第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 国際会計基準(以下「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
2 第141期及び第143期の希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式は存在するものの逆希薄化効果を有するため記載しておりません。
3 第143期の株価収益率については、基本的1株当たり当期損失であるため記載しておりません。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 最高・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
2 【沿革】
当社は1913年9月、住友総本店が現在の愛媛県新居浜市に肥料製造所を開設したのを事業の始めとし、1925年6月、株式会社住友肥料製造所として独立しました。
創業以来の主な推移を、年次別に示せば次のとおりであります。
3 【事業の内容】
住友化学グループは、当社及び関係会社214社から構成され、その主な事業内容と当社及び主な関係会社の当該事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度における主な事業内容を記載しております。
(1) アグロ&ライフソリューション
当セグメントにおいては、農薬、肥料、農業資材、家庭用・防疫用殺虫剤、熱帯感染症対策資材、飼料添加物等の製造・販売を行っております。
[主な関係会社]
スミトモ バイオラショナル カンパニー LLC、ベーラント バイオサイエンス LLC、ベーラント U.S.A. LLC、スミトモ ケミカル ブラジル インダストリア キミカ S.A.、スミトモ ケミカル チリ S.A.、スミトモ ケミカル インディア リミテッド
(2) ICT&モビリティソリューション
当セグメントにおいては、光学製品、半導体プロセス材料、化合物半導体材料、タッチセンサーパネル、高純度アルミニウム・アルミナ、化成品、添加剤、エンジニアリングプラスチックス、電池部材等の製造・販売を行っております。
[主な関係会社]
東友ファインケム㈱、スミカ セミコンダクター マテリアルズ テキサス インコーポレーテッド、SSLM㈱、住化電子材料科技(無錫)有限公司、住華科技股份有限公司、㈱田中化学研究所、田岡化学工業㈱
(3) アドバンストメディカルソリューション
当セグメントにおいては、高度化低分子医薬分野、医療用オリゴ核酸分野、再生・細胞医薬分野のCDMO(製法開発、製造受託)事業等を行っております。
[主な関係会社]
広栄化学㈱
(4) エッセンシャル&グリーンマテリアルズ
当セグメントにおいては、合成樹脂、合成繊維原料、各種工業薬品、メタアクリル、合成樹脂加工製品、普通アルミナ、合成ゴム等の製造・販売を行っております。
[主な関係会社]
日本シンガポール石油化学㈱、PCS(プライベート)リミテッド、ザ ポリオレフィン カンパニー(シンガポール)プライベート リミテッド、ラービグ リファイニング アンド ペトロケミカル カンパニー、スミトモ ケミカル アメリカ インコーポレーテッド、スミカ ポリマーズ アメリカ コーポレーション、スミトモ ケミカル アジア プライベート リミテッド
(5) 住友ファーマ
当セグメントにおいては、低分子医薬品の製造・販売を行っております。
[主な関係会社]
住友ファーマ㈱、スミトモ ファーマ アメリカ インコーポレーテッド、スミトモ ファーマ スイス GmbH、ユーロバント サイエンシズ GmbH
(6) その他
上記5セグメント以外に、電力・蒸気の供給、運送・倉庫業務等を行っております。
[主な関係会社]
住友精化㈱

4 【関係会社の状況】
(1) 子会社
(注)1 「議決権の所有割合」欄の(内数)は間接所有を示しております。
2 上記会社のうち、スミトモ ケミカル ブラジル インダストリア キミカ S.A.、スミトモ ケミカル アメリカ インコーポレーテッド、スミトモ バイオラショナル カンパニー LLC、ベーラント バイオサイエンス LLC、ベーラント U.S.A. LLC、スミカ ポリマーズ アメリカ コーポレーション、CDT ホールディングス リミテッド、ケンブリッジ ディスプレイ テクノロジー リミテッド、東友ファインケム㈱、スミカ セミコンダクター マテリアルズ テキサス インコーポレーテッド、SSLM㈱、日本シンガポール石油化学㈱、住友ファーマ㈱、スミトモ ファーマ アメリカ インコーポレーテッド、スミトモ ファーマ スイス GmbH、ユーロバント サイエンシズ GmbH、住化電子材料科技(無錫)有限公司、住華科技股份有限公司、スミトモ ケミカル アジア プライベート リミテッド、ザ ポリオレフィン カンパニー(シンガポール)プライベート リミテッド、スミトモ ケミカル チリ S.A.及び㈱田中化学研究所が特定子会社に該当しております。
3 上記会社のうち、住友ファーマ㈱、広栄化学㈱及び田岡化学工業㈱は有価証券報告書提出会社であります。
4 スミトモ ケミカル アメリカ インコーポレーテッド、スミトモ バイオラショナル カンパニー LLC、ベーラント バイオサイエンス LLC、ベーラント U.S.A. LLC、CDT ホールディングス リミテッド、ケンブリッジ ディスプレイ テクノロジー リミテッド、スミカ セミコンダクター マテリアルズ テキサス インコーポレーテッド、スミトモ ファーマ アメリカ インコーポレーテッド、スミトモ ファーマ スイス GmbH及びユーロバント サイエンシズ GmbHの資本金については、払込資本を記載しております。
5 スミカ ポリマーズ アメリカ コーポレーションは、解散したフィリップス スミカ ポリプロピレン カンパニーに対する投資を行っておりました。
6 前連結会計年度記載のスミトモ ファーマ UK ホールディングス リミテッドは清算したため、重要な子会社から除外いたしました。
7 前連結会計年度記載の旭友電子材料科技(無錫)有限公司は2025年4月に同社の全持分を譲渡したため、重要な子会社から除外いたしました。
8 当連結会計年度において、ベーラント ノースアメリカ LLCはスミトモ バイオラショナル カンパニー LLCに商号を変更いたしました。また、2026年4月1日付でスミトモ バイオラショナル カンパニー LLCはベーラント バイオサイエンス LLCに合併され消滅し、ベーラント バイオサイエンス LLCはスミトモ バイオラショナル カンパニー LLCに商号を変更しております。
9 スミトモ ファーマ アメリカ インコーポレーテッドについては、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 (1) 売上収益 306,987 百万円
(2) 営業利益 10,674
(3) 当期利益 11,344
(4) 資本合計 △26,560
(5) 資産合計 219,066
10 「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」はIFRSの開示要請に基づくものが含まれております。また、IFRSにより要求されている、関連するその他開示項目は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 37.重要な子会社」に記載のとおりであります。
(2) 関連会社等
(注) 1 「議決権の所有割合」欄の(内数)は間接所有を示しております。
2 上記会社のうち、住友精化㈱は有価証券報告書提出会社であります。
3 関連会社等には、ジョイント・ベンチャー(共同支配企業)及びジョイント・オペレーション(共同支配事業)を含んでおります。
4 前連結会計年度記載のシェブロン フィリップス シンガポール ケミカルズ (プライベート)リミテッドは同社の全株式を譲渡したため、持分法適用会社から除外いたしました。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。なお、業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現時点で入手している情報や合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1) 長期的に目指す姿
当社は、創業以来、住友の事業精神「自利利他 公私一如」(住友の事業は、住友自身を利するとともに、国家を利し、かつ社会を利するものでなければならない)のもと、自らの成長と社会への貢献を実現してきました。そして、この考え方を基に長期的に目指す企業像を「Innovative Solution Provider」と定めております。
この目指す企業像に向け、当社が強みを持つ技術や事業のアセットから、取り組むべき社会課題を「食糧」「ICT」「ヘルスケア」「環境」に定めております。
各課題に対応したそれぞれの事業部門において、これまで培ってきた当社固有の6つのコア技術と、そこから生まれた3領域(GX・DX・BX)を切り口とした重要アセットを活用することで、革新的なソリューションを生み出し、広く社会へ提供してまいります。
そして、この先もグローバルに存在感のある会社であり続けるとともに、持続的な企業価値向上を目指してまいります。

(2) 2025-2027年度中期経営計画:全社方針
当社グループは、2025年度を初年度とする中期経営計画に取り組んでおります。基本方針として、「新成長戦略による事業ポートフォリオ高度化」、「構造改革の継続的な遂行による強靭化」、「財務・資本効率の改善」などの5つを掲げました。
2027年度の財務目標に関しては、コア営業利益2,000億円、ROE8%、ROIC6%、D/Eレシオ0.8倍台としております。

(3) 中期経営計画の進捗
基本方針01 新成長戦略による事業ポートフォリオ高度化
当社の強みである有機合成技術をベースとした「勝ち筋」事業を軸に、セグメント横断での競争力強化及び事業ポートフォリオの高度化を推進するとともに、長年の技術蓄積により競争優位性を有する再生・細胞医薬事業を新たな成長事業として育成する方針に基づき、各種施策に取り組みました。

基本方針02 構造改革の継続的な遂行による強靭化
ラービグ リファイニング アンド ペトロケミカル カンパニー(以下「ペトロ・ラービグ社」という。)に対する当社持分比率の15%への引き下げ、国内における既存エチレンプラントの運営最適化やポリオレフィン事業の統合に関する合意など、石油化学事業の構造改革を着実に推進しました。また、住友ファーマ株式会社(以下「住友ファーマ社」という。)は構造改革を経て業績が好転しました。今後の成長に必要な資金の確保と財務基盤の強化のため資本を増強しました。なお、住友ファーマ社に対する当社持分比率は低下しますが、連結子会社である点に変更は生じません。

基本方針03 財務・資本効率の改善
ROIC志向経営の再徹底に向け、投資管理プロセスを強化しました。データに基づくリスクの定量化や外部知見の活用等により投資判断の客観性を高め、徹底したリスク管理のもとで投資判断を実施しました。さらに投資後のモニタリング体制を強化し、環境変化に機動的に対応することで、投資効率の最大化及びROIC向上に向けた取り組みを推進しました。

基本方針04 3つのXを基軸としたR&D戦略
全社視点で研究開発効率を高め戦略的な投資を実現するため、研究体制を再編しました。全社研究戦略会議の新設による重点分野への戦略的アロケーション決定と全社のモニタリング強化、研究企画部の新設による全社横断的な構造改革のリード、並びに技術ロードマップ策定による機動的な研究開発の実現を狙いとしております。
基本方針05 新成長戦略を支える経営基盤の強化
経営基盤強化の一環として、生成AIの活用促進と高度化を推進しました。活用状況のモニタリングや教育により利用定着を図るとともに、専門業務に応じて社内データ活用をカスタマイズできる機能を実装し社内ナレッジの活用を深化しました。全社員が日常的にAIを活用する環境を浸透させ、事業競争力の強化につなげております。
(4) 2025年度 各事業部門の取り組み
アグロ&ライフソリューション部門
農薬事業では、次世代のブロックバスターを目指す製品に関する取り組みが主要市場で前進しました。例えば、殺菌剤インディフリンは、南米の大豆用途に加え、インドで水稲向けに販売を開始しました。また、バイオラショナル事業のさらなる強化・成長に向け、北米で同事業を担うグループ会社を統合し、研究・製造・販売等の機能を一体運営するグローバル中核拠点として新体制を整備することとしました。一方、南米では足元の厳しい事業環境を踏まえ、主力製品の真の付加価値に根差したマーケティング方針のもと、流通チャネル別販売戦略強化と、適用拡大による使用場面の拡大等を通して、販売回復とプレミアム価格の維持を図ってまいります。
ICT&モビリティソリューション部門
半導体関連事業では、台湾のアジア ユニオン エレクトロニック ケミカル コーポレーションの買収により、台湾・米国の半導体用ケミカル拠点を獲得しました。AI需要の急拡大に牽引される先端半導体市場の成長を捉え、経営資源を最大かつ効率的に投入し、先端材料の開発・拡販と安定供給体制の強化を進めてまいります。ディスプレイ関連事業では、大型LCD用偏光フィルムの構造改革を実施し、OLED・車載用など高機能分野へのシフトを推進しました。また、モビリティ関連事業では、耐熱セパレータの製造拠点を集約しました。これらの構造改革を通じ、ディスプレイ関連事業、モビリティ関連事業の収益最大化とさらなる拡大を目指してまいります。
アドバンストメディカルソリューション部門
CDMO事業を成長の中核に位置づけ、開発から製造・品質までの総合対応力を活用し、事業拡大を推進しております。特に医療用オリゴ核酸では、米国拠点を活用した顧客対応体制を強化し、新規受注の拡大に取り組んでおります。再生・細胞医薬事業では、日本において、世界初のiPS細胞由来パーキンソン病治療用製品「アムシェプリ®」の条件及び期限付き承認を取得したことを踏まえ、本承認と米国承認に向けて開発・製造・品質・事業の各体制を強化してまいります。また、後続の眼科2製品、脊椎損傷治療用製品の治験、開発を進め、革新的治療法を患者様に届けるべく取り組みを進めてまいります。
エッセンシャル&グリーンマテリアルズ部門
石油化学事業では、2025年10月よりペトロ・ラービグ社の当社持分比率を15%へ引き下げました。国内においては既存エチレンプラントの運営最適化及びポリオレフィン事業の統合に関して関係先と合意に至るなど構造改革を加速させました。また、他社との協働を通じてライセンス・触媒事業の基盤を強化し、主力事業への成長を図ります。環境負荷低減ソリューションの提供に向けては、ケミカルリサイクルに関するパイロット設備の建設を完了するなど、2030年代の事業化を見据え、環境負荷低減技術の開発を推進しております。
(5) 2025年度実績
2025年度は、オルゴビクス拡販を中心とした住友ファーマ社の利益貢献、ペトロ・ラービグ社の持分譲渡や、ノンコア事業売却などの構造改革の成果が実を結び、コア営業利益は2,084億円となりました。このため、2025年度の年間配当は、2024年度の9円と比べ4.5円増配となる1株当たり13.5円といたしました。また、有利子負債の返済を進め、D/Eレシオは2024年度末の1.20倍から2025年度末は0.93倍となり、財務体質が改善しました。
(6) 2026年度以降の見通し
2026年度の業績見通しについては、住友ファーマ社の収益改善並びにペトロ・ラービグ社の財務改善・持分変更等が全社業績に貢献し、コア営業利益2,150億円となる予想です。収益力が着実に改善し、実力ベースでの大きな伸長を見込んでおります。2027年度以降に向けては、先行投資の成果最大化を通じて成長ドライバーであるアグロ&ライフソリューション部門及びICT&モビリティソリューション部門による全社業績の牽引を図ります。あわせて、エッセンシャル&グリーンマテリアルズ部門の収益力改善、アドバンストメディカルソリューション部門の早期育成に向けた取り組みを着実に進めます。
そして、中長期的にはROE10%以上、ROIC7%以上、D/Eレシオ0.7倍程度等の財務指標を安定的に達成することを目指します。

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当社グループの企業理念とサステナビリティに対する考え方
当社は、約400年の歴史を持つ「住友家」の事業を起源とし、現在もその事業経営の根本精神を継承しております。そして、その住友の事業精神を踏まえ、住友化学としての基本精神や使命、価値観を整理し、「経営理念」として明文化しております。
住友の事業精神を表す「自利利他 公私一如」は、「住友の事業は自社の発展のみではなく、社会にも貢献するものでなければならない」という意味で、当社グループが創業から大切にしてきた考え方であり、Creating Shared Valueにも通じるものであります。当社グループの持続的な成長(自利)と、社会への価値創出(利他)を実現します。これにより、経済価値と社会価値を一体的に創出(公私一如)し、企業価値の向上を目指します。

サステナビリティ推進基本原則では、住友化学グループにとってのサステナビリティの推進を「事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献するとともに、自らの持続的な成長を実現する」と定義し、その達成を通じて企業価値の向上に取り組むこととしております。
また「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 長期的に目指す姿」にありますように、長期的に目指す企業像を「Innovative Solution Provider」と定め、社会が直面している課題に対し、当社の革新的な製品や技術によりソリューションを提供することを目指しております。

(2) サステナビリティ全般
① ガバナンス
当社は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」に記載の企業統治の体制を採用しております。この体制において、当社グループの経営に関わる重要事項について、広範囲かつ多様な見地から審議する会議・委員会を設置することで、業務執行や監督機能等の充実を図っており、サステナビリティに関しては、「サステナビリティ推進委員会」を設置しております。
サステナビリティ推進委員会は、グループの取り組みを総合的に把握し、サステナビリティへの貢献を俯瞰的に検証し、社会課題解決への統合的な取り組みを加速させることを目的として、取り巻く状況を踏まえ、課題や取り組みの方向性について審議するとともに、取り組みの具体化に向けて各執行機関に必要な提言を行っております。同委員会では、委員長である社長の下、各事業部門統括役員・コーポレート部門統括役員・海外地域統括会社社長を委員として任命しつつ、さらに、会長、社外取締役・常勤監査等委員もオブザーバーとして参加しております。2025年度は2回開催され、活発な議論が行われました。取締役会の取り組みや実効性評価につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ⑧ 取締役会の活動状況等」をご覧ください。
サステナビリティ推進委員会 体制図(2026年3月31日現在)

(関連する他の主要会議・委員会)
・経営会議
サステナビリティに関連した事項を含む、経営戦略や設備投資等経営に関わる重要事項の審議
・レスポンシブル・ケア委員会
気候変動など環境関連課題への対応を含む、レスポンシブル・ケアに関する年度方針や中期計画、具体的施策の策定、実績に関する分析及び評価
・カーボンニュートラル戦略審議会
2050年カーボンニュートラル実現に向けたグランドデザインの立案・審議及び推進
・リスク・クライシスマネジメント委員会
地震災害や異常気象による風水害、パンデミック、治安悪化等、個別のリスク・クライシスの対処方針等を審議
・人権尊重推進委員会
グループ全体に向けた人権尊重に関する啓発の実施、バリューチェーン全体における人権尊重のための施策の立案と実行
② リスク管理
当社では、内部統制委員会を中心とした複数の会議体連携によるリスクマネジメント推進体制のもと、当社グループの各組織がグループ方針に従い、業務遂行上のリスクを適切に管理しております。事業継続のための基盤に関わるリスクについては、内部統制委員会で、リスクの状況を把握したうえでグループ全体に係わる重要なリスクを識別し、リスク主管組織と連携してリスクへの対策を推進するとともに対応状況の把握をしております。経営戦略に関わるリスクと機会のうち、経営上の重要事項に関しては、経営会議で審議しております。また中長期的な環境・社会問題に関する事項については、サステナビリティ推進委員会で審議し、当社グループの経営諸活動が社会や自社のサステナビリティの実現に繋がる提言を行っております。
リスクと機会の詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項 (ハ)リスク管理体制の整備の状況」をご覧ください。
リスクマネジメント推進体制図

③ 戦略
当社は、グループ一丸となって事業を通じた経済・社会・環境に関する課題の“統合的解決”を目指し、「経営として取り組む重要課題」を特定しました。これらは、サステナビリティを推進するための課題を俯瞰的に検証・整理したうえで、経営層の審議と承認を経て特定したものです。
2025年度には、住友化学グループが脈々と受け継いできた、環境への配慮を重視する基本的な取り組み姿勢を守りつつ、Innovative Solution Providerを目指すという経営の長期的な方向性に沿う形で一部見直しを行いました。社会課題解決をリードするイノベーティブなソリューションの提供に向けた「持続的な成長のための重要課題」と、社会から信頼される企業集団であり続けるための前提としての「事業継続のための基盤」で構成しています。「持続的な成長のための重要課題」は、主要取り組み指標(KPI)を設定して、進捗状況の可視化と管理を行っております。
(経営として取り組む重要課題)

(経営として取り組む重要課題の特定・見直しプロセス)

④指標及び目標
「持続的な成長のための重要課題」に関しては、各取り組みについて設定した主要取り組み指標(KPI)を活用して進捗状況の可視化と管理を進めるとともに、社内外のステークホルダーとの対話を推進し、取り組みの充実と加速につなげてまいります。各KPIと実績は以下のとおりであります。詳細については、サステナビリティレポート2026(2026年8月末公開予定)をご覧ください。
持続的な成長のための重要課題における主要取り組み指標(KPI)
(3) 気候変動対応
気候変動対応に関連し、当社は、2017年6月にTCFD提言が公表されると同時にその支持を表明しました。同提言の4つの開示推奨項目「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標及び目標」に沿った当社グループの気候変動問題への取り組みは以下のとおりであります。
① ガバナンス
「(1) サステナビリティ全般 ① ガバナンス」に記載の枠組みにおきまして、気候変動については特に以下の体制で対応を行っております。
気候変動対応体制図(2026年3月31日現在)

② リスク管理
当社では、持続的な成長を実現するため、事業目的の達成を阻害する恐れのある様々なリスクを早期発見し、適切に対応していくとともに、リスクが顕在化した際に迅速かつ適切に対処すべく、リスクマネジメントに関わる体制の整備・充実に努めております。気候変動問題は、その発生の可能性と影響度の観点からの評価等を通じて、当社グループの中長期的な主要リスクの一つとして位置付けられており、グループ全体のリスク管理プロセスに統合されております。
(具体的な手順)
国内外のグループ会社を含めた各組織で、顕在化する可能性(頻度)と顕在化した際の財務影響度の観点から個別リスクの評価を行い、社長を委員長とする内部統制委員会にてグループ全体での取り組みが必要な全社重要リスクを審議・特定の上、承認しております。個別リスクの重要度は、「個別リスクの発生可能性×当社グループ事業への財務または戦略面での影響度」により判断されます。このプロセスを踏まえ、気候変動問題に関するリスクと機会を下表のとおり特定しております。

③ 戦略
当社は、「経営として取り組む重要課題」の一つとして掲げている「環境保全への貢献と社会への訴求」の中に「気候変動」を明記しており、2050年のカーボンニュートラル実現に向けたグランドデザイン(2021年12月策定・公表)に沿った取り組みを進めております。前述のリスク管理のプロセスで特定した気候変動問題に関するリスクと機会に対して、当社グループが排出する温室効果ガス(GHG)をゼロに近づける「責務」と、当社グループの技術・製品を通して社会全体のカーボンニュートラルを推進する「貢献」の両面で取り組みを推進してまいります。
(シナリオ分析)
気候変動に関するシナリオ分析とは、複数のシナリオを考慮した上で、気候変動の影響や気候変動に対応する長期的な政策動向による事業環境の変化を予想し、その変化が自社の事業や経営に与える影響を検討する手法であります。現在、当社では、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて1.5℃に抑制するために様々な施策がとられるシナリオ、このまま対策を講じず4℃上昇するシナリオについて、「リスク」・「機会」の両面から分析し、当社事業へのインパクトや今後とっていくアクションを検討しております。シナリオ分析の全文については、サステナビリティレポート2025(P.67~68)及びサステナビリティレポート2026(2026年8月末公開予定)をご参照ください。

(カーボンニュートラル実現に向けた投資)
2019年度から、社会全体のカーボンニュートラルの実現に貢献すべく、個別の投資案件についてGHG排出量の増減が見込まれる場合、インターナルカーボンプライス(1トン当たり 10,000円)を反映した経済性指標を算出し、投資判断を実施しております。
(投資規模)
カーボンニュートラル関連投資について、2013年度から2030年度にかけて、合計約2,000億円規模の投資を想定しております。
(「責務」に関する具体的な取り組み)
エネルギー由来(自家発電燃料)のGHG削減:燃料転換
・愛媛地区において、既存の化石燃料に代わってLNGを用いた火力発電所の運転を開始
・千葉地区において、既存の石油コークス発電設備を廃止し、高効率なガスタービン発電設備の運転を開始
プロセス由来のGHG削減
・バイオテクノロジーを駆使した排水処理により、排水処理能力の向上とともに、発生する汚泥量、排水処理に伴うGHG排出量、燃料使用量の削減を実現
・海外グループ会社における製造工程において使用するプロセスガスの除害設備導入によるGHG削減を実現
エネルギー由来(購入電力)のGHG削減:再生可能エネルギーの利用
・大分工場において、購入電力を100%再エネ電力化することで約20%、重油から都市ガスに燃料転換することで約10%のGHG削減を達成し、トータルで2013年度比で約30%のGHG削減を実現
(「貢献」に関する具体的な取り組み)
・炭素資源循環システムの構築
ごみや廃プラスチックを化学品の基礎原料であるメタノール、エタノール、オレフィン等に変換し、新しいプラスチックの原料として利用するケミカルリサイクル技術の開発
・カーボンネガティブへの挑戦
土壌中に存在する有用微生物の菌を植物の根に付着・共存させることで、植物の光合成によるCO2吸収を促進、地中にも炭素化合物の形でCO2が固定化される技術の開発
(外部連携の取り組み)
・製品のカーボンフットプリント計算ツールの普及(無償提供)
・地域連携による取り組み(京葉臨海コンビナート カーボンニュートラル推進協議会等)
各取り組みの詳細や、その他の気候関連情報については、サステナビリティレポート2025(P.76)及びサステナビリティレポート2026(2026年8月末公開予定)をご参照ください。
④ 指標及び目標
(気候関連のリスクに対する指標)
前述のリスク管理のプロセスにおいて特定した気候関連のリスクについて、指標と取り組みは以下のとおりであります。
(ⅰ) GHG排出量の削減(Scope1+2)
当社グループの気候関連のリスクに対する指標であるGHG排出削減目標は、総合化学企業として世界で初めてScience Based Target(SBT)に認定されました。2030年のGHG排出量(Scope1+2)の削減目標は50%(※1)で、2021年12月にSBTのWell Below2.0℃基準の認定を取得しております。当社グループは、当GHG排出削減目標を「(1) サステナビリティ全般」に記載の「経営として取り組む重要課題」の目標として設定し、「環境負荷低減への貢献」の取り組みを進めております。2030年までは、既存プラントの製造プロセスにおける徹底した省エネや燃料転換と、現時点で利用可能な最善の技術(BAT)の活用による目標達成を目指します。一方、2050年のネットゼロに向けては、既存技術のみでの対応は難しく、カーボンネガティブやCCUS(※2)等、革新的な技術が必要になります。この開発と早期の実装を目指し、検討を進めてまいります。
※1:2013年度比
※2:工場等から排出されたCO2の回収・有効利用・貯留
(CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)

(GHG排出量(Scope1+2))
算出にあたっては、連結売上高99.8%以内の主要な連結グループ会社を対象範囲とし、GHG排出量をGHGプロトコルに基づいて算定しております。2024年度までの数値については、当社のサステナビリティレポート2025の数値を記載しており、同数値は、KPMGあずさサステナビリティ株式会社による第三者保証を取得しております。サステナビリティレポート2026で開示予定の2025年度分については、当該第三者により保証手続き実施中であり、暫定値は529万トンであります。詳細については、サステナビリティレポート2026(2026年8月末公開予定)をご参照ください。

(ⅱ) GHG排出量の削減(Scope3)
GHG排出量(Scope3)については、「2030年度までにグループ主要会社のGHG排出量(Scope3(カテゴリ1及び3))を2020年度比で14%削減」を目標として設定しており、Scope1+2と合わせてSBTの認定を取得しております。GHG排出量(Scope3)削減にあたっては、サプライヤーエンゲージメント(お取引先様情報交換会の開催等)に取り組んでおり、国際NGOであるCDPが実施した「CDP2025 サプライヤー・エンゲージメント評価」において「A」スコアとなり、7年連続で最高評価を獲得しております。
Scope3温室効果ガス排出量

なお、本有価証券報告書提出日(2026年6月22日)において、株式会社田中化学研究所については上場を廃止しており、日本エイアンドエル株式会社についてはグループ会社から除外しております。
当連結会計年度の実績につきましては、サステナビリティレポート2026(8月末公開予定)をご覧ください。
(気候関連の機会に対する指標)
前述のリスク管理のプロセスにおいて特定した気候関連の機会について、指標と取り組みは以下のとおりであります。
当社グループは、気候関連の機会に対する指標として、Sumika Sustainable Solutions(SSS)を活用しております。SSSとは、気候変動の緩和と適応、資源循環への貢献、自然資本の持続可能な利用の分野で貢献するグループの製品・技術を自社で認定し、その開発や普及を促進する取り組みで、これまで認定された製品・技術数は、累計で101であります。認定製品の売上収益は、2025年度は5,556億円であり、2030年度には1兆2,000億円を目指しております。

また、当社製品・技術のカーボンニュートラル(CN)に対する貢献度合いをより明確に示す指標として、「Science Based Contributions (SBC)」を策定しました。SBCは、当社が販売・提供したSSS認定製品・技術の活用を通じて、社会でどの程度の量のGHGが削減されたかを定量的かつ科学的に算定するものであります。対象製品の製品カーボンフットプリント(CFP)や販売量、ライセンスプラントの生産能力等を基に算出した数値であり、算出方法は外部有識者により確認いただいております。社会での当社製品・技術の貢献に関して、SBCを用いたステークホルダーの皆様への積極的な情報開示を通じて理解促進に努めるとともに、世界のCN実現に向けた取り組みを推進してまいります。

(4) 人的資本・多様性
企業の競争力の大きな源泉は「人」であり、人材の確保・育成は当社の将来の価値創造に向けた重要課題であります。当社は、最重要の経営資源と考えている人材の確保と育成を長期的な視点で推進するとともに、エンゲージメントの強化を通じて、当社グループの構造改革と持続的成長を実現します。
(基本理念)
100年余の歴史を有する当社は、これまで一貫して「人こそ最重要の経営資源」という考えを堅持し、「人材確保」「公平・公正な処遇」「育成・成長」の3要素を変わらぬ人事理念として継続しております。
(人事制度体系)
当社の人事制度では、各人の役割・責任の大きさと達成した業績に、その過程で発揮した能力や行動を合わせて評価し、賃金等の処遇に反映しております。これからの当社に求められる人材像に着目し、その特色や強みを発揮しやすいように制度設計を行っていることが特徴であります。加えて、メリハリある成績評価を通じて社員の努力・貢献を明確に処遇へ反映することで、社員のやりがい・働きがいや自発的な成長意欲の醸成を図ります。
また、グループ各社のグローバルな事業展開を支える人材の充実を図るため、海外グループ会社のマネージャー以上の層を対象に住友化学本体管理社員と共通の人事制度を導入し、当社グループのコア人材として、グローバルポジションホルダー(GPH)に任命し、企業理念に基づいた価値観の共有をはじめ、育成・成長並びに活躍機会の提供を推進しております。

① 戦略
人材の確保・育成を推進していくため、グループ全体で「多様な人材の活用」、「人材の育成・成長」、「従業員の健康増進」の面から、将来の価値創造に向けた戦略を展開しております。
(多様な人材の活用)
当社グループは、「DE&I推進に関するグループ基本原則」を定め、その方針のもと、従業員の個性や属性の違いを尊重し、総合化学会社ならではの多様性に富んだ「知と経験」を互いに受け入れ活かし合い、社員一人ひとりがその適性・能力を発揮し、グループ全体で成長していくことを目指しています。
また、当社は、ノーマライゼーションの社会の実現に向けて、障がい者雇用に取り組んでおります。2017年には、障がい者の社会参画を支援し、勤労意欲のある障がい者の雇用機会を提供するために、株式会社住化パートナーズを設立しました。今後も引き続き、障がいのある人が活躍できる環境を、当社・住化パートナーズ一体となって提供してまいります。
(人材の育成・成長)
当社は、多様な人材が、その能力・資質を伸長することを目指し、全社員対象の基礎的プログラム、階層別の職責教育・キャリア教育、マネジメント強化プログラムや、グローバルビジネス展開に対応した語学力向上等、目的及び社員区分別に教育体系「スミカ・ラーニングスクエア(SUMIKA Learning Square:SLS)」を整えております。
従業員が自発的に学び、成長していくことを支援するため、また必要なタイミングで知識・スキル開発ができるよう「手挙げ式(自発的に申込む)研修」として、受講できるプログラムを提供しております。
(従業員の健康増進)
社員が心身ともに健康な生活を送り豊かな人生を実現できるよう、社員の健康課題の解決・改善に向けた様々な支援施策を推進しております。取締役会や経営会議において、その取り組みの方向性について議論するとともに、毎年開催する産業医連絡会において、施策や目標の設定に対し医学的見地から意見をいただくなど各施策の有効性を高める体制・仕組みとしております。
このような体制の下、会社・健康保険組合共同で策定した「すみか健康社員宣言」において、運動習慣の定着を目的とした提携スポーツジムの拡充、禁煙を目指す社員へのサポート等、「食事」「運動」「睡眠」「禁煙」「こころ」の5分野で、具体的なアクションアイテムに取り組んでおります。
また、これらの取り組みを客観的に点検・高度化する指標として、「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)ホワイト500」の取得を目指しており、2017年度から9年連続で認定されております。

※「健康経営優良法人(ホワイト500)」は、経済産業省が2016年に創設した健康経営優良法人制度(特に優良な健康経営を実施している企業等を顕彰する制度)において、上位500法人が認定され、健康管理に関する様々な施策や取り組みを評価するものであります。
② 指標及び目標
(ⅰ) 多様な人材の活用
女性活躍推進について、採用、育成、昇進、環境整備等の各施策の進捗をトータルに反映しうるものとして「管理社員(注1)への登用率」に焦点をあてたKPIを設定しています。また、全員活躍の実現に向け、男女共同参画の観点から男性社員の育児休業取得を促進するKPIも設定し、DE&I推進の取り組みをさらに加速させております。
(注) 1 管理社員:課長職相当以上
2 2023年度~2025年度の管理社員登用者累計における女性比率
3 2024年度に子が生まれた男性社員の子が1歳に到達するまでの育児休暇または育児関連休暇の
取得状況をもとに算出
(参考)
・住友化学本体の部長職と海外グループ会社幹部人材の合計に占める、外国人幹部人材の割合:20.2%
(2026年4月時点)
・管理社員に占める経験者採用者(中途採用者)の比率:25.0%(2026年4月時点)
・障がい者雇用率:2.77%(2025年6月時点)
(ⅱ) 人材の育成・成長
社員の能力・知識・スキル開発実施率をKPIとして設定し、意欲・能力のあるすべての従業員の能力向上・人材育成を進めております。
(グループ会社におけるKPI)
国内外の主要グループ会社約100社が、各国・各社の状況に応じて具体的なKPIを設定し、グループ全体で取り組みを進めております。また当社グループでは、各社がKPIを設定するために実施すべき最重要プロセスを、以下のとおり定めております。
人的資本・多様性についての詳細は、サステナビリティレポート2025(P.123~139)及びサステナビリティレポート2026(2026年8月末発行予定)をご参照ください。
3 【事業等のリスク】
事業等のリスクのうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると当社グループが認識している主要なリスクを以下に記載しております。ただし、投資家の判断に影響を及ぼす可能性のあるリスクは、これらに限定されるものではありません。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループではこのようなリスクを最小化するとともに、これらを機会として活かすためのリスク管理体制の整備・充実に努めております。詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 (ハ)リスク管理体制の整備の状況」に記載しております。
1.経営戦略に関わるリスク
(1) 短期的なリスク
① 市場に係るリスク
当社グループは、総合化学メーカーとして様々な事業を行っており、事業に関わるリスクは多種多様であります。事業に係る市場リスクについては、主に以下のようなものがあります。
(価格競争)
当社グループの事業は価格競争に晒されております。海外企業の国内市場参入、関税引き下げ等による輸入品の流入、ジェネリック品の台頭等、様々な理由により当社グループの製品群は今後も厳しい価格競争に晒されるものと予想されます。当社グループはコストの低減に努めておりますが、価格競争を克服できない場合、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、当社グループの保有する有形固定資産等について減損損失が発生し、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
経営環境の著しい悪化等による将来の課税所得に関する予測・仮定の変更や税制改正による税率変更等により繰延税金資産の一部ないしは全部が回収できないと判断された場合、繰延税金資産は減額され、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(海外マーケット)
当社グループの海外売上収益は売上収益の7割程度を占め、特にアジア市場での販売が多く、近年では南米等でも事業を拡大しております。そのため、特定の地域での経済情勢の悪化、あるいは顧客企業の業績状況の変化等による値下げ要求が発生した場合、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(アグロ&ライフソリューション)
アグロ&ライフソリューションセグメントの農薬や家庭用殺虫剤の出荷は、世界各地域における異常気象等の理由による作物の生育状況や病害虫の発生状況に左右されます。また、飼料添加物は急激な価格変動を起こすことがあります。作物の生育状況が悪くなった場合、病害虫の発生が少なくなった場合、あるいは急激な価格変動が起こった場合、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ICT&モビリティソリューション)
ICT&モビリティソリューションセグメントの製品は、技術革新のスピードが速く、タイムリーに新製品を開発・提供していく必要があります。当社グループが顧客ニーズを満足させる新規製品を有効に開発できない場合、また他社において画期的な技術革新がなされた場合、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(アドバンストメディカルソリューション)
アドバンストメディカルソリューションセグメントでは高度化低分子医薬原薬・中間体、医療用オリゴ核酸、並びに再生・細胞医薬に関する生産プロセスの開発や製造を受託するCDMO事業を行っています。顧客となる製薬企業のニーズに対応できず失注した場合、また顧客の経営環境の変化により新薬開発が延期ないし中止された場合、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(エッセンシャル&グリーンマテリアルズ)
エッセンシャル&グリーンマテリアルズセグメントの主要原料であるナフサは、中東地域の治安や世界の経済情勢に多大な影響を受け、時に急激な価格変動を起こすことがあります。ナフサの価格が急激に上昇した場合、製品価格への転嫁が遅れること等により、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
ナフサやその他の原料品の一部については、特定の地域や購入先に依存しております。購入先を複数にする等、主要原料が購入できないリスクを低減するように努めておりますが、時に主要原料の不足が生じないという保証はありません。必要な主要原料が確保できない場合には、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(住友ファーマ)
住友ファーマセグメントでは、新薬開発の難度が高まる中、開発が今後計画どおりに進み承認・発売に至るとは限らず、また、有効性や安全性の観点から開発が遅延または開発を中止しなければならない事態も起こり得ます。そのような事態が発生した場合には、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
国内においては、少子高齢化の急速な進展等により国家財政が悪化する中、先発医薬品の価格抑制や長期収載品の選定療養の導入、毎年の薬価改定などの薬剤費抑制策が図られ、あわせて医療制度改革の論議も続けられています。また、米国においては、先発医薬品の価格抑制に関する新たな規則や政策が提案されており、今後これらが実施される可能性があります。さらに、中国においては国家医療保険償還医薬品リスト収載による価格引き下げや集中購買制度による安価な後発医薬品の使用が推進されています。医薬品市場は各国の政策による様々な規制を受けており、これら各国の薬価・医療制度改革の方向性によっては、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(為替レート変動)
当社グループは、国内で製造した製品を海外に輸出するとともに海外から原料品を輸入しておりますが、製品輸出高は原料品輸入高を上回っております。外国通貨に対して円高が進行した場合、海外で生産された製品に対する価格競争力が低下することに加え、輸出手取額の減少が輸入支払額の減少を上回ることになります。さらに、近年では南米やインド等海外での事業活動の拡大とともに、それぞれの地域の通貨で米ドルやその他通貨に対する為替レートの変動影響も大きくなっています。このようなリスクに対し、為替予約等の通貨ヘッジ取引や、円建輸出取引を行うこと等により、為替レートの短期的な変動によるリスクを最小限にするように努めておりますが、中長期的な為替レートの変動によるリスク等を完全にヘッジすることはできないため、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、海外の関係会社の経営成績は、連結財務諸表作成のために円換算されております。換算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があり、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
為替レート変動がコア営業利益に与える影響は、米ドルに対して円が1円の円高となった場合、年間25億円程度の減益と試算しております。
(金利変動)
当社グループは、資金需要に対してその内容や財政状態及び金融環境を考慮し、調達の金額・期間・方法等を判断しております。今後の金利の変動に備え、固定金利・変動金利を適宜組み合わせて調達を行っておりますが、金利が上昇した場合には支払利息が増加し、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(株式相場変動)
当社グループが保有する市場性のある有価証券の価格が、株式相場の変動により大幅に下落した場合、当社グループの財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 海外事業展開
当社グループは、世界各国に生産・販売の拠点を持ち、海外売上比率は7割程度を占めております。そのため、貿易摩擦等による関税の引き上げ、地域紛争によるサプライチェーン分断等、地政学的問題が発生した場合には、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、海外における事業活動には法律や規制の変更、労務環境の違いによる争議等の発生、人材の採用と確保の難しさ、テロ・戦争・その他の要因による社会的混乱等のリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合は、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社とサウジアラビアン オイル カンパニー社(以下「サウジ・アラムコ社」という。)が共同で設立したペトロ・ラービグ社は、サウジアラビアのラービグにおいて、石油精製・石油化学の統合コンプレックス事業(「ラービグ第1期計画」及び「ラービグ第2期計画」)を運営しております。当社は、プロジェクト総投資額に対し、不測の事態による損害に備え、独立行政法人日本貿易保険(現:株式会社日本貿易保険)の規約に従い、海外投資保険等に加入しております。また、当社はペトロ・ラービグ社に対しA種普通株式及びB種普通株式による投資を行っているほか、同社の銀行借入の一部に対して債務保証を行っております。将来の不確実な経済条件の変動の結果によって、投資の回収可能価額が大きく減少した場合及び債務保証が履行された場合には、当社グループの経営成績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 企業買収・資本提携
当社グループは、事業拡大や競争力強化等を目的として、国内外において企業買収・資本提携等を実施しておりますが、当社グループ及び出資先企業を取り巻く事業環境の変化等により、当初期待していたシナジー等の買収効果を得られない可能性があります。事業環境や競合状況の変化等により期待する成果が得られないと判断された場合、あるいは適用される割引率が高くなった場合にはのれん等の減損損失が発生し、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 技術・研究開発
当社グループは、需要家のニーズに合わせた新技術・新製品をスピーディーに上市するため、積極的に研究開発を行っております。当社グループの研究開発は、次世代事業の創生のための探索研究を含んでいるため研究開発期間が長期間にわたる場合があり、また、研究開発テーマが実用化されず、新製品の開発が著しく遅延または断念される場合には、競争力が低下し、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、研究開発現場へのAI/MIの実装とその徹底活用、アカデミアやスタートアップとの連携(オープンイノベーション)強化により研究開発を推進してまいります。
⑤ DXによる事業環境の急変
当社グループでは、DXによる「事業の競争力強化」及び「新たな価値創造」を加速させております。しかしながら、当社において、デジタル技術の適用が著しく遅延した場合や、他社がデジタル技術を活用して生産性や競争力を向上させる、あるいは新たなビジネスモデルを創造するなど事業環境の急変により、当社グループの競争力が相対的に低下することで経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 中長期的なリスク
① 気候変動問題
当社グループは、気候変動問題を社会が直面する重要課題の一つと捉えており、その解決に向け、総合化学企業として培ってきた技術力を活かし、当社グループの温室効果ガス(GHG)排出量をゼロに近づけるという「責務」と当社グループの製品・技術を通じて、世界のGHGを削減するという「貢献」の両面から積極的に取り組んでおります。この問題に適切な対応ができない場合、当社グループの事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、地球規模で私たちの生活に大きな影響を及ぼしている気候変動問題の解決に向け、引き続き「責務」と「貢献」の両面から取り組んでまいります。
② プラスチック廃棄物問題
プラスチックは、自動車や航空機から電子機器、生活用品、各種包装材に至るまで、様々な用途に用いられる素材として人々の生活を支えていますが、使用後の適切な処理・再利用が十分に行われていないために環境汚染を引き起こしているという問題があります。この問題に適切な対応ができない場合、当社グループの事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、技術開発等を通じて、プラスチックを含む炭素資源循環の実現に取り組むことで、循環社会実現後のプラスチック市場において有利な地位に立つ可能性があります。
2.事業継続の基盤に関わるリスク
① 事故・災害
当社グループは、製造設備等に起因する事故・災害の潜在的なリスクを最小化するため、関係法令への対応は勿論のこと、リスクに基づいて、設備の定期的な点検や安全諸施策を実施しております。しかしながら、リスクは常に一定ではなく、台風や地震等の自然災害による影響を含め、製造設備等で発生する事故・災害を完全に防止・軽減できる保証はありません。
事故・災害により、工場周辺に物的・人的被害を及ぼした場合、事業活動に支障をきたすほか、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事故・災害に至る可能性のあるリスクについて、適宜情報共有を図り、対応事項の改善見直しを実施しております。
② 製品の品質
当社グループは、国際的な規格・基準に準拠した品質管理体制の下、各種製品を製造しております。しかしながら、すべての製品について欠陥を完全に排除すること並びに将来にわたり製品事故やリコールの発生を防止することを保証するものではありません。特に大規模な製品事故が発生した場合には、多額のコストが発生するほか、当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を与える可能性があります。
また、農薬や医薬品等の製品は、各国の厳格な審査を経て承認されておりますが、科学技術の進歩や市販後の知見の蓄積により、新たな問題や副作用が判明する場合があります。上市後に予期せぬ問題や副作用が発見された場合には、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当社グループは、製品品質(製品安全を含む)を管理するための仕組み・体制を整備し、新製品開発時のリスク評価やリスク低減対策の実施、日々の品質管理の徹底、並びに製品の取扱いに関する指導等に継続的に取り組んでおります。今後もこれらの活動を通じて、製品事故や品質問題の未然防止に努めてまいります。
③ サイバーセキュリティ
ITの活用を通じて、業務の生産性向上や事業競争力の確保、新たなビジネスモデルの創出を目指すデジタル革新が加速する一方、サイバー攻撃の巧妙化等により情報システムに関するリスクは一層高まっており、事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、情報、情報システム及び情報通信ネットワークを適切に管理し、情報の漏えい又は紛失を未然に防止するための対策並びにセキュリティインシデント発生時の影響を最小限に抑えるための対策を講じることで、サイバーセキュリティを経営上の重要課題として捉え、適切に対応してまいります。
④ コンプライアンスに関するリスク
当社グループでは、コンプライアンスを企業経営の根幹と位置づけ、当社コンプライアンス委員会の指導・監督の下、グループ全体でのコンプライアンス推進体制を構築・運用しております。また、当社コンプライアンス委員会傘下の地域法務・コンプライアンス統括(RLCO)からのグループ会社に対する指導・支援を強化する等、グループ全体でのコンプライアンスの徹底に注力しております。しかしながら、このような施策を講じても、コンプライアンス上のリスクを完全には排除することはできない可能性があり、国内外の法令等に抵触する等のコンプライアンス違反が発生した場合には、当社グループの社会的な信用が低下し、また損害賠償責任や罰金が課される等、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 規制変更
当社グループは、事業展開する各国の規制に従い、業務を遂行しております。将来における法律、規則、政策、実務慣行、解釈及びその他の政策変更並びにそれらによって発生する事態が、当社グループの業務遂行や経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、将来的に環境及び化学品安全等に対する法的規制が強化され、新たな対策コストが発生する可能性があります。
⑥ 人権問題
当社グループは、人権尊重を事業継続のための基盤の一つと位置付けており、「住友化学グループ 人権の尊重に関する基本方針」を制定するとともに、推進体制として「人権尊重推進委員会」を設置し、人権デュー・デリジェンス等の人権尊重の取り組みをグループ一体となって行っております。しかしながら、このような施策を講じても、人権問題に関するリスクを完全には排除することができない可能性があり、当社グループのバリューチェーン上で人権問題が発生した場合、当社グループの事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ ハラスメント
当社グループでは、ハラスメントの発生に対し、社員教育の徹底、スピークアップ通報窓口の設置等により、リスクの低減に取り組んでおります。しかしながら、このような施策を講じても、ハラスメントリスクを完全には排除することができない可能性があり、ハラスメントに起因した、マスコミや労働局への告発による企業イメージの毀損、賠償責任等が発生した場合、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 知的財産
当社グループは、他社と差別化できる技術とノウハウを蓄積し事業の競争力を強化してきましたが、当社グループ独自の技術・製品とノウハウの一部は、厳正な管理を行っているものの、予期せぬ事態により外部に流出する可能性に加え、特定の地域ではこれらの知的財産の完全な保護が不可能なため、第三者が当社グループの知的財産を使用して類似製品を製造することを効果的に防止できない可能性があります。また、将来的に知的財産に係る紛争が生じ、当社グループに不利な判断がなされる可能性があります。そのような事態が生じた場合には、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 感染症の蔓延
世界的な感染症の流行が発生した場合、当社グループの事業運営や経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループはこのようなグループ全体に影響を及ぼすリスクに対し、リスク・クライシスマネジメント委員会を設置し、対処方針を審議しております。また、事業継続計画を策定し毎年見直しを行うとともに、新型コロナウイルスへの対応を踏まえて、感染状況の段階に応じた事業運営のあり方の見直しも実施し、将来起こり得る感染症危機に備えております。
⑩ 訴訟
当社グループは、国内及び海外事業に関連して、訴訟、係争、その他の法律的手続きの対象となるリスクがあり、将来重要な訴訟等が提起された場合には、当社グループの経営成績並びに財政状態に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。
連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り、判断及び仮定を行っておりますが、実際の結果は、見積り及び仮定に関する不確実性があるために、翌連結会計年度に係る連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの財政状態または経営成績等に重要な影響を及ぼす会計上の見積り、判断及び仮定は、以下のとおりであります。
・非金融資産の減損
有形固定資産、のれん及び無形資産の減損テストにおいて、資金生成単位を判別したうえで、当該資金生成単位における使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか高い方を回収可能価額として測定しております。当該処分コスト控除後の公正価値算定上の仮定、あるいは使用価値算定の基礎となる資金生成単位の使用期間中及び使用後の処分により見込まれる将来キャッシュ・フロー、割引率等の仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、有形固定資産、のれん及び無形資産に係る減損損失額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・関連会社に対する投資の評価
当社は、当社の持分法適用会社であるペトロ・ラービグ社に対する投資(A種普通株式)について、減損の兆候の有無を判断しており、減損の兆候が存在する場合には減損テストを実施しております。回収可能価額は公正価値で算定しており、公正価値は市場価格を用いております。回収可能価額は将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、持分法で会計処理されている投資の金額に重要な影響を生じさせる可能性を有しております。
・繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産については、将来減算一時差異等を利用できる将来課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しております。当該回収可能性の判断は、当社グループの事業計画に基づいて決定した将来の各事業年度の課税所得の見積りを前提としております。当該将来の課税所得の見積りは、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、繰延税金資産の計上額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・引当金の測定
引当金は、将来において債務の決済に要すると見込まれるキャッシュ・フローの期末日における最善の見積りに基づいて測定しております。将来において債務の決済に要すると見込まれるキャッシュ・フローは、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しております。これら引当金の測定において使用される仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、引当金の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・金融商品の公正価値
特定の金融商品の公正価値を評価する際に、市場で観察可能ではないインプットを利用する評価技法を用いております。当該観察不能インプットは、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
ペトロ・ラービグ社が発行するB種普通株式については議決権が無く、発行当初から数年間の配当猶予期間が設定されており、2028年以降、年ごとに異なる配当率が設定されております。またB種普通株式には、一定の累積配当や買戻しに関する定めがあります。B種普通株式はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(FVTOCIの金融資産)に分類し、公正価値ヒエラルキーレベル3に区分するとともに、割引キャッシュ・フロー法により公正価値を算定しております。公正価値の算定にあたっては、重要な観察不能インプットとして将来キャッシュ・フローの総額及び割引率を使用しております。当社は、ペトロ・ラービグ社の事業計画を基礎とした資金繰りの見積りを行い、その結果生じうる手元資金の範囲内でB種普通株式に対する配当等の将来キャッシュ・フローを見積っております。その見積りにあたっては主要製品の将来の販売価格・マージン等の仮定を置いております。これらの仮定や割引率は、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があります。
なお、中東地域における地政学的リスクの高まりに起因する原材料価格の高騰やサプライチェーンへの影響については先行き不透明感が高い状況にありますが、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づき、会計上の見積りを行っております。
(2) 経営成績
当連結会計年度の世界経済は、地政学リスクの高まりや通商政策の不確実性が続くなかでも、各国の財政・金融政策や好調なAI関連投資等により、全体として底堅い成長を維持しました。また、国内経済についても、原油価格の上昇等による物価高の影響を受けつつも所得環境の改善によって個人消費が増加したことに加え、企業による省力化やデジタル関連の堅調な設備投資が内需を下支えし、景気はゆるやかな回復基調が継続しました。
この結果、当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度に比べ2,778億円減少し、2兆3,285億円となりました。損益面では、コア営業利益は2,084億円となり前連結会計年度を上回りましたが、営業利益は1,517億円となり前連結会計年度を下回りました。親会社の所有者に帰属する当期利益は609億円となり、前連結会計年度を上回りました。
(売上収益)
売上収益については、エッセンシャル&グリーンマテリアルズセグメントにおいて、持分法適用会社であるペトロ・ラービグ社の定期修繕に伴う販売子会社の出荷減少や、前連結会計年度の事業撤退に伴うアルミニウム等の出荷減少、及び当連結会計年度の事業譲渡に伴う合成樹脂の出荷減少がありました。
この結果、売上収益は、前連結会計年度の2兆6,063億円に比べ2,778億円減少し、2兆3,285億円となりました。

(コア営業利益/営業利益)
コア営業利益については、住友ファーマセグメントにおいて、北米における進行性前立腺がん治療剤「オルゴビクス」及び過活動膀胱治療剤「ジェムテサ」の売上が拡大したことに加え、事業構造改善効果の発現等により研究開発費を含む販売費及び一般管理費が減少しました。また、アジア事業の一部持分を譲渡したことによる利益も計上しました。エッセンシャル&グリーンマテリアルズセグメントにおいては、ペトロ・ラービグ社の一部株式売却による売却益の計上に加え、ペトロ・ラービグ社や合成樹脂等の交易条件の改善がありました。
この結果、コア営業利益は、前連結会計年度の1,405億円に比べ679億円増加し、2,084億円となりました。

(金融収益及び金融費用/税引前利益)
金融収益及び金融費用は357億円の損失となりましたが、前連結会計年度にペトロ・ラービグ社に対する貸付金の債権放棄に伴う損失を計上していたことから、前連結会計年度の1,349億円の損失に比べ993億円改善しました。この結果、税引前利益は、前連結会計年度の581億円に比べ580億円増加し、1,161億円となりました。
(法人所得税費用/親会社の所有者に帰属する当期損益及び非支配持分に帰属する当期利益)
法人所得税費用は7億円となり、税引前利益から法人所得税費用を控除した当期利益は、1,154億円となりました。
非支配持分に帰属する当期損益は、主として住友ファーマ社等の連結子会社の非支配持分に帰属する損益からなり、前連結会計年度の41億円に比べ504億円増加し、545億円となりました。
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度の386億円に比べ224億円増加し、609億円となりました。
当連結会計年度のセグメント別の業績の概況は、次のとおりであります。
なお、セグメント損益は、持分法による投資損益を含む営業損益から非経常的な要因により発生した損益を控除した経常的な収益力を表す損益概念であります。
(その他)
上記5セグメント以外に、電力・蒸気の供給、運送・倉庫業務等を行っております。前連結会計年度に放射性診断薬事業等を売却したことにより、売上収益は前連結会計年度に比べ、541億円減少し458億円となりました。コア営業利益は上記放射性診断薬事業等の売却に伴う一過性の利益がなくなったことに加え、当社の連結から除外されたため、前連結会計年度に比べ625億円減少し44億円となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績及び受注状況
当社グループ(当社及び連結子会社)の生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産製品の規模は小さいため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産の状況については、セグメントごとの経営成績に関連付けて示しております。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記販売実績は、外部顧客への売上収益を示しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(3) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、売却目的で保有する資産や棚卸資産の減少により前連結会計年度末に比べ347億円減少し3兆4,050億円となりました。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,970億円減少し、2兆1,684億円となりました。有利子負債は、前連結会計年度末に比べ1,347億円減少し、1兆1,515億円となりました。
資本合計(非支配持分を含む)は、その他の資本の構成要素や非支配持分が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ1,623億円増加し、1兆2,367億円となりました。親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比べて3.4ポイント増加し、29.6%となりました。
(4) キャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益が前連結会計年度を上回った一方で、運転資金の増加等により、前連結会計年度並みの2,348億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資の取得による支出の増加により、前連結会計年度に比べ1,601億円減少し、748億円の支出となりました。
この結果、フリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度の3,183億円の収入に対して、当連結会計年度は1,599億円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の減少等により1,991億円の支出となりました。また、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、売却目的で保有する資産への振替額も加味すると、前連結会計年度末に比べ12億円減少し、2,086億円となりました。
当社グループの資金需要及び資本の財源並びに資金の流動性は、次のとおりであります。
当社グループの資金需要には、通常の営業活動に必要となる運転資金や既存設備の定期修理のための資金に加え、中期経営計画(2025-2027年度)の基本方針の一つである「新成長戦略による事業ポートフォリオ高度化」を推進するための投資に必要となる資金があります。成長への目配りもしながら案件を徹底的に厳選するとともに、資産売却やCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)短縮等により財務体質の改善に努めてまいります。
また、当社グループは株主還元についても、経営上の最重要課題の一つと考えております。各期の業績、配当性向並びに将来の事業展開に必要な内部留保の水準等を総合的に勘案の上、安定的な配当を継続することを基本とし、中長期的に配当性向30%程度を安定して達成することを目指しております。
当社グループの財務活動の方針は、低利かつ中長期にわたり安定的な資金調達を行うこと、及び十分な流動性を確保することです。D/Eレシオ(有利子負債/純資産)については、フレキシブルな資金調達が可能な現在の当社格付を維持することを考慮し、中長期的に0.7倍程度を目安としております。当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、銀行借入、資本市場における社債及びコマーシャル・ペーパー(当連結会計年度末の当社発行枠2,500億円)の発行等により、必要資金を調達しております。
当社グループは、キャッシュマネジメントシステム及びグループファイナンス等により手元資金の最大活用を図っており、現金及び現金同等物の保有額は事業遂行上必要な水準に維持することを目指しております。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は2,086億円であり、流動比率(流動資産/流動負債)は150.6%であります。
また、大手邦銀のシンジケート団による1,300億円のコミットメント・ライン及び大手外銀のシンジケート団による200億円のマルチカレンシー(円・米ドル・ユーロ建)によるコミットメント・ラインを有しており、事業等のリスクの顕在化等による突発的な資金需要に備え、手元流動性を確保しております。
(5) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
5 【重要な契約等】
(1) 技術導入関係
(2) 日本エイアンドエル株式会社の株式譲渡に関する契約
当社は、2025年5月、当社が保有する日本エイアンドエル株式会社の株式の一部を双日株式会社に譲渡する契約を締結し、2025年6月に株式譲渡を完了しました。なお、本譲渡に伴い日本エイアンドエル株式会社は当社の持分法適用会社になっております。
(3) ペトロ・ラービグ社の新株引受に関する契約
当社は、2025年8月、「第144期有価証券報告書 第2 事業の状況 5 重要な契約等 (4) ペトロ・ラービグ社の株式売却に関する契約」に記載した資金拠出についてのサウジ・アラムコ社との合意に基づき、ペトロ・ラービグ社の発行するB種普通株式を発行価額(額面と同じ10サウジアラビア・リヤル)で引き受ける契約を締結しました。本新株引受は、ペトロ・ラービグ社が新たな種類の普通株式(B種普通株式)を発行することにより実施します。B種普通株式には議決権がなく、配当金に関しては2028年以降、年ごとに異なる割合で一定の権利が付与されるなどの特徴があります。なお、サウジ・アラムコ社も同様の契約をペトロ・ラービグ社と締結しており、当社及びサウジ・アラムコ社は、2025年10月、本新株引受を実施し、それぞれ263,182,499株引き受けました。
(4) アジア ユニオン エレクトロニック ケミカル コーポレーションの株式取得に関する契約
当社は、2025年9月、聯華林德氣體工業股份有限公司及びCBJ ホールディングス LLCとの間で、アジア ユニオン エレクトロニック ケミカル コーポレーションの全株式を取得する契約を締結し、2026年1月に株式取得を完了しました。
(5) 株式会社田中化学研究所を完全子会社とする株式交換に関する契約
当社は2025年10月28日開催の取締役会決議に基づき、株式会社田中化学研究所(以下「田中化学」という。)との間で、少数株主との利益相反や独立性確保に伴う制約を解消し、より長期的な視点から機動的にグループ全体最適の施策を実行できる体制を構築するとともに、正極材料事業における研究開発の加速、収益性の改善及び資金繰りの安定化等を通じて、当社グループの企業価値の維持向上を図ることを目的として、同日付けで株式交換契約を締結しました。
株式交換の概要は、以下のとおりであります。
① 株式交換の内容
当社を完全親会社とし、田中化学を完全子会社とする株式交換。
② 株式交換の日(効力発生日)
2026年1月30日
③ 株式交換の方法
株式交換日現在の田中化学の株主名簿に記載又は記録された株主に対して、当社は普通株式14,028,283株を割当交付いたしました。なお、当社が交付する株式は、当社が保有する自己株式を充当しており、割当交付に際して新たに株式を発行しておりません。
④ 株式交換比率
⑤ 株式交換比率の算定根拠
株式交換比率の算定にあたって、当社は野村證券株式会社を、田中化学は三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社をファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関に任命いたしました。
田中化学の株式価値については、野村證券株式会社は市場株価平均法及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法による算定を行い、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社は市場株価分析及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー分析による算定を行いました。また、対価として交付する当社株式の価値については、変動制株式交換比率方式であること等を踏まえ、効力発生日直前の一定期間における各取引日の終値の単純平均値を採用することが妥当であると当事者間で判断いたしました。これらの算定結果等を参考に当事者間で協議し、株式交換比率を決定いたしました。
⑥ 株式交換完全親会社となる会社の概要
(6) 当社における会社分割(簡易吸収分割)並びに国内ポリオレフィン事業の譲渡に関する契約の締結
当社は、2025年12月24日、当社を吸収分割会社とし、三井化学株式会社(以下「三井化学」という。)及び出光興産株式会社(以下「出光興産」という。)の合弁会社である株式会社プライムポリマー(以下「プライムポリマー」という。)を吸収分割承継会社とする会社分割(簡易吸収分割)を二段階に分けて行い、当社が行う国内ポリオレフィン事業のうちポリプロピレン(以下「PP」という。)事業及び直鎖状低密度ポリエチレン(以下「LLDPE」という。)事業(以下「本対象事業」という。)をプライムポリマーに承継した上で、当社がプライムポリマーの持分の20%に相当する同社株式を取得すること(以下「本事業統合」という。)について合意し、当社、プライムポリマー、三井化学及び出光興産との間で事業統合契約及び合弁契約を締結いたしました。この結果、プライムポリマーは、三井化学が52%、出光興産が28%、当社が20%の割合でそれぞれ出資する合弁会社となります。
なお、本事業統合は、以下に記載する各手続を実施することにより行う予定であり、会社分割(ⅰ)については、2026年4月1日、当社とプライムポリマーの間で吸収分割契約を締結いたしました。
会社分割(ⅰ):
当社が、国内のPP事業及びLLDPE事業のうち製造機能を除いたものを、吸収分割によりプライムポリマーに対して承継させます。(以下「本会社分割(ⅰ)」という。)
会社分割(ⅱ):
当社が、国内のPP事業及びLLDPE事業のうち製造機能に付随する資産及び負債、同機能における契約上の地位及び権利義務を、吸収分割によりプライムポリマーに対して承継させます。(以下「本会社分割(ⅱ)」という。)
1.本事業統合の目的
プライムポリマーは、2005年に三井化学と出光興産の合弁会社として設立されて以来、PP及びLLDPE及び高密度ポリエチレン(以下「HDPE」という。)を主な製品とし、国内のポリオレフィン業界をけん引してまいりました。プライムポリマーと当社は、それぞれ京葉地域に拠点を持つことに加え、環境負荷低減技術の開発においても、大きなシナジーが期待できることから、当社の本対象事業をプライムポリマーに統合することは、国内のポリオレフィン事業強化のみならず輸入品に対する水際競争力につながるという認識を共有しております。本事業統合により、当社、三井化学及び出光興産の3社協力のもと年間80億円以上の合理化を目標として生産体制等を最適化し、強靭でエッセンシャルな企業体としての競争力を一層強化いたします。さらに、高機能かつ環境配慮型製品の開発力を高めることで、持続可能なグリーンケミカル事業の実現に向けた取り組みを加速してまいります。
2.本会社分割(ⅰ)の概要
① 本会社分割(ⅰ)の方式
当社を吸収分割会社とし、プライムポリマーを吸収分割承継会社とする吸収分割(簡易吸収分割)とします。
② 本会社分割(ⅰ)の効力発生日
2026年7月1日(予定)
③ 承継する資産・負債の状況(2025年3月31日現在)
2025年3月期実績を基準とした本対象事業の資産及び負債の帳簿価額は、流動資産20,488百万円、固定資産802百万円及び流動負債712百万円となる見込みであります。なお、実際に承継する金額は上記金額に効力発生日までの増減を調整したものになります。
④ 本会社分割(ⅰ)に係る割当の内容
当社は、本会社分割(ⅰ)の対価としてプライムポリマーの普通株式50,000株の交付を受ける予定であります。
⑤ 本会社分割(ⅰ)に係る割当の内容の算定根拠
本対象事業及びプライムポリマーにおける収益の状況、将来の見通し等を総合的に勘案し、両者間で真摯に協議を重ねた結果、上記の本会社分割(ⅰ)に係る割当てを行うことで合意に至ったものであります。
⑥ 本会社分割(ⅰ)の吸収分割承継会社の資本金・事業の内容等(2025年9月30日現在)
3.本会社分割(ⅱ)の概要
① 本会社分割(ⅱ)の方式
当社を吸収分割会社とし、プライムポリマーを吸収分割承継会社とする吸収分割(簡易吸収分割)とします。
② 本会社分割(ⅱ)の効力発生日
2027年4月1日(予定)
③ 承継する資産・負債の状況(2025年3月31日現在)
2025年3月期実績を基準とした本対象事業のうち製造機能の資産及び負債の帳簿価額は、流動資産4,655百万円、固定資産864百万円及び流動負債1,335百万円となる見込みであります。なお、実際に承継する金額は上記金額に効力発生日までの増減を調整したものになります。
④ 本会社分割(ⅱ)に係る割当の内容
別途当社とプライムポリマーが合意した分割対価とする予定であります。
⑤ 本会社分割(ⅱ)に係る割当の内容の算定根拠
別途当社とプライムポリマーが合意した分割対価とする予定であります。
⑥ 本会社分割(ⅱ)の吸収分割承継会社の資本金・事業の内容等(2025年9月30日現在)
本会社分割(ⅱ)の吸収分割承継会社の商号等については、「2.本会社分割(ⅰ)の概要 ⑥ 本会社分割(ⅰ)の吸収分割承継会社の資本金・事業の内容等(2025年9月30日現在)」に記載のとおりであります。
(7) 広栄化学株式会社を完全子会社とする株式交換に関する契約
当社は2026年5月13日開催の取締役会決議に基づき、広栄化学株式会社(以下「広栄化学」という。)との間で、協業関係をさらに強化するとともに、住友化学グループ内における迅速かつ柔軟な意思決定及び方針徹底を実現し、両社の企業価値向上を図ることを目的として、同日付けで株式交換契約を締結しました。
株式交換の概要は、以下のとおりであります。
① 株式交換の内容
当社を完全親会社とし、広栄化学を完全子会社とする株式交換。
② 株式交換の日(効力発生日)
2026年8月1日(予定)
③ 株式交換の方法
当社においては、会社法第796条第2項の規定に基づき、株主総会の決議による承認を必要としない簡易株式交換の手続により、また、広栄化学においては、2026年6月25日に開催予定の定時株主総会の決議による本株式交換契約の承認を受けた上で、2026 年8月1日を効力発生日として行う予定であります。
④ 株式交換比率
⑤ 株式交換比率の算定根拠
株式交換比率の算定にあたって、当社は野村證券株式会社を、広栄化学は大和証券株式会社をファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関に任命いたしました。
広栄化学の株式価値については、野村證券株式会社は市場株価平均法、類似会社比較法及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法による算定を行い、大和証券株式会社は市場株価法及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法による算定を行いました。また、対価として交付する当社株式の価値については、野村證券株式会社は市場株価平均法による算定を行い、大和証券株式会社は市場株価法による算定を行いました。これらの算定結果等を参考に当事者間で協議し、株式交換比率を決定いたしました。
⑥ 株式交換完全親会社となる会社の概要
(8) 財務上の特約が付された金銭消費貸借契約
(注) 1 シンジケートローン契約を締結しております。
2 いずれの契約においても担保は付されておりません。
3 住友ファーマ社はマイオバント サイエンシズ リミテッドの完全子会社化の対価及びロイバント社との戦略的提携に伴う借入契約について、シンジケートローン契約を締結しておりました。また、当該借入契約に対し、当社が債務保証を行っておりました。なお、新たに締結したブリッジローンへの借り換えにより、本有価証券報告書提出日(2026年6月22日)において、当該借入契約は終了しております。
(9) 当連結会計年度において終了した重要な契約等
当連結会計年度において契約終了の合意もしくは契約期間満了に伴い終了した、重要な契約等は以下のとおりであります。
技術供与関係
販売契約等
(10) 当連結会計年度において内容を変更した重要な契約等
当連結会計年度において契約の更改により契約会社を変更した、重要な契約等は以下のとおりであります。
技術供与関係
販売契約等
6 【研究開発活動】
当社グループ(当社及び連結子会社)は、事業拡大と収益向上に寄与すべく、独自の優位性ある技術の確立を基本方針とし、各社が独自に研究開発活動を行っているほか、当社グループ全体としての効率性を念頭に置きながら、互いの研究開発部門が密接に連携して共同研究や研究開発業務の受委託等を積極的に推進しております。
当連結会計年度においては、2025年度から2027年度までの中期経営計画に従い、前期中期経営計画から引き続き、食糧、ICT、ヘルスケア、環境の4分野に研究資源を重点投入するとともに、異分野技術融合による新規事業の芽の発掘とその育成に取り組んでまいりました。
これに基づき、当連結会計年度に計上された研究開発費は、前連結会計年度に比べ5億円減少し、1,447億円となりました。
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
アグロ&ライフソリューション分野では、世界の食糧増産、健康・衛生や環境の改善といった課題解決を通じてサステナブルな社会の実現に貢献するため、環境負荷低減効果を重視した技術による新製品やアプリケーション、競争力のある製造プロセスの開発を加速化し、コア事業のさらなる強化と周辺事業の拡大に取り組んでおります。
当連結会計年度において、国内農業関連事業については、「ピリダクロメチル」及びイミノクタジンアルベシル酸塩を含有する殺菌剤「フセキワイドフロアブル」を上市いたしました。「ピリダクロメチル」は、当社が独自に開発した新規作用性を有する有効成分であり、イミノクタジンアルベシル酸塩は、耐性菌発生リスクが低く、長年の実績を有する化合物です。この2つの有効成分の組み合わせにより、「フセキワイドフロアブル」はうどんこ病に加え、トマトの葉かび病・すすかび病、なすのすすかび病防除の基幹剤として長く安定的に使用することが可能であります。また、近年上市しました殺虫剤「アレス」、殺菌剤「カナメ/モンガレス」についても、新製品の開発を進めております。さらに、省力化・環境負荷低減技術の開発やDXの活用を通じて農業生産者への革新的なソリューションの提供を拡大すべく、農薬、肥料、コメ事業の製品ポートフォリオ拡充及び付随するサービスに関する研究開発を進めております。特に、DXの活用では、当社が運営する「農業でつながろう」をテーマとしたデジタルプラットフォーム「つなあぐ」を起点にデジタル技術を駆使して、農業関係者の課題解決に貢献するソリューションの開発に継続的に取り組んでおり、病害虫発生情報アプリ「むしきんコール」の新規公開、青果市況情報アプリ「YAOYASAN」の新機能「市況分析」の追加を行いました。海外農業関連事業においては、2024年にアルゼンチンにおいて世界で初めて上市いたしました「ラピディシル」を含む除草剤「エンペラ」の販売拡大及び、主要市場での登録取得に取り組んでおります。「ラピディシル」は、当社が独自に開発した除草剤有効成分で、速効性があり、幅広い広葉雑草やイネ科雑草に対して高い効果を発揮することから、リジェネラティブ(再生可能)農業の一つとして注目される不耕起栽培に適した性能を有しており、土壌保全と二酸化炭素排出量の削減によるカーボンニュートラルへの貢献が期待できます。こうした特長やグローバル市場での高い事業成長性が評価され、「ラピディシル」は2025年日経優秀製品・サービス賞 グローバル部門賞を受賞しました。また、有効成分「インディフリン」を含有する殺菌剤「エクスカリアマックス」をインドで初めて上市し、当社新規殺菌剤「パベクト」は欧州及び南米市場向けに鋭意開発を進めております。これら「ラピディシル」「インディフリン」「パべクト」はいずれもブロックバスターとなる有効成分と位置付けております。コルテバ・アグリサイエンス社との種子処理技術の開発、商業化プロジェクトにも引き続き取り組んでおります。
さらに、当社が戦略的分野と位置付けているバイオラショナル事業では、有効成分「ACC」含有する植物成長調整剤「アクシード」を南アフリカとメキシコで上市いたしました。また、バイオラショナル事業のさらなる強化・成長を目的として、2026年4月1日付で当社の米国組織体制を再編し、スミトモ バイオラショナル カンパニー LLCへと統合いたしました。スミトモ バイオラショナル カンパニー LLCは、当社バイオラショナルのイノベーションを推進する中核拠点として、グローバルに総合的かつ持続可能なソリューションを提供してまいります。当社は、化学農薬、バイオラショナルの強固な基盤をもとにリジェネラティブ農業への貢献を追求いたします。
生活環境事業については、重点強化領域の市場セグメントにおける新製品の開発と製品群の拡充を推進しております。引き続き強い市場ニーズのある天然物由来製品を強化すべく、2024年度に米国での登録を取得した新規ボタニカル有効成分「ベラトリン」の適用拡大に取り組んでおります。「ベラトリン」はユリ科の植物サバジラの種子からの抽出物で、幅広い害虫への作用が期待されます。また、近年米国で上市したハチ用エアゾールの「オンスロート パワーショット」の拡販を進めるとともに、さらなる新製品の開発に取り組んでおります。熱帯感染症対策資材分野では、長期残効性蚊帳、室内残留散布剤、蚊の発生源対策として幼虫防除用製品の普及を引き続き進めていくことに加え、抵抗性を持つ蚊に効果のある新規空間散布剤の開発普及を通じて、熱帯感染症を媒介する蚊に対する総合的な防除に取り組んでおります。また、抗菌・防カビ・アレル物質低減分野において製品の拡充を進め、抗バイオフィルム製品の開発にも取り組んでおります。
アニマルニュートリション事業については、飼料添加物メチオニンのプロセス改善等の合理化に加え、グローバルな販売ネットワークやロジスティクスに強みを持つ伊藤忠商事株式会社との販売業務提携を拡大し、同事業の競争力強化に取り組んでおります。また、機能性飼料添加物分野における製品ラインナップ拡充のため、飼料効率の改善と安心・安全な畜産物生産に貢献できる新規製品の開発も進めております。さらに、近年問題となっている家畜排泄物由来の温室効果ガス(GHG)の低減を目的として、国内研究機関等との共同研究プロジェクトに参画し、引き続きメチオニンを活用したアミノ酸バランス改善飼料の技術普及を推進しております。
なお、アグロ&ライフソリューションセグメントにおける当連結会計年度の研究開発費は316億円であります。
ICT&モビリティソリューション分野では、グローバルな技術・研究開発能力を結集し、AI時代の先端技術進化を支える新製品の開発に積極的に取り組み、高成長・高収益を目指してまいります。
当連結会計年度において、半導体分野においては、生成AIの普及と進化に伴う技術革新や投資拡大によって生じる新たな市場に対応すべく、研究開発リソースを重点的に投入しております。前工程用材料では、半導体集積度向上という命題に対し、微細加工分野において、EUV(極端紫外線)光源向けフォトレジストの開発を推進しております。従来の化学増幅タイプの実績を積み上げるとともに、次世代向けに当社独自の有機分子レジストによる性能向上にも戦略的に取り組んでおります。液浸ArFレジストについては、開発体制強化に向けた戦略投資を機動的に実行し、製品ラインナップの拡充を図ることで、先端レジスト分野におけるプレゼンスを一段と向上させてまいります。また、洗浄工程で使用される高純度ケミカルでは、プロセス・分析技術の高度化によってpptオーダーの不純物管理を含む品位向上を実現し、最先端半導体プロセスでの採用に向けた取り組みを着実に進展させております。一方、技術転換期にある後工程用材料については、多層配線用厚膜レジストや特殊プロセス向け洗浄剤などで実績を積み重ねるとともに、ラインナップ強化を通じて採用拡大を図っております。韓国をはじめとした海外拠点とのグローバルな連携により研究開発体制を一層強化し、次世代材料の開発・事業化を加速してまいります。
さらに、化合物半導体製造技術を基盤に、今後大きな成長が期待されている次世代パワー半導体用の大口径GaN(窒化ガリウム)基板について品位のさらなる向上に取り組むとともに、データセンターの爆発的な普及に伴って重要度を増している光通信用InP(インジウムリン)エピウェハの開発も推進してまいります。また、世界に先駆けて量産を開始した超微粒αアルミナについて、次世代半導体用の研磨材用途としての展開に加え、CPU/GPUの安定動作を確保するうえで重要となる放熱材料や、高強度・耐薬品性・透光性が求められる半導体製造装置用部材への応用開発も進めております。加えて、生成AI関連需要を背景に高まるデバイスの微細化・薄肉化及び高速伝送化の要求に応えるべく、スーパーエンジニアリングプラスチックである液晶ポリマー(LCP)のグレード開発にも精力的に取り組んでおります。
ディスプレイ分野においては、主にモバイル用途のOLEDディスプレイに対し、当社独自のキーコンポーネントである液晶塗布型位相差フィルムや液晶塗布型偏光子を用いた、薄型で耐久性や折り曲げ特性に優れた偏光フィルムを積極的に拡販しております。併せて、自動車の技術革新に伴って拡大する車載用ディスプレイ市場に向けて、次世代の高耐久・広視野角偏光フィルムの開発も強化しております。加えて、フォルダブルスマートフォンや超高精細OLEDディスプレイ等次世代ディスプレイ向けの低温硬化カラーレジストについても、市場展開を推進しております。引き続き、多様化が進むディスプレイ市場に対応する新規機能性フィルムや各種高機能材料の開発・事業化を加速してまいります。
成長著しいモビリティ及び高速通信分野においては、EVやHEVなどで求められる高い信頼性要求に対応し、液晶ポリマー(LCP)のグレード開発を強化するとともに、リチウムイオン二次電池用各種部材についても、性能向上の要請や需要拡大に応えるべく開発を推進しております。耐熱セパレータでは、性能向上とコスト削減を両立させる技術開発が進展し、当該技術の採用が拡大しております。2026年度からは、韓国SSLM社へ当該製品の製造及び関連機能を集約し、日本は次世代に向けた革新的材料の研究開発に集中する体制へ移行いたします。京都大学産学共同研究講座「固体型電池システムデザイン」では、新規固体電解質の実用化に向けた材料開発を進めており、日韓の役割分担と連携を通じて、電池材料の競争力を一段と高めてまいります。併せて、高速・大容量通信、省エネ、自動運転等の技術を支える高周波デバイス用各種エピウェハの設計開発にも力を入れるとともに、IoTや大容量・高速通信のニーズの拡大に応えるフィルムアンテナの開発と市場開拓も戦略的に進めております。
これらに加えて、培った材料や技術のライフ&ヘルスケア分野への展開も行っております。機能樹脂材料においては、ポリエーテルスルホン(PES)の、高機能膜向けの材料開発を積極的に進めるとともに、食器などの生活関連資材や医療関連資材への用途開拓にも力を入れております。また、世界初の固体ポリマー型温度調節材料を用いた繊維開発に成功し、接触・持続冷感性や持続温感性を活かした、温度調節が求められる衣服への実用化に取り組んでおります。無機材料においては、今後の市場拡大が見込まれる人工関節や歯科材料を対象に、超微粒αアルミナを活用したユーザーとの共創を積極的に進めております。
蓄積した事業ノウハウ・ネットワークを活かして、今後の成長が期待されるサーマルマネジメント分野などの新事業領域にも挑戦してまいります。革新的かつ高機能な製品の開発を通じて、ポートフォリオの高度化と価値創出に向けた取組みを一層強化いたします。
なお、ICT&モビリティソリューションセグメントにおける当連結会計年度の研究開発費は334億円であります。
アドバンストメディカルソリューション分野では、「高度な製造・管理・分析技術を駆使したソリューションの提供を通じ“化学とバイオの力”で世界中の人々の健康と未来を支える」ことをビジョンに据えて活動に取り組んでおります。このビジョンのもと、オーガニックな事業成長を推進するとともに先端医薬領域における飛躍的成長戦略を具体化し新たな当社事業の柱の一つとすべく、長期的な育成に取り組んでおります。
当連結会計年度において、高度化低分子CDMO事業については、当社の高度な有機合成技術を駆使した新薬の受託製造品目の拡充、ジェネリック原薬の製法開発、及び新規製造技術の開発に取り組んでおります。有望な複数の開発品・新製品に対して商業生産へ向けた準備を進めており、引き続き製販研一体で一層の事業拡大を追求いたします。
医療用オリゴ核酸CDMO事業については、当社が強みとする高純度な長鎖RNAのニーズが拡大しており、生産・出荷が本格化しております。2025年4月には米国マサチューセッツ州マールボロにCRO拠点を設立し、顧客が集中する米国への対応強化を進めております。今後、当該拠点から顧客要望に応じた長鎖RNAのサンプルを調製し提供することにより、コミュニケーションを密に取りながら顧客ニーズにスピーディに対応してまいります。
再生・細胞医薬CDMO事業については、S-RACMO株式会社が、2024年度にオリヅルセラピューティクス株式会社と共同で採択された国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の公募課題「再生・細胞医療・遺伝子治療産業化促進事業」に基づき製造プロセス開発を推し進めております。さらに当連結会計年度では、当該AMED公募課題の2025年度事業に当社連結子会社である株式会社RACTHERAと共同で採択され、ゲノム編集iPS細胞及び高機能網膜シートの製造プロセス開発を進めております。2025年7月に竣工した再生・細胞医薬製造第3棟「CRAFT」も活用し、顧客の再生・細胞医薬品の開発・商業化に貢献してまいります。
なお、アドバンストメディカルソリューションセグメントにおける当連結会計年度の研究開発費は38億円であります。
エッセンシャル&グリーンマテリアルズ分野では、炭素循環技術の社会実装、ライセンス技術の競争力強化、新規技術の創出及びサステナブル製品の市場投入を重点課題としております。これらの取り組みを通じて、エッセンシャル&グリーンマテリアルズコンプレックスの構築及び新規事業の創出を目指し、社内外との連携の下、技術・製品開発を推進しております。
炭素循環技術の社会実装においては、総合リサイクル企業リバー株式会社との業務提携契約に基づき、使用済み自動車由来の廃プラスチックのマテリアルリサイクルに関する共同技術開発を進めております。2023年に完成した高精度の選別及び異物除去プロセスを活用し、2025年度には顧客へのサンプル提供を通じたマーケティング活動を推進するとともに、実証実験を進行し、リサイクル製品の品質向上に向けた検討を進めてまいりました。
また、環境負荷低減技術として、当社独自のアクリル樹脂(PMMA)の高効率ケミカルリサイクル技術について、2024年5月にルーマス・テクノロジー社との協業契約を締結し、PMMA-CR技術のライセンス供与及び商業化に向けた取り組みを進めてまいりました。当社の愛媛工場(愛媛県新居浜市)に設置する実証設備での技術検証を経て、両社でスケールアップを含む商業化の検討・評価を実施した結果、商業化に必要な要件を満たすと判断し、2025年2月に商業スケールでのライセンス提供を開始しました。
包装用ポリオレフィン材料の開発では、素材メーカーとしての強みを活かし、剛性と耐熱性を単一樹脂で両立するモノマテリアル包材の開発を継続して推進しております。2025年度には、特に高剛性延伸フィルム向けポリプロピレンにおいて顧客評価が進展し、採用が拡大しました。
さらに、事業のグローバル競争力強化に向けて、モノマー製品の触媒・プロセス改良、合成樹脂の製造プロセス改良、既存素材の高性能化及び新規高付加価値製品の開発に注力しております。新規高付加価値製品としては、金属有機構造体(MOF)の開発を進めております。当社は、外部機関との連携を含めた研究開発を通じて、社会課題の解決に資するソリューションの創出を目指してまいります。
なお、エッセンシャル&グリーンマテリアルズセグメントにおける当連結会計年度の研究開発費は84億円であります。
住友ファーマでは、精神神経領域及びがん領域並びにその他領域において、人々の健康で豊かな生活に貢献するため、自社研究に加え、技術導入、ベンチャー企業やアカデミアとの共同研究等、あらゆる方法で最先端の科学と技術を駆使して研究開発活動に取り組んでおります。
当連結会計年度において、精神神経領域では、DSP-0378について、進行性ミオクローヌスてんかん及び発達性てんかん性脳症を対象としたフェーズ1b試験を開始しました。特長ある低分子の初期臨床開発品目群について、2030年代のグループ収益を支える優先品目を選抜し、次のフェーズへの移行に向けた取組を推進してまいります。
がん領域では、①enzomenib(開発コード:DSP-5336)について、日本及び米国において、急性白血病を対象とした併用療法のフェーズ1/2試験を推進し、2025年12月には米国血液学会(American Society of Hematology)(以下「ASH」という。)において最新の臨床データを発表しました。また、日本及び米国において検証的試験となる単剤療法のフェーズ2試験を開始しました。②nuvisertib(開発コード:TP-3654)について、日本及び米国において、骨髄線維症を対象とした単剤療法及び併用療法のフェーズ1/2試験を推進し、2025年12月にはASHにおいて最新の臨床データを発表しました。③SMP-3124について、日本及び米国において、固形がんを対象としたフェーズ1/2試験を推進しました。enzomenib及びnuvisertibに開発リソースを集中させ、日米に加えて欧州・アジアに治験施設を拡大することで、競合の激しいがん領域において、臨床試験を力強く推進し、最速上市を目指します。適応拡大などの価値最大化に向けては、適切なタイミングでの提携を軸に開発方針を検討してまいります。
その他領域では、ユニバーサルインフルエンザワクチン(開発コード:fH1/DSP-0546LP)について、住友ファーマ社が開発したTLR7アジュバント(免疫強化剤)を添加して作製した新規のユニバーサルインフルエンザワクチンのフェーズ1試験を推進し、中間解析を実施しました。なお、ユニバーサルインフルエンザワクチンの研究開発は、日本医療研究開発機構からの委託研究開発費を活用しております。
なお、住友ファーマセグメントにおける当連結会計年度の研究開発費は440億円であります。
全社共通及びその他の研究分野においては、当社が強みを持つアセットであるBX(バイオ)・DX(デジタル)・GX(グリーン)の3つのXを基軸とし、「食糧」「ICT」「ヘルスケア」「環境」の4つの重点分野において、事業部門とコーポレートの連携加速による「基盤技術の強化」と「次世代事業開発」を進め、社会課題解決の実現に向けた研究開発を推進しております。
また、2021年12月に公表した住友化学グループのカーボンニュートラル・グランドデザインに基づき、GHG削減及び炭素資源循環につながる各種の製品・技術の開発を行い、社会実装及びライセンスを通じたグローバル展開に取り組んでおります。
当連結会計年度において、食糧分野では、当社が持つ高度な分析力で天然素材の隠れた価値を見つけ、売り手と買い手をつなぐ日本発のデジタルサービス「Biondo(ビオンド)」の展開を加速しており、2026年3月末時点で、1,500を超える天然素材及び230以上の未利用・低利用資源を登録しております。また、市場開拓のモデルケースの一つとして、長岡市主導の「長岡バイオエコノミーコンソーシアム」に2025年9月から参画しております。地域が有する素材・資源の価値を「Biondo」で公開することで、地域の枠組みを超えた全国への情報発信を通じ、企業間マッチングや資源循環型社会、新産業創出の加速に貢献してまいります。
ICT分野では、東京科学大学、東京大学及び理化学研究所と共同で、次世代量子デバイスの重要材料の一つとして有望視される強相関材料の開発を推進しております。強相関材料は、強誘電性や強磁性等の複数の強物性を併せ持つ材料の総称であり、熱電変換や低エネルギー消費メモリ材料等の幅広い分野での応用が期待されております。強相関材料の応用先として期待される低消費電力メモリの領域において、低消費電力化に資する成果創出の進捗がありました(対外公表2件)。これらの成果は、超低消費電力で駆動する次世代メモリの実用化に大きく寄与するものであり、当社は本技術分野におけるトップランナーとして、研究成果のさらなる拡大及び早期の社会実装を目指してまいります。
ヘルスケア分野では、当社の連結子会社である株式会社RACTHERAにおいて、再生・細胞医薬事業のフロントランナーたる技術・知見を駆使して研究開発に取り組んでおります。他家iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞(販売名:アムシェプリ/一般的名称:ラグネプロセル)について、2025年8月、住友ファーマ社を申請者として国内における製造販売承認申請を行い、2026年3月、世界初となるiPS細胞由来の再生・細胞医薬品として、条件及び期限付承認を取得しました。本承認取得を目指し、製造販売後臨床試験及び使用成績調査を実施するとともに、米国においてもフェーズ1/2試験を着実に推進してまいります。これに加えて、他家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞、他家iPS細胞由来網膜シート(立体網膜)などの先行剤に注力し、早期事業化・育成を進めてまいります。
環境分野では、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション(GI)基金事業において、エタノールからプロピレンを直接製造する新規プロセスのパイロット設備を千葉工場袖ケ浦地区に新設し、2025年7月から稼働を開始しました。本プロセスは、一工程でプロピレンを製造するため低コスト化が見込め、さらに水素を副生する利点も有する、石油化学産業の原料転換に大きく貢献しうる技術として、2030年代前半の事業化及び他社への技術ライセンス供与を目指してまいります。同じくGI基金事業において、株式会社OOYOOと共同で技術開発した分離膜モジュールを用いたCO2分離回収の実証試験を、JFEエンジニアリング株式会社と共同で進めております。2026年3月から川崎市浮島処理センターにおいて、ごみ焼却処理施設の排ガスに含まれるCO2を膜によって分離・回収する国内初の試験設備が稼働を開始しております。また当社は、2021年から京都大学 北川進特別教授と金属有機構造体(MOF)に関する共同研究を実施しております。非常に微細な多孔質材料であるMOFの特徴を活かし、より多くの水分子を吸着し、低エネルギーで取り出せる材料開発を進めております。砂漠など世界で深刻な水不足に陥っている地域や、高温多湿地域での湿度調整など、国を超えた社会課題や地球規模の環境課題の解決を目指してまいります。
なお、全社共通及びその他における当連結会計年度の研究開発費は235億円であります。
このように、新製品・新技術の研究開発及び既存製品の高機能化・既存技術の一層の向上に取り組みつつ、食糧、ICT、ヘルスケア、環境の4つの重点分野の社会課題をイノベーティブな技術で解決する企業(Innovative Solution Provider)を目指してまいります。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社グループ(当社及び連結子会社)では、当連結会計年度は、製造設備の新設、増強、整備を中心に総額1,216億円の設備投資を行いました。
(注) 1 所要資金については、自己資金等を充当しました。
2 設備投資金額には、有形固定資産のほか、無形資産への投資を含めております。
2 【主要な設備の状況】
当社グループ(当社及び連結子会社)における主要な設備は、以下のとおりであります。
(1) 提出会社
2026年3月31日現在
(注) 1 土地の面積について、そのうちの借地の面積を[ ]で示しております。
2 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品及び建設仮勘定の合計であります。
3 土地には、主な貸与土地として、愛媛工場に650千㎡及び千葉工場に304千㎡が含まれております。また、主な貸与先は当社の連結子会社である住友ファーマ社、広栄化学及び新居浜コールセンター株式会社であります。
4 現在休止中の主要な設備はありません。
(2) 国内子会社
2026年3月31日現在
(注) 1 土地の面積について、そのうちの借地の面積を[ ]で示しております。
2 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品及び建設仮勘定の合計であります。
3 現在休止中の主要な設備はありません。
4 上記のほか、住友ファーマ㈱において158,406百万円の無形資産を計上しております。
(3) 在外子会社
2026年3月31日現在
(注) 1 土地の面積について、そのうちの借地の面積を[ ]で示しております。
2 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品及び建設仮勘定の合計であります。
3 スミトモ ケミカル アジア プライベート リミテッド、スミトモ バイオラショナル カンパニー LLC及びスミカ ポリマー コンパウンズ ヨーロッパには、同社の連結子会社が含まれております。
4 現在休止中の主要な設備はありません。
3 【設備の新設、除却等の計画】
(1)重要な設備の新設等
当社グループ(当社及び連結子会社)は、多種多様な事業を国内外で行っており、設備の新設、増強、整備等の計画の内容も極めて多岐にわたっているため、セグメントごとの数値を開示する方法によっております。
当連結会計年度後1年間の設備投資計画(設備の新設、増強、整備等)は1,190億円であり、セグメントごとの内訳は次のとおりであります。
(注) 1 所要資金については、自己資金等を充当する予定であります。
2 計画金額には、有形固定資産のほか、無形資産への投資を含めております。
(2)重要な設備の除却等
経常的な設備の更新のための除却等を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 譲渡制限付株式報酬としての新株発行による増加であります。
(5) 【所有者別状況】
2026年3月31日現在
(注) 自己株式6,500,914株は「株式の状況」の「個人その他」の欄に65,009単元及び「単元未満株式の状況」の欄に14株含めて記載しております。
(6) 【大株主の状況】
2026年3月31日現在
(注) 1 上記の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)236,121千株、株式会社日本カストディ銀行(信託口)91,814千株であります。
2 上記の所有株式数のうち、退職給付信託に係る株式数は株式会社日本カストディ銀行(三井住友信託銀行再信託分・住友生命保険相互会社退職給付信託口)29,000千株であります。
3 2025年9月19日付で公衆の縦覧に供されている株券等の大量保有に関する変更報告書において、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及びその共同保有者1社が2025年9月15日現在で次のとおり株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認をしておりません。
なお、大量保有に関する変更報告書の内容は以下のとおりであります。
4 2026年2月3日付で公衆の縦覧に供されている株券等の大量保有に関する変更報告書において、ブラックロック・ジャパン株式会社及びその共同保有者11社が2026年1月30日現在で次のとおり株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認をしておりません。
なお、大量保有に関する変更報告書の内容は以下のとおりであります。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2026年3月31日現在
(注) 「単元未満株式」の欄には、自己保有株式及び相互保有株式が次のとおり含まれております。
② 【自己株式等】
2026年3月31日現在
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
(注) 当社は2026年1月30日を効力発生日として、当社を株式交換完全親会社、田中化学を株式交換完全子会社とする簡易株式交換を実施しております。当該株式交換に伴い、田中化学の株主に割り当てた株式のうち、当社株式1株に満たない端数について、会社法234条第4項及び第5項の規定に基づく自己株式の買取を行ったものであります。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 当期間における取得自己株式には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取による株式数は含めておりません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 1 当期間における取得自己株式の処理状況には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の売渡しによる株式数は含めておりません。
2 当期間末の保有自己株式数は、2026年5月31日現在のものであります。
3 【配当政策】
当社は、剰余金の配当の決定にあたり、株主還元を経営上の最重要課題の一つと考え、各期の業績、配当性向並びに将来の事業展開に必要な内部留保の水準等を総合的に勘案し、安定的な配当を継続することを基本としております。また、当社は中長期的には配当性向30%程度を安定して達成することを目指しております。
内部留保につきましては、重点事業の競争力強化や海外事業の拡充を図るため、設備投資、投融資等に充当し、これにより収益力の向上に努めてまいります。
配当時期につきましては中間及び期末の年2回を基本とし、株主の皆様への利益配当をはじめとした剰余金の配当等を機動的に実施するため、定款により剰余金の配当等の決定機関を取締役会としております。
(注) 基準日が当事業年度に属する取締役会決議による剰余金の配当は、以下のとおりであります。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、約400年続く住友の事業精神を継承し、自社の利益のみを追わず事業を通じて広く社会に貢献していくという理念のもと、活力にあふれ社会から信頼される企業風土を醸成し、技術を基盤とした新しい価値の創造に常に挑戦し続けることで、持続的成長を実現していきたいと考えております。その実現に向けて、実効性の高いコーポレート・ガバナンスを実現することが重要であると考え、株主を含め様々なステークホルダーとの協働、意思決定の迅速化、執行に対する適切な監督、コンプライアンス体制及び内部統制システムの充実・強化、ステークホルダーとの積極的な対話を基本とし、次の方針に則って、コーポレート・ガバナンスの強化・充実の取り組みを行っております。
・当社は、株主の権利を尊重するとともに、株主の円滑な権利行使を実現するための環境整備並びに株主の実質的な平等性の確保に努めます。
・当社は、会社の持続的成長には、株主、従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会をはじめとする様々なステークホルダーとの協働が必要不可欠であるとの認識のもと、積極的に企業の社会的責任を果たしていくとともに、社会から信頼される企業風土の醸成に努めます。
・当社は、ステークホルダーとの建設的な対話を行うための基盤作りの一環として、信頼性が高く、かつ利用者にとって有用性の高い情報の提供に努めます。
・当社の取締役会は、株主に対する受託者責任・説明責任を踏まえ、独立社外取締役の役割を重視しつつ、変化する社会・経済情勢を踏まえた的確な経営方針・事業戦略を示すとともに、業務執行に対する実効性の高い監督を実施する等、取締役会の役割や使命を適切に履行いたします。
・当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主との建設的な対話に努めます。
②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
(イ)企業統治の体制
当社は、監査等委員会制度を採用しております。また、重要な意思決定の迅速化、業務執行責任の明確化を図るため、執行役員制度を採用するとともに、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制の構築を図るため、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の任期は1年としております。当社の経営体制は、2026年6月22日(有価証券報告書提出日)現在で取締役(監査等委員である取締役を除く。)9名(いずれも日本人、男性7名・女性2名)、監査等委員である取締役5名(いずれも日本人、男性5名)と執行役員32名(うち取締役兼務者3名。執行役員の内訳は日本人30名・外国人2名、男性30名・女性2名)になります。
なお、2026年6月24日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役(監査等委員である取締役を除く。)9名選任の件」を上程しており、当該議案が承認可決されますと、取締役(監査等委員である取締役を除く。)9名(いずれも日本人、男性6名・女性3名)、監査等委員である取締役5名(いずれも日本人、男性5名)になります。
・取締役会
取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)9名(うち社外取締役4名)、監査等委員である取締役5名(うち社外取締役3名)で構成され、法令または定款及び取締役会規程の定めに則り、取締役にその決定を委任したものを除いて、経営上の重要事項について意思決定するとともに、各取締役の職務の遂行を監視、監督し、それらを通じた経営の透明性・客観性のさらなる向上に努めております。
2026年6月22日(有価証券報告書提出日)現在の取締役会の構成員は、議長は代表取締役会長である岩田圭一(執行役員を兼務しておりません)、他のメンバーは水戸信彰、佐々木啓吾、新沼宏、山口登造、野崎邦夫、大野顕司、(以下、社外取締役)伊藤元重、村木厚子、市川晃、野田由美子、加藤義孝、米田道生及び神村昌通になります。
なお、2026年6月24日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役(監査等委員である取締役を除く。)9名選任の件」を上程しており、当該議案が承認可決されますと、取締役会は引き続き14名(うち社外取締役7名)で構成され、取締役会の構成員は、議長は代表取締役会長である岩田圭一(執行役員を兼務しておりません)、他のメンバーは、水戸信彰、佐々木啓吾、山口登造、坂田信以、野崎邦夫、大野顕司、(以下、社外取締役)村木厚子、市川晃、野田由美子、大橋徹二、加藤義孝、米田道生及び神村昌通になります。
・監査等委員会
監査等委員会は、監査等委員である取締役5名(うち社外取締役3名)で構成され、取締役の職務執行を適法性・妥当性の観点から監査することで、当社のコーポレート・ガバナンスの重要な役割を担います。
監査等委員会の構成員は、委員長は常勤監査等委員である大野顕司、他のメンバーは野崎邦夫、(以下、社外取締役)加藤義孝、米田道生及び神村昌通になります。
・役員指名委員会・役員報酬委員会
当社は取締役会の下に社外取締役を主要な構成員とする役員指名委員会、役員報酬委員会を設置し、最高経営責任者の選任、取締役(監査等委員である取締役を含む。)候補の指名及び経営陣幹部の選任、並びに取締役及び執行役員の報酬制度、報酬水準等について審議を行い、取締役会へ助言します。また、取締役会からの委任を受け、「経営陣幹部、取締役に対する報酬決定方針」に基づき、経営陣幹部並びに取締役(監査等委員である取締役を除く。)の個人別報酬額を決定します。
本報告書提出時点の構成員は以下のとおりであります。
(役員指名委員会)
委員長は代表取締役会長である岩田圭一、委員は社外取締役である伊藤元重、村木厚子、市川晃、野田由美子、米田道生及び神村昌通、代表取締役社長である水戸信彰であります。
(役員報酬委員会)
委員長は社外取締役である村木厚子、委員は社外取締役である伊藤元重、市川晃、野田由美子及び加藤義孝、代表取締役会長である岩田圭一、代表取締役社長である水戸信彰であります。
当社は、2026年6月24日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員である取締役を除く。)9名選任の件」を上程しており、当該議案が承認可決された後、その後の取締役会において、役員指名委員会及び役員報酬委員会の構成員を以下のとおり決議する予定であります。
(役員指名委員会)
委員長は代表取締役会長である岩田圭一、委員は社外取締役である村木厚子、市川晃、野田由美子、大橋徹二、米田道生及び神村昌通、代表取締役社長である水戸信彰であります。
(役員報酬委員会)
委員長は社外取締役である村木厚子、委員は社外取締役である市川晃、野田由美子、大橋徹二及び加藤義孝、代表取締役会長である岩田圭一、代表取締役社長である水戸信彰であります。
・経営会議
経営会議は、取締役会に上程される議案や報告事項を含め、経営戦略や設備投資等の重要事項を審議する機関であり、経営の意思決定を支えております。構成メンバーは、重要な経営機能を統括もしくは担当する執行役員、常勤監査等委員及び取締役会議長とし、原則として年24回開催されております。
経営会議の2026年6月22日(有価証券報告書提出日)現在の構成員は、岩田圭一、水戸信彰、松井正樹、武内正治、佐々木啓吾、山口登造、荻野耕一、清水正生、片山忠及び常勤監査等委員になります。(議事進行は佐々木啓吾が担当)
・その他の委員会等
上記以外にも、当社並びに当社グループの経営に関わる重要事項について広範囲かつ多様な見地から審議する社内会議「内部統制委員会」、「サステナビリティ推進委員会」、「レスポンシブル・ケア委員会」、「リスク・クライシスマネジメント委員会」、「コンプライアンス委員会」、「人権尊重推進委員会」(いずれも年1回以上開催)等を設置することで、業務執行、監督機能等の充実を図っております。
(ロ)当該体制を採用する理由
当社は、変化する社会・経済諸情勢の下において、株主の皆様を中心とした様々なステークホルダーの利益に適うようにすることが、コーポレート・ガバナンスの基本であると認識しており、これを実現するため、上記体制を採用しております。今後も、その充実に向け、重要な意思決定の迅速化、執行に対する適切な監督、コンプライアンス体制及び内部統制の充実・強化等に取り組んでいく所存であります。
(ハ)企業統治の体制の模式図
当社の企業統治の体制の模式図は、以下のとおりであります。

③企業統治に関するその他の事項
(イ)内部統制システムの整備の状況
当社では、会社法に定める業務の適正を確保するための体制として、取締役会決議にて「内部統制システムの整備に係る基本方針」を制定しております。
また、社長を委員長、各事業部門及びコーポレート部門を統括・担当する執行役員を委員、常勤監査等委員をオブザーバーとする「内部統制委員会」を年3回開催し、前述の基本方針に基づく諸施策の計画及び実施状況について審議、確認するとともに、取り巻く事業環境の変化に迅速かつ適切に対応していくこと等によって当社グループにおける内部統制システムの不断の充実を図っております。
また、同委員会の実施状況については、開催の都度、監査等委員会に報告した上、取締役会にて報告・審議しております。2025年度は、内部統制システムの整備に係る基本方針に基づく取り組みとして、リスクマネジメント、内部統制報告制度対応、内部監査(方針・計画/実施結果)等を取締役会に報告いたしました。
(ロ)コンプライアンスの体制の整備の状況
当社では、コンプライアンスを企業経営の根幹と位置付け、グループ全体のコンプライアンスを徹底するための体制の確立・運営について、「コンプライアンス委員会」及び地域法務・コンプライアンス統括を設置し、指導・支援を強化しております。また、企業活動における基本的な行動基準を成文化した住友化学企業行動憲章並びにその具体的な方針を定めた企業行動要領を制定し、全役員・従業員に配布しております。不正行為を未然に防止し、また、その可能性を早期に発見し対処するため、「スピークアップ制度」を設け、グループ全体の従業員に対して制度利用の働きかけを強化しております。受領した通報については慎重かつ丁寧な調査対応を行うとともに、対応状況についてコンプライアンス委員会及び監査等委員会にタイムリーな報告を行っております。さらに、全般的かつ個別的なコンプライアンス研修の実施、コンプライアンス推進月間における各部での取り組み、従業員コンプライアンス意識調査等を通じて、具体的なコンプライアンスリスクの低減及び従業員のコンプライアンス意識の向上を図っております。
(ハ)リスク管理体制の整備の状況
当社では、持続的な成長を実現するため、事業目的の達成を阻害する恐れのある様々なリスクを早期発見し適切に対応していくとともに、リスクが顕在化した際に迅速かつ適切に対応すべく、リスクマネジメントに関わる体制の整備・充実に努めております。
当社では、内部統制委員会を中心とした複数の会議体連携によるリスクマネジメント推進体制のもと、当社グループの各組織がグループ方針に従い、業務遂行上のリスクを適切に管理しております。
「内部統制委員会」では、グループ全体のリスクマネジメントに関する方針の立案と方針に基づく各組織の取り組み状況の監督を俯瞰的に行っております。リスク情報の収集・評価等に加え、毎年、グループ全体のリスクマップを作成し、「経営戦略に関わるリスク」及び「事業継続の基盤に関わるリスク」の状況を網羅的に把握するとともに、リスク主管組織と連携し、地震や労働災害、製品事故等、「事業継続の基盤に関わる重要なリスク」への対策をグループ横断的に推進しております。
「経営戦略に関わるリスク」については、当社及びグループ会社の経営戦略や設備投資・投融資をはじめとした経営上の重要事項は「経営会議」で都度審議しております。サステナビリティに関する事項は「サステナビリティ推進委員会」で審議し、中長期的な環境・社会問題に関して、当社グループの経営諸活動が社会と自社のサステナビリティの実現に寄与するよう、グループの各組織に向けて必要な提言を行っております。なお、同委員会には、社外取締役・常勤監査等委員がオブザーバーとして参加しております。
なお、大規模災害(地震・風水害等)やパンデミック、国内外の治安悪化(テロ・暴動・戦争等)、サイバーインシデント、その他重大なリスクの低減及びリスクが顕在化した場合に迅速に対応するため、「リスク・クライシスマネジメント委員会」を設置し、個別のリスク・クライシスの対処方針等を審議しております。
(ニ)責任限定契約の状況
当社は、各社外取締役との間で、社外取締役が職務を行うにつき、善意でかつ重大な過失がないときは、会社法第423条第1項に定める社外取締役の当社に対する損害賠償責任について、会社法第425条第1項各号に定める金額の合計額を限度とする、責任限定契約を締結しております。
また、2026年6月24日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「定款一部変更の件」を上程しており、当該議案が承認可決されますと、責任限定契約を締結できる役員の範囲は、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)になります。
(ホ)役員等賠償責任保険契約の状況
当社は、会社法第430条の3第1項に定める役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、被保険者が法律上負担すべき損害賠償金及び訴訟費用、弁護士報酬、仲裁・和解費用等の争訟費用(株主代表訴訟に敗訴した場合及び会社からの損害賠償請求に係るものを含む)を当該保険契約により填補することとしております。当該保険契約の被保険者は取締役及び執行役員であります。また、被保険者の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置として、当該保険契約に免責金額に関する定めを設け、一定額に至らない損害については填補の対象としないこととしているほか、犯罪行為や被保険者が法令に違反することを認識しながら行った行為に起因して生じた損害は填補されない等、一定の免責事由を設けております。
④取締役の定数
当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)は10名以内、監査等委員である取締役は5名以内とする旨を定款で定めております。
⑤取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨、及び累積投票によらないものとする旨を定款で定めております。
⑥剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等、会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定める旨を定款で定めております。これにより株主への利益配当をはじめとした剰余金の配当等を機動的に実施しております。
⑦株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
⑧取締役会の活動状況等
(イ)取締役会の活動状況
取締役会は、当期において14回開催され、経営戦略、短期集中業績改善策、抜本的構造改革、2025~2027年度中期経営計画、カーボンニュートラルを含むサステナビリティ関連、研究開発・デジタル革新関連、内部統制・レスポンシブルケア・リスクマネジメント・コンプライアンス関連、取締役会の実効性評価、機関設計の在り方、政策保有株式の保有方針の検証や株主との対話等について審議しました。平均所要時間は約2時間で、各取締役・取締役監査等委員(役職名は当事業年度末時点)の出席率は、以下のとおりであります。
(注)1 2025年6月20日定時株主総会において新たに就任いたしました。
2 監査等委員会設置会社移行前に監査役として出席された回数を含んでおります。
(ロ)取締役会の実効性評価
当社取締役会は、取締役会の実効性に関し、各取締役・取締役監査等委員によるアンケート結果、及び監査等委員会から出された意見を参考にしつつ、社外取締役、会長、社長を出席メンバーとする社外取締役懇談会において、意見交換を実施することで評価分析を行いました。また取締役会では、これらの意見を基にして取締役会の実効性評価に関する総括を実施するとともに、その内容について社内取締役等を出席メンバーとする経営会議等において、共有・意見交換しております。
当事業年度の取り組み内容とその評価、及び今後の取り組み方針は以下のとおりであります。
⑨役員指名委員会・役員報酬委員会の活動状況等
役員指名委員会・役員報酬委員会の当期の主な活動状況は、以下のとおりであります。
各取締役(役職名は開催時点)の出席状況は、以下のとおりであります。
[役員指名委員会]
[役員報酬委員会]
・2025年4月~2025年5月
・2025年6月~2026年3月
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
a.2026年6月22日(有価証券報告書提出日)現在の当社の役員の状況は、以下のとおりであります。
男性12名 女性2名 (役員のうち女性の比率14%)
(注) 1 取締役 伊藤 元重、村木 厚子、市川 晃、野田 由美子、加藤 義孝、米田 道生、神村 昌通の各氏は、社外取締役であります。
2 当社では、意思決定・監督と業務執行の分離による取締役会の充実・活性化のため、執行役員制度を導入しております。
執行役員は32名で、上記記載の取締役のうち、社長執行役員 水戸 信彰、専務執行役員 佐々木 啓吾、同 山口 登造の3名の他に、副社長執行役員 松井 正樹、専務執行役員 武内 正治、同 荻野 耕一、常務執行役員 ファン フェレイラ、同 中西 輝、同 清水 正生、同 向井 宏好、同 本多 聡、同 猪野 善弘、同 高橋 哲夫、同 北山 威夫、同 奥 憲章、同 辻 純平、同 片山 忠、同 山内 利博、同 小田原 恭子、同 武村 真一、同 井上 雅夫、執行役員 松原 佐和、同 李 種燦、同 板橋 一憲、同 加藤 祐治、同 齋藤 繁範、同 枝松 邦茂、同 矢野 浩二、同 瀧 敏晃、同 岩田 淳、同 平岡 昭彦、同 南 重人の29名で構成されております。
3 2025年3月期に係る定時株主総会終結の時から2026年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
4 2025年3月期に係る定時株主総会終結の時から2027年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
b.2026年6月24日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員である取締役を除く。)9名選任の件」を上程しており、当該議案が承認可決されますと当社の役員の状況は以下のとおりとなる予定であります。なお、役員の役職等につきましては、当該定時株主総会の直後に開催が予定される取締役会の決議事項の内容(役職等)を含めて記載しております。
男性11名 女性3名 (役員のうち女性の比率21%)
(注) 1 取締役 村木 厚子、市川 晃、野田 由美子、大橋 徹二、加藤 義孝、米田 道生、神村 昌通の各氏は、社外取締役であります。
2 当社では、意思決定・監督と業務執行の分離による取締役会の充実・活性化のため、執行役員制度を導入しております。
執行役員は32名で、上記記載の取締役のうち、社長執行役員 水戸 信彰、専務執行役員 佐々木 啓吾、同 山口 登造の3名の他に、副社長執行役員 松井 正樹、専務執行役員 武内 正治、同 荻野 耕一、常務執行役員 ファン フェレイラ、同 中西 輝、同 清水 正生、同 向井 宏好、同 本多 聡、同 猪野 善弘、同 高橋 哲夫、同 北山 威夫、同 奥 憲章、同 辻 純平、同 片山 忠、同 山内 利博、同 小田原 恭子、同 武村 真一、同 井上 雅夫、執行役員 松原 佐和、同 李 種燦、同 板橋 一憲、同 加藤 祐治、同 齋藤 繁範、同 枝松 邦茂、同 矢野 浩二、同 瀧 敏晃、同 岩田 淳、同 平岡 昭彦、同 南 重人の29名で構成されております。
3 2026年3月期に係る定時株主総会終結の時から2027年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
4 2025年3月期に係る定時株主総会終結の時から2027年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
② 社外役員の状況
(イ)社外取締役
a.2026年6月22日(有価証券報告書提出日)現在の社外取締役は、以下の7名であります。
b.2026年6月24日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員である取締役を除く。)9名選任の件」を上程しており、当該議案が承認可決されますと当社の役員の状況は以下の7名となる予定であります。
(ロ)社外取締役を選任するための提出会社からの独立性に関する基準
③ 社外取締役による監督又は監査と内部監査、監査等委員会監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
当社では、「内部統制委員会」をはじめとする社内の重要会議の内容等について取締役会で報告することとしています。社外取締役は、取締役会に出席することを通して報告及び説明を受けて当社経営の監督にあたっており、当社は幅広い経験、見識に基づいた助言を得ております。
また、監査等委員である社外取締役は、内部監査の状況、並びに会計監査人が実施する会計監査及び内部統制監査の状況について監査等委員会で報告を受けるほか、法務部や経理部といった内部統制部門を含む業務執行部門から適宜報告及び説明を受けることとしており、これらの情報交換を通じて連携を強化いたします。なお、監査等委員会の活動を補佐し監査・監督の円滑な遂行を支援するため、監査等委員会室を設置し、専従のスタッフを配置しております。監査等委員である社外取締役から、公正・中立な立場で、専門分野を含めた幅広い経験、見識に基づいていただいた意見については、内部監査、会計監査人による監査、並びに内部統制部門の業務の執行に適切に反映してまいります。
(3) 【監査の状況】
当社は2025年6月20日開催の第144期定時株主総会において、監査等委員会設置会社への移行を内容とする定款の一部変更が決議されたことにより、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行いたしました。
以下の各項においては、原則として、監査等委員会設置会社に移行後の2025年6月20日以降の「監査の状況」について記載しております。
①監査等委員会監査の状況
[監査等委員会監査の組織及び人員]
有価証券報告書提出日現在、当社の監査等委員会は、監査等委員である取締役5名で構成されており、このうち過半数の3名が独立性を有する社外取締役であります。監査等委員会では、その長として大野顕司氏を監査等委員会委員長に選定しております。
監査等委員である取締役は、それぞれ以下の知識や経験を有しております。
当社では、監査等委員会監査の実効性の確保に関する取り組みの一環で、監査等委員の職務を補佐するため、業務執行部門から独立した組織として監査等委員会室を設置し、同室の体制強化を図るため、従来からのスタッフ2名に、新たに部長級スタッフ2名を加えて合計4名の専任スタッフを配置しております。加えて、監査等委員会室には、内部統制部門(内部統制・監査部、レスポンシブルケア部、コンプライアンス委員会事務局)のスタッフ3名を兼務させることにより、当該部門との連携強化を図っております。
[監査等委員会の活動状況]
監査等委員会は、原則として毎月1回開催するほか、必要に応じて臨時に開催しております。当事業年度における監査等委員会は11回開催され、各監査等委員の出席状況は以下のとおりであります。
なお、監査等委員会設置会社への移行前(2025年4月から第144期定時株主総会終結時まで)の監査役会の開催状況は以下のとおりであります。
監査等委員会における主な決議・協議事項及び報告事項は以下のとおりであります。
また、監査等委員会は、経営上の諸課題を認識し、取締役会の監督機能及び取締役等の業務執行を適法性・妥当性の観点から確認することをもって、良質な企業統治体制の確立及び経営管理の改善・向上に資する監査活動を行うという基本方針のもと、当事業年度の監査計画を定め監査活動を進めました。期末の監査等委員会では、監査等委員会の実効性を高めるべく、当期の監査等委員会活動の実績について振り返り、評価を行っており、翌期の監査計画の作成に活用しております。
当期の具体監査項目は以下のとおりであります。
[監査等委員会の主な活動]
監査等委員の主な活動は以下のとおりであります。
(注)1 監査等委員会は、定期的にまた必要に応じて適宜、取締役会に対して、監査等委員会の活動状況及び
監査状況について報告を行っております。
2 社外監査等委員は、サステナビリティ推進委員会にオブザーバーとして参加しております。
3 社外監査等委員は、事業所3ヵ所、国内グループ会社2社、海外グループ会社7社の往査に参加して
おります。
[内部統制部門との連携]
監査等委員会は、内部統制部門(内部統制・監査部、レスポンシブルケア部及びコンプライアンス委員会事務局)と、以下の取組みを通じて連携強化を図っております。
○内部監査部署の監査方針及び実施計画の承認
内部監査部署(内部統制・監査部及びレスポンシブルケア部)の監査方針及び実施計画は、監査等委員会で承認を得ております。
○内部統制部門に係る社内委員会への出席
常勤監査等委員は、内部統制委員会、内部監査連絡会、レスポンシブル・ケア委員会及びコンプライアンス委員会にオブザーバーとして出席し意見を表明するとともに、その内容は監査等委員会において内部統制部門の各部署から報告を受け、必要に応じて意見を述べております。
○内部統制部門との情報交換の実施
常勤監査等委員は、内部統制部門の各部署との間で、それぞれ定例の情報交換会を毎月1回開催しており、その中で内部統制・監査部からはJ-SOXの進捗状況や直近の内部監査の状況等に関する報告を、レスポンシブルケア部からは直近のレスポンシブルケア監査の結果等に関する報告を、コンプライアンス委員会事務局からは直近のコンプライアンス懸念案件等に関する報告を受けるとともに、それぞれの部署との意見交換を行っております。なお、コンプライアンス委員会事務局からは必要に応じてコンプライアンスに係る最新の情報を入手しております。これら情報交換会等によって内部統制部門の各部署から得られた内容は、監査等委員会で情報共有しております。
○スピークアップ事案への対応
監査等委員会は、スピークアップ事案について定期的に報告を受けております。また、重要なコンプライアンス事案については、都度、常勤監査等委員が報告を受けるとともに、監査等委員会でも改めて報告を受けております。
[会計監査人との連携]
会計監査人とは、期首において監査計画の協議を行い、期中・期末において監査結果の報告の受領、意見交換を行って、監査の方法及びその結果についての相当性の判断を行っております。また、会計監査人、内部統制・監査部及び監査等委員との間で年に3回実施している三様監査ミーティング等、監査等委員が必要とする情報の適切な提供を受け、監査を実施しております。加えて、金融商品取引法上の会計監査人の監査報告に記載が義務付けられている「監査上の主要な検討事項(Key Audit Matters)」の選定の検討過程について、監査等委員会において会計監査人等との協議を行ってまいりました。
②内部監査の状況
当社では、内部統制のモニタリングの取り組みの一つとして、監査等委員会監査、会計監査人監査とは別に、当社内に専任の組織(31名在籍)を設置して監査を実施しております。当社及びグループ会社の業務執行に係る事項全般については内部統制・監査部が内部監査を、化学製品のライフサイクル全般における安全・環境・健康・品質に係る事項についてはレスポンシブルケア部の専任監査チームがレスポンシブル・ケア監査を、各々必要な連携を取りながら実施しております。なお、内部統制・監査部長及びレスポンシブルケア部長の選任はいずれも取締役会の決議事項となっております。
このうち内部監査については、「業務の有効性と効率性の維持」「財務報告の信頼性の確保」「事業活動に関わる法令等の遵守」等の観点から内部統制が整備・運用され、適切に機能しているか検証しております。
各監査対象単位ごとに、原則3~5年に1度監査を実施しており、本事業年度は、社内5組織、国内グループ会社8社、海外グループ会社13社の業務監査、また社内5組織、国内グループ会社6社、海外グループ会社5社の情報システムセキュリティ監査を実施しました。
これらの内部監査の結果については、課題の共有と対策の横展開を図るため、内部統制・監査部、レスポンシブルケア部、法務部、人事部、経理部、各事業部門の業務室等、当社の複数部署及び常勤監査等委員が参加する「内部監査連絡会」(年3回開催)にて報告するとともに、社長を委員長とし、各事業部門及びコーポレート部門を統括・担当する執行役員を委員、常勤監査等委員をオブザーバーとして構成する内部統制委員会(年3回開催)にて報告しております。また、内部統制・監査部は金融商品取引法に基づく当社グループの財務報告に係る内部統制の有効性の評価についても対応し、評価範囲(当社並びに連結子会社及び持分法適用会社43社を対象として全社的な内部統制の評価を実施、また当社並びに連結子会社及び持分法適用会社11事業拠点を重要な事業拠点として業務プロセスに係る内部統制の評価を実施)や評価結果等を同委員会に都度報告しております。
なお、内部統制委員会への報告内容については、開催の都度、監査等委員会及び取締役会に報告しております。
さらに、内部統制に係る重要な発見事項があった際には、速やかに業務執行ラインの役員及び監査等委員会へ(経営陣幹部に関する発見事項があった場合には、監査等委員会及びコンプライアンス委員会事務局長へ)報告しております。
[会計監査人との連携]
内部統制・監査部は、年に数回(本事業年度は3回実施)、監査等委員会、会計監査人との間で行う三様監査ミーティングにて意見交換等を行うとともに、会計監査人による金融商品取引法に基づく当社グループの財務報告に係る内部統制の有効性の監査において、緊密に情報交換を行うことにより、内部統制システムの有効性の確保のための連携強化に努めております。
③会計監査の状況
(イ)監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
(ロ)継続監査期間
1969年以降
上記は、調査が著しく困難であったため、現任の監査人である有限責任 あずさ監査法人の前身(の一つ)である朝日会計社が監査法人組織になって以降の期間について記載したものであります。実際の継続監査期間は、この期間を超える可能性があります。
(ハ)業務を執行した公認会計士
指定有限責任社員・業務執行社員 中嶋 歩、富田 亮平、渡辺 直人
(ニ)監査業務に係る補助者の構成
監査業務に係る補助者は、監査法人の選定基準に基づき決定されており、具体的には、公認会計士及び公認会計士試験合格者等を主たる構成員とし、システム専門家等その他の補助者も加えて構成されております。
(ホ)監査法人の選定方針と理由
当社の監査等委員会による会計監査人の選定につきましては、当社の監査に必要な規模・人的組織・国際的ネットワークを有すること、当社の事業内容及び国内外の事業展開を熟知していること、品質管理体制・コンプライアンス体制が整備され重大な監査上の品質問題を発生させていないこと、独立性に疑義を生じさせるような利害関係がないこと等を選定・評価基準としております。
当社は、有限責任 あずさ監査法人が当該基準を満たしており、職務遂行状況等を総合的に勘案した結果、同監査法人を適任と判断し、再任いたしました。
なお、当社の監査等委員会は、会社法第340条に定める会計監査人の解任のほか、会計監査人の独立性及びその職務の遂行状況等に鑑み、会計監査人が継続して職務を遂行することに関して重大な疑義が生じた場合には、会計監査人の解任または不再任について株主総会に付議する方針であります。
(ヘ)監査等委員会による監査法人の評価
当社の監査等委員会は会計監査人の選定・評価基準を策定しており、当該基準に基づき会計監査人に対する評価を行っております。また、独立性に関する事項その他監査に関する法令及び規定の遵守に関する事項、会計監査人の職務の遂行が適正に行われていることを確保するための体制に関するその他の事項等を確認することにより、会計監査人に求められる独立性及び専門性についても確認を行うこととしております。
④監査報酬の内容等
(イ)監査公認会計士等に対する報酬
前連結会計年度
当社における非監査業務の内容は、コンフォートレター作成業務であります。
また、連結子会社における非監査業務の内容は、合意された手続業務等であります。
上記以外に、連結子会社において前々連結会計年度の監査に係る追加報酬として、前連結会計年度に43百万円を支払っております。
当連結会計年度
連結子会社における非監査業務の内容は、合意された手続業務等であります。
上記以外に、連結子会社において前連結会計年度の監査に係る追加報酬として、当連結会計年度に19百万円を支払っております。
(ロ)監査公認会計士等と同一のネットワーク(KPMGメンバーファーム)に属する組織に対する報酬((イ)を除く)
前連結会計年度
当社における非監査業務の内容は、税務事項に関するアドバイザリー業務等であります。
また、連結子会社における非監査業務の内容は、税務事項に関するアドバイザリー業務等であります。
当連結会計年度
当社における非監査業務の内容は、サステナビリティ情報の保証業務、税務事項に関するアドバイザリー業務等であります。
また、連結子会社における非監査業務の内容は、税務事項に関するアドバイザリー業務等であります。
(ハ)監査報酬の決定方針
当社の監査公認会計士等に対する監査報酬につきましては、会計監査人から監査計画の内容、監査業務の実施方法の説明を受け、当社の事業規模、業務の特性、監査時間等を総合的に勘案し、監査等委員会の同意を得て決定することとしております。
(ニ)監査等委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
当社の監査等委員会は、会計監査人の監査計画の内容、職務遂行状況及び報酬見積りの算出根拠を検証・確認し、監査報酬の妥当性を総合的に検討した結果、会計監査人の報酬等について合理的な水準であると判断し、会社法第399条第1項に基づき同意を行っております。
(4) 【役員の報酬等】
①役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
(イ)基本方針
1.経営陣幹部(※)及び取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)の報酬は、固定報酬としての「基本報酬」、変動報酬としての「賞与」及び「株式報酬」から構成されるものとします。なお、経営陣幹部以外の執行役員についても同様の構成とします。また、監査等委員である取締役及び社外取締役の報酬は、「基本報酬」のみで構成されるものとします。
2.「基本報酬」は、経営陣幹部及び取締役の行動が短期的・部分最適的なものに陥らぬように、職務の遂行に対する基礎的な報酬として、役割や職責に応じた設計とします。
3.「賞与」は、毎年の事業計画達成への短期インセンティブを高めるため、当該事業年度の連結業績を強く反映させるとともに、資本効率性も取り入れた設計とします。
4.「株式報酬」は、株主との一層の価値共有を推進するとともに、会社の持続的な成長に向けた中長期インセンティブとして機能するよう設計します。
5.報酬水準については、当社の事業規模や事業内容、ESG等の非財務的要素も含めた外部評価等を総合的に勘案するとともに、優秀な人材の確保・維持等の観点からの競争力ある水準とします。また、その水準が客観的に適切なものかどうか、外部第三者機関による調査等に基づいて毎年チェックします。
6.取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)の報酬構成は、年間連結コア営業利益2,000億円を達成した場合に、固定報酬と変動報酬の割合が概ね2:3、変動報酬における短期インセンティブ(賞与)と中長期インセンティブ(株式報酬)の割合が概ね2:1となるよう設計します。
(※)経営陣幹部
「専務執行役員以上の執行役員」及び「社長執行役員の直下で一定の機能を統括する役付執行役員」
(ロ)各報酬要素の仕組み
1.基本報酬
基本報酬は、上記(イ)5~6の方針に基づいて、その水準を決定します。
基本報酬は各年単位では固定報酬とする一方、「成長」、「収益力」及び「外部からの評価」等の観点から総合的かつ中長期的にみて当社のポジションが変動したと判断しうる場合は、報酬水準を変動させる仕組みを採用します。
ポジションの変動を判断する主な指標は、①「成長」の面では売上収益、資産合計、時価総額、②「収益力」の面では当期利益(親会社帰属)、ROE、ROI、D/Eレシオ、③「外部からの評価」の面では信用格付やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が選定したESG指数を適用することとします。
なお、各人の支給額は、役位別基準額に基づいて決定します。
2.賞与(短期インセンティブ)
賞与は、当該事業年度の業績が一定以上となった場合に支給することとし、賞与算出フォーミュラに基づいて決定します(注)。
賞与算出フォーミュラに係る業績指標は、財務活動も含めた当該年度の経常的な収益力を賞与額に反映させるため、連結のコア営業利益と金融損益(受取配当金、純利息等)の合算値を適用します。また、算出フォーミュラの係数は、上位の役位ほど大きくなるよう設定します。加えてROIC達成度に応じて賞与額を変動させる仕組みとします。
≪賞与算出フォーミュラ≫
{連結業績指標(コア営業利益+金融損益(受取配当金、純利息等))× 係数 }× ROIC達成度係数
(注)極めて顕著な実績を達成した経営陣幹部(社長執行役員を除く)個人を対象に賞与の特別加算を行うことがある。
3.株式報酬(中長期インセンティブ)
株式報酬は、譲渡制限付株式報酬とし、役位別・業績別に定めた額に応じた譲渡制限付株式を毎年定時株主総会後の一定の時期に割り当て、在任中はその保有を義務付けます。また、総報酬に占める株式報酬の割合は、上位の役位ほど大きくなるよう設定します。
(ハ)役員報酬決定に関する機関と手順
当社は、経営陣幹部及び取締役の報酬制度及び報酬水準並びにそれらに付帯関連する事項に関する取締役会の諮問機関として「役員報酬委員会」を設置しています。本委員会は、取締役を構成員(過半数は社外取締役)とし、報酬制度や水準等の決定に際して取締役会に助言することで、その透明性と公正性を一層高めることを目的としています。
取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬は、2025年6月20日開催の第144期定時株主総会の決議によって定められた報酬総額の上限額(年額10億円以内(うち社外取締役分は年額1.5億円以内))の範囲内において決定します。また、取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)に対して譲渡制限付株式を付与するために支給する報酬額については、2025年6月20日開催の第144期定時株主総会の決議によって定められた上限額(年額4億円以内)の範囲内において決定します。
取締役会は、役員報酬委員会からの助言を踏まえ、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬の決定方法を審議、決定します。なお、経営陣幹部及び取締役(監査等委員である取締役を除く。)の個人別報酬額は、取締役会の授権を受けた役員報酬委員会が、「経営陣幹部、取締役に対する報酬決定方針」に基づき決定します。したがって、取締役会は個別の報酬額の内容が決定方針に沿うものであると判断しております。なお、役員報酬委員会は、代表取締役及び社外取締役で構成し、委員の過半数を社外取締役としております。当事業年度末における役員報酬委員会の体制は下記のとおりであります。
委員長 村木 厚子 (社外取締役)
委員 伊藤 元重 (社外取締役)
委員 市川 晃 (社外取締役)
委員 野田 由美子(社外取締役)
委員 加藤 義孝 (社外取締役)
委員 岩田 圭一 (代表取締役会長)
委員 水戸 信彰 (代表取締役社長)
監査等委員である取締役の個人別報酬額は、2025年6月20日開催の第144期定時株主総会の決議によって定められた報酬総額の上限額(年額2億円以内)の範囲内において監査等委員である取締役の協議により決定します。
<役員報酬委員会等の活動内容>
当事業年度における取締役等の報酬等に関する審議及び決定のための委員会等の活動は次のとおりであります。
②役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注) 1 監査役に対する支給額は監査等委員会設置会社移行前の期間に係るものであり、取締役(監査等委員)に対する支給額は監査等委員会設置会社移行後の期間に係るものであります。
2 上記の人数及び報酬等の額には、当期中に退任した取締役4名と監査役5名を含んでおります。
3 取締役(監査等委員である取締役を除く。)の金銭報酬の額は、2025年6月20日開催の第144期定時株主総会において年額10億円以内(うち、社外取締役分は年額1億5,000万円以内)と決議しております。当該定時株主総会終結時点の取締役(監査等委員である取締役を除く。)の員数は9名(うち、社外取締役4名)です。監査等委員会設置会社に移行する前の取締役の金銭報酬の額は、2006年6月23日開催の第125期定時株主総会において年額10億円以内と決議しており、当該定時株主総会終結時点の取締役の員数は10名です。
また、当該金銭報酬とは別枠で、2025年6月20日開催の第144期定時株主総会において、取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)を対象とする譲渡制限付株式を付与するために支給する報酬額を年額4億円以内と決議しております。当該定時株主総会終結時点の取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)の員数は5名です。監査等委員会設置会社に移行する前の取締役(社外取締役を除く。)を対象とする譲渡制限付株式を付与するために支給する報酬額は、2022年6月23日開催の第141期定時株主総会において、年額4億円以内と決議しており、当該定時株主総会終結時点の取締役(社外取締役を除く。)の員数は8名です。
監査等委員である取締役の報酬額は、2025年6月20日開催の第144期定時株主総会において年額2億円以内と決議しております。当該定時株主総会終結時点の監査等委員である取締役の員数は5名です。監査等委員会設置会社に移行する前の監査役の報酬額は、2006年6月23日開催の第125期定時株主総会において年額1億5,000万円以内と決議しており、当該定時株主総会終結時点の監査役の員数は5名です。
4 業績連動報酬について、当事業年度における連結業績指標の実績値は1,480億円、ROICは5.6%であります。(当社は目標に対する達成度合によって賞与を決定する方式は採用しておりません。)
5 株式報酬(非金銭報酬)は、譲渡制限付株式報酬として当事業年度に費用計上した額を記載しております。
③役員ごとの連結報酬等の総額等
(注) 連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しております。
(5) 【株式の保有状況】
①投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、主として株式の価値変動または配当による利益を受けることを目的とみなしているものを純投資目的である投資株式としており、投資先企業との円滑な取引関係の維持・強化等を通じ中長期的な視点で企業価値向上や持続的な成長に資すると判断されるものを純投資目的以外の目的である投資株式として区分しております。
②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
(イ)保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、円滑な事業運営や取引関係の維持・強化等を目的として、中長期的な経済合理性や将来見通しを総合的に勘案した上で必要と判断される場合に限り、株式を政策的に保有しております。
当社は保有するすべての上場株式について、株式保有の必要性が現在も継続して存在するのかを定性的に評価するとともに、株式保有に伴う便益とリスクが当社の資本コストに見合っているかを設定指標(ROE・財務レバレッジ・株式益利回り等)に基づいて定量的に評価することにより、総合的観点から個別銘柄毎の保有の意義・合理性の検証を、毎年、取締役会において行っております。
そのうえで、事業環境の変化等により保有意義が低下したと認められる銘柄に関しては、株価や市場動向等を考慮したうえで適宜売却を行うこととしております。当事業年度には、2銘柄/96億円を売却いたしました。
(ロ)銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
(ハ)特定投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注) 1 「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。
2 定量的な保有効果については相手先との機密情報に当たるとの判断から記載しませんが、各銘柄について十分な定量的効果があると判断しております。
③保有目的が純投資目的である投資株式
純投資目的の投資株式を保有していないため記載しておりません。
5 【従業員の状況等】
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
Ⅰ 当社グループの経営戦略をふまえた人材戦略
人材は最重要の経営資源であり、高い意欲と能力を持つ人材の確保が事業運営の礎と考えております。ビジネス環境がより複雑化、高度化する中、多様な人材を確保・育成し、従業員がその能力を最大限に発揮し、活躍しうる環境を整えることが重要と考えております。
2025-2027年度中期経営計画を推進し、持続的な成長を実現するため、人材の確保と育成の長期的な視点での推進及びエンゲージメントの強化を目指し、以下の4つの人材戦略とそれに基づく諸取組みを進めております。
①競争力強化に向けた人事制度・施策
人材難、共働き社会、若年層の労働観変化等をふまえた制度・施策によるエンゲージメント強化を図ります。
②人材獲得力の強化
採用ソース・チャネルの多様化、情報発信の拡充等により、人材獲得力を強化します。
③新成長戦略に沿った人員・組織の最適化
DX・AI活用による生産性向上を進め、成長・育成分野への重点配置と収益力の高い組織づくりを行います。
④自律的キャリア支援と育成促進
仕事と学びのサイクル明確化を通じ、自律的キャリア形成と育成を促進します。
経営戦略と連動した人材戦略の全体像

Ⅱ 人材戦略をふまえた従業員給与等の決定方針
当社は職務・役割主義に基づく制度を基本骨格としており、担当する役割・責任の大きさと達成した業績にその過程で発揮した能力や行動を合わせて評価し、賃金等の処遇に反映する制度を導入しております。また、賞与は業績連動型とし、個人配分は成績評価結果により決定しております。このように会社への貢献を賃金等に適切に反映することにより、従業員のエンゲージメントの強化を図っております。
(2) 【従業員の状況】
Ⅰ 連結会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 1 従業員には、嘱託、パートタイマー、派遣社員、連結会社外への出向者は含んでおりません。
2 従業員数欄の(外数)には、臨時従業員(嘱託、パートタイマー)の年間平均雇用人員を記載しております。
Ⅱ 提出会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 1 従業員数には、嘱託、パートタイマー、派遣社員、他の法人等への出向者は含んでおりません。
2 従業員数欄の(外数)には、臨時従業員(嘱託、パートタイマー)の年間平均雇用人員を記載しております。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
Ⅲ 労働組合の状況
当社には、住友化学労働組合があり、その結成以来、終始よくその統制を保ちつつ今日まで健全に発展し、組合員の経済的地位の向上と企業の発展に寄与してきました。
2026年3月31日現在の上記従業員数に含まれる組合加入人員は4,545人であります。
Ⅳ 多様性に関する指標
当連結会計年度の多様性に関する指標は、以下のとおりであります。
① 女性活躍推進法、育児・介護休業法に基づく開示
(提出会社)
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)(以下「女性活躍推進法」という。)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)(以下「育児・介護休業法」という。)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
3 男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。賃金制度は従事する役割(職務)の大きさに基づく制度としており、従事する役割(職務)レベルが同一の場合の基準賃金に男女間の差はありません。
平均年間賃金の差異が生じている要因は以下のとおりであります。
〈正規雇用労働者〉
女性の方が管理職の割合が少ないことや、労働時間短縮措置適用者や産休・育休等の休業者は女性が多く、基準賃金控除額や時間外手当支給額等に差が生じていることが主な要因であります。また、製造職場に勤務する女性が少なく、交替勤務手当等の手当支給額に差が生じることも影響しております。
〈パートタイマー・有期労働者〉
最も人数が多い定年退職後再雇用者の賃金は退職時の基準賃金をもとに設定していることから、女性管理職比率が差異に影響していることが主要因であります。
(連結子会社)
常用労働者がいない会社等を除く、国内の連結子会社を記載しております。
(注) 1 育児・介護休業法の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。当該注記が付されていない連結子会社については同規則第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
2 対象者(当連結会計年度中に、男性労働者であって、配偶者が出産したもの)がいない場合は「-」と記載しております。
3 男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。女性活躍推進法及び育児・介護休業法に基づく情報公表を行っていない指標については「-」と記載しております。
男女間の賃金差が生じている主な要因としては、上位階層(役職・等級等)での男性の比率が高いことや、勤続年数において男性のほうが長いこと、また短時間勤務制度の利用が女性に多いこと等が挙げられます。差異解消に向けて、仕事と育児や介護の両立支援や上位階層への女性の積極的な登用等に取り組んでおります。
4 出向者は出向元の従業員として計算しております。
② 連結会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 1 「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第2条第5号に規定されている連結会社を対象としております。
2 上記指標は、海外子会社を含めた指標を記載しており、海外子会社の指標の定義や計算方法は女性活躍推進法とは異なっております。
第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定により、国際会計基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人による監査を受けております。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組を行っております。具体的には、会計基準等の内容を適切に把握し、または会計基準等の変更等について的確に対応できる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構に加入し、同機構の開催するセミナーへの参加等を通じ、適時の情報収集に努めております。
4.IFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備
当社は、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っております。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表を作成するために、IFRSに準拠したグループ会計方針及び処理要領を作成し、それらに基づいて会計処理を行っております。
1 【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結財政状態計算書】
②【連結損益計算書】
③【連結包括利益計算書】
④【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
⑤【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1.報告企業
住友化学株式会社(以下「当社」という。)は日本に所在する企業であります。その登記されている本社及び主要な事業所の住所はホームページ(URL https://www.sumitomo-chem.co.jp/)で開示しております。当社及びその子会社(以下「当社グループ」という。)の連結財務諸表は、3月31日を期末日とし、当社グループ並びに当社グループの関連会社及び共同支配の取決めに対する持分により構成されております。
当社グループの主な事業内容は、「アグロ&ライフソリューション」、「ICT&モビリティソリューション」、「アドバンストメディカルソリューション」、「エッセンシャル&グリーンマテリアルズ」及び「住友ファーマ」の各製品の製造・販売であります。各事業の内容については注記「6.セグメント情報」に記載しております。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
本連結財務諸表は、2026年6月22日に代表取締役社長 水戸信彰によって公表の承認がなされております。
(2) 測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、注記「3.重要性がある会計方針」に記載のとおり、公正価値で測定する特定の金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3) 機能通貨及び表示通貨
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を四捨五入して表示しております。
3.重要性がある会計方針
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該企業を支配していると判断しております。従って、当社グループが議決権の過半数を所有していない企業についても、意思決定機関を実質的に支配していると判断した場合には、子会社としております。
子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結の対象に含めております。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えております。
当社グループ内の債権債務残高及び内部取引高、並びに当社グループ内の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
支配の喪失を伴わない子会社に対する持分の変動があった場合には、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しております。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得または損失は純損益として認識しております。
子会社の決算日が当社グループの連結決算日と異なる場合には、連結決算日現在に実施した仮決算に基づく子会社の財務諸表を使用し、連結を行っております。
② 関連会社及び共同支配の取決め
関連会社とは、当社グループが当該企業に対し、財務及び営業の方針に重要な影響力を有しているものの、支配または共同支配をしていない企業をいいます。当社グループが他の企業の議決権の20%以上を保有する場合、当社グループは当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。当社グループが重要な影響力を有しているか否かの評価にあたり考慮するその他の要因には、取締役の派遣等があります。これらの要因が存在する場合には、当該企業に対する当社グループの投資が議決権の20%未満であったとしても、当社グループが重要な影響力を有することがあります。
共同支配とは、取決めに対する契約上合意された支配の共有をいい、関連性のある活動に関する意思決定が、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合にのみ存在します。共同支配の取決めへの投資は、当該取決めの当事者の権利及び義務に応じて、ジョイント・オペレーション(共同支配事業)かジョイント・ベンチャー(共同支配企業)に分類されます。ジョイント・オペレーションとは、取決めに対する共同支配を有する当事者が当該取決めに関する資産に対する権利及び負債に対する義務を有している場合の共同支配の取決めをいい、ジョイント・ベンチャーとは、取決めに対して共同支配を有する当事者が当該取決めの純資産に対する権利を有している場合の共同支配の取決めをいいます。
関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する持分を有する場合は、当該持分を取得時に取得原価で認識し、以後は持分法によって会計処理しております。関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資には、取得に際して認識されたのれんが含まれております。
ジョイント・オペレーションに対する持分を有する場合は、当該ジョイント・オペレーションの資産、負債、収益及び費用の持分をそれぞれの類似する科目に合算しております。
関連会社、ジョイント・ベンチャー、及びジョイント・オペレーションが適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会社、ジョイント・ベンチャー、及びジョイント・オペレーションの財務諸表に調整を加えております。
他の株主との関係等により、決算日を統一することが実務上不可能である関連会社、ジョイント・ベンチャー、及びジョイント・オペレーションに対する持分を有する場合は、決算日の差異により生じる期間の重要な取引または事象の影響については連結財務諸表に反映しております。
関連会社及び共同支配企業に対する投資について、減損の兆候の有無を判断しており、減損の兆候が存在する場合には減損テストを実施しております。回収可能価額は公正価値で算定しており、公正価値は市場価格を用いております。
(2) 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社グループが発行する資本持分の取得日の公正価値の合計として測定されます。
被取得企業における識別可能な資産及び負債は、以下を除いて、取得日の公正価値で測定しております。
・繰延税金資産・負債及び従業員給付契約に関連する資産・負債
・被取得企業の株式に基づく報酬契約
・IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従って売却目的に分類される資産または処分グループ
移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額、及び取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計金額が、取得日における識別可能な取得した資産と引き受けた負債の正味価額を上回る場合は、その超過額をのれんとして計上しております。反対に下回る場合には、直ちに純損益として認識しております。
当社グループは、非支配持分を公正価値で測定するか、または識別可能な純資産の認識金額の比例割合で測定するかを個々の企業結合取引ごとに選択しております。
仲介手数料、弁護士費用、デュー・デリジェンス費用等の、企業結合に関連して発生する取得関連コストは、発生時に費用処理しております。
企業結合の当初の会計処理が、企業結合が発生した期の末日までに完了していない場合は、完了していない項目を暫定的な金額で報告しております。取得日から1年以内の測定期間に入手した新たな情報が、取得日時点で認識された金額の測定に影響を及ぼすものである場合には、取得日時点で認識した暫定的な金額を遡及的に修正しております。
段階的に達成される企業結合の場合、当社グループが以前に保有していた被取得企業の資本持分は取得日の公正価値で再評価され、発生した利得または損失があれば純損益またはその他の包括利益に認識されます。
取得後の条件付対価の公正価値変動は、上記測定期間中の測定に該当する場合には取得対価を修正し、そうでない場合には公正価値の変動として純損益に認識しております。
非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理しているため、当該取引からのれんは認識しておりません。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レートで機能通貨に換算しております。
期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に換算しております。
取得原価で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、取得日の為替レートで機能通貨に換算しております。
公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に換算しております。
換算または決済により生じる換算差額は、純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて測定する資本性金融商品及びヘッジが有効な範囲内におけるキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しております。
② 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産及び負債については期末日の為替レート、収益及び費用については為替レートが著しく変動している場合を除き、平均為替レートを用いて日本円に換算しております。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。
在外営業活動体の処分時には、その他の包括利益に認識され資本に累積されていた在外営業活動体の換算差額は、処分による利得または損失が認識される時に資本から純損益に振り替えております。
(4) 金融商品
① 非デリバティブ金融資産
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、営業債権及びその他の債権については発生時に当初認識しております。それ以外の金融資産については、契約条項の当事者となった取引日に当初認識しております。
金融資産は、当初認識時に以下のとおり分類しております。
(a) 償却原価で測定する金融資産
次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(FVTOCIの金融資産)
・その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品
次の条件がともに満たされる負債性金融商品は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
a.契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方のために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
b.金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
・その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
投資先との取引関係の維持または強化を主な目的として保有する株式等の資本性金融商品について、当初認識時に、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しております。
(c) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産(FVTPLの金融資産)
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定する場合、または(a)(b)以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類される場合を除き、公正価値に取引コストを加算した金額で当初測定しております。
(ⅱ) 事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定する金融資産
実効金利法による償却原価で測定しております。また、これに係る利息発生額は連結損益計算書の金融収益に含まれております。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定し、その変動額はその他の包括利益として認識しております。
ただし、資本性金融商品のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定したものから生じる配当金については、配当を受領する権利が確立された時点で金融収益の一部として、純損益に認識しております。また、当該金融資産の公正価値が著しく下落した場合または認識を中止した場合には、その他の資本の構成要素に累積したその他の包括利益累計額は、利益剰余金に振り替えております。
負債性金融商品に係る利息発生額は連結損益計算書の金融収益に認識されます。また当該金融資産の認識を中止した場合には、その他の資本の構成要素に累積したその他の包括利益累計額を純損益に組替調整額として振り替えております。
(c) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しております。
(ⅲ) 認識の中止
当社グループは、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が失効した場合、または、金融資産を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスク及び便益を実質的にすべて移転した場合に、当該金融資産の認識を中止しております。
(ⅳ) 減損
当社グループは、金融資産及び金融保証契約の減損の認識にあたっては、期末日ごとに、償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品もしくは金融保証契約に、当初認識時点からの信用リスクの著しい増加があるかどうかを評価しております。
金融資産の信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権及びその他の債権については、常に、貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか否かは、当初認識時における債務不履行発生リスクと各期末日における債務不履行発生リスクを比較して判断しております。この判断には、以下のような、過去の事象、現在の状況、及び将来の経済状況の予測についての、過大なコストや労力をかけずに利用可能な範囲内における合理的かつ裏付け可能な情報を考慮しております。
(a) 内部信用格付け
(b) 利用可能な場合、外部信用格付け
(c) 借手の営業成績の実際のまたは予想される著しい変化
(d) 借手の規制環境、経済環境または技術環境の実際のまたは予想される著しい不利な変化のうち、借手が債務を履行する能力の著しい変化を生じさせるもの
(e) 同一の借手の他の金融商品に係る信用リスクの著しい増大
(f) 債務の裏付となっている担保の価値または第三者の保証もしくは信用補完の質の著しい変化
また、金融商品の予想信用損失は、契約上受け取るべき金額と、受け取りが見込まれる金額との差額に時間価値を考慮の上測定し、当該測定に係る金額は、純損益として認識しております。
② 非デリバティブ金融負債
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、契約の当事者となった時点で金融負債を認識しております。金融負債は、当初認識時に、以下のものを除いて償却原価で測定する金融負債に分類しております。
(a) 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債(FVTPLの金融負債)
(b) 金融保証契約
(c) 企業結合に係る条件付対価
すべての金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定する金融負債については、直接帰属する取引コストを控除した金額で測定しております。
(ⅱ) 事後測定
金融負債の当初認識後は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a) 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しております。
(b) 金融保証契約
以下のいずれか高い方の金額で測定しております。
・上記「(ⅳ) 減損」に従って算定された貸倒引当金の金額
・当初測定額から償却累計額を控除した額
(c) 企業結合に係る条件付対価
公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しております。
(d) 償却原価で測定する金融負債
実効金利法による償却原価で測定しております。これに係る利息発生額は、連結損益計算書の金融費用に含まれております。
(ⅲ) 認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が履行、免責、取消しまたは失効となった時に、金融負債の認識を中止いたします。
③ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替変動リスクをヘッジするために、為替予約等のデリバティブを利用しております。これらのデリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初測定され、その後も公正価値で再測定しております。
デリバティブの公正価値変動額は、純損益として認識しております。ただし、キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分については、その他の包括利益として認識しております。
当社グループは、ヘッジ開始時に、ヘッジ会計を適用しようとするヘッジ関係並びにヘッジを実施するにあたってのリスク管理目的及び戦略について、公式に指定及び文書化を行っております。当該文書は、具体的なヘッジ手段、ヘッジ対象となる項目または取引並びにヘッジされるリスクの性質及びヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値またはキャッシュ・フローの変動に対するエクスポージャーを相殺するに際してのヘッジ手段の公正価値変動の有効性の評価方法等を含んでおります。当社グループは、ヘッジ開始時及び継続的に、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象の公正価値またはキャッシュ・フローの変動を相殺するために有効であるか評価しております。
(ⅰ) 公正価値ヘッジ
ヘッジ手段の公正価値の変動は純損益にて認識しております。ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値の変動はヘッジ対象の帳簿価額を修正し、純損益として認識しております。
(ⅱ) キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジについては、ヘッジ手段に係る利得または損失のうち有効な部分はキャッシュ・フロー・ヘッジとしてその他の包括利益で認識しており、非有効部分は純損益に認識しております。
その他の包括利益を通じて認識された利得または損失の累計額は、ヘッジ対象から生じるキャッシュ・フローが純損益に影響を与える期に組替調整額として純損益に振り替えております。ただし、ヘッジ対象が非金融資産の認識を生じさせるものである場合には、当該資産の当初の取得原価の測定に直接含めております。
予定取引がもはや発生可能性が高いと言えなくなった場合にはヘッジ会計を中止し、さらに発生が見込まれなくなった場合には、その他の包括利益を通じて認識された利得または損失の累計額を純損益に振り替えております。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い価額で測定しております。正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び見積販売費用を控除した額であります。取得原価は、主として総平均法に基づいて算定されており、購入原価、加工費並びに現在の場所及び状態に至るまでに要したすべての費用を含んでおります。
(7) 有形固定資産(使用権資産以外)
有形固定資産については、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で測定しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体・除去及び土地の原状回復費用、並びに資産計上すべき借入コストが含まれております。
土地及び建設仮勘定以外の各資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で計上しております。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物及び構築物 5-60年
・機械装置及び運搬具 4-12年
なお、見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(8) のれん及び無形資産
① のれん
事業の取得により生じたのれんの当初認識及び測定については、「(2) 企業結合」に記載しております。
のれんの償却は行わず、毎期、または減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。
のれんの減損損失は連結損益計算書において認識され、その後の戻入れは行っておりません。
また、のれんは連結財政状態計算書において、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で計上されます。
持分法で会計処理している被投資企業については、のれんの帳簿価額を投資の帳簿価額に含めております。
② 無形資産
無形資産については、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で測定しております。
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定し、企業結合で取得した無形資産は、取得日の公正価値で測定しております。内部発生の研究費用は発生時に費用として認識しております。内部発生の開発費用は、資産として認識するための基準がすべて満たされた場合に限り無形資産として認識することとしております。
無形資産の償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で計上しております。なお、仕掛中の研究開発として計上された無形資産は、未だ使用可能な状態にないため、償却をせず、毎期、または減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。仕掛中の研究開発は、規制当局の販売承認が得られた時点で特許権、販売権等の項目に振り替え、当該資産が使用可能となった時点から償却を開始しております。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は以下のとおりであります。
・特許権 3-20年
・ソフトウェア 3-10年
なお、見積耐用年数、残存価額及び償却方法は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(9) リース
当社グループは、契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転しているか否かに基づき、契約がリースであるか、またはリースを含んでいるかを判定しております。
契約がリースであるかまたはリースを含んでいると判定した場合、リース開始日において、使用権資産及びリース負債を認識しております。
① 使用権資産
使用権資産については、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で測定しております。取得原価は、リース負債の当初測定額に当初直接コスト等を調整し、原資産の原状回復費用等を加えた額で構成されております。使用権資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数またはリース期間のいずれか短い期間にわたり、定額法で計上しております。また、連結財政状態計算書上、使用権資産は「有形固定資産」に含めて表示しております。
② リース負債
リース負債は、開始日において同日現在で支払われていないリース料をリースの計算利子率で割り引いた現在価値で測定しております。リースの計算利子率が容易に算定できない場合には、追加借入利子率を割引率として使用しております。開始日後においては、リース負債に係る金利や、支払われたリース料を反映するようにリース負債の帳簿価額を増減させております。
また、連結財政状態計算書上、リース負債は「その他の金融負債」に含めて表示しております。
なお、短期リース及び少額資産のリースについては、IFRS第16号第6項を適用し、リース料をリース期間にわたり定額法により費用認識しております。
(10) 非金融資産の減損
当社グループは、期末日ごとに非金融資産の減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っております。のれん及び耐用年数を確定できない、または未だ使用可能ではない無形資産については、減損の兆候の有無に関わらず、回収可能価額を毎年同じ時期に見積っております。
資産またはその資産の属する資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか高い方の金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いております。個々の資産について回収可能価額を見積ることができない場合には、継続的な使用により他の資産または資産グループのキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成する、最小の資金生成単位に統合しております。のれんの減損テストを行う際には、のれんが配分される資金生成単位を、のれんが関連する最小の単位を反映して減損がテストされるように、必要に応じて統合しております。企業結合により取得したのれんは、結合のシナジーが得られると期待される資金生成単位(グループ)に配分しております。
当社グループの全社資産は、独立したキャッシュ・インフローを生成いたしません。全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位(グループ)の回収可能価額を算定しております。
減損損失は、資産または資金生成単位(グループ)の帳簿価額が見積回収可能価額を超過する場合に純損益として認識いたします。資金生成単位(グループ)に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位(グループ)内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額いたします。
のれんに関連する減損損失は戻入れをいたしません。のれん以外の資産に関しては、過年度に認識された減損損失について、毎期末日において損失の減少または消滅の可能性を示す兆候が存在しているかどうかを評価しております。そのような兆候が存在する場合は、当該資産または資金生成単位(グループ)の回収可能価額の見積りを行っております。その回収可能価額が、資産または資金生成単位(グループ)の帳簿価額を超える場合、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費または償却費を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として、減損損失を戻入れております。
(11) 従業員給付
① 退職後給付
当社グループは、従業員の退職後給付制度として確定給付制度と確定拠出制度を運営しております。
当社グループは、確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用を、予測単位積増方式を用いて算定しております。
割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しております。
確定給付制度に係る負債または資産は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除して算定しております。ただし、確定給付制度が積立超過である場合は、確定給付資産の純額は、制度からの返還または制度の将来掛金の減額の形で利用可能な経済的便益の現在価値を資産上限額としております。
確定給付制度の再測定額は、発生した期においてその他の包括利益として一括認識し、直ちにその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えております。
過去勤務費用は、発生した期の純損益として処理しております。
確定拠出型の退職給付に係る掛金は、従業員が勤務を提供した期間に費用として認識しております。
② 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しております。
賞与及び有給休暇費用については、それらを支払う法的もしくは推定的な債務を負っており、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しております。
③ その他の長期従業員給付
退職後給付制度以外の長期従業員債務として、一定の勤続年数に応じた特別休暇や報奨金制度を有しております。その他の長期従業員給付に対する債務額は、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として稼得した将来給付の見積額を現在価値に割り引いた額で計上しております。
(12) 引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが、現在の法的または推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。引当金は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いております。時の経過に伴う割引額の割戻しは金融費用として認識しております。
① 売上割戻引当金
公的なプログラムや卸店、その他の契約等に対する売上割戻金の支出に備えて、その見込額を計上しております。
② 資産除去引当金
有形固定資産の除去に関して法令または契約で要求される法律上の義務及びそれに準ずるものに備えて、その支出費用見込額を計上しております。
③ 返品調整引当金
返品による損失に備えるため、製品及び商品の返品予測高を計上しております。
④ 固定資産撤去費用引当金
撤去の方針を決定した固定資産の撤去工事に伴う費用の支出に備えるため、その支出見込額を計上しております。
(13) 収益
① 顧客との契約から生じる収益
当社グループは、次の5ステップアプローチに基づき、約束した製品または役務を顧客に移転し、顧客が当該製品または役務に対する支配を獲得した時に収益を認識しております。
ステップ1:契約の識別
ステップ2:履行義務の識別
ステップ3:取引価格の算定
ステップ4:履行義務への取引価格の配分
ステップ5:履行義務の充足による収益の認識
当社グループは、「アグロ&ライフソリューション」、「ICT&モビリティソリューション」、「アドバンストメディカルソリューション」、「エッセンシャル&グリーンマテリアルズ」及び「住友ファーマ」の事業を主な事業としており、製品の販売については、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断していることから、製品の引渡時点で収益を認識しております。また、収益は顧客との契約において約束された対価から、返品、値引き及び割戻し等を控除した収益に重大な戻入れが生じない可能性が高い範囲内の金額で算定しております。
② 利息収益
利息収益は、実効金利法により認識しております。
③ 配当金
配当収益は、配当を受け取る権利が確定した時点で認識しております。
(14) 法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成されております。これらは、企業結合に関連するもの、及び直接資本の部またはその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益として認識しております。
当期税金は、税務当局に対する納付または税務当局から還付が予想される金額で測定されます。税額の算定にあたっては、当社グループが事業活動を行い、課税対象となる損益を稼得する国において、期末日までに制定または実質的に制定されている税率及び税法に従っております。
繰延税金は、決算日における資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しております。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を認識しておりません。
・のれんの当初認識から生じる一時差異
・企業結合取引を除く、会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異を生じさせない取引によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社及び関連会社に対する投資、並びに共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に解消しない可能性が高い場合の一時差異
繰延税金負債は原則としてすべての将来加算一時差異について認識され、繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。
繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額または一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しております。未認識の繰延税金資産は毎期再評価され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しております。
繰延税金資産及び負債は、期末日において制定されている、または実質的に制定されている法定税率及び税法に基づいて資産が実現する期間または負債が決済される期間に適用されると予想される税率及び税法によって測定しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、相殺しております。
なお、当社及び一部の連結子会社は、グループ通算制度を適用しております。
また、当社グループは、2023年5月に公表された「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール(IAS第12号の改訂)」の一時的な例外規定を適用しており、経済協力開発機構(OECD)が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定または実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して、認識及び開示を行っておりません。
(15) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。また、逆希薄化効果を有する潜在株式が存在する場合、当該潜在株式は希薄化後1株当たり当期利益の計算に含めておりません。
(16) 資本
普通株式は資本に分類しております。
自己株式は取得原価で評価され、資本から控除しております。当社の自己株式の購入、売却または消却において利得または損失は認識しておりません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は、資本剰余金として認識しております。
(17) 株式報酬
当社は、当社取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く)及び取締役を兼務しない執行役員(国内非居住者を除く)に対するインセンティブ制度として、譲渡制限付株式報酬制度を導入しております。譲渡制限付株式報酬制度における報酬は、付与日において、付与した当社普通株式の公正価値を参照して測定し、付与日から権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。
(18) 売却目的で保有する資産
継続的な使用ではなく、主に売却により回収が見込まれる非流動資産または処分グループのうち、現状で直ちに売却することが可能であり、かつ、売却の可能性が非常に高い場合に売却目的保有に分類しております。売却目的保有に分類した非流動資産または処分グループは、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しております。
売却目的保有に分類した資産または処分グループに分類後の有形固定資産または無形資産については、減価償却または償却を中止し、売却目的で保有する資産及び負債は、財政状態計算書上において流動項目として他の資産及び負債と区分して表示しております。
(19) 表示方法の変更
(連結キャッシュ・フロー計算書)
前連結会計年度において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めていた「事業譲渡益等」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記しております。
一方、前連結会計年度において独立掲記していた「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「貸付けによる支出」は、金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度において「その他」に含めて表示しております。
これに伴い、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に表示していた53,416百万円は、「事業譲渡益等」△56,653百万円、「その他」110,069百万円として組み替えております。また、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「貸付けによる支出」に表示していた△86百万円、「その他」に表示していた△692百万円は、「その他」△778百万円として組み替えております。
4.重要な会計上の見積り及び判断
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行う必要があります。実際の結果は、見積り及び仮定に関する不確実性があるために、翌連結会計年度に係る連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及びそれ以降の将来の会計期間において認識されます。
経営者が行った連結財務諸表の金額に重要な影響を与える判断、見積り及び仮定は以下のとおりであります。
・非金融資産の減損(注記「16.非金融資産の減損」)
・関連会社に対する投資の評価(注記「17.持分法で会計処理されている投資」)
・繰延税金資産の回収可能性(注記「18.法人所得税」)
・引当金の測定(注記「25.引当金」)
・金融商品の公正価値(注記「36.金融商品」)
5.未適用の公表済み新基準及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている基準書及び解釈指針の新設または改訂のうち、当連結会計年度において当社グループが早期適用していない主なものは、以下のとおりであります。新しいIFRS適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。
6.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社の取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、取り扱う製品・サービス別に事業を区分し、生産・販売・研究を一体的に運営する事業部門制を採用しております。各事業部門は、取り扱う製品・サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
したがって、当社グループは、主に事業部門を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「アグロ&ライフソリューション」、「ICT&モビリティソリューション」、「アドバンストメディカルソリューション」、「エッセンシャル&グリーンマテリアルズ」、「住友ファーマ」の5つを報告セグメントとしております。
各報告セグメントに属する主要な製品・サービスの種類は、下表のとおりであります。
(2) 報告セグメントの情報
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「3.重要性がある会計方針」における記載と概ね同一であります。報告セグメントの損益は、営業損益から非経常的な要因により発生した損益を除いて算出したコア営業損益で表示しております。
セグメント間の内部売上収益は市場実勢価格に基づいております。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1 「その他」のセグメント利益(コア営業利益)66,855百万円は、事業譲渡益48,879百万円を含んでおります。
2 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、放射性診断薬、電力・蒸気の供給、化学産業設備の設計・工事監督、運送・倉庫業務等を含んでおります。
3 調整額は以下のとおりであります。
(1) セグメント利益又は損失の調整額△32,701百万円には、セグメント間取引消去2,324百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△35,025百万円が含まれております。全社費用は、主に特定の報告セグメントに帰属させて管理していない全社共通研究費等であります。
(2) セグメント資産の調整額102,219百万円には、セグメント間の債権及び資産の消去△96,460百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産198,679百万円が含まれております。全社資産は、主に当社の余資運用資金(現金及び現金同等物等)、長期投資資金(株式及び出資金)及び全社共通研究に係る資産等であります。
(3) 減価償却費及び償却費の調整額11,307百万円は、主に各報告セグメントに配分していない全社共通研究に係る資産の減価償却費及び償却費であります。
(4) 持分法で会計処理されている投資の調整額△953百万円は、セグメント間取引消去によるものであります。
(5) 資本的支出の調整額7,244百万円は、主に各報告セグメントに配分していない全社共通研究に係る資本的支出であります。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 1 「エッセンシャル&グリーンマテリアルズ」のセグメント利益(コア営業利益)14,446百万円は、事業譲渡に関連する利益55,807百万円を含んでおります。
2 「住友ファーマ」のセグメント利益(コア営業利益)108,444百万円は、事業譲渡に関連する利益50,024百万円を含んでおります。
3 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、電力・蒸気の供給、運送・倉庫業務等を含んでおります。
4 調整額は以下のとおりであります。
(1) セグメント利益又は損失の調整額△31,101百万円には、セグメント間取引消去586百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△31,687百万円が含まれております。全社費用は、主に特定の報告セグメントに帰属させて管理していない全社共通研究費等であります。
(2) セグメント資産の調整額80,851百万円には、セグメント間の債権及び資産の消去△135,817百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産216,668百万円が含まれております。全社資産は、主に当社の余資運用資金(現金及び現金同等物等)、長期投資資金(株式及び出資金)及び全社共通研究に係る資産等であります。
(3) 減価償却費及び償却費の調整額11,305百万円は、主に各報告セグメントに配分していない全社共通研究に係る資産の減価償却費及び償却費であります。
(4) 減損損失の調整額1,648百万円は、主に各報告セグメントに配分していない全社共通研究に係る資産の減損損失であります。
(5) 持分法で会計処理されている投資の調整額△1,043百万円は、主にセグメント間取引消去によるものであります。
(6) 資本的支出の調整額9,617百万円は、主に各報告セグメントに配分していない全社共通研究に係る資本的支出であります。
セグメント損益から税引前損益への調整は、以下のとおりであります。
(注)営業損益に含まれる持分法による投資損益の内訳は、以下のとおりであります。
(表示方法の変更)
前連結会計年度において独立掲記していた「条件付対価に係る公正価値変動」は、金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度において「その他」に含めて表示しております。
これに伴い、前連結会計年度において「条件付対価に係る公正価値変動」に表示していた2,427百万円は、「その他」△4,948百万円として組み替えております。
(3) 地域別に関する情報
売上収益及び非流動資産の地域別内訳は、以下のとおりであります。
外部顧客への売上収益
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。
非流動資産
前連結会計年度(2025年3月31日)
(注) 非流動資産は、資産の所在地によっており、金融商品、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を含んでおりません。
当連結会計年度(2026年3月31日)
(注) 非流動資産は、資産の所在地によっており、金融商品、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を含んでおりません。
(4) 主要な顧客に関する情報
外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先がないため、記載をしておりません。
7.企業結合
(1) 重要な企業結合
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
前連結会計年度において重要な企業結合はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
当連結会計年度において重要な企業結合はありません。
(2) 条件付対価
トレロ ファーマシューティカルズ インコーポレーテッド(以下「トレロ社」という。)(現:スミトモ ファーマ アメリカ インコーポレーテッド)の買収においては、旧株主に対して、企業結合後の特定のマイルストン達成に応じて、条件付対価を追加で支払うことになっております。
本買収においては、取得の対価として、当連結会計年度末までに205百万米ドル(23,272百万円)を支払うとともに、将来、トレロ社が開発中の化合物の開発マイルストンとして時間的価値考慮前の金額にて最大90百万米ドル(14,391百万円)を支払う可能性があります。さらに、販売後は売上収益に応じた販売マイルストンとして、時間的価値考慮前の金額にて最大150百万米ドル(23,985百万円)を支払う可能性があります。
当社グループは、この条件付対価については、時間的価値を考慮し、連結財政状態計算書におけるその他の金融負債として認識しております。
条件付対価の公正価値ヒエラルキー及び感応度分析については注記「36.金融商品」に記載しております。
当社グループが条件付対価を支払う可能性があるものの総額は、前連結会計年度末35,888百万円(割引前)、当連結会計年度末38,376百万円(割引前)です。なお、条件付対価に関する期日別支払予定額は、その不確実性により記載しておりません。
8.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
9.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりであります。
営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
なお、売掛金のうち、回収及び売却を保有目的としている債権は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品に分類しております。
契約資産は「その他の債権」に含めて表示しております。
10.その他の金融資産
その他の金融資産の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に対する投資の公正価値は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
上記のうち、主な銘柄の公正価値は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
ペトロ・ラービグ社B種普通株式については、「36.金融商品」に記載しております。
主に取引先との関係維持、強化による収益基盤の拡大を目的として保有している投資については、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しております。
当社グループは、資産の効率化や取引関係の見直し等を目的として、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に対する投資の一部を売却することにより、認識を中止しております。
各連結会計年度における売却時の公正価値及びその他の包括利益として認識されていた累積利得又は損失(税引前)は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の公正価値の変動による累積利得又は損失は、投資を処分した場合、もしくは公正価値が著しく低下した場合に利益剰余金に振り替えることとしております。利益剰余金に振り替えたその他の包括利益の累積利得又は損失(税引後)は、前連結会計年度56,907百万円、当連結会計年度△12,462百万円であります。
11.棚卸資産
棚卸資産の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
費用として認識された棚卸資産の評価減の金額は、前連結会計年度20,519百万円、当連結会計年度21,314百万円であります。
12.その他の資産
その他の資産の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
13.売却目的で保有する資産
売却目的で保有する資産とそれに直接関連する負債の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度における売却目的で保有する資産とそれに直接関連する負債のうち、主要なものは以下のとおりであります。
当社の連結子会社である住友ファーマ株式会社(以下「住友ファーマ社」という。)は、2025年4月1日において、同社の完全子会社である住友制葯投資(中国)有限公司及びスミトモ ファーマ アジア パシフィック プライベート リミテッド並びにそれらの子会社によるアジア事業を丸紅グローバルファーマ株式会社に譲渡することを決議いたしました。これにより、前連結会計年度末においてアジア事業に関連する資産及びそれに直接関連する負債を売却目的で保有する処分グループに分類しておりました。売却目的で保有する処分グループは住友ファーマセグメントに帰属しておりました。
なお、当該株式譲渡は2025年7月に完了いたしました。
また、2024年12月、当社グループが保有する旭友電子材料科技(無錫)有限公司及び住化華北電子材料科技(北京)有限公司の全持分を、湖北利友光電科技有限公司に譲渡することとし、持分譲渡契約を締結いたしました。これにより、旭友電子材料科技(無錫)有限公司及び住化華北電子材料科技(北京)有限公司が当社グループ会社ではなくなる可能性が非常に高まったため、前連結会計年度末において当該会社に関連する資産及びそれに直接関連する負債を売却目的で保有する処分グループに分類しておりました。売却目的で保有する処分グループはICT&モビリティソリューションセグメントに帰属しておりました。
なお、旭友電子材料科技(無錫)有限公司の持分譲渡は、2025年4月に完了いたしました。
また、2025年2月、当社が保有する住友化学園芸株式会社の全株式を、大日本除虫菊株式会社に譲渡することとし、株式譲渡契約を締結いたしました。これにより、住友化学園芸株式会社が当社の子会社ではなくなる可能性が非常に高まったため、前連結会計年度末において同社に関連する資産及びそれに直接関連する負債を売却目的で保有する処分グループに分類しておりました。売却目的で保有する処分グループはアグロ&ライフソリューションセグメントに帰属しておりました。
なお、当該株式譲渡は2025年7月に完了いたしました。
14.有形固定資産
(1) 増減表
有形固定資産の帳簿価額の増減並びに取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額は、以下のとおりであります。
帳簿価額
(単位:百万円)
(注) 有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれております。
取得原価
(単位:百万円)
減価償却累計額及び減損損失累計額
(単位:百万円)
(2) 使用権資産
有形固定資産に含まれる使用権資産の帳簿価額は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
15.のれん及び無形資産
(1) 増減表
のれん及び無形資産の帳簿価額の増減並びに取得原価、償却累計額及び減損損失累計額は、以下のとおりであります。
帳簿価額
(単位:百万円)
無形資産
(注) 1 無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれております。
2 研究開発の段階にあり、未だ規制当局の販売承認が得られていないものは、使用可能な状態にないため、将来の経済的便益が流入する期間が予見可能でないと判断し、償却が開始されていない無形資産に分類しております。進行中の研究開発資産である仕掛研究開発は、研究開発プロセスに内在する不確実性のため、製品化に至らず減損損失が発生するリスクや、市場環境の変動等に伴う収益性の低下により減損損失が発生するリスクがあります。当該無形資産の帳簿価額は、前連結会計年度末463百万円及び当連結会計年度末710百万円であります。
3 「その他」には、アグロ&ライフソリューションセグメントに係る顧客関連資産、住友ファーマセグメントに係る販売権等が含まれております。
取得原価
(単位:百万円)
無形資産
償却累計額及び減損損失累計額
(単位:百万円)
無形資産
(2) 重要性がある無形資産の詳細
連結財政状態計算書に計上されている主な無形資産は、住友ファーマ社及びその子会社によるマイオバント サイエンシズ リミテッド及びユーロバント サイエンシズ リミテッドの買収により取得した無形資産であり、帳簿価額及び残存償却期間は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(3) 研究開発費
連結損益計算書で認識した研究開発費は、前連結会計年度145,192百万円、当連結会計年度144,661百万円であります。
16.非金融資産の減損
(1) 減損損失
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
前連結会計年度において、26,312百万円の減損損失を計上しております。減損損失は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「その他の営業費用」に計上しております。減損損失のセグメント別内訳については、「6.セグメント情報」に記載しております。
減損損失を認識した主要な資金生成単位は、以下のとおりであります。
減損損失の内訳
・ 農薬中間体製造設備 5,137百万円
(建物及び構築物1,869百万円、機械装置及び運搬具2,042百万円、その他1,225百万円)
・ ファイン製品製造用マルチプラント 4,529百万円
(建物及び構築物2,415百万円、機械装置及び運搬具2,085百万円、その他29百万円)
・ 医薬品に係る特許権(ツイミーグ) 4,175百万円
(特許権4,175百万円)
・ エッセンシャル&グリーンマテリアルズ製造設備等 3,248百万円
(建物及び構築物810百万円、機械装置及び運搬具2,359百万円、その他78百万円)
アグロ&ライフソリューションセグメントにおいて、当社が保有する中国の子会社持分の売却に伴い、売却価額が帳簿価額を下回ることが見込まれたため、固定資産の帳簿価額全額を減損しております。減損テストにおける回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値に基づき算定しており、処分コスト控除後の公正価値には売却価額を用いております。評価技法には観察可能な市場データでないインプットを使用しているため、処分コスト控除後の公正価値は公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類されます。
アドバンストメディカルソリューションセグメントのファイン製品製造用マルチプラントについて、事業環境の悪化や収益性の低下が見込まれることから減損テストを実施いたしました。その結果、回収可能価額が帳簿価額を下回ったため、帳簿価額を回収可能価額である6,909百万円まで減損しております。資産の回収可能価額は使用価値により測定しており、使用価値は将来キャッシュ・フローを10.3%(税引前)で割り引いて算定しております。
住友ファーマセグメントにおいて、2型糖尿病治療剤「ツイミーグ」に係る特許権について収益性が見込めなくなったため、帳簿価額全額を減損しております。回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値に基づき算定しております。処分コスト控除後の公正価値は、過去の経験及び外部からの情報に基づいた将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しております。この評価技法は観察可能な市場データでないインプットを使用しているため、この処分コスト控除後の公正価値は公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類されます。
エッセンシャル&グリーンマテリアルズセグメント等の愛媛工場製造設備について、需要及び市況価格の低迷により収益性が低下したため、帳簿価額全額を減損しております。減損テストにおける回収可能価額には使用価値を用いております。将来キャッシュ・フローがマイナスであるため、割引率の記載を省略しております。
なお、個別に重要でない減損損失の主な内訳は、事業における機械装置及び運搬具等の有形固定資産及び特許権などの無形資産に係るものであり、収益見込みの低下等に伴い回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから減損損失を計上しております。
有形固定資産、のれん及び無形資産の減損テストにおいて、資金生成単位を判別したうえで、当該資金生成単位における使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか高い方を回収可能価額として測定しております。当該処分コスト控除後の公正価値算定上の仮定、あるいは使用価値算定の基礎となる資金生成単位の使用期間中及び使用後の処分により見込まれる将来キャッシュ・フローの見積りにおける仮定、割引率等は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があります。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
当連結会計年度において、34,607百万円の減損損失を計上しております。減損損失は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「その他の営業費用」に計上しております。減損損失のセグメント別内訳については、「6.セグメント情報」に記載しております。
減損損失を認識した主要な資金生成単位は、以下のとおりであります。
減損損失の内訳
・ エッセンシャル&グリーンマテリアルズ製造設備及び工場共用資産 17,600百万円
(建物及び構築物4,100百万円、機械装置及び運搬具10,252百万円、その他3,248百万円)
エッセンシャル&グリーンマテリアルズセグメント等において、事業環境の悪化による需要の低迷等により収益性が低下した千葉工場におけるエッセンシャル&グリーンマテリアルズ製造設備の帳簿価額全額を減損しております。減損テストにおける回収可能価額には使用価値を用いております。将来キャッシュ・フローがマイナスであるため、割引率の記載を省略しております。併せて千葉工場共用資産について、回収可能価額が帳簿価額を下回ったため、帳簿価額を回収可能価額である3,515百万円まで減損しております。減損テストにおける回収可能価額には使用価値を用いております。使用価値は将来キャッシュ・フローを10.6%(税引前)で割り引いて算定しております。
なお、個別に重要でない減損損失の主な内訳は、事業における機械装置及び運搬具等の有形固定資産、のれん及び無形資産に係るものであり、収益見込みの低下等に伴い回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから減損損失を計上しております。
有形固定資産、のれん及び無形資産の減損テストにおいて、資金生成単位を判別したうえで、当該資金生成単位における使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか高い方を回収可能価額として測定しております。当該処分コスト控除後の公正価値算定上の仮定、あるいは使用価値算定の基礎となる資金生成単位の使用期間中及び使用後の処分により見込まれる将来キャッシュ・フローの見積りにおける仮定、割引率等は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があります。
(2) 減損損失の戻入
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
前連結会計年度における該当事項のうち、重要なものはありません。
減損損失の戻入のセグメント別情報内訳については、「6.セグメント情報」に記載しております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
当連結会計年度における該当事項のうち、重要なものはありません。
減損損失の戻入のセグメント別情報内訳については、「6.セグメント情報」に記載しております。
(3) のれんの減損テスト
企業結合で生じたのれんは、取得日に、企業結合から利益がもたらされる資金生成単位に配分されており、帳簿価額は前連結会計年度257,811百万円、当連結会計年度275,711百万円であります。
上記のうち重要なものは、住友ファーマセグメントに係るのれんであり、帳簿価額は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
のれんの減損損失は、回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合に認識され、当該のれんの帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。回収可能価額は、承認された事業計画を基礎として測定した処分コスト控除後の公正価値に基づき算定しております。処分コスト控除後の公正価値の測定には、資金生成単位に含まれる、既に上市されている製品については、それらの製品の販売価格、当該製品が関連する疾患領域の市場規模及び当該製品のシェア等に基づく収益及び固定費等の予測、また、主要な開発品については、研究開発活動の成功確率等を勘案した当該開発品の収益及び固定費等の予測等が含まれており、過去の経験及び外部からの情報を基にした将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて測定しております。
前連結会計年度における「北米」に帰属するのれんの減損テストについて、処分コスト控除後の公正価値は、17年間の将来予測を基礎としたキャッシュ・フローに永久成長率2.2%を考慮した見積額を現在価値に割り引いたうえで、処分コスト見積額を控除して算定しております。当連結会計年度における「北米」に帰属するのれんの減損テストについて、処分コスト控除後の公正価値は、16年間の将来予測を基礎としたキャッシュ・フローに永久成長率2.3%を考慮した見積額を現在価値に割り引いたうえで、処分コスト見積額を控除して算定しております。この評価技法は観察可能な市場データでないインプットを使用しているため、この処分コスト控除後の公正価値は公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類されます。
のれんの減損テストには、資金生成単位ごとに設定した加重平均資本コスト等を基礎とした割引率を用いており、減損テストに使用した税引前の割引率は、前連結会計年度は12.4%、当連結会計年度は10.9%であります。
前連結会計年度における減損テストの結果、「北米」の資金生成単位について、回収可能価額がのれんを含む資金生成単位の帳簿価額を上回ったことから、減損損失は認識しておりません。
当連結会計年度における減損テストの結果、「北米」の資金生成単位について、回収可能価額がのれんを含む資金生成単位の帳簿価額を上回ったことから、減損損失は認識しておりません。
なお、「北米」の資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値は帳簿価額を十分に上回っており、処分コスト控除後の公正価値算定に用いた主要な仮定が合理的な範囲で変動があった場合にも、減損が発生する可能性は低いと判断しております。
17.持分法で会計処理されている投資
(1) 関連会社に対する投資
① 重要な関連会社
当社グループにとって重要性のある関連会社は、以下のとおりであります。
当社は当連結会計年度において、当社が保有するラービグ リファイニング アンド ペトロケミカル カンパニー(以下「ペトロ・ラービグ社」という。)のA種普通株式(注1)の内、持分約22.5%をサウジアラビアン オイル カンパニー(以下「サウジ・アラムコ社」という。)に約702百万米ドルで売却し、ペトロ・ラービグ社が新たに発行したB種普通株式(注2)を引き受ける手法により株式売却対価を拠出いたしました。
当社はペトロ・ラービグ社の議決権の20%未満を保有しておりますが、取締役の派遣、技術面及び財務面の支援を通じて重要な影響力を有することから、同社を関連会社に含めております。なお、前連結会計年度において、ペトロ・ラービグ社を「(2) 共同支配企業に対する投資」に記載しておりましたが、比較可能性を高めるため、「(1) 関連会社に対する投資」に組み替えて表示しております。
ペトロ・ラービグ社の要約財務情報は以下のとおりであります。
なお、ペトロ・ラービグ社の報告期間を統一することが実務上不可能であるため、報告期間が3ヵ月相違した同社の財務諸表に持分法を適用しております。当注記においても3ヵ月相違した同社の要約財務情報を開示しております。また、同社が適用する会計方針と当社グループの適用する会計方針との重要な差異及び決算日の差異により生じる期間の重要な取引または事象の影響について、同社の財務諸表に調整を加えております。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
(注) 1 A種普通株式は議決権のある普通株式であり、B種普通株式の発行に伴い既存株式の名称がA種普通株式に変更されました。
2 B種普通株式については議決権がなく、発行当初から数年間の配当猶予期間が設定されており、2028年以降、年ごとに異なる配当率が設定されています。またB種普通株式には、一定の累積配当や買戻しに関する定めがあります。
3 当社及びサウジ・アラムコ社の両社は、ペトロ・ラービグ社の財務改善策として、2024年8月に1,000百万米ドル、2025年1月に500百万米ドルの貸付金の債権放棄を実施いたしました。本債権放棄に関するペトロ・ラービグ社の財務諸表への影響について、前連結会計年度における同社の財務諸表に調整を加えております。
4 「資本合計のうち当社グループの持分」のうち、B種普通株式に相当する持分はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類されているため、連結調整に含めて除外しております。
5 A種普通株式に係るものを記載しております。
6 投資の市場価格に基づく公正価値であり、公正価値ヒエラルキーはレベル1であります。
7 当連結会計年度において、ペトロ・ラービグ社を重要な関連会社に含めているため、当連結会計年度におけるこれらの数値の開示を省略しております。
8 ペトロ・ラービグ社は、当連結会計年度において販売費及び一般管理費に含めていた一部の費用を売上収益から控除する方法に表示を変更しております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の売上収益を組み替えて表示しております。なお、この変更に伴う投資の帳簿価額への影響はありません。
前連結会計年度におけるペトロ・ラービグ社の受取利息は831百万円、支払利息は87,218百万円であります。当連結会計年度において、ペトロ・ラービグ社を重要な関連会社に含めているため、当連結会計年度におけるこれらの数値の開示を省略しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、ペトロ・ラービグ社から受け取った配当金はありません。
ペトロ・ラービグ社の剰余金の配当は、プロジェクト・ファイナンス契約に規定されている条件の範囲において実施できるものであります。
当社はペトロ・ラービグ社が実施しているラービグ第2期計画に伴う資金需要のうち、ペトロ・ラービグ社の借入金の一部について、債務保証を行っております。
当社はペトロ・ラービグ社に対する投資について、減損の兆候の有無を判断しており、減損の兆候が存在する場合には減損テストを実施しております。回収可能価額は公正価値で算定しており、公正価値は市場価格を用いております。回収可能価額は将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があります。
② 個々には重要性のない関連会社
個々には重要性のない関連会社に対する投資の帳簿価額は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
個々には重要性のない関連会社の当期包括利益の持分取込額は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(2) 共同支配企業に対する投資
個々には重要性のない共同支配企業に対する投資の帳簿価額は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
個々には重要性のない共同支配企業の当期包括利益の持分取込額は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
18.法人所得税
(1) 繰延税金資産及び繰延税金負債
①繰延税金資産及び繰延税金負債の内訳及び増減内容
繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳及び増減は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 主に在外営業活動体の外貨換算差額であります。また、子会社の支配喪失に伴う変動及び売却目的で保有する資産グループへの振替による変動を含んでおります。
繰延税金資産については、将来減算一時差異等を利用できる将来課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しております。当該回収可能性の判断は、当社グループの事業計画に基づいて見積もった将来の各事業年度の課税所得を前提としております。当該将来の課税所得の見積りは、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があります。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 主に在外営業活動体の外貨換算差額であります。また、子会社の支配喪失に伴う変動を含んでおります。
繰延税金資産については、将来減算一時差異等を利用できる将来課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しております。当該回収可能性の判断は、当社グループの事業計画に基づいて見積もった将来の各事業年度の課税所得を前提としております。当該将来の課税所得の見積りは、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があります。
②未認識の繰延税金資産
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の金額は、以下のとおりであります。(税額ベース)
(単位:百万円)
繰延税金資産を認識していない子会社等に対する投資に係る将来減算一時差異の合計額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ431,864百万円及び340,307百万円であります。(所得ベース)
③未認識の繰延税金資産と繰越期限
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の失効予定は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
④未認識の繰延税金負債(所得ベース)
繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に係る将来加算一時差異の合計額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ621,282百万円及び646,294百万円であります。これらは当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識しておりません。
(2) 法人所得税費用
①法人所得税費用
法人所得税費用の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
当期税金費用には、当社グループが事業を行う一部の国において認識された第2の柱の法人所得税に係る税金費用が含まれておりますが、重要性はありません。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の売却及び公正価値の著しい下落により認識された法人所得税は、前連結会計年度において30,975百万円(損)、当連結会計年度において3,062百万円(損)であります。
②適用税率の調整
法定実効税率と平均実際負担税率との差異要因は以下のとおりであります。当社グループは、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎として計算した法定実効税率は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、いずれも30.6%となっております。ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されております。
19.社債及び借入金
(1) 内訳
社債及び借入金の内訳は、以下のとおりであります。
社債及び借入金は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。なお、平均利率及び返済期限は、当連結会計年度に関するものを記載しております。
当連結会計年度末において財務制限条項に抵触した長期借入金は、連結財政状態計算書上、流動負債として表示しております。
(2) 社債の明細
社債の発行条件の要約は、以下のとおりであります。
(注)1 1年以内に償還予定の社債の金額については( )書きで記載しております。
2 2019年12月13日の翌日から2029年12月13日までは固定利率、2029年12月13日の翌日以降は変動利率
であります(2029年12月13日の翌日及び2049年12月13日の翌日に金利のステップアップが発生)。
3 2024年9月12日の翌日から2029年9月12日までは固定利率、2029年9月12日の翌日以降は変動利率
であります(2029年9月12日の翌日に金利のステップアップが発生)。
4 2029年12月13日以降の各利払日に、または払込期日以降に税制事由もしくは資本性変更事由が生じ
かつ継続している場合に、当社の裁量で期限前償還が可能な特約条項が付されております。
5 2029年9月12日以降の各利払日に、または払込期日以降に税制事由もしくは資本性変更事由が生じ
かつ継続している場合に、当社の裁量で期限前償還が可能な特約条項が付されております。
6 2020年9月10日の翌日から2027年9月10日までは固定利率、2027年9月10日の翌日以降は変動利率
であります(2027年9月10日の翌日に金利のステップアップが発生)。
7 2020年9月10日の翌日から2030年9月10日までは固定利率、2030年9月10日の翌日以降は変動利率
であります(2030年9月10日の翌日に金利のステップアップが発生)。
8 2027年9月10日及び2027年9月10日以降の各利払日に、または払込期日以降に税制事由もしくは
資本性変更事由が生じ、かつ継続している場合に、住友ファーマ社の裁量で期限前償還が可能な特約
条項が付されております。
9 2030年9月10日及び2030年9月10日以降の各利払日に、または払込期日以降に税制事由もしくは
資本性変更事由が生じ、かつ継続している場合に、住友ファーマ社の裁量で期限前償還が可能な特約
条項が付されております。
(3) 担保資産
債務の担保に供している資産及び対応する債務の内訳は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
当社が保有するペトロ・ラービグ社のA種普通株式のうち、持分約22.5%をサウジ・アラムコ社に売却したことに伴い、ペトロ・ラービグ社を当第3四半期連結会計期間より共同支配企業から関連会社に変更しております。これに伴い、当連結会計年度は、関連会社に対する投資を、関連会社の借入金34,543百万円を担保するため、物上保証に供しております。前連結会計年度は、共同支配企業に対する投資を、共同支配企業の借入金168,587百万円を担保するため、物上保証に供しておりました。
(4) 財務制限条項
前連結会計年度(2025年3月31日)
長期借入金のうち、302,818百万円(1年内返済予定を含む)に、以下の財務制限条項が付されており、抵触した場合は当該契約上の全ての債務について期限の利益を喪失する可能性があります。財務制限条項が付されている主なものは以下のとおりであります。
(単位:百万円)
当連結会計年度(2026年3月31日)
長期借入金のうち、229,466百万円(1年内返済予定を含む)に、以下の財務制限条項が付されており、抵触した場合は当該契約上の全ての債務について期限の利益を喪失する可能性があります。財務制限条項が付されている主なものは以下のとおりであります。
(単位:百万円)
住友ファーマ㈱は、2026年4月に当社の債務保証を受けた借入債務を全額返済し、当社の債務保証を受けない借入金への借り替えを実施いたしました。
20.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
21.財務活動に係る負債の調整表
財務活動に係る負債の調整表は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1 リース負債の非資金取引「その他」には、使用権資産の新規取得による増加が含まれております。
2 前々連結会計年度末において財務制限条項に抵触していた借入金50,929百万円の返済は、連結キャッシュ・フロー計算書においては短期借入金の純増減額に含めておりますが、上表では長期借入金の返済として記載しております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 1 リース負債の非資金取引「その他」には、使用権資産の新規取得による増加が含まれております。
2 当連結会計年度末において財務制限条項に抵触した長期借入金は、連結財政状態計算書上、流動負債として表示しております。
22.リース
(1) リースに関連する損益及びキャッシュ・フロー
当社グループは、借手として、建物や機械装置等の資産を賃借しております。
リースに関連する損益及びキャッシュ・フローは、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(2) 延長オプション及び解約オプション(借手側)
当社グループにおいては、各社がリース管理に責任を負っており、リース条件は個々に交渉され、幅広く異なる契約条件となっております。
延長オプション及び解約オプションは、主にオフィス及び倉庫、工場用地に係る不動産リースに含まれております。これらのオプションは、リース契約主体が不動産を事業に活用する上で、必要に応じて使用されております。
(3) リースにより課されている制限または特約
リースにより課されている制限(追加借入及び追加リースに関する制限等)はありません。
23.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。
24.従業員給付
当社及び一部の連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型の制度として積立型、非積立型の退職一時金制度、確定給付企業年金制度等を設けており、確定拠出型の制度として確定拠出年金制度を設けております。
当社及び一部の連結子会社は退職給付信託を設定しております。
これらの制度には、法律に従って最低積立要件が設けられており、制度に積立不足が存在する場合には、定められた期間内に掛金の追加拠出を行い最低積立要件を満たすことが要求されます。
当社グループの主要な制度は、投資リスク、利率リスク、インフレリスク、寿命リスク等の数理計算上のリスクに晒されております。
(1) 確定給付制度
① 確定給付制度債務及び制度資産の調整表
確定給付制度債務及び制度資産と連結財政状態計算書に計上された確定給付負債及び資産の純額との関係は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
② 確定給付制度債務の現在価値の調整表
確定給付制度債務の現在価値の増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
当社及び主要な連結子会社の確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、前連結会計年度において13.9年、当連結会計年度において13.1年であります。
③ 制度資産の公正価値の調整表
制度資産の公正価値の増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 前連結会計年度及び当連結会計年度において、当社の制度資産が確定給付制度債務に対して積立超過の状況にあり、その状況が継続すると見込まれることから、制度資産のうち退職給付信託として拠出していた現金部分の返還を実施しております。
当社グループの制度資産の運用に関する基本方針は、現在及び将来の年金給付及び一時金給付に必要な制度資産を安全かつ効率的に確保するために、具体的な運用利回り、許容するリスクを定め、時価ベースでの制度資産の拡大を図ることを目標としております。
この目的の達成のため、特定の運用資産に偏ることなく、リスク分散に努めることとしております。
また、資産構成割合は、必要に応じて見直しを行うこととしております。
当社グループは、翌連結会計年度(2027年3月期)に6,486百万円の掛金を拠出する予定であります。
④ アセット・シーリングによる調整額の変動
アセット・シーリングによる調整額の変動は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 前連結会計年度及び当連結会計年度において、将来掛金が減額されないまたは将来掛金が返還されないために経済的便益が利用できないことから、当社及び当社グループの年金制度の一部に未認識の積立超過額が発生しております。
⑤ 制度資産の項目ごとの内訳
制度資産の主な項目ごとの内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) その他は、主に不動産投資信託等から構成されております。
⑥ 主な数理計算上の仮定
数理計算に用いた主な仮定は、以下のとおりであります。
⑦ 感応度分析
数理計算に用いた割引率が0.5%変動した場合に、確定給付制度債務の現在価値に与える影響は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 感応度分析における確定給付制度債務の算定にあたっては、連結財政状態計算書で認識されている確定給付制度債務の算定方法と同一の方法を適用しております。感応度分析は期末日において合理的に推測しうる仮定の変動に基づき行われております。また、感応度分析は分析の対象となる数理計算上の仮定以外のすべての数理計算上の仮定が一定であることを前提としておりますが、実際には他の数理計算上の仮定の変化が影響する可能性があります。
(2) 確定拠出制度
確定拠出型の退職給付に係る掛金は、従業員が勤務を提供した期間に費用として認識しております。確定拠出制度(確定拠出制度と同様に会計処理する、複数事業主制度の企業年金基金制度を含む。)に関して費用として認識された金額は、前連結会計年度が6,318百万円、当連結会計年度が6,638百万円であります。
(3) 従業員給付費用
前連結会計年度及び当連結会計年度における連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「その他の営業費用」に含まれる従業員給付費用の合計額は、それぞれ422,922百万円及び403,890百万円であります。
(4) 確定給付である複数事業主制度
一部の連結子会社は、複数事業主制度の企業年金基金に加入しており、自社の拠出に対応する年金資産の額を合理的に計算することができないため、確定拠出制度と同様に会計処理しております。
企業年金基金への掛金の額は、加入員の標準給与等の額に一定の率を乗ずる方法により算定されます。また、将来にわたって財政の均衡を保つことができるように、法令に定める基準に従って掛金の額が見直されます。
同基金が解散し清算する場合は、法令により算定された最低積立基準額等に基づき、不足金の徴収もしくは残余財産の分配が行われます。また、事業者が脱退する場合は、脱退により生ずると見込まれる債務及び不足金が徴収されます。
① 複数事業主制度の直近の積立状況
上記の差引額の内訳は、2024年3月31日時点では特別掛金収入現価△29,749百万円、剰余金8,171百万円であり、2025年3月31日時点では特別掛金収入現価△29,200百万円、剰余金8,101百万円であります。
特別掛金収入現価は、過去の年金財政上の不足額を将来にわたって償却するための見込み収入額を表し、企業年金基金規約であらかじめ定められた掛金率(特別掛金)を手当てしております。
また、本制度における償却方法は元利均等償却であります。特別掛金収入現価の残存償却年数は、2024年3月期は19年8ヶ月、2025年3月期は18年8ヶ月です。当社グループの連結財務諸表上、特別掛金(2024年3月期は32百万円、2025年3月期は34百万円)を費用処理しております。
② 複数事業主制度の掛金に占める当社グループの割合
前連結会計年度 1.77% (2024年3月31日現在)
当連結会計年度 1.75% (2025年3月31日現在)
特別掛金の額はあらかじめ定められた掛金率を掛金拠出時の標準給与の額に乗じることで算出されるため、上記の割合は当社グループの実際の負担割合とは一致しておりません。
③ 翌年度における複数事業主制度に対する拠出額
当社グループは、翌連結会計年度(2027年3月期)における複数事業主制度に対する拠出額を83百万円と見積っております。
25.引当金
引当金の内訳及び増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
引当金は、将来において債務の決済に要すると見込まれるキャッシュ・フローの期末日における最善の見積りに基づいて測定しております。売上割戻引当金を算定するにあたり、公的なプログラムや卸店、その他の契約等に対する売上割戻金の支出に備えて、その見込額を計上しており、期末残高のうち、当社の連結子会社であるスミトモ ファーマ アメリカ インコーポレーテッドで販売している製品に適用される売上割戻引当金は、74,647百万円になります。米国で販売されている主要品目に適用される様々な保険制度に係る売上割戻金は、その決済までの期間が確定までに時間を要するものもあります。また、売上割戻金の算定の基礎となる売上割戻率は、商流(卸売業者、薬局、病院等)及び適用される保険制度によって異なることから、売上割戻引当金の見積りに当たっては、最終的な商流と適用される保険制度を見積る必要があり、これらの経営者による判断が売上割戻引当金の見積りに重要な影響を及ぼす可能性があります。その他の引当金については、将来において債務の決済に要すると見込まれるキャッシュ・フローは、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しております。これら引当金の測定において使用される仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があります。
26.その他の負債
その他の負債の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 前受収益は、ファイザー社とのがん領域における北米でのレルゴリクスの共同開発及び共同販売に関する
契約に基づき受領した一時金であります。
27.資本及びその他の資本項目
(1) 資本金及び剰余金
授権株式数及び発行済株式数の増減は、以下のとおりであります。
(注) 1 当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式であり、発行済株式は全額払込み済みとなっております。
2 前連結会計年度及び当連結会計年度における期中増加は、譲渡制限付株式報酬制度に基づく新株発行によるものであります。
剰余金の主な内容は、以下のとおりであります。
① 資本剰余金
日本の会社法では、株式の発行に対しての払込みまたは給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されております。また日本の会社法では、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
なお、子会社株式の追加取得持分と追加投資額との間に生じた差額により資本剰余金が負の値になる場合には、資本剰余金をゼロとし、残額は利益剰余金から減額しております。
② 利益剰余金
日本の会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金または利益準備金として積み立てることが規定されております。積み立てられた利益準備金は、欠損補填に充当することができます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取崩すことができます。
(2) 自己株式
自己株式数の増減は、以下のとおりであります。
(注) 当連結会計年度の期中増減の主な要因は、以下のとおりであります。
株式交換に伴う株式会社田中化学研究所の株主への当社株式の交付による減少 14,028,283株
当連結会計年度の期中増減のその他の主な要因及び前連結会計年度の期中増減の主な要因は、単元未満株式の買取または売渡請求によるものであります。
(3) その他の資本の構成要素
① その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の評価差額であります。
② 確定給付制度の再測定
確定給付制度の再測定は、確定給付制度債務の現在価値に係る数理計算上の差異、制度資産に係る収益(利息の純額に含まれる金額を除く)及び資産上限額の影響(利息の純額に含まれる金額を除く)の変動額であります。これらについては、発生時にその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から利益剰余金に直ちに振り替えております。
③ キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジにおけるヘッジ手段に係る利得または損失のうち有効部分であります。
④ 在外営業活動体の換算差額
外貨建で作成された海外子会社等の財務諸表を連結する際に発生した換算差額であります。
28.配当金
(1) 配当金支払額
配当金の支払額は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(2) 配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるものは、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
29.売上収益
(1) 収益の分解
当社グループは、「アグロ&ライフソリューション」、「ICT&モビリティソリューション」、「アドバンストメディカルソリューション」、「エッセンシャル&グリーンマテリアルズ」及び「住友ファーマ」の事業を主な事業としており、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績の評価をするために、定期的に検討を行う対象としていることから、これらの事業で計上する収益を売上収益として表示しております。また、売上収益は顧客の所在地に基づき地域別に分解しております。これらの分解した売上収益と各報告セグメントの売上収益との関連は以下のとおりであります。
前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1 「その他」の事業では、放射性診断薬、電力・蒸気の供給、化学産業設備の設計・工事監督、運送・倉庫業務等を含んでおります。
2 その他の源泉から認識した収益は、相手先が顧客とはみなされない場合の共同パートナーとの契約等から生じる売上収益であります。
当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1 「その他」の事業では、電力・蒸気の供給、運送・倉庫業務等を含んでおります。
2 その他の源泉から認識した収益は、相手先が顧客とはみなされない場合の共同パートナーとの契約等から生じる売上収益であります。
(2) 履行義務
当社グループが履行義務を充足する通常の時点、返品及び返金の義務については、「3.重要性がある会計方針」に記載のとおりであります。顧客との契約で約束された製品または役務の対価は、履行義務の充足時点から主として1年以内に回収しており、重大な金融要素は含まれておりません。
(3) 契約残高
顧客との契約から生じた契約残高の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
顧客との契約から生じた債権及び契約資産は、「営業債権及びその他の債権」に含まれており、契約負債は、「その他の流動負債」及び「その他の非流動負債」に含まれております。
契約資産は、主に特定の製品の販売に関する契約に基づいて移転した財またはサービスに係る対価を受け取る権利に対して認識しており、契約負債は、主に顧客からの前受金に対して認識しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度の期首時点で契約負債(流動)に含まれていた金額はそれぞれ16,164百万円、14,460百万円であります。これらの金額のうち、それぞれ前連結会計年度及び当連結会計年度に収益として認識されなかった金額に重要性はありません。
また、前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足(または部分的に充足)した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。
(4) 未充足の履行義務に配分した取引価格
残存履行義務に配分した取引価格及び収益の認識が見込まれる時期は以下のとおりであります。なお、個別の契約期間が1年以内と見込まれる取引は、実務上の便法を使用しているため記載を省略しております。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
(単位:百万円)
(5) 顧客との契約の獲得または履行のためのコストから認識した資産
前連結会計年度及び当連結会計年度において、顧客との契約の獲得または履行のために発生したコストの金額に重要性はありません。
30.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
31.その他の営業収益及び営業費用
その他の営業収益の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
その他の営業費用の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 事業構造改善費用は、事業の構造改善を目的とした費用であり、主に有形固定資産除却損及び組織・業務改
革の推進に伴う費用が含まれております。
その他の営業収益及び費用に含まれる残存持分の公正価値測定による評価損益の内訳は、以下のとおりであります。
32.金融収益及び金融費用
金融収益の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
金融費用の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
33.その他の包括利益
その他の包括利益の各項目別の当期発生額及び損益への組替調整額、並びに税効果の影響は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
34.1株当たり利益
(1) 基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎
(2) 希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎
(注)1 各連結会計年度において、希薄化効果を有さないとして、希薄化後の期中平均普通株式数の算定から除外したものはありません。
2 期末日から当連結財務諸表の承認日までの間に、重要性の高い普通株式や潜在的普通株式に係る取引はありません。
35.株式報酬
(1) 譲渡制限付株式報酬制度
当社は、当社の取締役(社外取締役を除く)及び取締役を兼務しない執行役員(国内非居住者を除く)に対して当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、株主との一層の価値共有を進めることを目的に、譲渡制限付株式報酬制度(以下「本制度」という。)を導入しております。また当連結会計年度より、監査等委員会設置会社への移行に伴い、本制度の対象を当社の取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く)及び取締役を兼務しない執行役員(国内非居住者を除く)(以下「対象取締役等」と総称する。)に変更しました。
対象取締役等は、本制度に基づき当社から支給された金銭債権の全部を現物出資財産として払込み、当社の普通株式について発行または処分を受けることとなります。その1株当たりの払込金額は、各取締役会決議の日の前営業日における東京証券取引所における当社の普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合は、それに先立つ直近取引日の終値)を基礎として当該普通株式を引き受ける対象取締役等に特に有利な金額とならない範囲において、取締役会において決定します。
また、本制度による当社の普通株式の発行または処分に当たっては、当社と対象取締役等との間で譲渡制限付株式割当契約を締結するものとし、その内容としては、①対象取締役等は、一定期間、譲渡制限付株式割当契約により割当を受けた当社の普通株式について、第三者への譲渡、担保権の設定その他一切の処分を禁止すること、②一定の事由が生じた場合には当社が当該普通株式を無償で取得すること等が含まれております。
前連結会計年度及び当連結会計年度に付与した譲渡制限付株式の内容は、以下のとおりであります。
(2) 株式報酬費用
前連結会計年度において、譲渡制限付株式報酬制度に関して計上された費用は248百万円であります。
当連結会計年度において、譲渡制限付株式報酬制度に関して計上された費用は241百万円であります。
なお、これらの株式報酬に関して計上された費用は、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含めております。
36.金融商品
(1) 資本管理
当社グループは、持続的成長を続け、企業価値を最大化するために資本管理をしております。
持続的成長の実現には、今後、外部資源の獲得等の事業成長に向けた事業投資機会が生じた際に、機動的な事業投資を実施するため、充分な資金調達余力の確保が必要であると認識しており、バランスある資本構成を目指しております。
なお、当社が適用を受ける重要な資本規制(会社法等の一般的な規定を除く)はありません。
当社は、剰余金の配当の決定にあたり、株主還元を経営上の最重要課題の一つと考え、各期の業績、配当性向並びに将来の事業展開に必要な内部留保の水準等を総合的に勘案し、安定的な配当を継続することを基本としております。
当社は、会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議によって剰余金の配当を行うことができる旨を定めております。
(2) 財務上のリスク管理
当社グループは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・為替リスク・金利リスク・市場価格の変動リスク)に晒されており、当該財務上のリスクを軽減するために、リスク管理を行っております。
(3) 信用リスク
当社は、債権管理について定めた社内規程に従い、営業債権について、各事業部門における営業担当部が定期的に全営業取引先の状況、販売取引高及び債権残高をチェックして取引方針の見直しを実施するとともに、財務状況等の悪化等による取引先の信用リスクの早期把握や軽減を図っております。
連結子会社においても、各社の規程に基づき事業部門または経理担当部門が取引先の財務状況及び信用状況の管理を行っております。
デリバティブ取引の利用にあたっては、カウンターパーティーリスクを軽減するために、信用度の高い金融機関及び商社とのみ取引を行っており、信用リスクに及ぼす影響は限定的であります。
なお、特定の取引先について重要な信用リスクのエクスポージャーは無く、特段の管理を要する信用リスクの過度な集中はありません。
金融資産の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示されている減損後の帳簿価額であります。債務保証の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、注記「40.偶発債務」に記載の保証債務の金額であります。
当社グループは、一部の営業債権等に対する担保として主に預り保証金を保有しております。前連結会計年度末及び当連結会計年度末において連結財政状態計算書のその他の金融負債に計上されている金額はそれぞれ、8,926百万円及び8,879百万円であります。
貸倒引当金の増減
当社グループは、「営業債権及びその他の債権」、「その他の金融資産」及び金融保証契約に対し、取引先の信用状態に応じてその回収可能性を検討し、貸倒引当金を設定しております。
重大な金融要素を含んでいない営業債権及び契約資産は、常に全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を測定しております(単純化したアプローチ)。その他の債権、その他の金融資産及び金融保証契約については、原則として12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しておりますが、金融資産(金融保証契約を含む。)に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合は、過去の貸倒実績や将来の回収可能価額等をもとに、当該金融資産の回収に係る全期間の予想信用損失を個別に見積って貸倒引当金の金額を測定しております(一般的なアプローチ)。
信用リスクが著しく増大しているか否かは、債務不履行発生リスクの変動に基づいて判断しており、その判断にあたっては、取引相手先の財務状況、過去の貸倒損失計上実績、過去の期日経過情報等を考慮しております。当社グループにおいては、原則として契約上の支払の期日超過が30日超である場合に、信用リスクが著しく増大していると判断しております。また、原則として契約上の支払の期日超過が90日超である場合に、債務不履行が生じていると判断しております。これらの判断には、過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を考慮しており、当該情報に基づいて反証可能である場合には、信用リスクの著しい増大は生じていないものと判断しております。
いずれの金融資産についても、債務者からの弁済条件の見直しの要請、債務者の深刻な財政難、債務者の破産等による法的整理の手続の開始等があった場合には、信用減損金融資産として取り扱っております。また、将来回収できないことが明らかな金額は、金融資産の総額での帳簿価額を直接減額し、対応する貸倒引当金の金額を減額しております。
貸倒引当金の金額は、以下のように算定しております。
・営業債権(受取手形及び売掛金)、その他の債権(契約資産)
単純化したアプローチに基づき、過去の貸倒実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を総額での帳簿価額に乗じて算定しております。
・その他の債権(未収入金等)、その他の金融資産及び金融保証契約
信用リスクが著しく増大していると判定されていない資産については、同種の資産の過去の貸倒実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を総額での帳簿価額に乗じて算定しております。信用リスクが著しく増大していると判定された資産及び信用減損金融資産については、取引相手先の財務状況に将来の経済状況の予測等を加味した上で個別に算定した回収可能価額と、総額での帳簿価額との差額をもって算定しております。
貸倒引当金の認識対象となる金融資産の総額での帳簿価額及び金融保証契約の残高は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
単純化したアプローチを適用している金融資産及びステージ1の金融資産の予想信用損失は、リスクの特徴が類似したものごとにグルーピングした上で、過去の信用損失の実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を乗じて集合的に評価しております。ステージ2及びステージ3の金融資産の予想信用損失は、取引相手先の財務状況に将来の経済状況の予測等を加味した上で個別に評価しております。
貸倒引当金の増減は、以下のとおりであります。なお、当連結会計年度において貸倒引当金の変動に影響を与えるような総額での帳簿価額の著しい増減はありません。
(単位:百万円)
(注) 貸倒引当金は主に単純化したアプローチを適用した金融資産に係るものです。
(4) 流動性リスク
① 流動性リスク管理
流動性リスクは、当社グループが期限の到来した金融負債の返済義務を履行するにあたり、支払期日にその支払を実行できなくなるリスクであります。
当社は、各部署の入出金予定に基づき、財務担当部門が適時に資金繰り計画を作成・更新しております。手許流動性は、資産効率を考慮して、通常は売上収益の1日分相当程度に抑制しておりますが、金融機関との間に当座借越契約及び総額150,000百万円のコミットメント・ライン契約を締結することなどにより、流動性リスクを管理しております。なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、コミットメント・ライン契約の使用残高はありません。
また、当社及び主要な連結子会社は、キャッシュマネジメントシステム及びグループファイナンスの活用により、当社グループ内での資金効率の向上を図り、流動性リスクの低減に努めております。
② 金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の契約上の期日別残高
金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の契約上の期日別残高は以下のとおりであります。なお、利息については将来支払が見込まれる金額で記載しております。
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 当社及び住友ファーマ社が発行した公募ハイブリッド社債(公募劣後特約付社債)の元本は、契約上の償還期限に基づき「5年超」に含んでおりますが、特約条項により早期に償還する可能性があります。詳細は、注記「19.社債及び借入金」に記載しております。
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 当社及び住友ファーマが発行した公募ハイブリッド社債(公募劣後特約付社債)の元本は、契約上の償還期限に基づき「5年超」に含んでおりますが、特約条項により早期に償還する可能性があります。詳細は、注記「19.社債及び借入金」に記載しております。
また、1年超2年以内に含まれる財務制限条項に抵触した長期借入金は、連結財政状態計算書上、流動負債として表示しております。
③ サプライヤー・ファイナンス契約
当社グループは、原材料等の仕入取引に関してサプライヤー・ファイナンス契約を締結しております。
この取引契約は、当社グループが仕入先に支払うべき債務について、資金供給者が支払を申し出ること、及び契約条件に従い、正常営業循環期間において仕入先が支払を受けるのと同じ日またはそれより後の日に当社グループが資金供給者に対して支払を行うことに同意するものであります。
当社グループは、サプライヤー・ファイナンス契約のための担保資産あるいは第三者による保証の提供は行っておりません。
(ⅰ)サプライヤー・ファイナンス契約の一部である金融負債の帳簿価額は以下のとおりであり、当該負債は連結財政状態計算書において「営業債務及びその他の債務」に含まれております。
(単位:百万円)
当連結会計年度における、サプライヤー・ファイナンス契約の一部である金融負債の帳簿価額の非資金変動には、為替による増加1,596百万円が含まれております。
(ⅱ)(ⅰ)のうち、仕入先が資金供給者から既に支払を受けている金融負債の帳簿価額は以下のとおりであり、当該負債は連結財政状態計算書において「営業債務及びその他の債務」に含まれております。
(単位:百万円)
(ⅲ)(ⅰ)の金融負債とサプライヤー・ファイナンス契約の一部ではない同等の営業債務の支払期日の範囲は主に以下のとおりであります。
(5) 為替リスク
当社及び一部の連結子会社は、外貨建ての営業債権債務等について、通貨別月別に把握された為替の変動リスクに対し、為替リスク管理について定めた社内規程に基づき一定範囲内で為替予約取引をヘッジ目的で利用しております。なお、当社グループは、取引の対象物の価格変動に対する当該取引の時価変動率が大きい取引(レバレッジの効いたデリバティブ取引)は利用しておりません。
為替リスクのエクスポージャー
当社グループは主に米ドルの為替リスクに晒されております。
当社グループの米ドルの為替リスクに対するエクスポージャーは以下のとおりであります。なお、エクスポージャーの金額は、デリバティブ取引により為替リスクがヘッジされている金額を除いております。
(単位:千米ドル)
為替感応度分析
当社グループが各連結会計年度末において保有する外貨建金融商品において、期末日における為替レートが米ドルに対してそれぞれ1%円高となった場合に、純損益及び資本に与える影響は以下のとおりであります。
本分析においては、機能通貨建ての金融商品、及び在外営業活動体の資産及び負債、収益及び費用を円貨に換算する際の影響は含んでおりません。また、その他の変動要因(残高、金利等)は一定であることを前提としております。
(単位:百万円)
(6) 金利リスク
当社グループは、資金需要に対してその内容や財務状況及び金融環境を考慮し、調達の金額・期間・方法等を判断しております。今後の金利の変動に備え、固定金利・変動金利を適宜組み合わせて調達を行っておりますが、金利が上昇した場合には支払利息が増加し、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社及び一部の連結子会社は、借入金に係る支払金利の変動リスクを抑制するために、一定範囲内で金利スワップ取引を利用することにより金利上昇リスクをヘッジしております。
金利リスクのエクスポージャー
当社グループの金利リスクに対するエクスポージャーは以下のとおりであります。なお、エクスポージャーの金額は、デリバティブ取引により金利変動リスクがヘッジされている金額を除いております。
(単位:百万円)
金利感応度分析
当社グループが各連結会計年度末に保有する金融商品において、金利が100ベーシス・ポイント上昇した場合に、純損益及び資本に与える影響は以下のとおりであります。
本分析は金利変動の影響を受ける金融商品を対象としており、その他の変動要因(残高、為替レート等)は一定であることを前提としております。
(単位:百万円)
(7) 市場価格の変動リスク
当社グループは、主に取引先企業等との関係の強化・維持を目的として事業運営上の関係を有する企業の株式を保有していることから、株価の変動リスクに晒されております。なお、株式については定期的に時価や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、また、取引先企業との関係を勘案して保有状況を定期的に見直しております。
当社グループが、期末日現在において保有する資本性金融商品の市場価格が10%変動した場合に、その他の包括利益(税効果控除後)が受ける影響は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ7,070百万円及び8,407百万円であります。
ただし、本分析においては、その他の変動要因は一定であることを前提としております。
(8) 金融商品の公正価値
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、公正価値測定に用いたインプットのレベル区分に基づき、以下のいずれかに分類しております。
レベル1:活発な市場における同一の資産または負債の市場価格
レベル2:レベル1以外の、直接または間接的に観察可能な価格で構成されたインプット
レベル3:観察可能な市場データに基づかないインプット
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
上記には、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている以下の金融商品は含めておりません。
現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、貸付金、その他の金融資産(その他)、営業債務及びその他の債務、短期借入金、コマーシャル・ペーパー、預り金、その他の金融負債(その他)
社債の公正価値は、市場価格に基づいて算定しております。
長期借入金は、将来キャッシュ・フローを新規に同様の契約を実行した場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。
償却原価で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーについては、社債はレベル2、その他のものはレベル3に分類しております。
公正価値で測定する金融資産及び金融負債は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
レベル3に区分された金融商品の当期首から当期末までの変動は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 1 純損益に含まれている利得及び損失のうち、FVTPLの金融資産に関するものは、連結損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれております。また、FVTPLの金融負債に関する利得及び損失のうち、条件付対価の公正価値変動は連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」及び「その他の営業収益」に、その他の金融負債に係るものは「金融収益」及び「金融費用」に含まれております。前連結会計年度におけるFVTPLの金融資産の減少は、主にペトロ・ラービグ社への貸付金及び長期未収利息に係る債権放棄によるものであります。
2 その他の包括利益に含まれている利得及び損失は、決算日時点のFVTOCIの金融資産に関するものであります。これらの利得及び損失は、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産」に含まれております。
3 FVTOCIの金融資産の増加は、主にペトロ・ラービグ社が発行したB種普通株式の引き受けによるものであります。B種普通株式については発行当初から数年間の配当猶予期間が設定されており、2028年以降、年ごとに異なる配当率が設定されています。またB種普通株式には、一定の累積配当や買戻しに関する定めがあります。支払対価106,642百万円と当初認識時の公正価値90,660百万円の差額15,982百万円のうち、当社のペトロ・ラービグ社に対する持分(15%)相当の2,397百万円は連結財政状態計算書の「持分法で会計処理されている投資」に、13,585百万円は連結損益計算書の「金融費用」に含まれております。調整表における増加の金額は当初認識時の公正価値の金額を記載しております。事後測定の結果生じた公正価値の変動についてはその他の包括利益を通じて認識しております。
4「その他」は主に外貨建金融商品に係る為替換算差額によるものであります。為替換算差額は、連結損益計算書の「金融収益」または「金融費用」及び、連結包括利益計算書の「在外営業活動体の換算差額」に含まれております。
5 公正価値ヒエラルキーレベル3に区分された公正価値測定は、適切な権限者に承認された評価方針及び手続に従って行われており、金融商品の個々の資産性質、特徴並びにリスクを最も適切に反映できる評価モデルを決定しております。また、評価者は公正価値の変動に影響を与え得る重要な指標の推移と公正価値の推移を比較し、合理的に説明可能であるか継続的に検証しております。
レベル3に区分された金融商品の公正価値測定に係る重要な観察不能インプットは、以下のとおりであります。
・FVTOCIの金融資産は主に非上場株式で構成されております。そのうちペトロ・ラービグ社のB種普通株式については、割引キャッシュ・フロー法により公正価値を算定しており、ペトロ・ラービグ社の事業計画を基礎とした資金繰りの見積りを行い、その結果生じうる手元資金の範囲内でB種普通株式に関連する配当等の将来キャッシュ・フローを見積っています。その見積りにあたっては主要製品の将来における販売価格・マージン等の仮定を置いております。公正価値の算定における重要な観察不能インプットは当社が独自に見積った将来キャッシュ・フローの総額(当連結会計年度末153,582百万円)及び割引率(当連結会計年度末5.74%)であります。その他の非上場株式については、原則として割引キャッシュ・フロー法等により公正価値を算定しておりますが、公正価値が純資産価値に近似していると考えられる非上場株式等については、主に純資産価値に基づく評価技法により公正価値を算定しております。
・FVTPLの金融負債のうち、条件付対価は割引キャッシュ・フロー法により公正価値を算定しており、重要な観察不能インプットは関連する事業から生じる売上収益及び割引率であります。その他の金融負債は、一部の連結子会社で発行済の優先株式の持分を、株式の保有者の要求に基づきいつでもその純資産価値に基づく価額で償還可能であるため金融負債として認識したものであり、純資産価値に基づく評価技法により公正価値を算定しております。
・上記観察不能インプットは、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があります。
レベル3に区分された金融商品について、重要な仮定の変動が公正価値に与える影響は、以下のとおりであります。なお、条件付対価契約に関する金融負債の公正価値に影響を与える重要な仮定が変動した場合に、条件付対価の公正価値に与える影響は軽微であり、当社グループにとって重要ではないと判断しているため、感応度分析は行っていません。
(単位:百万円)
(9) 金融資産の譲渡
当社グループは営業債権の一部について流動化を行っております。しかし、当該流動化債権の中には、債務者が支払を行わない場合に、当社グループに遡求的に支払義務が発生するものがあり、このような流動化債権については、金融資産の認識の中止の要件を満たさないことから、認識の中止を行っておりません。
認識の中止の要件を満たさない方法で譲渡された譲渡資産及び関連する負債に関する帳簿価額は、次のとおりであり、譲渡資産は主に連結財政状態計算書の「営業債権及びその他の債権(売掛金)」に、関連する負債は主に「社債及び借入金(短期借入金)」に計上しております。なお、これらの公正価値は帳簿価額と合理的に近似しております。
(単位:百万円)
(10) デリバティブ
当社グループでは、外貨建ての営業債権債務、借入金等に係る為替レートの変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした為替予約取引、通貨スワップ等のデリバティブを利用しております。
これらのデリバティブは、キャッシュ・フロー・ヘッジとしてヘッジ指定された一部の取引を除き、ヘッジ手段として指定されていないものの、当社グループではデリバティブをリスクのヘッジ目的でのみ利用し、その限度額を実需の範囲としていることから、ヘッジ手段に指定されていないデリバティブについても為替等の変動による影響を有効に相殺していると判断しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジとは、将来キャッシュ・フローの変動リスクを回避するためのヘッジであります。
ヘッジ会計を適用する際は、ヘッジ関係の開始時及び継続期間中にわたり、ヘッジされているリスクに起因するヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動が、ヘッジ手段のキャッシュ・フローの変動により相殺される経済的関係にあることを確認するために、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているかまたは密接に合致しているかどうかの定性的な評価、あるいはヘッジ対象とヘッジ手段のキャッシュ・フローが同一のリスクによりその価値変動が相殺し合う関係にあることの定量的評価を通じて、ヘッジの有効性を評価しております。また、当社グループは、ヘッジ関係の開始時にヘッジ対象リスクの価値変動に起因するヘッジ対象の価値変動とヘッジ手段の価値変動の比率を見積って必要なヘッジ手段の数量を決定しており、原則としてヘッジ比率は1対1になっております。
なお、これらのヘッジ取引については、予定取引の中止等により非有効部分が発生する可能性があるものの、当社は有効性の高いヘッジを行っているため、通常、重要な非有効部分が発生するリスクは僅少であると想定しております。また、各連結会計年度において純損益に認識したヘッジ非有効部分の金額に重要性はありません。
当連結会計年度より、金額的重要性が増したため、①ヘッジ手段として指定した項目に関する金額、②連結損益計算書及び連結包括利益計算書におけるヘッジ会計の影響においてそれぞれ、為替リスクに係る情報を追加しております。これに伴い、比較情報として前連結会計年度に為替リスクの金額を記載しております。
① ヘッジ手段として指定した項目に関する金額
ヘッジ手段に係る資産の帳簿価額(公正価値)は「その他の金融資産」に計上しており、ヘッジ手段に係る負債の帳簿価額(公正価値)は、「その他の金融負債」に計上しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
② 連結損益計算書及び連結包括利益計算書におけるヘッジ会計の影響
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたヘッジ手段から生じた評価損益の増減は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1 ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動はヘッジ手段の公正価値の変動に近似しております。
2 組替調整額の連結損益計算書上の主な表示科目は、金利リスクについては「金融費用(支払利息)」、商品価格リスクについては「売上原価」、為替リスクについては「金融費用」であります。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1 ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動はヘッジ手段の公正価値の変動に近似しております。
2 組替調整額の連結損益計算書上の主な表示科目は、為替リスクについては「金融費用」であります。
なお、通貨スワップ取引に係る評価損益は、当連結会計年度において△4,356百万円であります。
前連結会計年度における当該評価損益は△434百万円でありましたが、重要性が乏しいため注記を省略し
ておりました。
37.重要な子会社
(1) 重要な子会社
当社の重要な子会社は「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりであります。
(2) 重要な非支配持分がある連結子会社
当社が重要な非支配持分を認識している連結子会社の要約財務情報等は、以下のとおりであります。なお、要約財務情報はグループ内取引を消去する前の金額であります。
住友ファーマ㈱
① 非支配持分割合及び非支配持分の累積額
(単位:百万円)
(注) 住友ファーマ社は、2026年4月8日、同社の取締役会において、新株式発行及び株式売出しに関して決議いたしました。詳細は、注記「41.後発事象」に記載しております。
② 非支配持分に配分された純損益及び非支配持分に支払った配当
(単位:百万円)
③ 要約財務情報
(ⅰ)要約連結財政状態計算書
(単位:百万円)
(ⅱ)要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書
(単位:百万円)
(ⅲ)要約連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:百万円)
(3) 子会社に対する支配の喪失
前連結会計年度において、当社は、連結子会社であった日本メジフィジックス株式会社の全株式を譲渡いたしました。また、連結子会社であった住友ケミカルエンジニアリング株式会社(現:JFEプラントテクノロジー株式会社)の一部株式を譲渡いたしました。当連結会計年度において、住友ファーマ社は、同社の連結子会社であったSMP準備株式会社(現:丸紅ファーマシューティカルズ株式会社)の一部株式を譲渡いたしました。
支配喪失時の資産及び負債の主な内訳、並びに譲渡対価と支配喪失による収支の関係は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
38.関連当事者
(1) 関連当事者との取引
関連当事者との重要な取引は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
① 共同支配企業及び関連会社に対する売上取引及び債権残高
② 共同支配企業及び関連会社に対する購入取引及び債務残高
③ その他の重要な取引
(注) 1 資金の貸付については、市場金利を勘案して決定しております。当該貸付金及び長期未収利息については前連結会計年度において全額債権放棄を行いました。これにより、債権放棄に伴う損失を109,791百万円計上し、また、ペトロ・ラービグ社に対する貸付金の債務免除に伴い持分法による投資利益(非経常要因)を86,093百万円計上しております。なお、当連結会計年度において、当社が保有するペトロ・ラービグ社のA種普通株式のうち、持分約22.5%をサウジ・アラムコ社に約702百万米ドルで売却し、株式売却対価をペトロ・ラービグ社に拠出しております。
2 ペトロ・ラービグ社の金融機関からの借入債務につき、債務保証を行っております。なお、取引金額には、保証債務の期末残高を記載しております。
3 ペトロ・ラービグ社の金融機関からの借入債務を担保するため、当社が保有する同社株式を物上保証に供しております。なお、取引金額には、担保に係る債務の期末残高を記載しております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
① 共同支配企業及び関連会社に対する売上取引及び債権残高
(注) 1 当社が保有するペトロ・ラービグ社のA種普通株式のうち、持分約22.5%をサウジ・アラムコ社に売却したことに伴い、ペトロ・ラービグ社を当第3四半期連結会計期間より共同支配企業から関連会社に変更しております。これに伴い、ペトロ・ラービグ社に対する売上高については、当第2四半期連結累計期間までを共同支配企業に、当第3四半期連結会計期間以降を関連会社に含めて表示しております。
② 共同支配企業及び関連会社に対する購入取引及び債務残高
(注) 1 当社が保有するペトロ・ラービグ社のA種普通株式のうち、持分約22.5%をサウジ・アラムコ社に売却したことに伴い、ペトロ・ラービグ社を当第3四半期連結会計期間より共同支配企業から関連会社に変更しております。これに伴い、ペトロ・ラービグ社からの購入高については、当第2四半期連結累計期間までを共同支配企業に、当第3四半期連結会計期間以降を関連会社に含めて表示しております。
③ その他の重要な取引
(注) 1 当社が保有するペトロ・ラービグ社のA種普通株式のうち、持分約22.5%をサウジ・アラムコ社に売却するとともに、ペトロ・ラービグ社が発行するB種普通株式の引受けに伴い当該対価を払い込んでおります。B種普通株式には議決権がなく、発行当初から数年間の配当猶予期間が設定されており、2028年以降、年ごとに異なる配当率が設定されております。またB種普通株式には、一定の累積配当や買戻しに関する定めがあります。
2 ペトロ・ラービグ社の金融機関からの借入債務につき、債務保証を行っております。なお、取引金額には、保証債務の期末残高を記載しております。
3 ペトロ・ラービグ社の金融機関からの借入債務を担保するため、当社が保有する同社株式を物上保証に供しております。なお、取引金額には、担保に係る債務の期末残高を記載しております。
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
(単位:百万円)
39.コミットメント
決算日以降の支出に関するコミットメントは、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
無形資産の取得に関するコミットメントは、主として第三者と締結した医薬品の技術導入契約等に関する権利の購入によるものであります。これらの契約は、契約締結時に支払う一時金に加え、開発の進捗に応じて開発マイルストンを支払う場合があります。上記金額は、割引前のものであり、また成功確率の調整は行わず、現在開発中であるすべての品目が成功すると仮定した場合に生じる潜在的なマイルストン支払額をすべて含んでおります。マイルストンの達成は不確実性が非常に高いため、実際の支払額と大幅に異なる可能性があります。
なお、これらの契約のうち、主要なものに関しては「第2 事業の状況 5 重要な契約等」に詳細を記載しております。
40.偶発債務
連結会社以外の会社等の金融機関等からの借入債務等に対して、次のとおり債務保証及び保証類似行為を行っております。これらは、金融保証契約に該当し、債務保証先が債務不履行となった場合、当該債務を負担する必要があります。債務保証等の残高は、次のとおりであります。
保証債務
(単位:百万円)
当社が保有するペトロ・ラービグ社のA種普通株式のうち、持分約22.5%をサウジ・アラムコ社に売却したことに伴い、ペトロ・ラービグ社を当第3四半期連結会計期間より共同支配企業から関連会社に変更しております。
41.後発事象
(当社子会社における新株式発行及び株式売出し)
当社の連結子会社である住友ファーマ社は、2026年4月8日、同社の取締役会において、新株式発行及び株式売出しに関して決議いたしました。また、2026年4月20日に発行価格及び売出価格等を下記のとおり決定しております。なお、公募による新株式発行は2026年4月24日に払込みが完了し、住友ファーマ社の資本金及び資本準備金(資本剰余金)の額が増加しております。
なお、本公募増資により、住友ファーマ社は約5,130万株の新株式発行を行いましたが、住友ファーマ社が当社の連結子会社である点に変更は生じません。
1.公募による新株式発行(国内一般募集・海外募集)
2.当社子会社株式の売出し(オーバーアロットメントによる売出し)
3.資金の使途
国内一般募集及び海外募集による手取概算額96,956百万円について、2029年3月末までに30,000百万円をがん領域の研究開発資金に、10,000百万円を神経変性疾患及び感染症領域への研究開発資金に、10,000百万円を再生・細胞医薬事業の成長を目的とした投融資資金に、10,000百万円を生産及び研究開発の設備投資資金、ITシステム投資資金並びに提携及びライセンス契約に係る戦略投資資金に、残額を有利子負債の返済資金に充当する予定であります。
なお、住友ファーマ社は、本オーバーアロットメントによる売出しに関連して、同時に決議した第三者割当による新株式発行について、割当先であるSMBC日興証券株式会社より、その全部について申込みを行わない旨の通知を受領いたしました。このため、当該第三者割当による新株式発行は実施しておりません。
(2) 【その他】
当連結会計年度における半期情報等
2 【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券
①満期保有目的の債券
償却原価法
②子会社株式及び関連会社株式
原価法(移動平均法)
③その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)
市場価格のない株式等
原価法(移動平均法)
(2) デリバティブ
時価法
(3) 棚卸資産
原価法(貸借対照表価額については収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)(総平均法)
2 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産以外)
定額法
(2) 無形固定資産
定額法
(3) リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間定額法
3 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
受取手形等貸金の貸倒れによる損失に備えるため設定しており、一般債権については合理的に見積もった貸倒率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 賞与引当金
従業員賞与等の支出に備えるため設定しており、支給見込額に基づき、当事業年度に負担すべき額を計上しております。
(3) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため設定しており、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しております。なお、退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
過去勤務費用は、主としてその発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(3年)による定額法により費用処理しております。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(3年)による定額法により按分した額を、発生の事業年度あるいは翌事業年度から費用処理しております。
(4) 修繕引当金
製造設備等にかかる定期修繕費用の支出に備えるため設定しており、支出費用見込額のうち前回の定期修繕の日から当事業年度末までの期間に対応する額を計上しております。
(5) 環境対策引当金
環境対策を目的とした支出に備えるため設定しており、当事業年度末における発生費用の見積額を計上しております。
(6) 固定資産撤去費用引当金
固定資産の撤去工事に伴う費用の支出に備えるため設定しており、その支出費用見込額を計上しております。
(7) 関係会社事業損失引当金
関係会社の事業に係る損失に備えるため、当該会社の財政状態を勘案し、投資額を超えて当社が負担することとなる損失見込額を計上しております。
(8) 事業構造改善引当金
事業構造改善に伴う費用の支出に備えるため、その支出費用見込額を計上しております。
(9) 関係会社株式売却損失引当金
関係会社株式の売却に伴う損失に備えるため、当社が負担することとなる損失見込額を計上しております。
4 収益及び費用の計上基準
(1) 顧客との契約から生じる収益
次の5ステップアプローチに基づき、約束した製品または役務を顧客に移転し、顧客が当該製品または役務に対する支配を獲得した時に収益を認識しております。
ステップ1:契約の識別
ステップ2:履行義務の識別
ステップ3:取引価格の算定
ステップ4:履行義務への取引価格の配分
ステップ5:履行義務の充足による収益の認識
当社は、「アグロ&ライフソリューション」、「ICT&モビリティソリューション」、「アドバンストメディカルソリューション」及び「エッセンシャル&グリーンマテリアルズ」の事業を主な事業としており、製品の販売については、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断していることから、製品の引渡時点で収益を認識しております。ただし、国内の取引については、出荷時から当該製品の支配が顧客に移転される時までの期間が通常の期間であるため、出荷時点で収益を認識しております。また、収益は顧客との契約において約束された対価から、返品、値引き及び割戻し等を控除した収益に重大な戻入れが生じない可能性が高い範囲内の金額で算定しております。
(2) 利息収益
利息収益は、実効金利法により認識しております。
(3) 配当金
配当収益は、配当を受け取る権利が確定した時点で認識しております。
5 その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1) 繰延資産の処理方法
支出時に全額費用として処理しております。
(2) ヘッジ会計の方法
①繰延ヘッジ等のヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理によっております。
②ヘッジ手段とヘッジ対象
③ヘッジ方針
デリバティブ取引の限度額を実需の範囲とする方針であり、投機目的によるデリバティブ取引は行わないこととしております。
④ヘッジ有効性評価の方法
それぞれのヘッジ手段とヘッジ対象が対応していることを確認することにより、有効性を評価しております。
(3) グループ通算制度の適用
グループ通算制度を適用しております。
(4) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異、未認識過去勤務費用の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっております。
(重要な会計上の見積り)
財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行う必要があります。実際の結果は、見積り及び仮定に関する不確実性があるために、翌事業年度に係る財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及びそれ以降の将来の会計期間において認識されます。
経営者が行った財務諸表の金額に重要な影響を与える判断、見積り及び仮定は以下のとおりであります。
・固定資産の減損
有形固定資産 240,776百万円(前事業年度末 239,846百万円)
無形固定資産 18,868百万円(前事業年度末 21,779百万円)
有形固定資産及び無形固定資産の減損損失の測定において、資産をグルーピングした上で、当該資産または資産グループにおける使用価値と正味売却価額のうちいずれか高い方を回収可能価額として実施しております。当該正味売却価額算定上の仮定、あるいは使用価値算定の基礎となる資産または資産グループの使用期間中及び使用後の処分により見込まれる将来キャッシュ・フローの見積りにおける仮定、割引率等は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があります。
・繰延税金資産の回収可能性(連結財務諸表注記「18.法人所得税」)
繰延税金負債(純額) 42,965百万円(前事業年度末 42,423百万円)
・関連会社に対する投資の評価
関係会社株式 175,736百万円(前事業年度末 212,690百万円)
上記の関係会社株式の内容は、ペトロ・ラービグ社が発行するA種普通株式とB種普通株式であります。
A種普通株式は、市場価格が著しく下落し、かつ回復可能性が見込めない場合には評価損を計上しております。
B種普通株式については議決権が無く、発行当初から数年間の配当猶予期間が設定されており、2028年以降、年ごとに異なる配当率が設定されております。またB種普通株式には、一定の累積配当や買戻しに関する定めがあります。B種普通株式は当初認識時に割引キャッシュ・フロー法による時価に基づき測定しており、事後の測定においては割引キャッシュ・フロー法による実質価額が著しく下落し、かつ回復可能性が見込めない場合には評価損を計上しております。実質価額の算定にあたって重要な観察不能インプットとして将来キャッシュ・フローの総額及び割引率を使用しております。将来キャッシュ・フローの見積りは、ペトロ・ラービグ社の事業計画を基礎とした資金繰りの見積りを行い、その結果生じうる手元資金の範囲内でB種普通株式に関連する配当等の将来キャッシュ・フローを見積っております。その見積りにあたっては主要製品の将来の販売価格・マージン等の仮定を置いております。これらの仮定や割引率は、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があります。
なお、連結財務諸表注記に同一の内容を記載している会計上の見積りの内容に関する情報については、省略しております。
(貸借対照表関係)
※1 担保資産
担保に供している資産は、次のとおりであります。
関連会社の借入金34,543百万円(前事業年度は168,587百万円)を担保するため、物上保証に供しております。
※2 関係会社に対する資産及び負債
関係会社に対する金銭債権または金銭債務は、次のとおりであります。
3 偶発債務
(1) 保証債務
借入債務及び仕入債務に対し、次のとおり債務保証を行っております。
(2) 債権流動化に伴う買戻し義務額
※4 圧縮記帳額
圧縮記帳の実施による取得価額の減額は、次のとおりであります。
※5 当社が保有するペトロ・ラービグ社のA種普通株式について、サウジ・アラムコ社との間で株式売却契約を締結し、当社持分約22.5%を売却することが決定いたしました。これに伴い、売却による損失見込額を計上しております。
(損益計算書関係)
※1 関係会社との営業取引及び営業取引以外の取引の取引高の総額は、次のとおりであります。
※2 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額並びにおおよその割合は、次のとおりであります。
※3 固定資産売却益の内訳は、次のとおりであります。
※4 当事業年度においてペトロ・ラービグ社が発行したB種普通株式を引き受けておりますが、取得時の時価90,660百万円が支払対価106,642百万円に対して下落していたことから、その差額15,982百万円を損益計算書の「関係会社株式評価損」として計上しております。
※5 関連事業損失の内訳は、次のとおりであります。
※6 関係会社債権放棄損には主な内訳としてペトロ・ラービグ社に対する長期貸付金の債権放棄に伴う損失110,918百万円及び長期未収利息の債権放棄に伴う損失868百万円を計上しております。当該長期貸付金については前事業年度において住化ファイナンス株式会社から当社が債権者としての地位を継承した後、全額債権放棄を行いました。
なお、当事業年度において、当社が保有するペトロ・ラービグ社のA種普通株式のうち、持分約22.5%をサウジ・アラムコ社に約702百万米ドルで売却し、株式売却対価をペトロ・ラービグ社に拠出しております。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2025年3月31日)
当事業年度(2026年3月31日)
(注) 市場価格のない株式等の子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上額
(単位:百万円)
これらについては、市場価格のない株式等のため、「子会社株式及び関連会社株式」には含めておりません。
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主要な項目別の内訳
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しております。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っております。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、連結財務諸表注記「3.重要性がある会計方針(13)収益」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注)1 「当期減少額」及び「当期償却額」欄の( )内は内数で、減損損失の計上額であります。
また、「減価償却累計額」欄には減損損失累計額を含めております。
2 当期増加額のうち主なもの (単位:百万円)
① 機械及び装置
② 建設仮勘定
3 当期減少額のうち主なもの (単位:百万円)
建設仮勘定
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社は、親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に次の書類を提出しております。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。





