自社独自の基準で特定した環境配慮に優れた製品・サービス
*5 GHG排出量削減目標は、パリ協定の努力目標である「1.5℃目標(温度上昇を1.5℃以内に抑える水準の目標)」に準じて「基準年度比で年率4.2%の削減」とする。
さらに環境への取り組みを推進するため、2026年度から2028年度までの中期経営計画において、3年間累計で100億円規模の環境投資を行うことを新たなKPIとして設定しました。
また、事業の拡大や事業構成の変化を踏まえ、水資源に関する目標については、2026年度より内容を見直しています。具体的には、より実効性の高い進捗管理を進めるため、水使用量の多い10拠点に対象を絞り、水使用量原単位を2030年度までに2019年度比で30%削減することを目指す目標に変更しました。これにより、影響の大きい領域に重点を置いた施策設計とし、着実な改善を進めていきます。
これらの対応により、環境への取り組みの実効性を高め、脱炭素社会、循環型社会、自然共生社会の実現に向けた活動を加速していきます。
3 【事業等のリスク】
DNPグループは、地球環境の持続可能性を高め、健全な社会と経済、快適で心豊かな人々の暮らしを実現していく新しい価値の創出に努めており、それによって当社自身の持続的な成長を達成していきます。社会環境の急変など、経営に影響を与える変動要因がますます多様かつ広範囲になるなか、全社のリスクを適切に評価・分析して中長期的な経営戦略に反映し、事業機会へと転換するプロセスを強化することが、よりサステナブルな社会への貢献と、当社が標榜する「未来のあたりまえ」につながると考えています。こうした考えに基づき、中長期的なリスクの管理と事業機会の把握、経営戦略への反映を担う「サステナビリティ推進委員会」を代表取締役社長が委員長に就いて運営しています。また、自然災害やサイバー攻撃による事業停止をはじめとする有事の際も社員の安全を確保して生産活動を維持し、企業継続を担保する「BCM推進委員会」、企業継続の基本となる社員のコンプライアンス意識の向上を図り、リスクの低減を図る「企業倫理行動委員会」を合わせた3つの委員会が互いに連携し、全社的リスクを網羅する体制を構築して、統合的なリスクマネジメントを推進しています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。
(1)DNPグループの重要なリスクと重点対応施策
当社は、事業活動を通じて識別したサステナビリティ関連のリスク及び機会について重要性評価を行い、「重要なリスク及び機会」として特定しています。また、当社は、これらの重要なリスクへの対応として重点的に推進する施策を位置付けており、「情報セキュリティ」「サプライチェーンマネジメント」「人権」を重点対応施策としています。本項では、これら重点対応施策の対象となる主要なリスク及びその対応状況について記載しています。
重要なリスクの特定プロセス及び対応方針の考え方については、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)DNPグループのサステナブル経営の取り組み (ⅲ)リスク管理」に記載しています。
①情報セキュリティに関するリスクへの取り組み
当社は、顧客企業や生活者に関する個人情報及び機密情報を多く取り扱っており、サイバー攻撃、不正アクセス、委託先を含むサプライチェーンを起点とした情報漏えい、改ざん、システム停止等のリスクを重要な経営課題と認識しています。これらが発生した場合、信頼低下、対応費用の発生、事業活動の停止等により、業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(ⅰ)ガバナンス
当社は、本社に情報セキュリティ委員会及び情報セキュリティ本部を設置し、グループ全体を統括するとともに、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)を設置し、サイバーセキュリティインシデント対応体制を構築しています。この体制のもと、「組織的・人的・技術的対策」を柱に多層的な対策を推進しています。
(ⅱ)戦略
当社は、「セキュリティ・バイ・デザイン」に基づき、企画・設計段階から対策を組み込むとともに、外部機関による客観的評価を活用して有効性を検証し、継続的な改善を図っています。
人的対策としては、全社員から経営層まで階層別教育・訓練を実施し、技術的対策としてはゼロトラストの採用やXDR(Extended Detection & Response)、サイバーハイジーンの導入により、予防・防御力の強化を図っています。
一方で、DXの進展に伴うAI・データ利活用の拡大や技術革新、地政学リスク等を背景にサイバー攻撃は高度化・巧妙化しており、これらのリスクを完全に防止することは困難であるとの認識のもと、インシデント発生を前提としたレジリエンス強化に取り組んでいます。
具体的には、事業継続計画(BCP)の再評価を行い、事業・業績への影響度に応じた優先順位付けや重要システムを特定し、影響最小化による復旧時間の短縮と復旧プロセスの高度化を進めています。これらの取り組みは、BCM推進委員会や企業倫理行動委員会等で定期的に報告を行い、取締役会にも報告しています。また、重大インシデントを想定したシナリオに基づき、経営層を含む訓練を実施し、意思決定及び対応能力の向上に努めています。
<情報セキュリティの取り組み:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.115~123>
https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf
(ⅲ)リスク管理
当社は統合的なリスクマネジメントを推進しており、その取り組みについては「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)DNPグループのサステナブル経営の取り組み (ⅲ)リスク管理」に記載しています。情報セキュリティの取り組みを経営における重要課題として取り上げ、対策を講じています。
②サプライチェーンに関するリスクへの取り組み
サプライチェーンに関する取り組みは、当社が特定した「重要なリスク」への対応として重点的に取り組んでいる施策の一つであり、地政学リスク、自然災害、物流混乱、法規制の変化等により、原材料や部材の調達が滞った場合、当社の事業活動や社会的信頼に影響を及ぼす可能性があるリスクに関するものです。
当社は、半導体関連部材をはじめとするエレクトロニクス分野やモビリティ分野、生活・社会インフラを支える幅広い製品を提供しており、グローバルかつ多層的なサプライチェーンを有しています。近年、世界情勢の不安定化や経済安全保障の要請の高まりにより、従来の効率重視のサプライチェーンから、持続性・強靭性を重視した体制への転換が求められています。
当社は、こうした環境変化を踏まえ、サプライチェーンの安定性確保を重要な経営課題の一つと位置付け、ガバナンス、戦略、リスク管理の観点から、継続的な強化に取り組んでいます。
(ⅰ)ガバナンス
サプライチェーンに関する方針や重要事項については、BCM推進委員会等において議論を行い、必要に応じて経営層による意思決定・監督のもとで対応しています。新型コロナウイルスによる感染症拡大を契機に、原材料調達から製造・物流に至るまでのリスク認識を全社で共有する体制を整備し、部門横断での情報共有や定期的な点検を継続しています。
また、サプライチェーン上で重要な事案が発生した場合には、関係部門が連携し、影響の把握と迅速な対応を行う体制を構築しています。さらに、サプライヤーとの協力関係を重視し、平時からリスクや調達上の重要性について認識を共有することで、有事においても安定的な供給の確保に努めています。
(ⅱ)戦略
当社は、サプライチェーンに関するリスクを中長期的な経営環境の変化として捉え、事業の持続性を高める観点から、以下の取り組みを進めています。
・情報を活用したサプライチェーン管理の高度化
世界各地の情勢変化、法規制動向、物流状況等に関する情報を収集・分析し、自社の事業活動への影響を評価する仕組みを整備しています。これにより、潜在的なリスクを早期に把握し、対応策の検討につなげています。
・複線化による安定調達の確保
調達リスクを低減するため、特定の供給元への依存を抑え、複数の調達先の確保や代替材料の検討を進めています。研究開発段階から関係部門が連携し、安定的な供給を前提とした製品設計・生産体制の構築に取り組んでいます。
・戦略的な在庫管理
外部環境や調達状況を踏まえ、必要に応じて安全在庫の水準を見直すなど、資本効率とのバランスを考慮しながら、事業継続性を確保するための在庫管理を行っています。
(ⅲ)リスク管理
当社は統合的なリスクマネジメントを推進しており、その取り組みについては「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)DNPグループのサステナブル経営の取り組み (ⅲ)リスク管理」に記載しています。サプライチェーンマネジメントの取り組みを経営における重要課題として取り上げ、継続的な把握と管理を行っています。重要な製品や材料については、直接の取引先に加え、その上流に位置する供給網についても把握を進め、供給途絶の可能性や影響度を評価しています。
また、自然災害や地政学的緊張、物流の制約等が想定される地域やルートについては、状況の変化を注視し、必要に応じて調達・物流の見直しを検討しています。加えて、経済安全保障に関する法制度や国際的な規制動向についても情報収集を行い、特定地域への過度な依存を避けるとともに、供給網の分散を図っています。
これらの取り組みを通じて、当社はサプライチェーンに内在する不確実性の低減に努め、事業の安定的な運営と社会的責任の両立を目指しています。
③人権に関するリスクへの取り組み
人権に関する取り組みは、当社が特定した「重要なリスク」への対応として重点的に取り組んでいる施策の一つであり、人権侵害が発生した場合には、社会的信頼や事業継続に影響を及ぼす可能性があるリスクに関するものです。
当社は、「人権の尊重」について、企業が社会の一員として果たすべき責任の一つであると認識しており、「社員」「地域社会」「サプライヤー」「顧客」「株主・投資家」といった多様なステークホルダーとの対話を通して、人権デュー・ディリジェンスの取り組みを強化しています。
(ⅰ)ガバナンス
人権尊重の取り組みの方針や戦略などについては、サステナビリティ推進委員会での議論を経て、取締役会にて審議・決定しています。サプライチェーン全体における人権に関する課題については、取締役会においてその重要性及び取り組みの必要性を審議しており、2022年度からサプライチェーン管理の強化を図っています。2024年度には、サステナビリティ推進委員会において人権デュー・ディリジェンス推進に向けた審議を行いました。なお、取締役会に付議しないテーマの意思決定や業務執行については、取締役会で担当委任された各基本組織の担当取締役または執行役員が適切に実施しています。
(ⅱ)戦略
当社は、全ての社員が取るべき行動を示した「DNPグループ行動規範」のなかに「人類の尊厳と多様性の尊重」を掲げ、あらゆる人が固有に持つ文化、国籍、信条、人種、民族、言語、宗教、性別、年齢や考え方の多様性を尊重することを定めています。2020年には、取締役会の審議を経て、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく「DNPグループ人権方針」を策定しました。この方針では、「国際人権章典」や「労働における基本的原則および権利に関する国際労働機関(ILO)宣言」等が定め、国際的に認められた人権をDNPグループが尊重することを表明しています。その他にも、人権尊重に資する「DNPグループ 環境方針」や「DNPグループ サステナブル調達ガイドライン」(2024年7月改訂)を定めて、さまざまな活動を推進しています。
当社は、自社の事業活動が、社員だけでなく、サプライヤーや地域社会をはじめとする、事業活動のサプライチェーン上の全てのステークホルダーの人権に影響を及ぼすことと、それにともなって人権尊重への取り組みが企業に求められていることを深く認識しています。当社は常に、社員の労働安全衛生や職場環境に関するリスク、サプライチェーン上の人権問題等の負の影響を防止・軽減する各種施策を実行しています。近年は特に、人権を尊重する企業の取り組みの重要性が高まっており、2024年度からは当社の事業活動に関わる人権リスクの特定・評価を加速させています。具体的には、社外の専門家を起用して、当社の国内外の拠点(一部の子会社等を除く)に人権リスクに関するアンケート及びヒアリングを実施し、潜在的なリスクの分析を行いました。これらの結果と、印刷関連業界特有の人権リスクの特徴を踏まえ、当社として考慮すべき人権リスクの全体像を見極めるとともに、特に重要な人権リスクを特定し、予防・改善施策の実行と実効性の評価を進めています。また、AI活用が広がり、差別やプライバシーの侵害など新たな人権課題が顕在化するなか、当社は「DNPグループAI倫理方針」及び社内向けの「AI倫理ガイドライン」を策定しており、AI監査体制の構築や運用体制の整備を進めるとともに、負の影響の最小化に取り組んでいます。
人権デュー・ディリジェンスで求められる救済へのアクセスを確保するために、退職者を含む社員やビジネスパートナーなどのステークホルダーが利用できる通報窓口として、弁護士が相談・通報を受け付ける外部窓口の設置や、多言語対応により実効性を強化するなど、ステークホルダーとの対話の促進に努めています。サプライチェーンにおける人権リスクについては、取引規模や事業継続の観点での重要なサプライヤーを対象として、「サステナブル調達ガイドライン」に基づく書面調査やヒアリングを継続的に行い、各社の遵守状況の確認と課題の改善に取り組んでいます。さらに、人権課題の実態を把握するため、サプライヤーの人権マネジメントの方針・体制等の整備状況や、強制労働の懸念、紛争状態にある国・地域との関与についても併せて確認しています。

特に、深刻な人権リスクの懸念があり、当社の事業活動にも欠かせない鉱物資源については、OECD「紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス」に基づいて「DNPの責任ある鉱物調達フレームワーク」を定め、RMI(Responsible Minerals Initiative)のRMAP(Responsible Minerals Assurance Process)を用いて責任ある鉱物調達に取り組んでいます。
(ⅲ)リスク管理
当社は統合的なリスクマネジメントを推進しており、その取り組みについては「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)DNPグループのサステナブル経営の取り組み (ⅲ)リスク管理」に記載しています。人権尊重の取り組みを経営における重要課題として取り上げ、対策を講じています。
<人権の取り組み:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.44~49>
https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf
(2)中長期的な経営環境の変化によるリスク及び機会
当社は、事業環境へ中長期的に影響を及ぼし得る外部環境の変動要因を、以下のとおり整理しています。これらはリスク及び機会の両面で当社に影響を及ぼし得るものであり、その識別及び評価の詳細については、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)DNPグループのサステナブル経営の取り組み (ⅲ)リスク管理」に記載しています。
①経済に関する主要な変動要因
・経済活動関連
‐市場・サプライチェーンのグローバル化
‐地政学的要因に伴う事業環境・サプライチェーンの変化
‐経済手段を通じた国家間対立(地経学的リスク)の顕在化
‐経済環境・金融市場の変動
‐各国・地域の規制・制度の高度化
‐グローバル化に伴う知的財産・資本市場を巡る競争環境の変化
・技術的動向関連
‐DXの推進・生成AI、ロボティクスの技術進展と社会実装
‐AI活用基盤(スキル・データ)の地域・企業間格差の拡大
‐生活・ワークスタイルの変化、デジタルネットワークの高度化
‐情報・サイバーセキュリティへの脅威の増大、各国規制の強化・多様化
‐情報格差の拡大やプライバシー侵害への懸念の高まり など
「経済活動」における中長期的な動向は、企業の持続的な成長に直結する重要な要素であり、グローバル化の進展に伴う市場及びサプライチェーンの拡大・複雑化に加え、地政学的要因や経済手段を通じた国家間対立(地経学的リスク)の顕在化等により、事業環境の不確実性が高まっています。これらの変化は、サプライチェーンの混乱や再構築に伴う対応負荷の増大、事業展開地域・市場アクセスの制約、資源・エネルギー価格や為替等の変動を通じて、当社の事業運営及び収益性に影響を及ぼす可能性があります。さらに、各国・地域における規制や制度の高度化・多様化、金融市場の変動、並びに知的財産や資本市場を巡る競争環境の変化に対し、企業には戦略的かつ継続的な対応が求められています。
「技術的動向」の観点では、DXの推進に加え、生成AIやロボティクス等の技術進展と社会実装が急速に進んでおり、ビジネスモデルやワークスタイル、価値提供の在り方に影響を与えています。生産性向上や新たな顧客接点の創出といった機会が拡大する一方で、AI活用を支えるスキル、データ等の基盤の地域・企業間格差の拡大が、新たな競争条件となる可能性があります。また、デジタルネットワークの高度化に伴い、情報・サイバーセキュリティへの脅威の増大や各国・地域規制の強化・多様化への対応が不可欠となっており、情報格差の拡大やプライバシー侵害に対する懸念の高まりも、企業活動に影響を及ぼすリスクとなっています。
こうした状況に対して当社は、経済環境及び技術動向の変化に対応するため、事業ポートフォリオの継続的な見直しを行っています。具体的には、各事業について成長性及び収益性の観点から評価を行い、「注力事業」「成長ポテンシャル事業」「基盤事業」「再構築事業」の4つに区分し、資源配分の最適化を図っています。
また、デジタル技術の進展やAIの活用拡大を踏まえ、リアルとデジタルを融合した価値創出や事業化の迅速化に取り組んでいます。AIの利活用にあたっては、「DNPグループAI倫理方針」に基づき、リスクに適切に対応しながら活用を推進しています。加えて、サイバー攻撃の高度化・巧妙化や各国規制の動向を踏まえ、情報・サイバーセキュリティへの備えが重要であると認識しています。
原材料の調達における経済的変動要因に対しては、国内外の複数の供給元から印刷用紙やフィルム材料等を調達することで、安定的な供給確保と調達価格の最適化に努めています。しかしながら、地政学的リスクや地経学的対立の影響、資源・エネルギー価格の変動、為替の不安定化、新興国における需要の急増、天然資源の制約などにより、需給バランスが大きく変動する可能性があります。為替リスクに対しては、現地生産化や為替予約等により一定のヘッジを行っていますが、急激な変動が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、これらの経済関連の中長期的なリスクに対して、戦略的な事業運営とリスクマネジメントの高度化を通じて対応し、持続可能な成長の実現を目指しています。今後も、不確実性の高い事業環境において柔軟かつ迅速に対応するとともに、技術革新への継続的な取り組みにより企業価値の向上を図り、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
なお、事業ポートフォリオマネジメントの詳細については、中期経営計画における事業戦略に記載しています。また、情報セキュリティ及びサプライチェーンマネジメントの取り組みについては、「3.事業等のリスク (1)DNPグループの重要なリスク」に記載しています。
<中期経営計画(2026-2028年度)>
https://www.dnp.co.jp/ir/library/presentation/pdf/dnp_25Q4pre.pdf
<DXによる価値創造:統合報告書2025 P.14>
https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/ir/library/annual/DNP_integrated2025j.pdf
<知的資本の強化:統合報告書2025 P.34~35>
https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/ir/library/annual/DNP_integrated2025j.pdf
<事業部門別戦略:統合報告書2025 P.20~28>
https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/ir/library/annual/DNP_integrated2025j.pdf
<情報セキュリティ:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.115~123>
https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf
<サプライチェーンマネジメント:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.124~132>
https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf
②社会に関する主要な変動要因
・人的資本関連
‐グローバルビジネスの進展、グローバルでの人口増加
‐国内生産年齢人口の減少、少子高齢化、AI・ロボット活用を前提とした働き方への転換
‐多様性・心理的安全性の重視とウェルビーイングに関する社会的要請の拡大
‐サプライチェーンにおける人権デュー・ディリジェンスの重要性の高まり
‐経済的な格差の多様化と機会の不均衡
・バリューチェーン関連
‐地政学的リスク・カントリーリスクの高まりに伴う物流・資源・サプライチェーンへの影響の増大
‐地域ごとの文化・制度・ルールの多様化
‐企業の社会的責任・倫理的行動の重要性の高まり
‐SNS等を通じた情報拡散によるレピュテーションへの影響の拡大 など
社会関連の中長期的な動向は、当社の事業運営及び企業価値の維持・向上に影響を及ぼし得る重要な要素となっています。
「人的資本」の観点では、グローバルビジネスの進展や世界人口の増加、国内の少子高齢化の進行により、労働市場や人材獲得環境が大きく変化しています。国内における生産年齢人口の減少に伴う労働力不足に加え、AI・ロボットの活用を前提とした働き方への転換が進むなかで、企業にはこれまで以上に高度な専門性や適応力を持つ人材の確保・育成が求められています。これらへの対応が不十分な場合、競争優位性の低下等を通じて事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、多様性の尊重や心理的安全性の確保、ウェルビーイングの向上に関する社会的要請が拡大しており、企業には社員一人ひとりが能力を最大限発揮できる職場環境の整備が求められています。また、サプライチェーン全体における人権デュー・ディリジェンスの重要性が高まっており、対応が不十分な場合には、事業活動への制約やレピュテーションの毀損につながるリスクがあります。加えて、経済的格差の多様化や教育・機会の不均衡の拡大により、社会的分断が深まることも懸念されており、企業にはこうした社会課題への対応が一層求められています。
「バリューチェーン」の観点では、地政学的リスクやカントリーリスクの高まりにより、物流や資源調達、サプライチェーンの安定性への影響が増大しています。また、各国・地域における文化・制度・ルールの多様化により、事業運営における対応の複雑性も高まっています。さらに、企業の社会的責任や倫理的行動に対する要求が強まるとともに、SNS等を通じた情報拡散の影響力が拡大しており、不適切な対応は迅速にレピュテーションリスクへと波及する可能性があります。一方で、これらの課題に適切に対応し、信頼性の高い事業活動を実現することは、ステークホルダーからの信頼獲得を通じた企業価値向上の機会にもつながります。
こうした状況に対して当社は、“人に対するDNPグループの普遍的・基本的な考え方”を「人的資本ポリシー」として制定し、人的資本の強化・最大化を加速させるため、社員の心理的安全性が高く、健康で活力ある職場の実現に注力しています。当社は、人的資本ポリシーに基づき、人財の確保・育成や組織基盤の強化を通じて、社会環境の変化に対応できる経営基盤の強化を進めています。また、事業活動にかかわるステークホルダーへの配慮を含め、社会的要請への対応を継続的に強化しています。
これらの取り組みを通じて当社は、社会関連の中長期的なリスクに適切に対処するとともに、変化する社会環境を踏まえた価値創造を推進し、持続可能な成長につなげています。企業としての社会的責任を果たしながら、変化する社会環境に柔軟に対応することに加え、当社自らが変革を起こしていくことが、今後の発展にとって不可欠であると考えています。
なお、サプライチェーンマネジメント及び人権の取り組みの詳細については、「3.事業等のリスク (1)DNPグループの重要なリスク」に記載しています。
<社会関連の取り組み:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.42~100>
https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf
③環境に関する主要な変動要因
・気候変動及び自然劣化に伴う物理的リスクの顕在化・激甚化
・生物多様性損失や化学物質・プラスチック汚染の深刻化
・自然資本へのアクセス制約の顕在化、サプライチェーンレジリエンスへの関心の高まり
・ネイチャーポジティブ・カーボンニュートラル・循環経済への移行加速、制度の急激な変更・強化
・環境ポジティブ市場及び関連技術の急成長
・金融・投資家による開示要請の高度化とトランジション課題の顕在化 など
地球環境の持続可能性を高めていくことは、企業活動における重要課題となっています。気候変動及び自然劣化の進行に伴い、渇水や洪水といった水リスクの高まりに加え、自然災害の頻発・激甚化等の物理的リスクが顕在化しており、原材料調達や生産活動、さらにはサプライチェーン全体の安定性に影響を及ぼす可能性があります。加えて、生物多様性の損失や化学物質・プラスチック汚染の深刻化、自然資本へのアクセス制約の顕在化等も、企業経営における重要な課題となっています。
また、ネイチャーポジティブ、カーボンニュートラル、循環経済への移行がグローバルで加速しており、制度・規制の変更や強化等の移行リスクが高まっています。これらへの対応が不十分な場合、コスト増や競争力の低下等が生じる可能性があります。一方で、環境ポジティブな製品・サービスや関連技術の市場は拡大を続けており、こうした変化は新たな事業機会の創出にもつながります。
さらに、金融機関や投資家によるサステナビリティ関連情報の開示要請は高度化しており、気候変動に加えて自然資本や生物多様性に関するリスク・機会の把握及び開示、並びにトランジションに伴う課題への対応が求められています。これらへの対応が不十分な場合、資金調達や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。
こうした状況に対して当社は、事業活動と地球環境の共生を絶えず考え、「DNPグループ環境ビジョン2050」を掲げて「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に向けた取り組みを加速させています。このビジョンの実現に向け、2030年をターゲットとした中期目標を設定し、環境負荷の低減・削減を計画的に推進しています。一方で、GHG排出量削減のさらなる強化に加え、脱石化製品への移行や代替素材への切り替え要請の高まり、自然資本への依存低減に向けた対応などにより、目標水準の引き上げや製品・サービス仕様の見直しが必要となる場合があり、その際には事業に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の事業は、印刷用の基材である紙やプラスチックフィルム、鉱物資源等の原材料、製造工程で使用する水やエネルギー等の資源、事業所における土地利用など、さまざまな形で自然資本に依存しています。加えて、グローバルなサプライチェーンを通じて、原材料の原産地やビジネスパートナーが所在する地域の自然環境・社会とも密接に関係しています。これらの関係性を踏まえ、サプライチェーン全体での持続可能性の確保とレジリエンス強化が重要となっています。
現在はさらに、気候変動及び生物多様性・自然資本に関する法規制や政策の強化が各国・地域で進展しており、不確実性も高まっています。当社は、こうした変化を先取りし、迅速かつ柔軟に対応していくことに加え、自ら主体的に「より良い未来」の実現に向けた変革を起こすことによって、価値創造と基盤強化の両輪で環境課題の解決に取り組んでいます。
<環境関連の取り組み:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.19~41>
https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf
(3)事業運営に関するリスク
①法令・社内規定の遵守
近年は特に、企業の社会的責任や倫理的な行動を重視する傾向が強まっており、法令や社内規定を遵守することは、企業の信頼性を維持・向上させるためにますます不可欠となっています。コンプライアンス違反の発生は、企業のブランドイメージや顧客の信頼を損なうだけでなく、法的な責任や経済的損失を引き起こすリスクがあり、コンプライアンスリスクは、当社グループの事業運営にも深刻な影響を及ぼす可能性があると認識しています。当社グループは、あらゆるステークホルダーから信頼される企業であり続けるために、事業活動を遂行するにあたり、社員一人ひとりが単に法令を遵守するだけでなく、高い倫理観を持つ必要があると考えています。それによって、常に公正・公平な態度で秩序ある自由な競争市場の維持・発展に寄与することで初めて、社会から信頼を得ることができると認識し、グループ全体で企業倫理の浸透・定着を図っています。
具体的な取り組みの一つとして、当社グループは社員に対する研修・教育を徹底し、コーポレート・ガバナンスの充実に努めています。企業活動において、全ての社員が取るべき行動指針として「DNPグループ行動規範」を制定し、そのなかで「法令と社会倫理の遵守」など10項目を定めています。本行動規範については、社会環境などの変化を踏まえて定期的な見直しを行うとともに、「階層別研修」や国内外の全グループ社員を対象とした「自律的企業倫理研修」を通じて、浸透・定着を図っています。
また、本社各主管部は「コンプライアンス評価制度」に基づき、各組織におけるコンプライアンスへの取り組み状況を毎年客観的に評価しています。評価結果を踏まえて課題を抽出し、経営層への報告及び各組織へのフィードバックを行うことで、改善を進めています。さらに、社員一人ひとりのコンプライアンス意識の向上と、誠実な企業文化の醸成を目的として、毎年「コンプライアンス・アンケート」を実施しています。アンケート結果は分析のうえ経営層に報告を行うとともに、各組織へフィードバックし、企業倫理の浸透・定着に活用しています。
加えて、不正行為等に関する相談・通報体制として、社員が上長や周囲の社員に相談できる体制に加え、自部門での解決が困難な場合の相談・通報窓口として、2002年に「オープンドア・ルーム」を設置しました。2015年には弁護士が対応する外部窓口を設け、2020年には多言語に対応した「グローバル内部通報窓口」を整備するなど、内部通報制度の充実を図っています。これらの取り組みを通じて、組織の自浄能力が当社グループ全体で適正に機能する体制を構築しています。
<コンプライアンスの徹底:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.110~114>
https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf
②労働安全
近年、働き方の多様化や労働環境の変化が進むなか、社員の健康と安全を確保する企業の責任は一層重要性を増しています。特に、労働災害やメンタルヘルスに対する社会的関心は高まっており、企業には具体的かつ実効性のある対応が求められています。また、各国・地域において労働安全に関する法令や規制が強化されており、違反が発生した場合には企業の信用低下や経済的損失につながるリスクがあります。当社グループは、これらの環境変化が事業運営に重大な影響を及ぼす可能性があると認識しています。
こうした状況を踏まえ、当社グループは、社員が業務に起因して負傷することはあってはならないとの基本認識のもと、人権上の重要課題である労働安全の確保に取り組んでいます。労使一体となってグループ全体の安全衛生水準の向上を図るとともに、人的資本ポリシーに基づき策定した「DNPグループ安全衛生憲章」及び「DNPグループ健康宣言」のもと、代表取締役社長をトップとして安全衛生活動を推進しています。
労働災害の防止に向けては、国の示す労働災害防止計画や社内の労働災害発生の動向を踏まえ、3年ごとに基本計画を見直し、具体的な活動を強化・推進しています。製造部門の全拠点においては、「真に健康と安全を全てに優先させる風土」の実現に向け、「月1時間の対話・教育(ツキイチキョーイク)活動」を継続的に実施しています。特に重篤災害につながる可能性のある設備については、既存・新規を問わず全ての設備について、リスク部位を抽出して“見える化”を行い、重篤度の高い部位から優先的に対策を講じています。全ての職場において、当社が独自に策定した設備安全規格に準じた安全対策を展開することで、「不安全な状態」や「不安全な行動」の見直しと改善を徹底し、リスクアセスメント活動とそれに基づく対策に取り組んでいます。
さらに、化学物質や有機溶剤等を取り扱う作業においては、作業環境管理の徹底を図り、適切な作業環境測定の実施及び評価に基づく改善を推進しています。また、発散源対策や局所排気装置の適正な設置・維持管理を前提に、化学物質や有機溶剤に関する知識の向上を目的とした社員への教育を継続的に実施し、社員一人ひとりのリスク認識の向上を図ることで、ばく露リスクの低減と社員の健康確保につなげています。
これらの施策に加え、労働安全全般の基盤として、心理的安全性の高い職場風土の醸成に取り組んでいます。これにより、ヒヤリ・ハット事例や潜在的リスクに関する積極的な報告、現場からの問題提起や改善提案を促進するとともに、対話を通じたコミュニケーションの質の向上を図っています。こうした取り組みを通じて、安全に関する気づきの共有と未然防止活動を強化し、労働災害の防止及び安全衛生水準の継続的な向上につなげています。
<労働安全衛生:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.65~67>
https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf
③製品・サービスの安全と品質
製品・サービスの安全と品質は、企業の社会的信頼の基盤を形成する重要な要素です。顧客企業や生活者は、企業が提供する製品やサービスに対して高い安全性や正確性を求めており、これに応えることは企業の責務です。近年はこうした企業責任に対する社会からの要請が一層高まっており、世界の各国・地域で安全と品質に関する新たな規制や基準の検討・制定が進行しています。このような環境変化は、当社グループの事業活動に対して深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に、製品の不具合や品質問題が発生した場合、企業のブランドイメージや顧客からの信頼に対するダメージは非常に大きく、法的な責任や経済的損失を引き起こす可能性があります。したがって、製品・サービスの安全と品質に関するリスクを適切に管理し、継続的な改善を図ることが不可欠です。
当社は「品質経営」の基本方針として、自社の製品・サービスに関して、必要な規格や法の規制に適合させることはもちろん、顧客企業や生活者のニーズと期待を上回る安全と品質を提供し、企業としての社会的責任を果たすことを定めています。その実現に向けて当社は、製品・サービスの安全性と品質の確保のために実施すべき事項を全社ルールとして定めるとともに、品質マネジメントシステムと製品安全管理の体制を構築・運用しています。また、当社が提供する全ての製品・サービスに対し、設計段階からリスクの抽出・評価を行い、リスクに対して適切に対応することで、安全と品質の両面から、顧客企業や生活者等が安心できる品質・価値の継続的な提供に努めています。
また、品質マネジメントシステムの運用状況の確認や品質不正の防止の観点から、本社の品質保証統括部門による「品質システム検査」を年1回実施しています。この点検の結果は「DNPグループ品質保証・製品安全委員会」及び「企業倫理行動委員会」に報告し、各委員会からの指示に基づく改善を進めています。
<製品・サービスの安全性と品質:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.79~83>
https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf
④責任ある調達
グローバル・サプライチェーンの拡大に伴い、人権・労働、汚職・腐敗等の社会課題や、気候変動をはじめとした環境問題など、企業活動が社会と環境に及ぼす影響は一層大きなものになっています。そのなかで、原材料の調達から生産・利用・廃棄・リサイクルまでのサプライチェーン全体を見据え、起こりうるリスクを把握・分析して、適切に課題を解決するマネジメントの強化がさらに重要となっています。加えて、グローバルに広がるサプライチェーン全体のリスクを的確に捉え、多様な課題を解決して持続可能な社会に貢献するため、国内外のサプライヤーや業務委託先(以下「ビジネスパートナー」)とともに「責任ある調達」に取り組むことがますます重要になっていると、当社は認識しています。
当社は、「DNPグループ サステナブル調達ガイドライン」を定め、これに則した取り組みを条項の一つとして定めた「取引基本契約書」をビジネスパートナー各社と締結しています。特に重要度が高い個別のテーマについては、「DNPグループ 印刷・加工用紙調達ガイドライン」や「DNPグループ 化学物質に関するグリーン購入ガイドライン」などを制定し、ビジネスパートナー各社の指導に努めています。また、ビジネスパートナーに対する定期的な「サステナブル調達ガイドライン」遵守状況の調査とその結果のフィードバック、各種説明会を通じたサプライチェーンマネジメントの強化なども継続的に行っています。毎年、年間購入額の上位9割程度を占めるサプライヤーや事業継続上重要なサプライヤーに対し、「サステナブル調達ガイドライン」に基づく調査、人権問題並びに紛争鉱物問題に関するサプライヤー実態調査及びリスクアセスメントを実施しています。リスクが認められる一部のサプライヤーに対しては、改善計画の提出を求め、書類指導や個別面談を行い、課題や改善策を確認して次年度の活動に反映するといった継続的なマネジメントを行っています。
<責任ある調達の取り組み:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.124~132>
https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf
(4)事業継続に関するリスク
気候変動による風水害リスクの高まり、大規模地震や火山噴火発生リスクの高まり、新たな感染症の発生によるパンデミックリスクなど、自然災害等によるリスクは増大しています。仮に甚大な規模の自然災害等の緊急事態が発生して、社員や家族の安全が脅かされ、建物・設備・インフラや取引先・サプライヤー各社の被害によって事業活動が中断することは、自社だけではなく、顧客企業や取引先で働く人たちをはじめ、さまざまなステークホルダーに影響を及ぼすことになります。
当社は、これらのリスクの負の影響を低減するため、対策推進組織として本社に「BCM推進委員会」を設置するとともに、各事業部に事業部グループBCM推進委員会を設置しています。この体制のもと、「災害発生時の人的安全対策を最優先すること」及び「会社の災害に対する対応力と復旧力を高めること」を基本方針として、日常的に災害リスクを正しく認識し、適切な予防対策の推進に取り組んでいます。
具体的には、製造設備やその他の主要施設に防火・耐震・水害対策等を施すとともに、製造拠点や原材料調達先の分散を図ることで、生産活動の停止や製品供給の混乱を最小化する事業継続計画(BCP)を策定しています。あわせて、これらのBCPを適切に運用・管理するための事業継続マネジメント(BCM)を推進しており、BCMや防災活動を通じて、継続的にBCPの見直しや訓練等を実施しています。
また、各種保険を活用したリスク移転にも取り組んでおり、事業の存続に重大な影響を及ぼす緊急事態が発生した場合においても、事業活動の早期復旧が可能となる体制の整備を進めています。
防災体制としては、当社グループ全体の基本的な防災対策を整備・推進する「中央防災会議」、各事業の特性に応じた具体的な防災対策を推進する「事業部・グループ会社防災会議」、地区・エリアでの連携を推進する「地区防災会議」を設置し、防災計画の策定及び予防対策の推進を行っています。災害等の不測の事態に備え、「DNPグループ災害基本規程」において基本方針及び推進体制を定め、社員及びその家族、関係者の安全確保を図るとともに、多様なステークホルダーに安心していただけるよう、継続的な防災対策を進めています。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるDNPグループの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるDNPグループを取り巻く状況は、国内のインバウンド需要の拡大や個人消費の持ち直しなどにより、景気に緩やかな回復が見られました。一方で、長期化・拡大する地政学リスクの影響や、米国をはじめとする各国・地域の政策動向、原材料費・人件費・物価の変動など、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。また、地球環境や人権に関わる課題の解決も、サプライチェーン全体で一層強く求められています。
DNPグループは、こうした環境・社会・経済の変化やリスクに対応するだけでなく、長期を見据えて自らが変革を起こし、「より良い未来」をつくり出す事業活動を展開しています。独自の「P&I」(印刷と情報)の強みを掛け合わせ、生成AIをはじめとする先進技術も活かし、多様なパートナーとの連携をさらに深めながら、事業領域の拡張と業績の向上に取り組んでいます。
当年度は、2023-2025年度の中期経営計画の最終年度として、「事業戦略」「財務戦略」「非財務戦略」に基づく取り組みを通じて、持続的な事業価値・株主価値の創出に注力しました。「事業戦略」では、中長期的に強みを発揮する事業ポートフォリオを構築するとともに、市場成長性と収益性が高い事業を中心に価値の創出を加速させました。「財務戦略」では、創出したキャッシュを事業のさらなる成長投資と株主還元に適切に配分すべく、政策保有株式の売却、計画的な自己株式の取得を行いました。「非財務戦略」では、「人への投資の拡大」「知的資本の強化」「環境への取り組み」を中心に、サステナブルな成長を支える経営基盤の強化を図りました。
その結果、当連結会計年度のDNPグループの売上高は1兆5,125億円(前期比3.8%増)、営業利益は1,010億円(前期比7.9%増)、経常利益は1,192億円(前期比2.9%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券の売却にともなう特別利益の計上もあり、1,039億円(前期比6.1%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(スマートコミュニケーション部門)
イメージングコミュニケーション関連は、新型プリンター関連の需要増加等が寄与して写真プリント用部材が欧米・アジア市場で好調に推移したほか、IDカード用インクリボンが市場回復などを背景に堅調に推移し、前年を上回りました。
情報セキュア関連は、デュアルインターフェイスのICカード(ICチップ1つで接触型と非接触型の規格に対応)が前年から減少したものの、BPO(Business Process Outsourcing)の大型案件などがあり、当事業全体で前年を上回りました。また、本人情報を登録・認証する政府向けID認証サービスをアフリカ中心に提供し、Laxton(ラクストン)ブランドで事業展開しているRubicon SEZC(ルビコン)の株式を取得し、2025年7月より連結子会社として協業を開始しました。
マーケティング関連は、企業向け施策の実績・知見とデジタルの強みを掛け合わせた価値の提供に努めましたが、紙媒体の市場縮小の影響もあり、前年を下回りました。なお、セールスプロモーション分野で、DNP独自の専門性や機能を集約・統合することによるグループ全体の機能の強化と事業運営の効率化、競争力の強化と持続的な成長を目的に、2025年10月にグループ会社間における組織再編を実施しました。
出版関連は、雑誌等の市場縮小の影響を受けたものの、教育・研究施設、図書館等の設計・内装施工に関する大型案件の完工が増加したことや、図書館運営業務が好調に推移したことによって、前年を上回りました。
コンテンツ・XRコミュニケーション関連のうち、コンテンツ関連は、国内外で人気の知的財産(IP:Intellectual Property)を活用した巡回型イベントや物販、日本発IPの海外展開など、新たな価値の創出に努めました。XRコミュニケーション関連では、教育分野や行政サービスを中心に地域連動XRサービスを充実させ、各自治体等への提供を進めています。今後も継続して、国内各地域とともに新しい価値を創出・発信するコミュニケーションモデルを構築していきます。
その結果、部門全体の売上高は7,503億円(前期比4.9%増)となりました。営業利益は、人的資本や固定資産の適正化などの事業構造改革により、400億円(前期比15.4%増)となりました。
(ライフ&ヘルスケア部門)
モビリティ・産業用高機能材関連のうち、産業用高機能材関連は、リチウムイオン電池用バッテリーパウチが、スマートフォンやタブレット端末等のIT向けで新製品を中心に販売が伸長し、前年を上回りました。一方で車載向けは、米国の政策変更によってEVの販売が落ち込むなど電池需要が低迷し、前年を下回りました。太陽電池関連は、引き続き各国・地域で太陽電池等の再生可能エネルギー導入の拡大が見込まれるなか、太陽電池の電極やセル等を保護する封止材の生産能力を従来の約2倍に増強する生産ラインを2025年10月に泉崎工場(福島県)に導入し、これによる増産効果も寄与して、前年を上回りました。
モビリティ関連は、自動車向け加飾フィルムが、内装用を中心に堅調に推移し、前年を上回りました。塗装工程の短縮に寄与する、環境に優しい高意匠外装用製品の販売にも注力しました。また、株式会社DNP光金属を中心として、高い意匠性や精度が求められる操作・表示部向けの自動車用加飾成型部品を対象としたハイエンドHMI(Human Machine Interface)領域への事業拡大を進めています。加えて、Turing(チューリング)株式会社との資本業務提携により、完全自動運転に必要な製品・サービスの開発を推進し、モビリティを中心としたスマート社会の実現に貢献していきます。
生活空間関連は、高い耐久性とデザイン性を両立させた内・外装材「アートテック®」及び国内向け内装材は前年並みで推移しましたが、海外向け内装材は市況悪化の影響等により、全体で前年を下回りました。
なお、事業構造改革の一環で、2025年10月にモビリティ関連と生活空間関連の事業を統合し、“モビリティと住まいがつながるスマート社会”の実現に向けた体制を構築しました。今後も、「オールDNP」で強みを掛け合わせ、社会や生活者への対応力と事業競争力をさらに強化していきます。
包装関連は、2026年1月以降、物価高騰を背景とした買い控えの影響を受けたものの、紙カップやチューブ容器などが好調に推移したほか、PETボトル用無菌充填システムの販売も増加しました。また、「DNP環境配慮パッケージング GREEN PACKAGING®」シリーズをはじめとする機能性包材の開発・販売にも注力し、当事業全体で前年を上回りました。
メディカル・ヘルスケア関連は、医療用パッケージが好調に推移したことに加え、医薬品の原薬事業・製剤事業も堅調に推移し、前年を上回りました。
飲料事業は、自動販売機の業界がダウントレンドにあるなか、夏場の好天の恩恵に加え、価格改定が寄与し、量販店・飲食店・Webサイトでの販売が伸長したことで、前年を上回りました。
その結果、部門全体の売上高は5,123億円(前期比3.3%増)となりました。営業利益は、固定費等のコストダウン、固定資産の適正化などの事業構造改革により、372億円(前期比56.6%増)となりました。
(エレクトロニクス部門)
デジタルインターフェース関連は、有機ELディスプレイ製造用メタルマスクが、2024年5月に黒崎工場(福岡県)で生産開始した第8世代サイズのガラス基板向け大型メタルマスクの寄与があったものの、半導体メモリ不足に起因するミドルローエンドのスマートフォン減産の影響を受けて、第4四半期に需要が減少しました。ディスプレイ用光学フィルムは、液晶テレビ用パネルの大型化にともなう出荷面積の拡大や、2025年9月に三原工場(広島県)で生産を開始した2,500mmの広幅対応のコーティング装置が寄与したことで、堅調に推移し、当事業全体で前年を上回りました。
半導体関連は、市況が堅調に推移し、積極的な投資により事業を拡大したことで、前年を上回りました。引き続き、EUV(Extreme Ultra-Violet:極端紫外線)リソグラフィ用フォトマスクやナノインプリントなどの最先端領域への事業展開に取り組んでいきます。
その結果、部門全体の売上高は2,518億円(前期比1.6%増)となりました。営業利益は、為替の影響に加え、半導体製造用フォトマスクの設備投資・開発投資によって固定費が増加した影響等もあり、507億円(前期比11.6%減)となりました。
なお、次世代半導体パッケージ向けのTGV(Through Glass Via:ガラス貫通電極)ガラスコア基板のパイロットラインを久喜工場(埼玉県)に新設し、2025年12月に稼働を開始しました。本ラインで当製品の量産検証を行い、2026年1月から高品質なサンプルの提供を開始しています。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産、負債、純資産については、総資産は、現金及び預金、のれん、退職給付に係る資産の増加や、投資有価証券の減少などにより、前連結会計年度末に比べ1,162億円増加し、2兆341億円となりました。
負債は、社債、繰延税金負債の増加や、支払手形及び買掛金、未払法人税等の減少などにより、前連結会計年度末に比べ579億円増加し、7,670億円となりました。
純資産は、当期純利益による増加や、退職給付に係る調整累計額の増加、剰余金の配当、自己株式の取得、その他有価証券評価差額金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ583億円増加し、1兆2,671億円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ70億円減少し、2,435億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,555億円、減価償却費528億円などにより403億円の収入(前連結会計年度は1,327億円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出600億円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出227億円、投資有価証券の売却による収入578億円などにより736億円の支出(前連結会計年度は367億円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出507億円、配当金の支払額178億円、社債の発行による収入1,000億円などにより233億円の収入(前連結会計年度は874億円の支出)となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるDNPグループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
DNPグループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は、前連結会計年度(以下「前期」)に比べて549億円増加し、1兆5,125億円(前期比3.8%増)となりました。
売上原価は、前期に比べて272億円増加して1兆1,465億円(前期比2.4%増)となり、売上高に対する比率は前期の76.8%から75.8%となりました。販売費及び一般管理費は、前期に比べて202億円増加して2,649億円(前期比8.3%増)となり、この結果、営業利益は前期に比べて74億円増加して1,010億円(前期比7.9%増)となりました。
営業外収益は、持分法による投資利益の減少等により前期に比べて19億円減少して243億円(前期比7.5%減)となり、営業外費用は、支払利息の増加等により前期に比べて21億円増加して61億円(前期比52.7%増)となりました。この結果、経常利益は前期に比べて33億円増加して1,192億円(前期比2.9%増)となりました。
特別利益は、投資有価証券売却益の減少等により、前期に比べて724億円減少して579億円(前期比55.6%減)となり、特別損失は、減損損失の減少等により前期に比べて560億円減少して216億円(前期比72.2%減)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,039億円(前期比6.1%減)となりました。
DNPグループの経営成績に重要な影響を与えた要因は以下のとおりです。
当連結会計年度におけるDNPグループを取り巻く状況は、国内のインバウンド需要の拡大や個人消費の持ち直しなどにより、景気に緩やかな回復が見られました。一方で、長期化・拡大する地政学リスクの影響や、米国をはじめとする各国・地域の政策動向、原材料費・人件費・物価の変動など、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。また、地球環境や人権に関わる課題の解決も、サプライチェーン全体で一層強く求められています。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。
スマートコミュニケーション部門については、イメージングコミュニケーション関連は、新型プリンター関連の需要増加等が寄与して写真プリント用部材が欧米・アジア市場で好調に推移したほか、IDカード用インクリボンも堅調に推移し、前年を上回りました。情報セキュア関連は、デュアルインターフェイスのICカードが前年から減少したものの、BPOの大型案件などがあり、前年を上回りました。マーケティング関連は、紙媒体の市場縮小の影響もあり、前年を下回りました。出版関連は、雑誌等の市場縮小の影響を受けたものの、教育・研究施設、図書館等の設計・内装施工に関する大型案件の完工が増加したことや、図書館運営業務が好調に推移したことによって、前年を上回りました。コンテンツ・XRコミュニケーション関連のうち、コンテンツ関連は、国内外で人気の知的財産を活用した巡回型イベントや物販、日本発IPの海外展開など、新たな価値の創出に努めました。XRコミュニケーション関連では、教育や行政分野のサービスを充実させ、各自治体等への提供を進めています。その結果、部門全体の売上高は前期比4.9%増の7,503億円となりました。営業利益は、人的資本や固定資産の適正化などの事業構造改革により、前期比15.4%増の400億円となりました。営業利益率は、前期の4.8%から0.5ポイント上昇し、5.3%となりました。
ライフ&ヘルスケア部門については、モビリティ・産業用高機能材関連のうち、産業用高機能材関連は、リチウムイオン電池用バッテリーパウチが、スマートフォンやタブレット端末等のIT向けで新製品を中心に販売が伸長し、前年を上回りました。一方で車載向けは、米国の政策変更によってEVの販売が落ち込むなど電池需要が低迷し、前年を下回りました。太陽電池関連は、太陽電池の電極やセル等を保護する封止材に関して、泉崎工場(福島県)に導入した新生産ラインの増産効果も寄与して、前年を上回りました。モビリティ関連は、自動車向け加飾フィルムが、内装用を中心に堅調に推移し、前年を上回りました。生活空間関連は、内・外装材「アートテック®」及び国内向け内装材は前年並みで推移しましたが、海外向け内装材は市況悪化の影響等により、全体で前年を下回りました。包装関連は、紙カップやチューブ容器などが好調に推移したほか、PETボトル用無菌充填システムの販売も増加しました。メディカル・ヘルスケア関連は、医療用パッケージが好調に推移したことに加え、医薬品の原薬事業・製剤事業も堅調に推移し、前年を上回りました。飲料事業は、夏場の好天の恩恵に加え、価格改定が寄与し、量販店・飲食店・Webサイトでの販売が伸長したことで、前年を上回りました。その結果、部門全体の売上高は前期比3.3%増の5,123億円となりました。営業利益は、固定費等のコストダウン、固定資産の適正化などの事業構造改革により、前期比56.6%増の372億円となりました。営業利益率は、前期の4.8%から2.5ポイント上昇し、7.3%となりました。
エレクトロニクス部門については、デジタルインターフェース関連は、有機ELディスプレイ製造用メタルマスクが、第8世代サイズのガラス基板向け大型メタルマスクの寄与があったものの、半導体メモリ不足に起因するミドルローエンドのスマートフォン減産の影響を受けて、第4四半期に需要が減少しました。ディスプレイ用光学フィルムは、液晶テレビ用パネルの大型化にともなう出荷面積の拡大や、三原工場(広島県)に導入した広幅対応の新生産ラインが寄与したことで、堅調に推移し、当事業全体で前年を上回りました。半導体関連は、市況が堅調に推移し、積極的な投資により事業を拡大したことで、前年を上回りました。その結果、部門全体の売上高は前期比1.6%増の2,518億円となりました。営業利益は、為替の影響に加え、半導体製造用フォトマスクの設備投資・開発投資によって固定費が増加した影響等もあり、前期比11.6%減の507億円となりました。営業利益率は、前期の23.2%から3.1ポイント低下し、20.1%となりました。
セグメント資産の状況については、スマートコミュニケーション部門は前期末に比べて、26億円減少して7,858億円(前期末比0.3%減)となりました。
ライフ&ヘルスケア部門は前期末に比べて、66億円増加して4,914億円(前期末比1.4%増)となりました。
エレクトロニクス部門は前期末に比べて、251億円増加して4,108億円(前期末比6.5%増)となりました。
報告セグメント合計では前期末に比べて、292億円増加して1兆6,881億円(前期末比1.8%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
DNPグループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前期末に比べ70億円減少し、2,435億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,555億円、減価償却費528億円などにより403億円の収入(前期は1,327億円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出600億円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出227億円、投資有価証券の売却による収入578億円などにより736億円の支出(前期は367億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出507億円、配当金の支払額178億円、社債の発行による収入1,000億円などにより233億円の収入(前期は874億円の支出)となりました。
a.財務戦略の基本的な考え方
DNPグループは、社会課題を解決し、人々の期待に応える新しい価値の創出のため、成長領域を中心とした事業へ集中的に事業投資(研究開発投資、設備投資、戦略的提携やM&A投資)を行うとともに、それらを支える人的資本に経営資源を投入していきます。そのほか、資本効率の向上、財務基盤の安定化と株主還元の実施など、さまざまな資本政策を総合的に勘案して推進していきます。
b.DNPグループの資本の財源
DNPグループは、主に営業活動により確保されるキャッシュ・フローにより、成長を維持・発展させていくために必要な資金を確保しております。
設備投資資金などの資金需要については自己資金で賄うことを基本としておりますが、自己資金に加え、他人資本も活用し、成長投資資金を調達していきます。
c.DNPグループの経営資源の配分に関する考え方
DNPグループは、成長領域を中心とした注力事業への投資などを進めていきます。
重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源泉等については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)新設等」に記載のとおりであります。
また、利益の配分については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
DNPグループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
5 【重要な契約等】
(1)技術導入契約
(2)その他
6 【研究開発活動】
DNPグループは、新規事業の創出・新製品開発から生産技術の開発に至るまで、幅広い研究開発活動を続けており、その活動は事業活動の原動力として機能しております。
DNPグループの研究開発は、研究開発・事業化推進センター、技術開発センター、AB(アドバンストビジネス)センター及び各事業分野の開発部門を中心に推進しております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は42,277百万円、3つのセグメントに関する研究開発費が18,095百万円、各セグメントに配分することができない本社開発部門等の費用が24,181百万円であります。
当連結会計年度における各セグメントごとの主な研究開発とその成果は次のとおりです。
(1) スマートコミュニケーション部門
マーケティング分野では、生活者の価値観やライフスタイルの多様化に伴い、生活者一人ひとりの深層心理の把握が重要となっています。従来の調査法では、対象範囲の制約などにより、充分なインサイト(洞察・発見)獲得が困難という課題がありました。そこで、生成AIと国内統計データを活用し、仮想の生活者に対してリサーチが可能なサービスを開発しました。多様な仮説検証を短期間で実施でき、消費者理解の深化と施策立案の高度化を支援します。これにより、企業のマーケティング活動の効率化に寄与します。
セキュリティ分野では、キャッシュレス決済の普及に伴い、カードの不正利用対策の高度化と、利用時の利便性の両立が課題となっています。特に、暗証番号の漏えいや盗難カードの不正使用等への対応として、より確実な本人認証手段の確立が求められています。そのため、利用者本人の指紋情報の照合をカード内で完結することが出来るICカードを開発しました。これにより、暗証番号入力を不要としつつ、高度なセキュリティと操作性の両立を実現します。これらの取り組みにより、安全で利便性の高い決済環境の構築に寄与します。
デジタルトラスト分野では、本人確認や資格証明に関する情報がサービスごとに分断されており、複数の認証手続きが必要となるなど、利用者の利便性低下や事業者側の業務負荷増大が課題となっています。そこで、観光・医療等を対象にデジタルパスポート(個人の属性情報や資格情報等をデジタルで一元管理し、安全に提示・連携する仕組み)と各種サービスを連携させる情報連携基盤を開発しました。本基盤により、本人確認および属性情報の安全かつシームレスな連携を可能とし、手続きの簡素化と利便性向上を図ります。これにより、多様な分野における新たなサービス創出に寄与します。
医療分野のBPO(Business Process Outsourcing)では、治験に関する文書の作成・授受・保管が複数の関係者間で分散しており、業務の煩雑化や管理負荷の増大、審査プロセスの非効率化が課題となっています。そこで、治験文書を統合的にデジタル管理するクラウドサービスを開発しました。製薬企業、医療機関など関係者間における文書作成・管理を一元化し、業務の効率化と管理精度の向上を実現します。
イメージングコミュニケーション分野では、ユーザビリティと照明の耐久性を向上し、更に快適な撮影空間を実現した証明写真機「Ki-Re-i(キレイ)」の新機種を開発しました。生活者の写真の楽しみ方が多様化する中で、Web会議やSNS等のアイコンに適したプロフィール写真を撮影・収集できるサービスの提供や、各種コンテンツを保有する企業等と連携し証明写真をブロマイド風にするなど、証明写真機の新たな活用方法を提案します。今後も、人々の体験や感動をさらに面白く・印象的にする写真の価値を創出します。
当部門に係る研究開発費は2,546百万円であります。
(2) ライフ&ヘルスケア部門
包装分野では、欧州を中心とした環境規制の動向を背景に、リサイクル工程の効率化が期待される包材として、医薬品向け「PTP用PPフィルム」を開発しました。従来のPTP包装は、リサイクル工程においてプラスチックとアルミ箔の分離工程が必要でしたが、本製品ではアルミ箔をシートと同じポリプロピレン(PP)に置き換えることで、構成材料の単一素材設計を実現します。独自の加工技術によりバリア性能を付与しつつ、国内市場で求められる印刷適性や密封性も兼ね備えています。今後も材料設計や加工技術の工夫を通じて、資源循環に配慮した高付加価値なパッケージの開発を推進していきます。
モビリティ分野では、2025年6月にライン(線)や矢印等の“パターン光”を遠方まで投影できる小型照明装置「DNP高視認性パターンライト」の開発・提供を開始しました。従来品に加え、バッテリー非搭載でさらに小型化・軽量化したパターンライトをラインアップに追加しました。
産業用高機能材分野では、バッテリーパウチ事業において、昨年度全株式を取得した旧レゾナック・パッケージング(現:株式会社DNP高機能マテリアル彦根)と一体となり、トップシェアの維持・拡大に向け、車載用途およびIT用途で培った製造ノウハウ・技術・開発力を融合し、シナジー創出と競争優位性の強化を推進しています。
また、太陽電池事業においては、封止材の生産能力増強と高信頼性化に加え、発電効率向上に寄与する反射シートの開発を進めるなど、高機能部材の開発・供給体制の強化に取り組んでいます。さらに同分野においては、防錆フィルムについて開発および評価・検証を進めるとともに、将来的な用途展開に向けた取り組みを進めています。
研究開発のグローバル戦略を推進・強化するため、2026年4月に海外2拠点目となる研究開発拠点をインドに開設しました。注力事業領域であるモビリティ関連と成長ポテンシャル事業領域であるメディカル・ヘルスケア関連で、インドを代表する理工系大学であるインド工科大学ハイデラバード校(IITH:Indian Institute of Technology Hyderabad)と共同研究を進めます。大学構内の企業連携拠点「テクノロジーリサーチパーク(TRP:Technology Research Park)」に拠点を設け、IITHの人材・研究力とDNPの技術力を掛け合わせることで、研究開発成果と社会実装の加速を目指します。
当部門に係る研究開発費は2,330百万円であります。
(3) エレクトロニクス部門
次世代半導体パッケージ向け材料の開発を加速するため、久喜工場に「TGV(ガラス貫通電極)ガラスコア基板」のパイロットラインを新設しました。本取り組みでは、微細配線・高平坦性を両立するガラス基板技術の量産検証を行い、2026年初頭から顧客向けサンプル提供を開始しました。チップレット化の進展に伴う高性能化ニーズに対応し、半導体メーカーとの共同評価を通じて早期事業化を目指します。今後は量産体制の構築を進め、半導体関連事業の成長につなげていきます。
次世代半導体の国内量産体制構築を支援するため、Rapidus株式会社へ出資しました。本出資は、先端ロジック半導体分野における日本の産業基盤強化と、当社のエレクトロニクス分野における事業機会の拡大を目的としています。研究開発段階から量産フェーズまでを見据え、パッケージ材料や製造プロセスに関する技術連携を進めることで、将来的な製品採用を目指すものです。今後はエコシステム形成を通じ、持続的な事業成長を図っていきます。
グローバル市場における技術競争力の強化を目的として、2025年9月に海外初となる研究開発拠点をオランダに開設しました。本拠点は、世界最先端の研究機関・企業・人材が集積する欧州において、当社の将来事業創出につながる先端技術の獲得および研究開発を推進する拠点として位置づけています。本拠点での最初のテーマとして、生成AIの普及等で需要拡大が見込まれる光電融合(Co-Packaged Optics)技術を中心に、光学材料や精密加工技術の研究開発に取り組んでいきます。現地の研究機関や企業との連携を通じ、先端技術の獲得と早期事業化を図り、将来的には高付加価値な半導体パッケージ部材の提供拡大を目指します。
当部門に係る研究開発費は13,218百万円であります。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
DNPグループは、当連結会計年度において事業の成長と基盤構築のための投資を実施し、投資額は資産計上ベースで877億円となりました。
主な設備投資として、市場成長性が高い「成長牽引事業」である「デジタルインターフェース関連」や「半導体関連」などで工場や製造設備増強のための投資を行いました。
セグメントごとの概況は次のとおりであります。
(1)スマートコミュニケーション部門
スマートコミュニケーション部門における設備投資額は254億円でありました。
情報セキュア関連では、老朽化した生産設備およびユーティリティの更新や災害対策のための投資を行いました。
(2)ライフ&ヘルスケア部門
ライフ&ヘルスケア部門における設備投資額は228億円でありました。
モビリティ・産業用高機能材関連では、太陽電池用封止材の増産計画への対応の為、生産ラインを増設するための投資を行いました。
(3)エレクトロニクス部門
エレクトロニクス部門における設備投資額は312億円でありました。
半導体関連では、ハイエンドフォトマスク生産設備の投資、デジタルインターフェース関連では、ディスプレイパネルの大型化及び高機能化を見据え、超広幅光学フィルム新ラインを導入するための投資を行いました。
2 【主要な設備の状況】
DNPグループにおける主要な設備は、以下のとおりであります。
(1) 提出会社
2026年3月31日現在
(注)1.帳簿価額には建設仮勘定は含まれておりません。
2.帳簿価額のうち「その他」は工具器具備品及び無形固定資産(のれんを除く)の合計であります。
3.連結子会社へ貸与している資産が含まれております。
4.連結子会社へ貸与している資産であります。
5.上記の他、リース契約等による賃借設備として、製版用機器並びに事務用コンピュータ及び事務機器等があります。
(2) 国内子会社
2026年3月31日現在
(注)1.帳簿価額には建設仮勘定は含まれておりません。
2.帳簿価額のうち「その他」は工具器具備品、無形固定資産(のれんを除く)の合計であります。
3.北海道コカ・コーラボトリング㈱の札幌工場における従業員数は全て同社の連結子会社の従業員であるため、記載しておりません。
(3) 在外子会社
2026年3月31日現在
(注)1.帳簿価額には建設仮勘定は含まれておりません。
2.帳簿価額のうち「その他」は工具器具備品、無形固定資産(のれんを除く)及び使用権資産の合計であります。
3 【設備の新設、除却等の計画】
当連結会計年度末現在において実施中及び計画中の重要な設備の新設、除却等の計画は以下のとおりであります。
(1) 新設等
(注)2024年度上期に主要な設備について稼働を開始しております。
(2) 除却等
経常的な設備の更新のための売却・除却を除き、重要な設備の売却・除却の計画はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2)【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注)1.自己株式の消却による減少であります。
2.株式分割(1:2)による増加であります。
(5)【所有者別状況】
2026年3月31日現在
(注)1.自己株式8,024,743株は「個人その他」に80,247単元が、また「単元未満株式の状況」に43株が含まれております。
2.「その他の法人」の欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が、30単元含まれております。
(6)【大株主の状況】
2026年3月31日現在
(注)1.上記のほか、当社が実質的に所有している自己株式が8,024,743株あります。
2.「第一生命保険株式会社」については、上記のほかに退職給付信託に係る信託財産として設定した当社株式が3,764千株あります。
3.「株式会社みずほ銀行」については、上記のほかに退職給付信託に係る信託財産として設定した当社株式が4,458千株あります。
4.2026年4月3日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書No.2)において、ブラックロック・ジャパン株式会社および共同保有者が2026年3月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。
大量保有(変更)報告書の内容は以下のとおりであります。
5.2026年4月6日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、三井住友信託銀行株式会社および共同保有者が2026年3月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。
大量保有報告書の内容は以下のとおりであります。
6.2026年4月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、野村證券株式会社および共同保有者が2026年3月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。
大量保有報告書の内容は以下のとおりであります。
7.2026年4月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、株式会社みずほ銀行および共同保有者が2026年3月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、株式会社みずほ銀行を除き、当社として2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。
大量保有報告書の内容は以下のとおりであります。
(7)【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2026年3月31日現在
(注)1.「完全議決権株式(その他)」の「株式数」の欄には、株式会社証券保管振替機構名義の名義書換失念株式3,000株が含まれております。また、「議決権の数」の欄には、同株式に係る議決権の数30個が含まれております。
2.「単元未満株式」の「株式数」の欄には、自己株式が43株含まれております。
② 【自己株式等】
2026年3月31日現在
(8)【役員・従業員株式所有制度の内容】
当社は、2025年12月22日開催の取締役会において、当社従業員を対象とした株式交付制度(株式付与ESOP信託)の導入を決議し、2026年度からの導入を予定しております。当該制度については、「5 従業員の状況等 (2) 従業員の状況」に記載しております。
2 【自己株式の取得等の状況】
(1)【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2)【取締役会決議による取得の状況】
会社法第155条第3号による取得
(注)「当期間における取得自己株式」及び「提出日現在の未行使割合」には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの取得株式数は含めておりません。
(3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号による取得
(注)「当期間における取得自己株式」には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。
会社法第155条第13号による取得
(注)1.譲渡制限付株式報酬制度における無償取得によるものであります。
2.「当期間における取得自己株式」には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの無償取得による株式数は含めておりません。
(4)【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注)当期間における「保有自己株式数」には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの取締役会決議による取得並びに単元未満株式の買取り及び売渡しによる株式数は含めておりません。
3 【配当政策】
当社は、利益の配分については、株主の皆様に安定的かつ継続的に行うことを基本とし、中長期の経営視点から、財務基盤の安定性を維持しつつ、成長事業への投資と株主還元のバランスを考慮した上で、業績や配当性向などを総合的に勘案して実行していきます。また、将来の事業展開に備えて、適切な内部留保を確保し、経営基盤の強化を図ります。
内部留保資金については、資金需要や市場動向を鑑みながら、今後の新製品・新サービス・新技術の開発投資、新規事業展開のための設備投資、戦略的提携やM&A、それらを支える人財への投資などに充当していきます。こうした施策は将来にわたる利益の増大に寄与し、株主の皆様への利益還元につながるものと考えております。
この方針に基づき、当期の配当金については、期末配当金を1株当たり22円とさせていただく予定です。中間配当金(1株当たり18円)とあわせて、年間配当金は40円となり、前期の38円注1から2円の増配となります。
当社は会社法第454条第5項に定める中間配当をすることができる旨を定款に定めており、中間配当と期末配当との年2回の剰余金の配当を行っております。剰余金の配当の決定機関は、中間配当については取締役会、期末配当については株主総会であります。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
また、2026年5月13日に公表した「2026-2028年度 中期経営計画」の株主還元方針においては、持続的な利益成長に応じた累進配当および配当性向注2の引き上げにより、配当水準の向上を図ることを掲げております。
(注)1.前期の年間配当金は1株につき54円でありますが、2024年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しており、当該株式分割を考慮すると前期の年間配当金は38円となります。
2.特別損益等の一過性の要因を除いた親会社株主に帰属する当期純利益を基準とする配当性向
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
①コーポレート・ガバナンス体制の概要及びこの体制を採用する理由
DNPグループは、「人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する。」という企業理念を掲げています。この理念のもと、創業以来150年かけて培ったP&I(印刷と情報)を応用し、多岐にわたる事業分野で競争力を高め、中長期にわたり事業を安定的に拡大していきます。
そのためには、企業としての社会的責任を常に認識し、あらゆるステークホルダーから信頼されることが大切であると考えています。健全な起業家精神に基づく様々なビジネスチャンスに果敢に挑戦しながら、DNPグループが果たすべき責任である「価値の創造」「誠実な行動」「高い透明性(説明責任)」の3つを実践することが不可欠であり、これを監督・監査するためのコーポレート・ガバナンスの充実は、経営上の重要課題と捉えています。
当社では、業務執行を担当する「社内取締役」と非業務執行の「社外取締役」をボードメンバーとする取締役会において、的確な意思決定をタイムリーに行いながら経営を監督し、それに基づく適正かつ迅速な業務執行を可能とする体制を構築・運用するとともに、社員のコンプライアンス意識を高めるための研修・教育を徹底しています。
当社は日本の会社法に基づく監査役会設置会社であり、DNPグループの業務の適正を確保するための体制の整備の内容の概要を取締役会で決議しています。また、過半数の社外監査役で構成する監査役会が経営を監査し、取締役会に参加することで、コーポレート・ガバナンスを有効に機能させています。
当社のコーポレート・ガバナンスの体制図は、以下のとおりです。
<体制図>

〔取締役会、監査役会〕
●基本的な考え方
当社は、監査役会設置会社の機関設計を採用しつつ、社外取締役や執行役員制度を導入しています。業務執行取締役や執行役員の担当委任は、適宜、取締役会で決議しており、業務執行取締役の執行権限を、社内規程で定める範囲で、基本組織を担当する執行役員又は組織長へ適切に権限委譲することで、業務執行の効率化と職務のバランスを保っています。さらに、取締役の指名・報酬等に関する経営の重要事項について取締役会が諮問する委員会や、サステナビリティ推進委員会をはじめとする全社リスクを管理する任意の委員会を設置・運営することで、取締役会の適正性・機動性・柔軟性及び多様性を確保しています。
2026年6月23日(有価証券報告書提出日)現在の取締役会は、13名の取締役及び5名の監査役で構成されており、うち社外取締役が5名、社外監査役が3名となっています(2026年6月26日開催予定の定時株主総会において会社提案議案が可決されますと、社外取締役が1名増員され、14名の取締役(うち社外取締役6名)及び5名の監査役(うち社外監査役3名)となる予定です。以下、社外取締役と社外監査役を総称して「社外役員」といいます。)。当社の社外役員は、全員が東京証券取引所及び当社の定める「独立性基準」を満たした独立役員です。独立役員が、それぞれの有する様々な専門的知識や経験に基づき、経営陣から独立した立場で、取締役会の付議議案に関して発言することにより、DNPグループが果たすべき責任の1つである「高い透明性」が確保できるとともに、一般株主の利益を保護することにもなると考えています。
このようなコーポレート・ガバナンス体制が有効に機能していることを、定期的に確認する作業も重要です。当社では毎年、取締役会の活動をその構成員である全取締役・全監査役が振り返る「取締役会全体の実効性評価」アンケートなどを活用し、社外役員を中心に改善課題への取り組みを適宜確認するPDCAサイクルを展開しています。
当社は、経営環境の変化に柔軟に対応しながら着実に収益を確保し、ステークホルダーに還元することでさらなる成長を目指しますが、当社の企業理念の実現に向けた、より実効的なガバナンス向上に資する取締役会のあり方については、独立した社外役員で構成する諮問委員会において継続して検討していきます。このような体制と運用により、DNPグループの持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図ることができると、当社は考えています。
●取締役会
[取締役会の構成]
・取締役会を構成する取締役は、社外取締役5名を含め13名です。多岐にわたる事業分野に関して、それぞれの専門的知識や経験を備えた取締役が、企業理念の実現に向けた経営の意思決定に参加し、責任と権限をもって職務を遂行するとともに、他の取締役の職務執行の監督を行います。
・経営に関する適正な監督機能を一層強化するため、他社での経営経験を有する者を含めた独立性を有する社外取締役が経営の意思決定に参画しています。
・社外取締役は、社内取締役に対する監督機能に加え、見識に基づく経営助言を通じて、取締役会の透明性と説明責任の向上に貢献する役割を担っています。
[取締役会の運営]
・取締役会に付議する議案の基準については、法令及び定款に準拠して制定された取締役会規則で明確にし、取締役会の適切な運営を確保しています。なお、その他の意思決定や業務執行については、組織規則等に基づき、取締役会で担当委任された各基本組織の担当取締役又は執行役員が組織長へ適切な権限委譲を実施することで、効率化を図っています。
・取締役会は、原則として月1回開催され、必要に応じて執行役員が報告者として出席し、重要な経営課題について審議・決定しています。臨機応変な意思決定のために、臨時で取締役会を開催することもありますが、取締役会出席率が100%となるよう、取締役会議長の指示により取締役会事務局が事前に日程調整を行い、オンラインでの出席や書面での決議といった手法も用いることがあります。
・取締役会において本質的な議論が活性化するよう、取締役会開催日の原則5営業日前に資料を配布するとともに、取締役会前営業日に事前説明会を開催し、社外役員に対して、担当取締役・執行役員から上程議案の概要について説明する機会を確保しています。
・監査役は、取締役会及び事前説明会に出席し、議事運営・決議内容・手続等を監査するとともに、必要に応じて発言を行います。
●監査役会
・監査役会は、財務及び会計に関する相当程度の知見を有する監査役3名を含む5名から構成されており、過半数が独立社外監査役です。各監査役は、取締役の職務執行について、監査役会の定める監査基準及び分担に従い監査を実施し、必要に応じて取締役及び執行役員等に対して、業務執行に関する報告を求めます。
・社外監査役は、会計監査及び業務監査双方の妥当性を高め、経営に対する監視機能を果たしています。
●経営会議
・当社は、経営活動の迅速性及び効率性を高めるため、業務執行取締役で構成する経営会議を設置し、経営方針、経営戦略、その他の経営上の重要な案件等について検討・審議します。
・取締役会に上程される重要な事業戦略案件は、およそ経営会議で事前に議論がなされるため、取締役(監督側)と事業部門(執行側)で慎重なリスク評価を実施することで、取締役会の円滑な遂行に貢献しています。
●諮問委員会
・当社は、取締役会の監督機能強化の一環として、当社の取締役・監査役候補者や執行役員の指名・報酬等の決定に関する手続の透明性及び客観性を確保するため、独立性を有する社外役員を構成員とする諮問委員会(事務局:法務部)を設置しています。
・諮問委員会は、取締役会の諮問機関として2015年に設置した任意の委員会です。指名委員会及び報酬委員会の双方の機能を有するほか、取締役会より諮問された経営の重要事項を審議しており、各委員が一般株主の利益保護を考慮した客観的な視点から助言・提言を行っています。
・2025年1月の取締役会において「諮問委員会規程」を改定し、諮問委員の役割などを再定義するとともに、委員会の中で分科会を設置して、特定のテーマについて検討を深める取り組みをしています。当事業年度は、ガバナンス分科会を複数回開催し、外部識者の意見も踏まえた議論を行いました。当期開催の諮問委員会では、分科会での議論などをもとに、会社の機関設計や取締役会構成、指名や報酬のあり方などを審議しました。
●リスク管理のための主な社内委員会(サステナビリティ推進委員会・BCM推進委員会・企業倫理行動委員会)
・昨今の社会環境の急変に伴い、ステークホルダーに影響を与える変動要素がますます多様かつ広範囲になってきていることから、当社取締役会は、このような状況においても適切にリスク評価したうえで中長期的な経営戦略に反映し、事業機会へと変換していくプロセスを強化することが、よりサステナブルな社会に貢献できると考え、3つの委員会が互いに連携してDNPグループの全社リスクを網羅し、サステナビリティ推進委員会を中心に経営のマテリアリティを定期的に検証して、経営会議や取締役会で審議しています。
・なお、2022年3月、諮問委員会における審議を経て、サステナビリティ推進委員会の組織改定を取締役会で決議し、代表取締役社長が委員長に就任しています。
●執行役員制度
・当社は、取締役会の監督機能の強化と経営効率の向上を図るため、執行役員制度を導入しており、取締役会で選任された執行役員が、取締役会で決定する業務の執行につき責任と権限をもって実施できる体制としています。
・経営環境の変化に対応して、最適な経営体制を機動的に構築するとともに、事業年度における経営責任をより一層明確にするために、取締役と同様に、執行役員の任期を1年としています。また、経営への参画意識をより高めるため、2020年6月末をもって、会社との契約関係を「雇用型」から「委任型」に変更しています。
・報酬体系についても、基本的に業務執行取締役と同様の扱いとしています。
<2026年3月期における取締役会等の活動状況>
②取締役会全体の実効性評価
当社は、2015年のコーポレートガバナンス・コード適用開始以降、取締役会全体の実効性を高めるためのガバナンス改善を進め、その取り組み状況を開示しています。
当社を取り巻く環境は激しく変化しており、その変動要素(リスク)をビジネスチャンスに反映するための実効的な取締役会を実現するための取り組みを継続する必要があると、当社は考えます。毎年実施している「取締役会全体の実効性評価」を、その取り組みに役立てています。
当社では、毎年4月に取締役会全体の実効性評価を実施し、現状の取締役会の体制や活動状況に関する取締役・監査役の率直な意見を把握するとともに、抽出された課題への対応状況を次年度に評価することを積み重ねることで、取締役会全体の機能向上及び監督機能の強化を図っています。
(実効性評価フロー図)

〔実施・評価プロセス〕
イ.実施概要の検討
取締役会事務局は、1年間の取締役会の運営状況や前期に確認された課題への取り組み・改善状況を踏まえ、全取締役・監査役に対して実施するアンケート調査の内容や、必要に応じて、外部機関を利用したインタビューなどアンケート以外の方法による評価の実施を検討します。
ロ.取締役会での趣旨説明(毎年3月)
アンケート調査の実施に先立ち、実施概要等を取締役会で改めて説明することにより、全取締役・監査役で実効性評価の目的・意義を改めて確認しています。
ハ.アンケート調査の実施(毎年4月)
・全取締役・監査役を対象に、数十問の設問で構成するアンケート調査(選択+自由記述)を実施します。
・アンケート内容は、基本的な項目を維持することで、中長期的な取り組み課題への改善状況も評価できるようにしつつ、社会の潮流を踏まえた設問となるよう、外部機関よりアドバイスを受けた設問等も参考に毎年見直しています。
ニ.回収・分析
取締役会事務局がアンケートを回収し、結果を分析します。必要に応じて、外部機関に回収・分析を依頼することもあります。
ホ.取締役会議長/社外役員への分析結果の報告
取締役会事務局は、社外役員に分析結果を報告し、前期の課題の改善状況や今後の課題を審議します。また、審議の内容について、取締役会議長に報告します。
ヘ.取締役会への報告(毎年5月)
アンケート調査結果及びこれを踏まえた今後の課題を取締役会で報告し、全取締役・監査役で共有します。
ト.確認された課題への対応検討
・社外役員ミーティングなども活用し、アンケート調査から抽出された今後の課題への具体的な取組内容を協議します。
・取締役会事務局は、取締役会議長をはじめとする取締役・監査役、関連部門と連携して、課題に対する取り組みを推進します。
〔2026年3月期の実効性評価の概要及び分析結果〕
2026年4月に実施した第11回実効性評価(2025年4月から2026年3月までに開催された全14回の取締役会が対象)の概要及び結果は、以下のとおりです。
なお今回は、昨今のガバナンス動向を踏まえ、当社の機関設計が十分に機能しているかを評価するとともに、当社におけるガバナンス上の強みを再認識することを目指しました。
イ.アンケート内容(選択+自由記述)
・第10回実効性評価の結果に対する取組課題への対応状況を確認しつつ、当期が3年間の中期経営計画の進捗を見極めつつさらなる成長を目指す新たな中期経営計画を立案すべき年であることを踏まえた設問構成に整理しました。
・実効性をより精緻に確認するため、5段階評価を維持しつつ、各設問に自由記入欄を設け、評価点の大小に関係なく建設的な意見を書けるようにしました。
ロ.分析結果
・今回(第11回)の実効性評価結果は、これまでの中期経営計画を振り返りながら新中期経営計画を策定する切替えのタイミングでしたが、全体平均は前年に引き続き「4.5」となり、取締役会全体の実効性は維持されていると考えます。
・なかでも、当社の機関設計(監査役会設置会社)の有効性に関する設問に対する評価は、全体平均「4.7」(取締役平均4.8、監査役平均4.5)でした。また、取締役会の実質的な議論を推進する環境に関する設問である、取締役会の議題設定(全体平均4.7)や社外役員への支援体制(社外平均4.6)についても、高い評価となりました。いずれの設問に対しても、現状に満足せずに、より良い環境を追求するよう意見が付いていました。
・ 一方で、低評価となった項目は、個別の投資案件の進捗状況(全体平均4.0)及びグループガバナンス(全体平均3.9)に関するものでした。これらは、新中期経営計画の立案検討の過程で、より深く議論すべきテーマであったと認識されていることが窺えました。
・ その他、自由記入欄では、取締役会におけるさらなる議論の深化のために、取り上げるテーマについて多くの提言がありました。
・ 昨年(第10回)のアンケート結果を踏まえた2つの課題に対する取り組み状況は、次のとおりでした。
a.現行の中期経営計画の振り返りと次の中期経営計画の策定に向けた議論の一層の活性化
新中期経営計画の策定に向け、丁寧に確認・議論を進めました。特に、当社の強みの一つである「人的資本」については、事業構造改革に伴う人材の再配置を含め、活発な議論が行われました。一方で、グループガバナンスへの取り組み状況など議論が不十分だったテーマもあることから、継続課題といたします。
b. 株主・投資家を含むステークホルダーとの対話状況に関する更なるフィードバックの充実
海外投資家向けカンファレンスへの参加やサステナビリティ説明会に社外取締役が登壇するなど、情報発信の取り組み強化に努め、取り組み状況は適宜取締役会にフィードバックされたことから、株主・投資家を意識した議論が活性化したものと捉えています。
ハ.分析結果に対する社外役員の意見交換
取締役会事務局でアンケート内容を分析し、その結果に基づく当社の取り組み課題について、2026年4月13日に社外取締役及び社外監査役の全員が集まり、意見交換を行いました。その内容は事務局を通じて、取締役会議長に報告され、2026年5月13日の取締役会でも共有されています。
ニ.今後の主な取組方針
今回のアンケートの分析結果を踏まえた今後の取り組み方針として、以下の課題に取り組むことを、全取締役・監査役で共有しました。
(1)新中期経営計画遂行の適時・適切な監督のための個別案件の進捗状況フォローの充実
新中期経営計画の策定にあたり、前中期経営計画の振り返りを実施したが、新中期経営計画遂行の適切な監督のため、取締役会において個別の投資案件や各種施策等の個別案件の進捗状況報告のより一層の充実を図る。
(2)あらゆるステークホルダーとの対話状況フィードバックのさらなる充実
株主・投資家との対話状況に加えて、その他のステークホルダーとの協働もさらに推進していくにあたり、従業員や取引先などのステークホルダーとの対話状況に関するフィードバックのさらなる充実を図る。
③責任限定契約の内容の概要
当社は、取締役(業務執行取締役等であるものを除く)及び監査役全員との間で会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項が定める損害賠償責任について、当社の取締役及び監査役として職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、同法第425条第1項が定める最低責任限度額を限度とする旨の責任限定契約を締結しています。
④役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、全ての取締役、執行役員及び監査役を被保険者とする役員等賠償責任保険契約を締結しており、保険料の全額を当社が負担しています。当該保険契約では、被保険者がその職務の執行(不作為を含みます)に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害賠償金や訴訟費用等が填補されます。ただし、違法な私的利益供与、犯罪行為等による損害については填補されない等の免責事由があります。その付保内容については、当社の事業規模及び役員の職務の執行の適正性へ与える影響等に鑑みて決定しています。
⑤会社の支配に関する基本方針
イ.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、株式を上場して市場での自由な取引に委ねているため、会社を支配する者のあり方は、最終的には株主全体の意思に基づいて決定されるべきであり、会社の支配権の移転を伴う買収提案に応じるか否かの判断についても、最終的には、株主全体の意思に基づいて行われるべきものと考えます。
しかし、当社株式の大量買付行為の中には、大量買付者のみが他の株主の犠牲の上に利益を得るような大量買付行為、株主が買付けに応じるか否かの判断をするために合理的に必要な期間・情報を与えない大量買付行為、大量買付け後の経営の提案が不適切である大量買付行為、大量買付者の買付価格が不当に低い大量買付行為等、株主共同の利益を毀損するものもあり得ます。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方として、当社の企業理念を理解し、当社の様々なステークホルダーとの信頼関係を築きながら、企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させることができる者でなければならないと考えます。したがって、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
ロ.会社の支配に関する基本方針の実現のための取り組み
当社は、当社株式の大量買付行為を行おうとする者に対しては、大量買付行為の是非を株主が適切な判断を行うために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主の検討のために必要な時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法、及びその他関連法令に基づき、適宜適切な措置を講じます。また、取締役会の意見等の開示にあたっては、その内容の客観性を確保するため、社外役員で構成する独立した委員会に取締役会としての意見を諮問するとともに、同委員会の答申を最大限尊重します。
当社取締役会では、この取り組みに公正性・中立性・合理性が担保されていると考えますので、上記の基本方針に沿うものであり、また、株主共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しています。
⑥取締役会で決議できる株主総会決議事項
イ.自己の株式の取得
当社は、資本効率の向上と経営環境に応じた機動的な資本政策の遂行のため、会社法第165条第2項により、取締役会の決議によって同条第1項に定める市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款で定めています。
ロ.取締役の責任免除
当社は、取締役が期待される役割を十分に発揮できるようにするため、会社法第426条第1項の規定により、同法第423条第1項の取締役(取締役であった者を含みます。)の責任を、法令の限度において、取締役会決議によって免除することができる旨を定款で定めています。
ハ.監査役の責任免除
当社は、監査役が期待される役割を十分に発揮できるようにするため、会社法第426条第1項の規定により、同法第423条第1項の監査役(監査役であった者を含みます。)の責任を、法令の限度において、取締役会決議によって免除することができる旨を定款で定めています。
ニ.中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元のため、取締役会決議によって毎年9月30日の最終の株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者に対して、会社法第454条第5項に定める金銭による剰余金の配当をすることができる旨を定款で定めています。
⑦取締役の定数
当社は、定款で取締役の定数を16名以内と定めています。
⑧取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨、及び累積投票によらない旨を、定款で定めています。
⑨株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営のため、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって決議を行う旨を定款で定めています。
⑩業務の適正を確保するための体制の整備についての決議の内容の概要及び当該体制の運用状況の概要
会社法及び会社法施行規則に基づいて取締役会が決議した、当社の業務並びに当社及び当社子会社から成る企業集団(DNPグループ)の業務の適正を確保するための体制の整備の内容の概要及び当該体制の運用状況の概要は次のとおりです。
イ.DNPグループの取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
a.当社は、原則として月1回開催される取締役会において、DNPグループにおける重要な経営課題について意思決定を行うとともに、取締役の職務の執行を監督します。また、業務執行取締役で構成される経営会議を設置し、経営方針や経営戦略、またサステナビリティ推進委員会で検討される変動要素(中長期的な経営リスク)の総合的なマネジメント推進状況の審議を行います。さらに、取締役の報酬や候補者の指名等については、独立性を有する社外役員のみで構成される諮問委員会における助言・提言を得ることとし、取締役会はそれを尊重することとしています。
b.当社は、DNPグループの全ての役職員の行動の規範として制定した「DNPグループ行動規範」の徹底を図ります。
c.当社は、「DNPグループ・コンプライアンス管理基本規程」に基づき、DNPグループのコンプライアンス体制における内部統制の統括組織として企業倫理行動委員会を設置し、コンプライアンスに関する体制を整備します。
d.当社は、業務執行部門から独立した内部監査部門として監査室を設置し、DNPグループの内部監査及び指導を行います。
e.当社は、DNPグループにおける内部通報の窓口である「オープンドア・ルーム」を社内外に設置し、また資材調達先及び業務委託先等社外からの情報提供の窓口である「コンプライアンス・ホットライン」を設置することにより、DNPグループの役職員の法令違反等に関する通報・情報を受け、その対応(通報者に対して不利な取扱いをしないことを含みます)を行います。
<運用状況の概要>
・当社取締役会は、独立性を有する社外取締役5名を含む13名(2026年3月末日時点)で構成され、当期は14回開催し、「取締役会規則」に基づき重要事項につき審議・決定を行うとともに、取締役の職務執行等を監督しました。また、経営会議を12回開催し、経営上の重要な案件について検討・審議を行いました。諮問委員会は7回開催し、取締役の報酬や候補者の指名といった重要な経営事項について審議し、助言・提言を行いました。
・「DNPグループ行動規範」をDNPグループの全ての役職員に配布するとともに、当社企業倫理行動委員会を中心に、全ての役職員を対象に行う年1回の研修(自律的企業倫理研修)や、新入社員研修などの階層別研修の機会を通じて、周知徹底を図っています。当社企業倫理行動委員会は、毎月1回以上開催し、DNPグループにおけるコンプライアンスに関する重要事項について適切に審議しています。また、国内外の社員が直接情報提供を行うことができる通報窓口を社内外に設置するとともに、資材調達先及び業務委託先等社外からの通報窓口も設置して、その周知・徹底を図り、適切に運営しています。当社監査室は、「内部監査規程」に基づき、業務執行部門から独立した立場で、監査計画に則り、当社各基本組織及びグループ会社の内部監査及び指導を実施し、その進捗や結果を、当社取締役会に加え、個別に、代表取締役社長、当社監査役及び会計監査人に報告しています。
ロ.当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
情報の保存及び管理について定めた規程等に従い、取締役の職務の執行に係る情報を文書又は電子文書に記録し、適切に保存・管理します。
<運用状況の概要>
取締役の職務の執行に係る情報については、「情報セキュリティ基本規程」及び「文書管理基準」に従い、担当部門にて適切に保存・管理しています。
ハ.DNPグループの損失の危険の管理に関する規程その他の体制
DNPグループにおけるコンプライアンス、情報セキュリティ、環境、災害、人権、製品安全、インサイダー取引及び輸出管理等の経営に重要な影響を及ぼすリスクについては、各リスクに対応する組織において、規程等の整備並びに各基本組織及び各グループ会社に対する検査・指導・教育を実施し、リスクの低減及び未然防止に努めるとともに、リスク発生時には、速やかにこれに対応し、損失の最小化を図ります。また、定期的にリスクの棚卸しを行い、経営に重要な影響を及ぼす新たなリスクについては、速やかに対応すべき組織及び責任者を定めます。
<運用状況の概要>
当社に設置した各種委員会その他の本社各基本組織では、経営に重要な影響を及ぼすリスクを選定し、そのリスクに対応すべき組織及び責任者を定めており、そのリスクに対する評価・改善活動を実施し、そのリスクの未然防止に努めています。なお、社会環境の急変により経営に影響を与える変動要素が多様かつ広範囲となっている状況に的確に対応するため、「サステナビリティ推進委員会」が中長期的な経営リスクを管理し、事業機会の把握及び経営戦略への反映を担うとともに、事業継続リスク対応を担う「BCM推進委員会」及び社員の法令・社会倫理上のリスクを担う「企業倫理行動委員会」が互いに連携して当社の全社リスクを網羅し、経営のマテリアリティを定期的に検証しています。
ニ.DNPグループの取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
a.当社は、規程等で定める範囲において、業務執行取締役から各基本組織を担当する執行役員又は組織長へ適切な権限委譲を実施することにより、業務執行の効率化を図ります。
b.当社は、各グループ会社が制定・整備する規程等を通じて、DNPグループにおける効率的な業務執行体制の構築を図ります。
<運用状況の概要>
当社は、業務執行取締役の権限を、「組織規則」、「職務権限規程」、「稟議規程」その他の規程等に基づき、各基本組織を担当する執行役員又は組織長へ適切に委譲し、責任体制の明確化を図っています。各グループ会社においても、各社の事業内容、規模等に照らして制定された規程等に基づき、職務権限の整備が行われています。
ホ.その他DNPグループにおける業務の適正を確保するための体制
a.当社は、業務の適正を確保するための体制等の構築及び運用に関して、「DNPグループ・コンプライアンス管理基本規程」及び「関係会社管理規程」を制定し、各グループ会社には、これらを基礎として、規程等を制定・整備するよう指導します。
b.各グループ会社には、前号の規程等に基づき、それぞれの事業内容、規模等を勘案して、親会社との事前協議事項又は事後報告事項を定めた規程等を自律的に整備させ、各グループ会社の取締役等の重要な職務執行に関する当社への報告体制を構築・運用させるとともに、その職務執行が、法令及び定款に適合すること及び効率的に行われることを確保します。なお、当社の上場子会社については、当該子会社の取締役会に一定数の社外役員が出席し、一般株主の利益保護を図るとともに、親会社である当社は、当該子会社の取締役会の意思決定を尊重することを「関係会社管理規程」で定めています。
c.DNPグループは、毎事業年度、当社各基本組織及びグループ会社における業務の適正を確保するための体制等の構築及び運用状況を確認するとともに、その内容を当社企業倫理行動委員会に報告します。
<運用状況の概要>
・各グループ会社は、当社の「DNPグループ・コンプライアンス管理基本規程」及び「関係会社管理規程」を基礎として、本社各基本組織の指導のもと、各社の事業内容、規模等を踏まえた規程等を制定・整備しています。また、重要な意思決定については、当社との事前協議事項又は事後報告事項を定めた「稟議規程」等に基づき、当社との事前協議又は当社への事後報告を行っています。
・当社の上場子会社に対しては、一般株主の利益保護の観点から一定割合(3分の1)以上の社外取締役を選任すること及び過半数の社外役員で運営する特別委員会を設置することを推奨し、取締役会における意思決定の客観性を高めるよう指導しています。
・当社各基本組織及び各グループ会社は、コンプライアンス体制における内部統制の整備・運用状況を確認し、当期末までに「部門確認書」として取り纏め、当社企業倫理行動委員会に報告しています。なお、当社の上場子会社については、各社が自律的に実施している取り組みが記載された「内部統制報告書」等の内容を、当社企業倫理行動委員会に報告しています。当社企業倫理行動委員会は、その結果について各法令等を主管する本社各基本組織に伝達し、本社各基本組織はその状況を確認し、必要に応じて、各基本組織及び各グループ会社に対して指導・教育を実施しています。
・当社監査室、当社企業倫理行動委員会、各専門の委員会その他の本社各基本組織は、当社各基本組織及び各グループ会社の内部統制の整備・運用状況について、監査もしくは検査、指導・教育を行っています。
ヘ.当社監査役の職務を補助すべき使用人に関する体制と当該使用人の取締役からの独立性に関する事項
監査役の職務を補助するため、監査役室を設置します。監査役室のスタッフは、当社監査役の指揮命令のもとに職務を執行しなければならないものとし、その人事考課、異動、懲戒等については、当社監査役会の同意を得るものとします。
<運用状況の概要>
当社は、取締役等の指揮命令から独立した監査役室の専任スタッフ2名を選任しています。当該スタッフに対しては、業務執行の実効性を確保するため、適切な調査・情報収集権限を付与しており、その人事考課、異動、懲戒等については、当社監査役会の同意を得ています。
ト.DNPグループの取締役及び使用人等が当社監査役に報告をするための体制及びその他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
a.当社監査役は、必要に応じて、いつでもDNPグループの役職員に対して、業務執行等に関する報告を求めることができるものとし、DNPグループの役職員は、法令及び規程等に定められた事項のほか、当社監査役から報告を求められた場合は、速やかに報告を行います。
b.当社監査役は、当社代表取締役社長及びグループ会社監査役との間で、それぞれ定期的又は随時に意見交換を行います。
c.当社監査役の職務の執行上必要と認める費用については、当社が負担するものとし、当社監査役会は、事前・事後に当社に請求できるものとします。
<運用状況の概要>
・当社監査役は、DNPグループの役職員から監査に必要な情報について適宜適切に報告を受けており、DNPグループに対する監査内容及びDNPグループにおける業務の適正を確保するための体制等の構築及び運用状況等については、当社監査室及び当社企業倫理行動委員会からそれぞれ定期的に報告を受けています。また、当社監査役は、「監査役監査基準」に基づき、内部通報における重要な情報が監査役にも提供されていること、及び通報を行ったことを理由として不利な取扱いを受けないことが確保されていることを確認しています。
・当社監査役は、当社代表取締役社長と定期的に意見交換を行い、グループ会社の監査役とは、適宜連絡会を開催しています。
・当社監査役の職務に関する費用は当社に必要と認められる範囲において当社負担としています。
(2) 【役員の状況】
①役員一覧
2026年6月23日(有価証券報告書提出日)現在の当社の役員の状況は、以下のとおりです。
男性 15名 女性 3名 (役員のうち女性の比率 16.7%)
(注)1.取締役宮島司、田村良明、白川浩、杉浦宣彦、熊平美香は、社外取締役です。
2.常勤監査役森ヶ山和久、監査役石井妙子、市川育義は、社外監査役です。
3.2025年6月27日開催の定時株主総会から1年です。
4.2023年6月29日開催の定時株主総会から4年です。
5.2025年6月27日開催の定時株主総会から4年です。
6.当社は、取締役会の監督機能の強化と経営効率の向上を図るため、執行役員制度を導入しています。
「執行役員」とその役職は、次のとおりです。
<大日本印刷株式会社 独立役員の独立性基準>
以下のいずれにも該当せず、当社の経営陣から独立した中立の存在でなければならない。
イ.当社及び当社の関係会社(以下、総称して「当社グループ」)の業務執行者(過去10年前から現在までに該当する者。なお、過去10年間において、当社グループの非業務執行取締役又は監査役であったことがある者については、当該取締役又は監査役への就任の前10年間において業務執行者に該当する者を含む。)
ロ.当社グループを主要な取引先((注)当社グループに製品又はサービスを提供する取引先グループ〔直接の取引先が属する連結グループに属する者〕であって、当社グループに提供する製品又はサービスの取引金額が当該取引先グループの直近事業年度における連結年間売上高もしくは総収入金額の2%の額を超える者)とする者又はその業務執行者
ハ.当社グループの主要な取引先((注)当社グループが製品又はサービスを提供する取引先グループであって、当社グループから当該取引先グループに対する製品又はサービスの取引金額が、当社グループの直近事業年度における連結年間売上高の2%の額を超える者)又はその業務執行者
ニ.当社グループの主要な借入先((注)当社グループの直近事業年度における連結総資産の2%を超える貸付を行っている者)又はその業務執行者
ホ.当社グループから役員報酬以外に多額の金銭その他の財産((注)当社グループから、役員報酬以外に、直近事業年度において、年間1,000万円又はその者の売上高もしくは総収入金額の2%のいずれか高い方の額を超える財産)を得ているコンサルタント、会計専門家又は法律専門家(当該財産を得ている者が団体である場合は、当該団体に所属する者)
ヘ.当社の主要株主(総議決権の10%以上の議決権を直接又は間接的に保有している者)又はその業務執行者
ト.当社グループが大口出資者(総議決権の10%以上の議決権を直接又は間接的に保有している者)となっている者の業務執行者
チ.当社の法定監査を行う監査法人に所属する者
リ.最近(1年以内)において、上記ロ.からチ.に該当していた者
ヌ.上記イ.からホ.までのいずれかに掲げる者(重要でない者を除く。)の近親者(二親等内の親族)
ル.社外役員の相互就任の関係にある先の業務執行者(過去10年前から現在までに該当する者)
ヲ.当社が寄付((注)直近3事業年度の平均で年間1,000万円又は寄付先の年間総収入金額の2%のいずれか高い方の額を超える寄付)を行っている先又はその業務執行者(過去10年前から現在までに該当する者)
(3) 【監査の状況】
①監査役監査の状況
イ.組織・人員
a.当社は、監査役会設置会社であり、常勤監査役2名、常勤社外監査役1名、非常勤社外監査役2名の合計5名で構成されています。各監査役の経験等は次のとおりです。
b.監査役会は、監査役の職務を補助するために監査役室を設置し、専任スタッフ2名を配置するとともに、当該スタッフに対して適切な調査・情報収集権限を付与しています。
ロ.監査役会の活動状況
a.監査役は、監査役会の定める監査基準及び期初の監査役会において決定した監査方針、監査方法、職務分担 を取締役会に報告するとともに、それらに基づき、年間を通じて監査活動を行っています。
当事業年度においては、効率性の観点から、一部Web会議システムを使用したヒアリングを実施しましたが、国内外事業所ともに対面での実施を基本とし、5本社部門、13事業部門、国内子会社42社・事業所、海外子会社7社、事業所に対して往査・ヒアリングを実施し、現地・現物の確認と把握に重点を置いた活動に努めました。
b.監査役会は、年度計画に基づき、取締役会開催に先立ち月次で開催するほか、単独でも開催しています。
さらに必要に応じて適宜開催いたします。当事業年度は合計19回開催いたしました。
なお、個々の監査役の出席状況は次のとおりです。
c.当事業年度における監査役会での主な議題は以下のとおりであり、議題に応じて、協議、審議、執行部門への要請事項の検討、意見表明等を行っております。
・決議事項として、監査方針、重点監査項目、監査方法、職務分担、監査計画、監査役会規則の改正、会計監査人の評価及び再任・不再任、監査報告書等
・報告及び協議事項として、会計監査人監査計画及び監査結果、「監査上の主要な検討事項(KAM)」について会計監査人の検討状況、常勤監査役活動状況及び監査結果、監査室による監査結果、企業倫理行動委員会等からの報告事項等
・執行部門への職務執行状況の聴取
・会計監査人又は監査室との意見交換会及び両者を交えた三者による意見交換会
ハ.監査役の活動状況
a.監査役は、取締役会及び同議案事前説明会に出席し、議事運営・決議内容・手続等を監査し、必要に応じて意見表明を行っています。
なお、当事業年度における個々の監査役の取締役会の出席状況は次のとおりです。
b.監査役は、会計監査人から期初に監査計画の説明を受け、期中に適時監査状況を聴取し、期末に監査結果の報告を受ける等、緊密な連携を図っています。また、常勤監査役は重要な子会社を含む、会計監査人による期中・期末監査講評及び棚卸への立会いを適宜実施しています。
KAMについては、前年度までの監査結果及び期中の監査を通じて、会計監査人が候補とした事項、その理由及び監査手続について適宜説明を受け、意見交換を行いました。それらの過程を経て、双方で意見の相違はなく、最終的に会計監査人が特に重要であると判断した事項がKAMとして決定されました。
c.常勤監査役は、監査役の協議によって決定した担当部門について、単独又は共同で、本社部門からの定例報告の受領、取締役・執行役員・事業部長・本社部長へのヒアリング、子会社への往査、必要と判断した社内会議への出席等を行い、執行部門の職務執行状況を確認するとともに、意見交換や所感表明を行っています。当事業年度における主な実施状況は以下のとおりです。
・監査室からの監査報告書の受領、監査室との定期連絡会の開催及び監査室と被監査部門との意見交換会への立会い
・サステナビリティ推進委員会事務局、BCM推進委員会事務局、企業倫理行動委員会事務局、情報セキュリティ委員会(同本部)、品質保証・製品安全委員会事務局等、主要な本社部門からの定期的な報告の聴取
・本社及び事業部の担当取締役又は執行役員、本社部門長、国内子会社・海外子会社及び工場・事業所へのヒアリング・往査
・企業倫理行動委員会へのオブザーバー参加他、社内会議への出席等
監査役は、年1回取締役会において、上記の監査実施状況及び重点監査項目に対する監査結果の概要を、報告・説明しております。
d.常勤監査役は、国内グループ各社の常勤監査役との連携と監査実施内容の共有化等によるグループベースでの監査役監査の充実を目的としたグループ監査役連絡会を主催しており、同会には会計監査人も出席して意見交換を行っております。当事業年度においては3回実施しました。
e.監査役と代表取締役社長は年2回意見交換会を実施しています。1回は監査役全員が、個々人の所見に基づく提言や意見表明を行いました。1回は常勤監査役全員が、1年間の監査結果を踏まえた監査所見に基づく提言や意見交換を行いました。
f.独立社外監査役は、独立社外取締役とともに、定例開催される社外役員連絡会に出席し、法務部担当取締役及び取締役会事務局に対して、取締役会の運営等に関する提言・意見表明を行っています。
②内部監査の状況
当社では、的確な経営の意思決定、適正かつ迅速な業務執行、並びにそれらの検査及び監査を可能とする体制を維持していくため、企業倫理行動委員会(事務局人員:内部統制チーム16名を含め、本務24名)が、財務報告の内部統制やコンプライアンス体制を推進するための内部統制統括組織として、「DNPグループ・コンプライアンス管理基本規程」に基づき業務執行部門を検査、指導し、運用状況等について定期的に監査役へ報告しています。また、監査室(人員:13名)が、「内部監査規程」に基づき会計監査・業務監査を実施し、監査役へ実施状況を報告することで、業務の適正を確保しています。なお、企業倫理行動委員会及び監査室は、それぞれの活動状況・監査結果に関して、適宜会計監査人と連携するとともに、取締役会に直接報告しています。
③会計監査の状況
イ.監査法人の名称
アーク有限責任監査法人
ロ.業務を執行した公認会計士
海老澤 弘毅
長﨑 善道
桑田 高志
ハ.監査業務に係る補助者の構成
公認会計士 11名、その他 25名
ニ.継続監査期間
1983年5月期~
ホ.監査法人の選定方針と理由、監査役及び監査役会による監査法人の評価内容
当社は監査法人を選定するにあたり、その監査体制、独立性、監査品質、品質管理、監査業務の執行状況等を総合的に判断しています。
アーク有限責任監査法人は、職業的専門家としての知識・技能を持った独立性の高い監査チームを組織し、当社の業務内容・事業環境や会計方針に精通した上で、適正かつ厳格な監査業務を遂行していることから、監査役会は、当社の会計監査人として適切と考えています。
へ.会計監査人の解任又は不再任の決定の方針
当社監査役会は、会計監査人の監査体制、独立性、監査品質、品質管理、監査業務の執行状況等を総合的に判断し、適正な監査の遂行が困難であると認められる場合、会社法第344条に基づき会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定し、当社取締役会は、当該決定に基づき、当該議案を株主総会に提出いたします。
また、当社監査役会は、会社法第340条に基づき会計監査人を解任することができるものとし、この場合、当社監査役会が選定した監査役は、解任後最初に招集される株主総会において、会計監査人を解任した旨及びその理由を報告いたします。
④監査報酬の内容等
イ.監査公認会計士等に対する報酬の内容
ロ.監査公認会計士等と同一のネットワーク(KRESTON GLOBAL)に対する報酬(イ.を除く)
該当事項はありません。
ハ.その他重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
ニ.監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容
前連結会計年度における当社の非監査業務の内容は、株式売出しに係るコンフォート・レター作成業務です。
また、当連結会計年度における当社の非監査業務の内容は、社債の発行に係るコンフォート・レター作成業務です。
ホ.監査報酬の決定方針
当社の監査報酬の決定方針は、監査予定日数、会社規模等を総合的に勘案の上、決定しております。
ヘ.監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
当社監査役会は、取締役、社内関係部署及び会計監査人からの必要な資料の入手や報告の聴取を通じて、会計監査人の監査計画の内容、従前の事業年度における職務執行状況や報酬見積の算出根拠などを検討した結果、会計監査人の報酬等について会社から提出された報酬案に同意しました。
(4) 【役員の報酬等】
〔取締役及び監査役の報酬等についての株主総会の決議に関する事項〕
当社取締役及び監査役の報酬は、株主総会で決議された報酬限度額内で算定しています。
※決議がされた時点において、その定めの対象とされていた員数
〔取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針に関する事項〕
当社取締役会は、客観的な報酬市場データを参考に水準を設定し、独立社外役員(社外取締役3名)のみで構成する諮問委員会の審議・検討を経た上で、その検討内容を尊重して、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針(以下「決定方針」といいます)を決議しています。当事業年度における決定方針は、2025年4月11日開催の取締役会で決議しています。
当事業年度においては、取締役会で各人別の報酬額の具体的内容の決定を代表取締役社長北島義斉に委任する旨の決議をし、受任した同氏がこれを決定しています。これらの権限を取締役会が委任した理由は、当社全体の業績を俯瞰しつつ各取締役の担当職務の評価を行うには、代表取締役社長が最も適しているからです。
当社は、代表取締役社長が委任を受けた権限を適切に行使するよう、諮問委員会において決定方針との整合性を含めた多角的な検討を行った上で、代表取締役社長がその検討内容を踏まえ、取締役の個人別の報酬等の内容を決定しています。
当社取締役会は、上記のとおり、諮問委員会における決定方針との整合性を含めた多角的な検討を経て取締役の個人別の報酬額を決定していることから、当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容は、決定方針に沿うものであると判断しています。
当事業年度における決定方針の概要は以下のとおりです。
①業務執行取締役の報酬
業務執行取締役の報酬は、 イ.固定報酬、 ロ.賞与及び ハ.株式報酬により構成されます。
(a)固定報酬と(b)賞与及び株式報酬の構成比率は、「(a)固定報酬 55%」:「(b)賞与及び株式報酬 45%」を目安とします。
また、報酬全体に占める株式報酬の割合は、12%を目安とします。なお、これらは、業績連動報酬としての目標を達成した場合における割合となります。
(当事業年度における報酬イメージ)

固定報酬、賞与及び株式報酬の額又は数の決定方針は、以下のとおりです。
イ.固定報酬:固定報酬は、客観的な報酬市場データを参考としつつ、役位を基準として、担当する職務、責任等の要素を勘案して決定するものとします。固定報酬は、毎月支給します。
ロ.賞与:賞与は、「連結営業利益」、「親会社株主に帰属する当期純利益」及び「ROE」を指標として、主として当事業年度の貢献度等を勘案して決定するものとします。賞与は、各事業年度の終了後において、当該事業年度の業績を基礎として算定した上で支給します。なお、当社は賞与の業績指標である3つの指標に加えて、サステナビリティへの動機付けを目的とした非財務指標(GHG排出量削減等)の目標達成度も考慮する旨を次年度の決定方針に追加し、2026年4月13日開催の取締役会で決議しました。
ハ.株式報酬:株式報酬は、中長期的な企業価値向上に向けたインセンティブを高めること、取締役が株式を保有することにより株主との利益共有を図ることを目的として、譲渡制限付株式報酬制度を導入しています。
業務執行取締役に割り当てる株式については、退任時まで譲渡制限を付すものとします。譲渡制限が解除される株式の数の算定方法については、(a)一定期間継続して当社の取締役であったことを条件(在任条件)とする部分と、(b)中長期的な経営目標の達成のインセンティブとするべく、3か年の中期経営計画と連動することとし、中期経営計画の目標として設定される指標(現行の指標としては、連結営業利益及びROE)の達成を条件(業績条件)とする部分につき、それぞれ設定しています。
業務執行取締役は、当社から支給された金銭債権の全部を現物出資財産として当社に給付し、当社の普通株式について発行又は処分を受けることとなります。
株式報酬として発行又は処分される当社の普通株式の総数は、年30万株以内(ただし、当社の普通株式の株式分割(当社の普通株式の無償割当てを含みます)又は株式併合が行われた場合その他譲渡制限付株式として発行又は処分される当社の普通株式の総数の調整が必要な事由が生じた場合には、当該総数は合理的に調整されます)とし、その1株当たりの払込金額は、各取締役会決議の日の前営業日における東京証券取引所における当社の普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合は、それに先立つ直近取引日の終値)を基礎として当該普通株式を引き受ける業務執行取締役に特に有利な金額とならない範囲において、取締役会において決定します。
また、当社の普通株式の発行又は処分並びにその現物出資財産としての金銭債権の支給にあたっては、当社と業務執行取締役との間で、①当社又は当社子会社の役職員を退任又は退職するまでの期間、株式報酬として割り当てられた当社の普通株式の譲渡、担保権の設定その他の処分をしてはならないこと、②「業績条件」を設定した株式報酬として割り当てられた株式について、当該業績条件を達成することができなかった場合、全部又は一部について譲渡制限を解除せず、予め決定する時期に当社が無償取得すること、③その他、法令や社内規程に違反したと取締役会が認めた場合など、一定の事由が生じた場合には当社が無償取得するクローバック条項を含む譲渡制限付株式割当契約を締結することを条件とします。
●業績連動報酬等に関する事項
業績連動報酬等に係る業績指標及び算定方法は、上記「取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針に関する事項」①に記載のとおりです。「賞与」の「連結営業利益」の指標は、当事業年度の連結業績予想である940億円としています。「株式報酬の業績条件型」とする部分の「連結営業利益」の指標は、中期経営計画の目標達成を意識づけることを目的として、中期経営計画期間と合わせて、評価期間を3年に設定の上、2023年度を初年度とする中期経営計画の最終年となる2025年度の「連結営業利益」目標である850億円としています。また、「親会社株主に帰属する当期純利益」及び「ROE」の各指標の目標は、「親会社株主に帰属する当期純利益」900億円、「ROE」8.0%です。実績は「連結営業利益」1,010億円、「親会社株主に帰属する当期純利益」1,039億円、「ROE」8.9%となりました。
当該指標を選択した理由は、事業年度の連結業績及び中期経営計画の達成状況を業績連動報酬に明確に反映させるためです。
②社外取締役の報酬
社外取締役については、業務執行から独立した立場を確保する観点から、業績との連動は行わず、固定報酬のみとします。
③監査役の報酬
監査役については、その役割と独立性の観点から、業績との連動は行わず、固定報酬のみとし、株主総会で決議された報酬限度内で、監査役の協議により決定します。
〔役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数〕
(注)1.賞与は、当事業年度に係る賞与として支払い予定の額であります。
2.当事業年度末現在の人員は、取締役(社外取締役を除く)8名、監査役(社外監査役を除く)2名、社外役員8名であります。
〔役員ごとの連結報酬等の総額等〕
(注)1.連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しております。
2.賞与は、当事業年度に係る賞与として支払い予定の額であります。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、株式価値の変動や配当金の受領により、利益を得ることを目的とする純投資目的の投資株式は保有しておりません。当社が取得する投資株式は、営業政策上の得意先との関係強化や、新技術・新製品の共同開発先との連携強化を目的としており、純投資目的以外の目的である投資株式に区分して保有しております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
イ.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
保有する個々の株式については、保有先との取引状況の推移、保有先の業績動向、当社の事業の状況や中長期的な経済合理性・将来の見通しを踏まえて具体的に精査し、保有の意義・目的について、定期的に検証を行っています。その結果、保有の意義がないと判断した株式については、売却を進めています。
当事業年度においては、下記に記載のとおり、22銘柄の株式数が減少しました。
ロ.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
ハ.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注)1.貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算しておりません。
2.定量的な保有効果の記載については、取引契約書上の問題等があり差し控えさせていただきます。保有の合理性は、保有先との取引状況の推移、保有先の業績動向、当社の事業の状況や中長期的な経済合理性・将来の見通しを踏まえて具体的に精査し、保有の意義・目的について、定期的に検証しております。
3.当社株式の保有の有無において、当該銘柄が持株会社の場合には、持株会社及び主要な子会社の当社株式の保有状況を確認しております。
4.「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。「*」は、当該銘柄の貸借対照表計上額が当社の資本金額の100分の1以下であり、かつ貸借対照表計上額の大きい順の60銘柄に該当しないため記載を省略していることを示しております。
5.第一生命ホールディングス㈱は、2025年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割しております。
6.サッポロホールディングス㈱は、2026年1月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割しております。
7.ヱスビー食品㈱は、2025年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割しております。
8.サイバートラスト㈱は、2025年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割しております。
9.第一生命ホールディングス㈱は、2026年4月1日付で㈱第一ライフグループへ商号を変更しております。
10.上新電機㈱は、2026年4月1日付で㈱Joshinへ商号を変更しております。
みなし保有株式
該当事項はありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
5 【従業員の状況等】
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
当社グループは、持続可能なより良い社会の実現と人々の心豊かな暮らしへの貢献を目指し、長期的な視点に立ち、自らがより良い未来を創り出す主体となる事業活動を展開することを経営の基本方針としています。この基本方針のもと、独自の強みである高度化された「印刷(Printing)」および「情報(Information)」の技術を基盤に、多様なパートナーとの「対話と協働」を通じてそれぞれの強みを掛け合わせ、社会課題の解決と新たな価値の創出に取り組んでいます。
こうした経営方針を持続的に実現していくためには、価値創出の基盤であり、競争力の源泉である人的資本の強化が不可欠であるとの認識のもと、当社グループでは、人財を最も重要な経営資本の一つとして位置付けています。人に対する普遍的・基本的な考え方を「人的資本ポリシー」として明確化し、育成、配置、処遇に関する共通の軸として位置付けるとともに、この方針に基づき、人への投資を積極的かつ継続的に拡充しています。
当社グループは、中期経営計画および各事業戦略の実現に向け、人材戦略を経営戦略と一体で推進しています。具体的には、各事業の戦略実現に向けた人材ニーズに対する人材の過不足状況を「DNP版キャリア・スキルマップ」により可視化することで、戦略的な人材配置やマッチング、必要人材の獲得・育成施策へとつなげ、経営戦略と人材戦略の連動を図っていきます。加えて、人への投資を通じて人的創造性(付加価値生産性)をグローバルで向上させ、企業価値および財務価値の向上につなげる好循環の確立を目指しています。
従業員の給与(賞与を含む)等の決定方針については、マネジメント(管理職)またはスペシャリスト(専門職)を自律的に選択できる複線型の役割等級制度を基盤として、市場競争力のある報酬水準および報酬体系の維持・確保を前提に、職務・職位および役割に対する期待貢献の発揮度に加え、行動やプロセス等を総合的に評価し、決定しています。当事業年度における従業員の平均年間給与は8,610,246円となり、前事業年度の8,298,269円から3.76%増加しています。このような処遇水準の向上については、「人的資本ポリシー」に基づく人的資本への継続的かつ積極的な投資の一環として実施しているものです。また、こうした賃金等の金銭的報酬に加え、自律的なキャリア形成や挑戦を後押しする制度、学び直しや能力開発の機会、働き方やウェルビーイングの向上に資する施策など、非金銭的要素を含めた「総合的な人への投資」を推進しています。
さらに、中期経営計画の達成状況等と連動した従業員向け株式交付制度や従業員持株会制度を通じて、企業価値向上に対するインセンティブの強化を図っています。従業員向け株式交付制度においては、当社グループの中長期的な成長および企業価値向上に対する従業員の意識を一層高めることを目的として、一定の条件を満たした従業員に対し当社株式を交付する仕組みを導入し、企業価値創出への貢献と処遇を中長期的な視点で結び付けています。また、従業員持株会制度においては、創業150周年を記念した施策として、一定期間継続加入している従業員等を対象に、特別奨励金として当社株式を付与するとともに、拠出継続年数に応じた奨励金率の引き上げを実施しています。これにより、従業員の経営参画意識を高め、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、株主との一層の価値共有を促進しています。これらの制度は、役員報酬制度における業績連動報酬および株式報酬の考え方との整合性を確保しつつ、従業員による価値創出への貢献を中長期的視点で適切に反映することを目的としています。
当社グループは、これらの人的資本に関する取り組みを通じて、中長期的な成長を支える強固な経営基盤の構築と、持続的な企業価値の創出を目指しています。なお、これらの方針に基づく具体的な取り組みについては、「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しています。
(2) 【従業員の状況】
①連結会社の状況
2026年3月31日現在
(注)1.従業員数は就業人員数(DNPグループからグループ外への出向者を除き、グループ外からDNPグループへの出向者を含む。)であります。従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員数であります。
2.臨時従業員は、雇用契約期間に6か月以上の定めのある従業員であります。
3.全社(共通)は、提出会社の本社部門及び提出会社の基礎研究部門等に所属している就業人員数であります。
②提出会社の状況
2026年3月31日現在
(注)1.従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であります。従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員数であります。
2.臨時従業員は、雇用契約期間に6か月以上の定めのある従業員であります。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.全社(共通)は、本社部門及び基礎研究部門等に所属している就業人員数であります。
5.従業員数が、前事業年度末と比較して874名減少しておりますが、主として2025年4月1日に当社の出版印刷事業について、当社の連結子会社である株式会社DNP書籍ファクトリー(同日付で「株式会社DNP出版プロダクツ」に商号変更)を承継会社とする吸収分割を行ったことによるものです。
③労働組合の状況
大日本印刷グループ労働組合連合会は、現在26労働組合が加盟し、グループ内の組合員数は約21,100人であります。
労使関係について、特に記載すべき事項はありません。
④使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の内容
1.従業員向け株式交付制度(株式付与ESOP信託)の概要
当社は2025年12月22日開催の取締役会において、当社グループの中長期的な成長および企業価値向上に対する従業員の意識を一層高めることを目的として、従業員向け株式交付制度(以下「本制度」といいます。)を導入することを決議しました。本制度は、2026年度から開始する3か年の新中期経営計画の対象期間における業績目標の達成状況に応じて、予め定める株式交付規程に基づき、当社従業員に対して、当社の株式及び当社株式の換価処分金額相当額の金銭を一定の要件を充足する従業員に交付または給付するものです。なお、本制度は一部の当社グループ会社の従業員にも導入を予定しております。
2.従業員に取得させる予定の株式の総数
有価証券報告書提出日現在で、未定であります。
3.本制度による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲
対象従業員のうち受益者要件を満たす者
⑤管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
ア 提出会社
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。計算式(当事業年度に育児休業等を開始した男性労働者の数)÷(当事業年度に配偶者が出産した男性労働者の数)×100
3.男女の賃金の差異については、賃金に賞与および基準外賃金を含んでいます。また、短時間勤務者、パート労働者については、正規雇用労働者の所定労働時間(1日8時間)で換算した人員数を基に平均年間賃金を算出しています。
4.社員個々の性自認を尊重し、本算定にあたり、社員から性自認についての申告があった際は、原則、申告に基づく性別に含めて算定することとしています。
5.当社においては、処遇制度上、賃金体系・水準面で男女の差はありません。
・正規雇用労働者全体では男女間で賃金の差異が生じていますが、その差異は、
①人員構成(年齢・勤続年数など)の要因による管理職ならびに上位等級における比率の差、
②育児休業や育児による短時間または短日数勤務の利用状況による所定外手当の差、
③その他各種手当の支給状況の差、
といった人員構成・働き方の違いが主な要因であると認識しています。
・当社は、女性管理職比率の向上に向けた育成・登用施策、キャリア形成支援、ならびに評価・登用の運用点検を通じてジェンダーギャップの解消に取り組んでいます。具体的な取り組み等については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティに関する具体的な取り組み ①人的資本の強化」に記載しています。
・パート・有期労働者の男女間賃金差異については、主に雇用形態の違いが起因しています。特に、定年後再雇用者は男性が多く、定年前の等級等を踏まえて処遇を決定しており、格差が生じています。
<男女賃金差異の影響度内訳>

イ 主要な連結子会社
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。計算式(当事業年度に育児休業等を開始した男性労働者の数)÷(当事業年度に配偶者が出産した男性労働者の数)×100
3.短時間勤務者、パート労働者については、正規雇用労働者の所定労働時間(1日8時間)で換算した人員数を基に平均年間賃金を算出しています。
4.社員個々の性自認を尊重し、本算定にあたり、社員から性自認についての申告があった際は、原則、申告に基づく性別に含めて算定することとしています。
5.連結子会社のうち主要な連結子会社以外のものについては、「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参考情報 (2) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。
第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1)当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)に基づいて作成しております。
(2)当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1963年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の財務諸表について、アーク有限責任監査法人による監査を受けております。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組を行っております。具体的には、公益財団法人財務会計基準機構に加入し、同機構の行う研修に参加すること等で、会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備しております。
1 【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結貸借対照表】
②【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
④【連結キャッシュ・フロー計算書】
【注記事項】
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)
1.連結の範囲に関する事項
(1)連結子会社の数 116社
連結子会社名は、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載しているため省略しております。
当連結会計年度より、株式取得等に伴いRubicon SEZC他9社を新たに連結の範囲に含めております。
また、合併による消滅に伴い4社を連結の範囲から除外しております。
(2)主要な非連結子会社の名称等
㈱DNPテクノリサーチ
(連結の範囲から除いた理由)
非連結子会社は、いずれも小規模であり、合計の総資産、売上高、当期純損益(持分に見合う額)及び利益剰余金(持分に見合う額)等は、いずれも連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないためであります。
2.持分法の適用に関する事項
(1)持分法を適用した関連会社の数 21社
主要な持分法適用会社はBIPROGY㈱、DICグラフィックス㈱、教育出版㈱、新光電気工業㈱、
Photronics DNP Mask Corporation、MK Smart Joint Stock Company、
Photronics DNP Mask Corporation Xiamenであります。
当連結会計年度より、株式取得等に伴い2社を新たに持分法の適用範囲に含めております。
また、新光電気工業㈱は2025年12月1日にJICC-04㈱から社名変更しております。
(2)持分法を適用していない非連結子会社及び関連会社のうち主要な会社の名称等
㈱DNPテクノリサーチ
(持分法を適用していない理由)
持分法を適用していない非連結子会社及び関連会社は、それぞれ当期純損益(持分に見合う額)及び利益剰余金(持分に見合う額)等からみて、持分法の対象から除いても連結財務諸表に及ぼす影響が軽微であり、かつ全体としても重要性がないためであります。
(3)持分法の適用の手続について特に記載する必要があると認められる事項
持分法適用会社のうち、決算日が連結決算日と異なる会社については、主として各社の事業年度に係る財務諸表を使用しております。
3.連結子会社の事業年度等に関する事項
連結子会社のうち、北海道コカ・コーラボトリング㈱他40社の決算日は12月31日、丸善CHIホールディングス㈱他19社の決算日は1月31日でありますが、連結財務諸表の作成にあたってはそれぞれ同日現在の財務諸表を使用しております。
また、㈱インテリジェント ウェイブの決算日は6月30日、シミックCMO㈱他4社の決算日は9月30日、DNP田村プラスチック㈱他1社の決算日は10月31日、㈱DNP・SIG Combiblocの決算日は12月31日であり、それぞれ仮決算に基づく財務諸表を使用しております。
上記の決算日または仮決算日と連結決算日との間に生じた重要な取引については、連結上必要な調整を行っております。
4.会計方針に関する事項
(1)重要な資産の評価基準及び評価方法
イ.有価証券
満期保有目的の債券
償却原価法(定額法)
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は主として移動平均法により算定しております。)
市場価格のない株式等
主として移動平均法による原価法
ロ.デリバティブ
主として時価法
ハ.棚卸資産
貸借対照表価額については、収益性の低下による簿価切下げの方法により算定しております。
(2)重要な減価償却資産の減価償却の方法
イ.有形固定資産(リース資産及び使用権資産を除く)
当社及び国内連結子会社は、主として定率法を採用しております。
ただし、1998年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備を除く)並びに2016年4月1日以降に取得した建物附属設備及び構築物については、定額法を採用しております。
また、取得価額が10万円以上20万円未満の資産については、主として3年間で均等償却する方法を採用しております。
在外連結子会社は、主として定額法を採用しております。
なお、主な耐用年数は以下のとおりであります。
ロ.無形固定資産(リース資産及び使用権資産を除く)
主として定額法を採用しております。
なお、自社利用のソフトウエアについては、主として社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法を採用しております。
ハ.リース資産
所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産
自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と同一の方法を採用しております。
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
ニ.使用権資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
(3)重要な引当金の計上基準
イ.貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
ロ.賞与引当金
従業員に対して翌連結会計年度に支給する賞与のうち、当連結会計年度に負担すべき支給見込額を計上しております。
(4)退職給付に係る会計処理の方法
イ.退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当連結会計年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
ロ.数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
数理計算上の差異は、各連結会計年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定年数(主として9年)による定率法により計算した額をそれぞれ発生の翌連結会計年度から費用処理しております。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定年数(主として6年)による定額法により費用処理しております。
(5)重要な収益及び費用の計上基準
当社及び連結子会社の顧客との契約から生じる収益に関する主要な事業における主な履行義務の内容及び当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)は以下のとおりであります。
イ.主要な事業における主な履行義務の内容
当社及び連結子会社の主な履行義務は、「スマートコミュニケーション部門」、「ライフ&ヘルスケア部門」、「エレクトロニクス部門」の各部門における、製品及び商品の販売、サービスの提供等であります。各部門における具体的な商材は「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおりであります。
ロ.当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)
① 製品及び商品の販売
国内の製品及び商品の販売については、主に「収益認識に関する会計基準の適用指針」第98項に定める代替的な取扱いを適用し、出荷時から当該製品及び商品の支配が顧客に移転される時までの期間が通常の期間である場合については、出荷基準で収益を認識しております。製品及び商品の輸出販売については、顧客との契約に基づいた貿易条件により、当該製品及び商品に対する危険負担が移転した時点で顧客が支配を獲得するため、当該時点で履行義務が充足されると判断し、収益を認識しております。また、一部の連結子会社(スマートコミュニケーション部門)における店舗での商品販売については、顧客に商品を引き渡した時点で顧客が支配を獲得するため、当該時点で履行義務が充足されると判断し、収益を認識しております。
② サービスの提供
サービスの提供については、履行義務が一時点で充足される場合には、サービスの提供を顧客が検収した時点で、当該履行義務が充足されると判断し、収益を認識しております。また、履行義務が顧客との契約により契約期間の一定期間にわたり充足される場合には、時の経過に伴い当該履行義務が充足されると判断し、契約期間にわたって均等按分し収益を認識しております。
(6)重要な外貨建の資産又は負債の本邦通貨への換算の基準
外貨建金銭債権債務は、連結決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しております。なお、在外子会社等の資産及び負債は、在外子会社の決算日の直物為替相場により円貨に換算し、収益及び費用は期中平均相場により円貨に換算し、換算差額は純資産の部における為替換算調整勘定及び非支配株主持分に含めております。
(7)重要なヘッジ会計の方法
イ.ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理を採用しております。
なお、為替予約については振当処理の要件を満たしている場合は振当処理によっております。
ロ.ヘッジ手段とヘッジ対象
ハ.ヘッジ方針
当社及び連結子会社の市場リスクに係る社内規程に基づき、為替変動リスクをヘッジしております。
ニ.ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジ対象とヘッジ手段の相場変動又はキャッシュ・フロー変動の累計を比較し、両者の変動額等を基礎にして、ヘッジ有効性を評価しております。
(8)のれんの償却方法及び償却期間
のれんについては、20年以内のその効果の発現する期間にわたって定額法により償却することとしております。
(9)連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資からなります。
(重要な会計上の見積り)
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
繰延税金資産
(1) 当連結会計年度に計上した金額 57,741百万円
(2) その他の情報
繰延税金資産は、将来減算一時差異等に対して、事業計画等に基づく将来の課税所得等によって回収される可能性が高い範囲内で認識しており、その時期及び金額を合理的に見積り算定しております。
当社グループでは繰延税金資産の金額を算出するにあたって、取締役会により承認された事業計画を基礎として見積りを行っております。地政学リスクの長期化が及ぼす経営環境への影響を正確には見通せない状況ですが、その影響は一定期間続くとの仮定に基づき会計上の見積りを行っております。
当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
繰延税金資産
(1) 当連結会計年度に計上した金額 54,780百万円
(2) その他の情報
繰延税金資産は、将来減算一時差異等に対して、事業計画等に基づく将来の課税所得等によって回収される可能性が高い範囲内で認識しており、その時期及び金額を合理的に見積り算定しております。
当社グループでは繰延税金資産の金額を算出するにあたって、取締役会が承認する事業計画を基礎として見積りを行っております。地政学リスクの長期化が及ぼす経営環境への影響を正確には見通せない状況ですが、その影響は一定期間続くとの仮定に基づき会計上の見積りを行っております。
当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
(未適用の会計基準等)
・「リースに関する会計基準」(企業会計基準第34号 2024年9月13日 企業会計基準委員会)
・「リースに関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第33号 2024年9月13日 企業会計基準委員会)
ほか、関連する企業会計基準、企業会計基準適用指針、実務対応報告及び移管指針の改正
(1)概要
国際的な会計基準と同様に、借手のすべてのリースについて資産・負債を計上する等の取扱いを定めるもの。
(2)適用予定日
2028年3月期の期首より適用予定であります。
(3)当該会計基準等の適用による影響
影響額は、当連結財務諸表の作成時において評価中であります。
(連結貸借対照表関係)
※1.担保提供資産及び担保付債務
※2.非連結子会社及び関連会社に対するものは、次のとおりであります。
※3.流動負債及び固定負債のその他のうち、契約負債の金額は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係) 3.(1)契約資産及び契約負債の残高等」に記載しております。
(連結損益計算書関係)
※1.顧客との契約から生じる収益
売上高には、顧客との契約から生じる収益とそれ以外の収益を含めておりますが、そのほとんどが顧客との契約から生じる収益であり、それ以外の収益に重要性はないため、区分表示しておりません。
※2.販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は、次のとおりであります。
※3.販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費
なお、当期製造費用に含まれる研究開発費はありません。
※4.固定資産売却益の内訳
※5.固定資産売却損の内訳
※6.減損損失
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当社グループは以下の資産グループについて減損損失を計上しております。
当社グループは、減損損失の算定にあたり、主として損益の単位となる事業グループを基準に資産のグルーピングを行っております。また、遊休資産については個別物件ごとに減損の検討を行っております。
この結果、収益性が低下した事業用資産グループ、使用見込がない遊休資産について、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失(70,268百万円)として特別損失に計上しております。
その内訳は、建物及び構築物27,204百万円、機械装置及び運搬具24,423百万円、建設仮勘定6,425百万円、ソフトウエア6,160百万円、のれん1,249百万円、その他4,805百万円です。
収益性が低下した資産の回収可能価額は使用価値又は正味売却価額により測定しております。使用価値については、今後の営業活動から生じるキャッシュ・フローを加重平均資本コストを基礎とした割引率で割引いて算定しておりますが、今後の営業活動から生じるキャッシュ・フローがマイナスと見込まれる場合は零として評価しております。また、正味売却価額は、不動産鑑定等を基準として算定しております。なお、閉鎖・移転を計画している拠点については、拠点の閉鎖・移転時に不要となる資産の帳簿価額をそれぞれ減額しております。
遊休資産の回収可能価額については、正味売却価額により測定しており、正味売却価額については売却予定価額等により算定しております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
当社グループは以下の資産グループについて減損損失を計上しております。
当社グループは、減損損失の算定にあたり、主として損益の単位となる事業グループを基準に資産のグルーピングを行っております。また、遊休資産については個別物件ごとに減損の検討を行っております。
この結果、収益性が低下した事業用資産グループについて、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失(13,293百万円)として特別損失に計上しております。
その内訳は、建物及び構築物3,138百万円、機械装置及び運搬具2,978百万円、建設仮勘定608百万円、のれん1,001百万円、ソフトウエア3,578百万円、その他1,988百万円です。
収益性が低下した資産の回収可能価額は使用価値又は正味売却価額により測定しております。使用価値については、今後の営業活動から生じるキャッシュ・フローを加重平均資本コストを基礎とした割引率で割引いて算定しておりますが、今後の営業活動から生じるキャッシュ・フローがマイナスと見込まれる場合は零として評価しております。また、正味売却価額は、不動産鑑定等を基準として算定しております。なお、閉鎖・移転を計画している拠点については、拠点の閉鎖・移転時に不要となる資産の帳簿価額をそれぞれ減額しております。
(連結包括利益計算書関係)
※ その他の包括利益に係る組替調整額並びに法人税等及び税効果額
(連結株主資本等変動計算書関係)
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
(注)1.普通株式の発行済株式総数の増加277,240千株は、株式分割による増加277,240千株であります。
2.普通株式の発行済株式総数の減少30,000千株は、自己株式の消却による減少30,000千株であります。
3.普通株式の自己株式数の増加65,202千株の内訳は、以下のとおりであります。
(株式分割前)
・取締役会決議による自己株式の取得による増加 9,479千株
・譲渡制限付株式報酬制度における自己株式の無償取得による増加 0千株
・単元未満株式の買取りによる増加 1千株
(株式分割時・株式分割後)
・株式分割による増加 47,090千株
・取締役会決議による自己株式の取得による増加 8,627千株
・単元未満株式の買取りによる増加 1千株
・持分法適用関連会社に対する持分率の変動による増加 0千株
4.普通株式の自己株式数の減少30,033千株の内訳は、以下のとおりであります。
(株式分割前)
・譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分による減少 33千株
・持分法適用関連会社に対する持分率の変動による減少 0千株
(株式分割後)
・自己株式の消却による減少 30,000千株
・単元未満株式の売渡しによる減少 0千株
2.配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(注)2024年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。「1株当たり配当額」については、当該株式分割前の金額を記載しております。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
(注)1.普通株式の発行済株式総数の減少85,000千株は、自己株式の消却による減少85,000千株であります。
2.普通株式の自己株式数の増加20,318千株の内訳は、以下のとおりであります。
・取締役会決議による自己株式の取得による増加 20,313千株
・譲渡制限付株式報酬制度における自己株式の無償取得による増加 2千株
・単元未満株式の買取りによる増加 2千株
・持分法適用関連会社に対する持分率の変動による増加 0千株
3.普通株式の自己株式数の減少85,081千株の内訳は、以下のとおりであります。
・譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分による減少 81千株
・自己株式の消却による減少 85,000千株
2.配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
2026年6月26日開催の定時株主総会の議案として、次のとおり付議する予定です。
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
※ 現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係
(リース取引関係)
1.ファイナンス・リース取引
重要性が乏しいため、記載は省略しております。
2.オペレーティング・リース取引
オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料
(金融商品関係)
1.金融商品の状況に関する事項
(1)金融商品に対する取組方針
当社グループは、資金運用については、安全性の高い金融資産で運用しており、資金調達については、銀行からの借入や社債の発行により必要な資金を調達しております。デリバティブ取引は、後述するリスクを回避するために利用しており、投機目的のためのデリバティブ取引は行わないこととしております。
(2)金融商品の内容及びそのリスク
営業債権である受取手形及び売掛金は、顧客の信用リスクに晒されております。また、その一部には輸出に伴う外貨建てのものがあり、為替の変動リスクに晒されております。有価証券及び投資有価証券は、主として株式であり、市場価格の変動リスクに晒されております。
営業債務である支払手形及び買掛金は、ほとんど1年以内の支払期日であります。また、その一部には、原料等の輸入に伴う外貨建てのものがあり、為替の変動リスクに晒されております。借入金及び社債は、主に設備投資に必要な資金の調達を目的としたものであり、償還日は決算日後、最長で14年後であります。このうち一部は、変動金利であるため金利の変動リスクに晒されております。
デリバティブ取引は、外貨建て債権債務に係る為替の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした為替予約取引であります。なお、ヘッジ会計に関するヘッジ手段とヘッジ対象、ヘッジ方針、ヘッジの有効性の評価方法等については、前述の「会計方針に関する事項」の「重要なヘッジ会計の方法」をご参照ください。
(3)金融商品に係るリスク管理体制
① 信用リスク(取引先の契約不履行等に係るリスク)の管理
当社は、社内規程に従い、営業債権について、各事業部門において主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理するとともに、財務状況等の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。連結子会社についても、当社の社内規程に準じて、同様の管理を行っております。
デリバティブ取引の利用にあたっては、信用リスクを軽減するために、格付の高い金融機関に限定して取引を行っております。
当期の連結決算日現在における最大信用リスク額は、信用リスクに晒される金融資産の貸借対照表価額により表わされております。
② 市場リスクの管理
当社及び一部の連結子会社は、為替相場の変動による損失を防ぐ目的で、輸出取引に関しては外貨建て売上債権額及び受注残高を限度として、輸入取引に関しては一定額以上の取引に関しての外貨建て買入債務について、為替予約取引を行っております。
投資有価証券については、定期的に時価や発行体(取引先企業)の財務状況を把握しております。
デリバティブ取引の管理、実行については、取引方法や限度額を定めた社内規程に基づき、経理本部等にて行っております。
③ 資金調達に係る流動性リスク(支払期日に支払いを実行できなくなるリスク)の管理
当社及び連結子会社は、各部署からの報告に基づいた資金繰計画を作成、適時更新することで、適正な手許流動性を維持することなどにより、流動性リスクを管理しております。
(4)金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価の算定においては変動要因を織り込んでいるため、異なる前提条件等を採用することにより、当該価額が変動することもあります。また、「デリバティブ取引関係」注記におけるデリバティブ取引に関する契約額等については、その金額自体がデリバティブ取引に係る市場リスクを示すものではありません。
2. 金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額については、次のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
※1.「現金及び預金」、「受取手形」、「売掛金」、「支払手形及び買掛金」及び「短期借入金」については、現金であること、及び短期間で決済されるため、時価が帳簿価額に近似するものであることから、記載を省略しております。
※2.市場価格のない株式等は、「(1)投資有価証券」には含まれておりません。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
※3.デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、( )で示しております。
※4.連結貸借対照表に持分相当額を純額で計上する組合その他これに準ずる事業体への出資については含めておりません。当該出資の連結貸借対照表計上額は532百万円であります。
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
※1.「現金及び預金」、「受取手形」、「売掛金」、「支払手形及び買掛金」及び「短期借入金」については、現金であること、及び短期間で決済されるため、時価が帳簿価額に近似するものであることから、記載を省略しております。
※2.市場価格のない株式等は、「(1)投資有価証券」には含まれておりません。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
※3.デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、( )で示しております。
※4.連結貸借対照表に持分相当額を純額で計上する組合その他これに準ずる事業体への出資については含めておりません。当該出資の連結貸借対照表計上額は529百万円であります。
(注1)金銭債権及び満期がある有価証券の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注2)社債、長期借入金及びその他の有利子負債の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
3.金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項
金融商品の時価を、時価の算定に係るインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、活発な市場において形成される当該時価の算定の対象となる資産又は負債に関する相場価格により算定した時価
レベル2の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、レベル1のインプット以外の時価の算定に係るインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:観察できない時価の算定に係るインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類しております。
(1) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
※ 一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従い、投資信託の基準価額を時価とみなす投資信託については含めておりません。当該投資信託の連結貸借対照表計上額は47百万円であります。
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
※ 一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従い、投資信託の基準価額を時価とみなす投資信託については含めておりません。当該投資信託の連結貸借対照表計上額は63百万円であります。
(2) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品以外の金融商品
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注)時価の算定に用いた評価技法及び時価の算定に係るインプットの説明
投資有価証券
上場株式及び社債は主として相場価格を用いて評価しております。上場株式は活発な市場で取引されているため、その時価をレベル1の時価に分類しております。一方で、当社グループが保有している社債は、市場での取引頻度が低く、活発な市場における相場価格とは認められないため、その時価をレベル2の時価に分類しております。その他に含めておりますJ-KISS型新株予約権は、過去の取引価格を基礎として、金融商品の価値に影響を与える事象を考慮して、直近の時価を見積もっており、レベル3の時価に分類しております。
デリバティブ取引
為替予約の時価は、金利や為替レート等の観察可能なインプットを用いて割引現在価値法により算定しており、レベル2の時価に分類しております。
社債(1年内償還予定を含む)
当社グループの発行する社債の時価は、相場価格を利用できるものについては、日本証券業協会の売買参考統計値を用いて公正価値を算定しており、相場価格を利用できないものについては、元利金の合計額と当該社債の残存期間及び信用リスクを加味した利率を基に割引現在価値法により算定しており、それぞれレベル2の時価に分類しております。
長期借入金(1年内返済予定を含む)
長期借入金の時価は、主として元利金の合計額を、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しており、レベル2の時価に分類しております。
(有価証券関係)
1.満期保有目的の債券
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
2.その他有価証券
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
3.当連結会計年度中に売却したその他有価証券
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
4.減損処理を行った有価証券
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
表中の「取得原価」は減損処理後の帳簿価額であります。なお、当連結会計年度において減損処理を行い、投資有価証券評価損269百万円を計上しております。
なお、減損処理にあたっては、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
表中の「取得原価」は減損処理後の帳簿価額であります。なお、当連結会計年度において減損処理を行い、投資有価証券評価損1,839百万円を計上しております。
なお、減損処理にあたっては、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。
(デリバティブ取引関係)
1. ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
通貨関連
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
2. ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引
通貨関連
前連結会計年度(2025年3月31日)
(注)為替予約の振当処理によるものは、ヘッジ対象とされている売掛金及び買掛金と一体として処理されているため、その時価は、当該売掛金及び買掛金の時価に含めて記載しております。
当連結会計年度(2026年3月31日)
(注)為替予約の振当処理によるものは、ヘッジ対象とされている売掛金及び買掛金と一体として処理されているため、その時価は、当該売掛金及び買掛金の時価に含めて記載しております。
(退職給付関係)
1.採用している退職給付制度の概要
当社及び主な国内連結子会社は、確定給付型の制度として確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を、確定拠出型の制度として確定拠出年金制度を設けております。なお、従来より設定していた退職給付信託は、前連結会計年度においてその全てについて返還を受けております。
一部の連結子会社は、簡便法により退職給付に係る負債及び退職給付費用を計算しております。
また、一部の海外連結子会社は、確定給付制度のほか、確定拠出制度を設けております。
2.確定給付制度(簡便法を適用した制度を含む。)
(1)退職給付債務の期首残高と期末残高の調整表
(単位:百万円)
(2)年金資産の期首残高と期末残高の調整表
(単位:百万円)
(3)退職給付債務及び年金資産の期末残高と連結貸借対照表に計上された退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産の調整表
(単位:百万円)
(4)退職給付費用及びその内訳項目の金額
(単位:百万円)
(注)1.企業年金基金に対する従業員からの拠出額を控除しております。
2.簡便法を適用した連結子会社の退職給付費用は、「勤務費用」に計上しております。
3.退職給付信託返還益は、特別利益に計上しております。
4.上記退職給付費用以外に割増退職金を支払っており、前連結会計年度においては3,773百万円を、当連結会計年度においては4,086百万円を特別損失に計上しております。
(5)退職給付に係る調整額
退職給付に係る調整額に計上した項目(法人税等及び税効果控除前)の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(6)退職給付に係る調整累計額
退職給付に係る調整累計額に計上した項目(法人税等及び税効果控除前)の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(7)年金資産に関する事項
①年金資産の主な内訳
年金資産合計に対する主な分類ごとの比率は、次のとおりであります。
(注)オルタナティブは、主にヘッジファンド、マルチアセット、インフラ、不動産を投資対象とした運用商品であります。
②長期期待運用収益率の設定方法
年金資産の長期期待運用収益率を決定するため、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮しております。
(8)数理計算上の計算基礎に関する事項
主要な数理計算上の計算基礎
(注)上記に記載している割引率は、複数の割引率を加重平均で表わしております。
3.確定拠出制度
当社及び連結子会社の確定拠出制度への要拠出額は、前連結会計年度2,576百万円、当連結会計年度2,514百万円であります。
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(注)1.評価性引当額が706百万円減少しております。この主な内容は次のとおりであります。
将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額については、期末時点における将来の課税所得を見積った結果、翌期以降の回収可能額が増加したため減少しました。
2.税務上の繰越欠損金及びその繰延税金資産の繰越期限別の金額
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
(a)税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額であります。
(b)税務上の繰越欠損金10,884百万円(法定実効税率を乗じた額)について、繰延税金資産976百万円を計上しております。
この繰延税金資産976百万円は、連結子会社における税務上の繰越欠損金のうち一部について、将来の課税所得の見積りにより回収可能と判断したため計上したものです。
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
(a)税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額であります。
(b)税務上の繰越欠損金10,766百万円(法定実効税率を乗じた額)について、繰延税金資産621百万円を計上しております。
この繰延税金資産621百万円は、連結子会社における税務上の繰越欠損金のうち一部について、将来の課税所得の見積りにより回収可能と判断したため計上したものです。
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
(注)当連結会計年度は、法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間の差異が法定実効税率の100分の5以下であるため注記を省略しております。
(収益認識関係)
1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報
顧客との契約から生じる収益を分解した情報は、「注記事項(セグメント情報等)」の売上高に記載のとおりであります。
2.顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (5) 重要な収益及び費用の計上基準」に記載のとおりであります。
3.顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当連結会計年度末において存在する顧客との契約から翌連結会計年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関する情報
(1) 契約資産及び契約負債の残高等
(単位:百万円)
契約資産は、主に、顧客との契約について期末日時点で完了しているが、未請求の履行義務に係る対価に対する当社及び連結子会社の権利に関連するものであります。契約資産は、対価に対する当社及び連結子会社の権利が無条件になった時点で顧客との契約から生じた債権に振り替えられます。
契約負債は、主に、契約に基づく履行に先立って顧客から受領した対価に関連するものであり、契約に基づき履行した時点で収益に振り替えられます。契約負債は、連結貸借対照表上、流動負債及び固定負債のその他に含まれております。
前連結会計年度に認識された収益の額のうち期首現在の契約負債残高に含まれていた額に重要性はありません。
過去の期間に充足した履行義務から、前連結会計年度に認識した収益(例えば、取引価格の変動)の額に重要性はありません。
当連結会計年度に認識された収益の額のうち期首現在の契約負債残高に含まれていた額に重要性はありません。
過去の期間に充足した履行義務から、当連結会計年度に認識した収益(例えば、取引価格の変動)の額に重要性はありません。
(2) 残存履行義務に配分した取引価格
個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引がないため、実務上の便法を使用し、残存履行義務に関する情報の記載を省略しております。
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
(1)報告セグメントの決定方法
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、提供する製品やサービス別に事業部門を構成し、各事業部門単位で国内及び海外の包括的な戦略を立案し事業活動を展開しており、「スマートコミュニケーション部門」「ライフ&ヘルスケア部門」「エレクトロニクス部門」の3部門を報告セグメントとしております。
(2)各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
各部門における具体的な商材は「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおりであります。
(3)報告セグメントの変更等に関する事項
当連結会計年度より、持分法適用会社の一部について、経営管理区分の見直しに伴い、「調整額」から「スマートコミュニケーション部門」へ報告セグメントの変更を行っております。
なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成しており、「3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報」の前連結会計年度に記載しております。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」における記載と概ね同一であります。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。セグメント間の内部売上高及び振替高は、市場実勢価格に基づいております。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注)1.調整額は、以下のとおりであります。
(1)セグメント利益の調整額は、報告セグメントに帰属しない基礎研究並びに各セグメント共有の研究等に係る費用であります。
(2)セグメント資産の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産及びセグメント間取引消去等であります。
(3)減損損失の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産に係るものであります。
(4)持分法適用会社への投資額の調整額は、各報告セグメントに属していないものであります。
(5)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、本社建物等の設備投資額であります。
2.セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
3.売上高には、顧客との契約から生じる収益とそれ以外の収益を含めておりますが、そのほとんどが顧客との契約から生じる収益であり、それ以外の収益に重要性はないため、区分表示しておりません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注)1.調整額は、以下のとおりであります。
(1)セグメント利益の調整額は、報告セグメントに帰属しない基礎研究並びに各セグメント共有の研究等に係る費用であります。
(2)セグメント資産の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産及びセグメント間取引消去等であります。
(3)持分法適用会社への投資額の調整額は、各報告セグメントに属していないものであります。
(4)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、本社建物等の設備投資額であります。
2.セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
3.売上高には、顧客との契約から生じる収益とそれ以外の収益を含めておりますが、そのほとんどが顧客との契約から生じる収益であり、それ以外の収益に重要性はないため、区分表示しておりません。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(注)1.売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
2.国又は地域の区分の方法は、地理的近接度によっております。
3.各区分に属する主な国又は地域は以下のとおりであります。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が、連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えているため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(注)1.売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
2.国又は地域の区分の方法は、地理的近接度によっております。
3.各区分に属する主な国又は地域は以下のとおりであります。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が、連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えているため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載事項はありません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注)のれんの償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注)のれんの償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
【関連当事者情報】
該当事項はありません。
(1株当たり情報)
(注)1.2024年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定しております。
2.1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
3.1株当たり純資産額の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
(重要な後発事象)
自己株式の取得
当社は、2026年5月13日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式を取得することを決議いたしました。
詳細は、2026年5月13日付「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ」をご参照ください。
⑤ 【連結附属明細表】
【社債明細表】
(注)連結決算日後5年内における償還予定額は以下のとおりであります。
【借入金等明細表】
(注)1.「平均利率」については、借入金等の期末残高に対する加重平均利率を記載しております。
2.リース債務の平均利率については、リース料総額に含まれる利息相当額を控除する前の金額でリース債務を連結貸借対照表に計上している部分を除いて算出しております。
3.長期借入金及びリース債務(1年以内に返済予定のものを除く。)の連結決算日後5年内における返済予定額は以下のとおりであります。
【資産除去債務明細表】
当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における資産除去債務の金額が当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における負債及び純資産の合計額の100分の1以下であるため、記載を省略しております。
(2) 【その他】
当連結会計年度における半期情報等
(注)持分法適用関連会社のJICC-04株式会社(*)が新光電気工業株式会社を株式の取得等により連結子会社としたことに伴い、中間連結会計期間において暫定的な会計処理を行っておりましたが、中間連結会計期間以後の期間において確定しており、中間連結会計期間の関連する数値について暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。
(*)JICC-04株式会社は、2025年12月1日付で、JICC-04株式会社を存続会社、新光電気工業株式会社を消滅会社として吸収合併を行い、同日付で新光電気工業株式会社に社名変更を行っております。
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1.有価証券の評価基準及び評価方法
(1) 子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
(2) その他有価証券
① 市場価格のない株式等以外のもの
時価法
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定しております。)
② 市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
2.デリバティブの評価基準
時価法
3.棚卸資産の評価基準及び評価方法
貸借対照表価額については、収益性の低下による簿価切下げの方法により算定しております。
4.固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定率法
ただし、1998年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備を除く)並びに2016年4月1日以降に取得した建物附属設備及び構築物については、定額法を採用しております。また、取得価額が10万円以上20万円未満の資産については、3年間で均等償却する方法を採用しております。
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法
なお、自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(主として5年)に基づく定額法を採用しております。
(3) リース資産
所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産
自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と同一の方法を採用しております。
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
5.引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 賞与引当金
従業員に対して翌事業年度に支給する賞与のうち、当事業年度に負担すべき支給見込額を計上しております。
(3) 役員賞与引当金
役員に対して翌事業年度に支給する賞与のうち、当事業年度に負担すべき支給見込額を計上しております。
(4) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しております。
① 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
② 数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定年数(9年)による定率法により計算した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理しております。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定年数(6年)による定額法により費用処理しております。
なお、当事業年度において、確定給付企業年金制度につきましては、年金資産が退職給付債務を上回っているため、前払年金費用として貸借対照表の投資その他の資産に計上しております。
6.収益及び費用の計上基準
当社の主要な事業における主な履行義務の内容及び当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)は以下のとおりであります。
国内の製品及び商品の販売については、主に「収益認識に関する会計基準の適用指針」第98項に定める代替的な取扱いを適用し、出荷時から当該製品及び商品の支配が顧客に移転される時までの期間が通常の期間である場合については、出荷基準で収益を認識しております。製品及び商品の輸出販売については、顧客との契約に基づいた貿易条件により、当該製品及び商品に対する危険負担が移転した時点で顧客が支配を獲得するため、当該時点で履行義務が充足されると判断し、収益を認識しております。
サービスの提供については、履行義務が一時点で充足される場合には、サービスの提供を顧客が検収した時点で、当該履行義務が充足されると判断し、収益を認識しております。また、履行義務が顧客との契約により契約期間の一定期間にわたり充足される場合には、時の経過に伴い当該履行義務が充足されると判断し、契約期間にわたって均等按分し収益を認識しております。
7.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(退職給付に係る会計処理)
退職給付に係る未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっております。
(重要な会計上の見積り)
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
繰延税金資産
(1)当事業年度に計上した金額 31,752百万円
(2)その他の情報
繰延税金資産は、将来減算一時差異等に対して、事業計画等に基づく将来の課税所得等によって回収される可能性が高い範囲内で認識しており、その時期及び金額を合理的に見積り算定しております。
当社では繰延税金資産の金額を算出するにあたって、取締役会により承認された事業計画を基礎として見積りを行っております。地政学リスクの長期化が及ぼす経営環境への影響を正確には見通せない状況ですが、その影響は一定期間続くとの仮定に基づき会計上の見積りを行っております。
当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定に変更が生じた場合、翌事業年度の財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
繰延税金資産
(1)当事業年度に計上した金額 28,365百万円
(2)その他の情報
繰延税金資産は、将来減算一時差異等に対して、事業計画等に基づく将来の課税所得等によって回収される可能性が高い範囲内で認識しており、その時期及び金額を合理的に見積り算定しております。
当社では繰延税金資産の金額を算出するにあたって、取締役会が承認する事業計画を基礎として見積りを行っております。地政学リスクの長期化が及ぼす経営環境への影響を正確には見通せない状況ですが、その影響は一定期間続くとの仮定に基づき会計上の見積りを行っております。
当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定に変更が生じた場合、翌事業年度の財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
(表示方法の変更)
(貸借対照表)
当社は、会計システムの変更に伴い、一部の勘定科目に関する表示方法を整理し、表示科目の見直しを実施しました。これに伴い、前事業年度まで「流動負債」の「未払金」としていた内容の一部を「買掛金」として、「未払費用」としていた内容の一部を「買掛金」及び「未払金」としてそれぞれ表示しております。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替を行っております。
この結果、前事業年度の貸借対照表において、「流動負債」の「未払金」に含めていた14,394百万円を「買掛金」として、「未払費用」に含めていた17,479百万円の内、5,293百万円を「買掛金」として、12,186百万円を「未払金」として、それぞれ組み替えて表示しております。
(貸借対照表関係)
※1.関係会社に対する資産及び負債
関係会社に対する金銭債権又は金銭債務の金額は、次のとおりであります。
(損益計算書関係)
※1.関係会社との営業取引及び営業取引以外の取引による取引高の総額は、次のとおりであります。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2025年3月31日)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
当事業年度(2026年3月31日)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、「注記事項(重要な会計方針)6.収益及び費用の計上基準」に記載のとおりであります。
(重要な後発事象)
自己株式の取得
連結財務諸表「注記事項(重要な後発事象)」に記載の内容と同一のため、記載を省略しております。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注)1.当期首残高及び当期末残高については、取得価額により記載しております。
2.「当期減少額」欄の( )内は内書きで、減損損失の計上額であります。
3.主な増加、減少(簿価)は次のとおりであります。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2)【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注)当社定款の定めにより、当社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができません。
(1) 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2) 会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
(3) 株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
(4) 株主の有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を売り渡すことを請求する権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
(1)当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に提出した書類
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
(2)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
連結子会社のうち、主要な連結子会社以外のものに係る管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異は、次のとおりであります。
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。計算式(当事業年度に育児休業等を開始した男性労働者の数)÷(当事業年度に配偶者が出産した男性労働者の数)×100
3.短時間勤務者、パート労働者については、正規雇用労働者の所定労働時間(1日8時間)で換算した人員数を基に平均年間賃金を算出しています。
4.社員個々の性自認を尊重し、本算定にあたり、社員から性自認についての申告があった際は、原則、申告に基づく性別に含めて算定することとしています。
5.提出会社及び主要な連結子会社については、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (2) 従業員の状況」に記載しております。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。